北海道経済を学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「北海道 経済 本」。でも正直、経済の本ってグラフと数式がびっしりで、途中で心が折れるイメージなんです……。
佐藤メバル
その身構えは、いい入口だよ。北海道経済の本は大きく三つに分かれる。経済学の道具で構造を読み解く本、新聞社や大学出版会が編んだ地域分析の本、そして経営者や実践者の話を集めた事例集だ。全部を同じ順番で読む必要はない。
橘ナナミ
三つ、ですか。たとえばどんな本がどれに入るんでしょう。
佐藤メバル
一つ目なら『データと経済学で解き明かす北海道』。歴史・人口・農業・酪農・漁業・観光から、財政・金融・域際収支まで章立てで道経済の全体を扱っている。二つ目は『図説北海道経済』や『北海道の経済と開発』のように、道内の動きを長期で見渡す本。三つ目は『地域経済を動かす人たち』のように、稼ぐ担い手の対話から入るルポだね。
橘ナナミ
なるほど、いきなり統計から入らなくてもいいんですね。読みたい目的から逆算して選ぶのが、いちばん失敗が少なそう。
北海道経済を学べる本の選び方
目的別に選ぶ
橘ナナミ
目的って、たとえば就活とか移住とかですか?
佐藤メバル
そう。仕事で道内企業を調べるなら『北海道の業界地図』の最新版が手っ取り早い。業種ごとに企業の規模や関係が図で見える。移住や起業を考えるなら『地域経済を動かす人たち』、研究や論文なら『データと経済学で解き明かす北海道』で骨格を作ってから専門書へ、という順番が組みやすい。
レベル別に選ぶ
橘ナナミ
数学が苦手でも読めるものはありますか。
佐藤メバル
あるよ。『北海道の経済と開発』は論争点を平易に整理していて、数式はほとんど出てこない。図表中心なら『図説北海道経済』。逆に大学教養レベルから先へ進むなら、七つの分析視角から検討する『北海道経済の多面的分析』が向いている。自分の数式耐性で入口を決めていい。
内容の種類別に選ぶ
橘ナナミ
データ中心か、事例中心か、理論中心か……という違いですね。
佐藤メバル
その三つ。データ中心は『データと経済学で解き明かす北海道』、事例中心は『北海道の逆襲』のような読み物、理論中心は『開発と自立の地域戦略』や『地域構造の多様性と内発的発展』。同じ「北海道経済」でも、読後感はまるで違う。
地域の粒度で選ぶ
橘ナナミ
北海道全体じゃなくて、地域を絞ることもできますか。
佐藤メバル
できる。全体像は道の統計と『データと経済学で解き明かす北海道』で押さえつつ、論点を絞るなら新幹線と起業に焦点を当てた『北海道経済の針路』、観光に寄せるなら『観光と北海道経済』がある。札幌への一極集中をどう見るかは、『北海道の経済と開発』が論点として正面から扱っている。
形式別に選ぶ
橘ナナミ
電子書籍やオンデマンドって、経済本でもあるんでしょうか。
佐藤メバル
ある。ただ北海道経済の本は大学出版会や地方出版社のものが多く、電子化されていないものも少なくない。だから「紙で買う」「図書館で借りる」「オンデマンド版を待つ」という三つの選択肢を、最初から持っておくと安心だよ。
発行主体で信頼性を見極める
橘ナナミ
出版社で見分けることもできるんですか。
佐藤メバル
できる。大学出版会は研究者の検証を経た学術書、新聞社は取材網を活かした地域分析、官公庁や団体の刊行物は制度や統計に強い、商業出版社は読みやすさ重視。それぞれ得意分野が違うから、主張の根拠がどこにあるかを意識して読むと、同じテーマでも解像度が上がるよ。
北海道経済を学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
北海道経済を学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

データと経済学で解き明かす北海道
遠藤正寛 著|慶應義塾大学出版会
¥3,630(税込)
北海道の経済を、歴史から人口、農業・酪農・漁業、観光、財政、金融、そして域際貿易まで、データと経済学の言葉で一通り見渡せる一冊です。15章の構成は、いわば道経済の全体地図。数字を根拠に語る姿勢が徹底されていて、印象論で語られがちな「北海道は厳しい」という言説を、所得の創出や産業連関のレベルまで分解して検証できます。著者は同じ慶應義塾大学出版会からTPPをテーマにした続編も出しており、そちらが応用編なら、こちらは土台を固める基本編。旅行記やルポとは違い、道経済の骨格を自分の頭で考えたい人に向く一冊です。
こんな人におすすめ
道内企業の経営企画や自治体の政策担当として数字を扱う人、大学で地域経済を学ぶ学生、そして北海道への移住や就職を考えていて土地の経済構造を知りたい人。統計を読む前提の本なので、じっくり腰を据えて読む時間のある場面に向きます。
良い点
- 15章で産業から財政まで網羅
- データと経済学で客観的に検証
- 同じ著者の応用編へ発展できる
気になる点
- 経済学の基礎用語が前提になる
- 読み物としての物語性は薄い
- 専門書のため価格は張る部類
出版社
慶應義塾大学出版会
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
北海道の経済を一冊から、と言われたとき、まずどれを選べばいいんでしょう。観光も農業も漁業も、テーマが分かれすぎていて迷ってしまいます。
佐藤メバル
そういうときは、まず全体の地図をくれる本から入るのがいい。この本は経済史、人口、農業、酪農、漁業、観光、財政、金融、生産性、域際貿易と15章が並んでいて、道経済の骨格を一冊で通せる。
遠藤正寛さんがデータと経済分析を軸に書いているので、印象論ではなく根拠から確かめられます。
橘ナナミ
統計がずらっと並んでいると、途中で心が折れてしまいそうなんですけど、そういう読み方で大丈夫なんですか?
佐藤メバル
気持ちはわかる。ただ、これは読み物というより辞書に近い使い方ができる本なんだ。関心のある章から開いて、あとで産業連関や域際収支に戻ってくる。
同じ著者がTPPをテーマにした分析の本も出しているから、こちらで土台を作ってから応用に進む道もあるよ。

図説北海道経済
新山毅 著|北海道新聞社
「図説」と銘打つだけあって、グラフや図表を手がかりに北海道経済の輪郭をつかむタイプの一冊です。厚い専門書を開く前に、まず数字の形を目で見ておきたい——そんな入口として使いやすい。発行元が北海道新聞社というのもポイントで、道内の動きを日常的に扱ってきた媒体が編集した本は、地元の実感と数字の距離が近い。著者の新山毅という書き手の視点から、209ページという分量で道経済を横断的に眺められます。データ分析の教科書というより、全体を見渡す地図を描いてくれる本です。
こんな人におすすめ
数字を眺めながら道経済の全体像をつかみたい人、道内の大学で地域経済を学び始めた学生、そして道外から北海道の経済に関心を持った人が、最初に手に取る一冊として。図表が多いぶん、通勤や通学の合間にもめくりやすい。
良い点
- 図表中心で全体像をつかみやすい
- 209ページと扱いやすい分量
- 新聞社ならではの道内目線
気になる点
- 細かい理論の説明は薄い
- 刊行時点の数字が前提になる
- 文章主体の読書派には物足りない
出版社
北海道新聞社
発売日
1994年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの本は骨格を通す一冊でしたけど、もっと気軽に全体を見渡したいときは、どういう本から入ればいいんでしょう?
佐藤メバル
それなら図説の形式の本がいい。数字を絵で見ると、頭に入る速さがまったく違うんだ。書店員の頃、棚の前で「難しそう」と戻していくお客さんに、図表の多い本を勧めると、たいてい最後まで読んでくれた。
厚い専門書の前の助走として使いやすいよ。
橘ナナミ
なるほど、入口のハードルが下がるんですね。でも図表の本って、数字が古くなったらどうすればいいんでしょう?
佐藤メバル
そう。これは北海道新聞社から出ていて、道内の動きを長く追ってきた媒体が編集しているから、地元の感覚と数字の距離が近い。
ただし図説は刊行時のデータが前提だから、最新の数値は別で確かめる。骨格を通す一冊と併用するのがおすすめだよ。

