経済学を独学で学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】

監修

佐藤メバル

佐藤メバル

@shelfy_mebaru

編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ

橘ナナミ

@medias_nanami

編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。

最終更新: 2026年10月

橘ナナミ

橘ナナミ

「経済学 独学 本」で調べたら候補が多すぎて、棚の前で固まってしまいました。どの本から読めばいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。経済学は、選書でつまずく人がいちばん多い分野なんだ。書店員だった頃、「入門」「ミクロ」「マクロ」で棚を細かく分けたら、かえってお客さんを迷わせてしまってね。分類より「その人がどこへ向かうか」で並べ直したら、ぐっと選びやすくなった。

橘ナナミ

橘ナナミ

分類って、親切なだけじゃないんですね。名前だけは聞いたことがあるのが、『マンキュー入門経済学』と『クルーグマン 入門経済学』です。

佐藤メバル

佐藤メバル

その2冊は入門の両雄だね。マンキューは「経済学の10原則」から始まり、需要と供給、GDP、金融システムまでを一本の線で通していく王道。クルーグマンは物価上昇や国際情勢といった現実の事例を織り込みながら、「物語を読むように」学べるのが持ち味。どちらも厚いからこそ、原理から積むか、事例から入るかで選ぶと失敗が減る。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……!でも厚い本を買って、そのまま積んじゃう未来が見えます。

佐藤メバル

佐藤メバル

その未来、私も何度か見たよ。だから薄い入り口を先に一枚挟む。『高校生のための経済学入門』や『ミクロ経済学入門の入門』あたりは、数式なしで全体像をつかませてくれる。ここから選び方の軸を整理していこう。

経済学を独学で学べる本の選び方

目的別 ― 教養か、資格か、実務か、大学院か

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ「経済学を学びたい」でも、目的で本って変わりますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

変わる。ニュースが読めればいいなら『池上彰のやさしい経済学』や『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』。実務や投資に接続したいなら『超速・経済学の授業』のように金利・為替・財政に絞った本。公務員試験なら『はじめてのミクロ経済学』のように過去問を見据えた自習書。大学院を視野に入れるなら、いずれ数式の体系が必要になる。

橘ナナミ

橘ナナミ

大学院だと、入門の「やさしさ」が逆に遠回りになることもあるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。ゴールが違えば最短ルートも変わる。まず目的を一行で書いてみること。それが最初の選書基準になる。

レベル別 ― 予備知識ゼロか、教養済みか

橘ナナミ

橘ナナミ

予備知識ゼロの人がいきなり『マンキュー入門経済学』は、やっぱりきついですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

読めないことはないけど、500ページ級を一人で走り切るのは体力がいる。ゼロなら『今までで一番やさしい経済の教科書』や『経済ってなんだ?』のような読み物で用語の地図を作ってから体系書へ。大学で一度かじった人は、『経済学・入門』のような定番テキストで抜けを埋めるほうが早い。

形式別 ― 新書・読み物か、体系的教科書か、問題集か

橘ナナミ

橘ナナミ

新書で入るのと、教科書で入るのと、どっちがいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

通勤や寝る前の15分なら新書。『経済の考え方がわかる本』や『経済学の思考軸』は読み物として面白い。机に向かえる時間があるなら教科書。理解できたかを確かめたいなら、問題がついた本を1冊混ぜる。読む・解く・眺めるの3種類を役割で分けるのがコツだね。

数学耐性別 ― 数式を避けたいか、数式で理解したいか

橘ナナミ

橘ナナミ

数式アレルギーがある人間でも大丈夫でしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

大丈夫。『ミクロ経済学入門の入門』は数式を一切使わず、簡単な図だけで均衡理論からゲーム理論まで運んでくれる。逆に「計算できないと気持ち悪い」タイプは、微分の説明から丁寧に始める『はじめてのミクロ経済学』や、図表で理論の前提まで掘る『ミクロ経済学:基礎へのアプローチ』が合う。自分の耐性を偽らないのがいちばん大事だよ。

学習期間別 ― 短期で全体像か、じっくり体系か

橘ナナミ

橘ナナミ

短期で全体像をつかむのと、じっくり体系で学ぶのと。

佐藤メバル

佐藤メバル

全体像を短期でなら『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』、マンガからなら『大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる』。半年かけて骨組みを作るなら、入門テキストを1冊決めて最後まで通す。短期型はきっかけ作り、長期型は土台作り。両方やってもいい。

入手手段別 ― 新品・中古・図書館・電子

橘ナナミ

橘ナナミ

予算が限られている場合、どう揃えるのが現実的ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

迷ったら図書館で「立ち読み予算」を使うこと。手元に置くと決めた1冊だけ買う。大学の教科書は改訂が多く、版が違う中古も出回っているから、まず版の表記を確認してから。電子は検索が強いぶん、図や数式の往復がしにくい。最初の1冊は紙、辞書的に使う本は電子、と役割で分けると迷わない。

経済学を独学で学べる本をひと目で比較

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず

#画像名称おすすめ対象価格一言
1
マンキュー入門経済学(第4版)
マンキュー入門経済学(第4版)経済学を「体系として最初から最後まで」一本の道で学びたい人。大学の講義の予習・復習、資格や公務員試験の土台づくり、そして一度挫折した人が用語の定義から立て直すための基準書として使えます。¥3,960迷ったら原点の教科書
2
クルーグマン 入門経済学
クルーグマン 入門経済学経済学を「読み物として」楽しみながら入りたい人。ニュースの背景を理論で裏づけたい社会人、事例から学ぶ授業を好む学生、教科書アレルギーがあるけれど基礎は押さえたい人に向きます。¥3,740読み物として面白い教科書
3
アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学
アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学「なぜそうなるのか」をデータで確かめたい人。新しい経済学に触れたい大学生、身近なサービスの仕組みを経済で説明したいビジネスパーソン、暗記ではなく考える力を伸ばしたい人に。¥3,520最新の経済学で世界を見る
4
入門 経済学 [第四版]
入門 経済学 [第四版]まず短時間で一周したい人。授業の副読本として講義に合わせる学生、通勤・通学のすきま時間で少しずつ進めたい社会人、挫折した教科書のリハビリをしたい人に向きます。¥1,870薄くて手頃な講義のお供
5
経済学・入門 第3版 (有斐閣アルマ)
経済学・入門 第3版 (有斐閣アルマ)ニュースの背景にある日本経済の流れを知りたい人。経済史と理論をセットで押さえたい大学生、就職活動や仕事で日本経済の文脈が要る社会人、独学の二冊目を探している人に向きます。¥2,530日本経済の流れと一緒に学ぶ

経済学を独学で学べる本のおすすめ人気ランキング

橘ナナミ

橘ナナミ

一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!

