フランス経済を学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「フランス 経済 本」なんですけど……調べていて少し戸惑っています。検索しても古典的な経済史の本が多くて、しかも品切れぎみのものもあって。今のフランス経済を知りたい人には、入り口が分かりにくくないですか?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。フランス経済の本は書店でも「経済史」と「現代経済」の棚に分かれていて、つながって見えないんだ。でも本当は一本の線でつながっている。17世紀のコルベールの重商主義があり、ケネーの重農主義があり、ワルラスの一般均衡があり、そして今の社会的連帯経済がある。この流れを知らないまま現代だけ読むと、フランスの政策が「なぜそうなるのか」が見えにくいんだよ。
橘ナナミ
なるほど……! でも、最初から全部読まないといけないんでしょうか。分厚い専門書が並んでいると、正直わたしは心が折れそうです。
佐藤メバル
全部読む必要はないよ。まず入り口を一冊選んで、そこから興味の方向に枝を伸ばせばいい。たとえば『フランス経済学史教養講義』は、ケネー、サン=シモン、クールノー、ワルラス、ピケティと、資本主義を肯定する思想と否定する思想の両方に貢献した人たちを平易に解説してくれる。ここから入ると、人名が「知らない単語」ではなく「登場人物」になる。
橘ナナミ
それは助かります。でも、現代のフランス経済を知りたいだけの人が経済学史から入るのは遠回りでは?
佐藤メバル
それもいい質問だね。近道がしたいなら『現代フランス経済論―歴史・現状・改革』のように歴史・現状・改革を一冊で扱う概説がある。労働や社会の仕組みに関心があるなら、社会的経済発祥の地フランスの歴史と法制度を述べた『フランスの社会的経済』という道もある。要は「何を知りたいか」で入口が変わるんだ。
フランス経済を学べる本の選び方
目的別に選ぶ
橘ナナミ
目的別というと、具体的にはどう分ければいいんでしょう。
佐藤メバル
大きく四つだね。通史で流れをつかむなら『現代フランス経済論』や『フランス経済をみる眼』。現代のマクロな姿を知るなら『フランスはなぜショックに強いのか』で、マクロの需要管理システムとミクロの供給面の両サイドから長期トレンドで見ていく本だ。思想なら『フランス経済学史教養講義』と『フランス経済学史研究』。社会・労働なら『フランスの社会的経済』。この四つを頭に置くだけで、棚の見え方が変わるよ。
レベル別に選ぶ
橘ナナミ
レベル別だと、初学者はどこから始めるのがいいですか?
佐藤メバル
新書や薄めの概説で全体像、次に中級の概説、最後に専門書、という順番だね。『フランス経済をみる眼』のように新書サイズで通せる本は導入に向く。中級なら混合経済体制を軸に論じる『フランスの経済: 転機に立つ混合経済体制』、専門なら『フランス資本主義と中央銀行』のような研究書。いきなり研究書に入ると、前提知識の壁で止まりやすいんだ。
形式・入手しやすさで選ぶ
橘ナナミ
電子書籍で読めるものはありますか?
佐藤メバル
『フランスはなぜショックに強いのか』は電子化されている。ただ古い研究書は紙のみが多く、品切れ・重版未定のものもある。買う前に在庫と版を確認するのが鉄則だね。書店員時代、お客様に「今は市場に出回っていません」と伝えるのが一番心苦しかった。
著者で選ぶ(翻訳書と日本人著書)
橘ナナミ
翻訳書と日本人の先生の本は、どう使い分ければいいんでしょう。
佐藤メバル
翻訳書はその国の議論をそのまま持ち込める。『市場の創出: 現代フランス経済史』『20世紀フランス資本主義史論』『フランスの社会的経済』は海外研究者の視点だね。一方で日本人研究者の本は、日本の読者向けに文脈を補ってくれる。『フランス経済学史教養講義』には日本におけるフランス経済学研究の系譜を扱う補講も収められていて、そこは翻訳書にはない価値だ。両方を行き来するのが一番深い読み方だよ。
フランス経済を学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
フランス経済を学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

フランス: 経済・貿易・産業報告書 (2022/23年版) (ARCレポート)
ARC国別情勢研究会 著|ARC国別情勢研究会
「ARCレポート」は業界や投資の現場で使われてきた国別情勢レポートのフランス編で、経済・貿易・産業の動きを年次で一冊にまとめた実務資料です。学術書のように理論を積み上げるのではなく、統計と業界動向を手早く摑むための構成。数字の裏づけを取りながら議論できるのが強みで、物語として読む経済史の本とは役割がはっきり違います。過年度版と並べて傾向の変化を追うと効果的です。
こんな人におすすめ
企業の海外事業担当や投資調査でフランスの最新動向を押さえたい人、レポートや企画書の根拠づけに統計がほしい人、過年度版と並べて変化を追いたい実務家。通読より必要な章から引く使い方が合います。
良い点
- 経済・貿易・産業を一冊で横断
- 実務で使いやすい簡潔な構成
- 過年度版と比較して傾向を追える
気になる点
- 理論や背景の解説は薄め
- 統計の更新には版の買い替えが必要
- 読み物としての面白さは控えめ
出版社
ARC国別情勢研究会
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最初のこの本、表紙からしてもう資料っぽいですね。『ARCレポート』って聞いたことがないんですけど、普通の経済書とは何が違うんですか?
佐藤メバル
いいところに目をつけたね。これは研究書ではなく、業界や投資の現場で使われてきた国別情勢レポートのフランス編です。
経済・貿易・産業をコンパクトに一冊へまとめていて、通読する本というより引く本。数字の裏づけがほしいときに効きます。
橘ナナミ
なるほど、辞書みたいに引く本なんですね。じゃあ、最初から最後まで通して読んでも、あまり面白くはないんでしょうか?
佐藤メバル
そこは正直に言うと、物語としての面白さは薄いです。代わりに、過年度版と並べて「どこが変わったか」を見ると一気に生きます。
フランス経済の現在地を最短で確認したい人には、これ以上ない入口ですよ。

