子育てに役立つ本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「子育てに役立つ本」ですよね。私、子どもがいないので、どの本が誰に効くのか正直わからなくて。
佐藤メバル
いい質問だね。子育て本は「良い本ランキング」で選ぶと失敗しやすい。書店員時代、育児書を片っ端から買って、かえって不安が増したお客さんがいた。原因は「わが子の今」と本の対象がずれていたこと。だから最初に見るのは誰の、どの場面に効くかなんだ。
橘ナナミ
0歳のママと小学生のママでは、読む本が違うんですか?
佐藤メバル
まったく違う。『0歳から知っておきたい 脳が正しく育つ 子育てのきほん』は成田奈緒子さんが睡眠・食事・排泄・運動・言葉の5章で0〜5歳を扱う、1テーマ3分で読める本。『10年後、どんな親子関係でいたいですか?』は石田勝紀さんが心配ごとを「原則」で整理する本で、対象はもっと上だ。棚が別なんだよ。
橘ナナミ
なるほど……!じゃあ、その「ずれ」を防ぐ選び方から見ていきたいです。
子育てに役立つ本の選び方
今の子どもの年齢
橘ナナミ
年齢の区切りは、どう考えるとわかりやすいですか?
佐藤メバル
0〜1歳、1〜3歳、3〜6歳、小1〜3、小4〜6、思春期の6つの棚だね。0〜3歳なら『0〜3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』。明橋大二さんが「3歳までは、自分は大切にされているという気持ちを育む時期」として、抱っこ・話かける・一緒に遊ぶ・話を聞く・まるごとほめるを、○×マンガで示している。3〜6歳なら『6歳までの子育て大全』。沢井佳子さんが発達スケールガイド付きで「今なぜそのふるまいをするのか」を説明してくれる。
橘ナナミ
思春期はどのあたりですか?
佐藤メバル
『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』は、フィリッパ・ペリーさんが赤ちゃんから思春期まで、しかも自分がどう育てられたかから説き起こす。年齢が上がるほど「子を変える本」より「関係を扱う本」に移っていくのが自然なんだ。
解決したい具体行動
橘ナナミ
「ご飯を食べない」みたいなどんぴしゃの悩みから探せますか?
佐藤メバル
できる。イヤイヤ期なら『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』。ふじこせんせいが、ご飯・お着替え・お出かけ・トイレ・お風呂・ねんねと、シーン別に声かけと背景の解説を並べている。スマホやゲームなら『子育てベスト100』に該当する項目がある。買う前に目次で自分の困りごとを探す、これが最短ルートだよ。
読み手の立場
橘ナナミ
ママ向け、パパ向けで違うんでしょうか。
佐藤メバル
違うね。『0〜3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』にはパパの子育ての章がある。『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』のJoeさんは、読み聞かせや子どもとの時間がつくれず罪悪感を抱えるお母さんに向けて、たった3秒のコミュニケーションから始めようと書いている。祖父母に渡すなら、責めるトーンでない本がいい。『子育て365日』の親野智可等さんは、親の不安が愛情の裏目に出るケースを見てきた人で、言葉がやわらかい。
形式
橘ナナミ
活字が苦手でも読める本はありますか?
佐藤メバル
ある。『子どもが伸びるスゴ技大全』はてぃ先生の○×形式の図鑑で、マンガで状況がわかる。『子どもの気持ちがわかる本』はイザベル・フィリオザさんが、困った行動を年齢別にイラストで整理している。じっくり理論を読みたいなら『子どもの見ている世界』。内田伸子さんが発達心理学から、身体・心・言葉・個性・知能の順に子どもの認知世界を描く。辞書型か通読型かを先に決めるだけで、挫折がぐっと減る。
情報の鮮度
橘ナナミ
古い本は避けたほうがいいんですか?
佐藤メバル
テーマによる。脳科学・医療・経済学は新しいものが強い。『科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線』は中室牧子さんが世界的な学術論文誌から信頼性の高いエビデンスを厳選している。『「自分でできる子」に育つスゴい習慣』はキム・ボギョンさんがスタンフォード大学で博士号を取得した脳科学研究者の立場から書いた。一方、言葉がけは古くても色あせない。『子どもが幸せになることば』の田中茂樹さんは、20年間で5000回以上の面接を通して言葉がけをまとめている。
親の可処分時間
橘ナナミ
ワンオペだと、まとまった時間が取れないですよね。
佐藤メバル
だから先に「1ページ完結型か通読型か」を決める。『はじめてママ&パパのしつけと育脳』は漫画やイラスト、写真や図解でまとまっていて、手元に置いて引く使い方に向く。『子育ては心理学でラクになる』はDaiGoさんが、イライラしなくなるトレーニングや環境づくりを短い単位で示している。時間がない人は、辞書引き前提の本を1冊だけ。それで十分だよ。
子育てに役立つ本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
子育てに役立つ本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
加藤紀子 著|ダイヤモンド社
¥1,230(税込)
「これ一冊で十分」と言いたくなる網羅性が最大の武器です。教育学・生理学・心理学・脳科学など200以上の資料と膨大な取材から厳選した100の方法を、421の具体策とともに収録。コミュニケーション、家庭学習、遊び、習い事、ほめ方・叱り方、読書、スマホ、ゲーム、食事、睡眠、運動まで取りこぼしがありません。断定を押しつけず選択肢を並べてくれるので、わが家に合うものを選べます。育児書を何冊も買う前に、まずこの地図を手に入れるのが近道です。
こんな人におすすめ
0〜10歳くらいの子どもを持つ親で、何から手をつければいいかわからない人。ネットの情報が玉石混淆で疲れている人、ひとつの育児書に絞れず迷っている人、家庭学習や習い事の判断材料がほしい人に向きます。辞書的に手元に置き、困ったテーマから拾い読みする使い方が合います。
良い点
- 200以上の資料から厳選した100の方法
- 421の超具体策で今日から動ける
- 0歳から運動・食事までテーマ網羅
気になる点
- 344ページと情報量が多く重い
- 読み通すには覚悟がいる
- わが子専用の答えではない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てに役立つ本」で検索すると、まずこの一冊が出てきますよね。100個も方法があるって聞くと、逆にどれを選べばいいのか迷ってしまいそうです。
佐藤メバル
いい質問だね。この本の使い方は「全部やる」じゃないんです。200以上の資料と取材から厳選した100の方法に、421の具体策が添えられていて、目次から自分の悩みに近いテーマだけ拾えばいい。
たとえば「叱り方」だけ、あるいは「睡眠」だけ。宝探しの地図として使うのがいちばん現実的ですよ。
橘ナナミ
なるほど、最初から通読しなくていいんですね。「21世紀型スキル」や「非認知能力」という言葉も出てきますが、そこも気になります。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の芯なんです。学校のカリキュラムではカバーしきれない創造力や自己肯定感、コミュ力、批判的思考力をどう育てるか。
情報の洪水の中で親が判断できるよう、根拠を確かめたうえで一冊に落とし込んでいる。花まる学習会の高濱正伸さんが絶賛したのも納得の作りです。

