子育てをハッピーにする本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「ハッピー 子育て 本」なんですね。書店に並ぶ育児書はタイトルに「ハッピー」がつくものが多くて……正直、どれも同じに見えてしまいます。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。タイトルに「ハッピー」とつく本は、大きく2種類ある。ひとつは悩みを解決する実用書、もうひとつは読む人の心を軽くする本。たとえば『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方』は前者で、「できた1割をほめていけば、子どもはぐんぐん元気になります」と、明日から使える行動が書かれている。
橘ナナミ
なるほど、行動が変わる本ですね。じゃあ、心が軽くなる本は?
佐藤メバル
『ママも子どももハッピーになる! がんばらない子育て』がその代表だね。2万組の親子を見てきた臨床心理士の方が「子育てはカンペキじゃなくてもいいんです」と書いている。読んで救われるタイプの一冊だよ。まずこの2軸を持つと、選書で迷いにくくなる。
橘ナナミ
それ、すごくわかりやすいです。でも「うちの子はもう3歳だから0歳向けは要らない」みたいに、年齢で絞ることも大事ですよね。
佐藤メバル
そう、そこも大事。じゃあ、選び方の軸を順番に見ていこうか。
子育てをハッピーにする本の選び方
目的で選ぶ ― 「行動が変わる本」か「心が軽くなる本」か
橘ナナミ
さっきの2軸、もう少し教えてください。
佐藤メバル
行動が変わる本の代表は『どならない子育て』。怒鳴らないための伝え方やほめ方を、練習しながら身につける構成になっている。心が軽くなる本なら『この子はこの子のままでいいと思える本』。児童精神科医の佐々木正美先生が、こんな一節を残している。
「いい子だから、かわいがるのではありません。かわいがられるから、いい子になるのです」
お母さんたちの悩み相談に答える形で進んでいく本で、役割がまったく違うんだ。
子どもの年齢で選ぶ
橘ナナミ
0〜1歳、1〜3歳、3〜6歳、小学生で、選ぶ本は変わりますか?
佐藤メバル
変わるよ。0歳台なら『0歳からのハッピー子育て』。3歳までに大人がしてあげられることを、五感をはぐくむ遊びや発達脳科学の視点から紹介している。1歳半からの「イヤイヤ」で悩むなら『子どもの気持ちがわかる本』で、1歳半から2歳の反抗、2歳半の「1人でやる!」、3歳の「したくない!」と年齢ごとに章が分かれている。小学生以降は『10年後、どんな親子関係でいたいですか?』のように、長い目で関係を考える本が効いてくる。
著者の立場とエビデンス度で選ぶ
橘ナナミ
著者が小児科医だったり保育士だったりしますよね。そこも見るべきですか?
佐藤メバル
見てほしい。臨床心理士の『ママも子どももハッピーになる! がんばらない子育て』、児童精神科医の佐々木正美先生の本、小学校教師を20年以上やってきた親野智可等の『子育て365日』。現場がそれぞれ違う。研究ベースか体験談ベースかも分けて見よう。『1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て』は、2〜7歳で効果が多くの科学論文で示されている心理療法を家庭向けにかみ砕いた本で、エビデンス度が高い。
形式で選ぶ ― マンガ・図解・文章
橘ナナミ
正直、育児中は長い文章を読む余裕がない日もあります……。
佐藤メバル
それなら形式で選ぶのが現実的だよ。『子育ての悩みが一瞬でなくなる本』はマンガで読めて、すぐ使える形になっている。『世界の子育てくらべてみたら、心がふわっとラクになった』は、50の国や地域の子育てを取材したコミックエッセイ。『子どもの気持ちがわかる本』はイラスト中心。文章を読みたい日は、短い言葉が並ぶ『子育て365日』を1ページ開く。その日の余力で選んでいいんだ。
自分の状況で選ぶ ― ワンオペ・共働き・きょうだい・繊細・発達が気になる
橘ナナミ
ここは競合の記事があまり触れていないところですよね。
佐藤メバル
そう思う。きょうだいの赤ちゃん返りなら『家族みんなが笑顔になれる! おだやかママの幸せ子育て法』に「赤ちゃん返りの正体」の章がある。ひとりで抱えているなら『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』。落ち着かない、乱暴で困る、発達が気になる場合は、PCITの本や『お母さんには言えない 子どもの「本当は欲しい」がわかる本』が手がかりになるよ。
子育てをハッピーにする本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
子育てをハッピーにする本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方
明橋大二 著|1万年堂出版
¥1,026(税込)
毎日ガミガミ叱ってしまうと悩む前に、「ほめ方を学ぶほうが先」と説く一冊です。著者の明橋大二さんは、できた1割をほめるだけで子どもがぐんぐん元気になるといい、叱り方より先にほめ方を置く順番が最大の特徴。自己肯定感を育む8つの方法、スキンシップや絵本の読み聞かせ、「『ありがとう』は最高のほめ言葉」「叱るときは子どもを止めて、目を見て、短い言葉で」など、読んだその場から使える言葉が並びます。叱ることの落とし穴を整理し、読者の質問に答えるQ&Aまで備えた、今日から使える手引きです。
こんな人におすすめ
毎日つい声を荒らげてしまい自己嫌悪になる人、叱り方だけを学ぼうとして空回りしている人、Q&A形式で具体的な場面への答えがほしい人に。未就学児の親が最初に手に取る入門書として、また祖父母が贈り物として選ぶのにも向いています。
良い点
- ほめる→叱るの順で腑に落ちる
- Q&Aで具体的な悩みに答える
- 1冊200ページで読み切りやすい
気になる点
- 図解中心で理論の深掘りは少なめ
- 幼児期中心で思春期の記述は薄い
- 言い回しがやや古く感じる箇所も
出版社
1万年堂出版
発売日
2010年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ハッピー子育て」で最初に名前が挙がる定番ですよね。タイトルに「叱り方」ではなく「ほめ方」が先に来ているのが気になります。
佐藤メバル
そこがこの本の肝なんです。明橋さんは、叱り方を学ぶ前にほめ方を学ぶべきだと言います。ほめ方が上手になれば、叱ること自体が減っていくからです。
「できた1割をほめていけば、子どもはぐんぐん元気になります」という一文が象徴的で、自己肯定感を土台に据えた8つの育み方が並びます。
橘ナナミ
なるほど。叱る技術より前に、関係そのものを作る話なんですね。「ありがとう」が最高のほめ言葉というのも意外でした。
佐藤メバル
そう、感謝の言葉は条件つきのほめ方とは別物なんです。叱り方の章でも、人格ではなく行為を叱る、ちゃんと理由を伝える、「〜してはダメ」より「〜してね」と具体的。
書店員時代、この本は育児書棚で何度も補充した定番でしたよ。