北海道の地経学: 北極海・半導体・GX――辺境が世界経済の結節点になる日 47都道府県の地経学
定時カエル 著
「北海道は日本の最果てか、それとも世界経済の結節点か」——この問いを、地理・安全保障・エネルギー・先端産業・人口の五軸で読み解く地経学(ジオエコノミクス)の一冊です。洋上風力のポテンシャル、ラピダスの国産拠点、AIデータセンターの集積、宗谷海峡や津軽海峡の咽喉部としての価値、カロリーベース自給率といった論点を並べ、2040年の三つのシナリオまで提示します。縮小前提の地域論を、戦略の側から描き直す。ビジネス戦略書として読めるのが最大の違いです。
こんな人におすすめ
新規事業や自治体の構想づくりに関わるビジネスパーソン、道内進出を検討する企業の担当者、そして地域の未来を縮小前提ではなく可能性から考えたい人。経営会議や政策の場で使える論点が詰まっています。
良い点
- 洋上風力や半導体まで射程に入る
- 2040年シナリオで未来を具体化
- 五軸の分析枠組みが明快
気になる点
- 地経学の予備知識が要る
- シナリオはあくまで仮説である
- 道内の生活実感とは距離がある
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、タイトルからすると難しそうなんですけど、そもそも『地経学』ってどういう意味なんですか?地理と経済が混ざった感じでしょうか。
佐藤メバル
地理と経済、そして安全保障をまとめて見る考え方だね。土地の条件とお金の流れをセットで読む。この本は北海道を、地理・安全保障・エネルギー・先端産業・人口の五軸で読み解いていく。
日本初のビジネス戦略書として書かれた一冊なんだ。
橘ナナミ
北海道が世界経済の結節点というのは、正直ちょっと意外でした。最果てとか、課題先進地域というイメージのほうが強かったので。
佐藤メバル
そこが面白いところ。洋上風力のポテンシャル、ラピダスの拠点、AIデータセンターの集積、宗谷海峡や津軽海峡という咽喉部の価値、カロリーベース自給率の意味まで並べていく。
そして2040年の三つのシナリオを示す。縮小を前提にした地域論が多いなかで、戦略の側から書かれた一冊です。

北海道の業界地図2026-27
北海道新聞社 著|北海道新聞社
¥1,980(税込)
道内の51業種、2500社を超える企業の規模や特徴、企業間の相関関係を業界ごとに図解した一冊です。就職活動や営業先の開拓、業界研究の下地としてそのまま使えます。経営者インタビューや最新の業界動向を扱った分析記事も入っていて、図だけの名鑑で終わらないのが特徴。道内企業は全国区の名前が少ないぶん、外から見ると全体像がつかみにくい。それを一冊の地図にまとめている点に価値があります。
こんな人におすすめ
道内での就職を考えている学生、道内企業を取引先に持つ営業担当、そして地元企業のつながりを短時間で把握したい新入社員。面接前や商談前の下調べ、雑談のネタづくりにも使える実用本位の一冊です。
良い点
- 51業種2500社超を図解
- 経営者インタビューも収録
- 営業や就活の実務に直結
気になる点
- 企業の財務詳細までは追えない
- 掲載企業は絞り込みがある
- 年度版のため更新が必要になる
出版社
北海道新聞社
発売日
2025年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これは企業の図鑑みたいな本ですか?業界ごとに並んでいるなら、道内にどんな会社があるか一目でわかりますね。
佐藤メバル
近いけれど、もっと実務的だよ。道内の企業を業界ごとに並べて、企業間の関係まで図で見せる。51業種、2500社を超える会社をこの厚さに畳んでいる。
就活や営業の下調べで、これほど手早く使える資料はなかなかない。
橘ナナミ
道内の企業って、道外にいると名前がまったく浮かばないんです。就活や営業で使うなら、どう読むのがいいんでしょう?
佐藤メバル
そこなんだ。北海道の経済は全国区の大企業が少ないぶん、外からだと全体像が見えにくい。それを一冊にまとめている。
経営者インタビューや業界動向の分析記事も入っているから、図を眺めるだけでも、どの産業が道内を支えているかが見えてくるよ。
書店員時代、就活生に一番売れたのはこういう地図本でした。

拓銀破綻後の北海道経済: 地域再生と金融の役割
平澤享輔 著|日本経済評論社
北海道拓殖銀行の破綻と金融システム危機から10年という時間を置いて、北海道経済がどうなったかを、企業・行政・金融機関の役割と機能から検証する一冊です。地域経済の再生と金融の関係を正面から扱っていて、単なる破綻の回顧録ではありません。227ページという分量で、金融の機能が地域でどう働き、どこで詰まったのかを追います。歴史の記録としても、いまの道内金融を考える前提としても読める、息の長い一冊です。
こんな人におすすめ
金融機関や信用金庫で地域対応に関わる人、中小企業支援の現場にいる人、そして北海道経済の歩みを金融の側から押さえたい読者。ゼミや研究会のテキストとしても座りのよい一冊です。
良い点
- 拓銀破綻後の検証に特化
- 企業・行政・金融を横断して分析
- 地域金融を考える基礎になる
気になる点
- 金融の用語に一定の慣れが要る
- 刊行からの時間経過は意識したい
- 結論は読者自身の判断が要る
出版社
日本経済評論社
発売日
2008年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
拓銀破綻って、名前は聞いたことがありますけど、いまの北海道経済にそんなに影響が残っているんですか?
佐藤メバル
残っているから、この本が今も読まれるんだよ。金融が止まると地域の血液が止まる——その実例が道内に濃く残っている。
破綻から10年という時間を置いて、企業、行政、金融機関の役割と機能を一つずつ検証している。
橘ナナミ
金融の話って、私には敷居が高そうなんですけど、予備知識なしでも読み進められるものでしょうか。
佐藤メバル
そこは心配いらない。これは破綻の顛末記ではなく、その後の地域再生と金融の関係を考える本だから。中小企業支援や地域金融の現場にいる人には、いまの仕事の前提を教えてくれる。
ゼミや研究会で読むのにも向いていますよ。

