佐々木正美の子育て本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、いま「佐々木 正美 子育て 本」で検索している人がすごく多くて。でも本の数が多くて、どれから読めばいいのか分からないという声も一緒に届いているんです。
佐藤メバル
うん、よく分かる。まず人物から確認しようか。佐々木正美さんは児童精神科医で、1935年に群馬で生まれ、2017年に亡くなった方だよ。新潟大学医学部を出て、ブリティッシュ・コロンビア大学で児童精神科の臨床訓練を受け、東京大学精神科や横浜の小児療育相談センターを経て、川崎医療福祉大学の特任教授、ノースカロライナ大学の非常勤教授も務めた。
橘ナナミ
研究者でありながら、現場にもいた人なんですね。
佐藤メバル
そう。専門は児童青年精神医学、ライフサイクル精神保健、それに自閉症の治療教育プログラム「TEACCH」の研究で、糸賀一雄記念賞やエリック・ショプラー生涯業績賞なども受けている。発達障害の療育の現場で積み上げた原理を、そのまま定型発達の子の育児書として語っているのが、この人の本のいちばん面白いところなんだ。
橘ナナミ
あ、そこ気になります! 「障害のある子のための本」と「ふつうの育児書」が分かれていないってことですか?
佐藤メバル
そういうこと。だから一冊ごとに「誰に効くか」がはっきり違う。今日はそこを整理しよう。
佐々木正美の子育て本の選び方
はじめての一冊か、体系的に学びたいか
橘ナナミ
最初に読むなら何がいいですか?
佐藤メバル
迷ったら『子育てのきほん 新装版』だね。児童精神科医として50年やってきた人がたどり着いた「圧倒的にシンプルで、限りなくやさしい」心構えが、短いメッセージとして並んでいる。オールカラーで描きおろし漫画も入っているから、最初の一冊として一番入りやすい。腰を据えて読みたくなったら『子どもへのまなざし』。乳幼児期の育児の大切さを臨床経験から語る厚い本で、これは入門書というより土台だと思っている。
橘ナナミ
順番でいうと?
佐藤メバル
『子育てのきほん』で方向をつかんで、もっと知りたくなったら『はじまりは愛着から』で乳児期から思春期までの発達段階をなぞる。最後に『子どもへのまなざし』でどっしり構える。これが無理のない順番かな。
まとまった時間が取れるか、スキマ時間しかないか
橘ナナミ
育児中って、まとまった時間がぜんぜん取れないんですよね。
佐藤メバル
そこは大事な軸。短く読めるものを挙げると、『3歳までの子育てに大切なたった5つのこと』は5つのメッセージだけに絞った一冊で、保育士や幼稚園の先生にも向いている。『子どもが喜ぶことだけすればいい』は自己肯定感や人間関係といったテーマごとに短い言葉が並ぶ。文庫の『育てたように子は育つ』は、相田みつをの書と佐々木さんの文章が交互に出てくる作りだから、1ページずつ開いていける。
わが子に発達の特性や障害があるとき
佐藤メバル
ここはこの人の本領だね。『佐々木正美の子育て百科2 入園・入学後、子どもの心はどう成長するか』は、ADHD、アスペルガー症候群、自閉症、言葉の遅れ、不登校、身体の障害まで、親と保育者からの具体的な質問に一問一答で答えている。『新装版「育てにくい子」と感じたときに読む本』は、わが子を「手に負えない」「イラっとする」と感じてしまう自分を責めている人に向く。
橘ナナミ
「育てにくい」って、ちょっと重い言葉ですね。
佐藤メバル
でも、そう感じてしまうこと自体を否定しない書き方をしている。そこがやさしいんだ。
悩みのテーマから逆引きする
橘ナナミ
いま怒りっぽくなっているお母さんには?
佐藤メバル
『大丈夫! あなたはちゃんと子育てしてるし 子どももちゃんと育ってます』だね。ほかのママと比べて落ち込む、イライラしてぶつけてしまう、しつけで悩む、上の子と下の子の育て方に迷う——そういう場面ごとにアドバイスが並んでいる。思春期が近づいてきたら『抱きしめよう、わが子のぜんぶ』、叱り方そのものに悩んだら『「ほめ方」「叱り方」「しつけ方」に悩んだら読む本』。これは佐々木さんの考え方を土台に、子育てサロンを主宰していた若松亜紀が日常で使える形に落とし込んでいる。
理論から入るか、心を癒されたいか
橘ナナミ
根っこの理論を知りたい人もいますよね。
佐藤メバル
その場合はエリクソン。『子どもの心はどう育つのか』はポプラ新書で、エリクソンのライフサイクル論を佐々木さんが展開した一冊。0〜2歳は信頼、2〜4歳は自律、4〜7歳は積極性という発達課題から、ひきこもりやうつを考えていく。同じ流れを厚く読むなら『0歳からはじまる子育てノート』や『子どもの心が見えてくる』。逆に癒やしが欲しいときは、最期に遺した言葉をまとめた『子育てに迷ったときのお母さんへの言葉』を開くといい。
橘ナナミ
正解を求める日と、慰めが欲しい日で、棚が分かれるんですね。
佐々木正美の子育て本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
佐々木正美の子育て本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木正美 著|福音館書店
¥2,090(税込)
福音館の単行本として刊行された、佐々木正美さんの代表的な育児書です。児童精神科医としての臨床経験をふまえ、子どもにとっての乳幼児期が人間の基礎をつくるもっとも重要な時期だと説き、育児の大切さを丁寧に語ります。324ページという厚みは、一度読んで終わりではなく、子どもの年齢が変わるたびに戻ってくる前提のつくり。ハウツーを並べるのではなく、なぜこの時期が大事なのかという土台から語るので、ほかの育児書の前に置く「軸」になります。
こんな人におすすめ
妊娠中から3歳前後の子どもを持つ親、保育士や幼稚園教諭など子どもに関わる仕事の人、そして育児書を一冊だけ選ぶならどれかと迷っている人。慌ただしい毎日の合間に、少しずつ読み進めたい場面に向いています。
良い点
- 乳幼児期の重要性を土台から理解できる
- 臨床経験に基づく語りに説得力がある
- 繰り返し読み返せる厚みと構成
気になる点
- 分量が多く忙しいと後回しになりがち
- すぐ使えるノウハウは少なめ
- 文章中心でイラストは控えめ
出版社
福音館書店
発売日
1998年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、子育ての本を調べると必ず名前が出てくる佐々木正美先生。最初の一冊はどれにすればいいんでしょう?
佐藤メバル
それなら『子どもへのまなざし』から始めるのがいいね。児童精神科医としての臨床経験をふまえて、乳幼児期が人間の基礎をつくる大事な時期だと語った本で、福音館の単行本として出ています。
324ページと読みごたえはありますが、ハウツーを並べた本ではなく、なぜこの時期が大事なのかという土台をくれる。
急いで答えを探すより、ゆっくり育てる目を持ちたいときに効く一冊です。
橘ナナミ
土台、かあ。でも324ページって、子育ての真っ最中に読み切れる気がしないんですけど、途中で挫折したら意味がない気もします。
佐藤メバル
全部を一気に読まなくていいんですよ。書店員時代、出産祝いの相談でこの本を選んだこともありましたが、読者は章ごとに区切って、子どもの成長に合わせて戻ってきていました。
最初から順番にでなくても、気になる章から拾えばいい。そういう読み方に耐える本です。

