経済学をやさしく学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、相談があります。「経済学 簡単 本」で検索したら、漫画の入門書から分厚い教科書まで山ほど出てきて、どれが自分に合うのか全然わからなくなってしまって。私、経済学は高校の公民で少し触ったくらいなんです。
佐藤メバル
いい質問だね。まず伝えておきたいのは、経済学の本の「やさしさ」には種類があるということ。文章がやさしい本、図がやさしい本、話の順番がやさしい本は、それぞれ別物なんだ。たとえば『池上彰の経済学入門』は、物の値段はどう決まるのか、お金にどうして価値があるのか、という素朴な問いから始まる。文章で読ませるタイプのやさしさだね。
橘ナナミ
なるほど! じゃあ、図で理解したい人は『小学生でも理解できる グラレコで学ぶ経済本』のような本がいいんですか?
佐藤メバル
そう。あれはグラレコ、つまり絵と図で情報を整理する手法で、ブロックチェーンやSDGsまで含めた用語を視覚的に並べている。ただ図で「わかった気持ち」になると、用語の定義が抜け落ちやすい。そこを新書で埋めるのが次の一手だよ。書店員時代、入門書を何冊も読んだのに教科書の第1章でつまずく人を何人も見てきたから、この往復は本当に大事なんだ。
橘ナナミ
わかった気持ち、心当たりがあります……。じゃあ教科書は、最初から手を出さないほうがいいんでしょうか?
佐藤メバル
ゴール次第だね。「ニュースの経済用語がわかるようになりたい」なら新書で足りる。「需要曲線がなぜ右下がりなのかを説明したい」なら、大学で扱う順番どおりに並べた本が必要になる。順位を競う話ではなく、その本が誰のどの場面に効くか、の話なんだ。
経済学をやさしく学べる本の選び方
目的別で選ぶ
橘ナナミ
目的別だと、どう分ければいいんでしょう?
佐藤メバル
大きく四つ。純粋な教養なら『高校生のための経済学入門[新版]』、ビジネス活用なら『No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい経済の本』、大学の講義や単位なら『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』、資産形成の下地なら『スタバではグランデを買え!』だね。最後の一本は値段の仕組みから経済学に入る本で、投資の前に「価格の見方」を仕込むのに向いている。
橘ナナミ
『スタバではグランデを買え!』って、タイトルだけでは経済学に見えないです。
佐藤メバル
そこが入口なんだ。生活の裏側を値段から覗く本で、読み物としても軽い。もっと砕けたものがよければ『経済学なんて教科書だけでわかるか!!…でもちょっと知りたいかも。』がある。ゲームや芸能ネタを例に出す豪快さで、最初の一歩のハードルを限界まで下げてくれる。
レベル別で選ぶ
橘ナナミ
レベル別の三段階、具体的に知りたいです。
佐藤メバル
完全ゼロは漫画と図解。『東大生がつくった マンガ やさしい経済学入門』、『まんがと図解でわかる 経済学のキホン』、『池上彰のマンガでわかる経済学〈1〉 経済のしくみ』あたりだ。次が新書・文庫で『池上彰のやさしい経済学(1)しくみがわかる』や『知識ゼロからの経済学入門』。最後が教科書寄りで、『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』や『大学で履修する入門経済学が1日でつかめる本』になる。
橘ナナミ
『まんがと図解でわかる 経済学のキホン』は思想史ですよね。最初に読んで大丈夫なんですか?
佐藤メバル
むしろ良い入口だと思う。アダム・スミス、マルクス、ケインズ、ロールズといった人物の主張を、まんがと図解で並べている。経済学は人名が先に立つ学問だから、名前と主張の地図を先に持っておくと、後の教科書がぐっと読みやすくなる。逆に、この地図なしで数式から入ると、誰が何のために言っているのか見えなくなってしまう。
形式別で選ぶ
橘ナナミ
電子書籍や音声でも大丈夫ですか?
佐藤メバル
図や表を参照する場面が多い本は、紙か、図を拡大できるタブレットが向いている。ただ『経済学をまる裸にする』は数式もグラフも出てこない構成だから、音声でも案外ついていける。通勤時間を活かしたい人は、そういう本から試すといい。
橘ナナミ
数式もグラフもない経済学の本って、逆に珍しい気がします。
佐藤メバル
珍しいよ。新聞記者出身の著者が、マクドナルドが流行る理由や、軍が高いねじ回しを買う理由といった話題で、経済学の考え方を笑いながら覚えさせる作りになっている。数式が苦手な人には、こういう逃げ道があると知っておくだけで気が楽になるはずだ。
読了コストと入手性で選ぶ
橘ナナミ
読み切れるかどうかも不安です。目安はありますか?
佐藤メバル
薄さで選ぶなら『池上彰の経済学入門』『まんがと図解でわかる 経済学のキホン』『小学生でも理解できる グラレコで学ぶ経済本』は200ページを切る。通勤の往復で1週間、という感覚だね。逆に『イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章』や『経済学をまる裸にする』は読み応えがあり、仕上げまで数週間を見込む。最初の1冊は薄いほうがいい。
橘ナナミ
図書館で借りるのはありですか?
佐藤メバル
入門書は借りて、何度も戻る本だけ手元に置く、でいいと思う。ただ書き込みながら読むと定着が違うから、教科書寄りの本や索引を引く本は持っていたほうがいい。文庫や新書は手に取りやすい値ごろ感なので、最初の一冊は気軽に選ぼう。
著者の立場と学習ゴールで選ぶ
橘ナナミ
著者が日本人か海外の人かで、読みやすさは変わりますか?
佐藤メバル
変わる。海外の定番教科書は翻訳の文体が硬く、大学の講義で指定される前提で書かれているので、独学の1冊目には向かない。日本の学者が書いた本か、日本人向けに編集された本から入り、必要になったら定番教科書へ進む。この順番が現実的だよ。
橘ナナミ
ゴール設定も大事なんですね。
佐藤メバル
大事。用語をニュースで使いこなせればいいのか、グラフを自分で動かせるようになりたいのか。後者なら『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』のように、ミクロとマクロを項目で並べた本で全体像を作る。前者なら『世界一やさしい 経済の教科書1年生』のように、値段・給料・景気・為替という身近な問いの順に読める本が向いている。
経済学をやさしく学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
経済学をやさしく学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

池上彰の経済学入門 (ちくまプリマー新書, 481)
池上彰 著|筑摩書房
¥880(税込)
『「見えざる手」が経済を動かす』を完全リニューアルした一冊。コーヒー1杯の値段が需要と供給で決まる話から、ただの紙がなぜお金になるのか、景気とインフレ、社会主義の失敗、新自由主義、株式会社の仕組みまで8章で経済の全体像をなぞる。Q&A形式で問いを立てて進むので、素朴な疑問がそのまま章の入口になる。160ページと薄く一気に読めるのに、最後は「買い物は投票行動だ」と読者の行動に着地する構成が鮮やかだ。
こんな人におすすめ
経済ニュースを何となく眺めているが用語でつまずく人、高校生や大学1年生のように初めて体系的に学ぶ人、池上彰の解説で世の中の仕組みから理解したい人。通学・通勤の合間に一冊読み切る入門として、また子どもに経済を説明する前の親の予習にも向く。
良い点
- 薄さで最後まで読み切れる
- 問い形式で疑問が入口になる
- 値段から資本主義まで網羅
気になる点
- 数式や理論モデルは出てこない
- 図解より文章が中心
- 次の一冊は自分で探す必要
出版社
筑摩書房
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
経済学入門って、まず何から読めばいいんでしょう。本屋の平台に山ほど積んであって、正直どれも同じに見えました。
佐藤メバル
いい質問だね。最初の一冊は「読み切れるか」で選ぶといい。これはちくまプリマー新書で160ページ、コーヒー1杯の値段はどう決まる、紙切れがなぜお金になる、といった素朴な問いから始まる。
需要と供給、貨幣、景気、資本主義、株式会社まで8章で一気に通る。池上さんの「教えて池上さん」という語りが、そのまま読者の疑問の代弁になってくれるんだ。
橘ナナミ
なるほど、問いの形で進むなら、知らない言葉でつまずいても戻れそうですね。最後はどこに着地するんですか?
佐藤メバル
そこが面白いところで、最後は「買い物は投票行動だ」という一文に落ちる。値段の話から始まって、自分が何を選んでお金を使うかが社会を動かす、という話に行き着く。
経済学は資源の最適配分を考える学問だと冒頭でことわったうえで、それが生活の話だと最後に回収される。
読み終わったあと、スーパーの値札の見え方が少し変わるはずだよ。

