高校生向けの経済の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、次の特集は「経済 本 高校生 おすすめ」ですよね。でも正直、私が高校生だったら「経済」って言葉だけでページを閉じちゃう気がします…。
佐藤メバル
いい質問だね。その感覚は正しいんだよ。書店員時代、経済書の棚の前で高校生が立ち止まったまま動かない光景を何度も見てきた。だからこの記事では、いきなり分厚い理論書を勧めない。自分の現在地から一冊を選べることをいちばん大事にしたいんだ。
橘ナナミ
現在地、ですか。たとえばどういうことでしょう?
佐藤メバル
ニュースの言葉が分からないなら、小塩隆士さんの『高校生のための経済学入門[新版]』。需要と供給、金利、インフレ、円高と円安、税金と財政、貿易と世界経済まで、用語をひとつずつ積み上げて全体像に連れていってくれる。逆に「経済って何だ?」という根本から考えたいなら、中央大学経済学部の『高校生からの経済入門』や新井明さんの『経済の考え方がわかる本』——ケーキを2人で分ける、ゴミに値段をつける、といった身近な題材から入る本が向いている。入口はひとつじゃないんだ。
橘ナナミ
なるほど!同じ「入門」でも入り口が全然ちがうんですね。
佐藤メバル
そう。だから選び方を知らずに背伸びすると、途中で「自分には向いていない」と誤解してしまう。まずは選び方の軸を整理してから本を見ていこう。
高校生向けの経済の本の選び方
目的から選ぶ(受験・時事・教養)
橘ナナミ
高校生が経済本を読む目的って、やっぱり受験ですか?
佐藤メバル
三つに分かれると思っている。ひとつは受験。政治・経済や小論文、総合型選抜の面接で「自分の言葉で説明できる」状態を作るためだね。菅原晃さんの『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』は現役高校教師が書いた本で、GDPの三面等価や比較優位、国債、財政政策と金融政策まで踏み込む。二つめは時事。金子勝さんの『高校生からわかる日本経済 深読みNow』は実質賃金や一人あたりGDPの話から日本経済の変化を読み解く。三つめは純粋な教養で、茂木誠さんの『経済は世界史から学べ!』のように歴史から迫る本も面白い。
レベルから選ぶ(知識ゼロ・政経履修済み・経験者)
橘ナナミ
「知識がゼロでも読めますか」って、いちばん多い質問だと思うんです。
佐藤メバル
読めるよ。むしろゼロの人のために書かれた本がたくさんある。山本御稔さんの『経済ってなんだ? 世界一たのしい経済の教科書』は小学3年生の領太とおじいちゃんの対話で、円高・円安から貿易、日銀、年金、仮想通貨まで進む。木暮太一さんの『今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]』も、為替・物価・貿易・国債・税金・投資を順に押さえる構成だ。政経を履修済みなら、池上彰さんの『池上彰のやさしい経済学[令和新版]1 しくみがわかる』で貨幣の誕生からアダム・スミス、ケインズ、フリードマンまで流れを追うと、断片が線になる。経済学部志望なら、高橋知也さんの『超入門経済学 高校から大学への架け橋』で高校と大学の橋をかけておくと入学後が楽だね。
形式から選ぶ(マンガ・図解・対話・新書・教科書)
橘ナナミ
文字が苦手な人には、やっぱりマンガや図解がいいですか?
佐藤メバル
形式は立派な選書の軸だよ。図で掴みたい人には髙橋洋一さんの『たった1つの図でわかる!【図解】新・経済学入門』。需要供給曲線というひとつの図から金融政策・財政政策まで説明していく。たとえ話が入口でも中身は本物で、ムギタローさんの『東大生が日本を100人の島に例えたら』は、日本を100人の島に置き換えて国債や信用創造、為替、投機バブルを語り、読み終わりに「自分の意見」が持てるように作られている。逆に腰を据えて読むなら、岩波ジュニア新書やちくま新書のような新書サイズが扱いやすい。
難易度から選ぶ(数式・ページ数・読了目安)
橘ナナミ
数式が苦手なんですけど、経済学の本って避けられないですよね…。
佐藤メバル
そこは選び方で回避できる。田内学さんの『お金のむこうに人がいる』は、元ゴールドマン・サックスで金利トレーディングを担当した著者が、専門用語も難しい数式も一切使っていないと明言している本で、出てくる数式は足し算と引き算くらいだと書かれている。一方で菅原さんの本のようにIS-LM分析まで扱うものもある。「数式の量」「ページ数」「読了までの日数」の3つを必ず確認してから選ぶといい。200ページ台の新書なら、通学の電車で1日20ページずつでも2週間前後で一周できる。最初は「読み切れる量」を選ぶのがコツだよ。
分野から選ぶ(ミクロ・マクロ・日本経済・行動経済学)
橘ナナミ
分野って、どう分けて考えればいいんでしょう?
佐藤メバル
理論の基礎なら小塩さんの本と菅原さんの本。日本の足元を知るなら塚崎公義さんの『一番わかりやすい日本経済入門』(押さえておきたいキーワードを最新情報つきで整理する構成)や三橋貴明さんの『高校生でもわかる日本経済のすごさ』。データを読む力をつけるなら吉本佳生さんの『高校生からの経済データ入門』。人の心とお金の関係なら、飯田泰之さんの『世界一わかりやすい 経済の教室』が「損得」という軸で全体を貫いていて、池上さんの本でも行動経済学に触れられている。経済史なら茂木誠さんの一冊。興味の分野が分かれば2冊目選びで迷わなくなるよ。
予算と入手しやすさから選ぶ
橘ナナミ
高校生だと、やっぱり予算も気になります。
佐藤メバル
そこは無理をしなくていい。新書や文庫は手に取りやすい価格帯のものが多く、池上彰さんの『池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」』は文庫で読める。図書館を使えば、価格の高い本も含めて何冊でも試せる。まず図書館で借りて、手元に置きたくなった一冊だけを買う——この順番が、いちばん失敗が少ないと書店員時代に学んだよ。
高校生向けの経済の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
高校生向けの経済の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
![高校生のための経済学入門[新版] (ちくま新書 1779)](https://img.shelf-y.com/items/19796.jpg)
高校生のための経済学入門[新版] (ちくま新書 1779)
小塩隆士 著|筑摩書房
¥1,012(税込)
需要と供給の決まり方から市場メカニズム、政府の役割、GDPや物価、金融政策、税金と財政、貿易と世界経済まで、経済学の全体像を一気につかめる入門書。新版でキーワード索引が加わったので、ニュースで見た用語から逆引きして学べる。類書が「わかる」を狙うのに対し、こちらは要点とキーワードを押さえながら体系として積み上げさせる設計。ビジネスパーソンの学び直しにも対応した256ページ。
こんな人におすすめ
経済ニュースの言葉を一度体系立てて整理したい高校生・大学生。わからない用語を索引から引き直したい人。社会人になってから学び直したい人にも、最初の一冊としてちょうどよく効く。授業の予習にも、ニュースの確認にも使える。
良い点
- 全体像を一冊でつかめる
- 索引で用語を引き直せる
- 需要供給から貿易まで網羅
気になる点
- 計算問題の練習にはならない
- 用語の暗記には向かない
- 物語として読む本ではない
出版社
筑摩書房
発売日
2024年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
経済って、単語は聞いたことあるんです。でも円安とか金融緩和とか、バラバラのまま頭に置いてある感じで、全部つながったことがないんですよね。
佐藤メバル
いい質問だね。この本はまさに、バラバラを一本につなぐための本なんだ。需要と供給の決まり方から入って、市場メカニズム、政府の役割、GDPや物価、日銀の金融政策、税金と財政、最後は貿易と世界経済まで順番に積み上げていく。
新版でキーワード索引がついたから、ニュースで見た言葉から逆にたどれるのも強いよ。
橘ナナミ
索引って地味ですけど、ニュースを読むときは助かりますね。わからなくなったら戻ればいいんだ。
佐藤メバル
そう。最初に通して読んで全体像をつかんで、その後は辞書みたいに使う。一冊で二度おいしいと僕は言ってる。
ビジネスパーソンの学び直しにもちょうどいい厚さだと思うよ。

