大学生向け経済学の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、ちょっと相談いいですか。経済学部の友だちが「教科書が分厚すぎて心が折れた」って言ってて。書店の経済コーナーを見ても、薄い新書から辞書みたいな教科書まであって、どれから手を出せばいいのか分からないんです。
佐藤メバル
いい質問だね。経済の本は、内容の良し悪しより先に読む順番でつまずきやすい。順番さえ合っていれば、同じ1冊がすごく面白く読めるし、逆だとどんな名著でも苦しくなる。
橘ナナミ
順番…。でも、そもそも何を基準に選べばいいんでしょう。
佐藤メバル
起点は「何のために読むか」だね。世の中のニュースを理解したいのか、大学の講義についていきたいのか、資格試験なのか、就活のためなのか。目的が決まれば、難易度も形式も自然に絞られてくる。
橘ナナミ
なるほど…! じゃあ、その軸をひとつずつ教えてもらえますか。
大学生向け経済学の本の選び方
目的別:教養・専門・資格・就活
佐藤メバル
教養として知りたいなら、まずは池上彰さんの『池上彰の経済学入門』。ちくまプリマー新書で、「物の値段はどう決まる?」「金利はどう決まる?」という素朴な問いから入って、市場・貨幣・景気・資本主義まで一気に見渡せる。『池上彰のやさしい経済学[令和新版]1 しくみがわかる』は、アダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマンと、経済学の流れを人物で追える構成だね。
橘ナナミ
名前だけは聞いたことあります。専門として学ぶなら、また違うんですか。
佐藤メバル
うん。専門の入口なら井堀利宏さんの『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』。ミクロとマクロのエッセンスが20項目に整理されていて、1日30分×20項目=10時間という設計が本に明記されている。資格試験を意識する人には、加藤真也さんの『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』が向いている。著者はYouTube「はじめよう経済学」を発信している大学教員で、本書も難しい数学知識は不要とうたっている。
橘ナナミ
資格の勉強をしている人にも効くんですね。就活は?
佐藤メバル
就活なら、経済ニュースを自分の言葉で説明できる状態を目標にしたい。『大学生が出会う経済・経営問題──お金の話から就職活動まで役立つ基礎知識──』のように、学生生活と経済を結びつけてくれる本は、面接の話題づくりにもなるよ。
レベル別:超初心者・初心者・中級者・上級者
佐藤メバル
超初心者は「数式が出てこない本」から。坂井豊貴さんの『ミクロ経済学入門の入門』は岩波新書で、数式は一切なし、シンプルな図だけで均衡理論からゲーム理論、ネットワーク外部性、格差と不平等の測り方まで扱う。著者自身が「入門書にちょっとした革命を起こしたい」と書いている本だよ。
橘ナナミ
数式がないのは安心です…! チャールズ・ウィーランの『経済学をまる裸にする』も、確か図やグラフなしでしたよね。
佐藤メバル
よく覚えてたね。あれは数式もグラフも図もない。英『エコノミスト』誌の元記者が書いていて、ノーベル経済学賞を受賞したゲイリー・ベッカーが推薦している。
橘ナナミ
じゃあ中級は、分厚い教科書の出番ですか。
佐藤メバル
そう。マンキューの『マンキュー入門経済学』、アセモグル/レイブソン/リストの『入門経済学』、クルーグマンの『入門経済学』。この3冊は世界の大学で使われてきた定番で、ミクロとマクロの両方を1冊で見渡せる。上級はここから各分野の専門書に進む感じだね。
形式別:新書・文庫・教科書・専門書・図解
佐藤メバル
持ち歩きやすさで選ぶなら新書。『はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代まで』は講談社現代新書、根井雅弘さんの『入門 経済学の歴史』はちくま新書、依田高典さんの『ノーベル賞で語る──現代経済学──巨人たちの生涯と学説』は中公新書。通学の電車で思想史を1章ずつ、という読み方ができる。
橘ナナミ
文庫もあるんですか?
佐藤メバル
蔭山克秀さんの『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』が角川ソフィア文庫。アダム・スミス『国富論』からマルクス『資本論』まで、50冊の要点を図版つきで整理している。がっちり行くなら有斐閣アルマの『基礎からまなぶ経済学・入門』や、MINERVAスタートアップ経済学の『経済学入門』も選択肢になる。
橘ナナミ
エッセイ集という形もあるんですね。
佐藤メバル
一橋大学経済学部の先生方が書いた『教養としての経済学』は、講義経験をもとにした読み物風のエッセイ集で、「なぜ数学を学ぶのか」「なぜ統計学を学ぶのか」といった章まで入っている。経済学の全体像を先に見たい人に向いているよ。
数学の必要性:不要・高校数学・大学数学
佐藤メバル
ここは正直に分けたほうがいい。数学を使わない本はちゃんとある。『ミクロ経済学入門の入門』は数式なし、『経済学をまる裸にする』も数式・グラフ・図なし、『経済学入門』は中学校レベルの数学で解説と明記されている。『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』も難しい数学知識は不要とされている。
橘ナナミ
じゃあ、数学が必要になるのはどこからですか。
佐藤メバル
標準的なミクロ・マクロの教科書に入ると、需要曲線や効用最大化をグラフで扱うから、高校数学の関数の感覚があると楽になる。さらに上の専門書では微分や統計が要る。だからこそ「数式なしの1冊で全体像」→「グラフを使う教科書」→「数学の補習」の順が挫折しにくい。
橘ナナミ
順番を守るほうが、結局近道なんですね。
学年別:1年・2年・3年・4年
佐藤メバル
1年生は、講義の予習として薄い1冊を。池上彰さんの新書か『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』で、用語に耳が慣れるだけで講義の理解度が変わる。
橘ナナミ
2年生になると、ミクロとマクロが本格化しますよね。
佐藤メバル
うん。2年ではティモシー・テイラーの『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門』のミクロ編・マクロ編がいい。著者はスタンフォード大学とミネソタ大学で「学生が選ぶ講義が上手な教師」の1位を獲得した人で、身近な具体例から説き起こす。3年でマンキューやアセモグル、クルーグマンといった本格教科書、4年では卒論のテーマに合わせて行動経済学や経済思想史へ、という流れが自然だね。
価格帯:~2000円・2000~4000円・4000円以上
橘ナナミ
ひとり暮らしだと、やっぱり値段も気になります…。
佐藤メバル
そこは素直に考えていい。千円前後の新書や文庫は、失敗しても痛くない価格帯だから、まず1冊試すのに向いている。二千円台から三千円台は大学の教科書ゾーンで、ミクロとマクロを1冊で見渡せる本が多い。四千円前後になると本格教科書で、長く使う前提の投資になる。
橘ナナミ
中古で買うという手もありますよね。
佐藤メバル
あるよ。ただ経済学は改訂でデータが新しくなる分野だから、中古なら版を確認すること。新版では図版や用語説明の視認性が高まり、最新のトピックが反映されることもある。古い版で勉強して講義と数字がずれる、というのは書店員時代にもよく聞いた相談だよ。
大学生向け経済学の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
大学生向け経済学の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