池上彰のやさしい経済学 (1) しくみがわかる (日経ビジネス人文庫)
池上彰 著|日本経済新聞出版
¥660(税込)
『池上彰のやさしい経済学』シリーズの第1巻で、「しくみがわかる」と副題がつく基礎編。後にマンガ版が作られるほど読み継がれてきた講義がもとになっており、文庫で660円と手に取りやすい価格なのに306ページと読み応えがある。新書の入門が問いを並べて広く眺める本だとすれば、こちらは用語の成り立ちから順に積み上げる語りで、経済の「なぜ」を時間をかけて腹に落としたい人に向く。
こんな人におすすめ
池上彰の解説でじっくり基礎を固めたい人、文庫サイズで持ち歩きながら通勤・通学の合間に読み進めたい人、マンガ版より先に原文の講義を読んでおきたい人。シリーズの1冊目として、まずここから入るのが素直な順番だ。
良い点
- 文庫で値段が手頃
- 306ページで読み応え
- 後にマンガ化された定番
気になる点
- シリーズを続けて読む前提
- 1冊だけでは範囲が限られる
- 見た目は地味な文庫
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2013年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ池上さんで、新書と文庫のシリーズがあるんですね。値段もそんなに変わらないし、いったい何が違うんですか?
佐藤メバル
これは『池上彰のやさしい経済学』の第1巻、「しくみがわかる」編だ。新書の入門が問いを並べて広く眺める本だとすれば、こちらは大学の講義をベースにした語りで、用語の成り立ちから順に積み上げていく。
文庫で660円、306ページ。厚みはあるけれど、その分だけ「なぜそうなるのか」を飛ばさずに説明してくれる。
橘ナナミ
厚いほうがかえって安心するタイプもいますもんね。これは後ろの巻まで読む前提なんですか? それとも1冊で完結するんでしょうか。
佐藤メバル
そう、シリーズの1冊目だから、ここで「しくみ」をつかんでから先へ進む流れだね。この本は後にマンガ版も作られていて、そちらは新入社員の二人が講義を聴きに行く物語になっている。
文章でじっくりいきたい人はこの文庫、物語で入りたい人はマンガ版、と入口を選べるのがありがたいところだよ。

知識ゼロからの経済学入門
弘兼憲史 著|幻冬舎
¥1,430(税込)
「知識ゼロからの」というシリーズ名が示すとおり、予備知識がない読者を出発点に据えた入門書。著者は漫画家の弘兼憲史で、170ページと短く、活字の入門書が苦手な人でも手に取りやすい。新書や文庫の定番入門が読み物として積み上げるのに対し、こちらは肩の力を抜いて入れるのが違いだ。1430円で、気になったページを拾い読みする使い方もできる。
こんな人におすすめ
テレビや新聞で見かける経済の言葉を、まず雰囲気だけでもつかんでおきたい人。肩肘を張らずに読み始めたい初学者や、活字の多い入門書で何度も挫折した人。短時間で全体を眺めてから、必要なら詳しい新書に進むという使い方にも向く。
良い点
- 170ページで短い
- 予備知識ゼロが前提
- 著者名で手に取りやすい
気になる点
- 内容紹介が乏しく選びにくい
- 深い理論までは踏み込まない
- 網羅性は新書に劣る
出版社
幻冬舎
発売日
2008年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、著者が弘兼憲史さんですよね。経済学者ではなく漫画家の方が書いた入門って、どういう位置づけなんでしょう?
佐藤メバル
「知識ゼロからの」というシリーズ名が答えになっていると思う。学問としての経済学を正面から積み上げるのではなく、まず身の回りの経済の言葉に親しむための一冊だ。
170ページと短いから、活字の厚い本で挫折した人の再挑戦にも向いている。著者が漫画家というのも、読者との距離の取り方が違うという意味で大きいんだよ。
橘ナナミ
たしかに、いきなり300ページの新書だと心が折れます…。この本のあとは、具体的にどの本へ進めばいいんでしょうか。
佐藤メバル
この本で全体の地形を眺めてから、池上さんの新書や高校生向けの新書で筋道を立てる、という順番がいい。逆に、最初から数字とグラフでがっちりやりたい人には物足りない。
入口を軽くする本と、骨組みを作る本は役割が違うから、両方あっていいんだよ。

世界一やさしい 経済の教科書1年生
小宮一慶 著|ソーテック社
¥731(税込)
0時限目から「そもそも経済って何?」を置き、値段・給料・景気・為替・物価・税金・世界経済を1時限ずつ進む講義形式。学校の時間割のように区切られているので、1日1時限ずつでも読み進められる。最後に「企業力の見極め方」という集中講義があり、用語の説明で終わらずビジネスの実践に橋をかける構成が、他の入門書との違いになっている。
こんな人におすすめ
社会人になってから経済をやり直したい人、毎日少しずつなら続けられる人、投資やビジネスの判断に経済の目を効かせたい人。「値段はどう決まるの?」「なぜ給料は上がらないの?」といった素朴な疑問を入り口にしたい読者に向く。
良い点
- 時間割形式で区切りが明快
- 731円と手頃
- ビジネス目線の集中講義つき
気になる点
- 世界経済は概観まで
- 理論の証明は扱わない
- 語り口の断定がやや強め
出版社
ソーテック社
発売日
2016年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「1時限目」って、まるで学校の時間割みたいですね。これなら1日1章ずつ、無理なく読めそうじゃないですか。
佐藤メバル
そう、0時限目に「そもそも経済って何?」を置いて、値段、給料、景気、為替、物価、税金、世界経済と、時間割の順に並んでいるのが親切なところだ。
しかも731円と手頃で264ページ。読み切る計画が立てやすい。締めの「集中講義 企業力の見極め方」がユニークで、経済の知識を会社を見る目に変換して終わる。
橘ナナミ
企業力の見極め方、就活中の友だちにも刺さりそうです。でも、この本だけで経済学の基礎は足りるんでしょうか?
佐藤メバル
入門の一冊目としては十分だけれど、これは「経済の読み方」の本で、経済学の理論を証明する本ではない。理屈の骨格まで踏み込みたくなったら、次の段階として大学の教養を凝縮した本に進むといい。
まずこの本でニュースの言葉がわかる状態を作って、そこから深く掘るのが、挫折しない順番だよ。

小学生でも理解できる グラレコで学ぶ経済本
澤昭人 著|repicbook (リピックブック)
¥1,600(税込)
ブロックチェーンや量子コンピュータといった新技術から、SDGs・ESGまで、72種類の経済用語をグラレコ(グラフィックレコーディング)のイラストと図で解説する一冊。ルビ付きで小学生でも読めるつくりなので、用語の壁がとにかく低い。文章だけの入門書でつまずいた人が、まず言葉の意味だけを拾い集めるのにも向く。
こんな人におすすめ
経済用語の一覧をまず絵で頭に入れたい人、子どもと一緒に学びたい親、ニュースに出てくるカタカナ語で毎回止まってしまう人。図の力で記憶に残したい読者や、紙面を眺めるだけでも学べる本を探している人に向く。
良い点
- 72種類の用語を図で解説
- ルビ付きで子どもも読める
- 新技術やSDGsまで範囲が広い
気になる点
- 体系立った理論は学べない
- 1600円でやや高め
- 図の好みが合わないと辛い
出版社
repicbook (リピックブック)
発売日
2021年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
グラレコって何ですか? 図解とも違う気がするんですけど、そもそもどういう手法なのか教えてください。
佐藤メバル
グラフィックレコーディングの略で、話を聞きながら絵と文字でその場に描き出す手法のこと。この本はそれを経済用語の解説に使っている。
72種類を扱っていて、ブロックチェーンや量子コンピュータといった新しい話題から、SDGs、ESGまで入っているのが今どきだね。
ルビ付きだから、小学生でも読めるように作られている。
橘ナナミ
小学生でも読めるなら、僕みたいな大人にも効きそうですね。でも、これ一冊で経済学がわかるようにはならないですよね?
佐藤メバル
その通り。これは用語の辞書に近くて、言葉の意味とイメージを結びつけるのが仕事だ。体系や因果関係を組み立てるのは別の本の役目。
ただ、新聞やニュースでカタカナ語にぶつかるたびに止まってしまう人は、こういう本を横に置いておくと読む速度がぐっと上がる。
言葉の地図を先に作る、という使い方がいいよ。

