ずるい子育てが学べる本のおすすめ人気ランキング24選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
「ずるい子育て」で調べると、似たタイトルの本が次々出てきて、どれを読めばいいのか分からなくなってしまいました。「ズルい親ほど子は育つ!」なんて、ひらがなとカタカナの違いみたいで……。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。そこが最初の分かれ道なんだ。親野智可等の『ずるい子育て』は、やらなくていいことを決める取捨選択の本。咲良ともこの『ズルい親ほど子は育つ!』は、ずるいマインドセット、つまり親の心の持ちように軸足を置いた本。同じ「ずるい」でも、削る話と、心の話で方向が違う。
橘ナナミ
なるほど! 「ずるい」だけでも2種類あるんですね。
佐藤メバル
そう。しかも周辺には『自立した子どもになるためのやらない子育て』や岩田かおりの『戦略的ほったらかし教育』という「手を離す」系がある。逆に「叱らない」側から攻めるなら岸見一郎の『叱らない子育て』。まずはこの地図を持とう。
橘ナナミ
地図、ください! 書店で立ち往生したくないです。
佐藤メバル
任せて。軸ごとに見ていこう。
ずるい子育てが学べる本の選び方
子どもの年齢で選ぶ
橘ナナミ
年齢でも違うんですか?
佐藤メバル
違うよ。イヤイヤ期の声かけに困っているなら『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』、園児から小学生の生活場面ならてぃ先生の『子どもに伝わるスゴ技大全』。乳児期から思春期まで一本で追いたいなら『臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました』が年齢の章立てで整理されている。『ずるい子育て』は、就学前から小学生くらいの「あれもこれも」に追われている時期に効く。
悩みの種類で選ぶ
橘ナナミ
うちの子、片づけないし、朝もぐずるし、悩みが多すぎて……。
佐藤メバル
だから悩みを一つに絞るのが先。生活習慣を場面ごとに引くならてぃ先生、学びや非認知能力の全体像なら加藤紀子の『子育てベスト100』、親自身のイライラが悩みなら『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』。『ずるい子育て』は「何をやらないか」を決めたい悩みに強い。
著者のバックグラウンドで選ぶ
橘ナナミ
誰の言葉を信じればいいんでしょう。
佐藤メバル
現役保育士の現場感ならてぃ先生、小児脳科学者の視点なら成田奈緒子の『誤解だらけの子育て』、臨床心理士と精神科医の夫婦なら『子育てで大事なこと全部まとめてみました』、医師で医学博士なら柳澤綾子の『情報や感情に振り回されない選択肢』。同じ悩みでも、立っている場所が違えば処方箋も変わる。
理論派か実践派かで選ぶ
橘ナナミ
研究の話と、すぐ使えるワザ、どっちも気になります。
佐藤メバル
裏付けを読みたい人には『子育てベスト100』や、スタンフォード大学で博士号を取得した著者による『「自分でできる子」に育つスゴい習慣』。今日すぐ使える手が欲しい人にはヨッピーの『育児ハック』や『叱りゼロ!「自分で動ける子」が育つ魔法の言いかえ』が速い。
読み方の形式で選ぶ
佐藤メバル
通読して考え方を変える本と、辞書的に引く本は別物だよ。通読型は『ずるい子育て』や『子育てベスト100』、拾い読み型はてぃ先生の2冊や『元保育士のグズらない声かけ145』。マンガなら『「もう叱りたくない!」と思ったら読む本』が読みやすい。
入手形式で選ぶ
橘ナナミ
紙か電子か、図書館か、ここも迷います。
佐藤メバル
何度も引く本は紙、検索したいなら電子、家事の合間に聴きたいなら音声、まず自分に合うか試すなら図書館。育児本は「買ったけど合わなかった」が起こりやすいから、図書館で当たりをつけてから手元に置くのが賢いよ。電子版や音声版の有無はタイトルごとに違うから、購入前に必ず確認して。
ずるい子育てが学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、24冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
ずるい子育てが学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

ずるい子育て
親野智可等 著|ダイヤモンド社
¥1,650(税込)
「子育てで大事なことと、抜いていいことがわかる」——親野智可等さんのこの一冊は、頑張る方向を間違えると空回りして逆効果になる、という前提から始まります。やるべきことに集中すると意外な化学反応が起き、親はラクになり、子どもには本物の力がつく。大人になれば自然とできることに躍起になるより、能力アップにかかわることに注力するコツを伝授してくれます。「もっと頑張らなきゃ」を一度手放したい人に向く一冊で、同じ「ずるい」系でも気持ちの持ち方に寄る本とは違い、やること・やらないことの仕分けに重心があります。240ページと読み切れる分量も魅力です。
こんな人におすすめ
毎日の声かけや持ち物の確認、つい先回りしてしまうことに疲れている親。「これ、本当にやらなきゃいけないの?」と手を止めたい場面で効きます。幼児〜小学生の親が、家事や勉強への関わり方を見直す最初の一冊として。頑張りすぎを自覚している人にも。
良い点
- やる/やらないの仕分けが明快
- 逆効果になりがちな行動がわかる
- 親がラクになる視点が中心
気になる点
- 具体策より考え方寄り
- 年齢別の細かい対応は薄い
- 同系統の本の中では地味
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ずるい子育て」ってタイトル、ちょっとドキッとします。ずるいって、手を抜くってことですか? それとも、もっと別の意味なんでしょうか。
佐藤メバル
いい質問だね。ここでいう「ずるい」は、サボることじゃなくて、やっても効かないことに力を注がないという意味なんです。
親野さんは、大人になれば自然とできることに躍起になるより、能力アップにかかわることに注力しよう、と書いています。
手を抜く場所を決めるからこそ、大事なところに力が集まるわけですね。
橘ナナミ
なるほど……。じゃあ、通学前の持ち物チェックとか、そういうのも抜いていいほうに入るんですか?
佐藤メバル
まさにそこが「抜いていい」側に入ってきます。ただ、この本は何を抜くかの判断軸をくれる本で、年齢別の細かいハウツーを並べるタイプではありません。
空回りして逆効果になってしまう、という言い方が刺さる人にはすごく効く。逆に手順を細かく知りたいなら、場面別の本と組み合わせるといいですよ。

ズルい親ほど子は育つ!
咲良ともこ 著|KADOKAWA
¥1,760(税込)
「ちょっとずるしたほうが育児も人生もうまくいく」——咲良ともこさんの本は、がんばってもうまくいかない、報われないと感じてしまう育児に終止符を打つ、ずるいマインドセットの方法を公開しています。キーワードは「居心地のよさ」。子どもも親も居心地のいい生活とは何かを軸に、気持ちの置き場所を組み替えていきます。同じ「ずるい」を掲げる本でも、やること・やらないことの仕分けに寄る本とは違い、こちらは親のマインドセットそのものに重心を置いているのが特徴です。256ページ、KADOKAWA。
こんな人におすすめ
「こんなに頑張っているのに報われない」と感じている、未就学児〜小学生の親。育児の手順より、自分の気持ちの置き場所を変えたいとき。家事や仕事との両立に息切れし、罪悪感を手放したい人に向きます。誰かに「頑張りすぎ」と言われて、うまく受け取れなかった人にも。
良い点
- マインドセットに焦点
- 居心地のよさという軸が明確
- 報われない感覚に寄り添う
気になる点
- 具体的なテクニックは少なめ
- タイトルの抵抗感が入口になる
- 年齢別の対応表はない
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ズルい親ほど子は育つ!」って、ずるいを肯定しているのが新鮮です。これ、さっきの『ずるい子育て』と何が違うんですか?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。さっきの本は何をやめて何に集中するかという行動の仕分け。こちらは咲良ともこさんが、がんばっても報われないと感じる気持ちのほうを組み替えていく本なんです。
ちょっとずるしたほうが育児も人生もうまくいく、というマインドセットが出発点になっています。
橘ナナミ
気持ちのほう、か。私、子育てはまだ先ですけど、頑張りすぎて空回りする感覚はなんとなくわかります。報われない感覚って、しんどいですよね。
佐藤メバル
そこは読者として想像してくれて大丈夫。子どもも親も居心地がいい生活って何だろう、という問いから始まるので、手順を覚えるというより、自分の立ち位置を見直したいときに開く一冊です。
逆に、あれをやめようこれをやめようという具体的な指示が欲しい人には、物足りなく感じられるかもしれません。