子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て
イザベル・フィリオザ 著|かんき出版
¥1,650(税込)
フランスで25万部を突破し、16カ国以上で翻訳された育児書です。最大の特徴は年齢ごとの章立て。1歳から1歳半の「ダメ」の時期、イヤイヤ期、秩序の敏感期、想像の世界が生まれる時期と、発達段階を追いながら、行動の裏にある動機を最新の神経生物学や生理学の知見から読み解きます。泣く、駄々をこねる、片づけない、公園から離れない——といった場面ごとに、子どもの言い分と対応法をイラストで示す構成。叱る前に「今この子の中で何が起きているか」を知りたい人に向きます。
こんな人におすすめ
0〜5歳の子の「なぜそんなことをするのか」が分からず戸惑っている親、発達段階に沿って繰り返し読み返したい人、プレママ・プレパパ。イラストで場面を探せるので、育児の合間に該当ページを開く使い方にも向いています。
良い点
- 年齢別の章立てで引きやすい
- かわいいイラストで場面が掴める
- 行動の裏の動機まで掘り下げる
気になる点
- 日本の保育習慣とは差がある
- 対応法が簡潔で物足りない人も
- 自分で章を選ぶ手間はかかる
出版社
かんき出版
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、フランスの育児書なんですね。16カ国で読まれているって聞くと、日本の常識と違うところもありそうで気になります。
佐藤メバル
いいところに注目しましたね。面白いのは、月齢ではなく「発達の節目」で章が分かれている点です。1歳半のイヤイヤ期、2歳の秩序の時期、2歳半の「わたし、ぼく」と、その時期に子どもが何を学んでいるかを先に説明してから対応を書いています。
橘ナナミ
先に理由を教えてくれる順番が親切ですね。公園から帰ろうとしない、とかも載っているんですか?
佐藤メバル
載っていますよ。子どもは頭の中で世界を整理している最中だから、順序や場所が崩れると抵抗する。だからこそ親が子どもの言い分を先に想像してから声をかける。
神経生物学の裏付けがあるぶん、ただのノウハウで終わらないのが強みです。

幸せな子育て ~ハッピーペアレンティング~: 良好な親子関係の中で、子どもが自分の人生に納得し、親子共に豊かな一生を送る為の道しるべ
高橋正彦 著
英会話スクールを主宰し、英語講師や英語で教えるサッカーコーチとして活動しながら2人の子をバイリンガルに育てた著者が、30年以上のリサーチと多くの親子から学んだことを1冊にまとめた大著です。自分軸で生きることから始まり、目標達成のプロセス、ビジョンの描き方、親子関係の構築、困難への向き合い方へと章が進みます。認知能力と非認知能力、親のエゴだと気付いた日の話、条件付きの愛情で育てない、子どもの足りないものを数えるな——と項目が具体的な言葉で並びます。
こんな人におすすめ
「子どもにどう育ってほしいか」より先に、自分の生き方を見つめ直したい親。思春期までを見通したい人や、習い事や英語教育の方針を夫婦で話し合う前に手元へ置きたい場面に向いています。
良い点
- 自分軸という視点が一貫している
- 章立てが細かく辞書的に引ける
- 英語教育や習い事の具体例が豊富
気になる点
- 項目が多く通読は重い
- 著者の体験談が中心の構成
- データの提示は控えめ
出版社
詳細情報なし
発売日
2023年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
目次がすごい量ですね……。「40歳になった我が子を想像してみる」という項目が目に止まりました。
佐藤メバル
そこは著者の高橋さんらしい視点です。目先のしつけではなく、長い時間軸で親子関係を捉え直す。自分軸で生きると人生に納得できる、という主張が全編を貫いています。
橘ナナミ
自分軸、ですか。子育ての本なのに、親自身の話から始まるのが意外でした。
佐藤メバル
子育てを外側のノウハウで埋める前に、親が自分の人生に納得しているかどうか。理想の子育てを他人軸で描いていないか、という問いなんです。
項目数が多いので、気になった見出しから拾い読みするのが現実的ですよ。

ママも子どももハッピーになる! がんばらない子育て
高見知日子 著|すばる舎
2万組の親子を見てきた臨床心理士が、がんばりすぎるお母さんのために書いた一冊です。カンペキじゃなくてもいいというメッセージを軸に、ぐずり、かんしゃく、夜泣き、イヤイヤ期といった日常の困りごとに寄り添います。「がんばらないことをがんばる」という言い回しが象徴的で、育児に疲れたときの前提そのものをゆるめてくれる構成。対処テクニックを積み上げていくタイプの育児書とは逆方向から、親の負担を軽くしていきます。
こんな人におすすめ
「もっとちゃんとしなきゃ」と自分を追い込みがちな人、育児に疲れて心がすり減っている人。がんばりの基準を見直したい場面や、寝かしつけのあとに数ページだけ読むような使い方に向いています。
良い点
- 疲れた心をまず受け止めてくれる
- 相談現場の知見が背景にある
- 短時間で読み進めやすい構成
気になる点
- 具体的な対処法は少なめ
- 元気なときは物足りなく感じる
- 体系的な育児論ではない
出版社
すばる舎
発売日
2017年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルがもう優しい。「がんばらない子育て」って、手を抜こうという話ではないんですよね?
佐藤メバル
ええ、「がんばらないことをがんばる」、つまりちょうどいい加減を探す話です。著者は臨床の現場で2万組の親子を見てきた方で、お母さんが自分を責める構図そのものを手放すところから始めています。
橘ナナミ
2万組ってすごい数ですね。ぐずりや夜泣きの話も入っているんですか?
佐藤メバル
入っていますよ。ただし解決策を押しつけるのではなく、子育てはカンペキじゃなくていいと伝える構成です。
テクニックを増やす本に疲れたときに読むと、順番が違ったんだなと感じられるはずです。

ごきげんママのハッピー子育て術
川越くみ 著|マキノ出版
¥2,561(税込)
いつも機嫌がいいママが実践している「3つの子育て習慣」を、事例満載で紹介する子育てコーチングの一冊です。柱は「手放す・見守る・見極める」。子ども・自分自身・夫や親戚・ママ友と、子育てを取り巻く相手ごとに、何を手放し、どう見守り、どこで見極めるのかを整理します。不安から生まれる思い込みを手放す方法として、手軽に楽しく書ける「ハピネスマイルノート」を実例つきで提案している点が、他のコーチング本との違いです。
こんな人におすすめ
イライラが募り、子どものことが分からなくなってきた人、夫やママ友との距離感に疲れている人。書いて整理する習慣を取り入れたい人が、ノートとセットで使うのに向いています。
良い点
- 3つの習慣で軸がぶれない
- ママ友・夫など相手別に整理
- ノート術まで踏み込んでいる
気になる点
- 事例が多く抽象化は控えめ
- ノートを書く前提の構成
- 分量のわりに価格は高めの部類
出版社
マキノ出版
発売日
2021年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ごきげんママ」って、いつも笑っているお母さんを目指す話ですか? それはそれでハードルが高そう……。
佐藤メバル
いい引っかかり方です。川越さんが挙げるのは「手放す・見守る・見極める」の3つで、笑顔を演じる話ではありません。
たとえば親としてのアドバイスが伝わらないとき、何を手放すのか。子どものどこを見守るのか。段階を分けて考えるんです。
橘ナナミ
手放す、から始まるのがいいですね。全部を自分で抱えなくていいんだ、と思えました。
佐藤メバル
そこです。さらに、思い込みを手放す道具として「ハピネスマイルノート」の書き方を実例つきで紹介しています。
書いて気づくタイプの人には、読むだけよりずっと効くと思いますよ。