東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった! (サンクチュアリ出版)
ムギタロー 著|サンクチュアリ出版
¥1,760(税込)
日本を「100人が住む島」に見立て、言葉を作り、役割を分け、政府とお金を用意するところから経済を組み立てる一冊。金利・国債・為替・インフレという言葉が、島の住人の生活の話として立ち上がる。投資と債券、貿易と為替、投機バブル、そして「ぎりしゃ島の破産」まで、7章でスケールの大きな話を一気に見渡せる。読後に自分の意見を持てることを狙った構成が痛快だ。
こんな人におすすめ
経済ニュースが「チンプンカンプン」なまま来てしまった社会人、数字とグラフが苦手で物語で理解したい人、投資や債券の話を仕組みから腹に落としたい人。中学生・高校生が初めて経済に触れる入口としても使える。
良い点
- 比喩で全体像がつかめる
- 国債・為替まで一冊で通る
- 章立てが物語として読める
気になる点
- 比喩に乗れないと遠回り
- 1760円で入門書としては高め
- 厳密な定義は犠牲になる
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日本を100人の島に例えるって、そんなに単純化してしまって大丈夫なんですか? かえって誤解しませんか?
佐藤メバル
そこがこの本の狙いなんだ。経済がわかりにくいのは、話のスケールが大きすぎて全体像が見えないから。100人なら、誰が働いて誰が税金を払うか、頭の中で数えられる。
国債も為替も投機バブルも、島の出来事として追える。7章立てで、ぎりしゃ島の破産という章まで出てくるから、現実の危機も絵として結びつく。
橘ナナミ
なるほど、規模を小さくすると急に見通せるようになるんですね。読み終えたとき、何が変わるんでしょう?
佐藤メバル
著者は「わかる!」で終わらせず、「私はこう思う」という意見まで持てるようになることを約束している。
経済の本は知識を並べるだけになりがちだけど、これは判断の材料を渡してくれる。比喩が細部で正確さを犠牲にしている面はあるから、そこは別の本で補えばいい。入口としてはとても強い一冊だよ。

スタバではグランデを買え!
吉本佳生 著|ダイヤモンド社
「値段」という切り口から、生活の裏側を経済学でのぞいてみよう、という一冊。タイトルの『スタバではグランデを買え!』からもわかるように、身近な買い物の一場面が入口になっている。価格の裏側にある仕組みをたどっていくうちに、社会の構造まで見えてくる構成で、用語集や講義形式の入門書とは入り方がまったく違う。読者は「なぜこの値段なのか」と街を見るようになる。
こんな人におすすめ
経済学の本を何冊も途中で放り出してきた人、身近な買い物や値段から関心を広げたい人、経済学を教養として身につけたい社会人。通勤中に読んで、帰りの店舗で値札を見るのが楽しくなるタイプの一冊で、教科書の第一章から始めるのが苦手な人にも向く。
良い点
- タイトルからしてとっつきやすい
- 値段という普遍の入口
- 生活と社会を橋渡しする
気になる点
- 体系的な教科書ではない
- 理論名の整理は別途必要
- 題材は生活寄りに絞られる
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2007年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルからしてもう気になります。いったいなぜ、スタバでグランデを買うと経済学になるんですか?
佐藤メバル
そこが入口になっているんだよ。サイズを一つ上げるときの値段の差って、分量の差の割には小さいことが多い。
じゃあなぜそういう値付けになっているのか、を考え始めると、値段の裏側にある仕組みが見えてくる。
この本は、そんな日常の一場面から経済学に連れていってくれる。教科書の第一章から入るのとは、入り口の親しみやすさがまるで違う。
橘ナナミ
値段って、毎日見ているのに中身を考えたことがなかったです。これ一冊で経済学の全体がわかりますか?
佐藤メバル
全体を一冊で、というタイプではないね。これは見方を変える本で、理論の名前を整理するのは別の役割だ。
ただ、経済学が遠い学問ではなく、自分の財布の話だと実感できる。順番としては、こういう本で面白さに火をつけてから、体系的な入門に進むのがいちばん続くよ。

マンガ+講義でよくわかる 経済学超入門
木暮太一 著|東洋経済新報社
冒頭で「経済学がなぜ難しく感じるのか」を3点に整理し、その3点をつぶす形で進む設計がうまい。各パートの最初にマンガで概要を示し、そのあと講義で中身に入る。グラフには吹き出しコメントが付き、「このグラフは何を言いたいのか」が先にわかる。数式が苦手な人でも、目的を見失わずに読み進められる経済学の教科書だ。
こんな人におすすめ
経済学の教科書を開いては閉じた経験がある人、マンガと講義の二段構えで理解したい人、グラフや数式に苦手意識がある学生・社会人。資格試験や大学の単位のために基礎をやり直したい人にも向く。
良い点
- 難しさの原因を先に整理
- 各章にマンガの導入
- グラフに吹き出し解説
気になる点
- 数式そのものは避けない
- マンガ部分は導入に留まる
- 分量は256ページと中厚
出版社
東洋経済新報社
発売日
2010年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「超入門」と銘打っていますけど、やっぱりグラフや数式は出てくるんですよね? それで挫折しませんか?
佐藤メバル
出てくる。ただ、この本は「なぜ経済学は難しく感じるのか」を3つに分解して、それを潰す形で書かれている。
一つは目的がわからないまま進むこと、二つ目は専門用語が多すぎること、三つ目はグラフと数式のイメージがつかみづらいこと。
だから各パートの頭にマンガを置いて、これから何の話をするのかを先に見せるんだ。
橘ナナミ
先に地図を見せてもらえると、確かに迷いにくいですね。グラフのところは工夫されているんですか?
佐藤メバル
そこも工夫されていて、グラフには吹き出しコメントが付いている。「このグラフは何が言いたいのか」が先にわかるから、数学が苦手でも暗号に見えにくい。
経済学を初めて勉強する人にも、苦手意識を持つ人にも読めるように、と著者がことわっている通り、入口でつまずかせない設計になっているよ。

まんがと図解でわかる 経済学のキホン (別冊宝島1876)
松原隆一郎 著|宝島社
累計126万部突破のシリーズの第10弾で、テーマは経済学。アダム・スミスの「見えざる手」、マルクスの資本主義批判、ケインズの有効需要の原理、ロールズの分配の正義など、名前は知っていても説明できない用語を、まんがと図解で平易にほどいていく。経済思想史に名を刻んだ18人の主張の骨子を、143ページで一気に押さえられるのが強みだ。
こんな人におすすめ
経済学者の名前と学説を、思想の流れとして整理したい人、ニュースで引用される理論の背景を知りたい人、人名だけ覚えて中身が言えないもどかしさを解消したい読者。『ケインズとハイエク』の監修者による解説を、短時間で浴びたい人にも向く。
良い点
- 18人の学説を一冊で整理
- まんがと図解で読みやすい
- 143ページで短時間で読める
気になる点
- 現在の政策論までは踏み込まない
- 各学説の深掘りは浅め
- 図版が主役の体裁
出版社
宝島社
発売日
2012年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
アダム・スミス、マルクス、ケインズって、名前は聞いたことあります。でも何を言った人なのかは、正直説明できません。
佐藤メバル
そのもどかしさに応える本だね。この巻は18人の学者や思想家の主張の骨子を、まんがと図解で紹介している。
見えざる手、資本主義批判、有効需要の原理、分配の正義、と論点が並ぶから、人名と学説が一本の流れとしてつながる。
しかも宝島社の累計126万部突破のシリーズの一冊で、143ページと短い。
橘ナナミ
思想史として読むと、経済学の見え方が変わりそうですね。現代の政策の話まで載っているんですか?
佐藤メバル
そこは思想の入口までという線引きだと思う。現代の金融政策や財政の話は、別の入門書で補うのがいい。ただ、ニュースで名前が出てきたときに中身がわかるだけで、経済記事の読後感はまったく変わる。
用語の暗記より先に、誰が何を主張したかの地図を持つ。その順番はとても理にかなっているよ。