東大生が書いたやさしい経済の教科書
東京大学赤門Economist 著|ジェイ・インターナショナル
¥2,113(税込)
「東大生が書いた」というタイトルどおり、学生の目線で経済の基本をやさしく噛み砕いた入門書です。著者は東京大学赤門Economist。敷居の低さが最大の売りで、分厚い教科書にいきなり挑んで心が折れた人の「最初の一冊」に向きます。学者が書いた体系書とは違い、同世代の言葉で語られる点が他書との違い。まず全体の空気に触れてから次の一冊へ進む、という順番が組みやすい本です。
こんな人におすすめ
経済に興味を持ち始めた高校生・大学1年生。経済学部に入る前の予習、教養として流れだけ掴みたい社会人、重い入門書で一度挫折した人の再挑戦にも向きます。
良い点
- 学生目線でとっつきやすい
- やさしい語り口で読み進めやすい
- 最初の一本として取り組みやすい
気になる点
- 基礎中心で応用には別書が必要
- 学術的な厳密さは控えめ
- 次の一冊は自分で探す必要がある
出版社
ジェイ・インターナショナル
発売日
2005年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「東大生が書いた」って、やっぱりすごくレベルの高い内容なんですか? 私、経済はほぼ初めてで、名前だけで身構えてしまいます。
佐藤メバル
名前で身構えなくて大丈夫。東大生の目線で書かれた、経済の基本をやさしく伝える入門書です。学者の体系書というより、同世代の言葉で語ってくれるのが持ち味。
まず全体の空気に触れてから、本格的な教科書に進む。その順番が、いちばん挫折しにくいんですよ。
橘ナナミ
なるほど、最初の一冊に向いてるんですね。じゃあこの本で用語をしっかり覚えればいいんでしょうか?
佐藤メバル
用語の暗記というより、経済を見る目をゆるく慣らすイメージかな。この本で地図を描いてから、二冊目の教科書で精度を上げていく。
最初から完璧を目指さず、読了したという事実を積み上げるほうが、結果的に遠くまで行けます。最初の一冊は、そういう役割で選ぶといいですよ。

この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学
加藤真也 著|かんき出版
¥1,980(税込)
YouTube「はじめよう経済学」で人気の名城大学教授・加藤真也さんによる初の書籍。日本経済の循環と市場の秩序から入り、GDP、45度線分析、貨幣市場と金融政策、IS-LM分析、為替、余剰分析、独占・寡占、情報の非対称性、比較優位までを一続きで見せてくれます。数学知識は不要と明記されているので、数式で止まった人の再入門にも向く一冊です。
こんな人におすすめ
大学の経済学部に入る前の予習をしたい高校生・新入生。資格試験や投資の基礎を固めたい人、社会人になって学び直したい人、独学で全体像を掴みたい人に。
良い点
- ミクロとマクロを1冊で通せる
- 数学知識が不要と明記されている
- 動画講義と往復して学べる
気になる点
- 1冊で完結させず復習が前提
- 独学だと図の読み方に慣れが要る
- より厚い教科書のほうが網羅的
出版社
かんき出版
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ミクロとマクロが同時にわかる」って、欲張りなタイトルですよね。本当に1冊で済むんでしょうか。
佐藤メバル
そこが著者の狙いで、日本経済の循環や市場の秩序から入って、GDP、金融政策、為替、そして需要と供給、独占、情報の非対称性まで一続きで見せてくれます。
動画の講義で人気の先生が、つまずきやすい所を順番に拾っているのが強み。独学の人はここから入ると迷いにくいですよ。
橘ナナミ
数学はどのくらい必要ですか? 私、微分で止まった記憶があって、そこが一番の不安なんです。
佐藤メバル
そこは安心してください。数学知識は不要とうたった本です。45度線分析やIS-LMの図は出てきますが、まず言葉で意味をつかむ設計になっています。
図が苦手なら、意味を先に押さえて後から戻れば大丈夫。順番を変えていいのが独学の強みですから。

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる
井堀利宏 著|KADOKAWA/中経出版
¥1,650(税込)
東大で20年以上教えてきた井堀利宏さんが、ミクロとマクロのエッセンスを20項目に圧縮した一冊。1日30分×20項目で10時間という設計がはっきりしているので、学習の見取り図が立てやすい。所得分配、外部性、不完全情報、景気と失業、インフレとデフレ、経済成長、国際経済まで、大学4年間の講義の骨格を短時間でなぞれるのが持ち味です。
こんな人におすすめ
短期間で経済学の全体像をつかみたい大学生・社会人。試験前の総復習、教養としての学び直し、経済ニュースの前提知識づくり、勉強の計画を立てたい人に。
良い点
- 20項目で全体像をつかめる
- 1日30分の設計で続けやすい
- 東大の講義の骨格に触れられる
気になる点
- 入門ゆえ理論の深掘りは控えめ
- 厚みがなく演習量も多くない
- 詳しい証明は別書に譲る
出版社
KADOKAWA/中経出版
発売日
2015年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「10時間でざっと学べる」って、正直うさんくさい気もするんですけど……本当に身につくものなんですか?
佐藤メバル
うさんくさく聞こえますよね。でも中身は1日30分を20項目、という設計が明記されていて、東大で20年以上教えてきた先生が講義の骨格だけを残した本なんです。
10万部突破という数字も、詰め込み方のうまさの裏づけかなと思います。
橘ナナミ
なるほど、網羅というより骨格なんですね。私みたいに全体が見えていない人間には、むしろ助かりそうです。
佐藤メバル
そう、地図を先にもらう感じ。所得分配や外部性、不完全情報、インフレとデフレまで、名前だけでも頭に入れておくと、あとで読む教科書がぐっと読みやすくなります。
言葉の引き出しを先に作っておく。それがこの本の使い方です。

マンキュー入門経済学(第4版)
N・グレゴリー・マンキュー 著|発行元:センゲージ・ラーニング株式会社 発売元:TKDラーニング/東京化学同人
¥3,960(税込)
世界の大学の講義で長く使われてきたマンキューの教科書の入門版。「経済学の10原則」から始まり、相互依存と交易、需要と供給、弾力性、消費者・生産者・市場の効率性、租税のコスト、国民所得の計測、貨幣とインフレ、総需要と総供給、開放経済まで、標準的な枠組みをまっすぐ積み上げます。目次が体系的で、手元に置いて参照できる安定感があります。
こんな人におすすめ
大学の講義と並走したい経済学部生。独学で標準理論を順番に押さえたい人、レポート執筆で定義に戻りたい人、教員として教材を検討している人にも。
良い点
- 標準理論を順番に積める
- 目次が体系的で迷いにくい
- 辞書的に参照できる厚みがある
気になる点
- 通読するには重い分量
- 価格は入門書としては高め
- 問題演習は別途必要になる
出版社
発行元:センゲージ・ラーニング株式会社 発売元:TKDラーニング/東京化学同人
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マンキューって名前だけは聞いたことがあります。でも分厚いイメージがあって、手を出すのをためらっていました。
佐藤メバル
世界の大学の講義で長く使われてきた教科書です。この入門版は「経済学の10原則」から入って、需要と供給、弾力性、市場の効率性、国民所得の計測、貨幣とインフレ、開放経済まで順番に積み上げる。
辞書みたいに手元に置く使い方が向いています。
橘ナナミ
え、通読するものじゃないんですか? 教科書って最初から最後まで読むものだと思っていました。
佐藤メバル
全部読む必要はありません。講義で扱った章を開いて確認する、レポートを書くときに定義に戻る。そういう使い方で十分価値があります。
ただ分量はしっかりあるので、最初から最後まで通すなら覚悟が要りますね。並走させるつもりでどうぞ。

アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学
ダロン・アセモグル 著|東洋経済新報社
¥3,520(税込)
ノーベル経済学賞のアセモグルら3人による教科書の入門版。フェイスブックがなぜ無料で提供されているのか、という身近な問いから始まり、最適化・均衡・経験主義の3原理と、「根拠に基づく経済学」「データは語る」といったコラムで、データで確かめる経済学を体感させます。理論より経済の理解を優先する設計が、従来の教科書との違いです。
こんな人におすすめ
「なぜそうなるのか」をデータで考えたい学生。ミクロとマクロを一続きで学びたい人、実験経済学や実証の考え方に触れたい人、金融危機以降の内容を押さえたい人に。
良い点
- 3つの原理で考え方が腹に落ちる
- 実データのコラムが豊富
- 理論偏重ではない設計になっている
気になる点
- 通読するには分量が多い
- 章の取捨選択が必要になる
- 価格は入門書としては高め
出版社
東洋経済新報社
発売日
2020年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フェイスブックが無料な理由から始まるって、いきなり面白いですね。経済学の本なのに、身近な話から入るんですね。
佐藤メバル
そこがこの本の狙いなんです。理論を先に覚えるのではなく、現実の現象を経済学で解き明かす。最適化・均衡・経験主義という3つの原理と、データで確かめるためのコラムが随所に入っています。新しい教科書らしい設計ですよ。
橘ナナミ
実験経済学の成果も入っているんですよね。なんだか難しそうで、私に読みこなせるか心配です。
佐藤メバル
難しさより面白さが先に来るタイプです。ただ分量はしっかりあるので、全部を一気にではなく、気になる章から拾う読み方でも十分。
データを見る目を鍛えたい人に向いています。読後には経済の見え方が少し変わっているはずですよ。

クルーグマン 入門経済学
ポール・クルーグマン 著|東洋経済新報社
¥3,740(税込)
ノーベル経済学賞のクルーグマンらによる教科書の入門版。コロナ禍、物価上昇、ロシアによるウクライナ侵攻、第1期トランプ政権の関税政策の帰結など、生きた事例を物語のように読ませるのが「アカデミックエンターテインメント」と呼ばれる所以です。日本版として初めて入門経済学のかたちに凝縮され、初学者が最初に開く教科書として整えられています。
こんな人におすすめ
時事と理論をつなげたい人。ニュースの経済解説を読み解きたい大学生、国際経済や政策の背景を知りたい社会人、コラムを読み物として楽しみたい人に。
良い点
- 最新事例が豊富で読み物として面白い
- ミクロとマクロの要点を凝縮している
- 初学者向けに整えられている
気になる点
- 持ち歩きには重い分量
- 事例の前提知識があると尚良い
- 価格は高めの部類に入る
出版社
東洋経済新報社
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
クルーグマンって、新聞のコラムで見たことがあります。まさか教科書も書いているとは知りませんでした。
佐藤メバル
しかも「アカデミックエンターテインメント」と呼ばれる語り口で、コロナ禍や物価上昇、ウクライナ侵攻、トランプ政権の関税政策まで、物語のように読めるのが特徴です。
日本版として初めて入門経済学のかたちにまとめられた一冊でもあります。
橘ナナミ
事例が新しいのはいいですね。でも分厚いですし、全部読める気がしません……。
佐藤メバル
全部を一気に、でなくていいんです。ニュースで気になった話題に近い章から開いてみる。すると理論が「今の話」として入ってきます。
時事と理論をつなげたい人ほど、この厚さが効いてきますよ。物語を読むつもりで気楽に始めてください。

池上彰の経済学入門 (ちくまプリマー新書, 481)
池上彰 著|筑摩書房
¥880(税込)
池上彰さんが「物の値段はどう決まる?」「お金はどうして価値がある?」といった素朴な問いから、市場、貨幣、景気、資本主義、株式会社、そして新自由主義と格差までを案内する一冊。中学生にも読める新書の語り口で、経済を社会の仕組みとして眺められます。『「見えざる手」が経済を動かす』を完全リニューアルした決定版です。
こんな人におすすめ
経済のキホンから知りたい高校生・大学生。ニュースの用語でつまずきたくない社会人、社会とお金の関係を考えたい人、子どもと一緒に学びたい人にも。
良い点
- 160ページで軽く読める
- 身近な例から説明している
- 880円で試しやすい価格
気になる点
- 深い理論には踏み込まない
- 数式や図はほとんど出てこない
- 物足りなければ次の一冊が必要
出版社
筑摩書房
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「物の値段はどう決まる?」って、聞かれると案外答えられないですね。毎日買い物してるのに。
佐藤メバル
そこがこの本の出発点です。需要と供給、お金の成り立ち、景気、金利、円安と円高、そして資本主義と株式会社まで、身近な問いから順番に進みます。
ちくまプリマー新書なので文体もやさしい。160ページで880円、という入りやすさも魅力ですね。
橘ナナミ
社会主義の失敗や新自由主義の話まで入っているんですか。池上さんらしい切り口ですね。
佐藤メバル
そう、経済を社会の仕組みとして見せてくれる。ワーキングプアや産業の空洞化まで触れますから、ニュースの背景がつながります。
「買い物は投票行動だ」という結びも印象的ですよ。値段の話から始まって、気づけば社会の話をしていた。そういう読後感の本です。
![池上彰のやさしい経済学[令和新版] 1 しくみがわかる](https://img.shelf-y.com/items/20556.jpg)
池上彰のやさしい経済学[令和新版] 1 しくみがわかる
池上彰 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥1,760(税込)
シリーズ累計48万部超の定番を10年ぶりに改訂した令和新版。第1巻はお金とは何かから始まり、需要と供給、アダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマン、そして比較優位まで、経済学者の系譜をたどりながらしくみを解説する構成です。用語解説やイラストが添えられ、学び直しの一冊目としても読みやすく整えられています。
こんな人におすすめ
経済学者の名前と理論を整理したい人。池上さんの入門書で一度学んだ人の更新、大学に入る前の予習、忙しい社会人の学び直し、用語を図で確認したい人に。
良い点
- 48万部の定番を改訂した新版
- 学者の系譜で流れが追える
- 用語解説とイラストが親切
気になる点
- 1巻だけでは完結しない
- 数式による理解は目指さない
- 入門ゆえ深掘りは控えめ
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ池上さんの入門書が2冊あるんですね。正直、どう選べばいいのか分からなくなってきました。
佐藤メバル
プリマー新書のほうは問いから入る一冊、こちらは令和新版のシリーズ第1巻で、お金とは何かから始めて経済学者の系譜をたどる構成です。
アダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマン、比較優位と並んでいくので、理論の流れが頭に残ります。
橘ナナミ
行動経済学まで入っているのは今っぽいですね。昔の本だと思っていたので意外でした。
佐藤メバル
そこが改訂の面白さです。シリーズ累計48万部を超えた定番が10年ぶりに更新されて、用語解説やイラストも付けられました。
学び直しの人には、こちらから入るほうが素直かな。体系の背骨を作るのに向いている一冊ですよ。

