ミクロ経済をわかりやすく学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、ミクロ経済学の本を買おうと書店に行ったんですけど、棚の前で固まっちゃいました。『入門』『やさしい』『超入門』って、タイトルが全部同じに見えるんです。
佐藤メバル
いい質問だね。あの棚は本当にそう見える。だから僕は、本を選ぶときはタイトルじゃなくて、数式がどれくらい出てくるかと何のために読むかの2点だけ見るようにしている。ミクロ経済学は、需要と供給、余剰、市場の失敗という同じ骨格を、まったく違う手段で説明しているだけなんだ。
橘ナナミ
同じ骨格……。でも、マンガの本と900ページの教科書が同じことを扱っているって、ちょっと不思議です。
佐藤メバル
そこが面白いところでね。たとえば坂井豊貴の『ミクロ経済学入門の入門』は岩波新書で176ページ、数式は一切なし。シンプルな図だけで、標準的な均衡理論からゲーム理論、ネットワーク外部性まで扱っている。一方でクルーグマンの教科書は900ページを超えて、同じテーマをグラフとデータで徹底的に詰める。浅いか深いかではなく、到達点と歩き方が違うんだ。まずはそこを整理しよう。
ミクロ経済をわかりやすく学べる本の選び方
目的から選ぶ
橘ナナミ
「何のために読むか」で、そんなに変わるんですか?
佐藤メバル
変わるというより、オーバースペックか不足かが決まる。公務員試験の教養科目なら、茂木喜久雄の『絵でわかるミクロ経済学』が日常生活の例から入り、教養科目をクリアできる範囲までカバーしている。同じ公務員でも経済学を専門で解くなら、高橋義憲の『マップでわかる経済学 ミクロ編』のように、マップ型のイラストと講義レジュメの解説で基礎から積むほうが合う。
橘ナナミ
大学の単位のためなら?
佐藤メバル
安藤至大の『ミクロ経済学の第一歩』。価格と価値は違うもの? といった、はじめて学ぶ人がひっかかりやすい箇所に絞って、具体例とイラストで説明している。ビジネスなら小島寛之の『世界一わかりやすいミクロ経済学入門』で、無差別曲線や効用関数、微分をばっさり削り、仕事で使える見方に寄せている。純粋に教養として眺めたいなら、奥野正寛の日経文庫『ミクロ経済学入門』が手頃だね。
数学レベルから選ぶ
橘ナナミ
数式が本当に苦手なんです。どこまで逃げられますか?
佐藤メバル
逃げ切れる本はある。坂井豊貴の『ミクロ経済学入門の入門』は数式が一切なく、簡単な図だけで均衡理論からゲーム理論まで進む。木暮太一の『落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本』も、日常生活の出来事を例に直感でわかるように書かれている。逆に微分や最適化まで踏み込むなら覚悟が要る。マンキューは消費者選択の理論まで章立てで扱うし、クルーグマンはグラフとデータで厚く詰める。
形式から選ぶ
橘ナナミ
マンガと図解と新書、どれがいいんでしょう。
佐藤メバル
読み物として面白いのはバウマンの『この世で一番おもしろいミクロ経済学』。全編マンガとシニカルな笑いで、需要と供給を後半まで出さず、個人の意思決定から入る構成にしている。図の確認に向くのは滝川好夫の『マンガでわかるミクロ経済学』や佐々木宏夫の『史上最強図解 ミクロ経済学入門』。短く読み切るなら新書だね。文体と図の比率は、自習の続きやすさを左右する。
読了時間から選ぶ
橘ナナミ
忙しい社会人だと、1冊にかけられる時間も気になります。
佐藤メバル
Wセミナーの『3時間でわかるミクロ経済学入門』は120ページで、経済学的思考を最短で眺める設計。坂井豊貴の新書も半日で通せる。一方、クルーグマンは900ページ超、マンキューも500ページ超で、これは1ヶ月単位で机に向かう想定の本だ。短期で骨格、長期で肉付けと段取りを分けると挫折しにくい。
演習量から選ぶ
橘ナナミ
問題集は別に買うべきですか?
佐藤メバル
一冊で完結させたいなら木暮太一の『今までで一番やさしいミクロ経済学』。解説付きの演習問題があり、知識ゼロから試験対策まで対応する。章末問題つきの教科書なら、柳川隆の『ミクロ経済学・入門 ビジネスと政策を読みとく』のようにウェブ付録の練習問題と連携した本もある。解答が途中式まで書かれているかは、書店で必ず確認してほしい。
版と入手性から選ぶ
橘ナナミ
電子と中古と図書館は、どう使い分けますか?
佐藤メバル
小島寛之の本のようにページを画像にした電子書籍は、大きいタブレット向けで文字の拡大や検索が使えないことがある。教科書は改訂でトピックが入れ替わるから、最新版かどうかを見てほしい。図解が多い本は中古でも読みやすいけれど、書き込みや解答の欠落はチェック。まず図書館で1章だけ読むのが、いちばん失敗の少ない試し読みだよ。
ミクロ経済をわかりやすく学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
ミクロ経済をわかりやすく学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

ミクロ経済学入門の入門 (岩波新書)
坂井豊貴 著|岩波書店
¥968(税込)
無差別曲線や限界効用、ナッシュ均衡——用語でつまずいた人のための「入門の入門」です。数式は一切なく、シンプルな図だけで基本を説明し、タテ書きの薄い新書なので短時間で読み切れる。しかも標準的な均衡理論からゲーム理論、IT社会を理解するネットワーク外部性、格差と不平等の測り方まで扱う密度の高さが身上です。「僕はコーラが好きだ」で始まる第1章のくだけた文体が、硬い教科書との違い。分厚い定番テキストの前の肩慣らしに最適です。
こんな人におすすめ
とにかくミクロ経済学の授業が分からず困っている学生、数学アレルギーで入門書を何度も挫折した社会人、経済学の学び直しを短時間で済ませたい人。通学・通勤の片道で読み切れる分量なので、まず全体像をつかむ最初の一冊に向きます。
良い点
- 数式ゼロで図だけで基本がつかめる
- 薄く短時間で完読できる
- ゲーム理論や格差の測り方まで届く
気になる点
- 演習問題や計算練習はない
- 図の解説は簡潔で物足りない人も
- 応用の深掘りは他書が必要
出版社
岩波書店
発売日
2017年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ミクロ経済学」「無差別曲線」「ナッシュ均衡」…聞いただけで肩がこるんですけど、この本は本当に数式なしで大丈夫なんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。著者は経済学者でありながら、自分でも数式や複雑な図を追うのはめんどくさいと言い切る人で、これはタテ書きの薄い新書として書かれています。
「僕はコーラが好きだ」から始まり、読むハードルを極限まで下げている。でも中身は標準的な均衡理論からゲーム理論、ネットワーク外部性、格差と不平等の測り方まで押さえていて、薄さのわりにきっちりしています。
橘ナナミ
薄いのにそんなに入ってるんですね。じゃあ、この一冊で分厚い教科書の代わりになると思っていいんですか?
佐藤メバル
そこは役割が違います。分厚い教科書の代わりというより、まず全体の地図を頭に入れる「入門の入門」です。
先にこれを読んでおくと、その後の教科書に出てくる数式が何をやっているのか分かって、吸収が速くなる。演習はありませんが、学び始めにも学び直しにも効く一冊ですよ。