子育てのきほん 新装版 (一般書)
佐々木正美 著|ポプラ社
¥1,540(税込)
「子育ては過保護でいい」「いくら抱いても、いくら甘やかしてもいい」——児童精神科医として50年活躍した著者がたどり着いた、圧倒的にシンプルで限りなくやさしい心構えを55のメッセージで届ける一冊。10年読み継がれたロングセラーに描きおろし漫画を加え、オールカラーにした新装版です。厚い育児書の前の最初に読む入門書として位置づけられ、子育て協会も推薦しています。
こんな人におすすめ
はじめて育児書を手に取る人、妊娠中で予習しておきたい人、育児書を何冊も読む時間がない人。1メッセージが短いので、授乳や寝かしつけの合間に数ページずつ読む場面にも合います。
良い点
- オールカラーで漫画も入り読みやすい
- 55の短いメッセージで区切りがいい
- 入門書として迷わず選べる
気になる点
- 深掘りした理論は少なめ
- 内容の重複を感じる箇所がある
- 新装版で価格はやや上がる
出版社
ポプラ社
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ佐々木先生で『子育てのきほん』っていう新装版もあるんですね。オールカラーって聞いて、ちょっと気になります。
佐藤メバル
これは“最初に読む一冊”としてわかりやすいよ。児童精神科医として50年活躍した著者がたどり着いた心構えを55のメッセージにまとめていて、「子育ては過保護でいい」「いくら抱いても、いくら甘やかしてもいい」と、とにかく言葉がまっすぐ。
10年読み継がれた本に描きおろし漫画を足して、オールカラーの新装版になったんです。
橘ナナミ
漫画が入っていると、育児で疲れているときでも手が伸びそうです。活字が続くと、どうしても間が空いちゃいますから。
佐藤メバル
そう、そこが新装版のいいところ。活字だけだと重いときに、漫画がクッションになってくれる。子育て協会が推薦していて、写真家の幡野広志さんや協会代表の杉浦正明さんも言葉を寄せています。
入門書として迷ったら、まずこれでいいと思います。

子どもが喜ぶことだけすればいい
佐々木正美 著|ポプラ社
「子どもはかわいがられるからいい子になります。かわいい子だから、かわいがるのではないのです」——親や教育者から絶大な支持を得た著者の、子育ての悩みに寄り添うメッセージブックです。自己肯定感・人間関係・自立心をテーマに、マニュアルやノウハウではない言葉を集めています。同じ著者の入門書と並べながら、心が疲れた日に開く一冊として使えます。
こんな人におすすめ
まわりの子と比べて落ち込むとき、しつけに悩むとき、叱ってばかりで自分が嫌になるとき。1ページずつ拾い読みしたい人、育児の合間に短い言葉に救われたい人に向きます。
良い点
- 1つ1つの言葉が短く心に残る
- 自己肯定感などテーマが明確
- 育児に疲れた日に開きやすい
気になる点
- 体系立てた解説は少ない
- 具体的な対処法は限られる
- 読む順番に迷いやすい
出版社
ポプラ社
発売日
2021年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『子どもが喜ぶことだけすればいい』ってタイトル、すごく思い切ってますね。それだけだと、しつけはどうするの?って思っちゃいます。
佐藤メバル
いいところに引っかかったね。これは著者の言葉を集めたメッセージブックで、「子どもはかわいがられるからいい子になります。かわいい子だから、かわいがるのではないのです」という考えが軸になっている。
自己肯定感、人間関係、自立心がテーマで、マニュアルではなく言葉そのものを味わう本です。
橘ナナミ
なるほど。読んで実行するというより、読みながら気持ちを整える感じの本なんですね。そういう本、実はいちばん必要かも。
佐藤メバル
そう。比べて落ち込んだ日や、叱りすぎて自己嫌悪になった日に開くと、言葉がすっと入ってくる。著者は長く臨床の現場に立った人で、地域の親子との学び合いにも力を注いだ人だから、言葉に説教くささがないんですよ。

この子はこの子のままでいいと思える本
佐々木正美 著|主婦の友社
¥1,870(税込)
「いい子だから、かわいがるのではありません。かわいがられるから、いい子になるのです」——2017年に逝去した著者がいちばん伝えたかったことを、お母さんたちの実際の悩み相談に答えながら届ける一冊です。「お母さん」が重い、しつけって難しい、親子バトルから抜け出したい、子どもを伸ばす親になるには?、思春期になる前に、父親の役割ってなんですか?という6つの章で、困りごとから逆引きできます。
こんな人におすすめ
しつけや親子のぶつかり合いに悩む人、思春期前の子どもとの関係を見直したい人、父親の役割を考えたい人。相談に答える形なので、いま抱えている困りごとから読み始めたい場面に向いています。
良い点
- 章が悩みごとに分かれ逆引きしやすい
- 相談への答えとして具体的
- 思春期前の備えになる
気になる点
- 通して読むとやや散らかる
- 理論的な説明は控えめ
- タイトルの境地に届くまで時間がかかる
出版社
主婦の友社
発売日
2020年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、章の名前がいいですね。「お母さん」が重い、とか、思春期になる前に、とか。あ、でも相談に答える形なんですよね?
佐藤メバル
そう、これは悩み相談に答えていく形の本なんだよ。章立てが「お母さん」が重い、しつけって難しい、親子バトルから抜け出したい、子どもを伸ばす親になるには?
、思春期になる前に、父親の役割ってなんですか?と、困りごとで分かれている。
橘ナナミ
じゃあ最初から読まなくても、いま自分が困っているところだけ開けばいいんですね。それは助かります。
佐藤メバル
その使い方がいちばん合っていると思う。著者が2017年に亡くなるまでに伝えたかったこと——かわいがられるから、いい子になるという考えが、相談の答えとして何度も出てくる。
言葉集の本より具体的で、父親の役割まで扱っているのが特徴です。

かわいがり子育て―3歳までは思いっきり甘えさせなさい
佐々木正美 著|大和書房
¥1,787(税込)
「抱っこ!」と言われたら、いっぱい抱きしめて——3歳までは思いっきり甘えさせなさい、というメッセージを掲げた一冊です。たくさんのお母さんに支持されてきた著者が、子育てでいちばん大事なことを伝えます。143ページと薄めで、厚い育児書に入る前に、まず甘えさせていいんだと確認したいときに手に取りやすい。タイトルそのものが方針になっている本です。
こんな人におすすめ
0〜3歳の子どもを育てていて、抱き癖や甘やかしが気になっている人、周囲から「抱きすぎ」と言われて迷っている人、短い本で背中を押してほしい人に向いています。
良い点
- 主張が一行でつかめる
- 薄くて読み切りやすい
- 甘えさせの迷いをほどける
気になる点
- 対象が3歳までに限られる
- 事例の網羅性は高くない
- より詳しい本との併読が前提
出版社
大和書房
発売日
2007年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『3歳までは思いっきり甘えさせなさい』って、思い切りがいいなあ。でも、抱き癖がついたらどうするの?って不安になりませんか?
佐藤メバル
その不安にまっすぐ答えてくれる本だよ。「抱っこ!」と言われたら、いっぱい抱きしめて——というのが著者の立場。
たくさんのお母さんに支持されてきた人が、子育てでいちばん大事なことを短くまとめている。143ページだから、厚い本を読む元気がないときでも届きます。
橘ナナミ
薄いの、助かります……って、私まだ子どもいないんですけどね。でも読者さんはきっとそう思うはずです。
佐藤メバル
はは、そういう目線が大事。周りから抱きすぎと言われて迷ったときに、これ一冊で方針が決まる。ただ3歳までを対象にした本だから、その先は『はじまりは愛着から』などに続けて進むといいですよ。