フランスの経済: 転機に立つ混合経済体制 (waseda libri mundi 5)
原輝史 著|早稲田大学出版部
¥3,400(税込)
戦後のフランス経済を「国家と市場が混ざり合う混合経済体制」という切り口で描いた入門書です。早稲田大学出版部のwaseda libri mundi シリーズに収められた一冊で、専門書より手に取りやすい分量。国有化や計画化を、思想ではなく仕組みとして丁寧に説明していく姿勢が読みどころです。同じ著者の『フランス資本主義―成立と展開』が歴史の長い射程で描くのに対し、こちらは「転機に立つ」現在形の制度像に焦点を寄せています。
こんな人におすすめ
戦後の国有化や計画経済の仕組みを基礎から押さえたい学生・社会人、フランス経済の教科書を探している初学者、制度の設計思想に関心のある読者。
良い点
- 混合経済という軸が明快
- 入門シリーズで読みやすい
- 制度の仕組みを丁寧に説明
気になる点
- 刊行後の変化は別途補完が必要
- 統計は最新版に劣る
- 専門用語はやや多め
出版社
早稲田大学出版部
発売日
1993年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『混合経済体制』って、聞き慣れない言葉なんですけど……。市場と国の話が混ざっている、という理解でいいんでしょうか?
佐藤メバル
簡単に言えば、市場に全部まかせるのでも、国が全部決めるのでもなく、両方を混ぜて運営する仕組みのこと。
フランスは国有化や国家計画を早くから取り入れてきたので、この言葉がよく似合うんです。思想の話ではなく、制度の設計図として読めるのが強みです。
橘ナナミ
あ、じゃあ同じ著者の『フランス資本主義』というタイトルの本とは、いったい何が違うんですか? 名前が似ていて混乱します。
佐藤メバル
同じ著者でも射程が違います。資本主義の歴史を長いスパンで追う本は「どう成り立ってきたか」、こちらは「今どう運営されているか」。
転機に立つ、という副題どおり現在形の制度を扱っています。まず全体像をつかむならこちらから、という順番がおすすめですよ。

現代フランス経済論―歴史・現状・改革 (有斐閣選書 438)
長部重康 著|有斐閣
有斐閣選書の一冊で、副題どおり「歴史・現状・改革」をこの順に積み上げる構成です。フランス経済を正面から体系的に学ぶための教科書的な作りで、制度の成り立ちから現在の課題、改革の論点までが一本の線でつながります。単発のトピック本と違い、章を追うごとに前の理解が土台になる設計。最初の一冊に迷ったら、これを通すのが遠回りに見えて一番速いと思います。
こんな人におすすめ
通年でフランス経済を学びたいゼミ生、講義の副読本を探す教員、歴史と現状を一冊でつなげたい社会人。独学の軸にしたい人にも向きます。
良い点
- 歴史・現状・改革を一冊で通せる
- 章立てが体系的で教科書向き
- 有斐閣選書で入手しやすい
気になる点
- 分量が多く通読に時間がかかる
- 最新の統計は別途確認が必要
- 入門にはやや硬い
出版社
有斐閣
発売日
1983年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『歴史・現状・改革』って、題名の順番どおりに話が進んでいくんですか? いきなり改革の話から始まったりはしないんでしょうか。
佐藤メバル
そこがこの本の美点です。いきなり改革から入ると、なぜ改革が必要なのかが分からない。歴史で土台を作り、現状で問題を確認し、最後に改革を論じる。
この順番そのものがフランス経済の理解の道筋になっています。
橘ナナミ
大学の教科書みたいな雰囲気ですけど、ひとりで読んでもついていけますか? ゼミに入っていないので、少し不安なんです。
佐藤メバル
有斐閣選書はもともと学ぶ人のためのシリーズなので、独学でも十分ついていけます。ただし章は飛ばさず順に読むのがコツ。
薄い入門書を何冊も渡り歩くより、これ一冊を丁寧に通したほうが、結果的に速いと思いますよ。

フランス経済をみる眼 (有斐閣新書 B 70)
清水貞俊 著|有斐閣
有斐閣新書という小型の判型で、タイトルどおり数字の読み方・見方を鍛えることを狙った一冊。事実の羅列ではなく、どう眺めるかという視点を渡してくれるのが特徴です。体系をがっちり組む現代経済論タイプの本と違い、通勤や休憩の合間に読み進められるサイズ感。フランスの統計や制度に初めて触れる人が、ニュースを自分の言葉で読めるようになるための基礎体力を作れます。
こんな人におすすめ
新聞やニュースの経済記事を読み解けるようになりたい人、通勤や通学の時間でフランス経済の基礎を固めたい人、硬い教科書の前段階を探す初学者。
良い点
- 新書サイズで持ち歩きやすい
- 視点の鍛え方を教えてくれる
- 初学者に優しい語り口
気になる点
- データの新しさは期待できない
- 網羅性は専門書に劣る
- 版によっては入手しにくい
出版社
有斐閣
発売日
1984年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『みる眼』って、データじゃなくて視点の本なんですね。それって、実際の勉強にどう役立つものなんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。統計は誰でも引けますが、同じ数字をどう読むかで結論は変わる。この本はその読み方を教えてくれます。
硬い教科書の前においておくと、後の理解が段違いになりますよ。
橘ナナミ
新書なんですね。じゃあ通学の電車の中で読めそうです。でも、古い本だと統計が古くなっていないか心配です。
佐藤メバル
まさにその使い方が向いています。有斐閣新書は手頃な判型で、腰を据えずに読める。ただし統計は当然古くなりますから、ニュースと突き合わせながら「今ならどう見えるか」を考える読み方をすると、ぐっと身になります。

フランスはなぜショックに強いのか (ディスカヴァーebook選書)
瀬藤澄彦 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
内容紹介にあるとおり、成長神話から一歩身を引き、博愛と自立に支えられた持続可能な社会をめざすフランスモデルを、マクロの需要管理とミクロの供給面の両サイドから長期トレンドで見ていく本です。多くのイデオロギーが複合したハイブリッドな体制という捉え方が核で、内需主導型のばねのあるモデルに光を当てます。制度史を積み上げる本とは違い、「なぜ危機に強いのか」という問いから入るので読み物として進みます。
こんな人におすすめ
欧州危機やショックへの耐性に関心がある人、マクロとミクロの両面から経済を見たい読者、電子書籍で手軽に読みたい人にも向きます。
良い点
- 問いが明快で読み進めやすい
- 需要と供給の両面から分析
- 電子版で入手しやすい
気になる点
- 公的統計の更新は自分で補う必要
- 数式やモデルの扱いは控えめ
- タイトルの語感はやや強め
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2017年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『ショックに強い』って、リーマン・ショックみたいな話ですか? フランスって、正直そんなに強いイメージがないんですけど。
佐藤メバル
そこを問いにした本です。内容紹介にもある通り、成長神話から一歩引いて、需要管理と供給側の両方を長期のトレンドで見ていくと、イデオロギーを複合したハイブリッドな体制が見えてくる。その耐久力が主題なんですね。
橘ナナミ
ハイブリッドって、いいとこ取りということですか? それとも、いろんな考え方が重なっているという感じなんですか?
佐藤メバル
いいとこ取りというより、いくつもの考え方が重なって一つの型になっている、という感覚かな。だから一つの原理で説明しようとすると外れてしまう。
この本は、その複雑さを複雑なまま腑に落とさせてくれますよ。