東大生がつくった マンガ やさしい経済学入門
東大まんがくらぶ 著|宝島社
舞台はファンタジー世界の島国。戦争で荒れた国を立て直すため、若き王女が大陸から天才学者を招く——という物語として経済学の基礎が進むマンガ。需要と供給や市場の考え方が、国の復興という目的と結びついて現れるので、用語が「なぜ必要か」から理解できる。192ページで一気に読める手軽さも魅力だ。
こんな人におすすめ
説明文を読むより物語で入りたい人、経済学に苦手意識のある中高生や大学生、読書の習慣がまだない社会人。マンガとして娯楽のつもりで開いたら基礎が残っていた、という使い方ができる。
良い点
- ファンタジー設定で入りやすい
- 国の復興という目的が明確
- 192ページで一気に読める
気になる点
- 体系的な用語整理は薄い
- 物語の好みが分かれる
- 実践的な応用までは届かない
出版社
宝島社
発売日
2017年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
戦争で荒れた国を立て直すために学者を招く、って完全にファンタジーですね。それで経済学が入ってくるんですか?
佐藤メバル
入ってくるんだ。しかも、ただ解説役を置くんじゃなくて、国の復興という目的のために学問が使われる形になっている。
経済学の理論って、なぜ必要なのかが見えないまま暗記すると苦しい。でも物語の中では、目の前の困りごとを解く道具として現れるから、意味から入れる。192ページで読み切れるのも大きい。
橘ナナミ
王女と学者が活気を取り戻せるのか、続きが気になります。勉強というより読書として楽しめそうですね。
佐藤メバル
そこが狙いだろうね。マンガとして面白いからページが進む。反面、用語の網羅や定義の厳密さは、講義形式の本には譲る。
だから最初の一冊として使って、興味が残った分野だけを別の入門で埋める。楽しさで入って、必要に応じて深くする。
この順番は、学び直しでもいちばん続くんだよ。

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる
井堀利宏 著|KADOKAWA/中経出版
¥1,551(税込)
東大で20年以上教えてきたミクロとマクロのエッセンスを、1日30分×20項目=10時間で学べるように設計した一冊。消費者と企業の行動、市場の機能、独占と規制、外部性、GDP、財政政策、金融政策、経済成長、国際経済まで、20の項目が教科書の骨格をなぞる。「ただ情報をインプットするだけでは教養にならない」という問題意識から、思考の枠組みを渡すことを狙っている。
こんな人におすすめ
経済学を教養として体系的に押さえたい社会人、大学で単位を取ったけれど中身を覚えていない人、資格試験やビジネスの前提としてミクロ・マクロの枠組みが欲しい人。1日30分の学習計画を立てたい読者に向く。
良い点
- 20項目で全体像を設計
- ミクロとマクロを一冊で
- 学習計画が立てやすい
気になる点
- 例題演習は多くない
- 入門者には速い箇所がある
- 数式の扱いは控えめ
出版社
KADOKAWA/中経出版
発売日
2015年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」って、本当にそんなにうまくいくものなんでしょうか?
佐藤メバル
この本の作りは素直で、1日30分×20項目という設計が最初から示されている。項目は、消費者はどう行動するか、企業はどう行動するか、市場の機能、独占と規制、GDP、財政政策、金融政策、経済成長、国際経済と続く。
東大で20年以上教えてきた著者が、ミクロとマクロのエッセンスを1冊に凝縮したものだ。
橘ナナミ
大学4年間ぶんを10時間に詰めるなら、薄まってしまう部分もありそうですけど、そこは大丈夫ですか?
佐藤メバル
そこは正直に言えば、速い。だけど著者の狙いは、経済学の思考の枠組みを持ち帰ることで、細かい証明ではない。
テレビや新聞で経済の話題が出ない日はないけれど、情報を流し込むだけでは教養にならない、というのが「はじめに」の言葉だ。
じっくり演習したい人には物足りないが、地図を早く手に入れたい人には効くよ。

たった1つの図でわかる!【図解】新・経済学入門
髙橋洋一 著|あさ出版
¥1,650(税込)
需要供給曲線というたった1つの図を読み解くだけで、世の中の経済の9割がわかる、というコンセプトの一冊。ミクロの「モノの値段はどう決まる?」、マクロの「お金と政策」、金融政策の「日銀と経済」、財政政策の「政府と経済」を、豊富な具体例で説明する。著者は大蔵省や内閣府で政策に携わった経歴を持ち、専門用語を最小限にして図1枚で通す構成が独特だ。
こんな人におすすめ
図1枚で考えるというシンプルな道具が欲しい人、ニュースの政策解説を自分の頭で判断したい人、髙橋洋一の政策論に関心がある読者。経済理論を一気に圧縮して把握したいビジネスパーソンにも向く。
良い点
- 図1枚で全体を通す
- 政策の最新情報まで扱う
- 著者の実務キャリアが背景
気になる点
- 1つの枠組みに依存する
- 他の見方には触れにくい
- 1650円で入門書としては高め
出版社
あさ出版
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「たった1つの図で経済の9割がわかる」って、さすがに言い過ぎな気がするんですけど、本当にそんなに簡単になるんですか?
佐藤メバル
そこは著者の覚悟のコピーだね。この本が使うのは需要供給曲線という1枚の図で、値段はどう決まる、政策はお金と金利をどう動かす、という話を全部その図の上で説明しようとする。
著者は大蔵省で資金企画室長、内閣府参事官などを務めた人で、ふるさと納税やねんきん定期便といった政策提案にも関わっている。
実務家が道具を一つに絞って語る本は珍しい。
橘ナナミ
その経歴だと、教科書的な説明より、政策の現場の話が多そうですね。予備知識ゼロでもついていけるものでしょうか?
佐藤メバル
そう、金融政策と財政政策の章は、マイナス金利や日銀総裁の任期といった話題まで踏み込む。「わからないから考えない」から脱却することが目的だと明言されている。
ただ、一つの枠組みで通す以上、他の見方は出てこない。その潔さを面白がれるかどうかが、この本の分かれ目だよ。

世界一かんたんな経済学入門: 50の経済学人生相談
西村和雄 著|講談社
¥2,251(税込)
身近な人生相談50問に答える形で経済学を進める、かなり変わった入門書。「キムタク似の高校生は東大に行くべきか」にレント、「ホームラン打者ばかり集めた長嶋さんは偉いか」に補完と代替、「贅沢は堕落で貯蓄は美徳か」に貯蓄のパラドックス、と相談と理論が一対一で対応する。覚えにくい概念が、印象的な問いと一緒に残る。
こんな人におすすめ
経済学の用語が覚えられない人、教科書の無味乾燥な例題で眠くなる人、会話形式や問答形式で読み進めたい人。経済理論を自分の生活に引き寄せて理解したい社会人にも向く。
良い点
- 相談と理論が一対一
- 50問で広く触れられる
- 例え話が記憶に残る
気になる点
- 2251円と価格は高め
- 軽妙な題材に賛否がある
- 体系的な順序ではない
出版社
講談社
発売日
2002年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
人生相談で経済学を教えるって、ずいぶん変わった作りですね。それで本当に身につくんでしょうか? ちゃんと理論まで残りますか?
佐藤メバル
これが意外に効くんだ。50の相談それぞれに、ひとつの理論が対応している。レント、補完と代替、非価格競争、ナイフ・エッジ定理、レオンチェフの逆説、貯蓄のパラドックス、と名前だけでは覚えられない概念が、印象的な問いと一緒に頭に残る。
著者は、経済理論は抽象的だからこそ応用が効くと書いている。
橘ナナミ
「ストーカーは金を払えば止めてくれる?」みたいな設問もあって、正直笑ってしまいました。これって遊びの本じゃないんですか?
佐藤メバル
その軽さが入口になっている。身近な話や自分の体験を思い出しながら読めるから、難しい理論も作用として理解できる。
ただし、順番に積み上げる教科書ではないから、体系は別の本で整える必要がある。価格も2251円と安くはない。
笑いながら概念を一つずつ拾って、最後に並べ直す。そういう使い方が向いているよ。