経済の考え方がわかる本 (岩波ジュニア新書 511)
新井明 著|岩波書店
¥1,034(税込)
こづかいの使い方こそ経済の原点という立場から、1個のケーキを2人で分ける方法、ゴミにつく値段、手作り品を売るにはどうするか——身近な題材だけで経済を考えていく。ネット上で開かれた経済教室に集まった子どもたちの情報や意見を紹介しながら進む構成で、答えを押しつけずに「自分ならどう考えるか」を問うてくる。数式より言葉で考える岩波ジュニア新書の224ページ。
こんな人におすすめ
数字やグラフを見ると身構えてしまう中学生・高校生。身近な出来事から経済に触れてみたい人。学校や家庭で答えのない問いを一緒に考えたいとき、読書の題材としても向いている。ケーキやゴミの話なら、会話のきっかけにしやすい。
良い点
- ケーキやゴミなど題材が身近
- 会話と意見紹介で読みやすい
- 答えより考え方を示す
気になる点
- 理論の網羅性は低い
- データや統計は少なめ
- 大学の教科書には向かない
出版社
岩波書店
発売日
2005年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ケーキを2人で分ける話から経済!? それって、算数の問題じゃないんですか?
佐藤メバル
そこが面白いところでね。1個のケーキを2人でどう分けるのが公平か——これを考え始めると、もう経済の入口に立っているんだ。
この本はゴミに値段がつく話や、手作り品を売る話まで、身近な題材だけで進む。ネット上の経済教室に集まった子どもの意見も紹介されるから、答えを押しつけられないのがいいんだよ。
橘ナナミ
正解を教えてもらうんじゃなくて、自分で考える感じなんですね。ジュニア新書なのも納得です。
佐藤メバル
そう。数式より言葉で考えるタイプだから、数字を見ると身構えてしまう人ほどいいと思う。ただし理論を体系的に並べた本ではないので、網羅性を求めるなら別の一冊と組むといいよ。

高校生からの経済入門
中央大学経済学部 著|中央大学出版部
¥990(税込)
「どうして大学へ行くの?」「そのスマホ、メイドイン何?」といった素朴な疑問を入口に、お小遣いから国の予算、地球環境問題までを中央大学経済学部の若手教員がそれぞれの章で語る。経済はお金だけの話ではなく、暮らしと社会がどんな仕組みの上に成り立つかを考える学問だと気づかせてくれる。181ページと薄く、複数の先生の講義を続けて聴くような読後感がある。
こんな人におすすめ
進路として経済学部を考えている高校生。お小遣いや進学の話から学問に入りたい人。複数の先生の視点に触れたい人。大学で何を学ぶのかを先に知っておきたいときに。181ページなので、通学の合間に読み切れる。
良い点
- 身近な疑問から学問に入れる
- 若手教員の語りが読みやすい
- 181ページで薄く完走しやすい
気になる点
- 専門的な数理は扱わない
- 章ごとに筆者が変わる
- 演習問題はついていない
出版社
中央大学出版部
発売日
2017年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『どうして大学へ行くの?』って、経済の本なのにすごく身近な問いから始まるんですね。
佐藤メバル
そこがこの本のいいところ。お小遣いの話から国の予算、それどころか地球環境問題まで、中央大学経済学部の若手の先生たちがそれぞれの章を語る。
『そのスマホ、メイドイン何?』みたいな疑問を入口にして、経済はお金だけの話じゃないと気づかせてくれる。
薄いから、講義を続けて聴く感覚で読めるよ。
橘ナナミ
章ごとに先生が変わるの、学部の雰囲気が見えるみたいで楽しいですね。
佐藤メバル
うん、経済学部って何を学ぶ場所なのかを知りたい高校生には最適だと思う。ただ、正解のない問題がたくさん出てくるから、答えを求めて読むと少し肩透かしを食うかもしれないね。
![池上彰のやさしい経済学[令和新版] 1 しくみがわかる](https://img.shelf-y.com/items/19799.jpg)
池上彰のやさしい経済学[令和新版] 1 しくみがわかる
池上彰 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥1,760(税込)
「お金とは何か」から始めて、貨幣の誕生、アダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマン、そして比較優位へ——経済学を担った人たちの考えを人物の順にたどる形で基礎を解説する。需要と供給や行動経済学まで、用語解説とイラストを挟みながら一冊で見渡せる。シリーズ累計48万部超の定番が令和新版として改訂され、初めて学ぶ人にも学び直しにも対応した。
こんな人におすすめ
名前は聞いたことがあるけれど中身は知らない人。アダム・スミスからケインズまでの人物と理論を結びつけたい高校生。ニュースの背景を系譜から押さえたい社会人の学び直しにも。用語解説が挟まれているので、辞書なしで読み進められる。
良い点
- 人物と理論を結びつけて覚えられる
- 図版と用語解説が親切
- 新版で現代の話題も反映
気になる点
- 理論の数理的説明は薄い
- シリーズ1巻では完結しない
- 問題演習はついていない
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
アダム・スミス、マルクス、ケインズ……人名だけは覚えたんですけど、何を言った人なのかは正直あやふやです。
佐藤メバル
それなら、この本の並びが効くよ。「お金とは何か」から始めて、貨幣の誕生、見えざる手のアダム・スミス、資本主義は失業者を生み出すと考えたマルクス、公共事業で景気を回復しようとしたケインズ、お金の量が問題だと説いたフリードマン、そして自由貿易と保護貿易の比較優位まで。
人物の順にたどると、理論が物語のように頭に入る。
橘ナナミ
人から入るの、助かります。名前だけ覚えてた状態から抜けられそうです。
佐藤メバル
シリーズ累計48万部を超えた定番の令和新版で、初めて学ぶ人にも学び直しにも向く。ただ1巻なので、これだけで全部終わりではないと覚えておくといいよ。

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
ヤニス・バルファキス 著|ダイヤモンド社
¥10(税込)
元財務大臣の父が十代の娘に語る形で、資本という言葉を使わずに経済の本質を説明してしまう。すべての富は借金から生まれるという視点、金融の仕組みの裏側、なぜ一部に富が集中するのか、終わりの予感が経済を崩壊させるという指摘まで、小説や神話を総動員して進む。23万部突破、25ヵ国で刊行された、経済入門であり文明論でもある一冊。
こんな人におすすめ
経済書の硬さが苦手で、最初の一冊でつまずいた人。読み物として一気に読める本を探している高校生。経済を文明論として眺めてみたい社会人にも向く。物語として読めるので、電車の中でも進みがいい。
良い点
- 物語として一気に読める
- 文明論としても深い
- 訳文が読みやすい
気になる点
- 用語の定義は網羅しない
- 日本の制度の話は少ない
- 入試対策には向かない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『資本』って言葉を使わずに経済を語るって、逆にどうやって書くんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の仕掛けなんだ。元財務大臣の父が、十代の娘に話しかける形で、すべての富は借金から生まれるとか、金融の仕組みの裏側とか、終わりの予感が経済を崩壊させるとか、そういう本質を物語と神話を総動員して伝えていく。
経済の本なのにページをめくる手が止まらないと言われるのは、小説を読む感覚で進むからだね。
橘ナナミ
23万部突破で25ヵ国で出てるって、やっぱり読みやすさが効いてるんですね。
佐藤メバル
うん。用語の定義をきっちり覚えたい人には向かないけれど、経済書の硬さが苦手な人には最良の入口になる。
読み終えたあと、世界の見え方が変わるタイプの本だよ。