ユ-ロ時代のフランス経済: 経済通貨統合下の経済政策の枠組みと運営
栗原毅 著|清文社
副題に「経済通貨統合下の経済政策の枠組みと運営」とあるとおり、ユーロに参加して金融政策の主導権を手放したフランスが、財政や雇用の政策をどう運んできたかを扱う一冊です。通貨統合という外側の制約が国内政策をどう縛るか、という論点は、EUを考えるうえで今も核心。単独国としての経済論ではなく、統合の枠組みとの関係で描く点が他のフランス経済本との大きな違いです。
こんな人におすすめ
EUやユーロの制度設計に関心がある人、金融政策と財政政策の分担を学びたい学生、欧州政策の実務に携わる社会人。厚めの一冊を腰を据えて読みたい人に。
良い点
- ユーロという切り口が独自
- 政策の枠組みと運営を両方扱う
- 分量が厚く論点を網羅
気になる点
- ユーロ以前の前提知識が要る
- ページ数が多く通読は重い
- 刊行後の制度変更は自分で補う
出版社
清文社
発売日
2005年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ユーロって、フランスにとっては得だったんですか、それとも損だったんですか? 単純にそこを知りたいです。
佐藤メバル
損得で一刀両断できる話ではないんです。通貨を統合すると、金利を自分で動かせなくなる。その代わりに何を得て、何を諦めたのか。
外側の制約と国内政策のせめぎ合いを、この本は枠組みと運営の両面から追っています。
橘ナナミ
金融政策が自分で使えないって、やっぱり大きいんですね。じゃあ国内では、何を動かして調整しているんでしょうか?
佐藤メバル
財政や雇用の設計に工夫が要る、というのが答えになります。日本でユーロ危機のニュースを見るときも、この視点があると理解が一段深くなりますよ。
厚い本なので、関心のある章から入るのも手です。

市場の創出: 現代フランス経済史
モーリスレヴィ=ルボワイエ 著|日本経済評論社
タイトルが主張そのものです。市場は自然に存在するのではなく、法や制度、政治の力でつくられていくものだという視点からフランス現代経済史を描く一冊。市場を所与の前提とする教科書的な説明と正面からぶつかります。厚みのある本なので、通読というより「市場とは何か」という問いを抱えながら章を追う読み方が合います。日本経済評論社から出た本格的な研究書です。
こんな人におすすめ
経済史や制度派経済学に関心のある大学院生、市場を自明としない視点がほしい読者、フランス現代史を制度から読み直したい人。
良い点
- 市場観そのものを問い直せる
- 現代史と理論が接続する
- 参照文献として息が長い
気になる点
- 分量が重く通読は覚悟が要る
- 翻訳の文体はやや硬め
- 入門書としては向かない
出版社
日本経済評論社
発売日
2003年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『市場の創出』って……市場って、もともと自然にあるものじゃないんですか? 作るものだと言われても、ピンとこないです。
佐藤メバル
そこをひっくり返すのがこの本です。市場は放っておけば生まれるのではなく、法や制度、政治の力でつくられてきたものだ、という立場から現代フランス経済史を描いています。
経済学の前提を疑う練習になる一冊ですね。
橘ナナミ
えっ、じゃあ学校で習う経済学の教科書とは、ぜんぜん違うことを言っているんですか? ちょっと身構えてしまいます。
佐藤メバル
違うというより、見ている層が違うんです。需要と供給の図からは見えない、制度が組み上がっていく過程を見せてくれる。
分厚い本ですから、いま「市場って何だろう」と引っかかっている人にこそ刺さると思いますよ。

フランス経済学史教養講義――資本主義と社会主義の葛藤
橘木俊詔 著|明石書店
¥2,640(税込)
ケネー、サン=シモン、クールノー、ワルラス、ピケティと、フランス経済学を生んだ人々を講義形式でたどる一冊。目次を見ると、重農主義から空想的社会主義、一般均衡、そしてピケティの格差論まで、資本主義を肯定する思想と否定する思想の両方が並びます。書評で「英米以上に経済学に貴重な貢献」と評されたとおり、年表では見えない厚みが語られ、旅をするように読めると評された語り口も魅力です。
こんな人におすすめ
経済学史を教養として楽しみたい社会人、ピケティの前史を知りたい人、講義形式で気楽に学びたい学生。格差論の系譜をたどりたい読者にも。
良い点
- 講義形式で読みやすい
- 人物と理論が結びつく
- 格差論の系譜まで射程に入る
気になる点
- 数理の詳細には深入りしない
- 通史としての網羅性は限定的
- 人名が多く整理が欲しくなる
出版社
明石書店
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ピケティの名前だけは聞いたことがあります! この本って、ピケティの解説本だと思っていたんですけど、違うんですか?
佐藤メバル
ピケティは終盤の講のひとつで、むしろ主役はその前史です。ケネー、サン=シモン、クールノー、ワルラスと、資本主義を肯定する側と否定する側の両方にフランスが人を出してきた。
その系譜を通しで見せてくれるのが値打ちですね。
橘ナナミ
一冊でそんなにたくさんの人が出てくるんですか。なんだか難しそうで、途中で挫折してしまわないか怖いです。
佐藤メバル
それが講義形式でぐいぐい読めるんですよ。書評でも「経済学と、旅をする」と評されていました。年表で覚えるより、人となりから入るほうが記憶に残ります。
格差の話が気になる人ほど、前史から読むと腹に落ちますよ。

フランスの社会的経済
ティエリジャンテ 著|日本経済評論社
¥3,080(税込)
内容紹介にあるとおり、社会的経済と社会的企業が、新自由主義の失敗が明らかになった今あらためて世界的に注目されていることを踏まえ、その発祥の地フランスの歴史・法制度・現在の挑戦を詳述する一冊です。協同組合やアソシエーションといった営利以外の経済が、フランスでは法制度として位置づけられている点が読みどころ。事例集になりがちな類書と違い、制度の骨格から迫ります。
こんな人におすすめ
協同組合やNPOの制度設計に関心がある人、ソーシャルビジネスを学ぶ学生、フランスの連帯経済を調べる実務家。日本との比較を考えたい読者にも。
良い点
- 発祥の地の制度を詳述
- 歴史と現在の課題を両方扱う
- 社会的企業の論点が整理される
気になる点
- 日本の制度との対応は自分で考える必要
- 分量はコンパクトで概要中心
- 用語の訳語にやや癖がある
出版社
日本経済評論社
発売日
2009年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『社会的経済』って言葉、初めて聞きました。協同組合の話みたいですけど、ふつうの経済と何が違うんですか?
佐藤メバル
利益を目的にしない、あるいは利益の使い道を共同体に戻すような営みのこと。協同組合やアソシエーションが代表例です。
フランスはそれを法制度として位置づけてきた発祥の地なんですよ。
橘ナナミ
へえ、フランスでは制度としてあるんですね。日本でも最近ソーシャルビジネスってよく聞きますけど、同じものなんですか?
佐藤メバル
近いテーマですが、歴史の長さと法制度への埋め込み方が違います。新自由主義の限界が言われるようになって、この本の意義はむしろ増しました。
日本と比べながら読むと、制度の作り方の違いが見えて面白いですよ。