北海道はよみがえるか: 経済再生への挑戦
日本経済新聞社 著|日本経済新聞出版
¥1,650(税込)
「よみがえるか」という問いをタイトルに置いた、経済再生をテーマにした一冊です。日本経済新聞社の編集による207ページのコンパクトな構成で、道経済の課題と再生への道筋を論点として整理しています。新聞社の編集だけに、複数の見方を並べて読者に考えさせるスタイル。特定の主張を押し付けるのではなく、何が問題で、どこに手を打つ余地があるのかを俯瞰したいときに使えます。道経済の入門から一歩進んだ議論への橋渡しになる本です。
こんな人におすすめ
道経済の課題を論点単位で整理したいビジネスパーソンや自治体職員、転勤で北海道に関わることになった人、そして地域再生の議論を短時間で把握したい読者。会議前の下調べにも向きます。
良い点
- 再生というテーマで論点を整理
- 207ページで読み切りやすい
- 新聞社編集のバランス感覚
気になる点
- 個別産業の深掘りは限定的
- 発行時点の状況が前提になる
- 実行の手順までは踏み込みにくい
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2000年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『よみがえるか』って、問いかけのタイトルですよね。こういう本は、答えがちゃんと書いてあるんですか?
佐藤メバル
答えを一つに決めるというより、何が課題で、どこに手があるかを並べるタイプだね。日経の編集なので論点の整理が素直で、読みやすい。
まず現在地を確認したいときに向いている。
橘ナナミ
新聞社が出している本って、ちょっと硬い印象があったんですけど、実際の読みやすさはどうなんでしょう?
佐藤メバル
たしかに文体は硬め。でも207ページだから、通読するより章ごとに拾う読み方ができる。道経済の入門書を一冊読んだあとに、これを挟むと議論の現在地がつかみやすい。会議前の下調べにも使いやすいよ。

北海道経済を考え直す: 活性化をめざして
伊藤俊夫 著|共同文化社
「活性化をめざして」という副題のもと、348ページという厚みで北海道経済を根底から考え直す一冊です。厚さそのものが主張で、単年度の数字や流行の施策ではなく、道経済の前提を丁寧に置き直そうとする姿勢が伝わります。道内の出版社・共同文化社から出ている点も特徴で、中央の論壇の言説をそのまま持ち込むのではなく、地元の側から経済の組み立てを問い直す視点がうかがえます。腰を据えて北海道という地域経済の骨組みを捉え直したい人に向く、通読型の一冊です。
こんな人におすすめ
道経済を一冊じっくり読み込みたい人、地域経済に関わる研究や実務の土台を作りたい人、そして地元出版社の視点から北海道を捉え直したい読者。長期の読書計画の一冊目に向きます。
良い点
- 348ページの厚みで論じ切る
- 道内出版社ならではの視点
- 活性化を正面から主題化
気になる点
- 通読には相応の時間が必要
- 論点が広く焦点は絞りにくい
- 刊行時点の状況を踏まえたい
出版社
共同文化社
発売日
1986年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
348ページ……さすがに身構えてしまいます。これだけ厚いと、どこから手をつければいいのか迷ってしまいそうです。
佐藤メバル
その厚みが売りなんだよ。一冊で腰を据えて考え直すというのは、薄い本にはできない仕事だからね。
単年度の数字や流行の施策ではなく、道経済の前提そのものを置き直そうとしている。じっくり読む時間のある人ほど、返ってくるものが大きい。
橘ナナミ
道内の出版社から出ているのって、中央の出版社とは何か違うんでしょうか。そのあたりも選ぶポイントになりますか?
佐藤メバル
そこも効いていてね。中央の論壇の言い方をそのまま持ち込むのではなく、地元の側から経済の組み立てを問い直す。
書店員時代、こういう本は売れ筋ではないけれど、一度手に取った人は長く持ち続ける。そういう一冊です。

北海道の経済と開発 論点と課題
小林好宏 著|北海道大学出版会
長年、北海道の経済政策に関わってきた著者が、中央政府による開発体制の評価、札幌一極集中、北海道自立という主要な論争点を取り上げ、それぞれの主張に対して持論を平易に展開する一冊です。論争の構図そのものを教えてくれるのが他の入門書と違うところ。あわせて開発に関する諸制度の変遷も解説されているので、制度の来歴を押さえながら論点を追えます。194ページで論点の地図が手に入ります。
こんな人におすすめ
道経済の政策論争を整理して理解したい自治体職員や記者、大学で地域政策を学ぶ学生、そして「北海道開発」という言葉の来歴から知りたい読者。会議やレポートで論点を外さないための下地になります。
良い点
- 主要な論争点を対立軸で整理
- 開発諸制度の変遷も解説
- 194ページで論点を俯瞰できる
気になる点
- 著者の持論が中心になる
- 統計データの更新は別途必要
- 結論の当否は読者の判断になる
出版社
北海道大学出版会
発売日
2010年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
開発体制とか札幌の一極集中とか、言葉は聞いたことがあるんですけど、何が争点なのかは説明できません。
佐藤メバル
その状態にちょうどいい。この本は論争の構図を先に教えてくれる。中央政府による開発体制の評価、札幌一極集中、北海道自立という三つの争点を、それぞれの主張とセットで並べている。
著者は長く道の経済政策に関わってきた人で、持論を平易に書いている。
橘ナナミ
制度の変遷まで入っているんですね。だとすると、論争の前提を知らないまま読んでいた気がしてきます。
佐藤メバル
そう、そこが大事なところでね。開発に関する制度の来歴を押さえながら論点を追えるから、なぜ今の形になったのかが見えてくる。
194ページと短いのに、論点の地図がまるごと手に入る。会議やレポートで論点を外したくない人には助かる一冊ですよ。

北海道新時代: 経済自立への挑戦
日本経済新聞社 著|日本経済新聞出版
¥1,078(税込)
「経済自立への挑戦」を副題に、北海道が補助金や開発に頼る構図から抜け出せるかを問うた一冊です。自立という言葉を軸に道経済を組み直す視点が通底していて、日経の編集らしく論点が整理された構成になっています。229ページと読み切れる分量で、依存体質をどう変えるかという長年のテーマに正面から向き合う。重い課題を扱いながら展望を失わない読み味が、同種の本との違いです。
こんな人におすすめ
道経済の自立というテーマを考えたい自治体や企業の担当者、地域政策を学ぶ学生、そして補助金依存からの転換に関心のある読者。短期間で論点を押さえたいときに適しています。
良い点
- 自立を軸に論点が一貫する
- 229ページでまとまりがよい
- 展望を失わない前向きさ
気になる点
- 具体策の細部は限られる
- 発行時点の状況が前提になる
- 同種テーマの本との重なり
出版社
日本経済新聞出版
発売日
1984年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『新時代』って、なんだか希望的な響きですよね。北海道経済に明るい見通しがあるということなんでしょうか。
佐藤メバル
そう見せているけれど、中身は自立という重いテーマなんだ。補助金に頼らずに稼ぐという宿題に、正面から向き合っている。
日経の編集だから論点の整理も素直で、229ページを通読すれば議論の現在地がつかめる。
橘ナナミ
前向きに読めるなら入りやすいかも、と思いました。似たテーマの本と比べて、何が違うんでしょう?
佐藤メバル
同じテーマの本は多いけれど、課題を並べて終わるのではなく、自立を軸に組み立て直しているのが違いだね。
重い話なのに、展望を失わずに読ませる。補助金依存からの転換を考えている人には、ちょうどいい入口になるよ。