佐藤メバル

佐藤メバル

よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

マンキュー入門経済学(第4版)
1

マンキュー入門経済学(第4版)

N・グレゴリー・マンキュー 著|発行元:センゲージ・ラーニング株式会社 発売元:TKDラーニング/東京化学同人

¥3,960(税込)

4.8

「経済学の10原則」から始まり、需要と供給、生産コスト、GDP、貨幣、インフレまでを一冊で通す定番教科書です。図版と用語説明の視認性を高めた判型で、章末の付論まで含めると独学の骨格をこれ一台で組めるのが強み。事例の豊富さで読ませるクルーグマン版や、実験経済学から入るアセモグル版と並べると、こちらは「標準」を正面から積む教科書型です。原著の新しい版を反映した翻訳が予定されている点も、長く使う前提の人には心強い。

こんな人におすすめ

経済学を「体系として最初から最後まで」一本の道で学びたい人。大学の講義の予習・復習、資格や公務員試験の土台づくり、そして一度挫折した人が用語の定義から立て直すための基準書として使えます。

良い点

  • 10原則から積む王道の構成
  • 図版と用語説明が見やすい判型
  • 章末の付論まで範囲が広い

気になる点

  • 分厚く、通読には覚悟が要る
  • 事例の面白さは控えめ
  • 独学のみだと演習量が不足しがち

出版社

発行元:センゲージ・ラーニング株式会社 発売元:TKDラーニング/東京化学同人

発売日

2025年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

マンキューって、経済学の教科書の代名詞みたいに聞きますけど、独学の1冊目にするには重すぎませんか? 分厚い本で挫折した経験があるので、そこが気がかりで。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。重いのは事実で、通読を目標にすると心が折れやすい。ただ、第1章は「経済学の10原則」で、人はトレードオフに直面する、といった考え方から入る。

最初の数十ページだけでもニュースの見え方は変わる。辞書的に使う前提で構えないのがコツだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

辞書的に使う、か。なるほど。じゃあ章の並びは素直なんですか? 独学だと、途中で迷子にならないか心配なんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

素直だよ。導入、ミクロ、マクロの三部構成で、需要と供給からGDP、貨幣、インフレまで一直線につながる。

付論で弾力性や租税のコスト、消費者選択まで拾えるから、講義の副読本としても崩れない。ただ面白さで引っ張るタイプではないので、そこは別の本で補うといい。

クルーグマン 入門経済学
2

クルーグマン 入門経済学

ポール・クルーグマン 著|東洋経済新報社

¥3,740(税込)

4.7

現実の面白い事例を示して学習意欲を高める手法を貫いた入門書です。コロナ禍や物価上昇、ウクライナ侵攻を題材に、理論の合間に第1期トランプ政権の関税政策の帰結を扱うコラムを読むことで、物語を読むように生きた経済学が身につく。ミクロとマクロのエッセンスを凝縮した日本版の入門書で、分厚さの割に読み進められるのが、標準をきっちり積むマンキュー版との違いです。

こんな人におすすめ

経済学を「読み物として」楽しみながら入りたい人。ニュースの背景を理論で裏づけたい社会人、事例から学ぶ授業を好む学生、教科書アレルギーがあるけれど基礎は押さえたい人に向きます。

良い点

  • 現実の事例が豊富で飽きない
  • コラムが物語のように読める
  • ミクロとマクロを凝縮

気になる点

  • 総ページ数が多く持ち運びにくい
  • 事例が海外中心で日本の話は薄め
  • 網羅性重視で演習は少なめ

出版社

東洋経済新報社

発売日

2025年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

クルーグマンって聞くと、ニュースで見る評論家のイメージでした。まさか教科書も書いているとは知らなかったです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、しかも「読ませる教科書」として評価が高い。コロナ禍や物価上昇、ウクライナ侵攻みたいな重いテーマを事例に置きながら、コラムで関税政策の帰結を追わせる。

物語を読むように経済学が入ってくるのがこの本の売りだね。

橘ナナミ

橘ナナミ

それ気になります! でも分厚いですよね……。私は分厚い本を途中で止めた経験があるので、そこが不安です。

佐藤メバル

佐藤メバル

正直に言うと、通読より拾い読みが向いている。興味のある章から入って、理論の説明が欲しくなったら戻る。

日本版としては初めて作られた入門経済学で、ミクロとマクロの要点が凝縮されているから、つまみ食いでも全体像は見えるよ。

アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学
3

アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学

ダロン・アセモグル 著|東洋経済新報社

¥3,520(税込)

4.6

「なぜフェイスブックは無料なのか」という問いから始まる、いま最も新しい入門書です。最適化・均衡・経験主義という三つの原理と、データで語るコラム群を軸に、理論を覚えるより経済を理解することを優先した設計。実験経済学の成果や金融危機後の書き換えを反映し、行動やデータから入る点は、思想史から入る池上版や王道のマンキュー版と役割がはっきり分かれます。

こんな人におすすめ

「なぜそうなるのか」をデータで確かめたい人。新しい経済学に触れたい大学生、身近なサービスの仕組みを経済で説明したいビジネスパーソン、暗記ではなく考える力を伸ばしたい人に。

良い点

  • 身近な問いから入る導入
  • データ重視のコラムが豊富
  • 最新トピックを反映

気になる点

  • 前提知識ゼロだと重い章がある
  • 日本版は再構成版である
  • 演習中心の独学には不向き

出版社

東洋経済新報社

発売日

2020年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

フェイスブックが無料な理由から始まるって聞いて、そこだけで惹かれました。経済学って、身近な疑問から入っていいんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の入口だね。無料で提供されているという現象の原因と結果を解明する——これが経済学なんだと、いきなり見せてくれる。

三つの原理のうち、特に経験主義=データで確かめるを大事にしているのが特徴だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

データで確かめる、っていうのは具体的にはどういうことですか? 数字を扱うのは苦手なので、身構えてしまいます。

佐藤メバル

佐藤メバル

現実のデータを議論の土台に置くコラムが用意されていて、主張と根拠を切り離さない練習になる。同じ著者たちのミクロ・マクロの本から基本の章を選んで再構成した入門版だから、いきなり分厚い専門書に行く前の一本としても使いやすいよ。

入門 経済学 [第四版]
4

入門 経済学 [第四版]

飯田幸裕 著|創成社

¥1,870(税込)

4.4

版を重ねてきた入門テキストの第四版です。200ページに満たない薄さで、講義の予習・復習や通学の合間に無理なく回せるのが持ち味。創成社から出ている講義向けの体裁で、分厚い教科書を途中で止めてしまった人が、まず一周して骨格をつかむための一冊として使いやすい。理論をじっくり積む塩澤版や、判型の大きいマンキュー版とは、役割がはっきり違います。

こんな人におすすめ

まず短時間で一周したい人。授業の副読本として講義に合わせる学生、通勤・通学のすきま時間で少しずつ進めたい社会人、挫折した教科書のリハビリをしたい人に向きます。

良い点

  • 薄くて一周しやすい
  • 改訂を重ねた安定感
  • 価格が抑えられている

気になる点

  • 詳細な解説は期待できない
  • 演習問題は多くない
  • 情報量は分厚い教科書に劣る

出版社

創成社

発売日

2018年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

これ、ページ数がぐっと少ないですね。入門書でこの薄さって、逆にいいんでしょうか。分厚いほうが安心、という気もしていたんですけど。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい着眼点だね。第四版まで版を重ねているのは、授業で使われ続けてきた証拠。最初の一周は薄い本でいい。

分厚い本を三日で閉じるより、薄い本を一回通すほうが、次に何を読めばいいか分かるようになる。

橘ナナミ

橘ナナミ

たしかに、私も分厚い教科書で一回止まったんですよね……。薄い本でやり直すのは、遠回りに見えて近道なのかもしれません。

佐藤メバル

佐藤メバル

それでいいんだよ、誰でも通る道だ。これは創成社の講義向けテキストで、価格も抑えられている。腰を据えて全部を理解する本というより、用語と流れに一度触れて、自分の弱点を洗い出す地図づくりに使うのが向いているよ。

経済学・入門 第3版 (有斐閣アルマ)
5

経済学・入門 第3版 (有斐閣アルマ)

塩澤修平 著|有斐閣

¥2,530(税込)

4.3

きめ細かな図解と身近な例で経済を見る目を養う定番テキストの改訂版です。戦後の復興・成長からバブル、リーマン・ショック後まで日本経済を通観してから、ミクロとマクロの基礎に入り、最後にグローバル化時代の現実問題を考える——この歴史から理論へという順番が、他の入門書にない持ち味です。理論だけ先に走ると頭に入らない、という人に効きます。