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本 - 「AERA with Kids」 元編集長が選ぶ -
江口祐子 著|ワニブックス
¥1,360(税込)
子育て本のベストセラー・名作100冊を、『AERA with Kids』元編集長が23のキーワードで束ねた一冊です。「些細なことでも自分で選ばせる→自己決定力が育つ」「基本は失敗OKにする→自己肯定感がつく」など、複数の名著に共通して繰り返し出てくる「これスゴイ」の重なりが見えるのが最大の読みどころ。1冊ずつ読む体力がなくても、子育ての基本と新しい教育観を同時につかめます。○×形式で思い込みを正してくれる構成も実用的です。
こんな人におすすめ
幼児・小学生を持つ親で、育児書をまとめて読む時間がない人。どの本を買うか決める前に全体像をつかみたい人、ほめ方や中学受験の思い込みを見直したい人、夫婦で教育観をすり合わせたい人にも向きます。
良い点
- 名作100冊の要点を一冊で比較できる
- 23のキーワードで整理され迷わない
- ○×形式で思い込みを正せる
気になる点
- 各著者の詳細は薄め
- 224ページで割り切った要約
- 原書の熱量までは伝わらない
出版社
ワニブックス
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、100冊分の内容が入っているんですよね。ずいぶん欲張りな本だなと思ったんですが、読む価値はあるんでしょうか。
佐藤メバル
面白い視点だね。これは「100冊の要約集」というより、100冊を横に並べたとき何度も出てくる共通項を抜き出す本なんです。
たとえば「些細なことでも自分で選ばせる」と「基本は失敗OK」。多くの名著が同じ方向を指しているとわかるだけで、自信を持って子育てできるようになりますよ。
橘ナナミ
なるほど、点ではなく線で見えるんですね。「新しい教育観」の章では、×と○が並んでいるのも気になりました。
佐藤メバル
そうそう、そこが実用的でね。「甘えを許すとわがままになる」×→「いろいろやってあげると自信がつく」○、みたいに、つい信じている思い込みを○×で反転させてくれる。
中学受験も「塾に入れればなんとかなる」ではなく「親の知識とサポートが必須」と書いてある。編集長として100冊を読んだ人の目線が効いています。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
島村華子 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
オックスフォードで児童発達学の博士号をとった著者が、モンテッソーリとレッジョ・エミリアの二大メソッドを知り尽くしたうえで、「ほめる」「叱る」という毎日の声かけに落とし込んだ一冊です。「すごい!」「えらいね!」がなぜ自主性を奪うのか、罰を与える叱り方がNGな4つの理由、アクティブ・リスニングの4つのポイントまで、エビデンス付きで具体的。3〜12歳の場面別Q&Aも収録され、今日の言い方を変えたくなる実践度が際立ちます。
こんな人におすすめ
3〜12歳の子どもを持つ親で、よかれと思ったほめ方が逆効果ではと不安な人。つい怒鳴って自己嫌悪を繰り返している人、しつけと自主性のバランスに悩む人、声かけを理論から学び直したい人に合います。
良い点
- エビデンスに基づく声かけが具体的
- 3〜12歳のQ&Aで場面を拾える
- モンテッソーリ等の知見を統合
気になる点
- 3歳未満への応用は前提外
- 実践には意識的な練習が要る
- 理論パートはやや硬め
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごい!」「よくできたね!」って、私も褒め言葉として何の疑いもなく使っていました。これがよくないかもしれないって、けっこうショックです。
佐藤メバル
そこがこの本の入り口なんですよ。よかれと思った褒め方が、実は「条件付き子育て」になって自主性を奪うことがある。
褒め方にも3種類あって、どれを選ぶかで育ち方が変わると、児童発達学の研究から示している。オックスフォードで博士号をとった著者ならではの説得力があります。
橘ナナミ
叱り方の章でも「罰を与えるのはNG」とあって、では代わりにどうすればいいのか、そこを知りたくなりました。
佐藤メバル
第3章で4つの理由とあわせて、代わりの関わり方が示されます。あと第4章のアクティブ・リスニング、いわゆる傾聴の4つのポイントは、子どもだけでなく夫婦や職場でも使えるんですよ。
テレビやYouTubeでも紹介された、3〜12歳の毎日に向けた声かけの教科書です。

世界標準の子育て
船津徹 著|ダイヤモンド社
¥1,210(税込)
日米で20年以上教育現場に携わり、4000名以上のアジア人の育成に関わってきた著者が、各国の子育て理論と実践を一冊に体系化した本です。前半でアメリカ・イギリス・北欧・シンガポール・インド・中国・韓国の教育事情を並べ、「子育てには正解がない」という通説に明確な正解を示すのが特徴。後半は絵本の読み聞かせ方、しつけのタイミング、習い事、男女の育て方の違い、思春期の向き合い方まで、ステージごとの実践編が続きます。
こんな人におすすめ
日本の常識に一度疑いを持ちたい親。国際的な視野でわが子の成長を考えたい人、しつけや習い事の判断軸がほしい人、男の子と女の子でどう接し方を変えるか知りたい人、思春期を見据えて今から準備したい人に向きます。
良い点
- 海外の教育事情を横並びで比較
- ステージ別の実践編が充実
- 習い事や思春期まで射程が長い
気になる点
- 文化の違いをそのままは輸入不可
- 情報量が多くやや教科書的
- 理想論に見える箇所もある
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2017年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「世界標準」という言葉が強いので、最初は身構えました。海外のやり方をそのまま持ち込めばいい、という本ではないんですよね。
佐藤メバル
そこは誤解しやすいところ。著者は日米で20年以上現場にいて、4000名以上を見てきた人です。各国の教育事情を並べたうえで、日本の子育ての思い込みを指摘して、使えるものだけ体系化している。単なる輸入ではないんですよ。
橘ナナミ
なるほど。後半が実践編で、読み聞かせ方や習い事まで具体的だと聞いて安心しました。
佐藤メバル
そう、そこが長く使える理由です。「しつけを教える正しいタイミング」「男の子と女の子の育て方の違い」「やる気のない子への接し方」など、ステージごとに親がすべきことが整理されている。
子どもをエリートにするための本ではなく、地頭やあきらめない心、社交性を育てるのが目的だと明言している点も、私は信頼しています。

6歳までの子育て大全
沢井佳子 著|アチーブメント出版
¥1,960(税込)
発達心理学の専門家が、0〜6歳の「今なぜそうするのか」を解説する大全です。418ページと厚いぶん、親の疑問に一問一答で答える構成が読みやすい。「しつけ」ではなく「発達の順序」を先に見るという姿勢が貫かれ、発達スケールガイドも付属します。スマホやタブレットとの付き合い方、AI時代にどう育つか、リモートワークの影響まで論点に入っていて、現代の家庭の迷いを拾ってくれる網羅性が魅力です。
こんな人におすすめ
0〜6歳の子を持つ親で、赤ちゃんの気持ちがわからないと感じている人。SNSのトリセツに疲れた人、発達の目安に一喜一憂している人、スマホや動画との付き合い方を年齢から考えたい人に合います。
良い点
- 0〜6歳の疑問に一問一答で答える
- 発達スケールガイド付きで安心
- AI時代やリモートワークも論点
気になる点
- 418ページの厚さは携帯しにくい
- 即効ノウハウは少なめ
- 発達の個人差は当然ある
出版社
アチーブメント出版
発売日
2021年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、418ページもあるんですか。正直、子育ての真っ最中に読み切れる量ではない気もするんですが、大丈夫でしょうか。
佐藤メバル
厚さにびっくりするよね。でも一問一答形式だから、気になるところから拾い読みでいい。それに、この厚みには理由があるんです。
「困った」を目の前で解決する前に、子どもが今なぜそうするのかを発達から理解しようというスタンスだから、どうしても説明が要るんですよ。
橘ナナミ
「しつけ」じゃなくて「発達」から入る、ということですか。スマホやAIの話まで入っているのも意外でした。
佐藤メバル
そこも今の家庭には助かる部分で、テクノロジーとの関わり方を指南しています。でも著者は、テクノロジーが進んでも人間の本性や社会の本質はそう変わらない、と言い切る。
発達の順序さえ理解していれば、将来を心配しすぎず「今」を楽しめるようになる。『しまじろうのわお!』の監修者らしい、優しい説得力があります。