北海道経済浮上の条件: 北海道を21世紀に大きく飛躍させるための具体的戦略・戦術
北海道産業総合研究所 著|文芸社
¥1,662(税込)
「21世紀に大きく飛躍させるための具体的戦略・戦術」という副題が示す通り、方針と手順をセットで示すタイプの一冊です。著者は北海道産業総合研究所という調査研究の主体で、産業の現場に近い立場から、196ページに論点を絞り込んでいます。ビジョンだけを掲げる地域本が多いなかで、「では何を、どの順でやるのか」という実行の層まで踏み込もうとするのが特徴。産業構造をどう動かすかという視点で読める点が、他の道経済本との違いです。
こんな人におすすめ
道内で事業を動かす経営者や企画担当、産業振興に関わる自治体職員、そして施策を実行の順番まで落としたい読者。事業計画や提言資料を書く前の頭の整理に向きます。
良い点
- 戦略と戦術をセットで提示
- 産業の現場目線が強い
- 196ページで焦点が絞られる
気になる点
- 網羅性はそれほど高くない
- 前提となる統計は別途必要
- 提言の当否は読者の判断になる
出版社
文芸社
発売日
2000年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
戦略と戦術って、何が違うんでしょう?ビジネスの言葉ではよく聞きますけど、人に説明できるほど理解していなくて。
佐藤メバル
戦略はどこへ向かうか、戦術はそのために何をどの順でやるか。方針だけで終わらせないのがこの本の狙いなんだ。
産業総合研究所という調査の主体が書いているから、現場の目線が入っている。196ページと短いので、要点も追いやすい。
橘ナナミ
地域活性化の本って、理念ばかりで具体的な話が少ない印象があるんですけど、これは違うんでしょうか。
佐藤メバル
まさにそこを埋めにいっている本だね。ビジョンを掲げて終わるのではなく、何をどの順で動かすかまで踏み込もうとする。
事業計画を練る前や、提言資料を書く前の頭の整理にちょうどいい。ただ、前提となる統計は自分で補う必要はあるよ。

北海道経済の針路: 新幹線と起業
高向巌 著|北海道新聞社
¥2,251(税込)
副題に「新幹線と起業」を掲げ、道経済の進路をその二つから読み解く一冊です。交通インフラと新しい事業の起こし方という、ハードとソフトの両側から針路を探る構成が特徴。北海道新聞社からの刊行で、173ページとコンパクトにまとまっています。新幹線の延伸が人の流れや商圏をどう変えるか、起業が地域にどんな仕事を生むか。総論ではなく、この二つに照準を合わせているぶん議論が具体的です。
こんな人におすすめ
道内で起業を考えている人、新幹線延伸の影響を事業計画に織り込みたい企業の担当者、そして交通と産業をセットで考えたい自治体職員。173ページなので要点を短時間で押さえられます。
良い点
- 新幹線と起業に焦点を絞る
- 173ページで読み切りやすい
- 道内紙ならではの現場感
気になる点
- 他産業への言及は限られる
- 開業後の検証は別途必要になる
- 価格はやや高めの部類
出版社
北海道新聞社
発売日
2008年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新幹線と起業を一緒に扱うって、珍しい組み合わせに思えるんですけど、どうしてこの二つを並べたんでしょう?
佐藤メバル
そこが面白いところだね。線路が引かれると商圏と人の流れが変わる。その変化を前提に、どんな事業を起こせるかを考える本なんだ。
173ページと短いから、論点がはっきり見える。道内紙の刊行なので、現場の温度も感じられるよ。
橘ナナミ
道内で事業を始めたい人にとっては、身近な内容なんでしょうか。私にはまだ遠い話のような気もします。
佐藤メバル
遠いようで近いよ。総論の産業振興論ではなく、交通と起業という二点に照準を絞っているから、事業を始める前の下調べにちょうどいい。
逆に、観光や製造の細かい話を期待すると物足りないかもしれない。そこは用途を選ぶ一冊だね。

北海道経済の戦略と戦術 (地方自治土曜講座ブックレット No. 83)
宮脇淳 著|公人の友社
地方自治の土曜講座をまとめたブックレットで、62ページという短さが逆に効いています。講座一回分の密度で、北海道経済の戦略と戦術という大きなテーマを、論点を絞って論じる構成です。著者の宮脇淳は自治体の政策や財政を専門にする書き手で、地域経済を行政の視点から組み立てるのが特徴。分厚い専門書を読む前に、論旨の骨格だけを短時間で掴みたいときに向きます。厚い本へ進む踏み台になる一冊です。
こんな人におすすめ
自治体の政策や財政に関わる職員、地方自治を学ぶ学生、そして移動時間や昼休みに論点だけ押さえたい読者。研修や勉強会の参考資料としても使いやすい分量です。
良い点
- 62ページで短時間に読める
- 自治体の視点から整理される
- 厚い本への導入になる
気になる点
- 詳細な分析は望みにくい
- 単独では論点が足りない
- 講座の記録という性格で硬い
出版社
公人の友社
発売日
2002年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
62ページって、ブックレットにしては薄いですよね。この分量で北海道経済を語り切れるのか、ちょっと心配になります。
佐藤メバル
全部を詰め込む本ではないからね。講座一回分の密度で、論点の骨格だけを置いていく。分厚い専門書の前の助走だと思えばいい。
著者は自治体の政策や財政が専門だから、行政の側から経済を見る視点が入るのが持ち味なんだ。
橘ナナミ
なるほど、いきなり分厚い本に行かなくていいんですね。講義の記録ということは、読み方も変わってきそうですね。
佐藤メバル
そう、通読して全体像を得るというより、要点を拾って次に進む踏み台として使う。移動中や昼休みでも読み切れるから、研修の資料にも使いやすい。
ただし単独では論点が足りないので、必ず厚い本とセットで考えてくださいね。

北海道経済の地平をさぐる
北海道大学 著|北海道大学出版会
北海道大学から北海道大学出版会を通じて出された、151ページの一冊です。大学という研究の場から地域経済の地平を探るという性格で、単一の主張を押し出すのではなく、研究の視点から道経済の見取り図を示そうとする構成がうかがえます。短いながら扱う範囲は広く、どこから手をつければよいか迷う読者にとっての入口になります。道内の経済本は行政や新聞社の刊行が目立つなか、大学の本は問題設定そのものを丁寧に置くのが持ち味です。
こんな人におすすめ
大学で地域経済を学び始めた学生、ゼミの副読本を探している人、そして道経済の学術的な入口を知りたい読者。151ページなので、講義の合間に通読することもできます。
良い点
- 大学発の学術的な視点
- 151ページで導入に最適
- 問題設定が丁寧である
気になる点
- 専門的な記述が混ざる
- 実務的な施策論は薄い
- 発行時点の議論が前提になる
出版社
北海道大学出版会
発売日
1988年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
大学が出している本って、やっぱり論文のような硬い文章なんでしょうか。読み通せるかどうか、少し不安です。
佐藤メバル
そこまで硬くはないけれど、問題の立て方から丁寧なのは大学の本らしさだね。結論を急がず、地平を探るという題の通りに進んでいく。
151ページだから、導入としてもちょうどいい分量なんだ。
橘ナナミ
151ページなら、講義の合間に読めそうですね。こういう導入の本は、最初から順に読むのがいいんでしょうか?
佐藤メバル
順に読んで構わないよ。道内の経済本は行政や新聞社の刊行が多いから、大学の視点が入ると見え方が変わる。
まずここで問題設定に慣れてから、専門書やデータ分析の本に進む道もある。学び始めの人に手渡したい一冊です。