こんな人におすすめ

ニュースの背景にある日本経済の流れを知りたい人。経済史と理論をセットで押さえたい大学生、就職活動や仕事で日本経済の文脈が要る社会人、独学の二冊目を探している人に向きます。

良い点

  • 日本経済の通観から入れる
  • 図解がきめ細かい
  • 改訂で内容が更新されている

気になる点

  • 厚めで通読に時間がかかる
  • 数式の扱いは控えめ
  • 初学者には前半が重い

出版社

有斐閣

発売日

2013年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

有斐閣アルマって、大学の教科書コーナーで見たことがあります。名前からして堅そうですが、独学でも読み通せますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

装丁は堅いけど、中身はかなり親切だよ。まず戦後の復興・成長からバブル、リーマン・ショック後まで日本経済を通観して、それからミクロとマクロの基礎に入る。

歴史を先に置くことで、理論がなぜ必要かから入れるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

順番が逆なんですね。普通は理論から始まるイメージでした。日本経済の話から入ると、何が変わるんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが差別化点だね。数字やグラフの意味が、実感のある出来事と結びつく。最後にはグローバル化時代の現実問題を考えるヒントまで置いてあるから、読み終わると経済を見る目が一段変わる。

ただし厚いので、通読より章を選んで往復する読み方が現実的だよ。

この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学
6

この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学

加藤真也 著|かんき出版

¥1,980(税込)

4.1

YouTube「はじめよう経済学」で人気の大学教授による初の書籍です。数学知識は不要と割り切り、GDPの測り方から45度線分析、IS-LM、マンデル=フレミング、そして余剰分析や情報の非対称性まで、ミクロとマクロを14の講で並べていく。金利・為替・物価といった毎日聞く言葉を、講義の空気のまま追えるのが強みです。

こんな人におすすめ

経済用語を耳で知っているだけの人。資格試験やビジネスの前提知識として経済学が要る人、大学の講義でつまずいた人のやり直し、資産形成の前に基礎を固めたい人に。

良い点

  • 講義形式で読み進めやすい
  • 数学をほぼ使わない
  • ミクロとマクロを1冊で往復

気になる点

  • 理論の深掘りは控えめ
  • 独学の演習量は少ない
  • 網羅より要点整理が中心

出版社

かんき出版

発売日

2026年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

YouTube発の本って、どうしても「まとめ動画を文字にしただけ」に見えがちじゃないですか。実際どうなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは実際に読んで確かめてほしいけど、構成はしっかりしている。第1部で日本経済の循環と市場の秩序、第2部でマクロ、第3部でミクロと、順番に意味がある。

45度線分析からIS-LM、マンデル=フレミングまで一気に並ぶのは独学だとありがたいよね。

橘ナナミ

橘ナナミ

マンデル=フレミングって、名前だけで身構えてしまいます。名前負けしない説明だといいんですけど……。

佐藤メバル

佐藤メバル

名前は大げさだけど、中身は「為替レートが政策効果を変える」という話だよ。著者は名城大学で研究と講義をしている先生で、数学を要求しない方針を貫いている。

金利、円安・円高、拡張的財政政策——ニュースの言葉がどの講に対応するか意識しながら読むと残りやすい。

高校生のための経済学入門[新版] (ちくま新書 1779)
7

高校生のための経済学入門[新版] (ちくま新書 1779)

小塩隆士 著|筑摩書房

¥1,012(税込)

4.1

需要と供給から金融政策、税金と財政、社会保障、比較優位まで、経済学の全体像を新書サイズで一気につかめる入門書の新版です。キーワード索引が付いて検索性が上がり、GDP、インフレ、異次元の金融緩和、プライマリー・バランスといった「説明できない言葉」を辞書のように引けるのが便利。厚い教科書を開く前に地図を手に入れたい人に向きます。

こんな人におすすめ

ニュースの用語を一度整理したい人。学び直しの最初の一冊を探しているビジネスパーソン、経済学をこれから履修する大学生、家族や同僚に経済の話を説明したい人に。

良い点

  • 新書サイズで持ち歩ける
  • 索引で用語を引ける
  • 全体像を短期間でつかめる

気になる点

  • 数式や演習はほぼ無い
  • 理論の深さは教科書に劣る
  • 網羅的ゆえ一章は短い

出版社

筑摩書房

発売日

2024年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

タイトルに「高校生のための」とありますけど、二十代の私が読んでもいいんでしょうか。背伸びしすぎですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

むしろ大人にこそ勧めたいね。著者もビジネスパーソンの学び直しを想定している。需要と供給から社会保障まで一直線に並んでいるから、ニュースで見る言葉がどの章の話なのか、地図が頭にできるんだ。

高校生向けと銘打っているけれど、内容は大人の学び直しにちょうどいい。

橘ナナミ

橘ナナミ

索引が付いたのが新版の売りなんですね。用語を辞書みたいに引けるのは地味にありがたいです。そういう使い方でいいんですよね?

佐藤メバル

佐藤メバル

もちろん。「異次元の金融緩和」「プライマリー・バランス」みたいな、知っているようで説明できない言葉を引けるのが新版の狙いだよ。

分厚い教科書を開く前に、まずここで言葉の住所を覚えておくと、次に読む本の吸収が全然違ってくる。

池上彰のやさしい経済学[令和新版] 1 しくみがわかる
8

池上彰のやさしい経済学[令和新版] 1 しくみがわかる

池上彰 著|日経BP 日本経済新聞出版

¥1,760(税込)

3.9

貨幣の誕生からアダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマン、そして比較優位まで、経済学の流れを人物でたどる一冊です。ロングセラーの決定版が10年ぶりに改訂され、用語解説とイラストで「お金とは何か」から説き起こす。需要と供給の技術より先に思想の物語から入る構成で、経済学が苦手だった人の入口として強い。

こんな人におすすめ

人名は聞いたことがあるが中身は知らない人。経済思想の流れを物語として追いたい読者、池上彰の解説で学び直したい社会人、経済学の最初の一冊に挫折した人に向きます。

良い点

  • 人物と思想の流れで覚えられる
  • イラストと用語解説が親切
  • 改訂で現代の話題に対応

気になる点

  • 数式や計算問題は扱わない
  • 理論の厳密さは薄い
  • シリーズの続巻前提の構成

出版社

日経BP 日本経済新聞出版

発売日

2023年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

アダム・スミス、マルクス、ケインズ……名前は全部聞いたことがあります。でも、並んでいる順番に意味があるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の読みどころだよ。「見えざる手」から始まり、資本主義は失業者を生み出すという批判があり、公共事業で景気を回復しようという発想が出て、お金の量が問題だという話になる。

経済学は思想のリレーなんだと体で分かる。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、用語の暗記じゃなくて物語として読むんですね。それなら私でも最後まで行けそうです。思想の流れという視点は新鮮でした。

佐藤メバル

佐藤メバル

しかも改訂で今の言葉づかいになっているから、円安や物価高の話ともつながる。この巻は「しくみがわかる」編で、比較優位や自由貿易と保護貿易の揺れまで置いてある。

思想の地図を先に持っておくと、あとで教科書を読んだときの定着が違うよ。

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる
9

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

井堀利宏 著|KADOKAWA/中経出版

¥1,650(税込)

3.9

東大で長く教えてきた著者が、ミクロとマクロのエッセンスを20項目に畳んだ一冊です。1日30分×20項目という設計で、消費者と企業の行動、市場の失敗、GDP、財政政策、金融政策、経済成長まで、通勤時間でも前に進める。同じ著者のマンガ版や授業形式の本と芯は重なるので、活字で速く通したい人と絵で入りたい人で選び分けられます。