子育てコーチング ハッピーなお母さんになる小さな魔法
内山歩美 著|合同会社Hestia
「子育てって、孤独でしんどい」という実感から始まった一冊です。子育て中のシングルマザーと現役小学校教師の間で始まった子育てコーチングの軌跡を、著者自身の道のりとして描きます。扱うのはゴール設定、心の余裕の持ち方、親の心のパターンの影、コミュニケーションの改善、学校や他の保護者との関係、子どもの主体性とは何か。技法の解説よりも関係づくりに重きが置かれ、うまくいかない日々をそのまま出発点にしている点が、完成された育児論とは違う読後感を生みます。
こんな人におすすめ
悩みをひとりで抱えてしまいがちな人、学校や他の保護者との距離感に迷う人。シングルで子育て中の人や、コーチングに興味を持ち始めた人が、肩の力を抜いて読むのに向いています。
良い点
- 孤独感に寄り添う出発点
- 小学校教師の視点も入る構成
- 短く読みやすい分量
気になる点
- 実践の手順は簡潔
- 著者の体験談寄りの内容
- 全体の体系化はされていない
出版社
合同会社Hestia
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
著者さんご自身の体験がベースなんですね。シングルマザーと小学校の先生の間で始まった、とあります。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の性格を決めています。成功事例を並べるのではなく、孤独でしんどいと感じたところから、コーチングに出会って何が変わったかという軌跡なんです。
橘ナナミ
子育てのゴール設定、って聞き慣れない言葉です。何かを達成する話ですか?
佐藤メバル
どちらかというと、どんな親子関係でいたいかを先に置く話です。親の心のパターンの影に気づく、学校との関係を整える、子どもの主体性って何だろうと問い直す。
手順書ではないぶん、読者が自分の言葉に置き換えやすいんです。

家族みんなが笑顔になれる! おだやかママの幸せ子育て法
LICO 著|主婦の友社
4歳・2歳・0歳の子を持つ3児の母で、人気育児ブログを書いてきた著者が、ママも子どももおだやかになれる方法をやさしい語り口で語る一冊です。柱は「叱る」と「怒る」の違いの整理。頭は絶対叩かないと決めている理由、仲直りの方法とそれが子どもにとって大切な理由、叱るポイントを明確にする効果、イヤイヤ期を軽く終わらせる考え方、赤ちゃん返りの正体など、ブログで支持された言葉がけが並びます。読むだけで気持ちがラクになる、体験に根ざした内容です。
こんな人におすすめ
子どもを叱ったあとに自己嫌悪が残る人、上の子の赤ちゃん返りに悩む人。2人目以降を育てている家庭や、ブログで読んでいた人が内容をまとめて手元に置きたい場面に向いています。
良い点
- 叱ると怒るの違いが明確
- 赤ちゃん返りの記述が具体的
- 語り口がやわらかく読みやすい
気になる点
- 体系的な理論書ではない
- ブログ既読者には重複もある
- 事例は3児の家庭が中心
出版社
主婦の友社
発売日
2015年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「叱る」と「怒る」って、同じことのように使っていました。違いがあるんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の中心です。怒るのは親の感情の発散、叱るのは子どもの行動を伝えること。だから叱るポイントを先に決めておくと、無駄に怒らずに済む。
著者は頭は絶対叩かないと決めている理由も含めて、その線引きを丁寧に説明しています。
橘ナナミ
赤ちゃん返りの話も載っているんですね。「2人目の赤ちゃんはママの愛人」という表現が衝撃です。
佐藤メバル
そこ、うまい表現ですよね。上の子が何を奪われたと感じているのかを、子どもの側から見立て直す。ブログで共感を集めた語り口そのままなので、理論武装ではなく気持ちを整えたいときに効きます。

「私、子育て向いてないかも」がラクになる本
Joe 著|日本実業出版社
¥1,540(税込)
「今日も子どもと向き合えなかった」という罪悪感を抱えるお母さんに向けた一冊です。読み聞かせや長い時間の関わりを理想として掲げるのではなく、たった3秒のコミュニケーションで子どもの心は満たせる、という前提に立ちます。家事に追われて思うように時間が取れない日でも、ちょっとした行動を変えるだけで「心が豊かな子」が育つ、という組み立て。育児書を読むこと自体が負担になっている人ほど、開きやすい作りになっています。
こんな人におすすめ
共働きで時間が足りない人、理想と現実の差に罪悪感を覚える人。寝かしつけのあとの数分や、まとまった時間がどうしても取れない時期に、細切れで読むのに向いています。
良い点
- 罪悪感に直接答えてくれる
- 短い関わりから始められる
- 区切りが細かく読み進めやすい
気になる点
- 深い理論の説明は少ない
- 物足りなさを感じる人もいる
- 事例の分量は多くない
出版社
日本実業出版社
発売日
2021年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「向いてないかも」ってタイトル、正直ドキッとします。読むのがつらくなりそうで……。
佐藤メバル
でも開くと逆なんです。この本は、読み聞かせも一緒に遊ぶ時間も十分に取れないという現実を否定しません。
そのうえで、3秒のやりとりで子どもの心は満たせるという考え方を示します。
橘ナナミ
3秒って、そんなに短くていいんですか?
佐藤メバル
長さより、子どもを見て応えることが大事だという整理ですね。行動をちょっと変えるだけで心が豊かな子が育つ、というのが著者の主張です。
育児書を読む余裕すらない人が読む本なので、肩肘を張らずに開けますよ。

「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方
前野隆司 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
幸福学の研究者である著者が、科学的な根拠から子育てを組み立てた一冊です。核になるのは「幸せの4つの因子」——やってみよう・ありがとう・なんとかなる・ありのままに。この4つを高める子育ての行動原則を軸に、学校に行きたがらない、ゲームばかり見ている、勉強をやらない、保護者同士のトラブルに発展、他人の目が気になる、といった具体的な悩みにQ&Aで答えていきます。幸福度がわかるチェックテストとワークまで付いており、読みっぱなしで終わらない構成が特徴です。
こんな人におすすめ
声かけの引き出しを増やしたい人、子育てを感覚ではなく枠組みで考えたい人。夫婦で同じ土台を持ちたい場面や、悩みをひとつずつ確認しながら読み進めたいときに。
良い点
- 4つの因子で整理できる
- Q&Aで悩み別に引ける
- チェックテストとワークつき
気になる点
- 学術的な説明はやや硬い
- 個別の具体策は簡潔
- 図表が多く好みが分かれる
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2018年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
幸福学って、研究の対象になるんですね。それを子育てに当てはめるとどうなるんでしょう?
佐藤メバル
前野さんは、長続きする幸せには4つの因子が効くと示します。「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」。
これを子育ての行動原則に置き換えていくんです。
橘ナナミ
「なんとかなる」は、親のほうにも必要そうですね。イライラしているときは真逆になりがちなので。
佐藤メバル
まさにそこなんです。親が子育てに幸せを感じて前向きになると、子どもも感化される。幸せの4つの因子を先に親が体現するという順番が、この本の独自性です。
悩み別のQ&Aと幸福度チェックも付いていますよ。