自立経済への挑戦―北海道開発の新視点 (1980年)
¥2,418(税込)
1980年に刊行された、北海道開発に新しい視点を当てようとした一冊です。当時の問題提起を今読むという意味で、道経済を考えるうえでは独特の価値があります。自立経済という言葉がすでにテーマとして掲げられていたこと、開発の方向がどう議論されていたかが、271ページの中に残っています。今の議論と重なる論点も多く、同じ課題を長く抱えてきたことが見えてくる。古い本を読む醍醐味は、いま新しいと思っていることが実は繰り返しだったと気づける点にあります。
こんな人におすすめ
道経済の歩みを押さえたい研究者や記者、開発政策の変遷をたどりたい自治体職員、そしていまの議論のルーツを確かめたい読者。古書として探す前提で、時間に余裕のある場面に向きます。
良い点
- 当時の議論を原文で確認できる
- 自立という論点の来歴がわかる
- 271ページで議論の厚みがある
気になる点
- 内容は当然ながら古い
- 入手は古書頼みになりやすい
- 現在の統計とは接続が必要
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1980年の本を今読む意味って、あるんでしょうか。情報が古いだけなら、新しい本でいい気もします。
佐藤メバル
あるよ。いまの議論が新しいと思っていることが、実は繰り返しだと気づけるからね。自立経済という言葉が、もうこの頃から主題として掲げられている。
同じ課題を長く抱えてきたことが見えてくると、議論の見え方が変わってくる。
橘ナナミ
そんなに前から、同じことを言っていたんですね。だとすると、いまの議論も立ち位置を確かめてから読むべきなんでしょうか。
佐藤メバル
そういう読み方ができると強い。開発の方向をめぐる議論が、この271ページに残っている。古いから読まないのではなく、ルーツを確かめるつもりで開くと、いまの主張のどこが新しいのかが見えてきますよ。
ただ、入手は古書頼みになる点は覚悟が要るね。

開発と自立の地域戦略: 北海道活性化への道
黒柳俊雄 著|中央経済グループパブリッシング
「北海道活性化への道」を副題に、開発と自立という二つの方向を地域戦略として組み立てる392ページの一冊です。開発か自立か、ではなく両者をどう往復するかという問いの立て方が特徴で、単純な対立図式では捉えきれない道経済の事情に踏み込みます。中央経済グループパブリッシングからの刊行で、経済学の枠組みを使って地域戦略を論じる構成。厚いぶん、産業・地域・制度の各層をまたいで議論できるのが強みです。
こんな人におすすめ
地域政策の立案に関わる自治体職員、地域経済を研究する大学院生、そして開発と自立のバランスを理論から考えたい読者。長期の課題図書として手元に置く使い方に向きます。
良い点
- 開発と自立を往復して論じる
- 392ページで各層を扱う
- 経済学の枠組みが土台にある
気になる点
- 通読には相当の時間が要る
- 抽象度の高い箇所がある
- 刊行時点の制度が前提になる
出版社
中央経済グループパブリッシング
発売日
1997年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
開発と自立って、方向が逆な気がするんですけど、両立するものなんですか?そもそも何が違うんでしょう。
佐藤メバル
そこが論点でね。どちらかを選ぶのではなく、どう往復するかを考えるのがこの本の立場なんだ。単純な二項対立では道経済は語れない。
経済学の枠組みを土台に、産業・地域・制度をまたいで戦略を組み立てている。
橘ナナミ
392ページはさすがに長いですね……。通読するより、必要な章をつまむ読み方でもいいんでしょうか。
佐藤メバル
つまむ読み方でも構わないけれど、この本は通して読む価値があるタイプだね。長期の課題図書として手元に置いて、折に触れて戻ってくる。
地域政策の立案に関わる人なら、一度は通して読んでおきたい一冊ですよ。

開発計画と地域政策: 北海道の現実から
小田清 著|日本経済評論社
「北海道の現実から」という副題の通り、開発計画と地域政策を、道内の具体的な現実に即して検証する一冊です。計画が現場でどう働いたかを問う姿勢が貫かれていて、制度の設計と実際の効果のずれを丁寧に追います。日本経済評論社からの刊行で、239ページという学術書として標準的な分量。計画論は往々にして理念の話に流れますが、この本は現実から出発する点が違います。政策評価や計画の検証に関心がある読者には、方法論としても示唆があります。
こんな人におすすめ
自治体で計画策定に関わる職員、政策評価を学ぶ学生、そして計画と現実のギャップを検証したい読者。総合計画や地域計画の見直し時期に読むと、視点がはっきりします。
良い点
- 現実から計画を検証する姿勢
- 239ページの標準的な分量
- 政策評価の方法論にも触れる
気になる点
- 事例は道内に限られる
- 統計の更新は別途必要になる
- 実務の手順書ではない
出版社
日本経済評論社
発売日
1995年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
計画の本って、立派な理念が並ぶだけで終わりがちな気がするんですけど、この本は違うんでしょうか。
佐藤メバル
そこを突いたのがこの本だね。計画が現場でどう働いたかを、北海道の現実から確かめる。制度の設計と実際の効果のずれを丁寧に追っていく。
理念と結果の距離を見せてくれるから、読み終わったあとの見方が変わる。
橘ナナミ
総合計画の見直しって、どの自治体でも定期的にあるんですよね。そのタイミングで読むのもよさそうですね。
佐藤メバル
まさにその用途に向くよ。計画策定に関わる職員や、政策評価を学ぶ学生にとって、239ページという分量は通しやすい。
ただ、実務の手順書ではないから、現場のやり方は自分で補う必要がある。視点をもらう本だと思って読むといいですよ。

地域構造の多様性と内発的発展: 北海道の地域分析 (現代経済政策シリーズ 5)
高原一隆 著|日本経済評論社
主要産業や多様な地域を概観しながら、北海道経済の発展には産業振興が重要であり、地域内外の諸力との連携・ネットワークによる内発的経済振興が求められていると提起する一冊です。外から企業を呼ぶのではなく、地域の内側の力をどう組み合わせるか。その視点で北海道の地域構造の多様性を分析しています。「現代経済政策シリーズ」の一冊として、政策の枠組みと地域の実態を結びつける構成になっている点が、単なる地域ルポとの違いです。
こんな人におすすめ
地域おこしに関わる実務者、内発的発展論を学ぶ学生、そして外からの誘致ではなく地域の内側から事業を立ち上げたい人。地域の連携を設計する場面で効きます。
良い点
- 内発的発展の枠組みが得られる
- 地域構造の多様性に着目する
- 政策シリーズとして整理されている
気になる点
- 理論寄りの記述が含まれる
- 事例の更新は別途必要になる
- 実践手順は自分で補う必要
出版社
日本経済評論社
発売日
2014年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
内発的発展って、聞き慣れない言葉なんですけど、外から企業を呼んでくるやり方とは何が違うんでしょう?
佐藤メバル
外から呼ぶのではなく、地域の内側の力を組み合わせて育てるという考え方だね。この本は、その視点で北海道の地域構造の多様性を分析している。
主要産業も地域も一様ではないから、連携やネットワークの組み方も変わってくる。
橘ナナミ
地域によって中身が違うから、一概には言えないですよね。自分の暮らす町ならどうなるんだろうと考えてしまいます。
佐藤メバル
その問いを持ちながら読むのが正しい読み方だよ。政策シリーズの一冊として、枠組みと実態が結びつくように書かれている。
地域おこしの実務をしている人なら、自分の現場に置き換えて読める。理論寄りの箇所はあるけれど、そこが土台になります。