東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった! (サンクチュアリ出版)
ムギタロー 著|サンクチュアリ出版
¥1,760(税込)
日本を100人が住む島に置き換え、言葉を作り役割分担をするところから始めて、政府と公務員、ルールとお金、国債、信用創造、投機バブル、為替、関税まで一気に歩く。スケールが大きすぎて全体像が見えないのが経済がわからない理由だという前提で、縮尺を小さくして解説する。ギリシャ島の破産やハイパーインフレも同じ縮尺で並ぶ、256ページ。
こんな人におすすめ
教科書の用語暗記で挫折した高校生。イメージから経済の全体像をつかみたい人。ニュースの言葉を自分の意見に変えたい人。図の多い本で頭に入れたいときに。短い章で区切られているので、毎日少しずつ読み進められる。
良い点
- 例え話でスケールがつかめる
- 図版が多く読みやすい
- 意見を持つところまで導く
気になる点
- 例えの前提を疑う人は遠回り
- 学術的な厳密さは優先しない
- 数式はほぼ出てこない
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日本を100人の島に例えるって聞いて、思わず笑っちゃいました。そんなのでわかるんですか?
佐藤メバル
これがよくできてるんだ。まず言葉を作り、役割分担をして、政府と公務員を作り、ルールとお金を作るところから始まる。
100人しかいないから、国債も信用創造も、お金の増え方が絵として見える。ギリシャ島の破産、ハイパーインフレ、投機バブル、関税まで、同じ縮尺のまま進むから全体像が一気につながるんだよ。
橘ナナミ
スケールが大きすぎてわからない、っていうのがそもそも問題だったんですね。縮めたら見えるんだ。
佐藤メバル
そう。読めば「わかる」で終わらず、「私はこう思う」という意見まで持てるように作られている。例え話が合わないと感じる人には遠回りだけど、多くの高校生にはこれが一番の近道だと僕は思っているよ。

経済ってなんだ? 世界一たのしい経済の教科書
山本御稔 著|SBクリエイティブ
¥1,551(税込)
小学3年生の領太が、大学で経済学を教えていた亡きおじいちゃんと再会し、対話しながら経済のキホンを学んでいく物語形式。円高・円安、銀行、日銀、景気、税金、保険、年金、資産運用、仮想通貨、環境経済まで、暮らしに近い順に並ぶ。ラスト10ページはヒューマンドラマとして読ませる作りで、「覚えなきゃ」なしで読み切れる288ページ。
こんな人におすすめ
用語の説明書を開く気力がわかない人。物語から経済に入ってみたい高校生。人に経済を教える立場で、やさしい言葉に言い換えたい人にも向く。読み終えたあとの印象がよく、苦手意識のある人に渡しやすい一冊。
良い点
- 登場人物の関係ですらすら読める
- 扱う範囲が幅広い
- 感情が動く構成
気になる点
- 理論の体系性は弱い
- 大人には説明がやさしすぎる
- 数式は出てこない
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
経済の本で『ラスト10ページは涙なしでは読めない』って、そんなことあるんですか?
佐藤メバル
あるんだよ、これが。小学3年生の領太が、大学で経済学を教えていた亡きおじいちゃんと再会して、対話しながら経済のキホンを教わる物語なんだ。
円高・円安、貿易、銀行、日銀、景気、インフレ・デフレ、税金、保険、年金、資産運用、仮想通貨、環境経済まで、暮らしに近い順に並んでいく。
橘ナナミ
勉強しなきゃ、って気負いがゼロで読めそうですね。物語だと記憶にも残りそうです。
佐藤メバル
そう、「覚えなきゃ」が必要ないのが売りなんだ。ただ、大人が読むと説明がやさしすぎる場面もある。誰かに教えたい人が、自分の中身を整理するのにも向いていると思うよ。

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学
菅原晃 著|河出書房新社
¥1,650(税込)
GDPの三面等価、ISバランス、国際収支表、リカードの比較優位、国債と金利、IS-LM分析、アベノミクスまで、マクロとミクロの基礎を図と表で正面から追わせる。著者は現役高校教師で、教え方の順序が親切だ。「貿易黒字が勝ち」という思い込みを数字で解く第3章は、ニュースの見方が変わる読みどころ。山形浩生氏らが絶賛した決定版。
こんな人におすすめ
「政治・経済」の発展として大学の入口まで行きたい高校生。貿易黒字や国債の話を、感覚ではなく論理で理解したい人。経済ニュースの前提を固めたい社会人にも。図表を追う手間はあるが、その分だけ理解が長持ちする。
良い点
- GDPと国際収支を正面から扱う
- 比較優位論の解説が丁寧
- アベノミクスまで追う
気になる点
- 図表の読み解きに手間がかかる
- 初学者には後半が重い
- 問題集ではない
出版社
河出書房新社
発売日
2013年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マクロとミクロ、名前は聞くんですけど、高校の授業ではそこまで踏み込まないんですよね。
佐藤メバル
その2つを正面から扱うのがこの本だよ。GDPの三面等価、ISバランス、国際収支表、リカードの比較優位、国債と金利の関係、IS-LM分析、そしてアベノミクスまで。
現役の高校教師が書いているから、教え方の順序が親切なんだ。特に「貿易黒字が勝ち」という思い込みを数字で崩す第3章は読みどころだよ。
橘ナナミ
貿易黒字が良いことだって、なんとなく思ってました……。そこが覆るの、ちょっと怖いけど読みたいです。
佐藤メバル
前身の自費出版版から構成を組み直し、資料も新しくした決定版だ。図表を追う手間はあるけど、ニュースの見方が本当に変わる一冊だよ。