自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育
岩田かおり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
「夏休みの宿題、どれからやればいい?」に「トマトを口にいっぱい入れること」と答える——この掴みから始まる、岩田かおりさんの「戦略的ほったらかし教育」。7000人以上の親と接してきた著者が、放任でOKという意味ではなく、子どもが自然に学びたくなる家庭環境を親がつくったうえで任せる方法を体系化しています。四七思考、天才ノート、ジャーナリング、沼から抜ける手順など、名前のついたメソッドが並ぶのが特徴。6万部突破、週刊文春「ベストセラー解剖」で紹介された話題書です。
こんな人におすすめ
先回りしてコントロールしてしまい、「自分で考える力を育みたいのに真逆のことをしているかも」と感じる親。宿題・習いごと・スマホなど、日常のお悩み別に答えがほしい人。小学生の親が家庭環境を見直すために。
良い点
- 悩み別のQ&Aが充実
- メソッドに名前があり実践しやすい
- 親の感情ケアにも章を割く
気になる点
- 前半は抽象度が高い
- 実行には親の覚悟が要る
- 「ほったらかし」の誤解を招く
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2025年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「戦略的ほったらかし教育」って、ほったらかしに戦略も何もあるんですか? 放っておくだけでしょ、と思ってしまいました。
佐藤メバル
そこが肝なんですよ。岩田さんは、すべてを子どもに任せればいい、放任でOKという意味ではない、と明確に書いています。
子どもが自然に学びたくなる家庭環境を親がつくったうえで、選択肢を持たせて意思決定を任せていく。
環境づくりまでが親の仕事、というわけです。
橘ナナミ
なるほど、順番があるんですね。ちなみに著者ご自身のお子さんは、どんなふうに育ったんでしょう?
佐藤メバル
3人の子育ての中で生まれたメソッドで、中学生で起業、経団連の奨学生としてインドへ高校留学、学費全額奨学金で海外大学進学、塾なしで慶應義塾大学合格など、それぞれ自分で輝く場所を見つけていったと紹介されています。
四七思考や天才ノートといった名前のある型があるので、真似しやすいのが強みですね。

自立した子どもになるためのやらない子育て (扶桑社BOOKS)
いこーよ子どもの未来と生きる力研究所 著|扶桑社
6万人の親子との関わりから生まれた本で、ゲームやスマホの禁止、通学前の持ち物確認、宿題の手伝い——実はこれ、全部やらなくていいことなんです、と断言するところから始まります。親がよかれと思ってやっていることが、子どもの可能性に蓋をしているかもしれないという視点が核。お出かけ情報サイト『いこーよ』の研究機関が、親子調査や研究結果をもとに「やらなくていいこと」を整理しています。先回りではなく信じて見守る、ときには手放す。やることを足す本が多い中で、引く側から書かれているのが違いです。
こんな人におすすめ
「ちゃんと育てなきゃ」と肩に力が入っている親。持ち物チェックや宿題の付き添いなど、毎日の「ついやってしまう」を手放したい場面。子どもと親、両方がもっと自由にのびのび過ごしたいときに。
良い点
- 「やらない」を明示してくれる
- 調査・研究がベースにある
- 親がラクになる方向に寄る
気になる点
- 具体的な声かけ集ではない
- 年齢別の細かい設計はない
- 手放す勇気が前提になる
出版社
扶桑社
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
持ち物確認に宿題の手伝い、ゲームの管理……全部やらなくていいって、本当に大丈夫なんですか? 放任になっちゃいません?
佐藤メバル
そこが気になるよね。この本は、6万人の親子と関わる中で見えてきた「実はやらなくていい」を並べているんです。
親がよかれと思ってやっていることが、子どもの可能性に蓋をしているかもしれない——この一文が核心です。
先回りではなく、信じて見守る。ときには手放す。
橘ナナミ
蓋、かあ。私、バイト先の子どもに先回りして手を出しちゃうこと、あります……。自分の不安でやってるのかも。
佐藤メバル
その感覚は読むときの入口になるよ。やることを増やす本ではなく、引く側から書かれているのが珍しいところです。
ただし、では代わりに何と言えばいいのかという会話例が欲しい人には、言葉の言いかえを扱う本のほうが向きます。役割が違うんですね。

パパもママも必読!子育てがラクになるノウハウを集めた育児ハック
ヨッピー 著|KADOKAWA
¥1,760(税込)
「育児の大変さ=(子どもの手のかかり具合+家事の手のかかり具合+仕事の手のかかり具合)÷投入コスト」——この方程式を掲げて、分母を大きくする方法をひたすら集めた本です。家事の外注、便利家電や掃除グッズ、宅食やネットスーパーの活用など、時間短縮のアイディアが192ページに詰まっている。ライターのヨッピーさんが「こんなズボラな僕が、父親をやれるのか?」と不安だったところから試行錯誤した記録です。気持ちの持ち方ではなく、物理的に手間を減らすのがコンセプト。育児書の中ではかなり異色の実務書です。
こんな人におすすめ
これから親になる人、子どもが生まれて間もない人、育児に追われて心が折れそうな人。家事や段取りの時間を1分でも減らしたい場面で効きます。共働きで家の中のオペレーションを組み直したい人にも。
良い点
- 道具と外注で解決する発想
- 読みやすい分量と語り口
- これから親になる人にも届く
気になる点
- 心のケアには触れない
- 使える手段は環境次第
- 学びやしつけの話は薄い
出版社
KADOKAWA
発売日
2024年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
育児書って、心の持ちようとか声かけの話が多いじゃないですか。これは家電と外注の話で、全然毛色が違いますよね。
佐藤メバル
そこがいいんですよ。ヨッピーさんは育児の大変さを、手のかかり具合を投入コストで割る式で捉えて、分母を大きくするほうから攻めている。
家事の外注、便利家電、宅食、ネットスーパー。精神論ではなく段取りで減らす発想です。
橘ナナミ
ズボラと自称する人が書いてるのがいいですね。気が楽になりそうです。心が折れそうなときって、気持ちの話を読む余裕すらないですし。
佐藤メバル
「こんなズボラな僕が父親をやれるのか」という不安から始まった本だと紹介されています。これから親になる人や、生まれて間もない時期の人に向けて書かれているので、しつけや学びの話を期待すると物足りないかもしれません。そこは他の本と役割分担ですね。

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本 - 「AERA with Kids」 元編集長が選ぶ -
江口祐子 著|ワニブックス
¥1,360(税込)
子育て雑誌「AERA with Kids」元編集長の江口祐子さんが、幼児・小学生を持つ親に向けた子育て本のベストセラーと名作から100冊を厳選し、23のキーワードに沿って紹介した本です。「些細なことでもあえて自分で選ばせる→自己決定力が育つ」のように、キーワードごとに複数の本の共通項をまとめてくれる。勉強・受験の勘違い、親の習慣、金融教育、学校に行かない選択肢まで章が分かれていて、1冊読み切れば子育て本の地図が頭に入ります。個々の本を深く読む代わりに、全体を俯瞰したいときの一冊です。
こんな人におすすめ
書店やネットで子育て本を前に「どれから読めばいいのか」と固まってしまう親。幼児〜小学生の子を持つ人が、まず全体像をつかむ場面。すでに何冊か読んで、自分の知識を整理したい人にも向きます。
良い点
- 100冊分の視点を一度に得られる
- 23のキーワードで整理されている
- 新しい教育観の章が入っている
気になる点
- 各本の詳細は薄い
- 原典を読んだ満足感はない
- 要約ゆえ一般論に見えやすい
出版社
ワニブックス
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100冊を1冊にまとめちゃうって、逆に薄っぺらくなりませんか? 要約だけ読んで読んだ気になるのが怖いんですけど……。
佐藤メバル
その心配はもっともです。でもこれは要約集というより地図なんですよ。元編集長が23のキーワードに沿って、何度も出会った「これスゴイ」を並べている。
たとえば些細なことでもあえて自分で選ばせる、が自己決定力につながる、という形で、複数の本に共通する考え方が見えてきます。
橘ナナミ
なるほど、横串を刺す感じですね。じゃあ、次にどの本を読むかを選ぶのにも使えるんですか?
佐藤メバル
まさにそういう使い方ができます。勉強・受験の勘違いの章、親の習慣の章もあるので、関心のあるところから入って、気になった本を原典で読む。
順番としては、まずこの本で地図を手に入れてから深掘りするのが効率的です。逆に、すでに読み込んでいる人には物足りないかもしれません。