この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講
ヨラム・バウマン 著|ダイヤモンド社
¥1,650(税込)
経済学に「ミクロ」とつくだけで拒否反応が出る——そのイメージを全編マンガとシニカルな笑いで吹き飛ばす入門書です。著者は自称「世界でただ一人のお笑いエコノミスト」。最大の工夫は構成で、市場の話を最後まで引っ張り、まず合理的な個人の意思決定、次に数人のやりとり(ゲーム理論や公平)、最後に需要と供給へ進みます。マンキューやマスキンら著名経済学者の絶賛が並ぶのも、ただ面白いだけではない証拠です。
こんな人におすすめ
経済学に苦手意識があり、硬い文章で3ページも進まない人、マンガやお笑いのノリでないと勉強が続かない大学生、試験勉強の前に心のハードルを下げたい人。息抜きを挟みながら通読したい人に向きます。
良い点
- マンガと笑いで最後まで読める
- 個人→ゲーム→市場の順で親切
- 著名経済学者の推薦が多数
気になる点
- 図や数式の体系練習には不向き
- ギャグの好みが分かれる
- 試験対策の網羅性は低め
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2011年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「お笑いと経済学の両立」って聞くと、ふざけてるだけの本なんじゃないかと思っちゃうんですけど、大丈夫なんですか?
佐藤メバル
そこが一番おもしろいところでね。この本、需要と供給の話を後半まで出さないんですよ。普通は市場という抽象的なものから入って挫折する。
でもこれは、まず合理的な個人の意思決定、次にゲーム理論や公平の問題、最後に抽象的な枠組み、という順番を意図的に組んでいるんです。
橘ナナミ
なるほど、いきなり市場から始めないから入りやすいんですね。あの、著者は本当に現役の経済学者なんですか?
佐藤メバル
自称「世界でただ一人のお笑いエコノミスト」で、マンキューの十大原理をパロったプレゼンが本人に絶賛された人です。
マンキューやノーベル賞のマスキンも推薦を寄せている。だから笑いだけでなく、順番の設計にこそ注目してみてください。

世界一わかりやすいミクロ経済学入門 (KS専門書)
小島寛之 著|講談社
「学部で学んだミクロ経済学が仕事で役立ったか?」——著者はこの問いに胸を張ってNOと答え、ビジネスに不要な部分を削って作った異色の入門です。無差別曲線・効用関数・微分をバッサバッサ削り、需要と供給からオークションの仕組み、余剰、ゲーム理論、ナッシュ均衡まで「ものの見方」に絞って解説。ビジネスの現場で使える題材が軸で、経済学部の教科書が仕事に結びつかなかった人にこそ刺さります。解いて楽しい練習問題付きです。
こんな人におすすめ
「経済学を学んだのに仕事で使えない」と感じている社会人、商学部・経営学部で理論と実務の橋渡しが欲しい学生、オークションや価格戦略など身近な題材で考えたい人。読むだけで終わらせず手を動かしたい人に向きます。
良い点
- 微分や効用関数を思い切って削除
- 価格戦略などビジネス題材が中心
- 練習問題で手を動かせる
気になる点
- 電子版は文字拡大・検索が不可
- 理論の厳密さは犠牲になっている
- 院進学向けの内容ではない
出版社
講談社
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「学部で学んだミクロ経済学が仕事で役立ったことがありますか?」って問い、ドキッとします。答えはNOって書いてあるんですか?
佐藤メバル
著者は経済学者でありながら、その問いに「どちらの答えもきっとNO」と激しく同意しています。定番教科書が役立つのは大学院に進むごくわずかな人だけで、それ以外には無用の長物だと。
そこで本書は、無差別曲線・効用関数・微分をバッサバッサ削って、ビジネスで使える見方だけを残しました。
橘ナナミ
無差別曲線に微分まで削るのは思い切ってますね。じゃあ、代わりにどんな内容が入っているんですか?目次が気になります。
佐藤メバル
需要曲線と供給曲線、野菜の価格弾力性、オークションの仕組み、売り手と買い手の余剰、手番のあるゲームの戦略、値下げ競争、ナッシュ均衡——こう並べると実務の匂いがするでしょう。
解いて楽しい練習問題も付いています。ただし電子版は文字の拡大や検索ができないので、そこは端末を選んでくださいね。

世界一わかりやすいミクロの経済学 (静山社文庫 A こ 1-1)
木暮太一 著|静山社
「値段はどうやって決まる?」「なぜバーゲンするの?」「会社がつぶれる理由は?」「そもそもお金って何?」——日常の素朴な疑問を入口に、楽しく読める経済学の入門書です。文庫サイズなので持ち歩きやすく、身近な問いから経済の仕組みへ入っていく構成が持ち味。同じ著者の試験対策本や、苦手な人向けの本より肩の力を抜いて読める一冊で、経済学に初めて触れる人の最初のハードルを下げてくれます。
こんな人におすすめ
「値段はどう決まるの?」といった素朴な疑問から経済学に入りたい人、文庫サイズで通勤・通学中に読み進めたい人、試験ではなく教養として経済の仕組みを知りたい社会人。最初の一冊として気軽に手に取れます。
良い点
- 日常の疑問から入る親しみやすさ
- 文庫で持ち歩きやすい
- 試験対策前の肩慣らしに最適
気になる点
- 数式やグラフの練習はほぼない
- 試験範囲の網羅はしない
- 理論の深掘りは控えめ
出版社
静山社
発売日
2009年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「そもそもお金って何?」って、え、そこから始まるんですか。なんだか哲学の本みたいで、逆に気になってきました。
佐藤メバル
そこがこの本の入り口なんですよ。「値段はどうやって決まる?」「なぜバーゲンするの?」「会社がつぶれる理由は?」——読者が一度は思ったことのある問いを並べて、そこから経済の仕組みへ連れていってくれる。
しかも文庫サイズだから、かばんに入れて少しずつ読めます。
橘ナナミ
あ、文庫サイズなんだ。通勤や通学の電車の中でも読めそうですね。これ、資格試験の対策にも使えますか?
佐藤メバル
試験対策というより、教養としての経済学の入り口です。同じ著者は試験向けの演習本も書いていますが、こちらは楽しんで読むための一冊。
まずここで「経済って面白いかも」と思ってから、次の本に進むのがいい流れですよ。

今までで一番やさしいミクロ経済学
木暮太一 著|マトマ出版
¥2,728(税込)
『落ちこぼれでもわかる経済学』の著者による、待望の試験対策本です。わかりやすさはそのままに、国家試験の出題範囲をカバーし、練習問題を多数追加。知識ゼロから試験対策までを一冊でつなぐ構成が特徴で、ページ数は500を超えます。読んで終わりの入門書ではなく、演習で手を動かしながら定着させるタイプ。大学生や資格試験の受験生が、インプットとアウトプットを同じ本で回したいときに効きます。
こんな人におすすめ
公務員試験や資格試験でミクロ経済学が必要な受験生、入門書を読んだけれど問題が解けない人、独学で知識ゼロから演習まで進めたい大学生。解説付きの練習問題で確認しながら進めたい人に向きます。
良い点
- 出題範囲をカバーした試験対策本
- 練習問題と解説を多数収録
- 著者特有のやさしい語り口
気になる点
- 500頁超で通読は重い
- 完全な初心者には厚い
- 高度な理論には踏み込まない
出版社
マトマ出版
発売日
2012年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
516ページって、かなり分厚いですよね。えっと、「今までで一番やさしい」を名乗るのに、この厚さはなぜなんだろう。
佐藤メバル
いいところに気づきました。これは読み物としての入門書ではなく、国家試験の出題範囲をカバーした演習付きの対策本なんです。
練習問題と解説が多く入っているぶん厚くなる。だから「読む本」ではなく「解きながら進む本」だと思ってください。
橘ナナミ
なるほど、読み物というより試験対策なんですね。でも練習問題に解説がついてるなら、独学でも進められそうです。
佐藤メバル
そこが強みです。著者は『落ちこぼれでもわかる経済学』で知られる木暮太一さんで、わかりやすさを保ったまま演習まで引き上げている。
知識ゼロから始めて、問題を解ける状態まで持っていきたい受験生には心強い一冊ですよ。