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編
ティモシー・テイラー 著|かんき出版
¥1,290(税込)
スタンフォード大とミネソタ大で「学生が選ぶ講義が上手な教師」1位を獲ったティモシー・テイラーによるマクロ編。経済全体を大づかみにする見方を、身近な具体例で説きます。デフレ下の財政政策について「財政政策は痛みをやわらげるだけで、痛みのもとを取り除くことはできない」と切り込む場面は、日本の議論を読むうえでも考えさせられます。
こんな人におすすめ
経済ニュースの政策の話を追いたい大学生・社会人。ミクロ編を読了した人、日本経済の停滞をどう捉えるか考えたい人、大学教授としての腕を見てみたい人に。
良い点
- 講義上手な著者の語り口
- 政策の効果と限界を考えられる
- 手に取りやすい価格帯
気になる点
- ミクロ編の後が推奨順
- 数式による演習は少なめ
- 事例は刊行時点のものになる
出版社
かんき出版
発売日
2013年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マクロ編って、ミクロ編を読んでからじゃないとダメなんでしょうか。順番を守らないと置いていかれそうで不安です。
佐藤メバル
原著は1冊で、日本語版が読者の便宜で2冊に分けられたものです。著者はミクロ編から読む順番を勧めています。
ただ関心が政策や景気にあるなら、マクロ編から入っても十分ついていけます。経済全体を大づかみにするのがマクロの視点ですから。
橘ナナミ
デフレの話も出てくるんですよね。日本のことみたいで、少し他人事に思えません。
佐藤メバル
そこが読みどころです。財政政策について「痛みをやわらげるだけで、痛みのもとを取り除くことはできない」と書いていて、これは日本の議論を読むときにも効く視点なんです。
公共事業で景気を支える発想の限界を、ここで一度考えてみるといいですよ。

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編
ティモシー・テイラー 著|かんき出版
¥1,650(税込)
スタンフォード大とミネソタ大で「学生が選ぶ講義が上手な教師」1位を獲ったティモシー・テイラーのミクロ編。個々の企業や人の経済活動を分析する見方を、身近な具体例を引きながら鮮やかに説きます。監訳者のまえがきには、基礎が身につけば日本の未来シナリオを自分で描けるようになる、という言葉が添えられています。
こんな人におすすめ
大学で経済学をこれから学ぶ新入生。就職活動を控えた学生、世の中の仕組みを教養として知りたい社会人、経済新聞の前の肩慣らしが欲しい人に。
良い点
- 個々の意思決定から考えられる
- 講義上手な著者の具体例が豊富
- シリーズ累計8万部の実績
気になる点
- マクロの視点は別巻に譲る
- 数式やグラフの演習は少なめ
- 日本語版は2冊構成の前半
出版社
かんき出版
発売日
2013年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「学生が選ぶ講義が上手な教師」1位って、その肩書きだけで読みたくなりますね。教え方がうまい人の本は安心できます。
佐藤メバル
実際、説明のうまさが持ち味です。個々の企業や人の行動を分析するミクロの見方を、身近な例で鮮やかに見せてくれます。
監訳者は、基礎が身につけば日本の未来シナリオを自分で描けるようになると書いています。就活前の学生にこそ読んでほしいですね。
橘ナナミ
経済新聞が読めなくて挫折したことがあるので、ちょうど肩慣らしになりそうです。
佐藤メバル
まさにその用途です。基礎がないまま新聞を読むと、ただつらいだけなんですよ。まずこの本で肩慣らしして、それから新聞に戻ると、同じ記事が別物に見えてきます。
順番を変えるだけで、理解の速さがかなり違ってきますから。

基礎からまなぶ経済学・入門 (有斐閣アルマ)
大瀧雅之 著|有斐閣
有斐閣アルマの一冊として、大学の講義で使われることを想定して編まれた入門書。著者は大瀧雅之さんです。タイトルどおり、基礎から順序立てて学ぶことを重視した構成で、講義と並走させる教科書として位置づけられます。独学の最初の一冊というより、授業やゼミの指定テキストとして手元に置くタイプの本。286ページという扱いやすい厚みです。
こんな人におすすめ
大学で経済学の講義を受ける学生。指定テキストとして手元に置きたい人、基礎を順序立てて確認したい人、独学の前に体系の枠組みを知りたい人に。
良い点
- 基礎から順序立てた構成
- 有斐閣アルマの信頼感がある
- 扱いやすい厚みに収まっている
気になる点
- 独学の入口にはやや硬め
- 予習復習の前提知識が要る
- 初学者には文章が淡々としている
出版社
有斐閣
発売日
2009年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、公開されている情報が少ないですね。有斐閣アルマという名前は聞いたことがあるんですが、どんな位置づけなんでしょう。
佐藤メバル
大学の講義で使われる教科書のシリーズです。大瀧雅之さんのこの一冊も、独学の入口というより、講義と並走させる前提で編まれています。
授業で扱った範囲を家で確認する。そういう使い方がいちばん似合う作りですよ。
橘ナナミ
じゃあ、いきなり最初の一冊にするのは向かないんでしょうか?
佐藤メバル
最初の一冊にするなら、図や語り口のやさしい入門を挟んでからのほうが無難です。これはどちらかというと、基礎をきちんと積むための教科書。
ゼミや講義で指定があれば、それに沿って読むのがいちばん確実ですね。位置づけを間違えなければ、心強い一冊になります。

経済学入門 (MINERVAスタートアップ経済学)
中村保 著|ミネルヴァ書房
¥2,860(税込)
ミネルヴァ書房の「スタートアップ経済学」シリーズの入門書。中学校レベルの数学で経済学を解説すると明記されているのが最大の特徴で、マクロとミクロを1冊で網羅しています。著者の中村保さんは、私たちが平均的に豊かな生活を実現している、その原因と仕組みを体系的に整理したのが経済学だ、という立場から書いています。
こんな人におすすめ
数学に苦手意識がある初学者。大学の経済学の予習復習、資格試験の土台づくり、マクロとミクロを同時に押さえたい人、独学で道筋を立てたい人に。
良い点
- 中学数学レベルで読み進められる
- マクロとミクロを1冊で網羅
- 初学者向けと明記されている
気になる点
- 価格はやや高めの設定
- 演習中心の教科書ではない
- 発展的な内容は別書が必要
出版社
ミネルヴァ書房
発売日
2017年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「中学校レベルの数学で経済学を解説」って、私みたいな人間にはありがたい一言です。数学で挫折した経験があるので。
佐藤メバル
そこを明言している入門書は意外と少ないんですよ。マクロとミクロを1冊で網羅しつつ、中学数学で読み切れるように組まれています。
著者は、私たちが豊かになった原因と仕組みを整理したのが経済学だ、という立場から書いている。その姿勢が全体を貫いています。
橘ナナミ
価格は少しお高めですが、1冊で両方カバーできるなら安いものかな、とも思えます。
佐藤メバル
そう考えられるなら価値はあります。ただし演習をがっつり積むタイプではないので、計算問題まで練習したい人は別にワークブックを足すとバランスが取れますよ。
網羅と演習は役割が違うので、そこは分けて考えるのがおすすめです。

大学生が出会う経済・経営問題‐お金の話から就職活動まで役立つ基礎知識‐
信州大学経済学部経済学科 著|創成社
¥1,760(税込)
信州大学経済学部経済学科が編んだ、タイトルどおり大学生の生活に引き寄せた経済・経営の基礎知識。お金の話から就職活動まで、と副題が示すように、教室の外で使うことを意識した構成がうかがえます。学部の教員が学生に向けて書いた一冊なので、独学向けの入門書とは違う距離感が持ち味です。258ページ、1760円。
こんな人におすすめ
これから就職活動を控えた大学生。お金や生活の知識をまとめて押さえたい新入生、経済学部の導入科目の予習をしたい人、学問と生活の接点を知りたい人に。
良い点
- 大学生活に即した題材を扱う
- お金と就活を一続きで学べる
- 手に取りやすい価格帯
気になる点
- 学術的な網羅性は控えめ
- 研究目的の通読には向かない
- 専門書への橋渡しが必要
出版社
創成社
発売日
2012年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「お金の話から就職活動まで」って、経済学の本なのに生活感がありますね。普通の入門書とは雰囲気が違います。
佐藤メバル
そこがこの本の個性です。信州大学経済学部経済学科が、大学生の自分ごととして経済と経営を捉えられるように編んでいる。
独学の入門書とは違って、教室の外で使う知識を意識した距離感なんですよ。
橘ナナミ
私、就活はまだ先ですが、お金の知識は今すぐ欲しいと思っていたところです。
佐藤メバル
それなら十分役に立ちます。学術的な網羅性を求める本ではないので、専門書への橋渡しとして使うのがいいですね。
読み終えたら体系的な教科書に進むと、知識がつながって定着しやすくなります。順番を意識するだけで、同じ本の効き方が変わりますよ。