地域経済発展と労働市場: 転換期の地域と北海道 (現代経済政策シリーズ 8)
奥田仁 著|日本経済評論社
¥3,300(税込)
地域経済の発展を労働市場の側から捉えた一冊です。仕事がなければ人は定着しない——この当たり前を、転換期の地域と北海道という具体に即して分析しています。「現代経済政策シリーズ」の一冊として、地域経済と雇用の関係を正面から扱う点が特徴。道経済を語るとき、産業や財政の話に偏りがちですが、働く場の需給に目を向けると見え方が変わります。人口減少の議論の土台としても読める、地味ですが効く一冊です。
こんな人におすすめ
道内の雇用政策に関わる自治体職員やハローワーク職員、人事や採用に携わる道内企業の担当者、そして人口減少を労働の側から考えたい読者。採用計画や定着策を考える場面で役立ちます。
良い点
- 労働市場から地域経済を分析
- 雇用と定着の論点が明快
- シリーズで枠組みが揃う
気になる点
- 労働統計の更新は必要になる
- 理論的な記述が含まれる
- 産業別の詳細は限られる
出版社
日本経済評論社
発売日
2001年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
地域経済の本で労働市場って、あまり見かけない切り口な気がするんですけど、どうしてこの視点なんでしょう?
佐藤メバル
でも一番効くところなんだよ。仕事がなければ人は残らない。人口減少の議論も、突き詰めれば働く場の話に行き着く。
この本は転換期の地域と北海道を具体に、労働市場から分析している。地味だけれど、土台になる一冊だね。
橘ナナミ
たしかに、就職先がないと住み続けられないですよね。人口減少の議論とも地続きなんだと納得しました。
佐藤メバル
そういうこと。採用に悩む道内企業の人にも、雇用政策の担当にも、同じ地図が役に立つ。ただ、労働統計は更新が早いから、数値は自分で新しく取り直す前提で読んでください。
論点の枠組みをもらう本だと思えばいいよ。

地域経済を動かす人たち: 北海道で語られた、5つの稼ぎ方
一般財団法人えぞ財団 著|EZOBOOKS
北海道を本気で盛り上げようとする経済コミュニティ、えぞ財団が主催する学びの場、EZO OPEN SCHOOLで語られた5人の講義を、話し言葉の熱を残した対話形式でまとめた一冊です。補助金を「もらう」のではなく事業で「稼ぐ」——その担い手たちの実践知が並びます。300年の老舗の再生、人口8,700人の町に生まれた新産業、「白い恋人」の組織改革、スキマバイトが生む地方の雇用。理論書ではなく、動いている人の言葉で地域の動かし方を学べる点が決定的な違いです。
こんな人におすすめ
道内で事業を始めたい人、地域おこしの実践者、そして補助金依存から事業で稼ぐ側に回りたい人。経営者から学生まで、組織の垣根を越えて学び合う場の空気を疑似体験できます。
良い点
- 五人の講義を対話形式で収録
- 稼ぐ現場の実践知が濃い
- 組織の垣根を越えた視点
気になる点
- 理論的な整理は少なめ
- 事例は道内に寄っている
- 成功例中心の構成になる
出版社
EZOBOOKS
発売日
2027年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
えぞ財団って、初めて耳にしたんですけど、どういう人たちが集まって、何をしている団体なんですか?
佐藤メバル
北海道経済のコミュニティでね、代表理事はサツドラホールディングスの富山浩樹さん、理事にまちづくり事業家の木下斉さんが入っている。
組織の垣根を越えて挑戦者をつなぐ場をつくっている団体なんだ。メディア・教育・投資の三つを軸にしている。
橘ナナミ
五人の講義がそのまま載っているんですね。理論の整理より、実践の生の話のほうが私には響きそうです。
佐藤メバル
そこがこの本の強みだね。300年の老舗の再生、8,700人の町に生まれた新産業、「白い恋人」の組織改革、スキマバイトが生む地方の雇用。
稼ぐことで地域を動かしてきた人の言葉がそのまま入っている。経営者から学生まで、挑戦する人の羅針盤になる一冊ですよ。

北海道を動かす!: 経済人たちの素顔とネットワ-ク
日本経済新聞社 著|日本経済新聞出版
¥2,506(税込)
副題に「経済人たちの素顔とネットワーク」とある通り、道内経済を動かしてきた人々の人物像とつながりに焦点を当てた一冊です。人の網の目から地域経済を描くという切り口が特徴で、産業構造や統計ではなく、誰と誰がどう結びついて意思決定がなされてきたかを追います。日経の編集による230ページ。地域経済は数字だけでは動かないという当然のことを、具体の人物から見せてくれる。人名から道内の経済団体をたどる使い方もできます。
こんな人におすすめ
道内企業との取引を始めたい道外のビジネスパーソン、経済記者や研究者、そして地域の意思決定の裏側を知りたい読者。人物から道経済に入りたいときの入口になります。
良い点
- 人物とネットワークから描く
- 人名から関係をたどれる
- 230ページでまとまる
気になる点
- 統計的な分析は中心ではない
- 登場人物は時代に左右される
- 記述には一定の配慮がある
出版社
日本経済新聞出版
発売日
1996年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
経済の本なのに、人の素顔から入るんですね。統計や数字より、人物が先に来るのはどうしてなんでしょう?
佐藤メバル
そこが面白いところでね。地域経済は数字だけでは動かない。誰が誰とつながって決めてきたかが、北海道という土地では特に大きい。
日経の編集で230ページ、人物の側から経済の動きを追っていく本なんだ。
橘ナナミ
道外から取引を始めたい人には、かなり助かりそうですね。人名から関係をたどる使い方ができるんでしょうか。
佐藤メバル
できるよ。人名から経済団体やつながりをたどれるのが実用的なところ。書店員時代、こういう本は目立たないけれど、地元の実業人に静かに売れていた。
経済史としても、人物の索引としても使える一冊です。

北海道の躍進企業: 新世紀を担う100社
日本経済新聞社 著|日本経済新聞出版
¥1,540(税込)
副題に「新世紀を担う100社」とある通り、道内で勢いのある企業を紹介する一冊です。企業名から道経済の現在地を読むという切り口で、業界地図が構造を示すのに対し、こちらは個社の躍進に光を当てます。日経の編集による230ページで、会社の成り立ちや事業の特徴を追いながら、どの分野に伸びる力があるのかが見えてくる構成です。就職先を探す学生にも、取引先を開拓する営業にも、道内企業を具体的に知る入口になります。
こんな人におすすめ
道内での就職を考える学生、取引先を探す営業担当、そして道内企業の名前を具体的に覚えたい読者。志望動機や提案資料を作る前の下調べに向いています。
良い点
- 100社を個社単位で紹介
- 企業の成り立ちまで触れる
- 就活や営業の下調べに実用的
気になる点
- 選定は編集の基準による
- 財務数値の詳細は限られる
- 刊行後の変化は別途追う必要
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2000年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
業界地図とこの躍進企業の本は、どう使い分ければいいんでしょう?似ているようで迷ってしまいます。
佐藤メバル
地図は構造、こちらは個社だね。会社の名前と成り立ちから道経済を読むのがこの本の役割なんだ。100社を一社ずつ紹介しながら、どの分野に伸びる力があるのかが見えてくる。就活や営業の下調べに直結する。
橘ナナミ
100社も載っていると、就活生には助かりそうですね。会社の名前を覚えておくだけでも、面接で違ってくるんでしょうか。
佐藤メバル
かなり違うよ。会社の成り立ちや事業の特徴を押さえておくと、志望動機の解像度が上がる。逆に、財務数値の細かい分析は期待しすぎないほうがいい。
刊行後の変化は自分で追う前提で、入口として使うのが正しい付き合い方です。