超入門経済学 高校から大学への架け橋
高橋知也 著|ミネルヴァ書房
¥2,750(税込)
高校の「政治・経済」で扱う範囲を、大学で学ぶ経済学につながる形に組み直した教科書的な入門書。国家予算や日本銀行の役割、金融、労働といった日本の経済制度、IMFやFTAといった世界の枠組み、さらにミクロ・マクロ・国際経済学の基礎まで橋渡しする。市場経済のしくみの説明が丁寧で、資料集と大学のテキストの間を埋めたい人に向く210ページ。
こんな人におすすめ
経済学部への進学が決まった高校3年生。大学の講義が始まる前に基礎を固めたい人。高校の資料集と大学のテキストの間を埋めたい人にも向いている。制度と理論の両方を一冊で押さえられるので、予習の負担が軽くなる。
良い点
- 制度と理論を両方押さえる
- 用語が丁寧に説明される
- 大学の予習にちょうどいい
気になる点
- 入門書としては価格が高め
- 読み物としての軽さはない
- 問題演習は別途必要
出版社
ミネルヴァ書房
発売日
2014年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『高校から大学への架け橋』って、まさに今の私に必要そうな本です。何が違うんですか?
佐藤メバル
高校の「政治・経済」で扱う範囲を、大学で学ぶ経済学につながる形に組み直しているんだ。国家予算や日本銀行の役割、金融、労働といった日本の制度、IMFやFTAといった世界の枠組み、さらにミクロ・マクロ・国際経済学の基礎まで一冊で橋をかける。
市場経済のしくみの説明が丁寧で、資料集と大学のテキストの間を埋めてくれる。
橘ナナミ
予習として読んでおけば、最初の講義で置いていかれにくそうですね。
佐藤メバル
そういう使い方がいちばん合うと思う。ただ入門書としては価格がやや高めで、読み物としての軽さはないから、気軽に読む本とは分けて考えたほうがいいよ。
![今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]](https://img.shelf-y.com/items/19805.jpg)
今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]
木暮太一 著|ダイヤモンド社
¥1,430(税込)
10万部を超えた入門書の全面リニューアル版。為替、物価、貿易、国債、税金、投資という基礎を一冊にまとめつつ、「なぜ景気は回復しないのか」「なぜ給料は上がらないのか」「なぜ消費税は上がり続けるのか」という素朴な疑問を入口にしている。アベノミクスや金融政策、円安、格差問題などの話題も改訂で追加された288ページ。
こんな人におすすめ
新聞やテレビのニュースを自分の頭で読み解きたい社会人と高校生。景気や給料のモヤモヤを言葉にしたい人。経済の学び直しで、最初に開く一冊を探している人。素朴な疑問から入るので、途中で置いていかれにくい。
良い点
- 素朴な疑問から入る構成
- 最新トピックが追加された
- 一冊で範囲が広い
気になる点
- 理論の深掘りはしない
- 図表は最小限
- 上級者には物足りない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2015年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『なぜ給料は上がらないのか』……これ、まさに今みんなが思ってることですよね。
佐藤メバル
そういう素朴な疑問を入口にしているのがこの本の強みなんだ。為替、物価、貿易、国債、税金、投資という基礎を一冊にまとめつつ、アベノミクス、金融政策、消費増税、円安、デフレ、年金・社会保障、格差問題といった話題まで改訂で足されている。
ニュースの裏側を自分の頭で考えられるようにするところまで連れていく。
橘ナナミ
わかるで終わらせない、っていうのがいいですね。ニュースを見る目が変わりそうです。
佐藤メバル
学生から主婦まで支持されてきたのがわかる作りだよ。ただ理論を深く掘る本ではないから、そこは次に進むときに別の一冊で補えばいい。

東大生が書いたやさしい経済の教科書
東京大学赤門Economist 著|ジェイ・インターナショナル
¥2,001(税込)
著者名義は「東京大学赤門Economist」という学生のグループ。書名のとおり東大生の視点から経済の基本をやさしく整理する構成で、286ページと講義一冊分の厚みがある。「やさしい」と「教科書」を同時に掲げているのが特徴で、用語をかみ砕きながら学ぶ順序を示すタイプ。同じ東大生の本でも図で見せる本とは違い、テキストとして通読する使い方を想定したい。
こんな人におすすめ
東大生の視点で書かれた経済の教科書を探している高校生・大学生。独学の最初のテキストがほしい人。通読して基礎の順序をつかみたい人に向く。286ページあるので、腰を据えて取り組む気があると進めやすい。
良い点
- 学生目線のやさしい語り
- 286ページで範囲が広い
- 通読しやすい構成
気になる点
- 著者がグループ名義で顔が見えにくい
- 専門家の体系書ではない
- 価格はやや高め
出版社
ジェイ・インターナショナル
発売日
2005年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
著者が『東京大学赤門Economist』ってグループ名義なんですね。東大生が書いた経済の教科書って、どんな感じなんだろう。
佐藤メバル
書名のとおり、東大生の視点から経済の基本をやさしく整理する構成で、286ページと講義一冊分の厚みがある。
「やさしい」と「教科書」を同時に掲げているのが特徴で、用語をかみ砕きながら学ぶ順序を示すタイプだね。
同じ東大生の本でも、日本を100人の島に例えて図で見せる本とは方向性が違って、こちらはテキストとして通読する使い方になる。
橘ナナミ
なるほど。図でざっくり派と、テキストで順番に派で選べばいいんですね。
佐藤メバル
そう。手元にある書誌情報以上の細かい中身は、実際に開いて確かめてほしいところだけど、独学の最初のテキストを探している人には候補になると思うよ。

お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門
田内学 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
日本国債などを扱う金利トレーディングを16年やってきた著者が、専門用語も難しい数式も使わずに書いた経済入門。出てくる数式は足し算と引き算くらいだという。紙幣をコピーしてはいけないのはなぜか、価格があるのに価値がないものは何か、預金が多い国がお金持ちと言えないのはなぜか、と問いを1話ずつ並べ、最後に答えの見つかっていない「謎」を読者に手渡す。
こんな人におすすめ
エコノミストの話がわからずモヤモヤしている人。自分で考えたい高校生や社会人。専門用語で止まらずに最後まで読み通したい人に向く。1話が短いので、寝る前に少しずつ読む使い方もしやすい。読み終えたあとに、誰かと話したくなる。
良い点
- 専門用語なしで最後まで読める
- 問いの立て方が上手い
- 1話が短く読み進めやすい
気になる点
- 用語の定義は覚えられない
- 制度の網羅的な説明はない
- 教科書にはならない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2021年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
元ゴールドマン・サックスの人が、専門用語も数式も使わないで書いたんですか? 出てくる数式は足し算と引き算くらいって……。
佐藤メバル
そこが読みどころなんだ。日本国債などを扱う金利トレーディングを16年やってきた人が、経済を見誤るのは命取りになる現場で、実は専門用語は必要なかったと言い切る。
紙幣をコピーしてはいけないのはなぜか、価格があるのに価値がないものは何か、預金が多い国がお金持ちと言えないのはなぜか、と問いを1話ずつ並べていく。
橘ナナミ
最後に答えの見つかっていない謎を読者に渡すって、ちょっと格好いいですね。
佐藤メバル
うん、経済の問題は専門家だけに任せるものではない、というメッセージが最後まで貫かれている。用語を覚える本ではないけれど、自分で考える土台を作りたい人には強く勧めたい一冊だよ。

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」 (集英社文庫)
池上彰 著|集英社
¥759(税込)
150年前に出版されたマルクスの『資本論』を、池上彰が高校生向けに解説する講義。仕事量は増えているのに給料は増えない、豊かさを感じられないのはなぜか——という現代の実感から入り、資本主義の本質を暴いた書物の中身に分け入る。文庫サイズで312ページ、価格も手頃なので、古典を今の問題に引き寄せて読む入口として使いやすい。
こんな人におすすめ
『資本論』の名前は知っているが中身は知らない人。労働と給料の疑問を出発点にしたい高校生。古典を現代の問題として読み直したい社会人にも向く。文庫なので価格も手頃で、講義の語り口も読みやすい。
良い点
- 古典を現代の実感に接続する
- 文庫で手に取りやすい
- 講義の語り口が読みやすい
気になる点
- マルクス以外の経済学は扱わない
- 現代の金融には触れが薄い
- 入門の次の一冊になる
出版社
集英社
発売日
2019年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
資本論って、名前はすごく聞くけど、読んだ人は周りにいないです。難しくないんですか?
佐藤メバル
この本は池上彰さんが高校生向けに丁寧に解説した講義なんだ。仕事量は増えているのに給料が増えない、豊かさを感じられないのはなぜか——という現代の実感から入って、150年前の書物が何を暴いたのかを見ていく。
経済が基本からわかる決定版として、文庫で読めるのもありがたいところだね。
橘ナナミ
今のモヤモヤとつながってると思うと、急に身近に感じます。文庫なら電車でも読めますね。
佐藤メバル
そう。ただ扱うのはマルクスなので、他の経済学の全体像は別の本で補ってほしい。1冊目というより、2冊目に置くとぐっと効いてくるタイプだよ。