経済学をまる裸にする: 本当はこんなに面白い
チャールズウィーラン 著|日本経済新聞出版
数式も、グラフも、図もない。それでいて経済学の骨格が身につく全米ベストセラーの入門書です。著者は英「エコノミスト」誌の元記者で、マクドナルドが流行る理由、軍が500ドルのねじ回しを買う話、ダイエットの経済学まで、笑えるエピソードを糸に解き明かします。ノーベル賞のベッカーやマルキールが推薦する一冊でもあります。
こんな人におすすめ
数式とグラフで挫折した経験のある人。読み物として経済学を楽しみたい社会人、通勤や寝る前の読書に経済を足したい人、肩の力を抜いて学びたい人に。
良い点
- 数式もグラフも出てこない
- 読み物として純粋に面白い
- 全米ベストセラーの実績がある
気になる点
- 意外と長い分量になっている
- 体系的な演習はできない
- 理論の厳密さは教科書に譲る
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2014年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「数式もグラフも図もない」って、それで経済学の本として成立するんですか? 逆に不安になってきました。
佐藤メバル
するんですよ、これが。著者は英「エコノミスト」誌の元記者で、笑えるエピソードを糸にして経済学の考え方をほどいていきます。
軍が500ドルのねじ回しを買う話やダイエットの経済学まで出てきて、読み物として純粋に面白い。全米ベストセラーの新版です。
橘ナナミ
ノーベル賞のベッカーさんも推薦しているんですね。それなら信頼できそうです。
佐藤メバル
「苦痛を感じずに楽しく学びたいすべての人に」という推薦文が、この本の性格をすべて語っています。ただ分量はしっかりあるので、持ち歩きより家でゆっくり読む本かな。
通勤の友にするなら電子書籍という手もありますよ。

世の中の見方が変わる経済学: 常識のワナに陥らないために
小峰隆夫 著|東京書籍
¥1,430(税込)
長年、日本の経済情勢と政策を分析してきた小峰隆夫さんが、高校生向けに行った講義を再構成した一冊。常識のワナに陥らないためにという副題どおり、第1章の基本的な考え方から、経済学を学ぶと何が変わるのかを実体験に沿って語り、働くこと、国際経済、そして日本の人口問題までを扱います。192ページ、1430円。
こんな人におすすめ
進路や社会の見方を考え始めた高校生・大学生。経済ニュースを鵜呑みにしたくない人、人口問題を経済の視点で考えたい人、短時間で読み切りたい社会人に。
良い点
- 192ページで読み切りやすい
- 実体験に沿った説明で腹に落ちる
- 人口問題まで踏み込んでいる
気になる点
- 理論の網羅は目指していない
- 数式や図は少なめの構成
- 著者の立場の色合いはある
出版社
東京書籍
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「常識のワナに陥らないために」って副題が刺さります。私、ニュースをそのまま信じがちなので、耳が痛いです。
佐藤メバル
そこがこの本の核です。著者は長年、日本の経済情勢と政策を分析してきた人で、高校生向けの講義を再構成しています。
経済学を学ぶと何が変わるのかを自分の実体験に沿って説明してくれる。第4章の「働く」、第6章の人口問題まで、テーマが生活に近いんです。
橘ナナミ
高校生向けなら、私でもすいすい読めそうですね。難しくないのは助かります。
佐藤メバル
192ページなので一気に読めます。ただ理論を網羅する本ではないので、そこは期待しないこと。世の中の見方を一度疑ってみる、その入口として使うのがちょうどいい。
読み終わったあと、ニュースの受け取り方が少し変わるはずですよ。

教養としての経済学 -- 生き抜く力を培うために
一橋大学経済学部 著|有斐閣
¥1,500(税込)
一橋大学経済学部の教員が、日ごろの講義経験をもとに高校生・大学新入生向けに編んだエッセイ集。TPPの賛否、ギリシャ危機、貧困と制度設計、医療、廃棄物の値段、為替、腎臓移植のマーケットデザイン、平城京の造営費用まで、経済学の入口が横に広いことを見せてくれます。324ページ、1500円。
こんな人におすすめ
経済学で何が学べるのかを先に知りたい高校生・新入生。ゼミや専攻選びに迷う学生、教養として横断的に読みたい社会人、進路の材料を集めたい人に。
良い点
- エッセイ集で読みやすい
- テーマの幅がとても広い
- 手に取りやすい価格帯
気になる点
- 体系的な理論書ではない
- 章ごとに書き手が異なる
- 深掘りは専門書に譲る
出版社
有斐閣
発売日
2013年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
目次に「なぜギリシャを日本が助けなければならない?」とか「腎臓移植で考えるマーケットデザイン」とか、経済学っぽくない題が並んでいて面白いですね。
佐藤メバル
そこがこの本の良さです。一橋大学経済学部の教員が講義経験をもとに書いたエッセイ集で、経済学の入口はこんなに広いと教えてくれます。
医療、廃棄物の値段、平城京の造営費用まで出てくる。高校生・大学新入生向けにやさしく書かれていますよ。
橘ナナミ
理論書じゃないなら、気になる章から読んでも大丈夫ですか? 最初から順番に読む必要はありますか?
佐藤メバル
大丈夫です。エッセイ集なので、興味のある章からどうぞ。ただし体系的な理論は別書で補う必要があります。
専攻やゼミを選ぶ前に、この広さに触れておくと視野が決まりやすいですよ。順番に読むより、目次で気になった題から入るのが楽しい読み方です。

新・教養としての経済学: より良い未来を選択するために (単行本)
一橋大学経済学部 著|有斐閣
¥2,200(税込)
一橋大学経済学部の教員が「経済学とはどんな学問なのか」をやさしく解説する一冊。ロジック、データ分析、歴史的視点の3つを通じて問題の本質に迫る構成で、前著から選びとるための羅針盤へと踏み込んだ新版です。自律的に物事を判断し、より良い未来を選びとる。その狙いがはっきり打ち出されています。342ページ、2200円。
こんな人におすすめ
経済学を判断の道具として使いたい人。データと歴史の両方から考えたい学生、前著を読んだ人の続編として、仕事で意思決定を担う社会人にも。
良い点
- ロジック・データ・歴史の3視点
- 前著より踏み込んだ内容
- 判断力を鍛える狙いが明確
気になる点
- 前著より価格が上がっている
- エッセイ集の性格は残る
- 理論書としては別途必要
出版社
有斐閣
発売日
2025年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「教養としての経済学」と「新・教養としての経済学」、両方あって迷います。新しいほうを買えばいいんでしょうか。
佐藤メバル
前著が入口を広く見せるエッセイ集だとすれば、新しいほうはロジック、データ分析、歴史的視点の3つを通して、より良い未来を選びとるための考え方に踏み込んでいます。
副題どおり、判断の羅針盤を目指した一冊ですね。
橘ナナミ
なるほど、続編というより一段深い版なんですね。順番に読むべきか悩みます。
佐藤メバル
そう捉えると分かりやすいです。ただ価格は上がっていますし、エッセイ集の性格も残っています。まず前著で広さに触れて、物足りなくなったらこちらに進む。
その順番でも十分ですよ。どちらから入っても、判断の材料が増えるのは間違いありません。