子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
加藤紀子 著|ダイヤモンド社
¥1,230(税込)
ハーバード大、スタンフォード大、シカゴ大など200以上の資料と膨大な取材から、著者の加藤紀子さんが「これは本当にためになる」と厳選したベスト100の方法と、421の超具体策を収録した344ページ。コミュニケーション、家での勉強、遊び、習い事、ほめ方・叱り方、読書、スマホ、ゲーム、食事、睡眠、運動まで、テーマを網羅しているのが強みです。21世紀型スキルや非認知能力といった言葉を、行動レベルまで落としてくれる。情報の洪水の中で方針を一本化したい人に向きます。
こんな人におすすめ
ネットや雑誌の情報が多すぎて「結局何をすればいいのか」と迷っている親。家庭学習・遊び・習い事の優先順位を決めたい場面。0歳から小学生まで幅広く参照したい人。テーマごとに辞書的に使いたい人にも。
良い点
- 方法100×具体策421の物量
- テーマの網羅性が高い
- 研究・取材に基づく裏付け
気になる点
- 344ページと厚い
- 全部やろうとすると疲れる
- 各テーマの深掘りは浅め
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ベスト100」に「超具体策421」って、数字がすごいことになってますけど、全部やるの無理ですよね……?
佐藤メバル
全部やるための本じゃないんですよ。加藤さんは200以上の資料と取材を、親としてこれは使えるという実感でふるいにかけて、テーマごとに選べる形にしている。
だから自分に関係あるところだけ拾えばいい。コミュニケーションから食事、運動まで横断しているのが特徴です。
橘ナナミ
ああ、辞書みたいな使い方ですね。読書や睡眠の話まで入ってるのが意外でした。
佐藤メバル
高濱正伸さんが「画期的な1冊」と評しているように、玉石混淆の情報を一冊に束ねた価値が大きいですね。ただ厚いので、最初から通読しようとすると疲れます。
気になる章から開いて、必要になったら戻る。そういう付き合い方が現実的ですよ。

叱りゼロ!「自分で動ける子」が育つ魔法の言いかえ
田嶋英子 著|青春出版社
「心配だ」→「信じてる」、「ダメ」「できない…」→「大丈夫」「できる」。お母さんの言葉には子どもの人生を変える力がある、という立場から、やる気を引き出す約50の言いかえを実践的に紹介しています。叱って動かすのではなく、言葉を置き換えて自分から動ける子に導くのが狙い。叱り方を扱う本は怒らないことを目標にしがちですが、この本は代わりに何と言うかまで踏み込んでいるのが違いです。手元に置いて、その場で言い方を探せる実用性があります。
こんな人におすすめ
毎朝「早くして」と言ってしまい、そのあと自己嫌悪になる親。登園・宿題・片づけなど、日常の同じ場面で言葉を変えたいとき。叱る回数を減らしたいが、代わりに何と言えばいいかわからない人。
良い点
- 言いかえの形で即使える
- 約50と数が多く探しやすい
- 前向きな語り口で読みやすい
気になる点
- 理論より場面集寄り
- 年齢別の整理はされていない
- 親自身のケアには触れない
出版社
青春出版社
発売日
2020年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「心配だ」を「信じてる」に変えるだけで、本当に子どもって変わるんでしょうか? 言葉ひとつで、そんなに違うものですか?
佐藤メバル
この本の面白さは、言いかえの前後がセットで並んでいるところです。「ダメ」「できない」を「大丈夫」「できる」に、というように、責める言葉を支える言葉に置き換えていく。
叱って動かすのをやめて、自分から動けるほうに導く設計になっています。
橘ナナミ
叱らない、で終わらずに代わりの言葉をくれるのがいいですね。場面から探せる感じなんですか?
佐藤メバル
約50の言葉が実践的にアドバイスされているので、困った場面から引けます。ただ理論をじっくり解説するタイプではないので、なぜ効くのかを知りたい人は、脳や心理の仕組みから書かれた本と組み合わせると理解が深まります。
まず口に出る言葉を変えたい人には、こちらが早いですね。

「もう叱りたくない!」と思ったら読む本――子育て世代の新常識・マンガ〈叱る依存〉がとまらない(仮)
フクチマミ 著|紀伊國屋書店
¥1,650(税込)
「怒る」と「叱る」は違うのか、何度叱っても変わらないのはなぜか、「叱らない育児」は子どものためになるのか——そうした疑問に答えるマンガ版です。つい叱ってしまう脳のしくみを知れば、子どもへの接し方が変わり、自分自身もラクになるというのが基本のメッセージ。原作『〈叱る依存〉がとまらない』(累計4万部)をコミック化したもので、176ページと短く、活字が重い日でも読めます。叱り方の技術を学ぶ本ではなく、叱ってしまう自分を仕組みから理解する本です。
こんな人におすすめ
叱ったあとに自己嫌悪が残り、同じことを繰り返してしまう親。「なぜ止められないのか」を知って楽になりたい場面。マンガで気軽に、まず仕組みから入りたい人。活字を読む気力がない時期にも向きます。
良い点
- 脳の仕組みから説明してくれる
- マンガで短時間で読める
- 叱られる側の視点も得られる
気になる点
- 具体的な声かけ集ではない
- 原作の内容は圧縮されている
- 実践の部分は別途必要
出版社
紀伊國屋書店
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「叱りたくない」じゃなくて「叱る依存」って言い切っているのが怖いです。依存って、そんなに強いものなんですか?
佐藤メバル
そこなんですよ。何度叱っても変わらないのはなぜか、という問いから入って、つい叱ってしまう脳のしくみを説明してくれる。
気持ちが弱いからではなく仕組みの問題だとわかると、自分を責める圧が少し下がります。叱り方のテクニック本ではなく、理解してラクになる本なんです。
橘ナナミ
マンガなのもいいですね。育児中って、活字を読む気力がない日もありますし。何時間も持たないですもんね。
佐藤メバル
176ページのコミックなので、そういう日に開けます。ただ叱り方の言いかえを求める人には向かないので、そこは別の本で補う。
叱る依存という言葉にハッとした人には、まずここから入るのが負担が少ないですよ。原作が重いと感じた人の入口にもなります。