新版 アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書
小川正人 著|フォレスト出版
¥1,650(税込)
アメリカ経済教育協議会の「経済教育のスタンダード」を日本人向けに組み直した入門書で、シリーズ累計14万部の最新版。6つのコア経済原則と5つのセクターモデルという骨組みで、家計・企業・金融・政府・貿易と為替を順に学ぶ。複利のパワー、利息は信用で決まるという話など、生活に直結する形でまとめている。翻訳ではなく編集し直した設計が特徴。
こんな人におすすめ
生活に使える生きた経済学を身につけたい社会人。家計や金利の話から経済に入りたい高校生。骨組みのある教科書で迷わず学びたい人に向く。家計・企業・金融・政府・貿易の順に進むので、現在地を見失いにくい。
良い点
- 骨組みが明快で迷わない
- 家計・金融の章が実用的
- 新版で情報が更新された
気になる点
- 日本の制度の記述は薄い
- 理論の応用練習は少ない
- 訳語にやや癖がある
出版社
フォレスト出版
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『6コア経済原則』と『5セクターモデル』って、それってどういう意味ですか?
佐藤メバル
アメリカ経済教育協議会が作った経済教育のスタンダードを、日本人向けにアレンジした骨組みなんだ。6つの原則と5つのセクターという枠で、家計、企業、金融、政府、貿易と為替を順に学んでいく。
複利のパワーを味方につける話、利息はあなたの信用で決まるという話など、生活に直結する形でまとまっている。
橘ナナミ
枠があると、今どこを勉強してるのか迷子にならなそうです。
佐藤メバル
そこが強みだね。シリーズ累計14万部の最新版で、情報も更新されている。ただアメリカの教科書がベースだから、日本の制度の細かいところは別で押さえる必要があるよ。

アメリカの高校生が学んでいる経済の教室
デーヴィッド・A・メイヤー 著|SBクリエイティブ
¥1,650(税込)
金融教育の先進国アメリカで高校生が学んでいる内容を、原書全20章の構成そのままに凝縮した416ページの大著。希少性、トレードオフと機会費用、比較優位、銀行の起源と機能、需要と供給、寡占と独占、ゲーム理論、外国為替と国際収支、インフレと失業のトレードオフまで、教室の順序で並ぶ。前書が再編集版なのに対し、こちらは授業の中身を厚く伝える。
こんな人におすすめ
経済学の授業を順番どおりに学びたい独学者。用語を英語圏の標準に合わせて押さえたい人。ゲーム理論まで含めて一冊で通したい人に向く。416ページあるので、数か月かけて取り組む前提で選ぶといい。
良い点
- 20章で範囲が広く厚い
- ゲーム理論まで扱う
- 教室の順序で学べる
気になる点
- 416ページは重い
- アメリカ前提の例が多い
- 後半は初心者に難しい
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの『経済の教科書』と同じアメリカの高校生ものなのに、こっちは416ページ……ずいぶん厚いですね。
佐藤メバル
そこが違いなんだ。さっきの本は日本人向けに編集し直したものだけど、こちらはアメリカの教室で教えている中身を、原書全20章の構成そのままに厚く伝える本なんだ。
希少性、トレードオフと機会費用、比較優位、銀行の起源、需要と供給、寡占と独占、ゲーム理論、外国為替と国際収支、インフレと失業のトレードオフまで並ぶ。
橘ナナミ
ゲーム理論まで高校でやるんですか。順番どおりに学べるのは、独学には助かりそうです。
佐藤メバル
うん、ただしアメリカ前提の例が多いのと、後半はそれなりに手ごたえがある。授業を丸ごと受けたい人向けだと思って選ぶといいよ。

高校生からわかる日本経済 深読みNow
金子勝 著|かもがわ出版
実質賃金が下がり続け、一人あたりGDPがG7最下位という日本の現状を出発点に、その原因は教科書の説明では見えてこないと問いかける。不連続に変わる歴史の中で複雑に動いてきた日本経済を解き明かし、これからどんな社会を創るのかを若者に投げかける構成。標準的な理論をなぞる入門書が多い中で、批判的な視点から現在を読む本として際立つ。
こんな人におすすめ
日本の経済の停滞をなぜと考え続けている高校生・大学生。ニュースの背景を歴史から読みたい人。標準的な説明に物足りなさを感じている人に向く。主張の強い本なので、別の見方と並べて読むと効果的。
良い点
- G7最下位という現状から入る
- 歴史の不連続を重視する
- 読者に問いを残す
気になる点
- 主張がはっきりして好みが分かれる
- 用語の入門解説ではない
- データ編ではない
出版社
かもがわ出版
発売日
2024年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
一人あたりGDPがG7最下位って……。教科書には書いてない原因があるってことですか?
佐藤メバル
この本は、実質賃金が下がり続けているという現状から出発して、その原因は教科書の説明では見えてこないと問いかけるんだ。
不連続に変わる歴史の中で複雑に動いてきた日本経済を解き明かし、これからどんな社会を創るのかを若者に投げかける。
標準的な理論をなぞる入門書が多い中で、批判的な視点から現在を読む本として際立っているよ。
橘ナナミ
答えを教えてもらうというより、考えをぶつけられる感じなんですね。
佐藤メバル
そう。主張がはっきりしているから好みは分かれるけれど、経済を自分の問題として引き受けたい人には、ちょうどいい刺激になると思う。

高校生からの経済デ-タ入門 (ちくま新書 1006)
吉本佳生 著|筑摩書房
¥858(税込)
書名のとおり、経済を「データ」の側から読み解く入門書。ちくま新書の新書サイズで233ページ、価格も手に取りやすい帯にある。理論や学説から入る入門書が多い中、タイトルが示すとおり数字や統計の読み方に焦点を置いている点が類書との違いで、ニュースで示される数字をただ眺めるのではなく読めるようになりたい人に向く。
こんな人におすすめ
ニュースに出てくる数字を自分で読めるようになりたい高校生。統計やグラフの入口に立ちたい人。新書の軽さで、通学かばんに入れておきたい人に向く。価格も手頃なので最初の一冊として試しやすく、データを読む力はレポートや論文でも役に立つ。
良い点
- データに絞った珍しい切り口
- 新書で持ち歩きやすい
- 価格が手頃
気になる点
- 理論の体系的な説明は薄い
- 図表の読み方の練習は別途必要
- 用語の定義集ではない
出版社
筑摩書房
発売日
2013年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『経済データ入門』って、理論じゃなくて数字のほうから入るんですね。それって珍しい気がします。
佐藤メバル
そう、書名のとおりデータの側から経済を読む本なんだ。新書サイズで233ページだから持ち歩きやすくて、価格も手頃。
理論や学説から入る入門書が多い中で、数字や統計をどう読むかに焦点を置いているのが類書との違いだね。ニュースで示される数字を、ただ眺めるのではなく読めるようになりたい人に向いている。
橘ナナミ
グラフが出てくると反射的に飛ばしちゃうので、そこを直したいです。
佐藤メバル
まさにその層のための一冊だと思う。用語の定義集ではないから、理論の全体像は別の本と組み合わせるのがおすすめだよ。