経済の論点がこれ1冊でわかる 教養のための経済学 超ブックガイド88
飯田泰之 著|亜紀書房
¥1,760(税込)
飯田泰之さんをはじめとする専門家が、景気、格差・貧困、雇用・教育、国際経済、社会保障、地域経済、人口減少・高齢化、環境問題、先進技術、統計、経済学史、経済理論の12トピックで、必読書88冊を案内しながら考え方を解説します。冒頭には飯田泰之・井上智洋・松尾匡の座談会も収録。読書案内として稀有な一冊です。
こんな人におすすめ
次に何を読むかを決めたい人。テーマ別に本を選びたい大学生、経済学の全体を見渡してから絞り込みたい社会人、ゼミの副読本を探す人に。
良い点
- 88冊の読書案内が付く
- 12トピックで整理されている
- 座談会で入口が見える
気になる点
- 1冊ごとの解説は短め
- 理論の自学には向かない
- 読みたい本が増えすぎる
出版社
亜紀書房
発売日
2020年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
88冊ってすごい数ですね。読みたい本が増えすぎて、逆に困ってしまいそうです。
佐藤メバル
それこそがこの本の役割なんです。景気、格差、雇用、社会保障、環境、統計、経済学史……と12のトピックごとに、その道の専門家が必読書88冊を解説つきで並べている。
次に何を読むか迷ったときの地図になりますよ。
橘ナナミ
冒頭に座談会が入っているのもいいですね。いきなり本のリストだと圧倒されてしまいそうです。
佐藤メバル
飯田泰之さん、井上智洋さん、松尾匡さんが「経済学入門、最初の一歩」を話していますから、そこから入るとスムーズです。
1冊ずつの解説は短めなので、理論を自分で学ぶ本ではなく、読書の道しるべとして使ってくださいね。

経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる (角川ソフィア文庫)
蔭山克秀 著|KADOKAWA
¥1,100(税込)
カリスマ予備校講師・蔭山克秀さんが、アダム・スミス『国富論』からマルクス『資本論』、現代の傑作まで、経済学の名著50冊の要点を1冊にまとめた文庫です。図版をまじえて、著者の人となりや誕生した時代背景まで解説するので、分厚い原典に挑む前の下見に向きます。352ページ、1100円という入りやすさも魅力です。
こんな人におすすめ
名著に挑む前の下見をしたい人。受験や教養のために人名と書名を整理したい学生、文庫で気軽に持ち歩きたい社会人、積読の前に全体像を知りたい人に。
良い点
- 50冊の要点を1冊で把握
- 図版と人物像が添えられる
- 文庫で手頃な価格
気になる点
- 原典そのものは読めない
- 1冊あたりの分量は限られる
- 入門の入門という位置づけ
出版社
KADOKAWA
発売日
2022年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
予備校の先生が書いた名著ガイドって、基本的には受験生向けなんでしょうか? 私でも読めますか?
佐藤メバル
受験指導で「わかりやすい表現」を追い続けてきた人だからこそ、50冊の要点を図版つきで整理できているんです。
国富論も資本論も、著者の人となりや時代背景と一緒に紹介されるので、人名と書名が記憶に残ります。受験生以外が読んでも十分面白いですよ。
橘ナナミ
原典を読む前に、こういう本で下見するのは効率が良さそうですね。
佐藤メバル
まさに下見の本です。いきなり国富論を開いて心が折れるより、先に全体像を掴んでから挑む。そのほうが原典も読み通しやすくなります。
ただ1冊あたりの分量は限られるので、そこは割り切りましょう。文庫という手軽さが、この本の大きな味方です。

はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代まで (講談社現代新書 2482)
中村隆之 著|講談社
¥990(税込)
「よいお金儲けを促進し、悪いお金儲けを抑制する、それが経済学の本質だ」——この一線から、アダム・スミス、ミル、マーシャル、マルクス、ケインズの格闘を描く経済思想史です。富の所有者が経済の主役から降りていくという一筋のストーリーで、本流と傍流を対比させながら、経済学の歴史を1冊で見渡せます。232ページ、990円。
こんな人におすすめ
「経済学とは何か」を思想から知りたい人。人名だけで覚えてきた理論を腹に落としたい学生、社会とお金の関係を考えたい社会人、新書で気軽に始めたい人に。
良い点
- 思想史を1冊で見渡せる
- ストーリーで流れが頭に入る
- 990円で試しやすい価格
気になる点
- 実践的な計算は扱わない
- 人名の前提知識があると尚良い
- 理論の網羅は目指さない
出版社
講談社
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「よいお金儲けを促進し、悪いお金儲けを抑制する」って、ずいぶん思い切った言い方ですね。経済学の本でそんな言葉が出てくるとは。
佐藤メバル
その一線がこの本の背骨です。アダム・スミスからミル、マーシャル、マルクス、ケインズまで、富の所有者が主役から降りていくという一本のストーリーで描いていく。
本流と傍流を対比させるので、思想史が物語として読めますよ。
橘ナナミ
人名だけを覚えていたので、そういう見方があると助かります。年表の暗記で終わっていました。
佐藤メバル
人名の暗記から抜けたい人にちょうどいい。ただ計算や実践の話は扱いませんから、そちらは別の入門書で補うことになります。
990円でこの景色が見られるのはお得ですよ。思想の流れを知ると、教科書の定義も立体的になりますから。

入門 経済学の歴史 (ちくま新書 837)
根井雅弘 著|筑摩書房
¥880(税込)
ちくま新書から出ている、経済学の歴史をたどる入門書です。著者は根井雅弘さん。時代の流れに沿って学説と人をたどり、新書サイズで通読しやすいようにまとめられています。250ページ、880円という手軽さで、思想史の本と並べて読むと理解が深まるタイプの一冊。理論の演習というより、来歴を知るための本です。
こんな人におすすめ
経済学の来歴を押さえたい人。人名と学説を時代順に整理したい学生、新書で気軽に学び直したい社会人、思想史の相棒を探している人に。
良い点
- 新書サイズで通読しやすい
- 880円で手が出しやすい
- 思想史の相棒になる
気になる点
- 現代の実践的な話は少ない
- 理論の演習は扱わない
- 著者の視点に沿う部分がある
出版社
筑摩書房
発売日
2010年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「はじめての経済思想史」と「入門 経済学の歴史」、似たタイトルで混乱します。どう違うんでしょう。
佐藤メバル
どちらも歴史をたどる本ですが、こちらはちくま新書で250ページ、880円。新書サイズで通読しやすいのが持ち味です。
時代順に人名と学説を整理したいときの相棒になりますよ。
橘ナナミ
理論の勉強というより、流れを掴むための本なんですね。それなら私にも読めそうです。
佐藤メバル
そう、来歴を知る本です。実践的な計算は扱いませんが、経済学がどう育ってきたかを知ると、教科書の定義が急に立体的に見えてきます。
思想史の本と並べて読むと、同じ時代を別の角度から見られて面白いですよ。手軽さがいいですね。