子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本
フィリッパ・ペリー 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥2,420(税込)
世界46カ国で200万部という、育児書としては異例の広がりを見せた一冊です。英国の心理療法士が、子どもの言動へのイライラの原因は目の前の子どもではなく自分の育てられ方にあると問いかける。感情に向き合う方法、アタッチメント、出産の準備、心の健康、思春期の距離感まで、実例と深い洞察で解き明かします。「子育てマニュアルではない」と冒頭で宣言し、読者を動揺させながら親を育て直す本です。
こんな人におすすめ
自分の育てられ方と向き合いたいと感じている人。子どもへの怒りや負の感情を抱えて苦しい人、妊娠中や産後の不安を抱える人、思春期の子どもとの距離感に悩む人に向きます。子育てだけでなく人間関係全般を見直したい人にも。
良い点
- 46カ国200万部の世界的ベスト
- 自分の親との関係から問い直す
- 感情やアタッチメントまで深い
気になる点
- ノウハウ本ではないと明言
- 読むと動揺させられる
- 価格がやや高め
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2023年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「自分の親に読んでほしかった本」というタイトルに、最初はぎょっとしました。親を責める話なのかな、と身構えてしまって。
佐藤メバル
そこは違うんですよ。むしろ逆で、著者は子どもへのイライラの原因は、あなたが子どもだった頃の親との関係にあるかもしれないと、静かに問いかける。
責めるためではなく、負の連鎖を断ち切るための本なんです。
橘ナナミ
なるほど。あとがきに「子育てのヒントやライフハックはあまり見つからない」と書いてあると聞いて、逆に気になりました。
佐藤メバル
そう書いてしまう誠実さがこの本の真骨頂です。46カ国で200万部読まれた理由もそこ。感情をあるがままに受け入れる大切さ、子どもの感情を無視するとどうなるか、思春期の境界線の引き方。
読後には夫婦関係や職場の人間関係まで見え方が変わりますよ。

「自分でできる子」に育つスゴい習慣 スタンフォード大学博士が教える最新脳科学×子育てメソッド
キム・ボギョン 著|U-CAN
¥1,760(税込)
スタンフォード大学で博士号を取得した脳科学研究者が、自身の育児経験を織り交ぜながら書いた一冊です。子どもを変えるのは意志の力でも叱ることでもごほうびシールでもなく、日々の小さな行動の繰り返し=習慣というのが軸。「100回言っても変わらない3つの理由」「『よくできましたシール』作戦が失敗する理由」など、常識をひっくり返すトピックが並びます。集中・勉強・幸せの3つの脳を、3〜10歳の時期にどう育てるかを具体的に示します。
こんな人におすすめ
言われるまで動かない子に手を焼いている親。片づけや宿題、スマホの使い方で毎日バトルしている人、叱る子育てから抜け出したい人、3〜10歳の今の時期に何を習慣化すべきか知りたい人に向きます。
良い点
- 脳科学の知見が具体的な習慣に落ちる
- ごほうび作戦の落とし穴がわかる
- 著者自身の育児経験も読める
気になる点
- 習慣化には時間がかかる
- 韓国の家庭事情の記述もある
- 360ページでやや長い
出版社
U-CAN
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ごほうびシールって、私の周りでもやっている人が多いんですよ。それのどこが失敗するのか、単純に知りたいです。
佐藤メバル
面白いところに食いついたね。著者はスタンフォードで博士号をとった脳科学者で、シールそのものが悪いというより、外から与える報酬に頼ると内側の動機が育ちにくいと説明している。
だから「100回言っても変わらない3つの理由」も、意志の問題にしていないんです。
橘ナナミ
意志の弱さではないのなら、親は具体的に何を変えればいいんでしょう。叱る以外の方法を知りたいです。
佐藤メバル
環境と習慣の設計です。集中する脳の3つの習慣、勉強する脳の4つ、幸せな脳の3つ、と章立てして具体的に並ぶ。
3〜10歳は脳が柔らかい時期だという前提があるから、叱って直す発想が消える。悪い子はいない、悪い習慣があるだけ、という言葉が腑に落ちますよ。

子どもの見ている世界 誕生から6歳までの「子育て・親育ち」
内田伸子 著|春秋社
¥1,760(税込)
発達心理学の立場から、誕生から6歳までの子どもの認知世界を紹介する一冊です。身体・心・言葉・個性・知能という切り口で、大人の価値観を押しつけずに「子どものため」を考え直すという視点が貫かれています。232ページと比較的コンパクトで、論文調の硬さはありつつも、乳幼児期の接し方の要点が発達心理学の枠組みで整理されている。目先のテクニックではなく、子どもの見ている世界そのものを知りたい人に向きます。
こんな人におすすめ
わが子が何を見て、どう感じているのかをじっくり知りたい人。育児書のテクニックに疲れて原理に戻りたい人、保育や教育に関わる人、発達心理学の視点を一度きちんと押さえたい人におすすめです。
良い点
- 発達心理学の枠組みで整理されている
- 232ページで無理なく読める
- 押しつけでない視点が一貫
気になる点
- 即効のノウハウはない
- 実例やイラストは少なめ
- 文体はやや硬め
出版社
春秋社
発売日
2017年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、帯にもキャッチコピーがなくて、地味な佇まいなんですよね。でも、そういう本にこそ本質がありそうな気がしています。
佐藤メバル
いい勘してるね。これは「こう育てなさい」という本じゃなく、子どもが生まれてから6歳までに、世界をどう見て、どう捉えているかを発達心理学から描く本なんです。
身体・心・言葉・個性・知能、という切り口でね。
橘ナナミ
テクニック集とは違うからこそ、読み終えたあとに、子どもを見る目そのものが変わりそうですね。難しくはないんでしょうか。
佐藤メバル
そこは心配いらない。著者が大事にしているのは、大人の価値観の押しつけではない真に「子どものため」の育児を考えること。
手を出す、待つ、声をかける、その一瞬一瞬の意味が変わる。書店員時代、地味なのに何度も補充したのを覚えています。
派手さはないけれど、土台になる一冊です。

子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て
イザベル・フィリオザ 著|かんき出版
¥1,650(税込)
フランスで25万部、16カ国以上で翻訳された育児書です。最新の神経生物学や生理学をもとに、子どもの困った行動の裏にある動機を分析するのが特徴。1歳から5歳まで、年齢ごとに章を分け、ダダをこねる、イヤイヤ、ルールを守らない、想像の世界、ケンカ、ウソといった場面を、かわいいイラストで対応法まで示します。科学的な裏付けと「子どもの言い分」の両方を並べてくれるので、叱る前に一呼吸おけるようになります。
こんな人におすすめ
1〜5歳の子のイヤイヤやダダこねに毎日ぐったりしている人。なぜこの行動をするのか理由を知りたい人、国を超えて支持される方法を試したい人、イラストで気軽に読める育児書を探している人に合います。
良い点
- 年齢別の章立てで引きやすい
- 神経生物学の裏付けがある
- イラスト付きで読みやすい
気になる点
- 日本の文化差はやや残る
- 対応法はシンプルで淡々
- 0歳の記述は多くない
出版社
かんき出版
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フランスの育児書なんですね。しかも16カ国で訳されていると聞くと、文化の違いを越える何かがありそうです。
佐藤メバル
そこなんです。著者は最新の神経生物学や生理学をもとに、困った行動の裏にどんな動機があるかを、まず分析する。
叱る前に「この子は今こう考えているんだ」と見えると、親の気持ちがまったく変わりますから。
橘ナナミ
目次を見ると、1歳から1歳半、1歳半から2歳……と細かく分かれていて、辞書みたいに使えそうですね。
佐藤メバル
そう、まさに辞典です。2歳半から3歳の「1人でやる!」、3歳半から4歳の「想像の世界」など、発達の節目ごとに章がある。
慶應義塾大学医学部の高橋孝雄先生が絶賛したのも、裏付けと愛情の両方があるからだと思いますよ。