マンガでわかるミクロ経済学
滝川好夫 著|新星出版社
「言いたいことは何となくわかるんだけど…」——効用や限界といった概念を、中途半端な理解で終わらせないためのマンガ入門です。最大の特徴は、グラフとマンガを絡めて説明する点。需要曲線や供給曲線が政府の介入でどう動くか、といった基本問題は、グラフの構造を理解して初めて解けます。数式を使った説明は極力抑え、まずイメージで根っこをつかませてくれる構成になっています。
こんな人におすすめ
文字だけの解説でグラフが頭に入らない人、効用や限界の概念でつまずいた人、短時間でミクロ経済学の基本をつかみたい社会人。通勤中のスキマ時間で基本を眺めたい人にも向きます。
良い点
- グラフとマンガを連動させた説明
- 効用や限界の直感をつかめる
- 基本を手っ取り早く学べる
気になる点
- 電子版は文字拡大や検索が不可
- 数式なしでは不安な人に不向き
- 発展的な内容は扱わない
出版社
新星出版社
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「効用」とか「限界」って、毎回なんとなくで通り過ぎちゃうんですよ。この本はそこを拾ってくれるんですか?
佐藤メバル
まさにそこが狙いです。中途半端な理解で終わらせると、政府が市場に介入したときに需要曲線や供給曲線がどう動くか、といった基本問題が解けなくなる。
だからグラフとマンガを絡めて、構造から理解させる順番を取っているんです。
橘ナナミ
グラフとマンガを絡めて、イメージで根っこからつかむ、ってことですね。それなら私でも入っていけそうです。数式が苦手でも大丈夫ですか?
佐藤メバル
ええ、数式を使った説明は極力減らしてありますから、そこは安心していいですよ。ただ、電子版は文字の拡大や検索ができない仕様なので、読みやすさを優先するなら紙か大きめのタブレットを選んでくださいね。
基本を手っ取り早くという目的にはとても素直な一冊です。

絵でわかるミクロ経済学 (絵でわかるシリーズ)
茂木喜久雄 著|講談社
¥2,420(税込)
資格試験界のカリスマ講師が、長年のノウハウを集大成した「見てわかる」入門です。読者はミクロ経済学にまったく触れたことがない、という前提で書かれ、日常生活のわかりやすい例を使って解説が進みます。公務員試験の教養科目をクリアできる範囲までカバーしつつ、イラストでイメージを固める構成。基礎をここで固めると、その後の吸収速度が違うと著者が言い切る一冊です。
こんな人におすすめ
公務員試験の教養科目でミクロ経済学が必要な受験者、初めて経済学に触れる大学生、日常生活の例で基礎から理解したい社会人。概要をつかんでから演習に進みたい人に向きます。
良い点
- 日常生活の例でとても入りやすい
- 公務員試験の教養範囲をカバー
- イラストでイメージを固められる
気になる点
- 上のレベルには別の本が必要
- 演習量は多くない
- 解説の深さは基礎の範囲まで
出版社
講談社
発売日
2018年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「資格試験界のカラスマ」って…あ、カリスマ講師、なんですね。試験向けの本だと難しそうなイメージがあるんですけど。
佐藤メバル
ところがこの本は、読者がミクロ経済学にまったく初めて触れるという前提で書かれています。日常生活のわかりやすい例を使いながら進めるので、いきなり試験問題という感じではない。
そこでイメージをつかんでから、公務員試験の教養科目をクリアできる範囲まで引き上げる設計なんです。
橘ナナミ
基礎をここで固めると後の吸収が速くなる、というのは、どういう意味なんですか?私、基礎が抜けてる自覚があるので気になります。
佐藤メバル
土台があると、その後の応用や過去問の理解が一気に速くなるという意味ですよ。まずは本書でイメージの土台をつくって、それから演習に進むのが、遠回りのようでいちばんの近道です。

史上最強図解 ミクロ経済学入門
佐々木宏夫 著|ナツメ社
¥1,650(税込)
簡潔な文章と図解で、初学者に最適な入門書です。学生や入門者にとって高いハードルになる難しい数式は使わず、理解を助けるイラストや要点アドバイス、キーワードを配置。1章で身近な市場とその役割、2章で消費者行動を中心に需要と供給、3章でそれに対する企業の対応、そして市場均衡と経済社会の考察へと進みます。読んだあとにニュースが面白くなることを狙った構成です。
こんな人におすすめ
数式アレルギーがあり図解で理解したい人、新聞やテレビの経済ニュースを読み解きたい社会人、公務員試験の対策の前に基礎を固めたい人。ニュースの背景を知りたい人に向きます。
良い点
- 難しい数式を使わない図解中心
- 要点アドバイスやキーワードが親切
- 市場から企業行動まで一通り
気になる点
- 厳密な理論の練習には不向き
- 演習問題は多くない
- 発展的な内容は限られる
出版社
ナツメ社
発売日
2011年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「史上最強図解」って、ずいぶん思い切ったタイトルですよね。でも、難しい数式を使わないって本当なんですか?
佐藤メバル
本当です。学生や入門者にとって高いハードルになる難しい数式は使わない、と明言しています。代わりにイラストや要点アドバイス、キーワードで理解を助ける。
1章で身近な市場とその役割、2章で消費者行動を中心に需要と供給、3章で企業の対応、そして市場均衡と経済社会へ——身近なところから積み上げる流れです。
橘ナナミ
読むとニュースが面白くなるって書いてありますけど、本当にそこまで届くものなんですか?経済ニュース、いつも流し読みしちゃうので。
佐藤メバル
市場と企業の動きがつながって見えてくると、経済ニュースの見え方は確かに変わりますよ。これは理論を厳密に練習する本ではないので、まず図解で新聞の背景を読み解きたい、という人に向いています。

落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本
木暮太一 著|マトマ商事
経済学が苦手な方、数学が苦手な方に向けて、日常生活の出来事を例に、難しい理論も直感でわかるように解説した本です。著者自身が「他の入門書をスムーズに理解するための、入門書の入門を目指した」と位置づけています。理論の前に直感を育てることを優先した構成で、分厚い教科書に入る前の助走として機能します。ページ数も200に満たず、最初の一冊として手に取りやすい。
こんな人におすすめ
経済学の入門書で何度も挫折した人、数学に苦手意識があり直感から理解したい人、分厚い教科書の前に助走が欲しい学生。入門書の入門として最初に読むのに向きます。
良い点
- 日常生活の例で直感から入れる
- 200頁未満で挫折しにくい
- 他書の前の助走になる
気になる点
- 試験範囲の網羅はしない
- 数式や演習はほぼない
- 内容の深さは入り口まで
出版社
マトマ商事
発売日
2006年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「落ちこぼれでもわかる」って、ずいぶん踏み込んだタイトルですよね。読者を選んでるんでしょうか。
佐藤メバル
むしろ逆で、経済学が苦手な人、数学が苦手な人に向けて書かれた本です。日常生活の出来事を例にして、難しい理論も直感でわかるように解説している。
著者自身が「他の入門書をスムーズに理解するための、入門書の入門」と位置づけているんですよ。
橘ナナミ
じゃあ、この一冊で完成するというより、次の本に進むための準備だと思えばいいんですね。経済学が苦手な私にちょうどよさそう。
佐藤メバル
その通りです。理論の前に直感を育てることを優先した一冊で、分厚い教科書に入る前にこれで助走しておくと、その後がぐっと楽になります。
200頁に満たない薄さも、最初の一冊としてはありがたいところですよ。