Happy子育て―イライラお母さんが突然、子育て上手になりました―
長野眞弓 著|アチーブメント出版
¥1,493(税込)
子育てのイライラやがっかりに振り回されないための、身につけられる「技術」を紹介する一冊です。たとえば自分の願望を30個書いてみる、それだけで自分のことが好きになり尊敬できるようになる。急ぎで重要なことより、急ぎじゃないけれど重要なことを優先すれば、時間とお金の優先順位が定まり家族と過ごす時間を大切にできる。子どもの前でできるだけしゃべらないと自分で考え判断する子に育つ。夫婦で尊重し合えば信頼関係が深まる。具体例の形で示されます。
こんな人におすすめ
感情の波に振り回されやすい人、家族と過ごす時間の使い方を見直したい人。習慣として続けたい人が、手順として書き留めながら読むのに向いています。
良い点
- 具体例がすぐ実践できる形
- 夫婦関係まで射程に入る
- 180ページで簡潔にまとまる
気になる点
- 技術論のため温度は低め
- 理論的な裏付けは少ない
- 合う合わないが分かれそう
出版社
アチーブメント出版
発売日
2020年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育ての技術」って言い切るのが珍しいですね。気持ちの問題じゃなくて、技術なんですか?
佐藤メバル
長野さんは、イライラに振り回されないための技として捉えています。自分の願望を30個書く。それだけで自分を好きになれる、というのが技術の一例です。
急ぎじゃないけれど重要なことを先に置く、という時間の使い方も同じですね。
橘ナナミ
なるほど。子どもの前でしゃべりすぎない、というのも技術なんですね。つい先回りして言ってしまいます。
佐藤メバル
親が黙ることで、子どもが自分で考えて判断する余地が生まれるわけです。夫婦で尊重し合えば、子どもの信頼にもつながる。
淡々としていますが、毎日の暮らしで効いてくるのはこういう類の工夫なんですよ。

今日から怒らないママになれる本! 子育てがハッピーになる魔法のコーチング
川井道子 著|学陽書房
ダダ、わがまま、ぐずり、やる気のなさ——とにかく何とかしたいという場面に対して、子育てコーチングで応える一冊です。著者は、怒ることよりずっと効き目のある関わり方があるとし、今日から怒らないを目標に置きます。コーチングというと大きな目標設定のイメージがありますが、ここで扱うのは日々の困りごとへの具体的な受け答え。感情を抑える根性論ではなく、言い方を変える技術として提示している点が、類書との違いです。
こんな人におすすめ
つい怒鳴ってしまう回数が増えてきた人、叱り方を学び直したい人。毎日同じ場面でぶつかっている人が、その一場面を決めて試すのに向いています。
良い点
- 場面別で真似しやすい
- 怒らないを技術として扱う
- コーチング入門として読みやすい
気になる点
- 理論より実践に寄っている
- 会話例の分量は多くない
- 他書と重なる内容もある
出版社
学陽書房
発売日
2011年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「怒らないママになれる」って、根性で我慢する話だったら続かないなと思ってしまうんですが。
佐藤メバル
そこは安心してください。川井さんは、怒るより効き目のある方法があるという前提で書いています。ダダやぐずりといった具体的な場面に対して、言葉の掛け方を変えていく。
子育てコーチングを日常の困りごとに落とし込んだ内容です。
橘ナナミ
我慢するのではなく、言い方を変えるということなんですね。
佐藤メバル
そういうことです。感情を抑え込むと必ず反動が来ますから、技術として置き換えるほうが現実的。まずは毎日ぶつかる一場面だけ試してみる、という読み方が向いていますよ。

0歳からのハッピー子育て ~ママの笑顔がグローバルキッズを育てる~
岩沢ゲイティー 著|アルク
0〜3歳の時期にママとパパがしてあげられることを、3つの柱でまとめた一冊です。第一に、赤ちゃんにまず与えるのは安心感。ママやパパの役割、自分自身を振り返るヒント、子どもとの接し方を紹介します。第二に、五感や手先の動き、好奇心、想像力を伸ばす20の遊びをイラストつきで掲載し、英語の語りかけフレーズも添えています。第三に、発達脳科学の視点から、おなかにいるときからできることや好奇心のスイッチの押し方を解説。97ページと薄く、手に取りやすい構成です。
こんな人におすすめ
0歳児を育て始めたばかりの人、赤ちゃんとの過ごし方に迷う人。語りかけや遊びの引き出しを増やしたい人が、成長に合わせて遊びを選ぶのに向いています。
良い点
- 遊び20種がイラストつき
- 97ページで負担が少ない
- 脳の発達の視点も入る
気になる点
- 英語の語りかけは好みが分かれる
- 3歳以降は対象外
- 内容はコンパクトにまとまる
出版社
アルク
発売日
2011年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
0歳から、とありますが、まだ何も分からない時期に何かできるんでしょうか?
佐藤メバル
この本の答えは、まず安心感だと言います。3歳までに親がしてあげられる大切なことがある、というのが出発点。
世界を感じ取る力、自分で考える力、気持ちを伝える力の3つを育てる、という整理です。
橘ナナミ
五感を使う遊びが20種類載っているんですね。イラストつきなのは助かります。
佐藤メバル
しかも97ページですから、育児の合間にめくれます。遊びに英語の語りかけを添える構成も特徴で、発達脳科学の視点からおなかにいるときの話まで拾っている。薄さのわりに視点が多い本ですよ。

子育ての問題をPBSで解決しよう! ―ポジティブな行動支援で親も子どももハッピーライフ
ミミハイネマン 著|金剛出版
¥3,080(税込)
PBS=ポジティブな行動支援を家庭に取り入れるための一冊です。PBSは、子どもの行動を理解し、それを踏まえて望ましい行動を促したり、望ましくない行動を予防したり止めさせたりする方法を見つけるための問題解決のプロセス。もともとは障害のある方や問題行動が頻発する方のために作られ、そのエビデンスを基に、現在ではより幅広い場面で効果的に用いられています。叱って止めるのではなく、起こる前に手を打つという発想が軸です。
こんな人におすすめ
同じ注意を何度も繰り返している人、叱る以外の手立てを知りたい人、行動を観察して傾向を掴むのが苦にならない人。行動を記録して見立てるという考え方に関心がある人や、支援や療育の現場の視点に触れたい人に向きます。
良い点
- 予防という発想が得られる
- エビデンスに基づく枠組み
- 専門機関の知見が背景にある
気になる点
- 専門用語がやや多く硬い
- 価格帯は気軽ではない
- 実践には記録の手間が要る
出版社
金剛出版
発売日
2014年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
PBSって、聞いたことがない言葉です。ポジティブな行動支援……ですか?
佐藤メバル
そうです。子どもの行動をまず理解して、望ましい行動は促し、望ましくない行動は起こる前に防ぐ。そのための問題解決のプロセスを指します。
もともとは障害のある方や行動面で困難を抱える方のために作られた方法で、エビデンスをもとに今は幅広い場面で使われています。
橘ナナミ
叱って止めるのとは逆の発想ですね。何か記録したりもするんでしょうか?
佐藤メバル
行動を見立てるので、何が起きているかを観察する手間はかかります。そのぶん、思いつきで叱るより筋道が通る。
金剛出版らしく専門的ですが、日常生活に取り入れて親子関係を築いてほしい、というのが著者の願いとして書かれています。