過保護のススメ
佐々木正美 著|小学館
¥1,430(税込)
子どもが絡んだ事件で「過保護」のレッテルが飛び交うけれど、それは本当は「過干渉」のこと——両者はまったく違う、という切り口から始まる育児論です。親に十分保護されて育った子は、成長しながら自然に自立していく。しつけや叱り方から友だちとの人間関係まで、やさしく説いています。同じ著者の言葉集とは違い、概念を立てて考えさせるタイプの一冊です。
こんな人におすすめ
「甘やかしすぎでは」と言われて迷っている人、しつけと叱り方の方針を立てたい人、過保護という言葉に罪悪感を感じてきた人に。育児情報の洪水のなかで軸を探している場面にも合います。
良い点
- 過保護と過干渉の区別が腹に落ちる
- しつけ・叱り方まで扱う
- 自立への道筋が見える
気になる点
- タイトルが誤解されやすい
- 理論寄りで軽くは読めない
- 実践例は控えめ
出版社
小学館
発売日
2002年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『過保護のススメ』……え、過保護っていうと、良くない言葉なイメージがあるんですけど。大丈夫なんですか?
佐藤メバル
そこをひっくり返す本なんですよ。子どもが絡んだ事件で「過保護」と言われるのは、実は「過干渉」のこと。
親に見える範囲だけで与えてしまうのが過干渉で、過保護はまるで別物だ、と著者は説く。親に十分保護された子は、成長しながら自然に自立していきます。
橘ナナミ
保護されるから自立する、って順番が逆に感じて新鮮です。甘やかすことへの罪悪感が、ちょっと軽くなりそう。
佐藤メバル
そう、そこが核心。しつけや叱り方、友だちとの人間関係まで踏み込んで、時間をかけながら親子がともに育つ道筋を書いている。
同じ著者のことば集より、考え方を組み立てたい人向けの一冊です。

はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに (福音館の単行本)
佐々木正美 著|福音館書店
¥1,210(税込)
児童精神科医として半世紀以上、臨床の現場で子どもと家族に向き合ってきた著者が、乳児期から思春期までの発達段階ごとに、心にとめておきたいことを語りかけます。「いい子」に育てないすすめ、絵本を読み聞かせる大切さ、子どものウソ、自立に必要な依存と反抗など、テーマが具体的。『子どもへのまなざし』と同じ福音館の単行本ですが、208ページとややコンパクトで、発達段階を追って整理しやすい構成です。
こんな人におすすめ
愛着という言葉をきちんと理解したい人、絵本の読み聞かせを続ける意味を知りたい人、乳児期から思春期までを見通しておきたい人。感情的になって落ち込んだときに読み返す場面にも向きます。
良い点
- 発達段階ごとに整理されている
- 読み聞かせの意味にも触れる
- 自立と依存の関係が腑に落ちる
気になる点
- 年齢が広くやや総花的
- 実践の手順は少ない
- 福音館の厚い本と重なる部分も
出版社
福音館書店
発売日
2017年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“愛着”ってよく聞きますけど、私、正直ちゃんと説明できないです。愛着って何なんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。この本は、その愛着から始まって、乳児期から思春期までの発達段階ごとに、大人が心にとめておきたいことを語っていく。
「いい子」に育てないすすめ、絵本を読み聞かせる大切さ、子どものウソ、自立に必要な依存と反抗——テーマがとても具体的なんです。
橘ナナミ
絵本の読み聞かせが、愛着の話とつながるんですね。それはちょっと意外でした。知識のためだけじゃないんですね。
佐藤メバル
そう、読み聞かせは知識を入れるためじゃなく、関係をつくる時間なんですよ。自立には依存が必要だという言い方も、この本の大事なところ。
子育てで感情的になって落ち込んだときに、子どもの立場から書かれた言葉が響くはずです。

子どもの心の育てかた
佐々木正美 著|河出書房新社
¥1,430(税込)
教育や建てものは、いちばん大事なのは基礎。そして、いちばん取り返しがつきにくいのも基礎——そんな一文から始まる、子どもの心の土台を語る一冊です。叱りすぎてもほめすぎても自主性を妨げること、反抗は喜んでいいこと、創造性は模倣から生まれることなど、短い章で核心を突きます。144ページで、厚い育児書の要点を先に押さえたいときに向いています。
こんな人におすすめ
叱り方・ほめ方のバランスに迷っている人、子どもの反抗にどう反応していいかわからない人、放課後の時間やトイレットトレーニングの考え方を知りたい人、短時間で発達の要点をつかみたい人。
良い点
- 144ページで要点が濃い
- 叱る・ほめるの線引きが明確
- 反抗の捉え方が変わる
気になる点
- 事例の詳細は少なめ
- 解説は短くあっさりめ
- 別の著書と内容が重なる
出版社
河出書房新社
発売日
2016年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『子どもの心の育てかた』って、タイトルだけだと何を扱ってるか想像しにくいです。中身はどんな感じなんですか?
佐藤メバル
土台の話なんですよ。教育や建物は基礎がいちばん大事で、いちばん取り返しがつきにくい。子どもも同じだ、というところから始まる。
トイレットトレーニングの話、叱りすぎもほめすぎも自主性を妨げるという話、反抗は喜んでいいという話が、短い章で出てきます。
橘ナナミ
反抗は喜ぶ……! それは言われないと絶対に出てこない発想です。ふつうは困ったなって思っちゃいますよね。
佐藤メバル
「ダメ」が始まったら“ついに来た”と見守る、という感覚ですね。叱ってすぐ忘れられる、失敗しても繰り返す——それが幼児期の強みだとも書いています。
144ページで要点だけ先に押さえたい人に向く一冊です。

子育てに迷ったときのお母さんへの言葉
佐々木正美 著|大和書房
¥1,540(税込)
「子どもに言うことを聞かせるよりも、子どもの言うことをよく聞く」「育児に失敗するのは、うるさいことを言いすぎるから」——著者が最期に遺した言葉を、乳幼児から学童期までの悩みに沿ってまとめた一冊です。勉強だけでは育たない、人格を育てるという視点も収められ、優しくも厳しく、温度のあるメッセージが並びます。著者自身の集大成として読める本です。
こんな人におすすめ
言葉に救われたい夜、育児で言葉がきつくなってしまったと感じたとき、乳幼児から学童期までの悩みを抱える人。短い言葉を拾い読みして、一日の終わりに心を戻したい場面に向きます。
良い点
- 一つ一つの言葉が短く胸に残る
- 乳幼児から学童期までをカバー
- 厳しさと温かさが同居する
気になる点
- 体系的な解説はほぼない
- 具体的な手順は載らない
- 読み返す前提の本である
出版社
大和書房
発売日
2022年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最期に遺した言葉、って聞くと、ちょっと身構えてしまいます。読むのに覚悟がいりそうで。
佐藤メバル
でもこれ、責める言葉じゃないんですよ。「子どもに言うことを聞かせるよりも、子どもの言うことをよく聞く」「育児に失敗するのは、うるさいことを言いすぎるから」。
最期に遺した言葉だけに、一つ一つが短くて重い。
橘ナナミ
うるさいことを言いすぎる、は耳が痛いです。読者さん、たぶんここで一回止まって、しばらく考え込むと思います。
佐藤メバル
そこを越えると「勉強だけでは育たない。人格を育てる」という言葉が来る。乳幼児から学童期までの悩みに沿って並んでいるので、いまの子どもの年齢のところから読めばいい。
手順は書いていないけれど、迷った夜に開く本です。