3時間でわかるミクロ経済学入門 (Wの入門シリーズ GUTS)
Wセミナー 著|早稲田経営出版
「ミクロ経済学の習得を避けて経済学の理解はあり得ない」——そう位置づける、早稲田経営出版の入門シリーズです。姉妹書で扱った「経済学的思考」を、最も直接的に適用する分野としてミクロを解説。120ページという短さで全体を見渡せるよう、経済学を学びたいすべての人に向けて構成されています。限られた時間で全体像をつかみたい人の入門にちょうどいい。
こんな人におすすめ
とにかく短時間でミクロ経済学の輪郭をつかみたい人、経済学の勉強を始める前に全体像を知りたい人、通信講座や資格学習の導入として使いたい人。まとまった3時間で通読したい人に向きます。
良い点
- 120頁で全体像を短時間でつかめる
- 経済学的思考の適用として解説
- 導入として取りかかりやすい
気になる点
- 問題演習や計算練習は少ない
- 内容は入門の範囲まで
- 独学で深めるなら別書が必要
出版社
早稲田経営出版
発売日
2000年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「3時間でわかる」って、本当に3時間で読み切れるものなんですか?120ページって聞いて、ちょっと信じたくなりました。
佐藤メバル
120ページですから、まとまった時間を取れば通読できる分量です。この本は「ミクロ経済学の習得を避けて経済学の理解はあり得ない」という立場から、姉妹書で扱った経済学的思考を最も直接的に適用する分野としてミクロを解説しています。
限られた時間で輪郭をつかむことを狙った一冊ですね。
橘ナナミ
なるほど、詳しく学ぶというより、まず全体を見渡すための本なんですね。旅行の地図みたいな役割でしょうか。
佐藤メバル
いいたとえです。その地図があると、この後の勉強のどこを歩いているのか分かる。だからこそ、通信講座や資格の導入として先に読んでおくと、あとが楽になりますよ。

大学の人気講義でよく分かる「ミクロ経済学」超入門
田中久稔 著|SBクリエイティブ
早稲田大学政治経済学部の必修講義「ミクロ経済学入門」は、学生アンケートに基づく授業ランキングで「面白い」第1位に輝いた人気講義。その授業中のおしゃべりを書籍化したのが本書です。実際の講義で出るグラフと数式はできるだけ簡略化し、具体例とたとえ話を中心に再構成。「そのプリンは誰のもの?」「マスクの転売はどうしていけないの?」など身近な問いから、経済学が何をやろうとしているのかをつかめます。
こんな人におすすめ
経済学が何の役に立つの?と感じている人、数式が多くて諦めた経験がある人、人気講義の雰囲気を味わってみたい学生や社会人。たとえ話から入りたい人に向きます。
良い点
- 人気講義のおしゃべりを書籍化
- 身近な問いから本質に迫る
- 数式やグラフを大幅に簡略化
気になる点
- 電子版は固定レイアウト型で扱いにくい
- 体系的な演習には不向き
- 網羅性は講義の範囲まで
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2022年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「そのプリンは誰のもの?」「マスクの転売はどうしていけないの?」——目次の見出しだけでもう引き込まれます。これ、どういう講義なんですか?
佐藤メバル
早稲田大学政治経済学部の必修講義を書籍化したもので、学生アンケートに基づく授業ランキングで「面白い」第1位を取った講義なんです。
実際の講義のグラフや数式はできるだけ簡略化して、具体例とたとえ話を中心に再構成しています。だから経済学が何をやろうとしているのか、雰囲気からつかめます。
橘ナナミ
人気講義の空気が伝わるなら、独学でも入りやすそうですね。あの、電子版でも読めますか?電車の中で読みたいんです。
佐藤メバル
電子版は固定レイアウト型で、文字の拡大や検索ができない仕様です。だから大きめの画面の端末か、紙で読むのがおすすめ。
内容そのものは、経済学の基本をとてつもなく気軽に楽しめる教科書ですよ。

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編
ティモシー・テイラー 著|かんき出版
¥1,650(税込)
経済学者ティモシー・テイラーが、全米各地の大学で講義を担当し、スタンフォード大学とミネソタ大学で「学生が選ぶ講義が上手な教師」1位を獲得した——その教え方を体感できる入門です。経済の基本を身近な具体例を引きながら鮮やかに説き、世の中の仕組みが見えてくる構成。シリーズ累計8万部を突破し、大学で経済学を学ぶ前の概観や、社会人の学び直しにも向くとされています。
こんな人におすすめ
これから大学で経済学を学ぶ高校生・新入生、一般教養として経済学を知りたい社会人、就職活動を控えて基礎を持っておきたい学生。講義がうまい先生の授業を体験したい人に向きます。
良い点
- 名門大で人気の講義の教え方
- 身近な具体例で説得力がある
- 学び直しにも使える基礎
気になる点
- 日本の事例は限られる
- 演習問題中心ではない
- 深い理論には別書が必要
出版社
かんき出版
発売日
2013年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「学生が選ぶ講義が上手な教師」で1位って、その教え方のうまさが、本を読むだけで分かるものなんですか?
佐藤メバル
実際に本文を読めば明らかだ、と監訳者が言うように、経済の基本を身近な具体例で説いていくのがうまいんですよ。
テイラーさんはスタンフォード大学とミネソタ大学でその評価を得た人で、経済学の基礎を知ると世の中の仕組みが見えてくるように書かれています。
橘ナナミ
へえ、それは心強いです。じゃあ、大学に入る前に読んでおくのもよさそうですね。経済学部に行く友達に勧めてもいいですか?
佐藤メバル
もちろん。大学で経済学を学ぶ前の概観として、また社会人の学び直しとしても向くとされています。シリーズ累計8万部を超えたのも納得のわかりやすさですよ。

ポケット図解 ミクロ経済学がよ~くわかる本
小笠原誠治 著|秀和システム
¥1,540(税込)
書名どおり、ポケットサイズの図解でミクロ経済学を眺められる一冊です。持ち歩いて参照することを想定した判型と、図解中心の見やすい構成が持ち味。秀和システムの「ポケット図解」シリーズに連なる本で、通読して覚えるというより、用語や考え方を手元で確かめながら学びたい場面に向いています。
こんな人におすすめ
持ち歩きながら少しずつ確認したい人、図解で用語や考え方を押さえたい人、通勤・通学の合間に経済学に触れたい社会人。手元に置いて参照する使い方に向きます。
良い点
- ポケットサイズで持ち歩ける
- 図解中心で見やすい
- 手元の参照用に向く
気になる点
- 体系的に読み込むのには不向き
- 演習問題は中心ではない
- 詳細な理論の深掘りは限定的
出版社
秀和システム
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ポケット図解」って、文字どおりポケットに入るサイズなんですか?通勤中に開くなら、どんな使い方が向いてるのか気になります。
佐藤メバル
そういうシリーズなんですよ。机に向かってじっくり読み込むというより、必要なときに開いて確かめる使い方を想定した判型と構成です。
図解が中心なので、用語や考え方の見取り図を手元に置いておきたいときに便利ですね。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ最初から最後まで通読するというより、辞書みたいに手元に置いて、必要なときに開く使い方のイメージですか?
佐藤メバル
近いかもしれないですね。ただ、最初の一冊としてこれを選ぶなら、他の入門書と並べて使うのがおすすめです。
分からない言葉や図が出てきたときに開く、という付き合い方が向いています。辞書と教科書の中間のような位置づけですよ。