子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!
てぃ先生 著|ダイヤモンド社
¥1,320(税込)
「もう『はやくして』と言わなくてOK」。育児書では異例の10万部を突破した、現役保育士てぃ先生の初の子育てアドバイス本です。「おしたく」「お片づけ」「お食事」など状況別に、実際に試して効果のあった伝え方と、保護者が絶賛したテクニックを網羅。朝なかなか家を出ない子には自動改札機ごっこ、野菜を食べない子には動物に変身できるアプリで「うさぎさん、これ食べられるかな?」など、具体例が面白いように出てきます。何歳児向けと区切らず、パッと引ける構成です。
こんな人におすすめ
毎日忙しくて本を読む時間が取れないママパパ。朝の支度や食事など、いま困っている場面をすぐ解決したいとき。保育の現場の引き出しを家庭に持ち込みたい人。最後まで読み切れないタイプでも、必要な項目だけ拾えます。
良い点
- 状況別で引きやすい
- 具体テクニックが豊富
- 読み物としても楽しい
気になる点
- 体系的な理論は少ない
- 年齢の区切りがない
- 場当たりに見えることも
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自動改札機ごっこ、かわいいですね。でも、そんな遊びで本当に子どもって動いてくれるんですか?
佐藤メバル
てぃ先生が一貫して書いているのは、子どもが自分から動いてくれるようにするということなんです。
「絵本、ちゃんと見なきゃダメでしょ」と言っても集中しない。でも、その絵本が面白ければ自分から見る。だから面白いと思えるように、ちょっと工夫するわけですね。
橘ナナミ
なるほど。でも、毎回そんな工夫を考えるのは大変そうだなとも思います……。
佐藤メバル
そこも先回りして答えていて、いつもこうしなくちゃいけないわけじゃない、余裕があるときだけで十分、と書かれています。
うまくいけばむしろ手間が減る。状況別に引ける事典のような作りなので、育児書で異例の10万部というのも納得ですよ。

子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て〇×図鑑
てぃ先生 著|ダイヤモンド社
¥1,760(税込)
10万部突破の『子育てで困ったら、これやってみ!』に続く第2弾で、今度は○×形式の図鑑として構成されています。「ママお茶」「ママはお茶ではありません」のような、よくある会話をちょっと変えるだけで親子とも成長できる、というお手軽なスゴ技が並びます。自己肯定感、自制心、かんしゃく、叱る場所、叱りすぎて「ママ嫌い!」と言われたときの対応まで、章立てで整理されているのが違い。具体的な状況がマンガでわかるので、前作よりどの場面の話かが掴みやすい作りです。
こんな人におすすめ
前作を読んで、次は判断の基準がほしい人。「これはやっていいの? ダメなの?」と迷う場面を○×で確認したいとき。忙しくて文章を追いづらい人も、マンガと○×で入りやすい。気になる項目から拾い読みもできます。
良い点
- ○×形式で判断しやすい
- マンガで状況が掴める
- 自己肯定感や自制心まで扱う
気になる点
- 前作と重なる項目がある
- 深掘りより網羅寄り
- ○×ゆえ例外は省かれる
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2021年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
前作と2冊あると、どっちから読めばいいか迷います。○×図鑑って、クイズみたいな感じなんですか? 当てはまるかどうか確かめる形?
佐藤メバル
近いですね。たとえば「ママ、お茶」「ママはお茶じゃありません」というよくあるやり取りを、もっとうまくいく方法に変える。
具体の状況がマンガで見えるので、自分がどの場面で困っているかを特定しやすいのが2冊目の強みです。
橘ナナミ
1冊目が「こうして」で、2冊目が「これは○か×か」って感じですかね。
佐藤メバル
そんなイメージで大丈夫。自己肯定感の伸ばし方、集中力、失敗を恐れて挑戦しない子への接し方、叱る場所の話まで入っています。
ただ○×は白黒つける形なので、例外やケースバイケースの細かさは省かれます。前作と重なる項目もあるので、2冊並べて引き出しを増やす感覚で使うのがいいですね。

元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ
ふじこせんせい 著|講談社
¥1,760(税込)
元保育士・イヤイヤ期ヲタクのふじこせんせいが、そのまま使える声かけや会話のやり取りを145掲載した本です。ご飯、お着替え、お出かけ、マナー、トイレ、お風呂・歯磨き、ねんね、家での困りごと、家族やお友だちとの場面まで章が分かれ、イヤイヤが発動するメカニズムと背景にある子どもの脳や身体の発達を専門的な視点で解説したうえで、解決策が並びます。一部ページではQRコードから実際の声かけの動画が見られるのが特徴。アマゾンランキング7冠を達成したと紹介されています。
こんな人におすすめ
イヤイヤ期の子どもとの毎日に疲れている親。食事・着替え・寝かしつけなど、決まった場面で言葉に詰まるとき。文字だけでなく、声のトーンや表情まで参考にしたい人。イヤイヤ期まっただ中の家庭に。
良い点
- 145と数が多く探せる
- 場面別の章立てが細かい
- 動画で声かけを確認できる
気になる点
- 対象がイヤイヤ期に限定される
- 体系的に学ぶ作りではない
- 実践には親の余裕が要る
出版社
講談社
発売日
2024年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
145って、すごい数ですよね。こんなに声かけのバリエーションがいるんですか? 覚えきれる気がしないんですけど……。
佐藤メバル
イヤイヤ期って、同じ子でもその日の状態で変わるんですよ。だから引き出しの数がものを言う。ふじこせんせいはなぜイヤイヤしているのかのメカニズムから説明してくれて、そのうえで解決策の声かけ、遊び、環境設定を出している。根拠があると真似しやすいんですよね。
橘ナナミ
QRコードで動画が見られるのも面白い。声のトーンって文章だと伝わりにくいですし、つい強く言っちゃいそうです。
佐藤メバル
そこは大きいです。文字で読むとつい強い言い方になりがちなので、実際の言い方を耳で確かめられる。アマゾンのランキングで7冠を取ったと紹介されているのも、切実さの表れでしょうね。
ただ対象がイヤイヤ期なので、そこを過ぎた悩みには別の本が必要です。

「私、子育て向いてないかも」がラクになる本
Joe 著|日本実業出版社
¥1,540(税込)
「読み聞かせしなきゃ」「子どもとの時間をつくらなきゃ」と思いながら、家事に追われて寝かしつけのときに「今日もできなかった…」と罪悪感でいっぱいになる——そこから始まる本です。著者のJoeさんは、たった3秒のコミュニケーションで子どもの心は満たせますと提案し、無理せずラクに、自信を持って子育てできる方法を紹介しています。ちょっとした行動を変えるだけで勝手に伸びる「心が豊かな子」が育つ、というのが柱。時間を長く取る発想ではなく、短くても密度のある関わりに切り替える本です。
こんな人におすすめ
「もっと子どもと向き合わなきゃ」と焦り、寝る前に罪悪感を抱えてしまう親。まとまった時間が取れない働く親が、関わり方の基準を変えたい場面。自分を責める癖をゆるめたい人。「向いてないかも」と思ったことを、誰にも言えずにいる人に。
良い点
- 短時間の関わりに焦点
- 罪悪感に寄り添う語り口
- 行動のハードルが低い
気になる点
- 具体の声かけは多くない
- 年齢別の対応は薄い
- 仕組みの解説は控えめ
出版社
日本実業出版社
発売日
2021年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「向いてないかも」って、正直に言えるタイトルがいいですね。そう思うこと自体、責められがちじゃないですか。
佐藤メバル
そう、そこを開き直らずに受け止めている本なんです。Joeさんは、読み聞かせしなきゃ、時間をつくらなきゃ、と思いながら家事に追われて「今日もできなかった」と落ち込む状態から書き始めている。
たった3秒のコミュニケーションで子どもの心は満たせるというのが提案です。
橘ナナミ
3秒って、逆に信じられないです。本当に足りるんですか?
佐藤メバル
時間の長さより、その瞬間にどれだけ向き合っているか、という発想の転換ですね。ちょっとした行動を変えるだけで心が豊かな子が育つ、というのが柱です。
長く関わる方法を教える本ではないので、じっくり向き合う時間を増やしたい人より、罪悪感を軽くしたい人に向きますよ。