大学で履修する入門経済学が1日でつかめる本 絶対わかりやすい経済学の教科書
木暮太一 著|マトマ出版
¥1,628(税込)
「経済学を理解するのに、数学はいりません」と冒頭で言い切る一冊。経済学が難しいのは、目的の説明より先に証明が来るからだ、という診断が鋭い。各理論は詳細な証明より理論の意味と内容を日本語で説明することに重きが置かれ、読み終えたときに「経済学とは何か」「どこで使えるのか」を自分の言葉で説明できる状態を狙う。
こんな人におすすめ
数学でつまずいた経験のある人、経済学の理論名を暗記しても使えなかった人、ビジネスや生活のどの場面で経済学が効くのかを知りたい社会人。1日で全体の枠を確認したい読者や、同じ著者のマンガ版と読み比べたい人にも向く。
良い点
- 数式を主役にしない方針
- 理論の意味から入れる
- 生活やビジネスへの接続を意識
気になる点
- 証明や演習は省かれる
- 1日で読むには集中力が要る
- 用語の網羅は教科書に劣る
出版社
マトマ出版
発売日
2011年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ木暮太一さんの本が、これと『マンガ+講義でよくわかる』と2冊ありますよね。どう使い分けるんですか?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。マンガのほうは各パートの頭に絵を置いて、視覚から入る。こちらは、経済学の目的の説明を最優先にして、理論の意味を日本語で積み上げる。
著者は「経済学は数学と同じだから難しすぎる」と感じている人が多い、でも元は人間の日々の取引を理論化しただけだ、という立場で書いているんだ。
橘ナナミ
数学はいらない、と言い切っているのは心強いです。でも、数式を避けると物足りなくなりませんか? そのあたりが気になります。
佐藤メバル
そこは目的次第だね。この本が目指すのは、経済学とは何か、どこで使えるのかを自分の言葉で説明できるようになること。
証明や計算を自分で回したい人は、別の教科書が必要になる。逆に、ビジネスや一般教養として使いたい人は、この順番のほうが近道だよ。

経済学なんて教科書だけでわかるか!!…でもちょっと知りたいかも。 (知的生きかた文庫 さ 58-1)
さくら剛 著|三笠書房
¥891(税込)
ドラクエの世界で景気対策をやったらどうなるか、インドのぼったくりタクシーで「神の見えざる手」を検証する、アイドルを観察すれば通貨の3つの働きが見える——と、経済学者には書けない例え話で突き進む一冊。景気、GDP、金融緩和、株・投資といった言葉が笑いながら入ってくる。発売後に重版が決まったという情報もあり、読み物としての引力が強い。
こんな人におすすめ
経済学の本で眠くなった経験がある人、教科書の語り口が苦手な人、まず笑いながら言葉に慣れたい読者。文庫891円で気軽に試せて、電車の中で読み進めるのにも向く。
良い点
- 例え話がとにかく印象的
- 文庫891円で試しやすい
- 用語の入口として強い
気になる点
- 厳密さより面白さ優先
- 体系的な学習には不向き
- ノリが合わないと読めない
出版社
三笠書房
発売日
2024年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「教科書だけでわかるか!!」って、タイトルからして強いですね。ドラクエで景気対策って何なんですか? 正直、ふざけているようにも見えるんですが。
佐藤メバル
そこがこの本の持ち味で、ゲームの世界やインドのタクシー、芸能界のスキャンダルまで持ち出して、景気やGDP、金融緩和の仕組みを説明していく。
ベストセラー作家のさくら剛さんが、経済学者には書けない例え話を並べた、と紹介されている通り、常識的な入門書とは語り口がまるで違う。文庫で891円だから試しやすい。
橘ナナミ
笑いながら読めるのはいいですけど、読み終わったときに本当にわかるようになっているんでしょうか。不安です。
佐藤メバル
用語の入口としては強いよ。ただ厳密さより面白さを優先する本だから、体系は別に作る必要がある。
この本で言葉への警戒心を解いてから、講義形式や図解の入門に進む。順番としてはとても自然だし、挫折しにくい。
合わないと感じたら早めに切り替えればいい、そういう気楽さも含めて入口向きだよ。

No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい経済の本
上野泰也 著|かんき出版
¥2,005(税込)
エコノミストランキング6年連続1位という著者が、市場原理と経済データの見方という2つの道具で経済ニュースを読み解く一冊。市場原理は万能ではなく適切な経済政策が必要だとして、政策の中身にも踏み込む。グローバル化で変わった経済活動や日本経済の危機についても率直に解説し、「未来がどうなるか」を自分で考えるための材料を渡してくれる。
こんな人におすすめ
ニュースをデータで裏づけて読みたい人、エコノミストの実務的な視点に触れたい人、日本経済の現状を率直に知りたい社会人。金融やマクロの実務感覚を身につけたいビジネスパーソンにも向く。
良い点
- データの見方を軸にしている
- 政策と危機まで踏み込む
- ランキング上位のエコノミストの視点
気になる点
- 基礎用語の説明は速い
- 2005円と価格は高め
- データは更新が必要になる
出版社
かんき出版
発売日
2011年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エコノミストランキング6年連続1位って、すごい肩書きですね。学者の本とは何が違うんでしょう? 現場の目が入るんですか?
佐藤メバル
実務の目だね。この本は市場原理と経済データの見方という二つを軸に据えて、ニュースを読み解く。
市場は完全無欠ではないから適切な政策が必要で、その政策の中身も知っておくべきだ、という筋で書かれている。
グローバル化で私たちの経済活動がどう変わったか、日本経済が置かれている状況も率直に語られる。
橘ナナミ
データの見方って、経済の初心者でも本当に身につくものなんですか? 数字は苦手なんですが。
佐藤メバル
そこを「世界一わかりやすい」と銘打っているわけだね。コツは、数字を覚えるのではなく見方を覚えること。
景気や物価の指標は毎年変わるけれど、読み方の型は残る。ただ、基礎用語の説明は速めだから、完全な初心者は短い入門を先に一冊挟んでもいい。
ニュースを自分で判断したい段階の人には、ちょうどいい厚みだよ。

東大生が書いたやさしい経済の教科書
東京大学赤門Economist 著|ジェイ・インターナショナル
¥2,113(税込)
東大を冠する学生グループが書いた「やさしい経済の教科書」。286ページとしっかりした厚みがあり、2113円という価格も含めて、学生の視点で基礎から積み上げることを狙った一冊と考えられる。ネット上の商品情報が乏しく、内容紹介が中古出品の定型文になっているため、購買前に書店で目次を確認したいタイプだ。後輩が先輩に教わる感覚で読める。
こんな人におすすめ
同世代の言葉で経済を学びたい学生、東大生の勉強法や視点に関心がある読者、286ページを腰を据えて読みたい人。書店で手に取って目次を確かめてから決めたい、慎重な買い物をする人にも向く。
良い点
- 学生目線の語り口
- 286ページの読み応え
- タイトルどおりのやさしさ
気になる点
- 内容情報が極端に少ない
- 2113円と価格は高め
- 中古市場の情報が混ざりやすい
出版社
ジェイ・インターナショナル
発売日
2005年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、ネットの紹介文が「中古品です」みたいな定型文しかなくて、中身がわからないんですけど…。それでもランキングに入れていいんですか?
佐藤メバル
それは正直に伝えたほうがいいね。この本は書店で目次を確認してから買うのがおすすめだ。タイトルと著者名から、東大を冠する学生グループが、やさしく経済の基礎を積み上げる本だとわかる。
286ページだから読み応えはある。ただ、内容の詳細は手元の情報では判断できない。
橘ナナミ
なるほど、ランキングに載せるなら、そういう注記も必要ですよね。読者はどう選べばいいんでしょう?
佐藤メバル
そう。情報が薄い本を無理に持ち上げないのも編集の仕事だ。ただ、同世代の言葉で書かれた経済の本は、講義形式や図解とは違う効き方をする。
学生が先輩に教わる感覚で読みたい人には候補になる。書店でパラパラめくって、文章が自分に合うかどうかを最初に確かめる。それで十分だよ。

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
中野剛志 著|ベストセラーズ
¥1,300(税込)
「経済常識が180度変わる」と銘打ち、デフレ下では中央銀行は貨幣供給量を増やせない、税は財源確保の手段ではない、財政赤字の制約はインフレ率だ、といった主張を並べる。通説をひっくり返す構成で、貨幣とは負債の一種だとする理解から、財政破綻シナリオ、経済学者はなぜ間違うのかまで、332ページを第1部・第2部で進む。
こんな人におすすめ
教科書の説明に違和感を覚えたことがある人、財政や税の議論を別の角度から考えたい人、経済論争を自分で判断したい読者。マクロ経済や財政政策の通説に一石を投じる議論に触れておきたい社会人にも向く。
良い点
- 通説と異なる主張を明快に提示
- 貨幣と税の章が厚い
- 経済学者批判まで踏み込む
気になる点
- 立場がはっきり偏っている
- 反論は自分で探す必要
- 入門には前提知識が要る
出版社
ベストセラーズ
発売日
2019年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「経済常識が180度変わる」って、すごい煽り文句ですけど…。これ、初心者が読んで大丈夫な本ですか?
佐藤メバル
注意点を先に言うと、これははっきり立場のある本だ。デフレの原因は明らかだとしたうえで、税は財源確保の手段ではない、財政赤字の制約はインフレ率だ、といった主張を積み上げていく。
貨幣とは負債の一種だという理解から始めて、財政破綻のシナリオ、経済学者はなぜ間違うのか、という章まで332ページで進む。
橘ナナミ
なるほど、中立の入門書ではないんですね。じゃあ、どんな人が読むべきなんでしょう? 最初の一冊にしていいのか迷います。
佐藤メバル
教科書の説明に違和感を覚えた経験がある人には刺激が強い。逆に、まだ用語の意味があいまいな人が最初に読むと、主張だけが先に立ってしまう。
基礎を軽く一冊やってから、この本で揺さぶられる。そして気になった論点は反論も自分で探す。そうやって読むと、経済を自分の頭で考える鍛え方になるよ。