ミクロ経済学 図解雑学
嶋村紘輝 著|ナツメ社
「ミクロ経済学」は、経済を構成する個々の消費者や生産者に注目して経済を分析する学問です。物の価格がどのように影響し合うのか、市場に出回る品物の量がどう動くのか——身のまわりの経済のしくみを、図解を通してやさしく理解できるようにした一冊。ナツメ社の「図解雑学」シリーズの体裁で、初めて触れる人でも取っつきやすい作りになっています。
こんな人におすすめ
初めてミクロ経済学に触れる人、価格や流通の仕組みをやさしく知りたい人、図解で気軽に学びたい社会人。全体像をやさしく眺めたい人に向きます。
良い点
- 図解で身近な経済を解説
- 価格や流通の仕組みがわかる
- 初めて触れる人に取りつきやすい
気になる点
- 理論の厳密な練習には不向き
- 演習問題は想定されていない
- 発展的な内容は限られる
出版社
ナツメ社
発売日
2013年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
消費者や生産者に注目して分析する、っていうのがミクロ経済学の基本なんですよね。この本はそこを図解で追う感じですか?
佐藤メバル
そう。物の価格がどう影響し合うのか、市場に出回る量がどう動くのか、といった身のまわりの仕組みを、図解を通してやさしく理解できるようにしている。
身近な経済の動きから入れるのが「図解雑学」シリーズらしいところです。
橘ナナミ
いきなり分厚い理論書を開くより、こういう入り口のほうが私には合ってそうです。図解だと身構えずに済むので。
佐藤メバル
それでいいと思いますよ。まずは全体の雰囲気をつかんで、必要になったら数式のある本に進む。順番としては自然ですから、気負わずに開いてみてください。

図解 使えるミクロ経済学 (図解 5)
菅原晃 著|KADOKAWA
¥1,650(税込)
ミクロ経済学・ゲーム理論・行動経済学の3つを、図解とイラストで一冊にまとめた欲張りな入門です。「なぜバター不足が起きているのか?」「インフレになると失業率が減る?」「終身雇用も年功序列も日本でなら合理的?」——日常で体験している疑問から、時事問題や日本の経済構造まで読み解きます。マンキューの10大原理から始め、需給曲線、ゲーム理論、行動経済学へと進む構成が見通しよく感じられます。
こんな人におすすめ
数学が苦手で図解から入りたい人、経済ニュースや時事問題の背景を理解したい社会人、ゲーム理論や行動経済学まで一冊で眺めたい人。3つの経済学をまとめて知りたい人に向きます。
良い点
- 3つの経済学を一冊で扱う
- 図解とイラストで視覚的に理解
- 身近な疑問から時事問題まで
気になる点
- 各分野の深さは抑えめ
- 演習問題は多くない
- 網羅的に学ぶには別書が必要
出版社
KADOKAWA
発売日
2015年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ミクロ経済学だけじゃなくて、ゲーム理論と行動経済学まで一冊に入ってるんですか。ちょっと詰め込みすぎじゃないですか?
佐藤メバル
詰め込みではなく、3つをつなげて見せる設計なんですよ。マンキューの10大原理から始めて、需給曲線、ゲーム理論、行動経済学へと進む。
たとえば「終身雇用も年功序列も、日本でなら合理的?」といった問いは、ゲーム理論の視点で読み解かれます。
橘ナナミ
へえ、終身雇用や年功序列の話が出てくるの、意外でおもしろいです。経済学で説明できるんですね。ニュースの見方も変わりそう。
佐藤メバル
「なぜバター不足が起きているのか?」「インフレになると失業率が減る?」なんていう身近な疑問も並んでいます。
図解で全体を視覚的につかみたい人には、とても入りやすい一冊ですよ。

超入門ミクロ経済学
修震傑 著|多賀出版
タイトルどおり「超入門」を掲げた、多賀出版のミクロ経済学のテキストです。300ページを超えるしっかりした分量で、入門の名にふさわしい一冊目として、基礎から積み上げることを想定した作り。同じ「入門」でも、薄さで選ぶ本、図解で選ぶ本、演習で選ぶ本と役割はさまざま。その中で、腰を据えて通読するタイプとして位置づけられます。
こんな人におすすめ
薄い入門書では物足りず、まとまった分量で基礎から積み上げたい人、通読して着実に理解したい大学生、独学で最初の一冊をしっかり読み込みたい人。腰を据えて読む時間を取れる人に向きます。
良い点
- 300頁超でしっかりした分量
- 基礎から積み上げる構成
- 最初の一冊として腰を据えられる
気になる点
- 気軽な通読には向かない
- 図解だけを求める人には重い
- 読み切るには時間が必要
出版社
多賀出版
発売日
1999年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「超入門」なのに300ページ超って、ちょっと矛盾してませんか?私、薄い本のほうが入りやすいんですけど…。
佐藤メバル
いいところに気づきました。ここでの「超入門」はページ数の少なさではなく、前提知識なしで始めるという意味です。
300ページを超える分量で、基礎からきちんと積み上げることを想定しています。
橘ナナミ
なるほど、薄くてすぐ読める本とは役割が違うんですね。じっくり読む気力があるとき用、ということか。
佐藤メバル
そうですね。同じ入門でも、薄さで選ぶ本、図解で選ぶ本、演習で選ぶ本と役割はいろいろです。これはじっくり腰を据えて通読するタイプ。
時間を取って最初の一冊を確実に読み切りたい人に向いていますよ。

ミクロ経済学って大体こんな感じです
竹内健蔵 著|有斐閣
読者が途中で投げ出すことがないように、わかりやすさを最優先にした入門書です。最初にミクロ経済学の全貌を大づかみできる構成をとり、消費者行動と生産者行動の両理論の対称性を明確にすることで、効率的に学べるようにしています。途中で挫折しがちな入門者に向けた工夫が随所に盛り込まれ、タイトルどおりの力の抜け具合も魅力です。
こんな人におすすめ
入門書を何度も途中で投げ出してしまった人、全体像を先につかんでから細部に入りたい人、消費者と生産者の理論を対称に理解したい学生。挫折せず読み切ることを優先したい人に向きます。
良い点
- 全貌を最初に大づかみできる
- 消費者と生産者の対称性を明確化
- 挫折させない配慮が随所に
気になる点
- 電子版はプリント・レプリカ形式
- 見開き表示など一部機能に制限
- 演習中心の使い方には向かない
出版社
有斐閣
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「大体こんな感じです」ってタイトル、有斐閣の本にしては力が抜けてますね。親しみが湧きます。中身もやわらかいんですか?
佐藤メバル
そのタイトルどおり、読者が途中で投げ出さないように、わかりやすさを最優先にした入門書なんです。ミクロ経済学の全貌を最初に大づかみできる構成にして、消費者行動と生産者行動の対称性を明確にする。
効率よく学べる順番を徹底しているんですね。
橘ナナミ
最初に全貌を見せてくれるのは安心します。あの、これって電子版でも買えますか?タブレットで読みたいんですけど。
佐藤メバル
電子版はプリント・レプリカ形式で、見開き表示ができなかったり、使える端末が限られたりします。気になるなら紙で手に取るのが確実ですね。
内容は、最初の一冊で挫折した経験のある人ほど効く作りですよ。