神様、もう少しだけ子育て世代に時間をください! カンペキな親、ムリでした! 3兄弟に教わった「大丈夫」の育て方
tomekko 著|朝日新聞出版
¥1,540(税込)
小中学生の男子3人と全力で向き合いながら、忙しすぎる日々、うまくいかない現実、夫婦や親子のギャップ——みんなが言語化しづらい「子育てのモヤモヤ」を代弁してくれるエッセイ集です。「AERA with Kids+」で連載中のtomekkoさんの文章をまとめたもので、解決策を示すというより、読んで「私だけじゃない」と息をつくための一冊。ノウハウ本を読む気力がないときにも開けるのが違いで、カンペキな親は無理でした、という著者の構えがそのまま安心材料になります。208ページ。
こんな人におすすめ
うまくいかない日が続き、誰かに愚痴りたいけれど言葉にならない親。寝る前や移動中に、少し笑って気持ちを軽くしたい場面。ノウハウより共感がほしいタイミング。理想と現実のギャップに、ひとりで笑い飛ばせなくなっている人へ。
良い点
- 共感で気持ちが軽くなる
- エッセイなので読みやすい
- 夫婦のギャップも描かれる
気になる点
- 解決策は提示されない
- 家庭環境が異なると響きにくい
- 通読向きで辞書的に使いにくい
出版社
朝日新聞出版
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルからしてもう疲れてますよね、神様にお願いしちゃう感じで。これ、ノウハウ本じゃないんですよね?
佐藤メバル
そう、エッセイ集です。3人の男子を育てる日々の、うまくいかない現実や夫婦・親子のギャップを、みんなが言語化しづらいモヤモヤとして代弁してくれる。
カンペキな親、ムリでした、という構えがそのまま安心につながります。
橘ナナミ
解決策がないのに読んで大丈夫かな。逆に焦れったくなったりしません?
佐藤メバル
そこは目的次第です。手順を知りたくて開くと物足りないけれど、今夜どうにかしたいという日には、代わりに「私だけじゃない」をくれる。
雑誌の連載をまとめた形なので、1話ずつ拾い読みもできます。ノウハウ本を読む気力がない時期にこそ効く一冊ですね。

働く親のためのサバイバルガイド 子育ても仕事も大切にしたい人の人生戦略書
岸畑聖月 著|文響社
1000名以上の現役の働く親の声を集め、2500組以上の両立支援をしてきた著者が、妊娠期・産育休・復職・小1の壁、そしてその先までを一冊に束ねた両立の大全です。序島から最終島まで、航海に見立てた章立てで、家族と自分の目的地のイメージ、子どもの成長ごとの仕事の比重、時短・フルタイム・パート・フリーランスの働き方のリアル、家族会議、受援力、キャリアのWカーブなどを扱います。共働きのスペシャリストを名乗るペンギンの案内で読み進める構成で、長期の見取り図を得られるのが強みです。
こんな人におすすめ
妊娠中・産育休中・復職前後の人、そして小1の壁を前にした働く親。仕事と育児の比重をどのタイミングでどう動かすか、先の見取り図がほしい場面。夫婦で方針を話し合う材料がほしい人。
良い点
- 妊娠期から先まで網羅
- 1000名の声がベース
- 働き方の選択肢を比較できる
気になる点
- 情報量が多く通読は重い
- 必要な章が時期で分かれる
- 心のケアは補助的
出版社
文響社
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
序島とか最終島とか、航海に例えてるのが面白いですね。これ、妊娠中から読むものなんですか?
佐藤メバル
そこがいいところで、岸畑さんは妊娠期・産育休・復職・小1の壁、そしてその先までを一本の航路として描いています。
一度知れば20年役立つ、という言い方をしているように、その時点で必要ない章も、いつか来る場面として読めるわけです。
橘ナナミ
1000人以上の働く親の声と、2500組以上の支援がベースなんですよね。説得力があります。
佐藤メバル
リアルな両立の壁が具体的に並びます。時短・フルタイム・パート・フリーランスといった働き方の違いや、家族会議、受援力といったキーワードも出てきます。
ただし量が多いので、通読より自分の時期の章から入るのが現実的。夫婦で分担を話し合う材料としても使えますよ。

情報や感情に振り回されない選択肢 親も子も疲れない子育て
柳澤綾子 著|グラフィック社
¥1,760(税込)
論文オタクで2児の母、医師であり医学博士の柳澤綾子さんが、最新研究をもとに子育てのイライラやモヤモヤを整理する本です。「しつけって本当に必要?」「学びはいつどこまでできればいい?」「家族って難しい」「うまくいかないときもある」という4つの章で、情報や感情に振り回されないための選択肢を示します。育児書は体験談やマインドが中心になりがちですが、これは研究を根拠に判断の軸をつくるタイプ。読むと「これは気にしなくていい」と線を引けるのが違いです。224ページ。
こんな人におすすめ
SNSや育児情報を見ては不安になり、何が正しいのかわからなくなる親。しつけや学びの線引きを、感情ではなく根拠で決めたい場面。医学・研究の視点から整理したい人。育児書を何冊読んでも腹落ちしなかった人にも。
良い点
- 研究ベースで判断できる
- 章が問いの形でわかりやすい
- 親の疲れに焦点がある
気になる点
- 体験談の温かさは少なめ
- 研究の詳細は圧縮されている
- 具体の声かけ集ではない
出版社
グラフィック社
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「論文オタクで2児の母、医師であり医学博士」って経歴が気になります。研究の話って、子育ての現場で役に立つんですか?
佐藤メバル
役に立つというより、振り回されなくなるんですよ。情報や感情ではなく研究という物差しで見ると、これは気にしなくていい、と線が引ける。
しつけって本当に必要?、学びはいつどこまで? といった問いの形で章が立っているのが特徴です。
橘ナナミ
章のタイトルが、そのまま親が抱える疑問ですよね。家族って難しい、とか。私も研究で似たことを考えたことあります。
佐藤メバル
そこを外さないのがいい。育児書は体験談が中心になりがちですが、これは判断の軸をつくる本です。ただ、具体的な声かけの例が欲しい人には物足りない。
逆に、SNSを見ては不安になるタイプの人には、かなり効く一冊だと思います。

ワンオペ育児モヤモヤ脱出ガイド 「つかれない家族」になるための31のヒント (講談社の実用BOOK)
ハラユキ 著|講談社
¥1,760(税込)
「不本意なワンオペ」のつかれとモヤモヤをどうするか——国内外のいろいろな家族への取材から、実用的なヒントを31にまとめたワンオペ育児本です。この本の独自性は、ワンオペを「やむなし」「シングル」「いるのに」「ポジティブ」に分け、さらに物理的ワンオペ・心のワンオペ・社会が求めるワンオペ・ワンオペ体質と要素分解しているところ。抱えているモヤモヤの種類によって効くヒントが違う、という整理が徹底しています。東洋経済オンラインの人気連載をまとめたコミックエッセイで、208ページ。
こんな人におすすめ
パートナーが忙しい、あるいは育児をしない状況で、ひとりで抱えている親。自分のモヤモヤがどの種類なのかを特定したい場面。シングルで育てている人にも手がかりがある構成です。夫婦で読むと話が早いかもしれません。
良い点
- ワンオペを種類別に整理
- 取材ベースで具体性がある
- コミックで読みやすい
気になる点
- 整理が主で即効の解決は少ない
- ヒントが31に分散している
- 家庭ごとの差が大きいテーマ
出版社
講談社
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ワンオペ育児って、ひとくくりにすると全部同じに見えますけど、この本は4タイプに分けてますよね。え、そんなに違うものなんですか?
佐藤メバル
ここが丁寧なんです。たとえば「やむなしワンオペ」「シングルワンオペ」「いるのにワンオペ」「ポジティブワンオペ」。
さらに、物理的なつかれなのか、心のワンオペなのか、社会が求めるワンオペなのか、ワンオペ体質なのかと要素分解している。
橘ナナミ
モヤモヤの正体がわかると、効くヒントも変わってくる、と。自分の状態を名前で呼べるだけで、少し楽になりそうです。
佐藤メバル
そう、同じつらいでも対処が違うから、まず自分の状況を特定してからヒントを拾える。国内外の家族への取材がベースで、コミックエッセイなので読みやすい。
ただし整理する本なので、差し迫った困りごとには相談先も要ります。パートナーがいるケースなら、ふたりで読むと話が早いですね。