佐々木正美先生の子育てお悩み相談室
佐々木正美 著|主婦の友社
「将来、いじめられないか心配」「ついついスマホのしつけアプリに頼ってしまうけど」「ひとりっ子の育て方って?」——読者から毎号寄せられる悩みに10年こたえ続けた一問一答を、語り口そのままに一冊にまとめたものです。やさしく、時にきびしいアドバイスが、読んでいるだけでほっとすると支持されてきました。同じ著者の相談本のなかでも、とくに今どきの悩みに寄り添う内容です。
こんな人におすすめ
スマホやアプリを使ったしつけに迷う人、ひとりっ子の育て方を考えている人、いじめなど先の心配で不安が大きい人、悩みを短く解決したい人。雑誌の相談コーナーを読む感覚で拾い読みしたい場面に向きます。
良い点
- 今どきの悩みに答えている
- 一問一答で引きやすい
- 読むだけで気が楽になる
気になる点
- 専門的な理論は少ない
- 連載由来でやや単発的
- 網羅的な育児書ではない
出版社
主婦の友社
発売日
2016年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、Q&Aが延々続く形式なんですか? 読み物として成立するのかな、と少し思いました。
佐藤メバル
一問一答です。ただのQ&Aじゃなくて、読者から毎号届く悩みに10年こたえ続けたものをまとめたんです。
「将来、いじめられないか心配」とか「ついついスマホのしつけアプリに頼ってしまう」とか、いまのお母さんが実際に困っていることが出てくる。
橘ナナミ
スマホのしつけアプリ、わかります。便利そうだけど、それでいいの?って不安にもなりますよね。私も将来使うかも、と思うと他人事じゃないです。
佐藤メバル
そこにきちんと答えているのがいい。やさしく、時にきびしいアドバイスが、読んでいるだけでほっとすると支持されてきた本です。
ひとりっ子の育て方も取り上げているので、兄弟がいる前提の育児書にしっくりこなかった人にも向きます。

佐々木正美の子育てト-ク
佐々木正美 著|エイデル研究所
¥1,572(税込)
『佐々木正美の子育てトーク』——タイトルどおり、語りで読ませる一冊です。エイデル研究所から205ページで刊行されています。項目を追って学ぶというより、語りをそのまま読むタイプの本で、入門書で全体像をつかんだあとに、著者の話をもっと聞きたいという人が次に進む位置づけになります。
こんな人におすすめ
著者の語りをもっと読みたい人、育児書の項目立てに疲れた人、保育の現場で読み物として共有したい人、著者の考え方の温度を感じたい人に向いています。
良い点
- 語り口で読み進めやすい
- 205ページで程よい分量
- 著者の人となりが伝わる
気になる点
- ノウハウの整理はされていない
- 目次から逆引きしにくい
- 最初の一冊には向かない
出版社
エイデル研究所
発売日
2001年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『子育てトーク』って、講演みたいなものを本にしたんでしょうか? 情報が少なくて、内容が想像できないです。
佐藤メバル
タイトルどおり、語りで読ませる一冊だね。エイデル研究所から出ていて205ページ。項目ごとに整理して学ぶというより、著者の話をそのまま聞くように読むタイプなんですよ。
橘ナナミ
じゃあ、最初の一冊には向かないかもしれないですね。内容をつかんでから、次に読む感じかな。
佐藤メバル
そう、入門書で内容をつかんでから、もっと佐々木先生の話を聞きたいという人が次に手に取る本。編集部でも“この人の語り、もっと読みたい”という声が出るタイプの一冊です。

佐々木正美の子育て百科2~入園・入学後、子どもの心はどう成長するか
佐々木正美 著|大和書房
¥1,760(税込)
入園・入学を過ぎると、悩みはもっと深くなる——これは入園・入学前の一冊の続編として、学童期から思春期への移行期の悩みを解消する304ページの大冊です。自己肯定感を育てる、親の愛情だけでは育たない、そして親や保育者・教師からの30の質問に答えていきます。転居、口答え、給食、かんしゃく、ADHDやアスペルガー症候群、不登校まで、具体的な困りごとが並ぶリファレンス型の一冊です。
こんな人におすすめ
小学生以降の子を持つ親、園や学校の先生・保育士、発達に特性のある子どもの関わり方を知りたい人、困りごとを辞書的に引いておきたい人に。長く手元に置く前提の一冊です。
良い点
- 30の質問に具体的に答える
- 発達特性の相談まで扱う
- 保育者・教師側の視点もある
気になる点
- 304ページで持ち歩きにくい
- 読み通すには前提知識が要る
- 価格はやや高め
出版社
大和書房
発売日
2020年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
子育て百科の2巻目、304ページってすごい量ですね。辞書みたいです。1巻との違いは何なんですか?
佐藤メバル
1巻が入園・入学前に親がしておきたいこと。この2巻は、入園・入学のあと、学童期から思春期へ移る時期を扱っています。
ここは親の姿勢がいちばん問われる時期で、悩みも深くなる。だから内容も濃いんですよ。
橘ナナミ
ADHDとかアスペルガー症候群、不登校なんて言葉も出てくるんですね。私、当事者じゃないので想像だけですけど、読むほうは覚悟がいりそうです。
佐藤メバル
そう、30の質問に答えていて、親からの相談だけでなく保育者や教師からの質問も入っているのが特徴。
転居や給食、口答えといった日常の困りごとから、障害のある子の育て方まで。辞書のように必要なところを引く使い方が合っています。

【新装版】抱きしめよう、わが子のぜんぶ: 思春期に向けて、いちばん大切なこと
佐々木正美 著|大和出版
¥1,650(税込)
「この子はこの子のままでいい」——そう思えたとき、子どもはイキイキと輝き出す。思春期に向けて、いちばん大切なことを伝える新装版です。書名が『抱きしめよう、わが子のぜんぶ』とあるように、できているところも、できていないところも含めて受けとめるという姿勢が貫かれています。若松亜紀さんが「行く道は正美先生が照らしてくれる」と推薦の言葉を寄せた、息の長い子育てバイブルです。
こんな人におすすめ
思春期が近づいてきた子の親、自己肯定感の土台を作り直したいと感じている人、言葉集ではなく読み物として通して読みたい人に。子どもが大きくなる前に先に読んでおく場面にも向きます。
良い点
- タイトルの姿勢が全編貫かれる
- 思春期前の準備になる
- 192ページで読み切りやすい
気になる点
- 対象年齢がやや曖昧
- 具体的な対処は少なめ
- 既刊と重なる内容もある
出版社
大和出版
発売日
2023年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『抱きしめよう、わが子のぜんぶ』……ぜんぶ、ってところが引っかかります。できないところも、ってことですよね。
佐藤メバル
そのとおり。「この子はこの子のままでいい」と思えたとき、子どもは輝き出す。思春期に向けて、いちばん大切なことを書いた新装版です。
できているところも、できていないところもひっくるめて受けとめる、という姿勢がずっと貫かれている。
橘ナナミ
思春期に向けて、ってことは、小さな子の親だけの本ではないんですね。先に読んでおけるのは安心です。
佐藤メバル
うん、むしろ思春期が近づいてから慌てないための本。子どもが自分を肯定できる土台を、小さいうちにどう用意するかという話です。
若松亜紀さんが「行く道は正美先生が照らしてくれる」と推薦の言葉を寄せているのも、この本の立ち位置をよく表していると思います。