こんな人におすすめ

まとまった時間が取れない人。通勤・昼休みの30分で経済学の骨格を作りたい社会人、試験前に全体を高速で見直したい学生、教養として最低限を押さえたい人に。

良い点

  • 項目が細かく区切られている
  • 全体を短時間で見渡せる
  • 著者の講義経験が反映

気になる点

  • 各項目の深さは浅め
  • 数式の解説は最小限
  • 演習問題は期待できない

出版社

KADOKAWA/中経出版

発売日

2015年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「10時間でざっと学べる」って、さすがに盛りすぎでは……と疑ってしまいます。数字を掲げる本ほど、中身が気になるんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

疑うのは正しい。正確には「ざっと」の範囲を絞った本だね。20項目に区切って、1項目あたり30分程度で読める分量にしている。

全体像を先に手に入れるための設計で、深く理解するのは二周目から、という前提なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

じゃあ一周目は地図づくりということですね。それなら、まとまった時間が取れない私にもできそうです。まずは目次を眺めるだけでもいいですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

もちろん、それでいい。東大で長く教えてきた人が、講義で扱う範囲を落とさずに畳んでいるから抜けは少ない。

同じ著者がマンガ版や授業形式の本も出しているから、まず活字で流れをつかんで、苦手な章だけ別の形で戻る往復が現実的だよ。

大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる
10

大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる

井堀利宏 著|KADOKAWA

¥1,870(税込)

3.9

速習の定番を、経済学が初心者のカツヤマさんと東大名誉教授の井堀先生のやりとりでマンガ化した一冊です。「あっ、経済学ってこういうことだったのか」と腹に落ちることを狙い、希少性と価格、限界メリットと限界コスト、ローレンツ曲線、乗数効果といった論点を絵で追う。活字で挫折した人が、同じ著者の講義の芯に別ルートから入れるのが価値です。

こんな人におすすめ

経済学の本を何度も途中で閉じた人。数字とグラフに苦手意識がある読者、家族や友人と話題を共有しながら読みたい人、学生が最初に手に取る一冊を探している人に。

良い点

  • マンガで導入の壁が低い
  • 論点の見取り図になる
  • 同じ著者の速習本と往復できる

気になる点

  • マンガゆえ情報量は絞られる
  • 一人で深く理解するには不足
  • 理論の証明には触れない

出版社

KADOKAWA

発売日

2016年12月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

私、経済学の本で一回心が折れているので、マンガ版は正直ありがたいです。ただ、内容が薄くなっていないかは気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう人に向けて作られた本だね。ビールは何本まで飲むのが得か、みたいな例で限界メリットと限界コストを扱う。

数式の前にイメージを作るのが目的なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

「すぐ難しくいいたがる」先生と、初心者の人が出てくるんですね。その掛け合いで読み進められるなら、挫折しにくそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがミソで、読者の代わりに初心者の役が質問してくれる。所得効果と代替効果、費用曲線と利潤の最大化、不況にはケインズ——こういう論点を、絵で見てから活字に戻ると入りが違う。

同じ著者の速習本を隣に置いて、章単位で行き来するのが一番効率がいいよ。

たった1つの図でわかる! 図解経済学入門
11

たった1つの図でわかる! 図解経済学入門

高橋洋一 著|あさ出版

3.7

「経済の9割はたった一つの図でわかる」という立場から、需要供給曲線を軸にモノの値段、日銀と金利、政府の財政政策まで読み解く入門書です。政府はお金を取る・借りる・分配するという整理など、論点を一言に畳むのがうまい。網羅性より「マスコミや学者の言葉に惑わされず自分の頭で考える」ことを狙った、立場の色がはっきりした一冊です。

こんな人におすすめ

経済ニュースを鵜呑みにしたくない人。図一本で説明する力を身につけたい読者、消費税やマイナス金利の議論を自分で考えたい人、短時間で経済の勘所だけ押さえたい人に。

良い点

  • 図一本で一貫している
  • 論点の畳み方が明快
  • 短時間で通せる

気になる点

  • 著者の立場の色が濃い
  • 網羅性は低い
  • 細かい理論には踏み込まない

出版社

あさ出版

発売日

2016年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「たった1つの図でわかる」って、さすがに言い過ぎな気がするんですけど……。需要供給曲線だけで本当に足りるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

誇張はあるよ。ただ、需要供給曲線を本当に使いこなせる人は少ないから、そこに絞ったのは戦略として分かる。

値段が上がったね、嫌だね、で終わらせず、曲線がどっちに動いたのかを考える癖をつける本なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。著者によって見方に癖がありそうですね。そのへんは気にしながら読んだほうがいいんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは自覚して読んでほしい。日銀と金利、政府と財政と、扱う範囲は広いけれど、最後は自分の頭で考えられるようになることが目標だと明記されている。

入門として鵜呑みにするのではなく、他の本と突き合わせる前提で読むと、ちょうどいい刺激になるよ。

超速・経済学の授業
12

超速・経済学の授業

井堀利宏 著|あさ出版

¥1,694(税込)

3.7

生徒と先生の授業形式で、マクロ経済学の中でもインフレ、円高・円安、国債、金利といった生活に効く話題に絞った一冊です。時限ごとに知識がつながって幹になるように並べられ、最後は財政政策で景気がどれほど良くなるかを扱う特別授業へ。同じ著者の速習本が全体を薄く広く覆うのに対し、こちらはマクロの論点を会話で掘り下げます。

こんな人におすすめ

会話形式でないと頭に入らない人。インフレや円安の仕組みを自分の言葉で説明したい社会人、ニュースと資産判断をつなげたい人、マクロだけを短時間で押さえたい人に。

良い点

  • 授業形式で読み進めやすい
  • マクロの論点に絞られている
  • 時限ごとに積み上がる構成

気になる点

  • ミクロの内容は扱わない
  • 数式による確認は少ない
  • 会話の軽さが物足りない人も

出版社

あさ出版

発売日

2024年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「3時間で経済の原理・原則」って、また時間の話が出てきましたね。同じ著者ですけど、速習本とは何が違うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

対象をマクロに絞っているのが違いだね。インフレとバブル、金融政策、円安と円高、経済成長、貿易の枠組み、そして戦争を経済から見る回まで置いている。

時限ごとに話がつながるように組まれているんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

円安と円高、どっちが得なのか、いまだに自信がないんですよね。この本を読めば説明できるようになりますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを正面から扱っている回がある。輸出企業と家計で損得が逆になる、という当たり前の整理から入る。最後に財政政策で景気がどれほど良くなるかを特別授業として置いているから、政策の効果を数字の感覚でつかめる。

活字が苦でないならこちら、絵で入りたいなら他の著書、と選べばいい。

現代経済学の直観的方法
13

現代経済学の直観的方法

長沼伸一郎 著|講談社

¥2,640(税込)

3.7

『物理数学の直観的方法』で知られる著者が、資本主義の本質を直観でつかませる経済書です。ビジネス書大賞の特別賞を受けたように、経済を避けてきた読書人に向けて書かれ、資本主義はなぜ止まれないのか、貨幣はなぜ増殖するのか、ドルはなぜ君臨したのか、そして仮想通貨とブロックチェーンまで扱う。数式の教科書とは別ルートで全体像に迫ります。

こんな人におすすめ

教科書の前に資本主義そのものを考えたい人。文系理系を問わず、経済ニュースの奥にある構造を知りたい読者、成長の限界に関心がある人、読み応えのある一冊を探している人に。

良い点

  • 資本主義の骨格を直観でつかめる
  • 仮想通貨まで射程に入る
  • 読み物として面白い

気になる点

  • 教科書的な網羅性はない
  • 主張の当否は自分で判断が必要
  • 分厚く時間がかかる

出版社

講談社

発売日

2020年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『物理数学の直観的方法』の人ですよね。理系の友人が絶賛していたのを覚えています。その人が経済の本を書くなんて、意外です。