現代フランスの史的形成: 両大戦間期の経済と社会
廣田功 著|東京大学出版会
¥4,522(税込)
副題の「両大戦間期の経済と社会」が示すとおり、第一次大戦後から第二次大戦前夜までのフランスを、経済と社会の両面から描く大著です。東京大学出版会らしい実証の厚みがあり、現在のフランスの骨格がこの時期に形づくられたという視点で読むと、戦後史の前提がよく分かります。同じ戦間期でも資本主義の展開に絞る本や銀行史に絞る本とは切り取り方が違い、社会まで含めるのが持ち味です。
こんな人におすすめ
戦間期ヨーロッパ史を研究する大学院生、現代史の前提を固めたい人、実証研究の手つきそのものを学びたい読者。
良い点
- 経済と社会をまとめて扱う
- 実証が厚く信頼できる
- 戦後史の前提が理解できる
気になる点
- 学術書で専門的
- 厚く通読に時間がかかる
- テーマ別索引頼みになりがち
出版社
東京大学出版会
発売日
1994年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『両大戦間期』って、第一次と第二次の間ですよね。そんな昔の話が、今の私たちの役に立つんでしょうか?
佐藤メバル
役立つというより、今の骨格がそこで作られたんです。社会保障も産業構造も、この時期の試行錯誤が土台になっている。
だから戦後の話だけ読むと、なぜそうなったのかが見えにくいんですね。
橘ナナミ
なるほど。でも東京大学出版会の本って、やっぱり硬いイメージがあります。学部生でも読み進められますか?
佐藤メバル
硬いですよ、正直に言えば。でも実証の積み方が丁寧で、注や出典をたどるだけで勉強になります。社会の側まで描いているので、経済史というより現代史として読めると思います。まず序章からどうぞ。

20世紀フランス資本主義史論: 国家・経済・社会
ミッシェルマルゲラズ 著|日本経済評論社
¥650(税込)
副題の「国家・経済・社会」という三つの言葉が、この本の視角をそのまま表しています。20世紀フランス資本主義を、国家の働きかけを軸に描く論考で、市場だけでなく国家を主役に据えるところが英米の資本主義史と大きく違う点です。厚い概説書よりコンパクトにまとまっているので、フランス資本主義史の骨格をつかむ最初の一冊としても使えます。
こんな人におすすめ
資本主義史を国家の側から見たい人、20世紀フランスをまず概観したい学生、レギュラシオン派の議論に触れてみたい読者。
良い点
- 国家・経済・社会を一望できる
- コンパクトで骨格がつかめる
- 20世紀を通しで見られる
気になる点
- 詳細より論点中心の構成
- 訳語にやや専門的な癖がある
- 統計は最小限
出版社
日本経済評論社
発売日
2004年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
20世紀って範囲が広すぎませんか? しかもフランスの資本主義史って、イギリスやアメリカとは何か違うんですよね?
佐藤メバル
網羅するというより、国家という軸で切り取る本です。フランス資本主義は市場だけで動いてきたわけではなく、国家が深く関与してきた。
その見取り図をコンパクトに渡してくれますよ。
橘ナナミ
「国家が主役」というのがまだピンとこないんですけど、英米の資本主義史の本とは、そこが決定的に違うんですか?
佐藤メバル
そこが対比の面白さです。英米の資本主義史は市場や企業が中心になりがちですが、こちらは国家を真ん中に置く。
同じ「資本主義」でも国によって主役が違うんだ、と分かりますよ。

フランス資本主義―成立と展開
原輝史 著|日本経済評論社
¥1,130(税込)
タイトルどおり、フランス資本主義の成立から展開までを長い射程で描く一冊。同じ著者の『フランスの経済』が混合経済の制度像を扱うのに対し、こちらは歴史の時間軸に沿って資本主義そのものの形を追う構成です。日本経済評論社から出ている資本主義史の本の中でも、成立期から説き起こす点で基礎体力の要る一冊。フランス経済史を学ぶなら外せない基本書のひとつです。
こんな人におすすめ
フランス資本主義史を腰を据えて学びたい人、基本書を一冊決めたい学生、同じ著者の議論をまとめて読みたい読者。
良い点
- 成立から展開まで通しで読める
- 著者の代表的な議論に触れられる
- 基本書として参照しやすい
気になる点
- 分量が多く通読は重い
- 予備知識がないと辛い箇所もある
- 統計の更新はされていない
出版社
日本経済評論社
発売日
1986年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの『フランスの経済』と同じ著者ですよね。同じ人が書いているのに、どう使い分ければいいんですか?
佐藤メバル
いい質問です。あちらは混合経済の制度を現在形で見る本、こちらは資本主義がどう成立し展開したかを歴史の順で追う本。同じ著者でもレンズが違うんですよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、こっちの分厚いほうを先に読んだほうがいいんでしょうか? 順番で迷ってしまいます。
佐藤メバル
どちらからでも大丈夫ですが、歴史の流れを先に頭に入れておくと、制度の話がぐっと飲み込みやすくなります。
分厚いので、まず目次で地図を描いてから読み進めるのがおすすめですよ。

フランス資本主義と中央銀行: フランス銀行近代化の歴史
権上康男 著|東京大学出版会
¥15,174(税込)
副題の「フランス銀行近代化の歴史」が示すとおり、中央銀行という一点を深く掘り下げてフランス資本主義を照らす研究書です。金融の中枢の設計が資本主義の形を決めるという視点は、各国の中央銀行を比較するときにも効きます。東京大学出版会の学術書らしく実証は緻密で、通貨や金融に関心がある読者にはたまらない内容。研究機関や図書館で出会うタイプの一冊です。
こんな人におすすめ
金融史・中央銀行史を研究する人、フランス銀行の近代化過程を追いたい大学院生、金融制度の成り立ちに関心のある実務家。
良い点
- 中央銀行史の一次に近い研究
- 金融から資本主義を照らす
- 実証が緻密で資料的価値が高い
気になる点
- 専門性が高く入門には不向き
- 価格が高く入手しづらい
- 金融の予備知識が前提になる
出版社
東京大学出版会
発売日
1999年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
中央銀行の歴史って、そんなに面白いんですか? 金利を決めるところ、くらいのイメージしかないんですけど。
佐藤メバル
それが、金融の中枢の設計が資本主義の形を決めるんですよ。誰がお金を出すのか、誰が最後の貸し手になるのか。
フランス銀行がどう近代化してきたかを追うと、国の経済運営の思想まで見えてきます。
橘ナナミ
なるほど……でも、ちょっと難しそうだし、値段も高そうですよね。図書館で探すしかないんでしょうか?
佐藤メバル
正直に言えば専門書です。価格も含めて、まずは図書館で出会うタイプの一冊かな。ただ通貨や金融に関心がある人なら読む価値は十分あります。
いきなり通読せず、序章だけでも覗いてみてください。