新装版 「育てにくい子」と感じたときに読む本
佐々木正美 著|主婦の友社
¥10(税込)
わが子を「育てにくい」「手に負えない」「難しい」と感じてしまう——そんなときのための一冊です。大人の都合で「ちょっと待って」「あとでね」と生返事したり、突き放したり、怒ってしまったり。その反省から読み進めると、ハッと気づくことがあり、解決の糸口が見つかるとされる名著の新装版です。子育てに迷うときだけでなく、悩んでいないけれどもっとよく育てたいときにも開ける間口の広さがあります。
こんな人におすすめ
子どもにイラッとして自己嫌悪になる人、育てにくさを誰にも言えない人、もっとよく育てたいと前向きに考えている人、生きづらさを感じている人に。気持ちが沈んだときに少しずつ読む場面に向きます。
良い点
- 言いにくい悩みを拾ってくれる
- 叱り方の振り返りになる
- 前向きな用途でも読める
気になる点
- タイトルに抵抗を感じる人も
- 医学的な解説が中心ではない
- 骨格は旧版と大きく変わらない
出版社
主婦の友社
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“育てにくい子”って、その言い方、親が口にしたらすごく罪悪感がありそうで……。大丈夫なんですか?
佐藤メバル
むしろ、その罪悪感を抱えている人のための本ですよ。「手に負えない」「難しい」と感じること、「ちょっと待って」と生返事して反省すること。
そういう場面から始まって、読み進めるとハッと気づくことがあり、解決の糸口が見つかるとされる名著の新装版です。
橘ナナミ
叱ってばかりの毎日でも、答えが見つかる感じがします。タイトルで敬遠しちゃうのは、もったいないかも。
佐藤メバル
ええ。子育てに迷うときにも、生きづらさを感じるときにも、そして悩んではいないけれどもっとよく育てたいときにも開ける。間口が広いのがいいところです。

子育てでいちばん大切なこと
佐々木正美 著|大和書房
¥1,320(税込)
タイトルがそのまま問いになっている一冊です。大和書房から出た144ページ、著者の本のなかでも短くまとまった分量で、「いちばん大切なこと」とは何かを見に行く読み方ができます。同じ著者の言葉集や相談本と並べると、より凝縮された形で核心に触れたいときに手に取りやすい。長時間とれない人が、まず著者の結論に触れてみる入口としても使えます。
こんな人におすすめ
短時間で著者の核心に触れたい人、育児書は薄いほうが続く人、まず結論から知ってから詳しい本に進みたい人、贈り物として渡したい人に向いています。
良い点
- 144ページで手に取りやすい
- タイトルから目的が明確
- 価格も抑えめ
気になる点
- 事例の詳細は期待しにくい
- 目次情報が少なく選びにくい
- 一冊では物足りない可能性
出版社
大和書房
発売日
2008年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、タイトルがすごい。“子育てでいちばん大切なこと”って、答えを言い切る覚悟が要りますよね。
佐藤メバル
そう、だから薄いんですよ。大和書房で144ページ。短い分量で核心に触れるタイプの一冊で、分厚い育児書を読む前に、まず著者の結論を見に行くという使い方ができます。
橘ナナミ
いきなり詳しい本を買うのが不安な人には、入口になりそうですね。薄いと、読めなかったときの罪悪感も少ないですし。
佐藤メバル
ありです。ただ、事例をたくさん読みたい人には物足りないかもしれない。気に入ったら『子どもへのまなざし』や『子育てのきほん』に進む、という順番がおすすめですよ。

子どもの心はどう育つのか (ポプラ新書 さ 15-1)
佐々木正美 著|ポプラ社
¥946(税込)
不登校、ひきこもり、うつ、摂食障害——生きづらさの鍵は心の発達課題にある。0〜2歳は信頼、2〜4歳は自律、4〜7歳は積極性。その年齢に適した課題を果たせないと、心が未熟なまま大人になり、生きづらさにつながることがある。エリクソンのライフサイクル論をもとに、発達と成熟の考え方を展開した新書で、155ページとコンパクトにまとまっています。
こんな人におすすめ
発達の理論から子育てを理解したい人、不登校や生きづらさを抱える人の支援に関わる人、自分の幼少期を振り返りたい大人に。子育てだけでなく人間関係の見方も変えたい場面に向きます。
良い点
- 新書で理論を体系的に学べる
- 発達課題が年齢で整理される
- 子育て以外の人間関係にも効く
気になる点
- 実践のハウツーは少ない
- 理論中心で読み応えが必要
- 当事者には重く感じられる
出版社
ポプラ社
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新書で読めるのはありがたいです。これ、具体的には何を扱ってるんですか?
佐藤メバル
これは理論の本です。エリクソンのライフサイクル論をもとに、0〜2歳は信頼、2〜4歳は自律、4〜7歳は積極性、というふうに年齢ごとの発達課題を展開している。
不登校やひきこもり、うつ、摂食障害といった生きづらさの鍵が、その課題にあると語るんですよ。
橘ナナミ
子育てというより、人の一生の話になってくるんですね。それは読んでみたい。
佐藤メバル
そう。大人になっても未成熟な部分を自覚することが、人間として豊かに生きることにつながる、という視点が芯にある。
ポプラ新書で155ページなので、理論の入口として手に取りやすいですよ。

どうか忘れないでください、子どものことを。 (一般書)
佐々木正美 著|ポプラ社
¥320(税込)
書名がそのまま、著者からの呼びかけになっている一冊です。ポプラ社から出た142ページで、表紙とタイトルだけで手に取る理由が決まるような強い言葉を持っています。著者の言葉集や相談本と同じく、読んで実行するというより、読みながら立ち止まるタイプの本。短いので、育児で自分を後回しにしている人が、ふと自分のところへ戻るきっかけになります。
こんな人におすすめ
育児に追われて自分の気持ちを後回しにしている人、短い言葉で立ち止まりたい人、誰かにそっと渡したい人、寝る前に数ページだけ開きたい人に向いています。
良い点
- タイトルがとにかくまっすぐ
- 142ページで読みやすい
- ふと開く使い方に向く
気になる点
- 具体策は期待できない
- 内容の情報が少なく選びにくい
- 通読より拾い読み向き
出版社
ポプラ社
発売日
2014年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『どうか忘れないでください、子どものことを。』……このタイトル、読んだ瞬間に手が止まります。
佐藤メバル
ええ、この本はタイトルがもう呼びかけなんですよ。ポプラ社で142ページ。読みながら立ち止まるタイプの一冊で、著者の言葉集や相談本と近い位置にあります。
橘ナナミ
育児で自分を後回しにしてる人に、ふと刺さりそうです。そういう人ほど、こういう本は自分では開かないんでしょうけど。
佐藤メバル
そこなんです。読んで実行するというより、自分のところへ戻るきっかけになる。短いですから、寝る前に数ページ、という付き合い方が合いますね。贈り物として渡すのも自然な一冊です。