子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本
篠真希 著|すばる舎
「わたし、こんなに怒りっぽい人だった?」——この問いから始まる、アンガーマネジメントを子育てに使う本です。怒鳴るとスッキリするのには理由がある、怒りは6秒以上続かない、「また!」という感情をのせないなど、怒りの正体を分解して対処につなげます。責任感があるからこそ怒ってしまう、という前提が置かれているのが救いで、自己嫌悪に陥っている人を責めません。気持ちの持ち方ではなく、仕組みと手法で扱うのが、叱り方の言いかえ本との違いです。
こんな人におすすめ
カーッと頭に血がのぼる前に止めたいと願っている親。怒鳴ってしまったあとに落ち込む自分を立て直したい場面。同じ子育てのイライラを扱う本の中でも、感情の扱い方を体系的に知りたい人。
良い点
- 怒りを仕組みから説明する
- 自己嫌悪を責めない書き方
- 手法として手順がある
気になる点
- 子どもの成長の話は中心でない
- 共感より技術に寄っている
- 実践には振り返りが要る
出版社
すばる舎
発売日
2017年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「怒りは6秒以上続かない」って、それ本当ですか? 私、怒りが何時間も続くことあるんですけど……。
佐藤メバル
いいところに引っかかったね。ここでいうのは、カーッとくる反射的な怒りの波は長く続かないということ。
長く続いているように感じるのは、あとから「また!」と感情を重ねているからなんです。そこを分けて考えるのがアンガーマネジメントですね。
橘ナナミ
なるほど、怒鳴るとスッキリするのにも理由がある、と書いてあるのに納得です。なんか罪悪感が減りそう。
佐藤メバル
責任感があるからこそ怒ってしまう、という前提に立っているのがこの本のいいところです。怒りっぽい人だった? と自分を疑っている人を、まず責めない。
叱り方の言いかえを覚える前に、怒りの扱い方を知りたい人に向きます。

叱らない子育て: アドラーが教える親子の関係が子どもを勇気づける!だからやる気が育つ!
岸見一郎 著|学研プラス
¥1,430(税込)
「勉強しなさい」と怒ってばかりで事態は好転しない——その毎日から始まる、岸見一郎さんのアドラー心理学による子育て論です。子どもを成長させるために大事なことは、叱らない、ほめないこと。この一言に驚く人は多いはずで、ほめることすら手放す理由が丁寧に説明されます。叱らない系の本の源流のひとつで、叱り方の技術や声かけを並べる本とは違い、親子の関係の捉え方そのものを組み替えるタイプ。207ページ、学研プラス。
こんな人におすすめ
叱るのをやめたいけれど、ほめるのもなんだか違う気がしている親。子育ての前提となる関係の考え方を、根本から整理したい場面。アドラー心理学に初めて触れる人にも読みやすい入門の位置づけです。
良い点
- 叱る・ほめるを根本から問う
- 具体例を交えた説明
- 短く読み切れる分量
気になる点
- 即効の声かけ集ではない
- 抽象度が高めの箇所がある
- 実践は読者の工夫が要る
出版社
学研プラス
発売日
2015年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「叱らない」はまだわかるんですけど、「ほめない」ってどういうことですか? ほめて育てるって、よく聞きますよね。
佐藤メバル
そこがこの本の核心で、岸見さんは子どもを成長させるために大事なことは、叱らない、ほめないことと書いています。
ほめるというのは、評価する立場に親が立つことでもある。代わりに勇気づける、という関わり方を説くんです。
橘ナナミ
評価する立場、か……。言われてみると、上から見てる感じがします。私も研究で指導される側の違和感、わかる気がします。
佐藤メバル
そういう違和感を拾ってくれる本ですね。叱り方や言いかえの技術を並べるタイプではないので、すぐ使えるフレーズ集を期待すると物足りない。
でも、なぜ叱らないのかの土台を据えたいなら、最初に読む価値があります。207ページで読み切れるのもいいところです。

アドラー流子育て 50の習慣
三宅美絵子 著|明日香出版社
¥1,760(税込)
言うことを聞かない子どもにイライラし、怒鳴ってばかりの自分がイヤになる——そんな親に向けて、何が子どもの自立心を伸ばすのか、どうすれば日々を満ち足りて過ごせるのかを50の習慣として並べた本です。「ほめる」ではなく「勇気づける」を軸に、自分も認めてあげて、自分の人生を生ききる、というところまで含めているのが特徴。原理を説く本が叱らない理由を扱うのに対し、こちらは行動の習慣に落とし込む構成で、親自身の機嫌も扱うのが違いです。
こんな人におすすめ
アドラーの考え方はわかったけれど、日常でどう動けばいいのかわからない人。朝起きてから寝るまでの関わりを、習慣として置き換えたい場面。自分の人生も大事にしたいと感じている親。
良い点
- 50の習慣で行動に落ちる
- 親自身のケアも含む
- 日々の場面に即している
気になる点
- 原理の説明は最小限
- 習慣ゆえ地味に感じる
- 実践の記録は読者次第
出版社
明日香出版社
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
前の『叱らない子育て』と、この『アドラー流子育て 50の習慣』って、同じアドラーですけど何が違うんでしょう?
佐藤メバル
いい比べ方だね。岸見一郎さんの本がなぜ叱らないのかという原理を説くのに対して、こちらは三宅美絵子さんが、ほめるではなく勇気づけるを、50の習慣という行動の形に落としている。
朝の声かけから夜の関わりまで、置き換える単位が具体的なんです。
橘ナナミ
習慣ってことは、いきなり全部やらなくてもよさそうですね。ひとつずつ試せばいい。
佐藤メバル
そこが救いです。順番に試せる。しかも、自分も認めてあげて自分の人生を生ききる、というところまで書いているので、子どもを変えるためだけの本になっていない。
原理は短めなので、両方並べるなら最初に原理の本、実践にこちらという順番がおすすめです。

「自分でできる子」に育つスゴい習慣 スタンフォード大学博士が教える最新脳科学×子育てメソッド
キム・ボギョン 著|U-CAN
¥1,760(税込)
「何度言っても片づけない」「言われるまで宿題をしない」「スマホばかり見ている」——それは意志が弱いからではなく、行動を変えるのは叱ることでもごほうびシールでもなく、日々の小さな行動のくり返し=習慣の力だというのがこの本の主張です。スタンフォード大学で博士号を取得したシリコンバレー在住の脳科学研究者が、自身の育児経験を織り交ぜながら、3〜10歳の時期に集中力・勉強・幸せの脳をつくる習慣を紹介します。韓国で10刷のロングセラーが日本上陸。360ページ。
こんな人におすすめ
しつけの声かけが空回りし、毎日同じ注意を繰り返している親。3〜10歳のうちに、生活の中に習慣として埋め込みたい場面。根拠のある設計図がほしい人。ついごほうびで釣ってしまう自分に、一度立ち止まりたい人にも。
良い点
- 脳科学の裏付けがある
- 習慣という再現しやすい単位
- 著者自身の育児経験入り
気になる点
- 360ページとボリュームがある
- 事例は著者の家庭が中心
- 即効性より長期の設計
出版社
U-CAN
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ごほうびシール作戦が失敗する理由」って項目が気になります。シール、普通にいい方法だと思ってました。
佐藤メバル
そこを脳科学から説明してくれるんですよ。子どもの行動を変えるのは意志の力でも叱ることでもごほうびシールでもなく、習慣だという立場なんです。
悪い子はいない、悪い習慣があるだけ、という言い方が象徴的ですね。
橘ナナミ
3〜10歳って区切りも書いてありますね。この時期じゃないとダメってことですか?
佐藤メバル
柔らかい子どもの脳を変えるのはくり返しだ、という文脈で、この時期に集中して書かれています。スタンフォードで博士号を取った著者が、シリコンバレーで子育てしながら書いた本で、韓国で10刷のロングセラー。
360ページと厚いので、集中する脳・勉強する脳・幸せな脳の章から必要なところをつまむ読み方もできますよ。

臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました
杉野珠理 著|集英社クリエイティブ
¥1,980(税込)
厳しくすべきか見守るべきか、親がリードすべきか子どものペースに合わせるべきか——成長にともない変化する悩みを、発達心理学・行動遺伝学・進化心理学の3つの視点で整理した352ページです。乳児期から思春期までを4章に分け、「3歳になるまでママは一緒にいた方がいいの?」「英才教育で親がハマる罠とは?」「どう褒める? どう叱る?」「なんで不登校になるの?」といった問いに、マンガを交えて答えていきます。Q&Aは53例収録。臨床心理士と精神科医という夫婦が、それぞれの立場から書いているのが特徴です。
こんな人におすすめ
子どもの年齢が上がるにつれて、関わり方の正解がわからなくなってきた親。乳児期から思春期までの見通しを一冊で持ちたい場面。褒め方・叱り方や中学受験、不登校などの重いテーマも視野に入れたい人。
良い点
- 3つの学問の視点がある
- 乳児期から思春期を網羅
- マンガとQ&Aで入りやすい
気になる点
- 352ページと厚い
- 一章あたりは圧縮されている
- 個別の悩みは深掘りしにくい
出版社
集英社クリエイティブ
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
臨床心理士と精神科医の夫婦って、家でも話が噛み合わなそうですけど、それが本になっているのが面白いです。
佐藤メバル
しかも視点が3つあるんですよ。発達心理学、行動遺伝学、進化心理学。たとえば自尊心や性格は家庭環境で左右されるのか、という問いに、それぞれの立場から光を当てる。
ひとつの答えに寄せないところが誠実です。
橘ナナミ
Q&Aが53例あるのも助かりますね。「娘がパパ活していたら」とか、けっこう踏み込んでる……。
佐藤メバル
そこまで扱う本は珍しいですよね。思春期の章では反抗や不登校、性に関する相談も出てきます。乳児期から思春期までを1冊で見渡せるので、目の前の年齢だけでなく、この先どうなるかの地図として持っておく価値があります。
ただし厚いので、必要な章から読むのが現実的です。

誤解だらけの子育て (扶桑社新書)
成田奈緒子 著|扶桑社
¥1,056(税込)
「いい子にしてえらいね」とほめる、宿題は終わるまでつきそう、スマホやゲームは親が管理する——これらはすべて、脳を育てるためには逆効果です、と小児脳科学者の成田奈緒子さんが断言する本です。ベストセラー『高学歴親という病』『「発達障害」と間違われる子どもたち』の著者で、小児科医として35年以上、いろいろな親子を見てきた立場から、よくある誤解をほどき、生きる力を伸ばす45の方法を解説します。新書で手に取りやすく、情報過多で苦しくなっている親に向けた一冊です。
こんな人におすすめ
「こうしなきゃ」という情報に追われて、かえって怒ったり悲しんだりしている親。思い込みをリセットして、少し楽になりたい場面。子どもの脳の発達という切り口から、優先順位を引き直したい人。
良い点
- 小児脳科学の視点が明確
- 新書で読みやすい分量
- 誤解を順にほどく構成
気になる点
- 45の方法は概説的
- 声かけの実例は少ない
- 断定の強さに驚く箇所もある
出版社
扶桑社
発売日
2023年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ほめる」「宿題につきそう」「スマホを管理する」って、全部いいことだと思ってました。それが逆効果って、けっこう衝撃です。
佐藤メバル
そこを小児脳科学の立場から断言しているのがこの本です。成田さんは35年以上小児科医をやってきて、親が思ってした行動が結果として子どもに伝わっていない、むしろ害悪になっていることが多いと書いています。
情報過多で理想の子ども像を描き、必死になるほど苦しくなる、と。
橘ナナミ
じゃあ、何をすればいいんですか? 45の方法って、実行するのが大変そうですが。
佐藤メバル
細かい手順というより優先順位の引き直しです。そして最後に、絶対守らなければと思うとまた苦しくなるので、だいたいそういうことね、と思って、と書いてあるのがこの本らしさですね。新書なので気軽に開けますよ。