図解世界一わかりやすい経済学の授業
藤田康範 著|KADOKAWA(中経出版)
「図解」を前面に出し、経済学の授業を紙の上で再現しようとする一冊。175ページと短く、講義の流れを図で追える構成で、理論を文章だけで追って迷子になりやすい人にとって視覚の手がかりがあるのは大きい。板書を見ながら話を聞く感覚で、経済学の骨格を一気に眺められる。価格などの基本情報が示されていないため、書店で実物を確認してから選びたい。
こんな人におすすめ
授業を受けている感覚で学びたい人、板書のような図で筋道を追いたい人、175ページの短さで全体を眺めたい読者。文字中心の講義形式が合わなかった人が、別の入口を試すのにも向く。
良い点
- 図解中心で筋を追いやすい
- 175ページと短い
- 大学の授業の流れを再現
気になる点
- 価格など基本情報が乏しい
- 用語の深掘りは限られる
- 図の情報量に依存する
出版社
KADOKAWA(中経出版)
発売日
2013年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『図解世界一わかりやすい経済学の授業』って、タイトルに「授業」と入っているのが気になります。教室みたいになるんですか?
佐藤メバル
その発想でいいと思う。大学の講義を、板書のような図で再現する本だ。175ページと短く、通学や通勤の途中でも読み進められる。
講義形式の本は筋が通っている代わりに、文字だけだと迷子になりやすい。そこを図が支えてくれるわけだ。
橘ナナミ
たしかに、話を聞いているだけだと置いていかれる感覚があります。でも、この本の価格が紹介文にないんですよね。
佐藤メバル
そう、基本情報が薄いぶん、書店で手に取って確かめるのが確実だ。短い本だからこそ、目次と図の雰囲気で自分に合うかどうかはすぐ判断できる。
合うと思ったら、同じ著者の講義を別の本で補うのもいい。図で骨格をつかんでから文章で肉をつける、という順番は、経済学では特に効果があるよ。

経済学をまる裸にする: 本当はこんなに面白い
チャールズウィーラン 著|日本経済新聞出版
「数式もグラフも図もありません」と宣言して始まる、全米ベストセラーの経済入門。著者は権威ある経済学者ではなく、英『エコノミスト』誌の元記者。マクドナルドが流行るのはおいしいからではない、軍はなぜ500ドルもするねじ回しを買うのか、といった笑えるエピソードと経済分析をからめて話を進める。ノーベル経済学賞受賞者の推薦も寄せられている。
こんな人におすすめ
数式とグラフで挫折した人、読み物として経済学を楽しみたい人、ビジネスや日常生活に効く視点が欲しい社会人。421ページをゆっくり味わいたい読者や、英語圏の定番入門に触れてみたい人にも向く。
良い点
- 数式もグラフも図もなし
- エピソードが面白い
- 定番のロングセラー入門
気になる点
- 421ページと長い
- 体系の整理は自分で必要
- 価格情報が示されていない
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2014年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「数式もグラフも図もない」って、経済学の本でそんなことが本当にできるんですか? 信じられません。それで中身が薄くならないんでしょうか。
佐藤メバル
できる、というのを実証したのがこの本だ。著者は経済学者ではなく英『エコノミスト』誌の元記者で、難しい経済問題を笑えるエピソードとからめて解き明かす。
マクドナルドが流行る理由、軍が高価なねじ回しを買う話、手っ取り早く金持ちになる方法とダイエットの経済学、といった調子だ。
ノーベル経済学賞のベッカーやマルキールも推薦を寄せている。
橘ナナミ
421ページって聞くとずいぶん厚いですけど、読み物として面白いなら進みそうですね。途中で飽きませんか?
佐藤メバル
そう、経済学の基礎を苦痛なく楽しくというのが、まさにこの本の狙いだ。ただ、用語の体系をきれいに並べてくれるタイプではないから、講義形式の入門と組み合わせると強い。
長い休みに一冊、という読み方も似合う。数式で挫折した人が、経済学ってもともと面白いんだ、と思い直すための本だよ。

イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章
イングランド銀行 著|すばる舎
¥2,200(税込)
1694年設立のイギリスの中央銀行、イングランド銀行が自ら作った公式の経済入門。「食べたい朝ごはんを選べるのはなぜ?」「私の服の大半がアジア製なのはなぜ?」といった10の平易な問いを軸に、景気、金利、インフレ・デフレ、GDPの基本から、経済危機、貿易摩擦、気候変動まで扱う。世界10カ国以上で刊行され、各紙が絶賛した460ページの決定版だ。
こんな人におすすめ
中央銀行の視点で経済を見てみたい人、問いから入る構成が好きな人、ビジネスパーソンの学び直しをしたい読者。経済危機や気候変動まで視野に入れたい人、巻末の51の質問で復習したい人にも向く。
良い点
- 中央銀行公式という信頼感
- 10の問いで構成が明快
- 危機や気候変動まで扱う
気になる点
- 460ページと重い
- 2200円と価格は高め
- 英国の事例が中心になりがち
出版社
すばる舎
発売日
2023年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
中央銀行が自分で経済の入門書を出すって、あまり聞いたことがないです。どういう経緯なんでしょうか? 珍しいですよね。
佐藤メバル
そう、これはイングランド銀行公式の本だ。1694年設立のイギリスの中央銀行が、経済は私たちの行動のすべてに関わっているのに、多くの人がよくわかっていない、という問題意識から作った。
10の平易な質問を題材にしていて、「そもそもお金って何?」「タンス預金が好ましくない理由は?」なんて問いが並ぶ。
460ページだけど、問いの力で引っ張られる。
橘ナナミ
「食べたい朝ごはんを選べるのはなぜ?」という問いも、言われてみれば経済なんですね。身近すぎて逆に驚きました。
佐藤メバル
そこがうまいところで、日常の選択から世界経済までつながっていく。終章は「あなたも経済学者」、付録には51の質問まで付いている。
世界10カ国以上で刊行され、フィナンシャル・タイムズや各紙が取り上げたというのも納得だ。値段は2200円と張るけれど、その分だけ長く使える一冊だよ。

ものがたりで学ぶ経済学入門
根井雅弘 著|中央経済社
¥2,530(税込)
高校三年生の経太君が、経済学者・杉本先生の息子の家庭教師をすることになり、対話を通じて経済学に魅了されていく——という物語仕立ての入門。アダム・スミス、マルクス、ケインズの名前しか知らなかった少年が、夢の中で偉大な経済学者と対話するまでになる。グラスゴウ大学の道徳哲学者からケインズまで、経済学史を一本の物語として追う異色作だ。
こんな人におすすめ
経済学史を物語でたどりたい人、人名と学説がなかなか頭に入らない人、高校の受験勉強から大学の学問への橋渡しを求める学生。教養として経済思想の流れを知りたい社会人にも向く。
良い点
- 物語と対話で経済学史を追う
- 受験と学問の橋渡しを意識
- 240ページで流れがつかめる
気になる点
- 2530円と価格は高め
- 理論の演習は扱わない
- 小説部分の好みが分かれる
出版社
中央経済社
発売日
2019年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
経済学の入門なのに「ものがたりで学ぶ」って、小説みたいな作りなんですね。それで本当に学べるんでしょうか?
佐藤メバル
その通りで、主人公は進路に迷う高校三年生の経太君。ひょんなことから経済学者の息子の家庭教師を引き受け、先生との対話で経済学の世界に入っていく。
アダム・スミス、マルクス、ケインズくらいしか名前を知らなかった少年が、最後には夢の中で偉大な経済学者と対話するまでになる。
経済学史を物語として追う、かなり珍しい一冊だ。
橘ナナミ
人名が苦手な僕でも、話として読めば覚えられそうです。大学受験を控えた子にもよさそうですね。教養としても役立ちますか?
佐藤メバル
まさに高校までの受験勉強から大学での学問への橋渡しを狙った本だと、著者自身が位置づけている。
スミス、リカード、ミル、マルクス、マーシャル、ケインズと、章が人物とつながっているから、思想の流れが地図になる。
価格は2530円と高めだけれど、人名が覚えられない人にはその分の価値があるよ。