佐藤メバル

佐藤メバル

よく知ってるね。その著者が経済に向き合った本で、資本主義はなぜ止まれないのか、という問いから始まる。

インフレとデフレのメカニズム、貿易が拡大する理由、ケインズ経済学とは何だったのか、そして仮想通貨とブロックチェーンまで、一章ずつ景色が変わる。

橘ナナミ

橘ナナミ

教科書とは全然違う立ち位置ですね。じゃあ、試験勉強には使えないけれど、教養として読む本ということですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そういうこと。あくまで直観で全体像をつかむ本だから、資格や試験の役には立たない。でも、個別の知識を詰める前に、資本主義という舞台の形を知りたいなら、これ以上に面白い本は少ない。ページ数の覚悟は要るけどね。

経済学の思考軸 ――効率か公平かのジレンマ (ちくま新書 1791)
14

経済学の思考軸 ――効率か公平かのジレンマ (ちくま新書 1791)

小塩隆士 著|筑摩書房

¥990(税込)

3.7

効率性と公平性という二本の軸で、格差、消費税、医療保険、教育、年金、人口減少といった難題を交通整理する新書です。パレート効率的や補償原理、ラムゼーの命題、逆選択、黄金律——教科書では素通りしがちな概念を、「なぜそう考えるのか」から解きほぐす。同じ著者の高校生向け入門が全体像なら、こちらは論点の深掘りです。

こんな人におすすめ

「市場原理主義でしょ」と経済学を疑っている人。格差や社会保障の議論を自分で組み立てたい読者、消費税や年金の論点を整理したい社会人、経済学の考え方を批評的に知りたい人に。

良い点

  • 効率と公平の軸が明確
  • 身近な論点を正面から扱う
  • 新書で手頃に読める

気になる点

  • 数式や計算はほぼ無い
  • 入門の前に読むと重い
  • 答えより整理に徹している

出版社

筑摩書房

発売日

2024年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「経済学なんて市場原理主義でしょ」って、私もなんとなく思っていました。その疑いを、この本は裏切ってくれるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

その疑いを正面から受け止めてくれるよ。第1章が「出発点はあくまでも個人」で、個人の幸せをどう比べるのか、という話から入る。

効率性と公平性という二本の軸で、格差も消費税も年金も整理していくんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

夫婦別姓の話まで出てくるって聞いて、意外でした。経済学がそこまで踏み込むんですね。社会保障の話ともつながるんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

つながる。医療保険がなぜ強制加入なのか、教育市場はなぜ特殊なのか、情報収集をサボると何が起きるのか。

人口減少の話では黄金律や世代間の対立まで扱う。答えを配る本じゃなく、考え方を渡す本だよ。

経済の考え方がわかる本 (岩波ジュニア新書 511)
15

経済の考え方がわかる本 (岩波ジュニア新書 511)

新井明 著|岩波書店

¥1,034(税込)

3.7

1個のケーキを2人で分ける方法、オーダーメイドの店を開くには、ゴミにはどんな値段がつくのか——身近な題材で経済を考えるジュニア新書です。「こづかいの使い方こそ経済の原点」という立場から、ネット上で開かれた参加型の経済教室の情報と意見を紹介しながら進む。図解や数式で教える入門とは真逆の、問いから始まる一冊です。

こんな人におすすめ

用語暗記の前に経済の考え方に触れたい人。子どもに経済を説明したい大人、苦手意識なしに学び直したい読者、考える材料が欲しい高校生や大学生に向きます。

良い点

  • 身近な題材で考える練習になる
  • 問いかけ形式で読みやすい
  • ジュニア新書で取っつきやすい

気になる点

  • 理論の体系性はない
  • 統計やデータは少ない
  • 大人には物足りない章もある

出版社

岩波書店

発売日

2005年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

1個のケーキを2人で分ける方法、という題材が気になります。こういう身近なところから経済を考えるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこから経済に入るのがこの本らしいところだね。オーダーメイドの手工芸店を開くにはどうするか、ゴミに値段がつくのはなぜか。

答えを教わる前に、自分で考えるように作られている。

橘ナナミ

橘ナナミ

ジュニア新書ですけど、大人が読んでも大丈夫ですか? 子ども向けにやさしくしすぎていると、物足りないかなと思って。

佐藤メバル

佐藤メバル

むしろ、子どもに経済を説明したい大人にいい。ネット上で開かれた経済教室の意見を紹介する形だから、正解が一つではない問いに触れられる。

教科書で需要と供給を覚える前に、この「考える筋トレ」をしておくと、あとが楽になるよ。

はじめまして、経済学 ー おカネの物差しをもった哲学
16

はじめまして、経済学 ー おカネの物差しをもった哲学

宿輪純一 著|ウェッジ

¥1,650(税込)

3.5

貯蓄、株式、物価、決済、金利、為替、税制、年金、国債——身近な困りごとをテーマに、家計・企業・景気・決済・金融・財政の六つへ整理した入門書です。映画やマンガを交えながら「おカネとどう向き合うか」を説く構成で、決済やキャッシュレスの章があるのが他の入門にない特色。国際金融・決済を専門とする著者が、リアルな勘所を短くまとめています。

こんな人におすすめ

お金まわりの基礎をまとめて押さえたい人。貯蓄から投資へという流れの意味を知りたい読者、キャッシュレスや決済の仕組みに関心がある人、短い時間で家計と経済をつなげたい人に。

良い点

  • 決済やキャッシュレスまで扱う
  • 映画やマンガの例が親しみやすい
  • コンパクトで読み切りやすい

気になる点

  • 理論の体系性は薄い
  • 図表は多くない
  • 深掘りしたい人には物足りない

出版社

ウェッジ

発売日

2024年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「おカネの物差しをもった哲学」という副題が気になります。経済というより哲学なんですか? 著者は金融の専門家だと聞きました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが面白いところで、単なるハウツーではないんだ。貯蓄、株式、物価、決済、金利、為替、税制、年金、国債——身近な困りごとを入口に、おカネとどう向き合うかを考えさせる。

橘ナナミ

橘ナナミ

決済の章があるのが珍しい気がします。他の入門書だと、為替や物価の話で終わってしまうので。キャッシュレスの話も出てくるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

出てくるよ、そこがこの本の強みだね。キャッシュレス化のメリットは何か、金利が下がると何が変わるのか、といった話を映画やマンガの例を交えて説明している。

国際金融や決済が専門の人が書いているから現場感がある。家計と経済をつなげる最初の一冊としてちょうどいい厚みだよ。

経済ってなんだ? 世界一たのしい経済の教科書
17

経済ってなんだ? 世界一たのしい経済の教科書

山本御稔 著|SBクリエイティブ

¥1,650(税込)

3.5

小学3年生の領太と、亡きおじいちゃんの対話で進む物語形式の入門書です。大学で経済学を教えていたおじいちゃんが、孫に経済の知識を優しく注ぎ込んでいく。円高・円安、貿易、銀行、日銀、景気、インフレ・デフレ、税金、保険、年金、資産運用、仮想通貨、環境経済まで章が並び、ラストはヒューマンドラマとして読ませます。

こんな人におすすめ

活字の経済書で眠くなった人。物語から入りたい読者、子どもと経済の話をしたい親、経済用語をやさしく言い直したい社会人、短い章で少しずつ読みたい人に。

良い点

  • 対話形式の物語で読みやすい
  • 扱うテーマが幅広い
  • 小学生から大人まで楽しめる

気になる点

  • 理論の厳密さは犠牲になる
  • 数式や演習は皆無
  • 感情的な展開が好みを分ける

出版社

SBクリエイティブ

発売日

2021年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

経済の本で「ラストは涙なしでは読めない」って、どういうことなんですか……。勉強の本で泣かされるとは思っていませんでした。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の変わっているところでね。小学3年生の領太と、亡くなったおじいちゃんが再会するところから始まる。