子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉【「考える子どもに導く7つのステップ〜小学校までに親にできること」DL特典付き】
天野ひかり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,870(税込)
よかれと思ってかけた言葉が、実は子どもの自己肯定感を下げていた——そんなケースが意外と見られる、というところから始まる本です。NHK「すくすく子育て」元司会の天野ひかりさんが、「認める(≠ほめる)」をカギに、自律した子どもが育つ「伸ばす言葉」と、子どものためを思って言ったのに実は否定している言葉の違いを解説します。講座や講演で累計56,000人以上の親子の悩みに接してきた経験がベース。親と子の視点の違いをマンガで見せるので、活字が苦手な人も読み進められます。購入者特典のDL資料も付いています。
こんな人におすすめ
「早くしなさい」「何度言ったらわかるの」と声を荒げたあとに罪悪感が残る親。ゲーム、宿題、片づけ、あいさつなど、具体的な場面で言葉を選び直したいとき。ほめる以外の関わり方を知りたい人。
良い点
- 認めるという軸が明確
- マンガで視点の違いがわかる
- 場面ごとの実例が豊富
気になる点
- 288ページで情報量が多い
- ほめる子育てに慣れた人ほど戸惑う
- 実践には意識的な練習が要る
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「認める」と「ほめる」って、何が違うんですか? 子どもを褒めるのがいいって、さんざん聞いてきたんですけど。
佐藤メバル
天野さんは認める(≠ほめる)をカギに置いています。たとえば、やりたくないならやらなくていいよと言う、あいさつできない子に「おはようございます、でしょ!」と教える。
よかれと思った声かけが響いていないと感じたことはありませんか、という問いから入るんです。
橘ナナミ
う……、あります。そういうときって、じゃあ何て言えばいいんだろうって、固まっちゃいます。
佐藤メバル
そこを埋めるのがこの本の役割です。NHK「すくすく子育て」の元司会で、講座や講演で累計56,000人以上の親子の悩みに接してきた経験がベースになっています。
親と子の視点の違いをマンガで見せてくれるので、頭でわかるだけでなく、すれ違いの形が見える。ボリュームはあるので、気になる章から入るといいですよ。
「ずるい」系と「やらない」系の系譜を横断する
橘ナナミ
「ずるい」系の本、結局どれを選べばいいんでしょう。
佐藤メバル
削る対象が違うんだ。『ずるい子育て』は、親が抱え込んでいる「やること」そのものを削る。『ズルい親ほど子は育つ!』は、親のがんばり方やマインドセットをずらす。『自立した子どもになるためのやらない子育て』は、ゲームやスマホの禁止、通学前の持ち物確認、宿題の手伝いといった具体的な「やらなくていいこと」を並べていく。
橘ナナミ
けっこう細かいところまで「やらなくていい」と言ってくれるんですね。
佐藤メバル
そう。そして岩田かおりの『戦略的ほったらかし教育』は、放任とは違って、親が環境を整えたうえで意思決定を子どもに渡すという設計になっている。手を離す角度が、4冊でそれぞれ違うんだ。
橘ナナミ
じゃあ「全部読む」必要はないんですね。
佐藤メバル
ない。むしろ本自体のタイパを考えよう。目次を見て、今の自分の困りごとに当てはまる章が1つでもあれば、その本は買う価値がある。逆に全章が他人事なら、今の自分にはまだ早い本だということ。
同じ著者の本は買い足すべきか
橘ナナミ
てぃ先生の本が2冊ありますよね。両方いるんでしょうか。
佐藤メバル
役割が違う。『子どもに伝わるスゴ技大全』は、おしたく・お片づけ・お食事といった状況別にいつでもパッと調べられる事典型。『子どもが伸びるスゴ技大全 〇×図鑑』は、マンガで具体的な場面がわかる〇×形式の読み物型なんだ。
橘ナナミ
つまり、辞書として使うか、読み物として通すか。
佐藤メバル
そう。すでに1冊目を辞書として使い倒している人が2冊目を買う価値は、通読して読み物として楽しみたいかどうかで決まる。逆に2冊目から入って、引く用に1冊目を足すのもありだね。アドラー系も同じ構図で、岸見一郎の『叱らない子育て』は叱らない・ほめないという考え方の本、三宅美絵子の『アドラー流子育て 50の習慣』は「勇気づける」を日常の行動に落とす本。理論から入るなら前者、習慣に落とすなら後者だよ。
悩み別の逆引き、エビデンス、そして向かない家庭の話
橘ナナミ
悩みから本を引くとしたら、どう並びますか。
佐藤メバル
声かけで自己肯定感を下げたくないなら『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』、叱るのが止まらないなら『「もう叱りたくない!」と思ったら読む本』、自分の罪悪感がつらいなら『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』、共働きの段取りなら『働く親のためのサバイバルガイド』、ワンオペのモヤモヤなら『ワンオペ育児モヤモヤ脱出ガイド』。情報の取捨選択に疲れたら、江口祐子の『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』で俯瞰する。tomekkoの『神様、もう少しだけ子育て世代に時間をください!』のように、解決より共感が欲しい日に開く本も大事にしたいね。
橘ナナミ
エビデンスの厚さはどう見ればいいですか。
佐藤メバル
『子育てベスト100』は教育学や心理学、脳科学など200以上の資料と取材から厳選した構成、『誤解だらけの子育て』は小児科医としての長い臨床経験から、『情報や感情に振り回されない選択肢』は最新研究をもとに書かれている。一方で「ずるい」「ほったらかし」系は、著者の実践と体験談が根拠の中心。どちらが上ではなく、裏付けを読みたいのか、背中を押してほしいのかで選ぶといい。
橘ナナミ
逆に、合わない人もいますよね。
佐藤メバル
いるよ。まず「やらない子育て」を、安全や健康、最低限の生活リズムまで手放すと誤読してしまう家庭には向かない。アドラー系は考え方を変える本だから、今夜すぐ泣き止ませたい人には即効性が薄い。エッセイは解決策より共感が主目的。『働く親のためのサバイバルガイド』は仕事との両立が前提の設計だから、置かれている状況によっては刺さりにくい章もある。『ワンオペ育児モヤモヤ脱出ガイド』も、パートナーがいるかどうかで効くヒントが変わる。入手は、書き込むなら紙、持ち歩くなら電子、通読型は音声、下見は図書館。中古は書き込みと版の違いだけ確認して。
よくある質問
ずるい子育ては何歳の子どもを持つ親に向いていますか
橘ナナミ
ずるい子育ては何歳の子どもを持つ親に向いていますかについて教えてください。
佐藤メバル
『ずるい子育て』は、就学前から小学生くらいの「あれもこれも」に追われている時期の親に向いています。イヤイヤ期の声かけなら『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』、乳児期から思春期まで一本で追いたいなら『臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました』が年齢の章立てで整理されています。悩みの中心が何歳の時期かで選ぶと外しません。
ずるい子育てとズルい親ほど子は育つはどっちがおすすめですか
橘ナナミ
ずるい子育てとズルい親ほど子は育つはどっちがおすすめですかについて教えてください。
佐藤メバル
削りたいものが「やること」なら『ずるい子育て』、「親のがんばり方やマインドセット」なら『ズルい親ほど子は育つ!』です。前者は親が抱え込んだタスクを取捨選択する方向、後者は育児の捉え方そのものをずらす方向。両方読む必要はなく、今つらいのが手の多さか、心の重さかで選べば十分です。
ずるい子育ては中古と電子版どちらで買うのがお得ですか
橘ナナミ
ずるい子育ては中古と電子版どちらで買うのがお得ですかについて教えてください。
佐藤メバル
書き込みや付箋を使って何度も引くなら紙、スマホで検索しながら読み返すなら電子が向いています。中古は書き込みの有無と版の違いだけ確認しておくと安心です。電子版や音声版が用意されているかはタイトルごとに異なるので、購入前に各ストアで確認するのが確実です。
ずるい子育てを読んでも実践できないときはどうすればいいですか
橘ナナミ
ずるい子育てを読んでも実践できないときはどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
全部やろうとしないことです。目次からいまの困りごとに当てはまる章を1つ選び、そこで紹介されていることを1つだけ試す。それでも動かないなら、環境を整える設計が合っていない可能性があるので、『戦略的ほったらかし教育』や『自立した子どもになるためのやらない子育て』のように手順を示してくれる本に切り替えるのも手です。読了より明日の1アクションを優先してください。
ずるい子育てに批判やデメリットはありますか
橘ナナミ
ずるい子育てに批判やデメリットはありますかについて教えてください。
佐藤メバル
「やらなくていい」というメッセージを、安全や健康、最低限の生活リズムまで手放す意味だと誤読すると危険です。また「ずるい」「ほったらかし」系は著者の実践と体験談が根拠の中心なので、研究の裏付けを重視する人は『子育てベスト100』や『誤解だらけの子育て』のほうが安心できるでしょう。方向性が合わない家庭もあると知ったうえで選ぶのが誠実です。
ずるい子育てと一緒に読むと効果的な関連書はありますか
橘ナナミ
ずるい子育てと一緒に読むと効果的な関連書はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
叱る場面で手が止まらないなら『「もう叱りたくない!」と思ったら読む本』、声かけを具体的に変えたいなら『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』、情報に振り回されて疲れているなら『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』が噛み合います。削る本と足す本を1冊ずつ持っておくと、判断に迷ったときの軸になります。
共働きやワンオペでもずるい子育ては実践できますか
橘ナナミ
共働きやワンオペでもずるい子育ては実践できますかについて教えてください。
佐藤メバル
時間が足りない家庭ほど、「やらないことを決める」発想は効きます。段取りそのものを整えたいなら『働く親のためのサバイバルガイド』が妊娠期から復職、小1の壁までを順に扱い、モヤモヤの整理なら『ワンオペ育児モヤモヤ脱出ガイド』が家庭の状況を分類して必要なヒントを示してくれます。置かれた状況によって刺さる章が違うので、共働き前提かどうかを選書の目安にしてください。
ずるい子育ては図書館で借りられますか、購入すべきですか
橘ナナミ
ずるい子育ては図書館で借りられますか、購入すべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
まずは図書館で借りて、目次と自分の悩みが噛み合うかを確かめるのがおすすめです。何度も引く本、書き込みたい本、手元に置いて家族で共有したい本は購入に向きます。下見は図書館、常用は購入と役割を分けると、本棚が無駄に膨らみません。
まとめ
橘ナナミ
今日の話、けっこう衝撃でした。「ずるい」って、手を抜くことじゃなくて、残すものを決めることなんですね。
佐藤メバル
そう。書店員だった頃、育児書の棚を見ていて思ったのは、どの本も「これをやりましょう」で埋まっているということだった。でも読む人の時間は増えない。だから足し算の本より、引き算の本が刺さるんだろうね。
橘ナナミ
でも、いきなり捨てるって勇気がいります。
佐藤メバル
だから全部捨てなくていい。書店や図書館で目次だけ見て、今の自分の困りごとに当てはまる章が1つでもある本を選ぶ。それで十分なんだ。
橘ナナミ
1冊を最後まで読まなくてもいいんですか?
佐藤メバル
いいんだよ。読み終えることより、明日の朝に1つだけ使えることが大事。理想を全部並べた本を読み切って疲れるより、今日の一皿をつくるほうが価値がある。
橘ナナミ
じゃあ私、まず「やらなくていいこと」を1つ決めてから、本を選んでみます。
佐藤メバル
それが一番ずるい読み方だね。子育て本は、満漢全席のレシピ本じゃない。冷蔵庫にあるもので今日の一皿をつくる献立表みたいなもの。足りない材料を嘆るより、いま手元にある道具を一つ選ぶ。その気軽さが、いちばん子どもに伝わるんだよ。