高校生にもわかる「お金」の話 (ちくま新書 928)
内藤忍 著|筑摩書房
「お金は一生にいくら必要か」「お金の落とし穴って何だ」という問いから、学校では教えないお金の話をする。AKB48、宝くじ、牛丼戦争といった身近な喩えを使うのが特徴で、経済学の理論というより家計とお金の実務に近い。200ページの新書だからすっと読めて、ライフプランを考える前の基礎体力づくりに使える。
こんな人におすすめ
高校を出て家計を持つ前の高校生。奨学金やアルバイト代の使い方を考え始めた人。お金の話を難しくなく学びたい大人にも向く。新書サイズで200ページなのでまとめて読み切れて、お金の実務感覚を先に持っておきたいときにいい。
良い点
- 比喩が身近で記憶に残る
- 新書で軽い
- お金の実務感覚がつく
気になる点
- 経済理論の解説はない
- 金融商品の細部は扱わない
- 例に時代を感じる場面がある
出版社
筑摩書房
発売日
2011年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『お金は一生にいくら必要か』って、高校生にはまだ遠い話のような……でも気になります。
佐藤メバル
そこを身近な喩えで引っ張ってくれるのがこの本なんだ。AKB48、宝くじ、牛丼戦争といった題材を使いながら、学校では教えないお金の真実に迫る。
経済学の理論というより、家計とお金の実務に近い内容で、200ページの新書だからすっと読める。
橘ナナミ
奨学金とかアルバイト代とか、自分ごとに置き換えて読めそうですね。
佐藤メバル
うん、ライフプランを考える前の基礎体力づくりに向いている。ただ金融商品の細かいところまでは扱わないから、そこは別の本で補うといいよ。

高校生でもわかる日本経済のすごさ
三橋貴明 著|彩図社
「消費税は上げなくても大丈夫」「年金は破綻しない」「政府の借金は心配するな」——多くの人が抱く疑問に正面から「大丈夫だ」と答える立場で書かれた一冊。グラフやデータを根拠に日本経済の底力を示そうとする構成で、224ページと短い。標準的な教科書とは逆向きの主張なので、根拠を確かめながら読む対話相手として使いたい。
こんな人におすすめ
財政や年金の議論を反対側からも聞いてみたい高校生。主張の根拠を自分で確かめたい人。同じテーマの別の立場の本と読み比べたい人に向く。224ページと短いので、読み比べの一冊目としても使いやすい。
良い点
- 主張が明快で読みやすい
- グラフとデータを示す
- 224ページで短い
気になる点
- 学説としては少数派
- 反論の紹介は少ない
- 教科書の代わりにはならない
出版社
彩図社
発売日
2009年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
消費税は上げなくても大丈夫、年金は破綻しない、政府の借金は心配するな……って、思いっきり主張が強いですね。
佐藤メバル
そう、はっきりした立場の本なんだ。多くの人が抱く疑問に正面から「大丈夫だ」と答える構成で、グラフやデータを根拠に日本経済の底力を示そうとする。
224ページと短くて読みやすい。ただ標準的な教科書とは逆向きの主張だから、鵜呑みにせず根拠を確かめながら読む、対話相手として使うのがいいと思う。
橘ナナミ
反対の意見も聞いてみるの、大事ですよね。片方だけ信じると危なそうだし。
佐藤メバル
その姿勢が大事だよ。同じテーマを別の立場から書いた本と並べて読むと、議論の構造が見えてきて、ニュースの見方もずっと立体的になる。

一番わかりやすい日本経済入門
塚崎公義 著|河出書房新社
¥840(税込)
日本経済を理解するために最低限押さえておきたい29のキーワードを、最新情報にあわせてやさしくコンパクトに紹介する。網羅的な教科書というより、キーワードごとに切って現在の日本経済を説明する構成なので、ニュースで出てきた言葉をその場で引く使い方もできる。256ページで価格も抑えめ、まず見取り図がほしい人に向く。
こんな人におすすめ
用語集のように引いて使いたい人。就職活動の前後に日本経済をざっと押さえたい学生。ニュースで出てきた言葉をその場で確認したい社会人に向く。256ページで価格も抑えめなので、手元に置いておきやすい。
良い点
- 29のキーワードで整理されている
- 参照しやすい
- 価格が手頃
気になる点
- 理論の一貫した体系は示さない
- 図解は多くない
- 世界経済は中心ではない
出版社
河出書房新社
発売日
2017年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
29のキーワードって、用語集みたいに使えるんですか?
佐藤メバル
そういう使い方ができる本だね。日本経済を理解するために最低限押さえたいキーワードを29に絞って、最新の情報にあわせてやさしくコンパクトに紹介している。
キーワードごとに切って現在の日本経済を説明する構成だから、ニュースで出てきた言葉を引くのにも向いている。256ページで価格も抑えめだよ。
橘ナナミ
まず見取り図がほしいときにいいですね。最初から通読しなくてもいいのが気楽です。
佐藤メバル
うん、参照型の一冊として持っておくと強い。ただ体系立てて一気に理解したい人には、理論の流れを示す本のほうが合うかもしれないね。

カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 日本経済編
細野真宏 著|小学館
¥1,650(税込)
「わかっていたつもりが本当にわかる」を合言葉に、経済書として100万部を突破した入門書の全面改訂版。不良債権を処理するメリットとは何か、デフレで給料と物価が共に下がるなら生活水準は下がらないのか——今さら人に聞けない疑問を基礎の基礎から解いていく。イラストを全て差し替え、約50ページを追加した394ページ。
こんな人におすすめ
日本経済の基礎の基礎からやり直したい社会人。就職や資格の前に全体を押さえたい学生。イラスト多めの説明で最後まで走り切りたい人に向く。394ページあるので、通読用と決めて時間を確保すると進めやすい。
良い点
- 説明の順序が親切
- イラストが豊富
- 改訂で情報が更新された
気になる点
- 394ページで持ち運びにくい
- 内容は日本経済が中心
- 世界経済の話は少ない
出版社
小学館
発売日
2003年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100万部突破って書いてある……。そんなに読まれてる経済の本があるんですね。
佐藤メバル
「わかっていたつもりが本当にわかる」を合言葉にした一冊で、受験講師の細野真宏さんが書いたんだ。不良債権を処理するメリットとは何か、デフレで給料と物価が共に下がるなら生活水準は下がらないのか——今さら人に聞けない疑問を基礎の基礎から解いていく。
全面改訂でイラストを全て差し替え、約50ページを追加している。
橘ナナミ
394ページは厚いけど、順序立てて説明してくれるなら最後まで行けそうな気がします。
佐藤メバル
そこは受験講師の本だから安心していい。前作を読んだ人でも1から楽しめる作りになっている。ただ内容は日本経済が中心なので、世界経済は別の本で補うといいよ。

世界一わかりやすい 経済の教室 (中経の文庫)
飯田泰之 著|KADOKAWA
経済を動かす最もシンプルな仕組みを「損得」だと定め、それを軸に解説する講義形式の一冊。「人は損するより得するほうが好き」という前提から出発するので、難解に見えていた経済の話がシンプルにつながっていく。エコノミストの飯田泰之さんと、生徒役のラビくんの対話で進むため、教室の後ろの席で聞いている感覚で読み進められる。
こんな人におすすめ
損得という一本の軸で経済ニュースを整理したい人。講義形式の語りで読むのが好きな高校生。文庫サイズで気軽に持ち歩きたい人にも向く。先生と生徒の掛け合いなので、会話のテンポで読み進められ、最初の一冊としても試しやすい。
良い点
- 損得という軸が明快
- 先生と生徒の対話で読みやすい
- 文庫で軽い
気になる点
- 損得以外の論点は薄い
- データや事例は多くない
- 教科書代わりにはならない
出版社
KADOKAWA
発売日
2014年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
経済を動かす軸が『損得』って言い切られると、なんだかドキッとします。それだけ? って思っちゃいます。
佐藤メバル
そこを突き詰めるのがこの本なんだ。「人は損するより得するほうが好き」という前提から出発して、難解に見えていた経済の話がシンプルにつながっていく。
エコノミストの飯田泰之さんと、生徒役のラビくんの対話で進むから、読み手は教室の後ろの席で聞いている感覚になる。文庫なので手に取りやすいのもいいね。
橘ナナミ
対話形式だと、わからないところで立ち止まりやすい気がします。
佐藤メバル
そう、そこが狙いでもあるんだろうね。ただ損得以外の論点は薄めだから、それだけで世界の全部を説明できるわけではないと心得て読むのがいいよ。