おじいちゃんは大学で経済学を教えていた人で、孫に経済の知識を優しく注ぎ込む。円高・円安から年金、仮想通貨、環境経済まで、その会話の中で出てくるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

小学生の子とおじいちゃんの物語なら、完全に子ども向けなんですか? 大人が読んで得るものもあるんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

小学生から大人までと銘打っているとおり、子どもにも分かる言葉で書かれている。ただ、扱う範囲は広いから、大人が読んでも用語の言い換えの練習になる。

理論をがっつりやる本ではないけれど、経済への苦手意識をほどくには、こういう入口も必要だと思うよ。

今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]
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今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]

木暮太一 著|ダイヤモンド社

¥1,430(税込)

3.5

「なぜ景気は回復しないのか」「なぜ給料は上がらないのか」「なぜ消費税は上がり続けるのか」——この問いに自分の頭で答えるための入門書です。アベノミクス、金融政策、消費増税、円安、デフレ、年金・社会保障、格差問題といった話題を大幅に追加して全面リニューアル。為替・物価・貿易・国債・税金・投資の基本を一冊で押さえる設計です。

こんな人におすすめ

経済ニュースを読んでも頭に残らない人。社会人として最低限の経済知識をやり直したい人、家計や仕事の判断材料が欲しい人、学生が最初に読む一冊を探している人に。

良い点

  • 具体的な疑問から入る構成
  • 最新の話題が追加されている
  • やさしい言葉で書かれている

気になる点

  • 理論の体系性は弱い
  • 図表や演習は少なめ
  • 深い理解には次の一冊が必要

出版社

ダイヤモンド社

発売日

2015年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「なぜ給料は上がらないのか」って、まさに私が毎日思っていることです。こういう疑問から経済学に入っていいんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

それを入門書の入口に置くのがうまいよね。ニュースを眺めるだけでは、なぜ起きたのか、自分の生活にどう影響するのかが分からない。

知識の羅列ではなく、考える型を渡そうとしているんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

リニューアルで何が変わったんですか? 古い版を持っている人は買い直す必要がありますか? そこが気になっていました。

佐藤メバル

佐藤メバル

アベノミクス、金融政策、消費増税、円安、デフレ、年金・社会保障、格差問題といった、いま知りたい話題が大きく足された。

為替や国債、税金、投資の基本も一冊に入っている。学生から主婦まで幅広く支持されてきた定番が、今の時代に合わせて書き直された形だね。

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編
19

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編

ティモシー・テイラー 著|かんき出版

¥1,650(税込)

3.5

スタンフォード大学とミネソタ大学で「学生が選ぶ講義が上手な教師」の一位を獲った著者によるミクロ編です。身近な具体例を引きながら基礎を説く教え方で、経済学の基本が世の中の仕組みの見え方を変え、どんな政策が必要かまで考えられるように導く。講義の空気をそのまま持ち込んだ一冊です。

こんな人におすすめ

講義を受けるように学びたい人。大学で経済学をこれから履修する学生、一般教養として経済学を押さえたい人、就職活動の前に基礎を作りたい人、学び直しの社会人に。

良い点

  • 具体例が豊富で分かりやすい
  • 講義の流れがそのまま追える
  • ミクロに絞った潔さ

気になる点

  • マクロは別巻が必要
  • 数式の練習は少ない
  • 日本の制度の話は薄い

出版社

かんき出版

発売日

2013年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「学生が選ぶ講義が上手な教師」の1位という肩書きだけで、もう読みたくなります。説明がうまい人の本は安心できますね。

佐藤メバル

佐藤メバル

教え方のうまさが売りの本だね。ミクロ編は、経済学の基礎が身につくと世の中の仕組みが見えてきて、どんな政策が必要かまで自分で考えられるようになる、という立場で書かれている。

身近な具体例から入るから、抽象論が苦手な人でもついていける。

橘ナナミ

橘ナナミ

アメリカの大学の講義が元になっているなら、日本の話は少ないですよね。私の生活に結びつくんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは割り切りが必要。ただ、デフレや金融緩和のような日本の論点についても、基礎が分かっていれば見通しを自分で描けるようになる、というのが著者の主張で、監訳者もそこに共感している。

ミクロを固めてからマクロ編に進む、という順番が素直だよ。

はじめて学ぶミクロ経済学・マクロ経済学
20

はじめて学ぶミクロ経済学・マクロ経済学

池田剛士 著|税務経理協会

3.5

これから経済学を学ぶ人のために書かれた、ミクロとマクロの入門書です。産業組織論や国際貿易論はミクロと計量経済学を、財政学や金融論はマクロと計量経済学を土台にする——応用分野の土台になるのはこの二つだと最初に示してくれる。比較優位、市場均衡、外部性、GDP、物価指数、経済成長まで、つまずきにくい順に並びます。

こんな人におすすめ

経済学の授業が始まる前の人。何から手をつけるべきか迷っている独学者、応用分野に進む予定のある学生、用語の定義を丁寧に確認したい学び直しの人に。

良い点

  • 全体の見取り図を先に示す
  • 章立てが素直で追いやすい
  • 分量がコンパクト

気になる点

  • 発展的な内容は扱わない
  • 演習問題は多くない
  • マクロは基礎に留まる

出版社

税務経理協会

発売日

2023年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「計量経済学」って言葉が出てくると、もう身構えてしまいます。この本でも扱うんですか? 統計は苦手なんですが……。

佐藤メバル

佐藤メバル

この本はそこを丁寧に置いている。現代の経済学の土台はミクロ、マクロ、計量の三つで、産業組織論や国際貿易論はミクロと計量、財政学や金融論はマクロと計量を基にしている。

どの応用分野に進んでも必要になるから、まずここを固めよう、という案内なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、最初に地図をくれるんですね。何から手をつければいいか分からない身としては、それだけで助かります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。比較優位から需要と供給、市場均衡、価格規制、外部性、そしてGDPや物価指数、財市場、経済成長と進む。

理論の考え方に慣れるまでは難しいと感じることもある、と著者も認めていて、あわてずゆっくり進めるようにと書いている。その姿勢がそのまま読み方の答えだよ。

はじめてのミクロ経済学
21

はじめてのミクロ経済学

三土修平 著|日本評論社

¥3,700(税込)

3.5

雑誌連載に加筆し、実際の公務員試験の過去問から取った練習問題と解答を付けた、教科書兼自習書です。国家II種や地方上級に楽に合格できるレベルを到達目標に掲げつつ、大学1年生でも食いつけるように書かれている。微分法は予備知識ゼロを想定して本文中で初歩から説明し、図を多用して理解を助ける設計です。

こんな人におすすめ

試験対策と学問の両方を狙う人。公務員試験の経済学に取り組む受験者、独学で演習量を確保したい学生、ミクロを一冊で完結させたい人に向きます。

良い点

  • 過去問ベースの練習問題付き
  • 微分を初歩から説明
  • 図が多く独学に向く

気になる点

  • ミクロのみで範囲は限られる
  • 前提知識ゼロだと負荷が高い
  • 網羅的な問題集ではない

出版社

日本評論社

発売日

2005年1月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

公務員試験の過去問が付いているんですか。試験勉強にも使える入門書って、珍しいですよね。独学の人は助かりそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の性格だね。雑誌の連載に加筆して、実際の過去問から練習問題を取っている。国家II種や地方上級に楽に合格できるレベルを目標に掲げつつ、大学1年生でも食いつけるように書く、という欲張りな作りなんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