ミクロ経済学の第一歩 (有斐閣ストゥディア)
安藤至大 著|有斐閣
¥3,147(税込)
「価格と価値は違うもの?」「需要曲線の形が変化しても、価格が実際には変化しない場合もある?」——経済学をはじめて勉強する人がひっかかりやすい箇所にポイントを絞って、わかりやすく解説しています。イメージしやすい具体例とイラストをふんだんに盛り込んだ、読むのが楽しい入門テキスト。2色刷の紙面もあって、新シリーズ「有斐閣ストゥディア」の最初の一歩にふさわしい作りです。
こんな人におすすめ
つまずきやすい論点を先に押さえたい初学者、具体例とイラストで理解したい大学生、独学で経済学の最初の一歩を踏み出したい社会人。読むのが楽しいテキストから始めたい人に向きます。
良い点
- つまずきやすい箇所を重点解説
- 具体例とイラストが豊富
- 2色刷で読みやすい紙面
気になる点
- 辞書的な網羅には向かない
- 価格はやや高め
- 発展的な演習は別書が必要
出版社
有斐閣
発売日
2013年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「価格と価値は違うもの?」って、言われてみれば説明できないです。こういう素朴な引っかかりを拾ってくれるんですか?
佐藤メバル
そうなんですよ。経済学をはじめて勉強する人がひっかかりやすい箇所にポイントを絞って解説する、というのがこの本の狙いです。
「需要曲線の形が変化しても、価格が実際には変化しない場合もある?」なんて問いも、独学だと見落としがちなところですね。
橘ナナミ
具体例とイラストが多いなら、私でも進められそうです。2色刷なのも、長く読むにはうれしいな。最初の一歩にちょうどよさそう。
佐藤メバル
紙面が読みやすいのは、長く使う本では大きな利点です。全体を網羅する辞書ではなく、最初の一歩でつまずかないためのテキスト。
価格はやや高めですが、その分つくりは丁寧ですよ。

ビジネスを学ぶためのミクロ経済学入門
石田和之 著|中央経済グループパブリッシング
¥3,080(税込)
商学部・経営学部の1年生向けの教科書として書かれた一冊です。ミクロ経済学の内容だけでなく、取引費用やCSRといったビジネスに必須の要素まで解説するのが特徴。ビジネス事例を用いた解説が理解を助けてくれます。純粋な理論書ではなく、経営や商いの現場と結びつけながら学びたい人に向けた構成です。
こんな人におすすめ
商学部・経営学部で学ぶ学生、ビジネスの視点から経済学を学び直したい社会人、取引費用やCSRといったテーマにも関心がある人。事例で理解を深めたい人に向きます。
良い点
- ビジネス事例で理解しやすい
- 取引費用やCSRも扱う
- 商学・経営学部の教科書として設計
気になる点
- 純粋な理論の深掘りは控えめ
- 価格は高めの専門書
- 入門者にはやや硬い
出版社
中央経済グループパブリッシング
発売日
2022年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
取引費用とかCSRって、ミクロ経済学の本なのに出てくるんですか?なんだかビジネス書みたいです。経済学とどうつながるのか気になります。
佐藤メバル
そこが出てくるんですよ。この本は商学部・経営学部の1年生向けの教科書で、ミクロ経済学の内容だけではなく、ビジネスに必須の要素まで解説している。
ビジネス事例を使いながら説明するので、経営の現場と経済学がつながって見えてきます。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、経済学そのものを極めるというより、仕事に引き寄せたい人向けなんですね。商学部の一年生が読む理由がわかります。
佐藤メバル
そういう位置づけです。純粋な理論書ではありませんから、CSRや取引費用といったテーマに関心がある人には特に面白いはず。
教科書なので価格はやや張りますが、その分作りは堅実ですよ。

マップでわかる経済学 ミクロ編
高橋義憲 著|エクシア出版
¥13(税込)
公務員試験の経済学を「マップ型のイラスト」と「講義レジュメの解説」でまとめた、新しいスタイルの参考書です。難しい用語やグラフの解説に入る前に、経済学をマップ型のイラストで視覚的に提示し、受験生目線で「わかる」にこだわった構成。大学・予備校の人気講師による解説は講義レジュメがベースで、初学者や経済学に苦手意識のある受験生にぴったりです。
こんな人におすすめ
公務員試験の経済学に苦手意識がある受験生、用語やグラフの前に全体像を視覚的につかみたい人、予備校の講義の雰囲気で学びたい独学者。まず見てわかることから始めたい人に向きます。
良い点
- マップ型イラストで全体を提示
- 講義レジュメベースの丁寧な解説
- 苦手意識のある受験生に配慮
気になる点
- 公務員試験に特化している
- 純粋な理論書ではない
- 360頁で通読はやや重い
出版社
エクシア出版
発売日
2018年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「マップでわかる」って、経済学を地図みたいに見せてくれるんですか?私は迷子になりやすいので、そこが気になります。
佐藤メバル
その発想です。難しい用語やグラフの説明に入る前に、経済学をマップ型のイラストで視覚的に提示する。
全体のどこを今学んでいるのか分かるから、迷子になりにくい。大学や予備校の人気講師が、講義レジュメをもとに丁寧にまとめています。
橘ナナミ
公務員試験向けなんですね。試験勉強って、いきなり過去問だと心が折れそうなので助かります。私も順番でいつも悩むので。
佐藤メバル
まさに苦手意識のある受験生に向けた作りです。まず見てわかる、それから用語とグラフに入る。この順番が、この本のいちばんの売りですよ。

中高の教科書でわかる経済学 ミクロ篇
菅原晃 著|河出書房新社
¥1,505(税込)
中学校の「公民科」、高校の「現代社会・政治経済」の教科書や資料集に出てくる用語を使って、ミクロ経済理論を学ぶというユニークな一冊です。すでに知っている言葉から入るので、専門用語の壁が低い。世界経済が揺れる今こそ必要な一冊として、ニュースの背景を自分の言葉で考えたい人に向いています。
こんな人におすすめ
高校までの公民や政治経済を足がかりにしたい人、専門用語の壁で経済学に入れなかった人、ニュースを自分の言葉で考えたい社会人。見覚えのある言葉から始めたい人に向きます。
良い点
- 中高の教科書の用語から入れる
- 専門用語の壁が低い
- ニュース理解につながる視点
気になる点
- 理論の深掘りは限定的
- 試験対策の網羅はしない
- 図解や演習は中心ではない
出版社
河出書房新社
発売日
2017年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
中高の教科書や資料集の用語で経済学を学ぶって、具体的にどういうことなんですか?公民の授業、正直うろ覚えで。
佐藤メバル
中学校の公民科、高校の現代社会・政治経済の教科書や資料集に出てくる言葉を使って、ミクロ経済理論を説明していくんです。
すでに見覚えのある言葉から入るので、専門用語の壁がぐっと低くなる。それがこの本の狙いです。
橘ナナミ
それは助かります。高校の公民、ちゃんと覚えてないですけど、なんとなくは通ってます。それでも大丈夫ですか?
佐藤メバル
その「なんとなく」で十分ですよ。世界経済が揺れる今こそ必要な一冊という位置づけで、ニュースの背景を自分の言葉で考えたい人に向いています。
覚え直しではなく、思い出しながら読む感覚でどうぞ。