フランス資本主義: 戦間期の研究
玉田美治 著|桜井書店
タイトルどおり戦間期に焦点を絞り、その時期のフランス資本主義を論じる一冊です。両大戦間期の経済と社会を広く描く大著がある一方で、こちらは資本主義という論点に絞って戦間期を掘るところが違い。桜井書店という版元の性格もあってか、マルクス経済学的な問題関心が前面に出た議論が展開されます。視点の違いを意識しながら読み比べると、同じ時代の見え方が変わってきます。
こんな人におすすめ
戦間期の資本主義論を比較して読みたい人、マルクス経済学の視点に関心がある学生、フランス経済史の論点整理をしたい読者。
良い点
- 戦間期に絞った集中力
- 理論的な問題関心が明確
- 同時代の別研究と読み比べられる
気になる点
- 学派色が強く好みが分かれる
- 実証データは限定的
- 入手は古書が中心になる
出版社
桜井書店
発売日
2006年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
また戦間期ですか! さっきも戦間期の本を紹介しましたよね。同じ時代なのに、いったい何が違うんですか?
佐藤メバル
時代は同じでも狙いが違うんです。さっきは経済と社会を広く描く大著、こちらは資本主義という論点に絞って戦間期を掘る。
しかも問題関心の立て方がはっきりしているので、読み比べると同じ時代が別の顔に見えますよ。
橘ナナミ
学派色がある、というのがちょっと気になります。偏った読み方になってしまわないか、少し心配です。
佐藤メバル
そこは好みが分かれるところですね。ただ、立場の違う本を並べて読むのはすごく良い訓練になります。鵜呑みにしないで読む、という練習台に向いている一冊ですよ。

フランス資本主義研究序説 (1979年)
原輝史 著|日本経済評論社
¥2,960(税込)
タイトルに「序説」とあるとおり、本格的な体系に踏み込む前段階として書かれた一冊。同じ著者の『フランス資本主義―成立と展開』が本論だとすれば、こちらは問題設定と方法を提示する入口にあたります。著者の思考の組み立て方が見えるので、本論の前に手に取ると理解の解像度が上がります。刊行から時間がたっているぶん、古書で探すことになる点は頭に置いておきましょう。
こんな人におすすめ
著者の方法論から学びたい学生、本論の前に予習したい読者、経済史研究の手続きそのものに関心がある人。
良い点
- 問題設定の立て方が学べる
- 本論への導入として機能する
- 著者の思考過程が見える
気になる点
- 単体では結論が物足りない
- 古書で入手しづらい
- 統計は当然ながら古い
出版社
日本経済評論社
発売日
1979年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『序説』ってことは、導入編ですよね。わざわざそこから読む必要ってあるんですか? 本編だけでよくないですか?
佐藤メバル
あるんですよ、これが。問題の立て方そのものが学べるからです。結論だけ読むと分かった気になりますが、どう問いを立てるかが見えると、本論の理解がぐっと深くなります。
橘ナナミ
なるほど、問題の立て方を学ぶためなんですね。でも、けっこう古い本ですし、今から手に入れることってできるんでしょうか?
佐藤メバル
そこは正直、古書頼りになります。見つけたら迷わず確保、くらいの感覚でいいかもしれません。図書館で探すのも手ですよ。
薄い本ですから、見つけた日に一気に読めてしまいます。

フランス国家独占資本主義論 (1975年)
¥3,070(税込)
「国家独占資本主義」という、戦後の社会科学で大きな位置を占めた概念をフランスに当てはめて論じた一冊です。国家と独占資本の結びつきという枠組みで経済を読む視点は、いまの教科書からは得にくいもの。概念そのものの成り立ちを知りたい人にとっては、思想史の資料としても読めます。刊行から時間がたった理論書なので、現在の議論と照らし合わせながら読むのが前提になります。
こんな人におすすめ
戦後の経済学説史に関心がある人、国家と資本の関係を理論で考えたい学生、古い議論を掘ってみたい読書家。
良い点
- 理論枠組みを正面から扱う
- 学説史の資料として貴重
- 現在の国家論との比較材料になる
気になる点
- 用語が独特でとっつきにくい
- 現代の実証とは前提がずれる
- 古書で探すことになる
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『国家独占資本主義』って、初めて聞く言葉なんですけど……。どういう意味なのか、まったく想像がつきません。
佐藤メバル
国家と大企業が結びついて経済を動かしている、という捉え方です。戦後の社会科学で大きな位置を占めた概念で、国家と資本の関係を理論で考えようとしたんですね。当時の問題意識がにじんでいます。
橘ナナミ
じゃあ、今の教科書には載っていないんですか? それとも、もう古い考え方になったということなんでしょうか?
佐藤メバル
少なくとも前面には出てきません。だからこそ、当時の議論をたどると、いまの国家論が何を置き去りにしてきたかが見えてきます。
古い本ですが、思想史の資料として面白いですよ。

フランスの経済構造 (1975年) (文庫クセジュ)
¥2,582(税込)
文庫クセジュと言えば、フランスの学術書を小型で届けてきた老舗シリーズ。その一冊として、フランスの経済構造をコンパクトに整理した本です。章立てで構造をつかむという新書ならではの設計で、統計や制度を手早く見渡せます。刊行からの時間は経っていますが、産業や制度の骨格は今読んでも参照価値があり、古い新書を読む醍醐味が味わえます。
こんな人におすすめ
文庫サイズで構造を概観したい人、古書店めぐりが好きな読者、統計以前に産業や制度の骨格を知りたい学生。
良い点
- 文庫で持ち歩ける手軽さ
- 構造を章立てで整理している
- クセジュならではの読みやすさ
気になる点
- 内容は当然ながら古い
- 現代の統計と突き合わせる作業が要る
- 入手は古書のみになる
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
文庫クセジュ、名前だけは聞いたことがあります。あの小さな新書シリーズですよね。中身も硬いんでしょうか?
佐藤メバル
硬さはありますが、章立てで経済構造を整理してくれるので、手軽に骨格をつかめます。いま読むと、統計は古いのに産業の形は意外に残っているのが分かって面白いですよ。
橘ナナミ
なるほど……でも、古い本を今さら読む意味ってあるんでしょうか。新しい本を読んだほうがよくないですか?
佐藤メバル
ありますよ。今の当たり前が、いつから当たり前になったのかが分かるからです。それに文庫なので、喫茶店で気軽に開ける。
骨格の勉強にはこの軽さがちょうどいいんです。