子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集
親野智可等 著|ダイヤモンド社
¥1,650(税込)
現役の小学校教師を20年以上務め、親と向き合って40年以上になる著者による言葉集です。不安から出た言葉が、愛情ゆえに子どもを傷つけてしまう——その構図を見続けてきた人だからこそ、癒しと気づきの両方を短い言葉で届けます。「しつけよう、直そう」より「一人の人間同士として楽しく付き合おう」というメッセージが全篇を貫き、384ページを1日ひとつずつ開く楽しみ方もできる構成です。
こんな人におすすめ
毎日がんばりすぎて疲れている親。寝かしつけのあとに罪悪感を抱えている人、子どもに優しくできない自分に落ち込む人、朝の数分で気持ちを整えたい人、出産祝いや孫育てのプレゼントを探している人にも向きます。
良い点
- 1日ひとつの短い言葉で読める
- 40年以上の現場の視点がある
- プレゼントにも向く装丁
気になる点
- 体系的な解説は少ない
- 刺さる人と刺さらない人が分かれる
- 答えより励ましが中心
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
言葉集、なんですね。育児書というより、エッセイや詩集に近い佇まいで、こんな本が子育ての役に立つんでしょうか。
佐藤メバル
近いかもしれない。著者は小学校の先生を20年以上やって、親と向き合って40年以上。「親の愛情が不安によって裏目に出る」場面を何度も見てきた人だから、言葉が具体的でありがたいんですよ。
橘ナナミ
あ、でも「ドキッとする言葉や、厳しい言葉もあえて入れました」と書いてある。甘いだけじゃないんですね。
佐藤メバル
そこが誠実なんです。「もっと早く知りたかった」と後悔してほしくないから、あえて書いたと。だから1日ひとつずつ、座右に置いて開くのが合います。
タイトルの365日は、休みのない子育てをしているあなたへの応援メッセージなんですよ。

子育ては心理学でラクになる
DaiGo 著|主婦と生活社
¥1,000(税込)
メンタリストの著者が「親は子どものメンタリストであるべきだ」という立場から、最新の心理学を子育てに翻訳した一冊です。「なぜ勉強しないの」「なぜ言うことを聞かないの」とガミガミ言わなくて済むように、マシュマロテストのような有名実験から、イライラを減らす食事と睡眠、1日3分のトレーニング、環境を整える5つのアドバイス、やる気を引き出す7つの言葉までを並べます。176ページで、まず親の状態を整える発想が徹底しています。
こんな人におすすめ
毎日イライラして自己嫌悪になりがちな親。心理学の実験を根拠に知りたい人、叱らずに動かす言葉を探している人、環境や部屋づくりから変えたい人、短時間で要点だけ押さえたい人におすすめです。
良い点
- 心理学の実験を根拠にしている
- 親のストレス対策から始まる
- 176ページで短く読み切れる
気になる点
- 語り口はやや断定的
- 家族全員の協力が前提の項目も
- 実践の継続には工夫が要る
出版社
主婦と生活社
発売日
2015年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
メンタリストが子育ての本を書くって、ちょっと意外でした。手品みたいに子どもを操る話だったら、私はちょっと引いてしまいます。
佐藤メバル
その警戒はもっともだね。でも著者の出発点は逆で、「親は子どものメンタリストであるべきだ」と言いながら、まず親自身のイライラを減らす話から入るんです。
子育てストレスを減らす食事と睡眠、1日3分のトレーニング。子どもより先に親を整える。
橘ナナミ
なるほど、そこからなんですね。環境や言葉の話も、心理学の実験が根拠になっているんでしょうか。
佐藤メバル
そう。「〜しなさい!」と言うほど反発心が増えるという話やマシュマロテスト、成功者の多くが早起きという話まで、世界中で立証された知見を並べている。
やる気を引き出す7つの言葉やマインドマップのように、すぐ使える形に落としているのが親切ですよ。

「私、子育て向いてないかも」がラクになる本
Joe 著|日本実業出版社
¥1,540(税込)
読み聞かせも、たっぷりの時間も、と思いながら家事に追われ、寝かしつけのときに「今日もできなかった」と落ち込む——そんな罪悪感に正面から応える一冊です。たった3秒のコミュニケーションで子どもの心は満たせるというメッセージに絞り、無理せずラクに、ちょっとした行動を変えるだけで「心が豊かな子」が育つと説きます。232ページと短く、完璧な親を目指して疲れている人ほど読みやすい構成です。
こんな人におすすめ
「自分は向いていないかも」と感じている親。仕事と育児の両立で罪悪感を抱える人、手が回らない自分を責めてしまう人、短い時間でできる関わり方を知りたい人に向きます。
良い点
- 罪悪感に寄り添う内容が中心
- 3秒という切り口で覚えやすい
- 232ページで読みやすい
気になる点
- 具体策は絞られている
- 時間管理の話は少なめ
- 物足りなさを感じる人も
出版社
日本実業出版社
発売日
2021年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
このタイトル、正直ちょっと泣きそうになりました。私自身はまだ子育てしていないんですけど、周りの先輩たちが同じことを言うんですよ。
佐藤メバル
そこに刺さる本だよね。著者は、「今日もできなかった」という罪悪感を抱えているお母さんに向けて、たった3秒のコミュニケーションでいいと言い切る。
長い時間より、短くても心が届く関わりに焦点を当てている。
橘ナナミ
3秒って、ずいぶん思い切った数字ですね。そんなに短くて、本当に伝わるものなんでしょうか。
佐藤メバル
数字のインパクトより、完璧な親を目指さなくていいという許可を与えてくれることが大きい。家事に追われて、寝かしつけで反省して、また朝が来る。
その繰り返しの中で、ちょっとした行動を変えれば勝手に伸びる「心が豊かな子」が育つ、という見通しを示してくれるんですよ。

子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て〇×図鑑
てぃ先生 著|ダイヤモンド社
¥1,760(税込)
現役13年目の保育士である著者が、実際に試して効果のあったものを○×形式のマンガで紹介する一冊です。「ママ、お茶」「ママはお茶じゃありません」のような日常のやり取りを、ちょっと変えるだけで親子とも成長できる——そんな手軽なスゴ技が満載。「置いてっちゃうからね!」のリスク、かんしゃくへの対処、叱る場所の重要性、怒鳴らなくなる呼吸法まで、脳科学や心理学の根拠を添えてまとめています。
こんな人におすすめ
毎日の小さな困りごとを即解決したい人。保育園や幼稚園に通う子の親、かんしゃくや約束を守らない問題に悩む人、マンガで気軽に読める実用書を探している人、叱り方に悩み始めた人に合います。
良い点
- ○×マンガで状況が伝わる
- 現役保育士の実践から選ばれている
- 1テーマ短く読み進められる
気になる点
- じっくり理論を学ぶ本ではない
- 192ページで項目が多く駆け足
- 年齢が大きい子には物足りない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2021年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ママはお茶じゃありません」って、この見出しだけで笑ってしまいました。こういうやり取り、実際にどの家庭にもありそうです。
佐藤メバル
そこがこの人の強みなんだよね。現役13年目の保育士で、実際の園で試して効果があったものだけを、○×マンガで示している。
だから「知らなかった!」より「これなら今日できる」が先に来るんです。
橘ナナミ
しかも脳科学や心理学の根拠つき、というのが意外でした。軽いだけの本ではないんですね。
佐藤メバル
そう。叱ると逆に増える行動の話、子どもに怒鳴らなくなる呼吸法、叱り方より叱る場所が大事という指摘まで、根拠があるから安心して真似できる。
前の本が10万部を超えたのも、保育士としての観察眼が信頼されているからでしょう。

元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ
ふじこせんせい 著|講談社
¥1,760(税込)
元保育士で自ら「イヤイヤ期ヲタク」と名乗る著者による、145の声かけアイデア集です。ご飯、お着替え、お出かけ、トイレ、お風呂、ねんね、家でのこと——イヤイヤが発動するメカニズムと、その背景にある脳や身体の発達をシーン別に解説したうえで、そのまま使えるフレーズと遊び、環境設定を並べます。QRコードから著者の実演動画が見られるページもあり、声のトーンまで参考にできます。
こんな人におすすめ
2歳前後のイヤイヤ期まっただ中の親。食事や着替えで毎日戦っている人、フレーズをそのまま使いたい人、保育の専門的な視点で理由も知りたい人、育児漫画でほっと一息つきたい人にぴったりです。
良い点
- 145の声かけをそのまま使える
- 発達の解説つきで納得できる
- QR動画でトーンまで参考になる
気になる点
- 対象がイヤイヤ期に限定される
- 145すべてを使う必要はない
- 漫画と解説の比率に好みが出る
出版社
講談社
発売日
2024年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「イヤイヤ期ヲタク」って、すごい肩書きですよね。そこまで好きな人が書いているなら、何か核心がありそうです。
佐藤メバル
そう思うよね。この人は元保育士で、イヤイヤがなぜ起きるのかを、脳や身体の発達から先に説明してくれる。
理由がわかると、親の気持ちと対処の両方が変わるんですよ。145のフレーズは、その裏付けの上に並んでいるから腹に落ちる。
橘ナナミ
しかもQRコードで実際の声かけの動画まで見られるんですね。文字だけだと、どう言えばいいか迷うので助かります。
佐藤メバル
その工夫が実用的でね。声のトーンや表情は文面では伝わらないから。ご飯、お着替え、お出かけ、ねんねと章が場面別に分かれているので、今日困ったところを開けばいい。
あわせて読む育児漫画も、力が抜けていていいんですよ。