世界一やさしい 経済の教科書1年生
小宮一慶 著|ソーテック社
¥731(税込)
「そもそも経済って何?」から始まり、値段はどう決まるのか、なぜ給料はなかなか上がらないのか、景気、為替、物価、税金、そして世界経済を引っ張るのは米国か中国か——と時限を追って進む構成。最後に「企業力の見極め方」という集中講義が置かれているのが他の入門書と違い、仕事に結びつける意識が強い。264ページ、価格も手頃。
こんな人におすすめ
経済の基本を一冊で固めたい新社会人。投資やビジネスの前に土台をつくりたい人。時間割のように順序立てて学びたい高校生にも向く。264ページで価格も手頃なので軽い気持ちで始められ、最後の企業分析まで含めて仕事に結びつけたい人にいい。
良い点
- 時間割のように順序が明快
- 最後に企業分析の章がある
- 価格が手頃
気になる点
- 理論の厳密な説明は省く
- 投資の実践本ではない
- 入門の次は別途必要
出版社
ソーテック社
発売日
2016年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
0時限目から7時限目、さらに集中講義って、時間割みたいになっているんですね。
佐藤メバル
そう、順番が明快なんだ。そもそも経済って何から始まって、値段はどう決まるのか、なぜ給料はなかなか上がらないのか、景気、為替、物価、税金、そして世界経済を引っ張るのは米国か中国か、と時限を追って進む。
最後に企業力の見極め方という集中講義がついているのが、他の入門書と違うところだね。
橘ナナミ
最後が企業の見方っていうのが、仕事を意識してて実用的ですね。
佐藤メバル
そこがこの本の性格で、投資やビジネスの前に土台を作りたい人に向いている。理論を厳密に説明する本ではないから、そこは求めすぎないほうがいいよ。

たった1つの図でわかる!【図解】新・経済学入門
髙橋洋一 著|あさ出版
¥1,650(税込)
「たった1つの図」を読み解くだけで世の中の経済がわかるという方針で、需要供給曲線を軸にミクロ、マクロ、金融政策、財政政策を説明する。著者は大蔵省で「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」などの政策提案に関わった経歴を持ち、官僚の視点から日銀や政府の動きを語る。マイナス金利など最新の話題も反映した加筆修正版。
こんな人におすすめ
図1枚で世界を見る感覚を身につけたい人。ニュースに出てくる政策を、官僚の目線で読んでみたい高校生。主張の強い本を読み比べたい人にも向く。208ページと短く、加筆修正版なので最新の話題にも触れられる。
良い点
- 図が1つで記憶に残る
- 政策の実務感がある
- 最新の話題を反映
気になる点
- 著者の立場が明確で主張が強い
- 政治の話に踏み込む
- 統計の読み方は扱わない
出版社
あさ出版
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
たった1つの図で経済の9割がわかるって、さすがに言い過ぎでは……?
佐藤メバル
その図というのが需要供給曲線なんだ。この1本を読み解くだけで、モノの値段の決まり方、お金と政策、日銀と経済、政府と経済まで説明してしまう。
著者は大蔵省で「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」などの政策提案に関わった人で、官僚の視点から政策の動きを語るのが特徴だね。
橘ナナミ
霞が関埋蔵金って、ニュースで聞いたことあります。中の人が書いてるんですね。
佐藤メバル
そう。マイナス金利や日銀総裁の任期終了といった話題も反映した加筆修正版だよ。ただ著者の立場がはっきりしているぶん主張が強めだから、他の見方と並べて読むとバランスが取れると思う。