大丈夫! あなたはちゃんと子育てしてるし 子どももちゃんと育ってます
佐々木正美 著|主婦の友社
「お母さんになったばかりの人が子育て上手であるはずがありません」——そう背中を押してくれる一冊です。ほかのママと比較して落ち込むとき、イライラして子どもに怒りをぶつけてしまうとき、しつけに悩むとき、性格や個性に不安を感じるとき、上の子と下の子で迷うとき。5つの場面ごとに具体的なアドバイスを紹介します。「うちの3姉妹」の松本ぷりっつさんが漫画を担当しているので、笑いながら読めるところも魅力的です。
こんな人におすすめ
ほかの家庭と比べて落ち込む人、怒ってしまった自分に自信をなくした人、上の子と下の子の扱いに迷う人、気楽に読める育児書を探している人に向いています。
良い点
- 漫画付きで読みやすい
- 比較・イライラなど場面が具体的
- 自分を認める方向に導く
気になる点
- 理論より励ましが中心
- 同じ著者の他書と内容が重なる
- 深い対処法は少なめ
出版社
主婦の友社
発売日
2020年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『うちの3姉妹』の松本ぷりっつさんが漫画を描いてるって知って、びっくりしました。佐々木先生の本で漫画って意外です。
佐藤メバル
それがこの本のいいところ。「お母さんになったばかりの人が子育て上手であるはずがありません」と、まず背中を押してくれるんですよ。
ほかのママと比べて落ち込む、イライラして怒りをぶつけてしまう、しつけで悩む、上の子と下の子で迷う——そういう場面ごとにアドバイスが並んでいます。
橘ナナミ
比べて落ち込む、は今もすごく多いですよね。SNSもありますし、余計に比べる材料が増えてる気がします。
佐藤メバル
だから漫画の力が効く。肩の力を抜いて読めるから、言葉がすっと入って、「私は私のままでいい」に近づける。完璧を目指さないための一冊です。

3歳までの子育てに大切なたった5つのこと (健康ライブラリースペシャル)
佐々木正美 著|講談社
¥1,650(税込)
子育てにはポイントもコツもありますが、全部を気にしていたら疲れてしまう——だから大切なのは5つだけ。102ページに、著者がこれまで多くの家族を見てきたなかから選んだ5つのメッセージが、イラストとともにまとめられています。講談社の健康ライブラリースペシャルで、その日からできる具体的な工夫が紹介されているのが特徴。保育士や幼稚園の先生にもすすめられるつくりです。
こんな人におすすめ
覚えることを絞りたい人、イラストでさっと理解したい人、幼稚園や保育園の先生、祖父母として孫育てに関わる人、育児書を何冊も読む余裕がない人に向いています。
良い点
- 5つに絞られ迷わない
- イラスト中心で読みやすい
- 保育の現場でも使える
気になる点
- 網羅性は意図的に捨てている
- 対象は3歳まで
- 物足りなさを感じる人も
出版社
講談社
発売日
2013年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“たった5つのこと”って、絞り切ってますね。102ページだし、これは本当に5つだけなんですか?
佐藤メバル
そう、思い切って5つに絞った本です。子育てのポイントやコツはたくさんあるけれど、全部を気にしていたら疲れてしまう。
児童精神科医として多くの家族を見てきた著者が、これだけは、というメッセージを選んだんですよ。その日からできる具体的な工夫も紹介されています。
橘ナナミ
イラストも入ってるんですね。うちの母みたいに孫育てに関わる人にもよさそうです。保育園の先生が手に取るのもわかります。
佐藤メバル
保育士や幼稚園の先生にもすすめられるつくりで、祖父母にもいい。3歳までが対象なので、そこだけ確認してから選ぶといいですよ。

子どもの成長に飛び級はない: 赤ちゃんから就学前の育児のコツ
佐々木正美 著|学研プラス
¥1,540(税込)
「子どもの健全な成長にはベーシックトラスト(基本的信頼感)が必要」「過干渉はダメだが、過保護はよい」——子育てに役立つ言葉が並ぶ、乳幼児の子どもをもつ親向けの育児書です。書名のとおり、成長に近道はないという前提に立ち、焦らず順番に積み上げることを教えてくれます。子をもつ親がまず初めに読むと役に立つ、という位置づけの一冊です。
こんな人におすすめ
乳幼児期の育て方を最初に押さえたい人、早期教育や先取りに焦りを感じている人、過保護という言葉に迷いがある人、最初に読む育児書を探している人に向いています。
良い点
- 成長を急がない前提が安心できる
- 基本的信頼感から説き起こす
- 入門として使いやすい
気になる点
- 191ページで概要が中心
- 発達障害の話題は少なめ
- 他書と重なる箇所がある
出版社
学研プラス
発売日
2006年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“飛び級はない”って、なんかちょっと安心するタイトルです。早くできるようにさせなきゃ、って焦ることありますもんね……子育てはまだですけど。
佐藤メバル
その焦りに効く本です。子どもの健全な成長にはベーシックトラスト、基本的信頼感が必要だと説いて、過干渉はダメだけれど過保護はよい、という整理もしてくれます。
乳幼児の子どもをもつ親が、まず初めに読むと役に立つとされる一冊ですよ。
橘ナナミ
基本的信頼感って、さっき愛着の話でも出てきましたよね。つながってるんだと思うと、あとから効いてきそうです。
佐藤メバル
つながっています。順番を飛ばせないというのが著者の一貫した立場。早期教育に揺れているとき、ここに戻ってくると落ち着けます。

0歳からはじまる子育てノ-ト: エリクソンからの贈りもの
佐々木正美 著|日本評論社
¥2,580(税込)
書名に「エリクソンからの贈りもの」とあるとおり、アイデンティティやモラトリアムの生みの親として知られるエリクソンの発達論を軸に、0歳からの子育てをノートとして書き留めた一冊です。日本評論社から192ページで刊行され、エリクソンの発達論を軸にした内容を別の角度から読める位置づけ。子育ての実務書というより、発達の物差しを持ちたい人の本棚に向きます。
こんな人におすすめ
エリクソンの発達論を子育てに結びつけて考えたい人、理論書を一冊きちんと持ちたい人、保育や教育を学ぶ学生、学び直しをしたい人に向いています。
良い点
- エリクソンを軸にした一貫性
- ノート形式で読み進めやすい
- 学び直しにも向く
気になる点
- 価格はやや高め
- 実践のノウハウは少ない
- 入門には理論が重い
出版社
日本評論社
発売日
2006年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エリクソンって、さっきの新書でも出てきましたよね。心理学の人ですよね?
佐藤メバル
そう、アイデンティティやモラトリアムという言葉を生んだ人。この本は「エリクソンからの贈りもの」と副題にあるとおり、その発達論を軸に0歳からの子育てをノートの形でまとめたものです。
日本評論社から192ページで出ています。
橘ナナミ
エリクソンの本が二冊あると、どう使い分けるんでしょう? 新書のほうが軽そうですけど、こちらはノートなんですね。
佐藤メバル
新書は全体像をつかむ入口、こちらはより腰を据えて発達の物差しを持ちたい人の本、という感じです。
子育ての手順書ではないので、理論を自分の土台にしたい人や、保育・教育を学んでいる人に向いていますよ。