ミクロ経済学・入門--ビジネスと政策を読みとく 新版 (有斐閣アルマ)
柳川隆 著|有斐閣
¥2,310(税込)
経済学の基礎理論を応用することに力点を置いたテキストです。ケーススタディとコラムを刷新し、さらにパワーアップ。理論を使って現実を読みとくための応用力を養うことを狙い、充実したウェブ付録(発展トピック解説や練習問題など)と本の連携にも工夫が凝らされています。ビジネスと政策の両面から現実を読みたい人に向けた、腰の据わった一冊です。
こんな人におすすめ
学んだ理論をビジネスや政策の場面に応用したい学生・社会人、ケーススタディで考えたい人、発展トピックまで含めて学びたい人。理論と現実を往復しながら読みたい人に向きます。
良い点
- ケーススタディとコラムが充実
- ウェブ付録の練習問題と連携
- ビジネスと政策の両方を扱う
気になる点
- 分量が多く通読は重い
- 完全な初心者にはやや難しい
- 価格は教科書並み
出版社
有斐閣
発売日
2015年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ウェブ付録に発展トピックや練習問題があるって、本とウェブを行き来するんですか?スマホで読む前提なのか気になります。
佐藤メバル
そう、本とウェブの連携に工夫が凝らされているのが特徴です。この本は基礎理論を応用することに力点を置いていて、理論を使って現実を読みとくところまで連れていってくれます。
ケーススタディとコラムも刷新されて、ビジネスと政策の両方を扱う構成になっています。
橘ナナミ
378ページか、しっかりしてますね。私みたいな入門者がいきなり読むと重いですか?ビジネスと政策の話は面白そうだけど。
佐藤メバル
完全な初心者が最初に開くより、基本を一通り知ったうえで応用に進む段階で効く本です。逆に言えば、ここに来たときの伸び幅は大きい。
ビジネスと政策を読みとく力を付けたいなら、持っておいて損はないですよ。

ミクロ経済学入門 日経文庫―経済学入門シリーズ
奥野正寛 著|日本経済新聞出版
¥1,100(税込)
市場メカニズム、家計および企業の行動と需要・供給曲線、完全競争、不完全競争、市場の失敗——ミクロ経済学の基本トピックを、図と事例を使って平易に解説した入門書の決定版です。日経文庫のコンパクトな判型に、基本トピックをきちんと収めた構成。通読して全体像をつかむにも、手元に置いて参照するにも使いやすい定番です。
こんな人におすすめ
入門書の定番を一冊手元に置きたい人、市場メカニズムから市場の失敗まで一通り押さえたい学生、経済ニュースの前提知識を固めたい社会人。コンパクトな決定版を求める人に向きます。
良い点
- 定番トピックを過不足なく収録
- 図と事例で平易に解説
- 文庫サイズで参照しやすい
気になる点
- 演習問題は中心ではない
- 図解だけの本よりは硬め
- 発展的な内容は限られる
出版社
日本経済新聞出版
発売日
1990年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「入門書の決定版」って言い切ってありますね。日経文庫で239ページ、これは安心感があります。手元に置くならこれですか?
佐藤メバル
市場メカニズム、家計と企業の行動、需要・供給曲線、完全競争、不完全競争、市場の失敗——ミクロ経済学の基本トピックを、図と事例で平易に解説しています。
日経文庫のコンパクトさに、定番をきちんと収めた一冊です。
橘ナナミ
網羅的だと、逆に難しそうな気もするんですけど、初学者でも大丈夫ですか?図と事例で読めると聞いて少し安心しました。
佐藤メバル
図と事例を使った平易な解説で、そこはうまく作られています。手元に置いて参照しながら、ときどき読み返すという使い方が向いていますよ。
定番を一冊持っておくと、後で振り返るときに困りませんからね。

マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編(第5版)
N・グレゴリー・マンキュー 著|発行元:センゲージ・ラーニング株式会社 発売元:TKDラーニング/東京化学同人
¥4,950(税込)
世界中の大学で使われているマンキュー経済学のミクロ編です。経済学の10原則から、需要と供給、弾力性、政府の政策、外部性、公共財、医療経済学、税制の設計、独占・寡占、労働市場、所得格差と貧困、消費者選択の理論、ミクロ経済学の最前線まで——教科書としての体系性が際立つ構成。厚さは覚悟が必要ですが、経済学の全体をひとつの地図として持てる一冊です。
こんな人におすすめ
大学の教科書として経済学をしっかり学ぶ学生、講義の予習復習をしたい人、体系的にミクロ経済学を一冊で押さえたい社会人。辞書のように手元に置いて参照しながら学びたい人に向きます。
良い点
- 経済学の全体を体系的に収録
- 章立てが明快で参照しやすい
- 実社会のテーマを幅広く扱う
気になる点
- 584頁で持ち運びは重い
- 価格は教科書価格
- 独学の最初の一冊には重い
出版社
発行元:センゲージ・ラーニング株式会社 発売元:TKDラーニング/東京化学同人
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
584ページ、4950円……これは覚悟がいりますね。でも名前はよく聞くので、一度は中身を見てみたいです。
佐藤メバル
世界中の大学で使われている定番です。目次を見ると、経済学の10原則から始まって、需要と供給、弾力性、政府の政策、外部性、公共財、医療経済学、税制の設計、独占、寡占、労働市場、所得格差と貧困、消費者選択の理論、そしてミクロ経済学の最前線まで。
経済学の地図が一冊に収まっています。
橘ナナミ
目次を見ただけで、大学の講義がまるごと詰まってる感じがしますね。通読するのは相当な覚悟が要りそう。
佐藤メバル
その通りです。だから最初から最後まで通読するというより、講義の予習復習や、辞書のように手元に置いて引く使い方が向いています。
厚さと価格は覚悟が必要ですが、それだけの体系性がありますよ。