子どもが幸せになることば
田中茂樹 著|ダイヤモンド社
¥1,650(税込)
医師であり臨床心理士でもある著者が、20年間で5000回以上の面接を行い、15年間毎週小学生と交流してたどり着いた29の言葉をまとめた一冊です。特徴は「言いがちなことば」と「信じることば」を対で並べる形式。「えらいね!」を「おいしかった」に言い換えるように、評価ではなく事実や気持ちを返す。4人の子を育てた実感も重なり、叱らずに伝える具体的な言い方が身につきます。
こんな人におすすめ
つい「えらいね」「〜しなさい」と口にしてしまう親。言葉がけを見直したい人、子どもの自己肯定感をどう支えるか考えている人、不登校や進路の悩みに寄り添う言い方を知りたい人、読み物として子育てを味わいたい人にも。
良い点
- 言い換えが対比で覚えやすい
- 29の言葉で絞られている
- 面接5000回超の実感がある
気になる点
- 全場面を網羅はしない
- 実践には意識の切り替えが要る
- 感動的な語りが好みを分ける
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2019年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「えらいね!」を「おいしかった」に言い換える、という例が不思議で、最初は意味がわからなかったんです。でも、なんだかじわじわきます。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。「えらいね」は評価だけど、「おいしかった」は一緒にいた人の実感なんですよ。
評価され続けると、評価されるためにやる子になる。事実や気持ちを返してもらえると、そのままでいいと思える。
対で並べてあるから、違いが見えるんです。
橘ナナミ
20年間で5000回以上の面接をしてきた先生が言うのなら、この言い換えの重みは相当なものですね。
佐藤メバル
しかも毎週小学生と15年間交流して、医師として臨床心理士として親の悩みに寄り添ってきた人だから、言葉が具体的。
出木杉くんより「カツオ」や「まる子」が好きな人にこそ効く、という導入もいいんですよ。

子育てのほんとうの原理原則 「もうムリ、助けて、お手上げ」をプリンシプルで解決
奥田健次 著|TAC出版
¥1,540(税込)
行動分析学を用いた日本初の幼稚園を設立し、数万件の育児問題を解決してきた著者による「基本書」です。感覚的な子育て論ではなく、一貫した原理原則を20に整理して親の土台をつくるのが狙い。わが家のルールの作り方と守らせ方、うまい叱り方とダメな叱り方、ストレスの乗り越えさせ方、発達障害が気になる子への対応まで扱い、かんしゃく、スマホ、不登校、いじめといった新しいテーマも追加されています。
こんな人におすすめ
叱り方が場当たり的になっていると感じる人。夫婦で方針をそろえたい人、かんしゃくやスマホ、不登校のリスクに備えたい人、発達が気になる子を育てる人、0歳から10代までの見通しがほしい人に合います。
良い点
- 原理原則20で軸がつくれる
- 叱り方やルール作りの具体が濃い
- スマホや不登校まで対応
気になる点
- 一貫性を求める分、厳しめに感じる
- 丁寧に読むには覚悟が要る
- 共感より方法が中心
出版社
TAC出版
発売日
2022年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「感覚的な子育て論ではない」と明言されているのが、最初は気になりました。気分で叱ってしまう自分には、少し耳が痛い話です。
佐藤メバル
まさにそこを突く本なんだよね。著者は数万件の育児問題を解いてきた専門行動療法士で、ムードや気分に流されず、一貫した態度で子どもと接することこそ最初の一歩だと説く。
わが家のルールの作り方、守らせ方まで具体手順がある。
橘ナナミ
なるほど。行動分析学の幼稚園を作った人というのも、説得力があります。叱り方の章も気になります。
佐藤メバル
うまい叱り方とダメな叱り方が対で示されていてね。感情コントロールの大切さ、効果的な目標設定、公共心と私心の話まで広い。
2009年の本を改題して、いじめ、スマホ、不登校、日本初の幼稚園で行われている教育まで加筆した、長期で使える一冊です。

子どもの行動が変わった! 子育てフレームワーク大全
子育てのラジオTeacherTeacher 著|産業編集センター
¥1,870(税込)
元小学校教師とソーシャルワーカーの二人による、実践的な理論の一冊です。落ち着きがない、忘れっぽい、モノに当たる、泣き叫ぶ——叱っても、ほめても、がんばってもうまくいかないのは、子どもの行動を整理する「型」がなかっただけかもしれない、という視点が軸。子育ての羅針盤となる考え方のフレームと、課題を「見える化」して整理する課題解決フレームワークの二段構えで、目の前の困りごとを扱います。
こんな人におすすめ
同じことで何度もつまずいていると感じる親。叱る以外の手立てがほしい人、問題を感情で処理しがちな自分を変えたい人、ラジオで二人の話を聴いていた人、記録や整理が好きな人に向きます。
良い点
- フレームで行動を整理できる
- 教師とソーシャルワーカーの二視点
- 課題解決の手順が具体的
気になる点
- 考え方の習得に時間がかかる
- 扱うケース数は多くない
- 理論寄りで読み物感は薄め
出版社
産業編集センター
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「フレームワーク」って、ビジネスの言葉みたいで、子育てに使うとどうなるのか想像できませんでした。
佐藤メバル
そこが面白いところでね。叱ってもほめてもうまくいかないとき、子どもの行動を整理する「型」がないだけかもしれない、と捉えるんです。
考え方のフレームで羅針盤を持ち、課題解決フレームで見える化して整理する。
橘ナナミ
なるほど、感覚で怒る前に、いったん型に当てはめるんですね。元小学校教師とソーシャルワーカーの組み合わせも気になります。
佐藤メバル
教室と福祉の現場、両方を見てきた二人だからこそ、家庭の困りごとを冷静に扱える。ラジオから生まれた本なので語りもやわらかい。
落ち着きがない、忘れっぽい、モノに当たる、泣き叫ぶ、といった具体的な困りごとが入口になっているのも助かりますよ。

10年後、どんな親子関係でいたいですか?子どもを育てる7つの原則
石田勝紀 著|大和書房
¥1,760(税込)
「子育てに正解はない。その子に合ったアプローチがあるだけ」と前置きしたうえで、原則さえ押さえれば親自身がわが子に合った方法を編み出せると導く一冊です。勉強しない、ゲームばかり、友達と遊ばない、頑固で疲れる、すぐプンプンする——行動面も性格面も心配事はバラバラで、万人に当てはまるノウハウは存在しないからこそ、7つの原則を軸にする。10年後どんな親子関係でいたいかを問い、長期の視点で子育てを見直させます。
こんな人におすすめ
目先の対処に追われて疲れている親。子どもによって悩みが違いすぎて育児書が合わないと感じる人、夫婦で長期の指針を持ちたい人、10年後の関係を見据えて今を選びたい人に向きます。
良い点
- 原則から自分で編み出す姿勢
- 性格面の悩みにも触れている
- 長期の視点で気持ちが落ち着く
気になる点
- 具体策は自分で作る必要がある
- 即効性は薄い
- 抽象度が高いと感じる人も
出版社
大和書房
発売日
2024年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てに正解は存在しません」と最初に書いてあるのに、原則はある、というのが矛盾しているようで、逆に引き込まれました。
佐藤メバル
そこがこの本の勘所でね。万人に当てはまるノウハウはないけれど、子どもを育てる原則はある。原則さえ押さえれば、わが子に合ったアプローチを親が自分で編み出せる。そういう順番なんですよ。
橘ナナミ
うちの子はこう、うちの子はああ、と悩みがバラバラなのは、性格が多様だから仕方ないんですね。
佐藤メバル
そう。だからこの本は、勉強しない、ゲームばかり、友達と遊ばない、頑固で疲れる、すぐプンプンする、という行動面と性格面の両方を並べてくれる。
10年後、どんな親子関係でいたいかという問いを軸にすると、今日の判断が変わるんです。