微分が出てくると聞くと、文系としてはちょっと不安です……。予備知識ゼロでも本当についていけますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこも配慮されていて、微分法の予備知識がない読者を想定して、本文の中で初歩から説明している。図を多用して理解を助ける方針だから、数式アレルギーがある人でも登山道は整備されている。

ただしミクロ専門なので、マクロは別の本で補う必要があるよ。

ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書)
22

ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書)

坂井豊貴 著|岩波書店

¥968(税込)

3.5

無差別曲線、限界効用、ナッシュ均衡——ミクロの迷宮で入門書すら歯が立たなくなる前に読む「入門の入門」です。数式は一切なし、シンプルな図だけで基本を説明する潔さで、標準的な均衡理論から応用のゲーム理論、IT社会を理解するためのネットワーク外部性、格差と不平等の測り方まで扱う。薄いのに内容はきっちりしている新書です。

こんな人におすすめ

ミクロ経済学の授業でつまずいた人。数式を見る前に直観をつかみたい読者、短時間で全体を一周したい社会人、経済学に興味を持ち始めた高校生や大学生に。

良い点

  • 数式を一切使わない
  • 薄くて短時間で読める
  • ゲーム理論や格差まで触れる

気になる点

  • 計算問題の練習にはならない
  • 応用の深掘りはしない
  • 物足りない人には物足りない

出版社

岩波書店

発売日

2017年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「入門の入門」って、入門よりさらに手前ということですよね。そこまで必要なんですか? ミクロ経済学って、そんなにつまずきやすいんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

必要だと思うよ。著者自身が「入門書すら歯が立たなくなる」と書いているくらい、ミクロはつまずきの石なんだ。

だから数式を一切使わず、シンプルな図だけで説明する。しかも著者は経済学者で、自分でも数式を追うのは面倒だと認めている。

その正直さが読みやすさにつながっている。

橘ナナミ

橘ナナミ

タテ書きの新書なんですね。意外です。経済学の本というと、横書きで図が多いイメージでした。読みやすさは変わりそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、だから短時間で読み切れて、完読の充実感が得やすい。それでいて標準的な均衡理論からゲーム理論、ネットワーク外部性、格差の測り方まで入っている。

第1章が「僕はコーラが好きだ」で始まるのも、身構えさせない工夫だね。読む前と後で、授業の理解度が変わるよ。

ミクロ経済学:基礎へのアプローチ
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ミクロ経済学:基礎へのアプローチ

三上真寛 著|学文社

¥2,200(税込)

3.5

経済学部以外の学生向けに編まれたミクロ経済学のテキストです。高度な数式による展開を避け、豊富な図表で丁寧に解説しながら、理論の前提や限界についても深く考察するよう設計されている。需要と供給から無差別曲線、等産出量曲線、一般均衡、独占、市場の失敗まで、薄さの中に骨格を詰め込んだ一冊です。

こんな人におすすめ

専門外だけど経済学の単位が必要な人。社会人の学び直しでミクロの骨格をつかみたい人、数式が苦手で図から理解したい人、短い期間で一周したい人に。

良い点

  • 薄いのに骨格が揃う
  • 図表が多く数式は控えめ
  • 理論の前提と限界にも触れる

気になる点

  • 演習問題は多くない
  • 発展的な議論は扱わない
  • 独学の厚みは教科書に劣る

出版社

学文社

発売日

2020年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「経済学は初めて登るには険しすぎる山」という一文が身に沁みます。私、ふもとで何度も引き返しているので。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこから続くのが「適切に整備された登山道があれば、誰でも見晴らしの良いところまで辿り着ける」という言葉だね。

この本はその登山道を作ろうとしている。経済学部以外の学生向けに、高度な数式を避けて図表で丁寧に説明する方針なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

でも、経済学部以外の学生向けにやさしくするだけだと、物足りなくなったりしないんでしょうか。物分かりのいい本は、逆に不安です。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこも考えられていて、理論の前提や限界についても深く考察するように設計されている。完全競争も独占も一般均衡も、条件つきの話だということが見えてくる。

薄いからこそ、まず全体を一周して、それから分厚い教科書に戻る、という使い方ができるよ。

基礎からわかるミクロ経済学
24

基礎からわかるミクロ経済学

家森信善 著|中央経済グループパブリッシング

¥2,930(税込)

3.5

タイトルのとおり、ミクロ経済学の基礎を丁寧に積むことを狙ったテキストです。200ページ弱の分量に要点をまとめ、中央経済社から出ている講義向けの一冊として、独学でも授業の副読本でも使える体裁。理論の裾野を広げるより、最初の一歩でつまずかないことを優先した設計で、分厚い教科書の前段として位置づけやすい本です。

こんな人におすすめ

ミクロ経済学の講義が始まる人。教科書の副読本を探している学生、短い期間で基礎を確認したい社会人、用語の定義から丁寧に押さえたい人に向きます。

良い点

  • 分量がコンパクト
  • 基礎に絞った構成
  • 副読本として使いやすい

気になる点

  • 発展的な内容は扱わない
  • 演習量は限られる
  • 応用の話は少ない

出版社

中央経済グループパブリッシング

発売日

2003年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

タイトルがとても素直ですね。「基礎からわかる」ということは、そこに絞った本なんですね。背伸びしない感じが好感です。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが長所であり限界でもある。ミクロ経済学の最初の一歩でつまずかないように、要点をまとめてくれている。

薄いぶん、講義の進行と並べて使いやすい。数式を追うより先に、用語と論点を整理したい場面で力を発揮するよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

じゃあ、これ一冊で完結するというよりは、次の一冊への足がかりなんですね。順番を大事にしたいです。

佐藤メバル

佐藤メバル

その理解でいいと思う。中央経済社から出ている講義向けのテキストで、独学でも授業の隣でも使える体裁になっている。

まずここで用語と流れを固めてから、分厚い教科書や演習書に進む。順番を守ると、けっこう遠くまで行けるよ。

入門ミクロ経済学
25

入門ミクロ経済学

井堀利宏 著|新世社

¥3,110(税込)

3.5

速習本や授業形式の入門で知られる著者が、ミクロ経済学を教科書として正面から積み上げた一冊です。440ページという厚みが示すとおり、薄い入門では物足りなくなった読者が、腰を据えて理論に向き合うための受け皿になる。同じ著者の速習本が「全体を短く」なら、こちらは「ミクロを深く」で、役割がはっきり分かれます。

こんな人におすすめ

ミクロを本格的に学びたい人。薄い入門を一周し終えた学生、講義で指定された教科書を深く読み込みたい人、理論の演習に時間を割ける社会人に。

良い点

  • 分量を活かした本格的な内容
  • 同じ著者の速習本と往復できる
  • 独学の拠り所になる厚み

気になる点

  • 初学者には重い
  • 独学だと演習の補助が要る
  • 通読には相当の時間が必要

出版社

新世社

発売日

2019年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ井堀先生で、速習本と、この分厚い教科書の両方があるんですね。同じ著者でどう使い分けるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いいところに気づいたね。速習本は全体を短く見渡すためのもの、この本はミクロを深く積むためのもの。

まず薄いほうで地図を作って、分からなかった章をこの厚いほうで掘る。順番を逆にすると、たいてい挫折する。

橘ナナミ

橘ナナミ

たしかに、いきなり分厚いほうから入ったら心が折れそうです。薄い本で地図を作ってから、が鉄則なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうならないための二冊だと思えばいい。新世社の教科書らしく、独学の拠り所として長く使う前提の造りになっている。