子どもの心が見えてくる ―エリクソンに学ぶ―
佐々木正美 著|ゆいぽおと
¥1,430(税込)
乳児期の基本的信頼から始まり、幼児期の自律性、児童期の積極性、学童期の勤勉性、思春期・青年期のアイデンティティ、成人期の親密性、老年期の統合へ——エリクソンの発達論を、子育てだけでなく大人の人間関係に悩む人にも役立つ形で解説した一冊です。不登校や家庭内暴力、いじめ、モラトリアム人間まで具体的なテーマが並び、176ページにまとまっています。
こんな人におすすめ
人づきあいに悩む大人、不登校やいじめに向き合う立場の人、発達論を人生全体の地図として読みたい人、子育てと自分の生き方を重ねて考えたい人に向いています。
良い点
- 発達論が人生全体をカバー
- いじめや不登校にも触れる
- 176ページで見通しがいい
気になる点
- 専門用語が多め
- 子育ての即効薬ではない
- 事例より理論の比率が高い
出版社
ゆいぽおと
発売日
2021年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『子どもの心が見えてくる』の目次を見ると、いじめとか家庭内暴力とか、けっこう重いテーマまで入ってるんですね。
佐藤メバル
うん、これはエリクソンの発達論を、乳児期の基本的信頼から老年期の統合まで通して解説した本です。思春期のアイデンティティ、成人期の親密性や生産性、モラトリアム人間まで出てくる。176ページで全体を見渡せます。
橘ナナミ
老年期まで……ってことは、子育ての本というより、人の一生の本なんですね。そこが意外でした。
佐藤メバル
その通り。大人の人間関係に悩む人にも役立つとされているのが特徴です。保育や教育の場で不登校やいじめに向き合っている人が、“いまどの課題のところにいるのか”を考える地図として読めます。

育てたように子は育つ: 相田みつを いのちのことば (小学館文庫 あ 13-1)
相田みつを 著|小学館
¥660(税込)
「いくらのろくてもかまいませんよ」「人から点数をつけられるためにこの世に生まれてきたのではないんだよ」「そのままでいいがな」——書家・相田みつをのことばに、児童精神科医が文章を寄せた、すべての親と子へ贈る心のくすりです。相田みつをの本のなかでも異彩を放つベストセラーが文庫になり、相田みつを美術館館長の特別寄稿も新たに収録されました。112ページで、贈り物にも向く造本です。
こんな人におすすめ
言葉そのものに触れたい人、子どもに手紙のように残したい人、育児書のノウハウに疲れて静かな一冊を求める人、出産祝いに添えたい人に向いています。
良い点
- 文庫で手頃に持てる
- 書とことばが深呼吸になる
- 贈り物にも向く
気になる点
- 体系的な育児論ではない
- 112ページで物足りない人も
- 書の世界観に好みが出る
出版社
小学館
発売日
2007年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
あれ、これだけ著者が相田みつをさんになってる。佐々木先生の本じゃないんですね。
佐藤メバル
これは、相田みつをのことばに、児童精神科医が文章を寄せた形の本です。「そのままでいいがな」「人から点数をつけられるためにこの世に生まれてきたのではないんだよ」——書とことばが並んで、心のくすりのように読める。
相田みつをの本のなかでも異色のベストセラーで、文庫になって美術館館長の寄稿も入りました。
橘ナナミ
660円で112ページなら、出産祝いに添えるのもよさそうですね。絵本の代わりに近い感覚かもしれません。
佐藤メバル
いい使い方だと思います。育児の手順は書いていないけれど、育児書に疲れたときに開くと深呼吸できる一冊です。

子どもの気持ちがわかると 子育ては、もっと楽しい (あんしん子育て―すこやか保育ライブラリー)
佐々木正美 著|すばる舎
¥1,650(税込)
「わがまま」「おちつきがない」「反抗的」——保護者や保育者がよく出会う30の「困った!」に、著者がわかりやすく答える一冊です。芯にあるのは、「できるかどうか」よりも「やろうとする気持ち」を育てるという考え方。あせらず、比べず、ありのままを受け入れて、待つ。保護者だけでなく保育の現場でも使える構成で、208ページにまとまっています。
こんな人におすすめ
園や学校での困った場面に向き合う保育者・教師、子どもの気持ちが読めずに悩む親、声のかけ方を変えてみたい人、待つ姿勢を支えてほしい人に向いています。
良い点
- 30の困った場面で引ける
- 保育の現場でも使いやすい
- 待つ姿勢を支えてくれる
気になる点
- 全編に通す物語性は薄い
- 当事者以外にはやや細かい
- 深い理論は少なめ
出版社
すばる舎
発売日
2010年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「わがまま」「おちつきがない」「反抗的」……このへん、保育の現場だと毎日ですよね。30も挙げてくれているのは助かる。
佐藤メバル
そう、30のよくある困った場面に答えていく形の本です。ただの対処術ではなくて、芯にあるのは“できるかどうかよりも、やろうとする気持ちを育てる”という考え方。
あせらず、比べず、ありのままを受け入れて、待つ、という姿勢なんですよ。
橘ナナミ
待つ、が一番むずかしいんですけどね。でも言葉にしてもらえると、そういうものなんだって思えます。園の先生にも読んでほしいです。
佐藤メバル
保護者にも保育者にも同じように届くように書かれているので、園の研修で使うのもいいですよ。208ページ、困った場面から逆引きできます。