科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線
中室牧子 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
教育経済学の立場から、世界的な学術論文の中の信頼性の高いエビデンスを厳選した一冊です。「学校の中の成功」ではなく、卒業後の人生の本番で役に立つ教育は何かを問い、将来の収入とスポーツ、非認知能力と結婚や寿命、時間投資の効果、早生まれ、ご褒美の逆効果、別学と共学、男女差、教育政策まで扱います。37万部の前著から9年分の進化が詰まり、エビデンスの読み解き方まで示す慎重さも信頼できます。
こんな人におすすめ
なんとなくの子育て常識をデータで確かめたい人。習い事や先取り学習の是非を判断したい人、教育政策の議論に関心がある人、根拠を語れる親になりたい人、小中学生の親に向きます。
良い点
- 信頼性の高い研究だけを厳選
- 収入や寿命まで射程が長い
- エビデンスの限界も説明する
気になる点
- 数字中心で読み物感は薄い
- 結論が直感に反する箇所もある
- 312ページで密度が高い
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
教育経済学、と聞くと、子育てに数字を持ち込むのは冷たい感じがしてしまうんですが、そういう本なんですか。
佐藤メバル
そこは丁寧に見てほしい。この本が問うのは、成績や受験ではなく、学校を卒業したあとの人生の本番で役に立つ教育は何かなんです。
スポーツをすることと将来の収入、非認知能力と結婚や寿命。数字は、親の直感を確かめるために使われています。
橘ナナミ
なるほど。「早生まれ」や「ご褒美」の話まで入っているんですね。前の本から9年分の更新というのも気になります。
佐藤メバル
そこが大きい。37万部の前著から9年でエビデンスはここまで進んだ、という編集になっている。しかも最終章で、エビデンスはいつも正しいのか、注意すべき4つのことまで書いている。
断定的に振り回されないための作法まで教えてくれる、誠実な一冊です。

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス
明橋大二 著|1万年堂出版
¥1,540(税込)
心療内科医で子育てカウンセラーの著者が、0〜3歳でいちばん大切なことをやさしく説く「心の子育て決定版」です。3歳までは「自分は大切にされている」という気持ちを育む時期という軸のもと、抱っこ、話しかける、一緒に遊ぶ、話を聞く、まるごとほめる——具体的な関わり方を示します。「甘えさせる」と「甘やかす」の違い、年齢に合わせたしつけ、パパの子育て、親自身の自己肯定感まで。○×マンガとイラストで読みやすい構成です。
こんな人におすすめ
0〜3歳の子とどう向き合えばいいか不安な親。初めての子育てで張り詰めている人、イヤイヤ期にキレてしまう自分を責めている人、パパの関わり方を知りたい人、ひとりで育てている人にも寄り添います。
良い点
- ○×マンガで直感的にわかる
- 甘えと甘やかしの違いが明確
- パパやひとり親にも配慮
気になる点
- 4歳以降の記述は少ない
- 学習面の話は中心でない
- 優しい語りが物足りない人も
出版社
1万年堂出版
発売日
2017年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「甘えさせる」と「甘やかす」はどう違うんですか、と聞かれると、私もうまく答えられません。この本はそこを扱っているんですよね。
佐藤メバル
そう、そこが核心でね。小さいときにしっかり甘えた子が、しっかり自立する。ところが「甘えはよくない」という誤解が広がっているから、親が厳しくしすぎてしまう。その違いを丁寧に説明してくれるんです。
橘ナナミ
イラストとマンガがたくさん入っていると聞いて、忙しい育児の合間でも読めそうだと思いました。
佐藤メバル
それがこのシリーズのいいところでね。○×マンガであるあるを笑いながら、抱っこ、話しかける、遊ぶ、聞く、まるごとほめるという基本が頭に入る。
赤ちゃんが泣きやまない、おもちゃの貸し借り、イヤイヤ期にキレてしまう、というQ&Aまであって、初めての子育ての不安がホッと軽くなる一冊です。

0歳から知っておきたい 脳が正しく育つ 子育てのきほん
成田奈緒子 著|高橋書店
¥1,760(税込)
発達脳科学の視点から、0〜5歳の子育てで悩みやすい54のテーマを1テーマ3分で読める形にまとめた一冊です。睡眠、食事、排泄と衛生、体と運動、言葉と社会性の5章で、「育ち方」がわかれば「育て方」が見えてくるという原則を軸に、睡眠時間の目標値、偏食、むし歯予防、トイレトレーニング、五感、デジタルコンテンツまで扱います。180度パタッと開く製本と、章末の観察チャート・発達ガイドが実用的です。
こんな人におすすめ
寝かしつけや食事など日々の判断に迷う0〜5歳の親。育児書を読むまとまった時間が取れない人、発達の目安を手元に置きたい人、先輩ママ・パパの工夫も知りたい人、妊娠中から準備したい人に合います。
良い点
- 1テーマ3分で拾い読みできる
- 180度開く製本で扱いやすい
- 観察チャートと発達ガイド付き
気になる点
- テーマは0〜5歳中心
- 1項目は要点のみ
- 深掘りには別の本が必要
出版社
高橋書店
発売日
2026年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「1テーマ3分」って、育児中には現実的でありがたいですね。しかも180度開く製本なんですか、それは地味に助かります。
佐藤メバル
そういう細部まで、現場を想像して作られている本なんですよ。「育ち方」がわかれば「育て方」が見えてくる、というのがこの本の大原則。
睡眠や食事、排泄、運動、言葉と社会性の5章に、54のテーマが並びます。
橘ナナミ
睡眠時間の目標値とか、むし歯予防とか、偏食とか、まさに毎日悩むところばかりです。
佐藤メバル
しかも6歳までに9割が完成する脳、という前提があるから、判断の軸がぶれにくい。章末の観察チャートで自分の子を見る習慣がつくし、発達ガイドで基本も確認できる。
先輩ママ・パパが実際に試してよかった工夫も載っていて、手元に置いて何度も開きたくなる一冊です。

はじめてママ&パパのしつけと育脳 ― 0-3才までに絶対しておきたい「脳育て」のコツがよくわかる! (実用No.1シリーズ)
成田奈緒子 著|主婦の友社
¥1,980(税込)
累計25万部を超える「はじめてママ&パパ」シリーズの一冊で、0〜3才の脳育てとしつけをまとめています。自分の力で考える心の強い子に育てるために、この時期に親ができることを、巻頭の発達カレンダーと1日の過ごし方の実例から具体的に示す構成。早寝早起き、公共マナー、イヤイヤ期、はしの持ち方、トイレトレーニング、食事、親子遊び、習い事まで、漫画・イラスト・図解で読める保存版です。
こんな人におすすめ
初めての子育てで何を優先すべきか知りたい人。0〜3才の生活リズムを整えたい人、しつけの具体的な手順がほしい人、育脳に関心がある人、出産祝いや手元に置く実用書を探している人にも向きます。
良い点
- 発達カレンダーと1日の実例が便利
- しつけの手順が具体的
- 図解と実例が多くて読みやすい
気になる点
- 複数著者で視点がやや広い
- 0〜3才に範囲が限られる
- 深い理論は期待しないほうがよい
出版社
主婦の友社
発売日
2017年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この「はじめてママ&パパ」シリーズ、書店で平積みになっているのをよく見ます。25万部というのも納得の存在感です。
佐藤メバル
そう、定番として長く支持されているシリーズなんだよね。この巻は0〜3才の脳育てとしつけがテーマで、巻頭に0〜5才まで見通せる発達カレンダー、それから実例つきの1日の過ごし方がついている。
橘ナナミ
なるほど、まず生活の見取り図があるんですね。しつけの章も気になります。イヤイヤ期の困った、まで入っているんですか。
佐藤メバル
早寝早起き、公共マナー、はしの持ち方、歯みがき、トイレトレーニングと並んで、イヤイヤ期の対応もある。
児童精神科医の佐々木正美先生、花まる学習会の高濱正伸先生、菅原裕子先生のインタビューも収録されていて、一家に一冊という言葉が似合う作りですよ。