子育てが驚くほどうまくいく! ポジティブマインドセット
寺裏誠司 著|幻冬舎
¥1,760(税込)
リクルートで教育関連事業に従事し、その後は学校経営改革のコンサルタントとして学校経営や教育に関わってきた著者による一冊です。主張は明快で、子どもの個性を伸ばし主体性を育むには、まず親自身の考え方の癖を見直す必要があるというもの。生まれ育った環境や先天的な特性、過去の経験で形づくられたマインドセットを肯定的なものに変えれば、子どもを尊重する余裕が生まれる。脳科学の観点から情動タイプにも触れ、接し方と言葉掛けの具体策まで示します。
こんな人におすすめ
頭では分かっているのに厳しい言葉で従わせてしまう人、自分の生い立ちを引きずっていると感じる人。親自身の自己肯定感を見直したい場面や、子どもを認める余裕を持ちたいときに。
良い点
- 親側の問題として捉える切り口
- 情動タイプ別の接し方がある
- 教育現場の知見が背景にある
気になる点
- ノウハウ集ではない点は好み次第
- 用語がやや専門的
- 212ページで読み応えがある
出版社
幻冬舎
発売日
2025年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「親が変われば子どもも変わる」って、よく聞く言葉です。この本はどこが違うんでしょう?
佐藤メバル
著者はそこを、親の自己肯定感というところまで掘ります。多くの親子を見るなかで、厳しい言葉で従わせてしまう背景に、親自身の考え方の癖があると気づいた。
その癖を肯定的なものに変えるのが先だ、という順番です。
橘ナナミ
生まれ育った環境の影響、というのは身につまされます。
佐藤メバル
さらに脳科学の観点から情動タイプにも触れていて、どう接すればよいか、どんな言葉を掛ければよいかを具体的に示します。
テクニックを足すのではなく、親の心の持ちようを整える本。時間をかけて読みたい一冊です。

この子はこの子のままでいいと思える本
佐々木正美 著|主婦の友社
¥1,870(税込)
児童精神科医の佐々木正美さんが、お母さんたちの悩み相談に答えながら、いちばん伝えたかったことを届ける一冊です。「いい子だから、かわいがるのではありません。かわいがられるから、いい子になるのです」という言葉が全編の芯。お母さんという役割の重さ、しつけの難しさ、親子バトルから抜け出すには、子どもを伸ばす親になるには、思春期になる前に——と、章を追って相談に答える形で進みます。人間関係が薄くなった時代に、孤独な親を減らしたいという願いが底に流れています。
こんな人におすすめ
「いい子に育てなければ」という力みが抜けない人、しつけの場面で迷う人。幼児期の関わり方を落ち着いて見直したい場面や、思春期を前に読み返すのにも向いています。
良い点
- 言葉そのものが支えになる
- 相談形式で読み進めやすい
- 子育ての芯を長い目で語る
気になる点
- 具体的な手順は示されない
- 優しい分だけ物足りない人も
- 224ページで項目は多め
出版社
主婦の友社
発売日
2020年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「かわいがられるから、いい子になる」——この一文に、はっとしました。順番が逆だったのかもしれません。
佐藤メバル
そこが佐々木先生の一貫したメッセージです。いい子だからかわいがるのではなく、かわいがられる経験が子どもの土台になる。
しつけに迷ったとき、まずこの順番に立ち返る。それだけで随分変わるんです。
橘ナナミ
児童精神科医の先生が、お母さんたちの相談に答える形なんですね。
佐藤メバル
そうです。お母さんが重い、親子バトルから抜け出したい、思春期になる前に、と章が悩みの形で並んでいます。
技術ではなく、目の前の子をまるごと受けとめるという視点が、読む人を支えてくれますよ。

世界の子育てくらべてみたら、心がふわっとラクになった
織田博子 著|WAVE出版
3人の子育て中のマンガ家が、離乳食、お風呂、寝かしつけ、トイレトレーニング、女性の仕事と子育てといった誰もが通るテーマを、50の国や地域の人にインタビューしたコミックエッセイです。沐浴のドタバタ、背中スイッチ、離乳食の細かなルール。正解がない子育てなのに「ねばならない」に縛られがちな心を、他国の当たり前と並べることでほぐしてくれます。笑って泣ける読み物としても成立している一冊です。
こんな人におすすめ
育児の「ねばならない」に息苦しさを感じている人、海外の暮らしや子育てに関心がある人。離乳食や寝かしつけで思い詰めているときに、視野を広げる本として手に取るのに向きます。
良い点
- 50の国と地域を比較できる
- マンガで読みやすい
- 育児の常識を相対化できる
気になる点
- 手順や方法論は示さない
- エッセイのため好みが分かれる
- 情報の深さは限られる
出版社
WAVE出版
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
離乳食の進め方とか、お風呂の順番とか、細かく決まっているのが当たり前だと思っていました。
佐藤メバル
それがこの本の出発点ですね。織田さんは、日本の育児に「ねばならない」が多すぎるのではと感じて、50の国や地域に取材しています。
離乳食、お風呂、お部屋と遊び、寝かしつけ、トイレトレーニングと、誰もが通るテーマで比較していくんです。
橘ナナミ
同じ悩みが日本だけのものかもしれない、と思うだけで少し楽になりますね。
佐藤メバル
そこです。正解がない子育てなのに、決まった手順に縛られると苦しくなる。コミックエッセイなので読みやすく、笑いもあります。
はりつめた気持ちをゆるめる用途で手に取ってほしい一冊です。

子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集
親野智可等 著|ダイヤモンド社
¥1,650(税込)
小学校教師を20年以上務め、現役時代から数えて40年以上親と向き合ってきた著者による言葉集です。不安のため、愛情ゆえにつらく当たってしまう——という構図を丁寧にほどき、癒される言葉、気づきをもらえる言葉から、子育ての役に立つ言葉までを並べます。384ページと厚いものの、1ページずつ区切って読める構成。「しつけよう、直そう」より、一人の人間同士として楽しく付き合おう、という姿勢が全体を貫いています。
こんな人におすすめ
毎日少しずつ読んで気持ちを整えたい人、子どもに強く言いすぎたと落ち込む人。寝る前の数分や通勤の合間に1ページずつ開く使い方に向き、座右に置いておきたい一冊です。
良い点
- 1ページ単位で読みやすい
- 著者の現場経験が厚い
- 厳しい言葉も正直に載る
気になる点
- 体系立てた解説ではない
- 384ページは持ち歩きにくい
- 言葉集のため好みが分かれる
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
言葉集、という形なんですね。384ページもあるのに、読み切れるんでしょうか?
佐藤メバル
1ページずつ独立しているので、通読する必要はありません。朝の数分、寝る前の数分でいい。著者は元小学校教師で、40年以上親と向き合ってきた人です。
橘ナナミ
あとがきの「もっと早く知りたかった」と後悔する親の話が刺さります。
佐藤メバル
そこなんですよ。ドキッとする言葉、厳しいと感じる言葉も、あえて入れている。愛情が不安によって裏目に出るのを、これ以上繰り返さないために。
親子の時間を味わってほしい、という願いが一冊になっています。

10年後、どんな親子関係でいたいですか?子どもを育てる7つの原則
石田勝紀 著|大和書房
¥1,760(税込)
「子育てに正解はなく、その子に合ったアプローチがあるだけ」という立場から書かれた一冊です。行動面では反発してくる、勉強しない、ゲームばかり。性格面では友達と遊ばない、頑固で疲れる、すぐ怒る——と心配はばらばらで、子どもも親も多様だから万人に当てはまるノウハウは存在しない。ただし子どもを育てる原則はある。その原則さえ押さえれば、わが子に合ったアプローチを親が自分で編み出せる、というのが主張です。
こんな人におすすめ
ノウハウ本を何冊読んでもしっくりこなかった人、わが子に合う方法を自分で考えたい人。10年後の関係から逆算して今を見直したい場面や、夫婦で方針をすり合わせたいときに。
良い点
- 原則から考える姿勢が明確
- 行動面と性格面の両方を扱う
- 子どもと親の多様性を前提にする
気になる点
- 即効性のある技は少ない
- 自分で考える負荷がある
- 272ページで読み応えがある
出版社
大和書房
発売日
2024年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「正解はなくて原則はある」という言い方、いいですね。でも原則から自分で編み出すって、けっこう大変では?
佐藤メバル
その大変さを引き受ける価値がある、というのが石田さんの立場です。行動面の心配と性格面の心配はばらばらで、万人に当てはまる方法はありません。
だから7つの原則を土台に持って、あとは自分で組み立てる。
橘ナナミ
タイトルの「10年後」という時間軸も、視点を変えてくれます。
佐藤メバル
今の困りごとだけを見ていると判断を誤りやすいですからね。10年後どんな関係でいたいかを先に置くと、今日の対応の選び方が変わってくる。
急いで答えを求める人ほど、この本は遠回りに見えて近道なんです。