フランス現代経済史 (1983年)
F.キャロン 著
¥9,110(税込)
フランス現代経済史を、国外の研究者の手で描いた通史です。外から見たフランスという視点が加わるだけで、内側の総説とは論点の立て方が変わってきます。刊行から時間がたっていますが、通史としての骨格は今も参照でき、国際比較の目を養うのにも向いています。価格も含めて研究書として図書館で出会うタイプの一冊で、まずは手に取って眺めてみるのが現実的です。
こんな人におすすめ
外国語文献で通史を読みたい人、比較の視点がほしい学生、フランス現代史の枠組みを一度確認しておきたい読者。
良い点
- 外部の視点で描かれた通史
- 国際比較の目が養える
- 通史として骨格が明確
気になる点
- 刊行から時間がたっている
- 価格が高く入手しづらい
- 翻訳や用語にやや癖がある
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
著者が外国人なんですね。フランスの人が書くのと、外の人が書くのとで、そんなに変わるものなんですか?
佐藤メバル
変わりますよ。外から見たフランスは、内側では当たり前に見えるものを相対化してくれる。たとえば国家の役割の大きさを、特別なものとして取り出してくれるんです。
橘ナナミ
へえ。でも、けっこう前に出た本ですよね。今から読んでも大丈夫なんでしょうか。それに値段も高そうです。
佐藤メバル
通史としては今も読めます。ただし最新の研究と突き合わせる前提で、が正直なところ。価格も含めて研究書ですから、まず図書館で手に取ってみるのが現実的ですね。

フランス戦間期経済史研究 原輝史/著
戦間期のフランス経済史を研究した一冊で、著者は資本主義史で知られる原輝史です。同じ戦間期でも、資本主義論として切る本、経済と社会を広く描く本、そして経済史研究として掘る本と切り口はさまざま。こちらは経済史の枠組みでこの時期に向き合う立場にあたります。註や構成をたどりながら、著者が何を問いにしたかったのかを読み取る楽しみがあります。
こんな人におすすめ
戦間期の経済史研究を整理したい人、著者の関心の変遷を追いたい読者、卒論や修論で先行研究を確認する学生。
良い点
- 戦間期研究の位置づけが分かる
- 著者の問題意識に触れられる
- 先行研究の整理に役立つ
気になる点
- 流通が限られ入手しづらい
- 研究書で前提知識が必要
- 書誌情報が少なく探しにくい
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、紹介文が『原輝史/著です』ってだけなんですけど……。こんなに情報が少なくて、紹介できるんですか?
佐藤メバル
はは、たしかに素っ気ないですね。ただ、タイトルと著者だけで十分語れます。戦間期のフランス経済史を、資本主義史で知られる著者がどう掘ったか。それだけで読む理由になりますよ。
橘ナナミ
なるほど。でも、どこで買えばいいんでしょう。ふつうの書店で見かけたことがない気がするんです。
佐藤メバル
古書店か図書館ですね。こういう本は、見つけたときに手に取るのがいちばん。先行研究を確認したい学生にとっては、貴重な一冊になりますよ。

一七世紀の危機とフランス経済史
深草正博 著|現代図書
¥4,114(税込)
内容紹介が示すとおり、気候の急激な寒冷化と世界的な銀供給不足という、経済の外側の要因が深刻な影響をもたらした「17世紀の危機」に、フランスがどう対応したかを問う一冊です。ルイ14世とコルベールの重商主義が成功したのか失敗したのかを、当時の戦略的商品だった毛織物の動向から、イギリス・オランダと比較しつつ検証します。封建制から資本主義への移行論争も踏まえた視野の広さが読みどころです。
こんな人におすすめ
前工業化期の経済史に関心がある人、気候と経済の関係を歴史から考えたい読者、コルベール政策を評価してみたい学生。
良い点
- 気候・銀供給という外的要因に注目
- 英蘭との比較でフランスの特質が見える
- 移行論争まで射程に入る
気になる点
- 専門的で前提知識が要る
- 扱う時代が遠く馴染みが薄い
- 流通が限られる
出版社
現代図書
発売日
2021年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『17世紀の危機』って、気候が寒冷化したことと関係があるんですか? 経済の本なのに天気の話から入るのが意外です。
佐藤メバル
そこが面白いところでね。気候の寒冷化と世界的な銀の不足という、経済の外側の条件がどんと来た時代なんです。
それにフランスがどう立ち向かったか、コルベールの重商主義は成功したのか失敗したのか、が主題です。
橘ナナミ
コルベールって、聞いたことがあります。毛織物で外国からお金を稼ごうとした人ですよね。それって成功したんですか?
佐藤メバル
まさにそれを、当時の戦略的商品だった毛織物の動向から、イギリスやオランダと比べながら検証していきます。
遠い時代の話ですが、外的なショックに経済がどう反応するかという意味では、今の議論にも通じますよ。

フランス革命の経済構造 (1972年)
¥7,700(税込)
タイトルが示すとおり、フランス革命を経済の構造という側面から捉えた研究で、厚みのある一冊です。政治史として語られがちな革命を、経済の動きから読み直すところに意義があり、革命期の社会がどんな経済条件の上にあったのかを考える材料になります。刊行から長い時間がたった古典で、入手は古書が中心。革命史と経済史の両方に関心がある人に向きます。
こんな人におすすめ
フランス革命を経済史から考えたい人、古典的な研究に触れてみたい読者、卒論で革命期を扱おうとしている学生。
良い点
- 革命を経済から捉える視点
- 厚みのある本格的研究
- 古典として今も参照される
気になる点
- 古書でしか手に入りにくい
- 専門用語と前提知識が必要
- 刊行後の研究蓄積は別途確認
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フランス革命って、教科書だと政治の話ばかりでした。それを経済から見るって、具体的にどういうことなんですか?
佐藤メバル
革命の背後にどんな経済の条件があったのか、という見方です。政治史として語られがちな革命を、構造から読み直す。
同じ出来事でも、見える景色がかなり変わりますよ。
橘ナナミ
ずいぶん前に出た本ですよね。そんな昔の研究を、今わざわざ読む意味ってあるんでしょうか。手に入る気もしないです。
佐藤メバル
古典には古典の役割があります。その後の研究が何を乗り越えようとしたのか、その基準になるんです。古書で見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。