経済は世界史から学べ!
茂木誠 著|ダイヤモンド社
¥1,200(税込)
現役の予備校講師が、経済の仕組みを世界史の流れから解き明かす44のストーリー集。TPPの問題は180年前のイギリスでも起こっていた、公共事業によって滅亡した大国がある、世界初のバブルはチューリップの球根だった——といった話題を歴史の順に並べる。増税、円高、デフレ、国債、恐慌が「なぜそうなったのか」から見えてくる240ページ。
こんな人におすすめ
歴史が好きで経済は苦手という高校生。なぜから入って仕組みをつかみたい人。人に話したくなる教養を身につけたい社会人の学び直しにも。240ページで44の話に分かれているので、すきま時間に少しずつ読める。
良い点
- 44の話で区切りがいい
- 歴史と経済がつながる
- 予備校講師の語りが軽快
気になる点
- 理論の体系的な説明はない
- 年表や図は多くない
- 日本経済の現在は中心でない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2013年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
世界初のバブルがチューリップの球根って、歴史の授業で聞いた気がします! 経済と世界史ってつながるんですね。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さなんだ。現役の予備校講師が、経済の仕組みを世界史の流れから解き明かす44のストーリーで構成している。
TPPの問題は180年前のイギリスでも起こっていた、公共事業でいくつもの大国が滅亡した、といった話を順に追うと、増税や円高、デフレ、国債、恐慌が「なぜそうなったのか」から見えてくる。
橘ナナミ
歴史が好きな人なら、経済のほうもすっと入っていけそうですね。
佐藤メバル
うん、逆に理論を体系的に学びたい人には物足りないかもしれない。でも人に話したくなるネタが詰まっていて、学び直しにもちょうどいい240ページだよ。
挫折しない「読む順番」ロードマップ
橘ナナミ
佐藤さん、私けっこう心配なんです。経済本って、最初の1冊でつまずいたらもう読まなくなっちゃいそうで。
佐藤メバル
つまずき方には型があるんだよ。ひとつめは「入門を飛び越える」パターン。名著だからと『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』から始めて、IS-LM分析のあたりで止まってしまう。ふたつめは「同時に何冊も開く」パターン。内容が混ざって、かえって分からなくなる。みっつめは「分からないまま先へ進めない」パターン。分からない用語は付箋を貼って、まず読み切る。索引がある本なら後から戻れるからね。
橘ナナミ
読み切る、を優先するんですね。
佐藤メバル
そう。だから順番はこうだ。まず対話形式か図解で「経済って面白い」と思える一冊。次に小塩さんの『高校生のための経済学入門[新版]』のような、用語を体系的に並べてくれる本で全体像をつかむ。ここまでで基礎は固まる。そのうえで目的別に枝を選ぶ。時事なら金子さんの一冊、歴史なら茂木さんの一冊、理論を深めるなら菅原さんの一冊、という具合だ。
橘ナナミ
私、高校のとき政経のテスト前に池上さんの本を読んだんです。用語の丸暗記だったのが、貨幣の誕生からケインズまでの流れとして頭に入って、急に点が取れるようになった記憶があります。
佐藤メバル
それはとても良い体験談だよ。断片が線になると記憶が残る。逆に線をつながずに用語だけ覚えると、テストが終わった瞬間に消えてしまう。
読後のアウトプット——ノート・小論文・面接への活かし方
橘ナナミ
読んで終わりにしないコツはありますか?
佐藤メバル
読んだ本の「著者の主張」と「自分の意見」を分けて、それぞれ1行ずつ書くこと。たとえば三橋貴明さんの『高校生でもわかる日本経済のすごさ』は、消費税は上げなくても大丈夫、年金は破綻しない、政府の借金は心配するな、という疑問にグラフやデータで答える本だ。これを読んだら「では自分はどう考えるか」を必ず一行書く。同じ論点でも、田内学さんの『お金のむこうに人がいる』は「なぜ、大量に借金しても潰れない国があるのか」を別の角度から考えさせる。複数の本を並べると、小論文の「反論への配慮」が自然に書けるようになる。面接でも、意見の出典を自分で持っている人は強い。
橘ナナミ
小論文って、正解を書くものじゃないですもんね。
佐藤メバル
そう。それと、商学部・経営学部志望なら小川正人さんの『新版 アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』がいい。家計・企業・金融・政府・貿易と為替を「6コア経済原則」と「5セクターモデル」で整理する構成で、複利の話から入るのが実に実践的だ。法学部志望なら、税金と財政、所得再分配の章を扱う小塩さんの本や、『高校生からの経済入門』が「社会のルールを誰がどう決めるのか」という視点で効いてくる。デーヴィッド・A・メイヤーさんの『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』のように、機会費用や比較優位、ゲーム理論、為替レートまで一冊で通す本を辞書がわりに併用するのも手だよ。
図書館・電子書籍・無料データを使いこなす
橘ナナミ
本以外に使えるものってありますか?
佐藤メバル
あるよ。公的統計だ。物価やGDPの数字は公的機関が公開しているから、本で読んだ理論をそのまま数字で確認できる。日本銀行の役割を扱った章を読んだら、実際の金融政策の説明を眺めてみる。金子さんの本のように実質賃金や一人あたりGDPを軸に日本経済を読み解く本は、数字を見る習慣があると比べながら読めるんだ。書店員時代、高校生には「まず図書館で借りて、手元に置きたい一冊だけ買いなさい」とよく言っていた。電子書籍は検索が効くから索引がわりに使いやすい。2020年代に入ってから出た、行動経済学や最新の金融政策を扱う本は、新しい言葉と古い名著を突き合わせるのにも役立つよ。
よくある質問
経済の知識がゼロでも読める経済本はどれですか?
橘ナナミ
経済の知識がゼロでも読める経済本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
山本御稔さんの『経済ってなんだ? 世界一たのしい経済の教科書』は、小学3年生の領太とおじいちゃんの対話形式で、円高・円安から貿易、日銀、年金、仮想通貨まで進みます。木暮太一さんの『今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]』も、為替・物価・貿易・国債・税金・投資を順番に押さえる構成です。知識ゼロを前提に書かれた本から始めれば問題ありません。
高校生が最初に読むべき経済本は?
橘ナナミ
高校生が最初に読むべき経済本はについて教えてください。
佐藤メバル
全体像をつかむ目的なら、小塩隆士さんの『高校生のための経済学入門[新版]』が第一候補です。需要と供給、金利、格差、GDP、インフレ、金融政策、円高と円安、貿易まで、キーワードを押さえながら進められるので、最初の一冊として道筋を立てやすい。物語として読みたい人なら『経済ってなんだ? 世界一たのしい経済の教科書』や池上彰さんの『池上彰のやさしい経済学[令和新版]1 しくみがわかる』から入るのも有効です。
マンガや図解でわかる経済の入門書はありますか?
橘ナナミ
マンガや図解でわかる経済の入門書はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
髙橋洋一さんの『たった1つの図でわかる!【図解】新・経済学入門』は、需要供給曲線というひとつの図を読み解きながらミクロ・マクロ、金融政策、財政政策まで説明します。ムギタローさんの『東大生が日本を100人の島に例えたら』は、日本を100人の島に見立てて国債や信用創造、為替、投機バブルを語る構成で、図やたとえ話から入りたい人に向いています。
経済学部に進む前に読んでおくべき本は?
橘ナナミ
経済学部に進む前に読んでおくべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
高橋知也さんの『超入門経済学 高校から大学への架け橋』は、高校の政治・経済で扱う経済分野を大学の経済学につなげることを目的に再構成した一冊で、予算や日本銀行の役割、IMFなどの制度に加えてミクロ・マクロ・国際経済学の基礎まで触れています。さらに踏み込みたいなら、GDPの三面等価やIS-LM分析、比較優位を扱う菅原晃さんの『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』が予習になります。
数式が苦手でも経済学の本は読みこなせますか?
橘ナナミ
数式が苦手でも経済学の本は読みこなせますかについて教えてください。
佐藤メバル
読みこなせます。田内学さんの『お金のむこうに人がいる』は、元ゴールドマン・サックスで金利トレーディングを担当した著者が、専門用語も難しい数式も一切使わず、出てくる数式は足し算と引き算くらいだと明言しています。理論の本に入る前に、こうした数式なしの一冊で「お金の流れ」に慣れておくのがおすすめです。
小論文や面接対策に役立つ経済本は?
橘ナナミ
小論文や面接対策に役立つ経済本はについて教えてください。
佐藤メバル
金子勝さんの『高校生からわかる日本経済 深読みNow』は、実質賃金や一人あたりGDPといったデータを軸に日本経済の変化を解き明かし、どんな社会を創るのかを若者に問いかける構成なので、意見を書く練習に向いています。三橋貴明さんの『高校生でもわかる日本経済のすごさ』のように常識を覆す主張をグラフやデータで示す本を読み、「自分はどう考えるか」を一行書くところまでやると、面接でも根拠のある受け答えができます。
経済本は何冊くらい読めばいいですか?
橘ナナミ
経済本は何冊くらい読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
冊数よりも、一冊を自分の言葉で説明できるかどうかが大事です。まずは対話形式か図解の入門書を最後まで読み切り、次に体系的な入門書で全体像をつかむ。そのうえで、時事なら金子さんの一冊、歴史なら茂木誠さんの『経済は世界史から学べ!』、理論なら菅原さんの一冊、と目的別に枝を選んでいく。読み切れないまま積むより、説明できる一冊を増やすほうが力になります。
文系・理系それぞれに向く経済本の選び方は?
橘ナナミ
文系・理系それぞれに向く経済本の選び方はについて教えてください。
佐藤メバル
文系なら、池上彰さんの『池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」』のように、資本主義の成り立ちを物語として追う本や、茂木誠さんの『経済は世界史から学べ!』のように歴史と結びつける本が読み進めやすい。理系なら髙橋洋一さんの図解本や、吉本佳生さんの『高校生からの経済データ入門』のように数字を扱う本から入ると抵抗が少ないはずです。どちらも、最初は薄くて読み切れる一冊を選ぶのが共通のコツです。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さん、今日の話で「読む順番が大事」というのがいちばん刺さりました。
佐藤メバル
棚を作るときも、いちばん考えるのは並び順なんだ。同じ本でも、隣に何があるかで読者の入口が変わる。記事も同じで、いきなり理論書を並べるんじゃなくて、対話形式から体系的な入門へ、そして目的別の一冊へと道をつなげたい。
橘ナナミ
私みたいな文系でも読めますかね?数式を見た瞬間に閉じそうで…。
佐藤メバル
むしろ文系こそ読んでほしい。文章で考える力がある人は、経済の言葉を自分の言葉に置き換えるのがうまい。理系ならグラフや数式への抵抗が少ないぶん、図解から入る本やデータを扱う本で一気に距離を縮められる。どちらでも、最初の一冊は薄くて読み切れるものを選べばいい。
橘ナナミ
じゃあ、最初の一冊は何から始めれば…。
佐藤メバル
焦らなくていい。経済の入門書は、初めて訪れた街で受け取る一枚の案内板みたいなものだ。精密な住宅地図をいきなり渡されても迷うだけ。まずは商店街の案内板から始めて、道の名前を覚えて、それから自分の行きたい場所を探せばいい。案内板が一度読めるようになると、ニュースの見出しが「知らない外国の話」から「自分の街の話」に変わる。高校生のうちにその一枚を持っておくと、その後の歩き方がずっと楽になるよ。