ミクロを「なんとなく」で終わらせたくない人が、最後に戻ってくる場所だよ。

挫折しない独学ロードマップ ― 順序と週あたりの目安

橘ナナミ

橘ナナミ

実際、どの順番で読めばいいんでしょう。分野が多すぎて……。

佐藤メバル

佐藤メバル

基本は「読み物 → 入門テキスト → ミクロとマクロ → 応用分野」。多くの入門書が最初に扱うのは需要と供給、市場メカニズム、そしてGDPや物価といった経済全体の計り方だね。ここを飛ばして金融論や国際貿易論に行くと、土台のないまま積み上げることになる。ミクロとマクロを1冊で扱う入門(たとえば『はじめて学ぶミクロ経済学・マクロ経済学』)で幹を作ってから、財政学や産業組織論といった枝へ進むのが素直な順序だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

週にどれくらい時間をかければいいんでしょう。

佐藤メバル

佐藤メバル

目安として、薄い新書なら1〜2週間、400ページ級の教科書を通読するなら2〜3か月。週3〜4時間を2回に分けるくらいが続きやすい。章末のまとめだけ拾って先に一周し、2周目で本文を読む「逆走」も有効だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

挫折パターンって、どんなものがありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

多いのは「いきなり名著から入る」「1冊を完璧に理解しようとする」「読むだけで手を動かさない」の3つ。名著は名著である理由があって難しいんだ。完璧主義は独学の最大の敵で、7割の理解で先へ進み、あとで戻るほうが結果的に速い。続かない人ほど、ニュースを1本読んでから本を開く、といった小さな仕組みを作るといい。

予算をかけずに学ぶ ― 無料リソースと入手の工夫

橘ナナミ

橘ナナミ

お金をかけずに学ぶ方法はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

ある。大学の公開講座やOCWのように講義を無料公開している仕組み、図書館、そして著者や大学が発信している解説動画だね。たとえば『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』の著者のように、講義を動画で発信している人もいる。本で分からなかった箇所を動画で補う併用は、独学の強い味方だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

順番は、本が先ですか、動画が先ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

入り口は動画でもいい。ただし動画だけだと体系的に穴が残りやすい。動画で見取り図、本で骨組み。この分担がおすすめだね。入手はまず図書館、どうしても手元に置きたい1冊だけ購入。中古は版が古いことがあるから、目次や版の表記を確認してから選ぶこと。

入門の次に効く補完書 ― 統計・計量・行動経済学の入口

橘ナナミ

橘ナナミ

経済学の応用分野って、どのあたりから広がるんでしょう。

佐藤メバル

佐藤メバル

土台はミクロ経済学、マクロ経済学、そして計量経済学の3つ。財政学や金融論はマクロ寄り、産業組織論や国際貿易論はミクロ寄り、行動経済学や実験経済学はミクロの人間観を実験とデータで塗り替えていく分野なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

行動経済学は、普通の経済学と何が違うんでしょう。

佐藤メバル

佐藤メバル

標準的な前提は「人は最適な選択をする」だけど、行動経済学はそこを疑う。その入口として読みやすいのが『アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学』で、「最適化」「均衡」「経験主義」という3つの原理と、データで語るコラムが全体に配置されている。実験やデータから経済を見る感覚は、この1冊でだいぶ掴めるはずだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

統計や計量は、いつ足せばいいんでしょう。

佐藤メバル

佐藤メバル

ミクロ・マクロの幹ができてからで遅くない。データを自分で扱いたくなったタイミングが学び時だよ。焦って統計だけを先に積むと、何のために使うのかが見えにくくなる。

よくある質問

経済学を独学するには何から読めばいい?

橘ナナミ

橘ナナミ

経済学を独学するには何から読めばいいについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『高校生のための経済学入門』や『ミクロ経済学入門の入門』のように、数式なしで全体像をつかめる薄い1冊から始めるのがおすすめです。最初の1冊は「読み切れること」を優先して選ぶと、次の段階へ進みやすくなります。

数学が苦手でも経済学は独学できる?

橘ナナミ

橘ナナミ

数学が苦手でも経済学は独学できるについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

できます。数式を一切使わず簡単な図だけで説明する入門書や、図表中心で微分の基礎から説明するテキストもあります。大切なのは自分の数学耐性に合った本を選ぶことで、数式が苦手なのに分厚い標準テキストから入ると、そこで止まってしまうことが少なくありません。

マンキューとクルーグマンはどちらがおすすめ?

橘ナナミ

橘ナナミ

マンキューとクルーグマンはどちらがおすすめについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

「経済学の10原則」から体系的に積みたいなら『マンキュー入門経済学』、物価上昇や国際情勢などの現実の事例と結びつけながら読みたいなら『クルーグマン 入門経済学』です。どちらも入門の定番なので、好みの入口で選んで問題ありません。

独学で経済学を一通り学ぶのに必要な期間は?

橘ナナミ

橘ナナミ

独学で経済学を一通り学ぶのに必要な期間はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

薄い入門書なら1〜2週間、400ページ級のテキストを通読するなら2〜3か月が一つの目安です。週3〜4時間を2回に分けるペースが続きやすいですが、理解度や目的で大きく変わるので、期間より「毎週同じ曜日に開く」習慣のほうが大切です。

入門書を読み終えたら次に何を読めばいい?

橘ナナミ

橘ナナミ

入門書を読み終えたら次に何を読めばいいについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

ミクロとマクロの幹を作る段階へ進みます。1冊で両方を扱う入門や定番の入門テキストで基礎を固め、その後に財政・金融・国際貿易といった応用分野へ。統計や計量経済学は、データを自分で扱いたくなった段階で足すのがおすすめです。

資格試験と趣味の独学で教科書は同じでいい?

橘ナナミ

橘ナナミ

資格試験と趣味の独学で教科書は同じでいいについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

同じである必要はありません。公務員試験などを目指すなら過去問を想定した自習書のほうが効率的ですし、教養として楽しみたいなら読み物寄りの入門書のほうが向いています。目的によって最適な1冊は変わるので、まずゴールを決めてから選びましょう。

経済学の本は紙と電子のどちらが学習しやすい?

橘ナナミ

橘ナナミ

経済学の本は紙と電子のどちらが学習しやすいについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

図や数式を行き来する教科書は紙が扱いやすく、索引や検索を使いたい辞書的な本は電子が便利です。最初の1冊は紙にして、参照用は電子、と役割で分けると迷いません。

お金をかけずに経済学を学ぶ方法はある?

橘ナナミ

橘ナナミ

お金をかけずに経済学を学ぶ方法はあるについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

大学の公開講座やOCW、著者による解説動画、図書館が使えます。動画で見取り図をつかみ、本で骨組みを固める併用が効果的で、気に入った1冊だけを手元に置くという揃え方でも十分学べます。

まとめ

橘ナナミ

橘ナナミ

今日のお話を聞いて、まずは薄い1冊から始めてみようと思いました。

佐藤メバル

佐藤メバル

それがいい。いきなり分厚い教科書を開くと、ページの重さに心が折れる。最初の1冊は「読み切れること」を優先して選んでいいんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

でも、1冊読んでもニュースが急にわかるようにはならない気がします。

佐藤メバル

佐藤メバル

ならないね。私も書店員時代、経済コーナーの本を何冊読んでも為替の話が頭に入らなかった。それがある日、金利と為替が同じ図の上でつながって見えた瞬間があって、そこから記事の読み方が変わった。理解は階段ではなく、ある日つながる線なんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

線、か……。それ、けっこう救われます。

佐藤メバル

佐藤メバル

経済学の独学は複利運用に似ている。1冊目は元本が小さすぎて、利息なんてほとんどつかない。でも読み続けると、知識が知識を呼んで、同じニュースが別の意味で読めるようになる。焦らず元本を積み続けること。それがいちばん確かな近道だよ。

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Editorial Team

編集に関わる専門家