新装版 いつからでもやりなおせる子育て
池添素 著|かもがわ出版
¥1,210(税込)
福祉の相談現場に長く関わってきた著者が、思春期・青年期を見通して子どもと保護者に送るメッセージです。「比べる」子育てに疲れていないか、「あるはず」「あるべき」に追い詰められていないかと問いかけながら、子どもは発達の宿題を残しながら成長する、転ばぬ先の杖は不要、自分づくりはどう進むか、と話を運びます。学校に行かなくなったら、いじめ、ひきこもり、薬物依存からの脱出といったピンチへの向き合い方にも踏み込みます。
こんな人におすすめ
思春期の入り口で戸惑っている人、学校に行かないなど困った状況に向き合っている人。相談現場の視点に触れたい人や、やり直しがきくと確認したい場面に向いています。
良い点
- 思春期以降まで見通せる
- 困った状況への記述が具体的
- 120ページで読み切りやすい
気になる点
- 時代背景はやや古め
- 手順より姿勢の話が中心
- 支援者の視点寄りでもある
出版社
かもがわ出版
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「いつからでもやりなおせる」というタイトルに救われます。もう手遅れかも、と思うことがよくあるので。
佐藤メバル
池添さんは相談現場に長くいた方で、子どもは発達の宿題を残しながら育つ、と書いています。だから取り返しがつかないという見方をしない。
比べる子育てに疲れていませんかと問いかけるところから始まります。
橘ナナミ
学校に行かなくなったとき、の章があるんですね。重いテーマまで扱うんですか。
佐藤メバル
いじめ、LDやADHDと言われたとき、ひきこもり、薬物依存からの脱出まで踏み込みます。120ページと短いですが、思春期・青年期を見通す視点が入っている。
悩んでから読むより、手元に置いておきたい種類の本です。

個性を輝かせる子育て、つぶす子育て
辻秀一 著|フォレスト出版
¥1,870(税込)
スポーツドクターとして知られる著者が、良かれと思ってやっている声かけや関係づくりが、実はわが子の個性や才能をつぶしているかもしれないと警鐘を鳴らす一冊です。人間の才能や個性は、比較したり点数で競うものではない。ところが多くの親子が他者との比較や競争で計る関わりに陥り、結果として個性をつぶしてしまう。心理学をベースに、親としての意識と実践法を示し、各項目の最後にはキーワードと声かけサンプルが付いています。
こんな人におすすめ
つい他の子と比べてしまう人、日常の声かけを具体的に変えたい人。比較と競争の癖を自覚したい場面や、良かれと思っていた関わりを見直したいときに。
良い点
- 声かけサンプルが付いている
- 比較と競争を軸から外す
- 6章で構成が整理されている
気になる点
- 266ページでやや厚い
- 心理学の説明は簡潔
- 一般論に感じる箇所もある
出版社
フォレスト出版
発売日
2024年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「個性をつぶす子育て」って、けっこうきつい言い方ですよね。読んで落ち込まないでしょうか。
佐藤メバル
むしろ、良かれと思ってやっていたことが対象だと気づかされる本です。辻さんは、才能や個性は比較したり点数で競うものではないのに、多くの親子がその構図に入り込んでしまう、と指摘します。
橘ナナミ
各項目の最後に声かけサンプルがあるんですね。そこは助かります。
佐藤メバル
そこが実践的です。心構えだけで終わらせず、親としての姿勢をキーワードと具体例で確かめられる。
日常の一言を変えたい人ほど、拾い読みでも効きますよ。

1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て (実用単行本)
加茂登志子 著|小学館
¥1,540(税込)
精神科医である著者が、PCIT(親子相互交流療法)のスキルを家庭向けに紹介した一冊です。PCITは、子どもの心や行動の問題、育児に悩む親のための、プレイセラピーと行動療法に基づく心理療法で、アメリカで開発され、特に2〜7歳において多くの科学論文で効果が証明されています。1日5分の特別な時間を設けることが柱。言うことを聞かない、乱暴、落ち着かないといった悩みに対して、大声を出さず怒らずにしつけができるようになることを目指します。
こんな人におすすめ
叱っても伝わらないと感じている人、2〜7歳の子の行動に困っている人。短い時間を確実に確保して取り組みたい場面や、方法をひとつに絞って続けたいときに。
良い点
- 1日5分という具体性
- 科学的根拠が示されている
- 2〜7歳に焦点が定まる
気になる点
- 対象年齢が限られる
- 手順の反復が必要になる
- 環境によっては続けにくい
出版社
小学館
発売日
2020年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1日5分、というのが具体的でいいですね。それだけで変わるものなんですか?
佐藤メバル
変わる、と科学的に示されているのがこの本の強みです。PCITはアメリカで開発された心理療法で、特に2〜7歳では多くの論文で効果が確かめられています。
日本でもメンタルクリニックや療育施設、児童相談所などで採用されています。
橘ナナミ
専門機関の方法を家庭で、というのが意外です。遊びの要素があるんですね。
佐藤メバル
ええ、プレイセラピーと行動療法が組み合わさっています。1日5分の特別な時間を毎日確保して、ほめる技術や伝える技術を練習する。
大声を出さなくてもしつけができるようになる、というのがゴールです。

お母さんには言えない 子どもの「本当は欲しい」がわかる本
山下エミリ 著|青春出版社
¥1,650(税込)
「アイスクリームを食べたい」という言葉が、実は親の愛を求めるサインだったら——という問いから始まる一冊です。不登校や行きしぶり、かんしゃく、やる気のなさといった子どもの「困った」を、マズローの欲求段階から読み解いて解決を目指します。表面的な要求の奥にある、本当に欲しいものは何かを探ることが軸。心の「つまずき」を成長のチャンスとして捉える視点があり、行動だけを見て対応するのではなく、その下にある欲求に寄り添う子育てを説いています。
こんな人におすすめ
同じ行動を繰り返す子の気持ちが読めない人、かんしゃくや行きしぶりに悩む人。要求の奥を見たい人が、行動の背景から考え直す場面に向いています。
良い点
- 欲求段階という整理軸がある
- 不登校など重いテーマも扱う
- 行動の奥を読む視点が得られる
気になる点
- 理論の説明はやや簡潔
- 即効の対応策は少なめ
- 208ページで内容は濃い
出版社
青春出版社
発売日
2024年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「アイスクリームを食べたい」が愛のサイン、という例が不思議です。そんなに遠回りなことをするんでしょうか。
佐藤メバル
子どもは自分の欲求を直接言葉にできないことが多いんです。だから、目の前の要求の奥に何があるかを読む。
山下さんはそれをマズローの欲求段階に沿って整理します。
橘ナナミ
不登校やかんしゃくも、そこから読み解くんですか?
佐藤メバル
そう、行きしぶりもやる気のなさも、心のつまずきとして捉え直す。そしてつまずきを成長のチャンスとして見るんです。
叱って止めるのではなく、本当に欲しいものは何かを探す読み方なので、行動の奥を見る癖がつきますよ。