新装版 いつからでもやりなおせる子育て
池添素 著|かもがわ出版
¥1,210(税込)
2001年に刊行された著作の新装版で、思春期・青年期を見通したメッセージを届ける一冊です。「比べる」子育てや「あるはず」「あるべき」に追い詰められていないかと問いかけ、子どもは発達の宿題を残しながら成長すると捉えます。10代の妊娠や薬物問題など相談現場の切実な課題をふまえ、不登校、いじめ、LDやADHDと言われたとき、警察沙汰、ひきこもり、薬物依存からの脱出まで「ピンチをチャンスに」と具体的に示します。
こんな人におすすめ
子どものつまずきに途方に暮れている親。思春期の子と向き合う人、学校に行かなくなった子を支える人、子育てに疲れて「やりなおせるのか」と不安な人、支援の現場に関わる人にも向きます。
良い点
- 思春期・青年期まで見通せる
- 困難なケースに具体的に触れる
- 120ページで読み切りやすい
気になる点
- 刊行が古く統計は現状と差
- かもがわ出版で入手が限られる
- ノウハウより姿勢の本
出版社
かもがわ出版
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
120ページしかないんですね。子育ての本でこの薄さは珍しい気がします。それで思春期まで語れるんでしょうか。
佐藤メバル
厚さじゃないんだよね。この本の柱は「いつからでもやりなおせる」という一点。比べる子育て、あるべき子育てに追い詰められて、あせる気持ちを手放すところから始まる。
子どもは発達の宿題を残しながら成長する、という見方なんです。
橘ナナミ
不登校やいじめ、薬物依存まで章があると聞くと、相談現場のリアルが詰まっていそうです。
佐藤メバル
著者はNPOの理事長で、京都市の保育相談も担ってきた人。ピンチをチャンスに変える具体的な姿勢が並びます。
2001年の本の新装版だから、そこは頭に置いて読むとして、苦しいときに手に取れる薄さと強さが両立している。長く読まれる理由がわかりますよ。

3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」: ほめない、しからない、勇気づける (実用単行本)
清野雅子 著|小学館
¥1,287(税込)
アドラー心理学をもとにした子育て学習プログラム「パセージ」を紹介する初めての書籍です。30年以上支持されてきた実践で、「ほめる育児は子どもをダメにする」「しからない、勇気づける」という立場が明確。目標を持つこと、問題行動には必ず理由があること、過干渉になっていないか、家族で話し合う時間、ルールを守れなかったときにどう協力するか——を、マンガのエピソードで見ながら学べます。自立と社会との調和を育てる問題解決力を目指します。
こんな人におすすめ
ほめるでも叱るでもない第三の道を探している人。アドラー心理学に興味がある人、きょうだいや家族全体の関係を整えたい人、3歳前後の子を持つ親、子育てを体系的に学びたい人に向きます。
良い点
- パセージを初めて書籍化
- マンガで家族の例が具体的
- 30年以上の実践の蓄積がある
気になる点
- 用語に少し慣れが要る
- 0〜2歳の記述は多くない
- 実践には家族の協力が必要
出版社
小学館
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ほめない、しからない、勇気づける」って、この並びにけっこう驚きました。ほめることまで否定するんですか。
佐藤メバル
そこがアドラー心理学らしいところでね。ほめるのは、評価する側と評価される側の上下をつくる。そうではなく、対等な関係で勇気づける。
それがこの「パセージ」というプログラムの軸なんです。
橘ナナミ
30年以上の実績がある学習プログラムだというのも気になります。本で学べるようになったのは初めてなんですね。
佐藤メバル
そう、日本にアドラー心理学を広めた野田俊作さんが開発して、長く支持されてきたものを初めて書籍化した。
マンガで家庭のエピソードを見ながら、目標を持つこと、過干渉になっていないか、家族のルールを守れなかったときどう協力するかを学べます。
親も子も一緒に育つ、筋の通った子育てですよ。