フランス革命経済史研究 (1967年)
タイトルが「経済構造」ではなく「経済史研究」となっているのがポイントで、革命期を経済史の枠組みで組み立てた一冊です。構造を静的に描くか、過程として追うかという違いが、同じ革命期を扱う本との分かれ目になります。刊行から時間がたった古典で、当時の実証水準を知る資料としても読めます。まずは図書館で手に取るのが現実的です。
こんな人におすすめ
革命期の経済史を研究する人、構造と過程の違いを意識してみたい読者、古い実証研究に関心がある学生。
良い点
- 革命期を過程として追う視点
- 当時の実証水準が分かる
- 同じ時期の別研究と読み比べられる
気になる点
- 古書や図書館頼りの入手
- 現代の研究とは前提が異なる
- 索引や註の形式が古い
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの『フランス革命の経済構造』と、この『経済史研究』って、タイトルが似ていて何が違うのか分かりません。
佐藤メバル
いいところに気づきました。構造を描くか、過程を追うかという違いです。静止画と動画くらいの差があって、同じ革命期でも見え方が変わります。
橘ナナミ
動画と静止画みたいな違いなんですね。それなら、流れがつかめるほうから読んでみたくなります。難しそうだけど。
佐藤メバル
一概には言えませんが、流れをつかむならこちらが入りやすいかもしれません。どちらも古い本なので、まず図書館で並べて眺めてみるのがおすすめですよ。比べるだけで勉強になりますから。

フランス経済史概説 (1942年) (日本経済史研究所研究叢書〈第14冊〉)
日本経済史研究所研究叢書の一冊として出された概説です。戦前の日本でフランス経済史がどう研究されていたかという、二重の意味で歴史的な資料になります。内容としての概説であると同時に、学問の受け止め方の記録でもある。現代の教科書とは前提が違うので、その差を楽しむ読み方が向いています。古書や図書館で出会うタイプの一冊です。
こんな人におすすめ
学説史や研究史に関心がある人、戦前の学術書に触れてみたい読者、古書収集そのものを楽しむ人。
良い点
- 研究史の資料として貴重
- 戦前の学術文体に触れられる
- 概説としての骨格は保たれている
気になる点
- 内容は現代の水準とは隔たりがある
- 入手は古書や図書館に限られる
- 表記や用語が現在と異なる
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
戦前に出た本なんですよね……。そんなに古い本を、今のわたしたちが読む意味ってあるんでしょうか?
佐藤メバル
ありますよ。戦前の日本でフランス経済史がどう研究されていたか、その記録なんです。内容の概説としても読めますが、学問の受け止め方の資料としても貴重ですね。
橘ナナミ
なるほど、二重に見られるんですね。でも、昔の文体って読みにくそうで、途中で投げ出してしまいそうな気がします。
佐藤メバル
そこも含めて資料です。現代の用語と違うので読みにくいところもありますが、その差を楽しめばいい。古書店で出会ったら、ぜひ手に取ってみてください。

フランス経済思想史 (1959年)
フランス経済思想の流れを通史としてまとめた一冊で、刊行から時間がたった古典です。経済学説ではなく思想として読むところが、講義形式で人物をたどる本や学説史の本との違い。重商主義から近代経済学に至るまで、フランスの思想家たちが何を問題にしたのかを、時代の流れの中で見渡せます。古い本ですが、思想史の地図として今も使える骨格を持っています。
こんな人におすすめ
経済思想史を時代順に押さえたい人、学説史の前段階として思想史を知りたい学生、古典的な通史をじっくり読みたい読者。
良い点
- 思想の流れを通史でつかめる
- 古典として参照価値がある
- フランス思想の厚みが分かる
気になる点
- 現代の研究動向は反映されない
- 古書や図書館頼りの入手
- 人名と用語が多く整理が必要
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
思想史と学説史って、何が違うんでしょうか? 正直、似たようなものだと思っていました。経済理論の歴史ですよね?
佐藤メバル
ざっくり言えば、理論の当否よりも、人が何を考えたかに重心を置くのが思想史です。数式やモデルより、その時代に何が問題だとされたかを見ていく。地図としては今も使えますよ。
橘ナナミ
なるほど。でも、人名がたくさん出てきそうで、途中で分からなくなって投げ出してしまいそうで不安です。
佐藤メバル
最初から全部覚えようとしなくていいんです。気になった人だけ拾って、その人の本へ進む。そういう読み方のほうが長続きしますよ。索引を味方につけるのがコツです。