子どもの心の育てかた
佐々木正美 著|河出書房新社
¥1,430(税込)
これから子育てをする人にも、している人にも向けて、乳児期から思春期までを通して読めるように書かれた一冊です。教育や建築でいちばん大事なのは土台であり、それはいちばん修復が難しい——という比喩が全体の芯。トイレトレーニングは叱りすぎてもほめすぎても子どもの自主性を妨げる、反抗は喜ぶべきもの、「だ」が始まったら成長を楽しみに、といった具体が並びます。早くに忘れてしまったことでも、いつからでもやり直せるという言葉が支えになります。
こんな人におすすめ
子育ての全体像を先に知っておきたい人、幼児期の関わり方に迷いが出てきた人。思春期までの見通しを持ちたい場面や、育児に疲れたときに読み返す使い方にも向いています。
良い点
- 乳児期から思春期まで見通せる
- 土台という比喩が分かりやすい
- 144ページで読み返しやすい
気になる点
- 具体的な手順は示されない
- 語りが穏やかで好みが分かれる
- 抜粋を含む構成になっている
出版社
河出書房新社
発売日
2016年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐々木正美先生の本がもう一冊。こちらのほうが薄いんですね。違いはあるんでしょうか。
佐藤メバル
こちらは、教育や建築でいちばん大事なのは土台であり、いちばん修復しにくい、という比喩から入ります。乳児期から思春期までを見通して、各時期に何が大切かを順に語る構成です。
橘ナナミ
トイレトレーニングは叱りすぎてもほめすぎてもうまくいかない、という指摘が面白いです。
佐藤メバル
そう、どちらも子どもの自主性を妨げるからです。反抗は喜ぶべきもの、と書かれてもいます。いつからでもやり直せる——この一言が、疲れたときに効くんですよ。

子育ての悩みが一瞬でなくなる本
本田千織 著|リベラル社
子どもがウソをつく、ごめんなさいと言えない、大騒ぎする——といった具体的な困りごとに、マンガで読めてすぐ使える形で答える一冊です。著者の立場は明快で、子どもの行動には理由がある。理由を知り、適切に対処すれば子育ては楽になる、という前提に立ちます。ひとりで悩みを抱えている人に向けて、行動の背景を解説し、対処のしかたを示す構成。読みやすさを優先した作りなので、育児書を最後まで読めない人でも取り組みやすいのが持ち味です。
こんな人におすすめ
悩みを一人で抱えている人、活字の育児書が続かない人。短時間で答えを知りたい場面や、特定の困った行動が出たときに該当箇所を開く使い方に向いています。
良い点
- マンガで読みやすい
- 行動の理由から説明する
- 困った場面を選んで読める
気になる点
- 深い理論は扱わない
- 分量はコンパクトにまとまる
- 網羅性は高くない
出版社
リベラル社
発売日
2014年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ウソをつく、ごめんなさいが言えない、大騒ぎする……どれも見覚えがあります。
佐藤メバル
そういう場面を、マンガで読めてすぐ使える形にした本です。本田さんの立場は、子どもの行動には理由があるというもの。
理由が分かって適切に対処すれば、悩みは軽くなるという前提で書かれています。
橘ナナミ
育児書って、最後まで読めないことが多いんですよね。これは短そうで助かります。
佐藤メバル
そこが狙いだと思います。困った行動が出たときに、その部分だけ開いて読む使い方もできる。理論を積み上げる本ではありませんが、ひとりで悩んでいる人が最初に手に取る一冊としては優秀ですよ。