池上彰のマンガでわかる経済学〈1〉 経済のしくみ
池上彰 著|日本経済新聞出版
¥1,870(税込)
『池上彰のやさしい経済学1 しくみがわかる』をマンガ化した一冊。頼りない新入社員コンビ、安西啓太と中江このみが、打ち合わせで「機会費用」や「先行指数」に詰まり大恥をかき、大学の教養講座の池上彰の講義を聴きに行く。マンガを笑っているうちに講義のエッセンスが入る構成で、シリーズ累計40万部の看板を背負った1巻だ。
こんな人におすすめ
物語と絵で経済に入りたい人、新入社員や若手社会人、文庫の『やさしい経済学』を読む前に軽く予習したい人。会議や商談で経済用語につまずいた経験がある人には、特に刺さる入口だ。
良い点
- 元の講義をマンガ化した確かさ
- 新入社員の失敗談が共感を呼ぶ
- 152ページで短時間で読める
気になる点
- 1巻だけでは範囲が限られる
- 用語の網羅は原作に譲る
- 1870円でマンガとしては高め
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新入社員が「機会費用」をわからないまま適当に返事して、大恥をかく…って、読んでて他人事じゃないです。
佐藤メバル
そこがこの本の狙いで、頼りない二人が笑われる側に立つから、読者は安心して学べる。彼らが大学の教養講座の池上彰さんの講義を聴きに行って、少しずつ言葉が使えるようになっていく。
もとになっているのは実際に大学で行われた講義で、それをマンガ化したのがこの1巻だ。シリーズ累計40万部の看板も納得の作りだね。
橘ナナミ
「キミね。わからないならわからないといいなさいよ」って、その一言が刺さります…。自分も言われたことあるので。
佐藤メバル
その一言は、経済に限らず仕事の基本でもある。わからないと正直に言うところから学びが始まる、というのがこのマンガの芯だ。
152ページと短く、池上さんの前書きもついている。1巻では範囲が限られるから、続きか原作の文庫に進むと全体が見えてくるよ。
![高校生のための経済学入門[新版] (ちくま新書 1779)](https://img.shelf-y.com/items/20287.jpg)
高校生のための経済学入門[新版] (ちくま新書 1779)
小塩隆士 著|筑摩書房
¥1,012(税込)
需要と供給から、市場メカニズム、金利、格差、効率と公平、景気、物価、GDP、人口減少と経済成長、金融政策、税金と財政、社会保障、円高と円安、比較優位、貿易まで、経済学の全体像を一気につかむことを狙った定番入門の新版。キーワード索引で検索性が上がり、ビジネスパーソンの学び直しにも向く。知っているようで説明できない用語が、理解できる言葉に変わる。
こんな人におすすめ
高校生とその先の学び直しを同時に想定した一冊が欲しい人、ニュースの用語を説明できるようになりたい社会人、大学の講義の前に全体の地図が欲しい学生。索引から気になる語を引いて辞書的に使いたい読者にも向く。
良い点
- 全体像を一気につかむ設計
- キーワード索引付き
- 1012円で手に取りやすい
気になる点
- 図やマンガの類は少ない
- 各論の深掘りは控えめ
- 演習問題は扱わない
出版社
筑摩書房
発売日
2024年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『高校生のための』って冠しながら、社会人の学び直しにもいいって書いてありますね。そこが気になっています。
佐藤メバル
そこがこの新版の面白いところで、高校生にもビジネスパーソンにも届くように作られている。需要と供給、市場メカニズム、金利、格差、効率と公平、GDP、金融政策、税金と財政、社会保障、円高と円安、貿易と、経済学の地図を一枚に描こうとする。
新版ではキーワード索引が付いて、調べやすさも上がった。1012円と手頃だね。
橘ナナミ
GDP、CPI、異次元の金融緩和、プライマリバランス…ニュースで聞くけど説明できない言葉ばかりです。
佐藤メバル
その「説明できない」を「説明できる」に変えるのが、この本の仕事だ。知っているようで説明できない用語を並べて、その一つずつに言葉を与えてくれる。
図やマンガで軽く入る本ではないから、そこは好みが分かれるけれど、索引を引いて辞書のように使えるのは長く効く強みだよ。