フランス経済学史研究
岡田純一(経済学) 著|御茶の水書房
¥2,860(税込)
御茶の水書房から出た、フランス経済学の歴史を研究として組み直した一冊です。学史を教養として読むのと、研究として読むのとでは問いの立て方が違う、ということを思い知らされます。講義形式の入門書で流れをつかんだ後に読むと、そこで省略されていた論点がよく見えるようになる。研究者の仕事ぶりに触れたい人に向く一冊です。
こんな人におすすめ
経済学史を研究テーマにする大学院生、入門書の次に進みたい読者、学説の細部を確かめたい人。著者の議論を追いたい読者にも。
良い点
- 学史を研究として扱う姿勢
- 入門書の次の段階に適する
- 学術書として信頼できる作り
気になる点
- 専門性が高く入門には不向き
- 読者を選ぶ内容
- 前提となる人物知識が必要
出版社
御茶の水書房
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『フランス経済学史教養講義』のほうを先に読んだあとに、これに進む感じですか? 順番を間違えると挫折しそうで怖いです。
佐藤メバル
まさにその順番がいいですね。あちらは講義として流れを見せてくれる本、こちらは学史を研究として組み直す本。
同じ人物を扱っていても、密度がまったく違います。
橘ナナミ
なるほど、教養と研究では、まったく別物なんですね。同じ人物を扱っていても、中身の詰まり方が違うんだ。
佐藤メバル
別物です。そして両方読むと、入門書が何を省略していたかが見えてくる。そこまで行くと、自分なりの問いを立てられるようになりますよ。まずは一章ずつ、気長にどうぞ。
フランス経済学の系譜を一本の線でつなぐ
橘ナナミ
系譜って、具体的にはどこから始まるんですか?
佐藤メバル
まず17世紀だね。『一七世紀の危機とフランス経済史』は、気候の急激な寒冷化と世界的な銀供給不足というグローバルな危機に、ルイ14世の統治下でコルベールの重商主義政策がどう立ち向かったのか、それが成功したのか失敗したのかを、当時の戦略的商品だった毛織物生産の動向から、イギリス・オランダと比較しつつ考えている。封建制から資本主義への移行をめぐる論争もふまえた一冊で、ここがフランス経済史の最初の山だね。
橘ナナミ
コルベール、聞いたことはあります。そのあとがケネーですか?
佐藤メバル
そう。『フランス経済学史教養講義』は、重商主義、重農主義、ポスト重農主義と産業主義、空想的社会主義、クールノーの均衡とゲーム理論の先駆け、ワルラスの一般均衡論、エンジニア・エコノミスト、資本主義と社会主義の闘い、そしてピケティの格差論までを講義形式で並べている。ケネーと重農主義が「富はどこから生まれるか」を問い、ワルラスがそれを数式にした、という流れが見えてくる。研究書なら『フランス経済学史研究』も系譜を追う手がかりになるよ。
「何を知りたいか」で4つのテーマに分ける
橘ナナミ
棚を4つに分けるとすると、どんな分け方になりますか?
佐藤メバル
経済史、経済思想、現代経済、社会・労働の4つだね。経済史なら革命期を扱う『フランス革命の経済構造』や『フランス革命経済史研究』、両大戦間期の『現代フランスの史的形成』、『フランス資本主義―成立と展開』や『20世紀フランス資本主義史論』、そして『フランス戦間期経済史研究』『フランス資本主義: 戦間期の研究』。古いところでは『フランス経済史概説』『フランス現代経済史』、文庫クセジュの『フランスの経済構造』、国家独占資本主義論を論じたものもある。
橘ナナミ
かなり層が厚いですね。思想の棚は?
佐藤メバル
さっき挙げた経済学史の本に加えて、『フランス経済思想史』のような古典がある。現代経済なら『ユーロ時代のフランス経済』が、経済通貨統合下の経済政策の枠組みと運営を扱っている。統計や業界動向を確認したいときは『フランス: 経済・貿易・産業報告書』のようなレポート類が便利で、論文やレポートの出典にも使いやすい。社会・労働なら『フランスの社会的経済』と『フランスはなぜショックに強いのか』だね。
挫折しない読む順序と、フランス経済を学ぶ意義
橘ナナミ
経済史と現代経済を橋渡しするには、どう読むのがいいんでしょう。
佐藤メバル
まず薄い概説で地図を描き、次に経済史で「なぜ今の制度があるのか」を押さえ、最後に現代経済で現在地を確認する。たとえば『フランス経済をみる眼』から『現代フランス経済論』、そして『ユーロ時代のフランス経済』へ進めば時代がつながる。合間に『フランスの社会的経済』を挟むと、社会的経済と社会的企業が新自由主義の失敗が明らかになった今あらためて注目され、発祥の地フランスで歴史・法制度・現在の挑戦がどう積み上げられてきたかが見えてくる。
橘ナナミ
エリート養成や雇用の仕組みの話も、そのあたりで出てくるんでしょうか。
佐藤メバル
そう、現代経済のパートで必ず触れるテーマだね。混合経済体制や国家の役割をめぐる議論とセットで理解すると、ニュースの見え方が変わる。学ぶ意義はそこにある。英米とも違う、国家と市場と連帯が重なり合うモデルを知ることは、日本の政策を考えるときの比較軸になるんだ。
よくある質問
フランス経済を初心者が学ぶなら最初に読むべき本は?
橘ナナミ
フランス経済を初心者が学ぶなら最初に読むべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
まずは全体像をつかめる概説から始めるのがおすすめです。『フランス経済をみる眼』のような新書サイズの一冊か、講義形式で経済学史をたどる『フランス経済学史教養講義』が読みやすい入口になります。人名と出来事がつながると、その後の専門書がぐっと楽になります。
フランス経済史の定番・古典のおすすめは?
橘ナナミ
フランス経済史の定番・古典のおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
『フランス経済史概説』『フランス革命経済史研究』『フランス革命の経済構造』など、長く読み継がれてきた経済史の研究書があります。古いものは品切れ・重版未定も多く、図書館や古書店を併用しながら探すのが現実的です。
ケネーやワルラスなど経済学者を知るにはどの本がいい?
橘ナナミ
ケネーやワルラスなど経済学者を知るにはどの本がいいについて教えてください。
佐藤メバル
『フランス経済学史教養講義』が分かりやすいです。重商主義から重農主義、ワルラスの一般均衡論、ピケティの格差論までを講義形式でたどります。より専門的に追うなら『フランス経済学史研究』も手がかりになります。
現代フランス経済がわかる新書はある?
橘ナナミ
現代フランス経済がわかる新書はあるについて教えてください。
佐藤メバル
『フランス経済をみる眼』のように新書サイズでフランス経済を論じた本があります。マクロとミクロの両面から長期トレンドを見たいなら、電子版も出ている『フランスはなぜショックに強いのか』も候補になります。
社会的連帯経済について学べる本は?
橘ナナミ
社会的連帯経済について学べる本はについて教えてください。
佐藤メバル
『フランスの社会的経済』が詳しいです。社会的経済と社会的企業について、発祥の地フランスにおける歴史、法制度、現在の挑戦を述べています。新自由主義の失敗が明らかになった今、世界的に注目されているテーマです。
翻訳書と日本人著者の本はどちらを選ぶべき?
橘ナナミ
翻訳書と日本人著者の本はどちらを選ぶべきについて教えてください。
佐藤メバル
どちらも必要です。海外研究者の翻訳書は現地の議論を直接伝え、日本人研究者の本は日本の読者向けに文脈を補ってくれます。『フランス経済学史教養講義』には日本におけるフランス経済学研究の系譜を扱う補講もあり、行き来すると理解が深まります。
フランス経済の本はどこから読めば挫折しない?
橘ナナミ
フランス経済の本はどこから読めば挫折しないについて教えてください。
佐藤メバル
経済史の流れを一冊でつかんでから、現代経済、社会・労働へ進む順序がおすすめです。いきなり分厚い専門書に入らず、新書や薄めの概説で「地図」を作ってから深く潜ると迷いにくくなります。
Kindleで読めるフランス経済の本はある?
橘ナナミ
Kindleで読めるフランス経済の本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
『フランスはなぜショックに強いのか』は電子化されています。一方、古い研究書は紙のみのものが多く、在庫確認が必要です。電子と紙を組み合わせて探すのが現実的です。
まとめ
橘ナナミ
話を聞いていて、フランス経済の本って「古い本の山」ではなく、ちゃんと道筋があるんだと分かりました。
佐藤メバル
そう。コルベールが重商主義で国家を動かし、ケネーが経済を循環として描き、ワルラスが均衡を数式にして、現代の社会的連帯経済につながる。一本の線なんだよ。
橘ナナミ
わたしは『フランス経済学史教養講義』か『フランス経済をみる眼』から始めて、慣れたら『フランスの社会的経済』に進んでみます。
佐藤メバル
いい順序だね。分厚い専門書は逃げないから、焦らずいこう。書店員時代、フランス経済史の棚はいつもひっそりしていたけれど、手に取ったお客様が「面白い本を教えてくれてありがとう」と戻ってきてくれる棚だった。あの手応えを、この記事でも再現したいと思っている。
橘ナナミ
そんな棚、見てみたかったです。
佐藤メバル
フランス経済の本を読むのは、運河を船で遡る旅に似ているよ。ケネーという水源から、コルベールの閘門を越え、最後はユーロという河口で現代の景色を眺める。水位を少しずつ上げながら進めば、分厚い専門書もただの壁にはならない。まず一冊、船を浮かべてみよう。