クルーグマン ミクロ経済学 第3版
ポール・クルーグマン;ロビン・ウェルス 著|東洋経済新報社
¥4,620(税込)
ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンとロビン・ウェルスによるミクロ経済学の教科書です。944ページという圧倒的な分量で、改訂版として刊行されました。「ノーベル経済学賞受賞学者によるアカデミックエンターテインメント」と評されるように、理論を積み上げるだけでなく、読ませる教科書として知られる一冊です。
こんな人におすすめ
大学で経済学を専門に学ぶ学生、マンキューと並ぶ定番を比較したい人、理論を腰を据えて学びたい社会人。本格的に経済学を学びたい人に向きます。
良い点
- ノーベル賞学者による教科書
- 改訂を重ねた定番の内容
- 理論を本格的に学べる分量
気になる点
- 944頁は独学には重い
- 価格は高めの専門書
- 初学者の最初の一冊ではない
出版社
東洋経済新報社
発売日
2026年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
944ページって、もう電話帳みたいな厚さですよね。いったいどういう人が読む本なのか、想像もつきません。
佐藤メバル
大学で経済学を本格的に学ぶ人向けの教科書です。ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマンとウェルスの共著で、改訂版として出ている。
理論を積み上げるだけでなく、読ませる教科書として知られています。
橘ナナミ
マンキューと並ぶ定番の教科書なんですか?名前だけは聞いたことがあります。独学で挑むのは無謀でしょうか。
佐藤メバル
そう、そういう位置づけです。だから初学者がいきなり最初の一冊にするより、入門を一通り終えてから本格的に向き合う段階で効きます。
腰を据えて学びたいなら、頼れる一冊ですよ。
「わかりやすい」を5指標で比べる——つまずきポイントの処方箋
橘ナナミ
一口に「わかりやすい」と言っても、人によって意味が違いますよね。
佐藤メバル
だから僕は、数式負荷・図解比率・文体・問題数・読了時間の5つに分けて見るようにしている。坂井豊貴の『ミクロ経済学入門の入門』なら数式負荷はほぼゼロ、図はシンプル、タテ書きのくだけた文体で読み切る時間も短い。バウマンの『この世で一番おもしろいミクロ経済学』はマンガが主体で、需要と供給が後半まで登場しない。マンキューの教科書は図版と用語説明が厚く、章末問題まで含めると長期戦になる。同じ「入門」でも、指標はまったく違うんだ。
橘ナナミ
途中で投げ出しちゃう章も、けっこう共通しているんですか?
佐藤メバル
する。多くの人が止まるのは無差別曲線と限界効用、そしてゲーム理論のナッシュ均衡だ。小島寛之の『世界一わかりやすいミクロ経済学入門』は、その無差別曲線・効用関数・微分をばっさり削っている。竹内健蔵の『ミクロ経済学って大体こんな感じです』は、全貌を最初に大づかみできる構成と、消費者行動と生産者行動の対称性を明確にした解説で、途中で投げ出さないことを最優先にしている。つまずいた章だけ一段やさしい本に戻るのが定石だよ。
独学の順番と、2冊目への接続
橘ナナミ
じゃあ実際、どの順番で読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
まず読み物で骨格をつかむ。坂井豊貴の新書か、バウマンのマンガ、あるいは木暮太一の『落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本』——これは他の入門書をスムーズに理解するための「入門書の入門」と位置づけられている。次に図解で確認する。佐々木宏夫の『史上最強図解 ミクロ経済学入門』、嶋村紘輝の『ミクロ経済学 図解雑学』、小笠原誠治の『ポケット図解 ミクロ経済学がよ~くわかる本』あたりが手頃だ。そのうえで安藤至大の『ミクロ経済学の第一歩』のような教科書に入り、演習は木暮太一の『今までで一番やさしいミクロ経済学』を並走させる。
橘ナナミ
経済学を習ったことのない社会人だと、中高の知識から入るのもありですか?
佐藤メバル
ありだね。菅原晃の『中高の教科書でわかる経済学 ミクロ篇』は、中学校の公民、高校の現代社会・政治経済の教科書や資料集の用語でミクロ経済理論を学ぶ構成になっている。同じ菅原晃の『図解 使えるミクロ経済学』なら、ミクロ経済学に加えてゲーム理論と行動経済学まで1冊で見渡せる。最短で全体像をつかむならWセミナーの『3時間でわかるミクロ経済学入門』が向く。
橘ナナミ
逆に、選ばないほうがいいパターンはありますか?
佐藤メバル
ある。公務員試験の教養科目だけが目的なのに900ページ級の教科書から入ると、オーバースペックになりやすい。反対に、大学のレポートで理論を使うのに読み物だけでは足りない。ビジネス用途なら、石田和之の『ビジネスを学ぶためのミクロ経済学入門』のように取引費用やCSRまで扱う教科書、柳川隆の『ミクロ経済学・入門 ビジネスと政策を読みとく』のようにケーススタディとウェブ付録が連携した本のほうが噛み合う。目的に対して薄すぎる本も、厚すぎる本も失敗のもとだ。
よくある質問
ミクロ経済学の本は何から読めばいいですか?
橘ナナミ
ミクロ経済学の本は何から読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
数式なしで骨格だけつかむなら、坂井豊貴の『ミクロ経済学入門の入門』(岩波新書・176ページ)か、マンガ形式のバウマン『この世で一番おもしろいミクロ経済学』が最初の一冊に向きます。読み物で全体像→図解で確認→教科書で肉付けの順に進むと挫折しにくくなります。
数学が苦手でもわかるミクロ経済学の本はありますか?
橘ナナミ
数学が苦手でもわかるミクロ経済学の本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。坂井豊貴の『ミクロ経済学入門の入門』は数式が一切なく、簡単な図だけで均衡理論からゲーム理論まで進みます。木暮太一の『落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本』は日常生活の出来事を例に直感で理解させる構成で、小島寛之の『世界一わかりやすいミクロ経済学入門』も無差別曲線・効用関数・微分を削っています。
マンキューとクルーグマンはどっちがわかりやすいですか?
橘ナナミ
マンキューとクルーグマンはどっちがわかりやすいですかについて教えてください。
佐藤メバル
どちらも本格的な教科書で、易しさの方向性が違います。マンキュー経済学Iミクロ編は584ページで図版と用語説明の視認性を高めた構成、クルーグマン ミクロ経済学 第3版は944ページでグラフとデータを厚く扱います。独学で通すなら、まずページ数の少ないほうから手をつけるのが現実的です。
大学のミクロ経済学の単位を取るのにおすすめの本は?
橘ナナミ
大学のミクロ経済学の単位を取るのにおすすめの本はについて教えてください。
佐藤メバル
授業の指定教科書があればそれが最優先です。補助として使うなら、つまずきやすい箇所を絞って具体例とイラストで説明する安藤至大の『ミクロ経済学の第一歩』や、ウェブ付録の練習問題と連携する柳川隆の『ミクロ経済学・入門 ビジネスと政策を読みとく』が頼りになります。
公務員試験のミクロ経済学におすすめの参考書は?
橘ナナミ
公務員試験のミクロ経済学におすすめの参考書はについて教えてください。
佐藤メバル
教養科目までなら、日常生活の例から入り教養科目をクリアできる範囲までカバーする茂木喜久雄の『絵でわかるミクロ経済学』が向きます。専門で解くならマップ型イラストと講義レジュメで基礎から積む高橋義憲の『マップでわかる経済学 ミクロ編』、佐々木宏夫の『史上最強図解 ミクロ経済学入門』も試験対策に使える構成です。
ミクロ経済学とマクロ経済学はどっちから勉強する?
橘ナナミ
ミクロ経済学とマクロ経済学はどっちから勉強するについて教えてください。
佐藤メバル
個々の消費者や企業の行動から積み上げるミクロから入るのがおすすめです。需要と供給、余剰、市場の失敗という基本の骨格が、マクロを読むときの土台になります。まず坂井豊貴の新書や図解本でミクロの全体像をつかんでから、マクロ側に進むと理解が速くなります。
神取『ミクロ経済学の力』は初心者でも読めますか?
橘ナナミ
神取『ミクロ経済学の力』は初心者でも読めますかについて教えてください。
佐藤メバル
あいにく今回の選書には入っておらず、当記事で内容を確認していないため断定は控えます。中級以上に進む前の土台づくりとしては、安藤至大の『ミクロ経済学の第一歩』やマンキューの該当章で、グラフの読み方と消費者・企業行動の対称性を押さえておくと、次の一冊が格段に読みやすくなります。
中古や電子版でも勉強できますか?
橘ナナミ
中古や電子版でも勉強できますかについて教えてください。
佐藤メバル
勉強できますが形式の確認が欠かせません。ページを画像にした固定レイアウト型の電子書籍は、文字の拡大や検索が使えないことがあります。教科書は改訂でトピックが入れ替わるので版を確認し、中古は書き込みや解答の欠落をチェック。図書館で1章だけ読んでから買うのが安全です。
まとめ
橘ナナミ
今日の話、けっこう目からうろこでした。わかりやすい本を探すんじゃなくて、自分と本の距離を測るんですね。
佐藤メバル
そう。書店に10分いたら、まず目次で「無差別曲線」や「ナッシュ均衡」の章がどのあたりに来るかを見てほしい。序盤から数式が続くなら、それは覚悟がいる本だ。索引、章末問題、解答に途中式があるかも見る。あとは図書館で1章だけ読んで帰る。これだけで失敗はぐっと減る。
橘ナナミ
電子版しかない本はどうしましょう。固定レイアウトだと検索ができないこともありました。
佐藤メバル
そこは実際に使って判断するしかないね。文字の拡大やハイライトが使えない形式なら、勉強用には紙のほうが向くこともある。教科書は改訂でトピックが入れ替わるから、版の確認も忘れずに。
橘ナナミ
なるほど……最初の1冊を選ぶのが、急に楽しみになってきました。
佐藤メバル
それでいい。ミクロ経済学は、買い手の「欲しい」と売り手の「出したい」が交わる一点を探す学問だ。あなたの目的という需要曲線と、本の難しさという供給曲線が重なる価格は、人によって違う。今日の話を地図にして、自分だけの交点を探しにいっておいで。