この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学
加藤真也 著|かんき出版
¥1,980(税込)
YouTube「はじめよう経済学」で人気の大学教授による初の書籍。日本経済の循環から始めて、GDP、45度線分析、貨幣市場、IS-LM分析、マンデル=フレミング・モデルまでマクロを積み上げ、後半は余剰分析、効用最大化、利潤最大化、独占・寡占、市場の失敗、情報の非対称性、比較優位とミクロへ。数学知識は不要と明言し、教養としての経済学を一冊で通す。
こんな人におすすめ
ミクロとマクロを一冊で押さえたい人、資格試験の基礎を作りたい人、ビジネスや投資の前提として政策の効果を理解したい社会人、動画で学んだ内容を紙で整理したい視聴者。272ページを腰を据えて読める人に向く。
良い点
- ミクロとマクロを一冊で
- 動画で実績のある著者
- 数学知識が不要と明言
気になる点
- 1980円と価格は高め
- 図の理解には慣れが必要
- 演習問題集ではない
出版社
かんき出版
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
YouTubeの「はじめよう経済学」って、名前だけは聞いたことがあります。その先生の本なんですね。動画と本はどう違うんでしょう?
佐藤メバル
そう、名城大学で教えている加藤真也先生の初めての書籍だ。大学経済学部の教養が一気に身につく構成で、前半でマクロ、後半でミクロを扱う。
日本経済の循環からGDP、45度線分析、貨幣市場、IS-LM分析、マンデル=フレミング・モデルまで進んで、最後は比較優位と自由貿易・関税で締める。
動画のコメントで「神レベルにわかる」と言われている人が、紙で整理するための一冊だね。
橘ナナミ
IS-LM分析とかマンデル=フレミング・モデルって、名前からして難しそうなんですけど…数学が苦手でも大丈夫ですか?
佐藤メバル
そこを数学知識は不要と明言して、はじめから丁寧に運んでくれるのが売りだ。為替、金利、物価、円安・円高といった毎日聞く言葉が、モデルの上で位置づけられる。
価格を決めているのは誰か、拡張的財政政策の狙いは何か、といった問いに答えが出せるようになる。投資や資格試験の土台にしたい人にも向く厚みだよ。
挫折しない読む順番 — ミクロ・マクロと思想史の地図
橘ナナミ
結局、何から読めば挫折しないんでしょう?
佐藤メバル
私が薦めるのは三歩だ。一歩目は漫画か図解で全体の形をつかむ。二歩目は新書か文庫で用語を言葉にする。三歩目で教科書的な本に進む。順番を飛ばすと、いちばん多い挫折ポイント——グラフの縦軸と横軸が何を表しているかわからないまま読み進めてしまう——に落ちる。
橘ナナミ
ミクロとマクロは、どちらから読むんですか?
佐藤メバル
先にミクロだね。値段がどう決まるか、消費者と企業がどう動くかという目に見える話から入る。そのあとマクロで、GDP・物価・金利という全体の話に移る。『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』は、全体像からマクロ、そしてミクロへと順に並んでいるから、独学の道しるべとして使いやすい。
橘ナナミ
思想史から入るルートはどうなんですか?
佐藤メバル
それも有効だ。『ものがたりで学ぶ経済学入門』は、進路に迷う高校生が家庭教師をきっかけにスミスやケインズの世界へ入っていく物語仕立てで、『国富論』の「見えざる手」が独り歩きしていく過程まで追いかける。理論の前に、誰がどんな時代に考えたかを知ると、用語が記号ではなく物語として残るんだ。
学派の違いと、怪しい経済本の見分け方
橘ナナミ
学派の違いって、初心者には関係ないですか?
佐藤メバル
無関係ではないよ。市場に任せる立場、政府の役割を重く見る立場、財政や貨幣の捉え方は、著者によってかなり違う。だから読むときは、その本が経済学の地図のどこに立っているかを意識してほしい。たとえば『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』は、財政や貨幣、税についての通念をひっくり返そうとする立場から書かれている。主張の強い本は、必ず別の立場の本と合わせて読むと視野が偏らない。
橘ナナミ
煽り系の本を見分ける方法はありますか?
佐藤メバル
三つチェックしてほしい。一つ、根拠となるデータや出典が示されているか。二つ、「これ一冊で全部わかる」「誰も言わなかった真実」といった断定で押し切っていないか。三つ、反対意見に触れているか。経済は正解が一つに決まらない領域だから、断定の強さと信頼性は比例しないんだ。
橘ナナミ
じゃあ、主張が強い本は避けたほうがいいんですか?
佐藤メバル
それは別だよ。批判すべき相手を名指しし、根拠を示して議論している本は、立場が違っても読む価値がある。大事なのは、同意できるかどうかより、なぜそう考えるのかを追えるかどうかだね。
無料教材と、読了後の次の一歩
橘ナナミ
お金をかけずに学ぶ方法もあるんでしょうか?
佐藤メバル
ある。CORE のような無料公開の経済学教材や、MIT OpenCourseWare のような大学講義の公開は、教科書の代わりに使える。日本語の入門書で言葉の意味を押さえてから触れると、専門用語や英語の壁がぐっと低くなる。動画も同じで、先に用語の地図を持っているかどうかで理解度がまるで違う。
橘ナナミ
読み飛ばしはしてもいいんですか?
佐藤メバル
してもいい。数式の展開や証明の章は、最初は読み飛ばして結論だけ拾う。グラフは縦軸と横軸に何が入るかだけ確認して先へ進む。これは手抜きではなく、全体像を先に持ってから細部に戻るほうが記憶に残りやすいという、学習の理屈にもかなっているんだ。
橘ナナミ
2020年代の新しい話題は、この25冊でも追えますか?
佐藤メバル
部分的には追える。『イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章』は、景気や金利、インフレといった基本に加えて、気候変動や貿易摩擦といった現在の論点も扱っている。『たった1つの図でわかる!【図解】新・経済学入門』は金融政策・財政政策の最新の状況に触れている。ただ、どれも基本の上に成り立つ話だから、まず土台を作ることが近道だ。
橘ナナミ
読み終わったあとは、何をすればいいんでしょう?
佐藤メバル
経済ニュースを1本、自分の言葉で説明してみることだね。日銀の話でも円安の話でもいい。説明できない部分が、次に読むべき1冊を教えてくれる。読書は終わりではなく、次の疑問のスタートなんだ。
よくある質問
経済学の知識ゼロでも読める本当に簡単な本はありますか?
橘ナナミ
経済学の知識ゼロでも読める本当に簡単な本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。文字を追うのが負担なら『小学生でも理解できる グラレコで学ぶ経済本』のように絵と図で用語を整理した本、文章で読みたいなら『池上彰の経済学入門』や『経済学なんて教科書だけでわかるか!!…でもちょっと知りたいかも。』が候補になります。知識ゼロの人がいきなり分厚い教科書から入る必要はありません。
漫画や図解で経済学がわかる本はどれがおすすめですか?
橘ナナミ
漫画や図解で経済学がわかる本はどれがおすすめですかについて教えてください。
佐藤メバル
物語で流れをつかむなら『東大生がつくった マンガ やさしい経済学入門』、人名と学説の地図を作るなら『まんがと図解でわかる 経済学のキホン』、日常の例えで全体像をつかむなら『東大生が日本を100人の島に例えたら』、用語を実務の場面で覚えるなら『池上彰のマンガでわかる経済学〈1〉 経済のしくみ』。どの本も入口としては十分で、目的で選び分ければ失敗しません。
マンキューとスティグリッツ、入門経済学はどれを選べばいい?
橘ナナミ
マンキューとスティグリッツ、入門経済学はどれを選べばいいについて教えてください。
佐藤メバル
どちらも大学の講義で使われる海外の定番教科書で、翻訳の文体が硬く分量もあるため、独学の最初の1冊には重いです。選ぶ基準は「講義や資格試験で指定されているか」で構いません。独学なら、先に日本語で書かれた薄い入門書を1冊通し、必要になった段階で進むのが現実的です。遠回りに見えて、これがいちばんの近道です。
数学が苦手でも経済学の本は読めますか?
橘ナナミ
数学が苦手でも経済学の本は読めますかについて教えてください。
佐藤メバル
読めます。『経済学をまる裸にする』は本文に数式もグラフも出てきません。『マンガ+講義でよくわかる 経済学超入門』はグラフに吹き出しコメントを添えて、何を言いたいのかが追えるようにしています。『大学で履修する入門経済学が1日でつかめる本』も、証明より理論の意味を日本語で説明する方針です。グラフは縦軸と横軸だけ確認して先へ進む読み方から始めれば十分です。
経済学の本はどの順番で読めば挫折しませんか?
橘ナナミ
経済学の本はどの順番で読めば挫折しませんかについて教えてください。
佐藤メバル
漫画・図解、新書・文庫、教科書寄りの3段階です。1冊目は『東大生がつくった マンガ やさしい経済学入門』や『まんがと図解でわかる 経済学のキホン』、2冊目は『池上彰の経済学入門』や『高校生のための経済学入門[新版]』、3冊目に『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』や『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』。途中でわからなくなった章は飛ばして、全体を一度通すことを優先してください。
行動経済学を初めて学ぶなら最初に読むべき1冊は?
橘ナナミ
行動経済学を初めて学ぶなら最初に読むべき1冊はについて教えてください。
佐藤メバル
ここで紹介した25冊は、需要と供給や市場の仕組みといった伝統的な経済学の基礎を扱う棚なので、行動経済学は隣の棚になります。順番としては、市場や価格の仕組みを1冊で押さえてから、人の判断のクセを扱う行動経済学の入門書に進むのがおすすめです。「人間は合理的に動く」という前提を知ってから、それが崩れる話を読むと、面白さが何倍にもなります。書店や図書館の行動経済学のコーナーから、薄い入門書を1冊選べば十分です。
電子書籍・Kindle Unlimited・図書館で読める経済学の本は?
橘ナナミ
電子書籍・Kindle Unlimited・図書館で読める経済学の本はについて教えてください。
佐藤メバル
配信状況は変わるので、それぞれのサービスで確認してください。図や表を拡大したい本はタブレット、数式のない読み物は音声やスマホでも読み進められます。図書館は入門書の蔵書が厚いので、まず借りて相性を確かめ、書き込みたい本だけ購入するのがおすすめです。「借りて試す、手元に置く1冊を決める」という順番なら失敗が少なくなります。
社会人や大学生が最短で基礎を固めるには何冊くらい必要ですか?
橘ナナミ
社会人や大学生が最短で基礎を固めるには何冊くらい必要ですかについて教えてください。
佐藤メバル
目安は3冊です。薄い漫画・図解で全体像をつかみ、新書で用語を言葉にし、教科書寄りの1冊で仕組みを確認する。『世界一やさしい 経済の教科書1年生』のように値段・給料・景気・為替・税金という身近な順に読める本なら、仕事や学業の合間でも進めやすいはずです。週に1冊のペースなら、1ヶ月で基礎の地図が手に入ります。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、最初の1冊のハードルが下がりました。漫画から入ってもいいんですね。
佐藤メバル
いいんだよ。ただ、漫画で終わらせないこと。1冊読んだら、同じテーマを新書で読む。値段の話なら『スタバではグランデを買え!』、景気と政策の話なら『池上彰の経済学入門』というふうに、隣の棚に手を伸ばす。この往復だけで、経済ニュースの見え方がかなり変わる。
橘ナナミ
途中でわからなくなったら、戻ればいいですか?
佐藤メバル
戻るというより、飛ばしていい。わからない章で立ち止まって挫折するより、全体を一度通して「どこがわからないか」を知るほうが、次の一冊で回収できる。経済学は一周で理解する学問じゃないからね。
橘ナナミ
なんだか安心しました。私でも1冊、読み切れそうな気がします。
佐藤メバル
それでいい。経済学の入門書は、初めての街で買う路線図みたいなものだ。全部の路線を暗記してから電車に乗る人はいない。まず一枚広げて、自分の目的地がどのあたりにあるかを確認する。乗り換えの理由が気になってから、駅の案内板を読めばいい。あなたの最初の一枚を、書店で選んできてください。