「ほめ方」「叱り方」「しつけ方」に悩んだら読む本
佐々木正美 著|PHP研究所
ほめる、叱る、しつけ——小さな子どもを育てる親なら誰もが悩むテーマを、『子どもへのまなざし』の著者が「子育てのおおもとの考え方」から説き、子育てサロン主宰の若松亜紀さんが毎日の育児ですぐ使えるノウハウを添える構成です。頭ではわかっているけどできないという場面に向き、育児マンガも入っているので、忙しい時期にもさっと読めます。
こんな人におすすめ
叱ってばかりでイライラする人、育児書どおりにいかず悩む人、子どもがちゃんと育っているか不安な人、疲れて短い時間しか読めない人に向いています。
良い点
- 考え方と具体策の両方が得られる
- マンガ入りで読みやすい
- 叱る・ほめる場面で引きやすい
気になる点
- 共著のため視点が切り替わる
- 網羅的な育児事典ではない
- 読後は実践の記録が必要
出版社
PHP研究所
発売日
2013年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ほめる、叱る、しつけ、ってこの3つがセットで悩みどころですよね。しかも正解がわからない。
佐藤メバル
そこで、考え方と具体策を分けて渡してくれる本です。『子どもへのまなざし』の著者が子育てのおおもとの考え方を説き、子育てサロンを主宰してきた若松亜紀さんが、毎日の育児ですぐ使えるノウハウを紹介する。役割分担がはっきりしているんです。
橘ナナミ
頭ではわかってるのにできない、ってよく聞きます。そこを埋めるのが、後半の具体的なノウハウなんですね。
佐藤メバル
だから具体的なノウハウと育児マンガが入っている。忙しい時期にもさっと読めるのがいいところです。
まず考え方で腹を決めて、次に具体的な声のかけ方を拾う、という順番で使ってみてください。
「甘え」と「愛着」——佐々木正美の思想の核心
橘ナナミ
本を読んでいると「甘え」「依存」「愛着」という言葉が何度も出てきます。これって同じことを言っているんですか?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。中心にあるのは「基本的信頼感」——この人に身をゆだねても大丈夫、という感覚だよ。赤ちゃんが泣いて、抱かれて、満たされる。その繰り返しで「世界は信じられる」という土台ができる。この土台を『子どもへのまなざし』では母子の関係から説き、『はじまりは愛着から』では「自立に必要な依存と反抗」という言い方で説明している。『子どもの成長に飛び級はない』でも、健全な成長にはベーシックトラストが必要だと繰り返しているね。
橘ナナミ
甘えさせることと、過保護って違うんですか?
佐藤メバル
そこを正面から論じたのが『過保護のススメ』。子どもに絡んだ事件で「過保護」というレッテルが飛ぶけれど、それは「過干渉」だと。親が見たいものを押しつけるのが過干渉、子どもが必要としているものを与えるのが過保護。親に十分保護された子は、成長しながら自然に自立していく——この立場はどの本でも一貫している。土居健郎の「甘え」の議論と並べて読まれることも多いテーマで、東大で精神医学を学んだ佐々木さんの言葉には、その系譜を感じる読者も多い。
時代遅れと言われる理由と、今読む意味
橘ナナミ
一方で、「3歳まではお母さんが」というメッセージに時代錯誤を感じる、共働きには合わないという声もあります。
佐藤メバル
その違和感は持ったままでいいと思う。ただ『かわいがり子育て』の副題は「3歳までは思いっきり甘えさせなさい」で、これは「母が家にいるべき」という話ではなく、この時期に甘えを受け止めてもらった体験がどれだけ効くかという話なんだ。『子どもが喜ぶことだけすればいい』には「いくら抱いても、いくら甘やかしてもいい」とある。「誰が」ではなく「どう関わるか」に重心を置いて読み替えると、共働きでも、保育者でも十分使える。『この子はこの子のままでいいと思える本』では「父親の役割ってなんですか?」という問いにも答えていて、役割を性別で固定していない。
橘ナナミ
読む側がアップデートする余地があるんですね。
他の育児書との違いと、手に入れ方
橘ナナミ
明橋大二や汐見稔幸の名前と並べて比較されることもありますよね。
佐藤メバル
並べて語られることは多いけれど、佐々木さんの立ち位置ははっきりしている。自閉症療育の研究と臨床という裏づけから、一貫して「愛着」を語ること。だから助言が感覚論で終わらず、年齢ごとの発達課題に紐づく。この違いは『子どもの心が見えてくる』のようなエリクソンの解説を読むとよく分かるよ。
橘ナナミ
電子書籍や中古でも大丈夫ですか?
佐藤メバル
内容は同じだよ。文庫や新書は通勤やスキマ時間向き、単行本は手元に置いて線を引きたくなる。『佐々木正美先生の子育てお悩み相談室』や『佐々木正美の子育て百科2』のような一問一答型は、辞書みたいに必要なときに引く使い方ができる。『佐々木正美の子育てトーク』のように講演をまとめた本もあるから、活字が重いと感じる日はそういう入口を選ぶのも手だね。
よくある質問
佐々木正美の本はどれから読めばいいですか?
橘ナナミ
佐々木正美の本はどれから読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
最初の一冊なら『子育てのきほん 新装版』が入りやすいです。短いメッセージ形式で、オールカラーと漫画も入っているので、育児書を読み慣れていない人でも止まらずに読めます。物足りなくなったら『はじまりは愛着から』で発達段階をなぞり、最後に『子どもへのまなざし』で土台を据える順番が無理なく続きます。
『子どもへのまなざし』は3冊すべて読む必要がありますか?
橘ナナミ
『子どもへのまなざし』は3冊すべて読む必要がありますかについて教えてください。
佐藤メバル
最初から全部そろえる必要はありません。まずは一冊目を読んで、乳幼児期の育児をどう捉えるかの土台をつくるのが先です。続編は、子育ての時期が進んで新しく悩みが出てきたときに足すほうが、内容が頭に入りやすくなります。
佐々木正美の本は時代遅れ・時代錯誤と言われますが今読む意味はありますか?
橘ナナミ
佐々木正美の本は時代遅れ・時代錯誤と言われますが今読む意味はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
「3歳までは」という言い方に違和感を持つ人は少なくありません。ただ、伝えているのは「母親が家にいるべき」という話ではなく、甘えを受け止めてもらった体験がその後の信頼感をつくるという話です。誰が担うかではなくどう関わるかに置き換えて読めば、共働きでも保育の場でも十分に使えます。
一番読みやすくて忙しい人向けの本はどれですか?
橘ナナミ
一番読みやすくて忙しい人向けの本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
『3歳までの子育てに大切なたった5つのこと』は5つのメッセージに絞った一冊で、寝る前に数分だけ開く読み方ができます。テーマ別に短い言葉を拾いたいなら『子どもが喜ぶことだけすればいい』、1ページずつ味わいたいなら文庫の『育てたように子は育つ』が向いています。
発達障害や障害のある子どもの子育てに役立つ本はありますか?
橘ナナミ
発達障害や障害のある子どもの子育てに役立つ本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
この領域は著者の本領です。『佐々木正美の子育て百科2 入園・入学後、子どもの心はどう成長するか』は、ADHD、アスペルガー症候群、自閉症、言葉の遅れ、身体の障害などをめぐる親と保育者からの質問に一問一答で答えています。『新装版「育てにくい子」と感じたときに読む本』は、そう感じてしまう自分を責めている人に向いた一冊です。
明橋大二など他の著者の育児書との違いは何ですか?
橘ナナミ
明橋大二など他の著者の育児書との違いは何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
同じ棚に並べて語られることは多いのですが、佐々木さんの特徴は、自閉症療育の研究と臨床という裏づけから一貫して「愛着」を語る点にあります。助言が感覚論で終わらず、年齢ごとの発達課題に紐づいているのが違いです。
文庫版と単行本、中古や電子書籍でも内容は同じですか?
橘ナナミ
文庫版と単行本、中古や電子書籍でも内容は同じですかについて教えてください。
佐藤メバル
内容は同じです。文庫や新書は通勤やスキマ時間に向き、単行本は手元に置いて線を引きながら読みたい人に向きます。『育てたように子は育つ』は文庫で、『子どもの心はどう育つのか』は新書。手に取りやすい形を選ぶのがいちばんです。
佐々木正美の本を読むとどんな効果や変化が期待できますか?
橘ナナミ
佐々木正美の本を読むとどんな効果や変化が期待できますかについて教えてください。
佐藤メバル
読んですぐ悩みが消えるというより、子どもを見る目のほうが少しずつ変わっていきます。「この子はこの子のままでいい」と思えたとき、子どもはいきいきと輝き出す——著者が繰り返したこの一節を、自分の言葉として実感できるようになるのがいちばん大きな変化だと思います。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いていて、佐々木さんの本って、答えをくれる本というより、隣に座ってくれる本みたいに感じました。
佐藤メバル
近いね。実際、相談に来た人に「こうしなさい」と先に言う人ではなかった。まず話を聞いて、その人がもう十分やっていることを確かめてから、少しだけ違う見方を渡す。本も同じ順番で書かれている。
橘ナナミ
じゃあ、読んですぐ何かが変わるわけではないんですね。
佐藤メバル
うん。でも変わるのは子どものほうじゃなくて、こちらを見る親の目のほうかもしれない。同じ子が、昨日より少しだけ愛おしく見える。それだけで次の一日の力になる。
橘ナナミ
いいな、それ。
佐藤メバル
書店員だったころ、児童書コーナーの隅に小さなベンチを置いていたんだ。売るためじゃなくて、子どもが絵本を抱えたまま座れるようにね。佐々木さんの本は、あのベンチに似ている。読めば正解が出るわけじゃないけれど、疲れた親がちょっと腰を下ろして、わが子の背中を眺め直すための場所をくれる。どの一冊からでもいい、まず座ってみてほしい。