どならない子育て
伊藤徳馬 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,430(税込)
シリーズ累計5万部を突破し、NHKあさイチや朝日新聞、読売新聞で紹介された「どならない子育て」講座を書籍化した一冊です。特徴は、ほめ方も叱り方も練習して身につけるという発想。著者は、私たち自身がほめられて育っていないのだから、知っているだけでできないのは無理もない、と言います。だから車の運転を教習所で習うように練習する。子どもへの伝え方、ほめ方、叱り方、問題行動を回避する方法まで、一冊で練習できる構成です。
こんな人におすすめ
つい怒ってしまい自己嫌悪が続く人、ほめる回数を増やしたい人。練習相手や場面を決めて取り組みたい人や、講座に通う前に自分で試してみたい場面に向いています。
良い点
- 練習法として体系化されている
- ほめる・叱る・回避まで扱う
- 受講者の変化が具体的に示される
気になる点
- 練習の手間はかかる
- 239ページで反復が必要
- 語りはやや説明的
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2013年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「どならない」って、題名だけ見ると根性論に見えます。でも練習法なんですよね。
佐藤メバル
そこがこの本の新しいところです。著者は、ほめられて育っていないのだから知っているだけでできないのは無理もない、と言います。
だから車の運転を教習所で習うように、伝え方・ほめ方・叱り方を練習する。講座で使われてきた方法を「そだれん」と呼んでいます。
橘ナナミ
叱るときに「何を話そうか」と一瞬考えるようになった、という受講者の声が載っているのがリアルですね。
佐藤メバル
そこが一番の変化だと思います。練習して身につけるという発想なので、読んで終わりにしない。おだやかに接しましょう、という一般論で止まっていた人ほど試す価値がありますよ。
悩みの症状別に選ぶ ― 夜泣き・イライラ・しつけ・きょうだい
橘ナナミ
「どの本がいいか」より「今の悩みに効く本はどれか」で探したほうが早い気がしてきました。
佐藤メバル
その発想でいい。書店員時代、育児書の棚も症状別に作っていたくらいだよ。夜泣きなら『家族みんなが笑顔になれる! おだやかママの幸せ子育て法』に「夜泣きをするきみへ」の項がある。自分のイライラが止まらないなら『今日から怒らないママになれる本!』。しつけの言葉選びに迷うなら『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方』の「叱るときは、子どもを止めて、目を見て、短い言葉で」が具体的だね。きょうだいの葛藤は先ほどの赤ちゃん返りの章が効く。
橘ナナミ
口コミと専門家の評価、どっちを信じればいいんでしょう。
佐藤メバル
両方見ていいけど、役割が違う。口コミは「自分の状況に近いかどうか」を教えてくれる。専門家の評価は「その方法がどんな根拠に基づくか」を教えてくれる。『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』は幸福研究の4つの因子を子育てに当てはめた本で、根拠の性質がはっきりしている。体験談ベースの本は、共感や勇気をもらうのが主な役割だと思って読むと、期待を外しにくいよ。
育児書の「賞味期限」とエビデンスの見分け方
橘ナナミ
賞味期限……本にそんなものがあるんですか?
佐藤メバル
あるんだ。発達や脳の研究は更新されていくから、古い前提のまま読むと損をすることがある。『新装版 いつからでもやりなおせる子育て』のように、昔の著作が新装版として出し直されることもある。新装版は、今の読者に向けて手に取りやすくなったサインだよ。逆に、長く読み継がれている本は普遍的な部分が強いということでもある。佐々木正美先生の本も、その類だね。
橘ナナミ
エビデンスがある本かどうかは、どう見分けたらいいですか?
佐藤メバル
まえがきや紹介文に「論文で効果が確認されている」「研究に基づく」と書いてあるかを見る。PCITの本は2〜7歳で多くの科学論文があると明記されているし、『子育ての問題をPBSで解決しよう!』も「エビデンスを基にして」と書かれている。一方で体験談として読むべき本もある。どちらが上ということではなく、同じ棚に並べて、期待するものを変えるのが大事なんだ。
読者タイプ別の併読マップと、読後の習慣化
橘ナナミ
1冊で完結させないほうがいい、というお話もありましたよね。
佐藤メバル
そう。僕は「心を軽くする1冊+行動が変わる1冊」の組み合わせを勧めている。『子育て365日』で気持ちを整えて、『どならない子育て』で練習する。ワンオペなら『ごきげんママのハッピー子育て術』の「手放す・見守る・見極める」という3つの習慣が指針になる。共働きなら時間の優先順位の作り方を扱った『Happy子育て』、発達が気になるならPCITの本と『お母さんには言えない 子どもの「本当は欲しい」がわかる本』を重ねる。
橘ナナミ
パパ向けの本って、探すと少ない気がします。
佐藤メバル
少ないね。だからこそ専用の本を探すより、夫婦で読める1冊を決めるほうが現実的だと思う。『この子はこの子のままでいいと思える本』には「父親の役割ってなんですか?」という章があり、『個性を輝かせる子育て、つぶす子育て』には「お父さんは娘になぜ嫌われるのか?」という章まである。読後の習慣化は、言葉集を寝る前にひとつ開く、『ごきげんママのハッピー子育て術』の「ハピネスマイルノート」のように書いて残す、くらいの軽さが続くよ。
橘ナナミ
逆に、合わない本はどうしたらいいんでしょう。
佐藤メバル
読んでつらくなるなら、その本は今のあなたに合っていない。手放していい。お金の話なら、図書館は試す場、電子書籍はすぐ読む手段、購入は何度も開く1冊に絞る、と分けるのがおすすめだよ。本で解決しないときは、療育施設や児童相談所など、専門機関に相談する。PCITの本にも、そうした現場で採用されていると書かれている。本は相談先への入り口でもあるんだ。
よくある質問
子育て本はいつから読むべき?
橘ナナミ
子育て本はいつから読むべきについて教えてください。
佐藤メバル
妊娠中からでも遅くありません。『子どもの気持ちがわかる本』は「ママパパはじめ、プレママにもおすすめ」と紹介されていますし、『0歳からのハッピー子育て』は赤ちゃんがおなかにいるときからできることにも触れています。ただ、まだ必要性を感じていないなら前倒ししなくて大丈夫。手に取ったときが読みどきです。
マンガの育児書でも効果はある?
橘ナナミ
マンガの育児書でも効果はあるについて教えてください。
佐藤メバル
あります。『子育ての悩みが一瞬でなくなる本』はマンガで読めてすぐ使える一冊ですし、『世界の子育てくらべてみたら、心がふわっとラクになった』はコミックエッセイです。大事なのは形式より、読み返せるかどうか。育児中は読む体力が一定しないので、続けられる形のほうが結果につながります。
育児書通りにしてもうまくいかないときは?
橘ナナミ
育児書通りにしてもうまくいかないときはについて教えてください。
佐藤メバル
『10年後、どんな親子関係でいたいですか?』は「子育てには正解は存在しません。その子に合ったアプローチがあるだけ」と明言しています。本は原則を示すもの。目の前の子に合わせて調整するのは親の仕事です。つらさが続くなら、療育施設や児童相談所など、本の外の相談先も使ってください。
育児書は何冊くらい読めばいい?
橘ナナミ
育児書は何冊くらい読めばいいについて教えてください。
佐藤メバル
一度にたくさん読む必要はありません。「心を軽くする1冊」と「行動が変わる1冊」の2冊が目安です。たとえば『子育て365日』で気持ちを整えて『どならない子育て』で練習する、という組み合わせ。冊数を増やすより、1冊を何度も開くほうが変化は起きやすいです。
エビデンスのある育児書の見分け方は?
橘ナナミ
エビデンスのある育児書の見分け方はについて教えてください。
佐藤メバル
まえがきや紹介文に「論文」「研究に基づく」とあるかを確認します。『1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て』は2〜7歳で多くの科学論文により効果が証明されていると明記され、『子育ての問題をPBSで解決しよう!』もエビデンスを基にしていると書かれています。体験談ベースの本は「そういう考え方もある」と受け取る、と分けて読むのが安全です。
子どものイライラ・自分の怒りに効く本は?
橘ナナミ
子どものイライラ・自分の怒りに効く本はについて教えてください。
佐藤メバル
自分の怒りには『今日から怒らないママになれる本!』や『どならない子育て』。後者はほめ方や叱り方を実際に練習する構成です。子どものかんしゃくには『ママも子どももハッピーになる! がんばらない子育て』がぐずり、かんしゃく、夜泣き、イヤイヤ期を扱っています。『お母さんには言えない 子どもの「本当は欲しい」がわかる本』は、かんしゃくの奥にある欲求を読み解く視点を与えてくれます。
パパ向けのおすすめ育児書は?
橘ナナミ
パパ向けのおすすめ育児書はについて教えてください。
佐藤メバル
パパ専用の本は多くありません。だからこそ夫婦で読める1冊を決めるのが現実的です。『この子はこの子のままでいいと思える本』には「父親の役割ってなんですか?」という章があり、『個性を輝かせる子育て、つぶす子育て』には「お父さんは娘になぜ嫌われるのか?」という章があります。まずパパ自身が開くことが第一歩です。
図書館で借りるのと購入、どっちがいい?
橘ナナミ
図書館で借りるのと購入、どっちがいいについて教えてください。
佐藤メバル
使い分けがおすすめです。図書館は「合うかを試す」場、電子書籍は「読みたいときにすぐ読む」手段、購入は何度も開く1冊に絞る。『子育て365日』のように毎日そばに置きたい本は、手元にあると力になります。全部を買いそろえる必要はありません。
まとめ
橘ナナミ
最初は「ハッピー」がつく本が多すぎて、どれも同じに見えていたんです。でも、行動が変わる本と心が軽くなる本、年齢、著者の立場、エビデンス、形式——軸で見ると、まったく別の道具なんだとわかりました。
佐藤メバル
そう。育児書は正解を配るものじゃなくて、処方箋みたいなものだと思っている。同じ「イライラ」でも、効く1冊は人によって違う。だから、合わなかった本を責める必要もない。
橘ナナミ
処方箋……。でも、飲み続けても効かないときは、別のものに変えるか、お医者さんに行く、ということですね。
佐藤メバル
うん、それでいい。ただひとつだけ覚えておいてほしい。育児書は、あなたが「もっと良い親にならなきゃ」と背筋を伸ばすためのものじゃない。肩の力を抜くために読むものだ。読んで、ちょっと楽になって、子どもと笑えたら、その本はちゃんと仕事をしてくれている。
橘ナナミ
ちょっと楽になる。それがいちばんの合格点なんですね。
佐藤メバル
そう。育児書は地図というより、夜道を照らす小さな懐中電灯みたいなものだよ。全部の道は教えてくれないけれど、次の一歩は見える。今日並んだ中から、今のあなたに必要な灯りをひとつ選べば、それで十分なんだ。