増補・改訂版 北海道の逆襲 眠れる“未来のお宝”を発掘する方法 笑う地域活性本
井上美香 著|言視舎
「笑う地域活性本」という副題どおり、足元で“凍っている”お宝を活用して逆襲するという視点で書かれた一冊です。住んでみたい土地ナンバーワンでも住みやすいとは限らない——過疎、財政、補助金依存体質といった課題を正面から認めたうえで、雪と氷を利用する、森林、新幹線、宇宙開発、北海道大学の底力、旭山動物園の大逆転、食、文芸まで、逆襲の材料を次々に並べます。最後は北海道独立論にまで踏み込む振り幅の広さが魅力です。
こんな人におすすめ
地域活性の企画を考えている実務者、北海道への移住を検討している人、そして固い地域経済本の合間に息抜きを挟みたい読者。着眼点の引き出しを増やしたい場面に向きます。
良い点
- 逆襲の材料を幅広く提示
- ユーモアがあり読み進めやすい
- 宇宙から文芸まで振り幅が広い
気になる点
- 分析の深さより発想が中心
- データの裏付けは薄めである
- 独立論は読み物としての趣向
出版社
言視舎
発売日
2016年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『北海道は日本じゃない!?』という章があるんですけど、これ、大丈夫な内容なんでしょうか。独立論って書いてあります。
佐藤メバル
そこまで行くのがこの本の振り幅なんだよ。足元で凍っているお宝を掘り起こすという発想で、雪と氷、森林、新幹線、宇宙開発、旭山動物園、食、文芸まで並べていく。硬い経済書にはない自由さがある。
橘ナナミ
課題もちゃんと認めているんですね。それなら肩の力を抜いて読めそうで、手に取りやすい気がしてきました。
佐藤メバル
そう、住んでみたい≠住みやすいというところから始めて、過疎や財政、補助金依存も隠さない。そのうえで逆襲の材料を探す。
分析の深さより発想の幅を求める本だから、固い経済書に疲れたときに挟むと、着眼点の引き出しが増えますよ。

観光と北海道経済: 地域を活かすマーケティング
佐藤郁夫 著|一般社団法人 北海道大学出版会
副題に「地域を活かすマーケティング」とある通り、観光を地域経済の柱としてどう機能させるかを、マーケティングの視点から論じた一冊です。誰に、何を、どう売るのかという基本に立ち返って、北海道の観光を捉え直します。北海道大学出版会からの214ページで、単なる観光案内でも事例集でもなく、地域経済の中に観光を位置づける構成。観光を「にぎわい」ではなく産業として扱う点が、他の道経済本との違いです。
こんな人におすすめ
観光事業者やDMOの担当者、自治体の観光政策に関わる職員、そして観光を産業として数字で捉えたい学生。施策の企画や検証の場面で土台になります。
良い点
- 観光をマーケティングで分析
- 地域経済の中に位置づける
- 214ページで要点が掴める
気になる点
- 旅行者向けの情報は載らない
- 統計の更新は別途必要になる
- 手法の詳細は専門書が要る
出版社
一般社団法人 北海道大学出版会
発売日
2008年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
観光の本って、名所の紹介や旅行記が中心だと思っていたんですけど、この本は学術書なんですね。
佐藤メバル
そう、そこが違うところだね。誰に、何を、どう売るのかという基本に戻して、観光を地域経済の中に位置づけている。
宿泊、交通、食といった要素を需要と供給の側から考える。観光を産業として扱う本なんだ。
橘ナナミ
にぎわいではなく、産業として見るんですね。だとすると、読む人も事業者や行政の人が中心なんでしょうか。
佐藤メバル
中心は事業者、DMO、自治体の観光担当、それに観光を学ぶ学生だね。214ページと手頃だから、施策を企画する前や、効果を検証する場面の土台になる。
旅行ガイドを期待すると外れるので、そこだけ注意してください。

北海道経済の多面的分析:TPPによる所得増加への道筋
遠藤正寛 著|慶應義塾大学出版会
¥4,481(税込)
TPPの締結による域際・国際取引の拡大を通じて、地域の所得を増やす方策を示す一冊です。付加価値、所得移転、域際収支、産業構造、産業連関、生産性、国際貿易という七つの分析視角から北海道経済を多面的に検討し、貿易自由化の中で道民全体が豊かさを得る道筋を提言します。著者は同じ慶應義塾大学出版会から出ている「データと経済学で解き明かす北海道」と同じ遠藤正寛さん。あちらが全体像なら、こちらは比較優位を持つ産業の移出拡大と、道外取引企業や外資系企業の誘致という二つの道筋を描く応用編です。
こんな人におすすめ
貿易や地域産業の政策を扱う実務者、経済学を学ぶ大学院生、そして北海道経済を分析手法から本格的に理解したい読者。ゼミや研究会のテキストとして腰を据えて読む場面に向きます。
良い点
- 7つの視角で多面的に分析
- TPPと所得増加を接続する
- 他地域にも応用できる手法
気になる点
- 経済学の素養が前提になる
- 専門書のため価格は張る
- TPP後の状況は別途追う必要
出版社
慶應義塾大学出版会
発売日
2014年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
TPPって、北海道だと農業に打撃という話を聞いた気がするんですけど、所得が増えるというのはどういうことなんでしょう。
佐藤メバル
そこを正面から分析したのがこの本だね。貿易自由化を脅威ではなく所得の話に置き換える。比較優位を持つ農産物や観光、情報通信などの移出を拡大すること、道外取引を行う企業や外資系企業を増やすこと——この二つの道筋を示している。
橘ナナミ
さっきの『データと経済学で解き明かす北海道』と同じ著者なんですね。先にそちらを読むべきなんでしょうか。
佐藤メバル
順番としては、あちらが全体像の基本編、こちらが七つの分析視角を使う応用編だね。付加価値、所得移転、域際収支、産業構造、産業連関、生産性、国際貿易という視点で組み立てる。
経済学の素養は要るけれど、他地域にも応用できる手法が詰まっているよ。