自分で決められる子になる育て方ベスト
柳澤綾子 著|サンマーク出版
¥1,650(税込)
年間500本以上の論文を読む東大医学博士で二児の母でもある著者が、「自分で決められる子」になるために親ができることを、世界の最新研究から厳選した一冊です。コミュ力、思考力、自己肯定感、諦めない心、情熱力の5つを章立てし、会話の黄金比は「子9:親1」、ごっこ遊びは最低15分、習い事は2つまで、ほめるときは結果より努力、スマホは興味を伸ばす道具として使う——と具体策を提示します。
こんな人におすすめ
先回りして口を出しすぎているかもと感じる親。服を選ぶ、おやつを決める、宿題をいつやるか、といった日常の選択から、進路まで、自分で決める力の土台を作りたい人。研究の裏付けがほしい人にも。
良い点
- 500本の論文から厳選した具体策
- 黄金比など数字で覚えやすい
- 進路まで射程が長い
気になる点
- 研究の詳細は省かれている
- 実践は家庭内の合意が前提
- 即効より長期向き
出版社
サンマーク出版
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「会話の黄金比は子9:親1」という言葉が目に飛び込んできました。だいたい親のほうがしゃべりがちな気がするので、これは反省します。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。この本の狙いは、先回りして決めてあげるのではなく、小さな選択から自分で決められる子に育てること。
だから比率まで具体的にしてくれるんですよ。
橘ナナミ
ごっこ遊びは最低15分、習い事は2つまで、ほめるのは結果より努力。どれも覚えやすくて、家で意識できそうです。
佐藤メバル
でしょ。年間500本以上の論文を読む人が、世界の最新研究から現時点で最も確かな関わり方を選んでいるから、根拠がある。
コミュ力、思考力、自己肯定感、諦めない心、情熱力と章が分かれているので、わが子に今ほしい力から読むこともできる。長く使える一冊ですよ。
三大潮流を整理する——信頼・自立・行動科学
橘ナナミ
ここが聞きたかったんです。同じ悩みなのに、本によって正反対のことを言っていて混乱します。
佐藤メバル
そこが子育て本の最大の落とし穴だね。大きく3つに分けると整理できる。第一が「信頼」の潮流。『0〜3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』の明橋大二さんが代表で、小さいときにしっかり甘えた子がしっかり自立する、という立場だ。
橘ナナミ
それって、甘やかすのとは違うんですか?
佐藤メバル
本の中でも「甘えさせる」と「甘やかす」の違いが章立てで説明されている。抱っこや話を聞くなど、子どもの気持ちに応えるのが甘えさせること。やってあげすぎるのが甘やかすことだ。第二の潮流は「自立」。モンテッソーリやレッジョ・エミリアを背景にした『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』の島村華子さんだね。安易な「ほめて伸ばす」に注意を促し、条件付きでない関わり方を説く。
橘ナナミ
三つめは?
佐藤メバル
「行動科学」。『科学的根拠(エビデンス)で子育て』の中室牧子さん、スタンフォード大学で博士号を取得したキム・ボギョンさんの『「自分でできる子」に育つスゴい習慣』、行動分析学を用いた奥田健次さんの『子育てのほんとうの原理原則』など。データと行動で捉える系統だ。
橘ナナミ
正反対に見えるのに、どれも間違いじゃないんですね。
佐藤メバル
そう。信頼は土台、自立は方向、行動科学は道具だ。土台がぐらついている時期にテクニックだけを入れても、しっくりこないことがある。逆に「何度言っても片づけない」という段階では、具体的な仕組みをくれる行動科学が効く。家庭の今の状態で選べばいい。
橘ナナミ
そこは、ランキングだけでは絶対にわからないところでした。
エビデンスの見分け方と、今は読まなくていい本
橘ナナミ
「科学的根拠がある」と帯に書いてあっても、強さの違いはあるんですか?
佐藤メバル
ある。見るポイントは4つ。査読のある学術論文か、複数の研究をまとめたメタ分析か、著者の専門領域がその内容と合っているか、初版がいつか。たとえば『科学的根拠(エビデンス)で子育て』は、世界的な学術論文誌から信頼性の高いエビデンスを厳選したと明記されている。ただし万能ではなく、同書には「エビデンスを読み解く上で私たちが注意すべき4つのこと」という章も置かれている。エビデンスにも限界があると書いている本は、かえって信頼していい。
橘ナナミ
逆に、読まないほうがいい本ってあるんですか?
佐藤メバル
編集者として言い切ると、2種類ある。ひとつは「今のわが子の年齢とかけ離れた本」。0歳の親が思春期の章ばかり読んでも、不安だけが先に立つ。もうひとつは「罪悪感を煽る本」。『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』のJoeさんが向き合っているのは、まさにその罪悪感だ。読んで自分を責めるなら、その本は今のあなたには不要だよ。
橘ナナミ
読まない勇気も必要なんですね。
佐藤メバル
そう。3年後に読む1冊を先に決めて、今は開かない。これも立派な選書なんだ。
使い倒す技術と、家族に渡す設計
橘ナナミ
買って読んで終わり、になりがちです。
佐藤メバル
もったいないね。まず付箋。読んで「これは」と思ったページに貼って、子どもが寝たあとに夫婦で1ページだけ開く。次に辞書引き。『6歳までの子育て大全』や『はじめてママ&パパのしつけと育脳』のように索引性の高い本は、通読せず困ったときに引く。『子どもが幸せになることば』は「言いがちなことば」と「信じることば」が対で並ぶから、そのまま声に出して練習できる。
橘ナナミ
パパや祖父母に渡すときのコツはありますか?
佐藤メバル
渡す1冊を役割で変えること。パパには『0〜3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』のようにパパの章がある本。祖父母には、親を責めない語り口の本がいい。『子育て365日』は、現役の小学校教師時代から数えて40年以上親と向き合ってきた親野智可等さんの言葉集だから、押しつけにならない。保育や園との連携なら『子どもの気持ちがわかる本』のように「この年齢ではこう考える」と説明できる本があると、共通言語になる。
橘ナナミ
本が、家族の会話のきっかけになるんですね。
佐藤メバル
そう。本は読むためだけのものじゃない。わが家のルールを決めるための議題なんだよ。
よくある質問
子育て本は結局どれを最初に読めばいいですか?
橘ナナミ
子育て本は結局どれを最初に読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
子どもが0〜3歳なら『0〜3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』、3〜6歳なら『6歳までの子育て大全』、小学生以上なら『10年後、どんな親子関係でいたいですか?』が入口になります。迷ったら、今いちばん困っている行動が目次に載っている本を選ぶのが確実です。最初の1冊は「読む本」ではなく「引く本」にすると挫折しません。
育児書を読むと逆に不安になるのですが、読む意味はありますか?
橘ナナミ
育児書を読むと逆に不安になるのですが、読む意味はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。ただし読み方を変えましょう。不安が増すのは、書いてあることが今のわが子に当てはまらないか、書いてある通りにできない自分を責めているときです。『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』のJoeさんは、たった3秒のコミュニケーションで子どもの心は満たせると書いています。読んでつらくなる本は、今は閉じてかまいません。
科学的根拠がある育児書かどうかは、どう見分ければいいですか?
橘ナナミ
科学的根拠がある育児書かどうかは、どう見分ければいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
査読のある学術論文か、複数の研究をまとめたメタ分析か、著者の専門領域が内容と合っているか、初版年はいつかを確認します。『科学的根拠(エビデンス)で子育て』は世界的な学術論文誌から信頼性の高いエビデンスを厳選し、なおかつ「エビデンスを読み解く上で私たちが注意すべき4つのこと」という章を置いています。限界まで書いている本は、根拠の扱いが丁寧です。
パパに読ませたいとき、最初に渡すならどの本がおすすめですか?
橘ナナミ
パパに読ませたいとき、最初に渡すならどの本がおすすめですかについて教えてください。
佐藤メバル
『0〜3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』にはパパの子育ての章があり、家族みんなの幸せのために大きな意味があると書かれています。読みやすい形なら、『子どもが伸びるスゴ技大全』の○×マンガ形式も渡しやすいですね。押しつけず、リビングに置いておくだけでも効果があります。
モンテッソーリとアドラー、わが子にはどちらが合いますか?
橘ナナミ
モンテッソーリとアドラー、わが子にはどちらが合いますかについて教えてください。
佐藤メバル
どちらも「子どもを一人の人間として扱う」方向は同じです。モンテッソーリやレッジョ・エミリアを背景に持つ『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は、日々の声かけを具体的に変えたいときに。アドラー心理学を土台にした『3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」』は、家族のきまりや話し合いの作り方を知りたいときに。環境を整えたいなら前者、関係を整えたいなら後者です。
古いロングセラーの育児書は使えない?紙と電子、図書館と購入はどちらがいいですか?
橘ナナミ
古いロングセラーの育児書は使えない?紙と電子、図書館と購入はどちらがいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
一手には判断できません。脳科学・経済学・医療の情報は新しくなりますが、親子関係や言葉がけは古びません。『子どもが幸せになることば』の田中茂樹さんは、20年間で5000回以上の面接を通して言葉がけをまとめており、長く手元に置く価値があります。入手は、まず図書館で試し読みし、何度も引いた本だけ購入するのが失敗しない方法。絶版本は図書館の相互貸借も使えます。
子どもが発達障害かもしれないと悩んだとき、最初に読む本は?
橘ナナミ
子どもが発達障害かもしれないと悩んだとき、最初に読む本はについて教えてください。
佐藤メバル
まず専門機関への相談が先で、本はその準備として使うのがいいでしょう。『子育てのほんとうの原理原則』の奥田健次さんは、かんしゃく、スマホ中毒、暴力、不登校から発達障害が気になる子までを扱い、家庭のルールの作り方や叱り方の原則を示しています。『子どもの行動が変わった! 子育てフレームワーク大全』は、行動を「型」で整理する考え方を教えてくれます。行動を記録してから相談に行くと話が早いです。
本を読む時間がないとき、効率よく学ぶ読み方はありますか?
橘ナナミ
本を読む時間がないとき、効率よく学ぶ読み方はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
目次と索引から逆引きする、付箋を貼って夫婦で1ページ共有する、1テーマ3分の本を選ぶ、の3つです。『0歳から知っておきたい 脳が正しく育つ 子育てのきほん』は1テーマ3分で読める54のヒントを収録し、180度開く製本なので片手で扱えます。全部読まなくていい、という前提で選ぶのがコツです。
まとめ
橘ナナミ
今日は、本を「当てる」んじゃなくて「選ぶ」という感覚が、少しわかった気がします。
佐藤メバル
そう。子育て本は、どれだけ読んでも子どもの数だけ正解が違う。だから最後は、あなたの家の一冊になる。
橘ナナミ
でも、読む時間も気力もない日がありますよね。
佐藤メバル
そういう日は読まなくていい。『子育て365日』の親野智可等さんも、子育てが終わった人が口をそろえて「もっと楽しめばよかった」と言うと書いている。1ページ開いて、今日を少しやわらかくできたら、それで十分だよ。
橘ナナミ
焦って全部読まなきゃ、と思っていました。
佐藤メバル
本棚は、子どもの成長に合わせて入れ替えていい。0〜3歳の本は、小学生になったら手放していい。その代わり、あのとき助けられたという記憶が残る。子育て本って、いわば子どもの背丈に合わせて丈を詰めていく服みたいなものだね。今のサイズでいい。大きくなったら、また選び直せばいいんだよ。