ノーベル賞で語る-現代経済学-巨人たちの生涯と学説 (中公新書)
依田高典 著|中央公論新社
¥1,375(税込)
1968年に創設されたノーベル経済学賞を軸に、現代経済学の潮流を一望する一冊。当初は計量経済学や一般均衡理論などの基礎理論、70年代はシカゴ学派、その後はゲーム理論、行動経済学、貧困問題や気候変動の実証分野へ。サミュエルソンからアセモグルまで44人の巨人の生涯と学説をたどります。384ページ、1375円。
こんな人におすすめ
経済学の現在地を知りたい人。行動経済学やゲーム理論の背景を押さえたい学生、経済学者の名前と業績を整理したい社会人、教養として人名に強くなりたい人に。
良い点
- 賞の歴史で潮流が追える
- 44人をまとめて把握できる
- 学説と生涯を同時に読める
気になる点
- 読みごたえのある分量
- 数式による理解は目指さない
- 人物の好みで偏りが出るかも
出版社
中央公論新社
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ノーベル経済学賞って1968年創設なんですね。もっと古いものだと思っていました。
佐藤メバル
そう、比較的新しい賞です。この本はその賞を軸に、当初は計量経済学や一般均衡理論、70年代はシカゴ学派、その後ゲーム理論、行動経済学、貧困、気候変動へ、と現代経済学の潮流を一望させてくれます。
サミュエルソンからアセモグルまで44人です。
橘ナナミ
44人もいると、名前と業績がごっちゃになりそうですが、そこは大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
そこを賞の年ごとに並べてくれるのがありがたいんですよ。人物の生涯と学説をセットで読むと、記憶に残りやすくなります。
行動経済学の話の背景を知りたい人には、特に効きますね。人名の引き出しを一気に増やしたい人におすすめです。

行動経済学が最強の学問である
相良奈美香 著|SBクリエイティブ
¥1,870(税込)
15万部突破のベストセラー。ナッジ理論、システム1とシステム2、プロスペクト理論から、身体的認知、アフェクト、不確実性理論、パワー・オブ・ビコーズまで、主要理論を初めて体系化した一冊です。世界のトップ企業が行動経済学を学んだ人材を奪い合い、大学が学部を新設している現在地から、認知・状況・感情の3つの入口で意思決定を読み解きます。
こんな人におすすめ
ビジネスで人の意思決定を扱う人。マーケティングや商品設計に関わる社会人、行動経済学を一度挫折した人の再挑戦、就活前の学生にも。
良い点
- 主要理論が体系化されている
- 認知・状況・感情で整理される
- 実績ある読みやすい一冊
気になる点
- 入門書としては分量が多め
- 実務への応用は自分で考える
- 学術的な厳密さは論文に譲る
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「最強の学問」って言い切るタイトル、強いですね。でも行動経済学っていま、就活でも話題ですよね。
佐藤メバル
世界のトップ企業が行動経済学を学んだ人材を奪い合っていて、大学も学部を新設している、というのが今の状況です。
ただ理論が新しいぶん、これまで体系化されていなかった。それを主要理論として整理したのがこの本の売りなんです。
橘ナナミ
ナッジ理論とかプロスペクト理論とか、名前だけは聞いたことがあります。断片的な知識しかありません。
佐藤メバル
システム1とシステム2、プロスペクト理論、アフェクト、不確実性理論まで、認知・状況・感情の3つに分けて並べてくれます。
丸暗記ではなく本質から掴みたい人はここから。15万部読まれているのも納得の読みやすさですよ。

大学4年間の行動経済学が10時間でざっと学べる
阿部誠 著|KADOKAWA
¥1,650(税込)
「人は超合理的にふるまう」というホモエコノミカスの仮定を出発点に、実際の人間はほどよく合理的で、ほどよく自制的で、ほどよく利己的だ、というところから行動経済学を立ち上げる一冊。現象の描写・メカニズム・実社会への適用という3部の流れで、理論が使われる場面まで見渡せます。232ページ、1650円。
こんな人におすすめ
行動経済学を短時間で全体像まで掴みたい人。心理学と経済学の橋渡しに関心がある学生、実務で応用したい社会人、従来の経済学との違いを知りたい人に。
良い点
- ホモエコノミカスから丁寧に説明
- 現象・理論・応用の流れが明快
- 学習の見通しを立てやすい
気になる点
- 深掘りには別書が必要
- 数式による理解は目指さない
- 入門の後の一冊を探す必要
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ホモエコノミカス」って聞き慣れない言葉です。どういう意味なんでしょうか?
佐藤メバル
従来の経済学が前提にしてきた「超合理的で、超自制的で、超利己的な人」のことです。この本はそこから始めて、実際の人間はほどよく合理的で、ほどよく自制的で、ほどよく利己的だ、という地点に降りてきます。
心理学で生身の行動を解き明かすのが行動経済学ですね。
橘ナナミ
現象の話、理論の話、応用の話、と3つに分かれているんですね。流れが見えると読みやすそうです。
佐藤メバル
そう、第1部の基本のあと、現象の描写、メカニズムの説明と理論、実社会への適用と続きます。全体を見渡せる設計なので、まず地図が欲しい人に向いています。
深掘りは次の一冊でどうぞ。手を動かすより、流れを掴むタイプの本ですよ。

ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書)
坂井豊貴 著|岩波書店
¥968(税込)
ミクロ経済学のつまずき——無差別曲線、限界効用、ナッシュ均衡——の手前で読む「入門の入門」。数式は一切なしで、シンプルな図だけを使って基本を説明し、タテ書きの新書をくだけた文章で進みます。標準的な均衡理論からゲーム理論、ネットワーク外部性、格差と不平等の測り方まで触れられるのが驚きです。176ページ、968円。
こんな人におすすめ
ミクロ経済学の授業でつまずいた学生。経済学に興味を持ち始めた高校生、学び直しの前に全体像をつかみたい社会人、薄い本で完読感を得たい人に。
良い点
- 数式なしで基本が掴める
- 短時間で読み切れる分量
- ゲーム理論や格差まで触れる
気になる点
- 問題演習は載っていない
- 厳密な証明は扱わない
- 物足りなければ教科書が必要
出版社
岩波書店
発売日
2017年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「入門の入門」って、逆に不安になるタイトルです。ミクロ経済学って、そんなに難しいんですか?
佐藤メバル
無差別曲線、限界効用、ナッシュ均衡……と、入門書でいきなりつまずく人が多いんですよ。だから最初の一段をもう一段下げた本がこれ。
数式は一切なしで、シンプルな図とくだけた文章だけで進みます。第1章は「僕はコーラが好きだ」から始まります。
橘ナナミ
176ページで、ゲーム理論や格差の話まで入っているんですか。本当に薄いのに、詰まっていますね。
佐藤メバル
そこが著者の狙いで、標準的な均衡理論からネットワーク外部性、格差と不平等の測り方まで扱っています。薄いからこそ完読しやすい。
ミクロで挫折した人は、分厚い教科書に戻る前に、ここで息を整えるといいですよ。読み終えたときの充実感も味わえます。
独学の学習ロードマップ──読む順番と、挫折しないための目安
橘ナナミ
独学だと、何から読めばいいか余計に迷いそうです。
佐藤メバル
ロードマップはシンプルでいい。第1段階は「言葉に慣れる」。池上彰さんの新書や『経済学をまる裸にする』のように数式の出てこない本で、市場・貨幣・景気・金利といった言葉を自分のものにする。第2段階でミクロとマクロの骨格を1冊に。『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』や『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』がここ。第3段階でマンキュー、アセモグル/レイブソン/リスト、クルーグマンといった教科書に入る。
橘ナナミ
途中で分からなくなったら、戻っていいんですか。
佐藤メバル
むしろ戻るのが正解。分からない章が出たら、同じテーマを『ミクロ経済学入門の入門』のような薄い本で読み直す。読み終えることより、つながりを取り戻すことのほうが大事なんだ。
橘ナナミ
読了時間の目安ってあるんでしょうか。
佐藤メバル
「大学4年間」シリーズは1日30分×20項目=10時間という設計を本に明記している。ああいう設計はありがたいよね。薄い新書なら通学の数日、分厚い教科書は1章ずつ数週間、という感覚でいい。1日10ページと決めれば、講義のある学期でも続く。
講義・シラバスとの連携と、海外の教科書という視点
橘ナナミ
大学の講義と、市販の本はどうつなげればいいんでしょう。
佐藤メバル
まずシラバスを見て、指定教科書の著者名を確認する。同じ著者の入門書が市販されていることが多いから、講義の補助線として使える。有斐閣アルマの『基礎からまなぶ経済学・入門』や、ミネルヴァ書房の『経済学入門』、一橋大学経済学部の『教養としての経済学』のように、大学の先生方が講義経験をもとに編んだ本は、講義との相性がいい。
橘ナナミ
海外の教科書が多いのも、経済学ならではですよね。
佐藤メバル
そう。マンキュー、アセモグル/レイブソン/リスト、クルーグマンは世界的に使われてきた教科書で、日本語訳が出ている。世界の標準的な説明の順番に触れておくと、海外のニュースや論文を読むときの土台になる。クルーグマンの本はコロナ禍や物価上昇、ウクライナ侵攻といった事例から学べるように更新されているよ。
橘ナナミ
国際的な視点、大事ですね。
電子書籍・最新版・中古書、そしてレビューの読み方
佐藤メバル
分厚い教科書は電子書籍が便利。検索できるから、用語を後から引くのに向いている。逆に新書は紙のほうが読み返しやすい。最新版かどうかは、版と発行元の案内で必ず確認して。教科書は改訂で内容が更新される。
橘ナナミ
中古はどう使い分けましょう。
佐藤メバル
古い版でもよければ中古は強い味方。書き込みの有無や状態が商品説明に書かれているから、そこを読んで判断する。価格帯でいえば、新書・文庫は試しやすく、教科書は長く使う投資として考える。そしてレビューは「自分と同じ立場の人が書いているか」で読む。経済学部生・資格受験者・社会人の学び直しでは求めるものが違うからね。
橘ナナミ
同じ本でも、読む人によって評価が変わるんですね。
よくある質問
経済学部1年生におすすめの経済学の本は?
橘ナナミ
経済学部1年生におすすめの経済学の本はについて教えてください。
佐藤メバル
講義の予習として薄い1冊から始めるのがおすすめです。池上彰さんの『池上彰の経済学入門』は「物の値段はどう決まる?」「金利はどう決まる?」といった素朴な問いから入り、市場・貨幣・景気・資本主義まで見渡せます。用語に耳が慣れるだけで1年生の講義の理解度が変わり、読了の実感が次の1冊につながります。
経済学を独学で学ぶにはどの本から始めればいい?
橘ナナミ
経済学を独学で学ぶにはどの本から始めればいいについて教えてください。
佐藤メバル
「言葉に慣れる→骨格をつかむ→本格教科書」の3段階が挫折しにくい順序です。最初は『経済学をまる裸にする』のように数式もグラフも図もない本、次に『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』や『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』でミクロとマクロの骨格を1冊に。そのうえでマンキュー、アセモグル/レイブソン/リスト、クルーグマンの教科書へ進みます。
ミクロ経済学とマクロ経済学の定番教科書は?
橘ナナミ
ミクロ経済学とマクロ経済学の定番教科書はについて教えてください。
佐藤メバル
世界的に使われてきた定番は、マンキューの『マンキュー入門経済学』、アセモグル/レイブソン/リストの『入門経済学』、クルーグマンの『入門経済学』です。いずれもミクロとマクロの両方を1冊で見渡せる構成で、日本語訳が出ています。アセモグルらの本は「最適化」「均衡」「経験主義」という3つの原理と、現実のデータを扱うコラムが特徴です。
数学が苦手でも読める経済学の本は?
橘ナナミ
数学が苦手でも読める経済学の本はについて教えてください。
佐藤メバル
数式を使わない本はしっかりあります。坂井豊貴さんの『ミクロ経済学入門の入門』は数式は一切なしでシンプルな図だけ、チャールズ・ウィーランの『経済学をまる裸にする』は数式もグラフも図もありません。『経済学入門』は中学校レベルの数学で解説、加藤真也さんの『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』も難しい数学知識は不要とされています。
経済学の勉強に役立つ新書は?
橘ナナミ
経済学の勉強に役立つ新書はについて教えてください。
佐藤メバル
通学や電車の時間に読むなら新書が便利です。『はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代まで』は講談社現代新書、根井雅弘さんの『入門 経済学の歴史』はちくま新書、依田高典さんの『ノーベル賞で語る──現代経済学──巨人たちの生涯と学説』は中公新書。思想史や学説史を1章ずつ読むと、教科書の背景が見えてきます。
行動経済学を学ぶのにおすすめの本は?
橘ナナミ
行動経済学を学ぶのにおすすめの本はについて教えてください。
佐藤メバル
体系から入るなら相良奈美香さんの『行動経済学が最強の学問である』。「ナッジ理論」「システム1 vs システム2」「プロスペクト理論」などの主要理論を整理して解説しています。大学の講義に近い形で学ぶなら、阿部誠さんの『大学4年間の行動経済学が10時間でざっと学べる』が、ホモエコノミカスとの違いから現象の描写、理論、実社会への適用までを4部構成で扱います。
経済学の名著で初心者でも読めるものは?
橘ナナミ
経済学の名著で初心者でも読めるものはについて教えてください。
佐藤メバル
原典そのものをいきなり読むのは大変なので、案内役の本から入るのが現実的です。蔭山克秀さんの『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』は、アダム・スミス『国富論』からマルクス『資本論』まで50冊の要点を図版つきで整理しています。『はじめての経済思想史』と合わせて読むと、名著が生まれた時代背景までつながります。
大学の授業についていくための参考書は?
橘ナナミ
大学の授業についていくための参考書はについて教えてください。
佐藤メバル
まずシラバスで指定教科書の著者名を確認し、同じ著者の入門書を補助線として使うのが近道です。大学の先生方が講義経験をもとに編んだ『基礎からまなぶ経済学・入門』、MINERVAスタートアップ経済学の『経済学入門』、一橋大学経済学部の『教養としての経済学』は講義との相性がよく、分からない章が出たら薄い入門書に戻って読み直すと理解が戻ります。
まとめ
橘ナナミ
今日の話でいちばん刺さったのは「目的が先、本は後」というところでした。私、本屋に行くといつも表紙から選んでいたので。
佐藤メバル
それでいいんだよ、入口は。ただ、経済の本は目的を決めると迷いが減る。ニュースを読みたいのか、講義に追いつきたいのか、資格なのか、就活なのか。決まれば、薄い新書1冊から始めればいい。
橘ナナミ
浅く広く→骨格→本格、の3段階も覚えておきます。いきなり分厚い教科書を買って、3ページで寝てしまう未来が見えるので…。
佐藤メバル
その未来は、僕も書店員時代に何度も見てきたよ。だから最初の1冊は薄くていい。読了の実感が、次の1冊を連れてくるからね。
橘ナナミ
では最後に、大学生の読者にひとことお願いします。
佐藤メバル
経済学の学びは、複利で増えるお金に少し似ている。1年生の春に読む薄い新書は、その時点では小さな元本にしか見えない。でも講義でミクロを習い、ニュースで金利を見て、3年生で専門書を開いたとき、最初の1冊が効いてくる。元本が小さいうちに始めた人ほど、4年後の差は大きい。まず今日、1冊。
橘ナナミ
元本、入れます…!