北海道再生のシナリオ (2)
北海道雇用経済研究機構 著|地方・小出版流通センター
「足もとにすでに智恵はある」という言葉を手がかりにした、北海道再生のシナリオを描く一冊です。外から答えを持ち込むのではなく、現場に蓄積された智恵を掘り起こすという立場がはっきりしています。著者は北海道雇用経済研究機構。雇用と経済の両面から地域を見てきた主体が、248ページで再生の道筋を組み立てます。巻次が示す通りシリーズの一冊で、単独でも読めます。施策を並べるのではなく、地域の中にある資源をどう活かすかという視点が特徴です。
こんな人におすすめ
地域の実践に関わる自治体職員やNPO、雇用と経済の両面から地域を考えたい研究者、そして足もとの資源を活かす方法を探している読者。再生の構想を練る場面でヒントになります。
良い点
- 現場の智恵を起点にする
- 雇用と経済を両輪で見る
- シリーズで文脈が追える
気になる点
- 単独では前提が補いにくい
- 具体的な施策は論点止まり
- 刊行時点の状況が前提になる
出版社
地方・小出版流通センター
発売日
2006年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『足もとにすでに智恵はある』という言葉が印象的です。外から答えを持ち込むな、ということなんでしょうか。
佐藤メバル
そこがこの本の立ち位置でね。外から答えを持ち込むのではなく、現場に蓄積された智恵を掘り起こす。
だから再生のシナリオも、地域の中にある資源から組み立てていく。著者は北海道雇用経済研究機構で、雇用と経済の両面から地域を見てきた主体なんだ。
橘ナナミ
(2)ということは、シリーズの一冊なんですね。前の巻から読まないと内容がわからなかったりしませんか?
佐藤メバル
単独でも読めるようになっているけれど、並べて読むと文脈が追いやすいね。施策を羅列するのではなく、地域の中の資源をどう活かすかという発想を探している人に向いている。
ただ、具体的な施策は論点止まりなので、そこは自分で具体化していく本だと思ってください。
統計・白書・月刊誌と書籍はどう役割分担するか
橘ナナミ
本の前に、そもそも無料で見られる資料がありますよね。道の統計とか、白書とか。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。書籍は「解釈」を、統計や白書は「事実の更新」を担当する。たとえば地域経済分析システムのようなデータで市町村の産業構造を眺めてから『データと経済学で解き明かす北海道』を開くと、産業構造や人口の章がぐっと入ってくる。
橘ナナミ
逆に、統計だけ見ていても意味がわからない、と。
佐藤メバル
そう。数字は並べても、因果までは教えてくれない。道の統計や経済団体の資料、行政の刊行物を土台にして、なぜそうなっているのかを本で考える。月刊の経済誌は刊行サイクルが速いぶん、現在進行形の動きを追える。書籍で骨格を、月刊誌で今を、という分担が現実的だよ。
絶版・オンデマンド・図書館を使いこなす入手戦略
橘ナナミ
これだけ挙げてもらうと、絶版になっている本もありそうです。
佐藤メバル
実際、古いものは流通から外れていることがある。ただ、あきらめる必要はない。一つ目は図書館で、道内の公共図書館や大学図書館に所蔵があれば相互貸借で取り寄せられる。二つ目はオンデマンド版で、学術系の出版社は注文を受けてから刷る形で復刊していることがある。
橘ナナミ
書店に並んでいない本は、そうやってたどるんですね。
佐藤メバル
三つ目は古書。北海道の地域資料は地元の古書店に強い在庫があることがある。探すときも、まず書名と著者名で蔵書検索をかけるのが早い。「買う」より「たどる」感覚でいい。
著者の立場を見分け、入門から専門へ読む順番をつくる
橘ナナミ
著者の立場で内容が変わる、という話もありましたよね。
佐藤メバル
うん。大学出版会の本は研究者が検証を経て書いている。新聞社の本は取材網で集めた事例に強い。官公庁や団体の刊行物は制度の変遷に詳しい。商業出版は読みやすさを優先する。同じ「北海道経済」でも、何を根拠に語っているかが違うから、そこを見ると解像度が上がる。
橘ナナミ
読む順番はどう組みますか。
佐藤メバル
入門は『図説北海道経済』『北海道の経済と開発』のような全体を見渡すもの。次に『データと経済学で解き明かす北海道』で章ごとの論点をつかむ。そのうえで関心のある分野へ、金融史なら『拓銀破綻後の北海道経済』、労働なら『地域経済発展と労働市場』、国際貿易なら『北海道経済の多面的分析』——と進む。全部を最初から理解する必要はないよ。
よくある質問
北海道経済の入門書はどれから読めばいいですか?
橘ナナミ
北海道経済の入門書はどれから読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
道全体を見渡したいなら『図説北海道経済』や『北海道の経済と開発』が入口になります。数式が苦手でも読み進めやすく、まず地図を手に入れる感覚で読めます。その後に『データと経済学で解き明かす北海道』へ進むと、章ごとの論点が頭に入りやすくなります。
北海道経済の本は書店で買えますか?図書館で借りられますか?
橘ナナミ
北海道経済の本は書店で買えますか?図書館で借りられますかについて教えてください。
佐藤メバル
北海道新聞社や商業出版社の本は道内の書店で見つかりやすい一方、大学出版会の学術書は取り寄せが基本です。図書館も有効で、道内の公共図書館や大学図書館に所蔵があれば相互貸借で取り寄せられます。
絶版やオンデマンド版の本はどうやって入手すればいいですか?
橘ナナミ
絶版やオンデマンド版の本はどうやって入手すればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず図書館の蔵書検索、次に古書店、そしてオンデマンド版の有無を出版社に問い合わせる順番が現実的です。学術書は注文を受けてから刷る形で復刊されることがあります。
データ分析系と事例・ルポ系の本はどちらを選ぶべきですか?
橘ナナミ
データ分析系と事例・ルポ系の本はどちらを選ぶべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
構造をつかむならデータ分析系、実感をつかむなら事例・ルポ系です。両方読むと、数字と現場のあいだにあるズレにも気づけるので、可能なら行き来するのがおすすめです。
月刊北海道経済などの雑誌と書籍はどう使い分ければいいですか?
橘ナナミ
月刊北海道経済などの雑誌と書籍はどう使い分ければいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
書籍は構造と歴史を、月刊の経済誌は現在進行形の動きを担当します。書籍で枠組みを作り、月刊誌で更新する使い方にすると、古い情報をつかんだままになるのを防げます。
移住や起業を考える人におすすめの本はありますか?
橘ナナミ
移住や起業を考える人におすすめの本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
『地域経済を動かす人たち』のように、実際に稼いでいる人たちの対話を追える本が向いています。道内企業の動きを知りたいなら『北海道の業界地図』の最新版も役立ちます。
電子書籍版がある北海道経済の本はありますか?
橘ナナミ
電子書籍版がある北海道経済の本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
電子化されているものと、紙のみのものがあります。出版社のサイトや電子書店で書名を検索して確認するのが確実です。
北海道経済を学ぶのに必要な前提知識や数学レベルはどのくらいですか?
橘ナナミ
北海道経済を学ぶのに必要な前提知識や数学レベルはどのくらいですかについて教えてください。
佐藤メバル
数式なしで読める入門書から、大学教養レベルの分析書まで幅があります。自分が読めるレベルから入り、必要になったら一段上げるのが挫折しにくい進め方です。
まとめ
橘ナナミ
ここまで聞いて、最初の身構えはだいぶ薄れました。でも、まだ迷います。これだけあると、どれを先に読めばいいのか。
佐藤メバル
迷ったら、自分の「今の立場」で決めればいい。道内企業に関わるなら業界地図から、移住や起業を考えるなら実践者の対話から、研究なら『データと経済学で解き明かす北海道』から。
橘ナナミ
私は研究で地域メディアを扱っているので、後者ですね。データの章立てを見てから、事例に戻る読み方をしてみます。
佐藤メバル
その行き来がいい。統計で骨格をつかんで、事例で肉をつける。逆でも構わないけれど、片方だけで「北海道経済はこうだ」と結論を出さないことだけは守ってほしい。数字は構造を、人の話は温度を教えてくれる。
橘ナナミ
温度……。なんか、いいですね。
佐藤メバル
北海道経済の本を読むのは、雪原に自分の轍をつける作業に似ている。誰かがつけた一本の轍をたどるだけでは、広さはわからない。何冊か読んで轍を交差させたとき、はじめて地形が見えてくる。最初の一本は、どの本でもいい。ただし、歩き出す方向だけは自分で決めておくこと。
