サッカー自伝本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】

監修

佐藤メバル

佐藤メバル

@shelfy_mebaru

編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ

橘ナナミ

@medias_nanami

編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。

最終更新: 2026年10月

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、サッカーの自伝の棚ってすごいことになっていますよね。クライフにイブラヒモビッチ、モドリッチ、森保一の『ぽいち』まで……どれから手を伸ばせばいいのか、正直迷います。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。自伝は「スターの一代記」でひとくくりにされがちだけど、実際は中身のタイプがはっきり分かれているんだ。だから誰の本かより先に、何のために読むかを決めると、驚くほど外さなくなるよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

何のために、ですか。観戦を楽しむためとか、自分が上手くなりたいとか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。書店員時代、自伝の棚はファン向けだと思われていたけど、実際は指導者も経営者も立ち寄る棚だった。たとえば森保一の『ぽいち』は、選手として、そして指揮官としてどう人と向き合ってきたかの記録で、教える立場の人にも刺さる。今日は選び方を軸ごとに整理していこう。

橘ナナミ

橘ナナミ

お願いします!

サッカー自伝本の選び方

目的別に選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

目的別って、具体的にどう分けるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

大きく四つ。観戦を深めたいなら、戦術眼が本人の言葉で語られるクライフの『ヨハン・クライフ自伝 サッカーの未来を継ぐ者たちへ』。プレーを磨きたいならモドリッチの『マイゲーム』やエジルの自伝。指導や育成に活かすならファーガソン、ヴェンゲル、ミシャの本。ビジネスに転用するならトッティの『キャプテン魂』——帯には「40~50代の上級・中間管理職、若手ビジネスマンにもオススメ」と書かれている、リーダーシップの教科書だ。

読みやすさで選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

分厚い本だと途中で挫折しそうで……。

佐藤メバル

佐藤メバル

厚みで判断していいよ。写真約150点を収めたC・ロナウドの『MOMENTS』(173ページ)、巻頭カラー付きのネイマール『父の教え、僕の生きかた』、森保一の『ぽいち』は入門向け。イブラヒモビッチ、ヴァーディ、モドリッチは中級。マラドーナ自伝(474ページ)、ジェラードの自伝、木村和司の自伝(488ページ)は覚悟を決めて読む上級だね。

形式で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

電子書籍や音声だと選び方も変わりますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

変わるよ。海外選手の自伝はほぼ翻訳本だから、訳文の読み味が体験を左右する。試し読みで相性を確かめてから買うのがおすすめだ。スアレスの『理由』は英国在住20年を超える山中忍が訳している。刊行から年数の経った本は紙が高価なこともあるから、電子や図書館を併用する視野も持っておこう。

扱う選手で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

日本人選手と海外選手、どちらから読むべきですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

日本のサッカーの来し方を知りたいなら、木村和司や森保一の本から。世界の頂点の思考なら海外勢だね。レジェンドならクライフ、ベッケンバウアー、バッジョ、トッティ、ストイチコフ。現役世代ならスアレス、ヘンダーソン、ヴァーディと、年代で棚が分かれている。

内容タイプで選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ選手の本でも毛色が違いますよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。スアレスの『理由』は騒動の当事者本人が噛み付きの理由まで語る自伝。ヴェンゲルの本は名古屋グランパスからアーセナルまでの軌跡で、マネジメント論としても読める。エジルはモウリーニョの叱責を起点に自分の人生を振り返る構成だ。読後感がまったく違うから、今の関心に近い方から選ぶといい。

入手性で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

読みたくても買えないことがありますよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。たとえばペレ自伝の1977年刊は、紙で探すと高価なことがある。中古・図書館・電子を組み合わせるのが現実的だよ。

サッカー自伝本をひと目で比較

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず

#画像名称おすすめ対象価格一言
1
ヨハン・クライフ自伝 サッカーの未来を継ぐ者たちへ
ヨハン・クライフ自伝 サッカーの未来を継ぐ者たちへサッカー観戦がもっと深くなる本を探している人、指導者やコーチ、人を育てる立場のビジネスパーソン。プレーの裏側にある考え方を知りたい戦術の入門書としても機能します。家族や友人への贈り物にも向く一冊です。¥2,090サッカーを体系化した一冊
2
I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝
I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝自伝は重いのが苦手という人、短い言葉でテンポよく読みたい読者、スポーツの裏側の人間関係に興味がある人、そして「人と違っていい」という言葉に救いを求める人に向きます。¥1,980毒と愛の独白自伝
3
マラドーナ自伝
マラドーナ自伝スキャンダルも含めて一人の人間として知りたいファン、伝説の選手の「その後」まで読みたい人、重いノンフィクションをじっくり時間をかけて読みたい週末を持つ読者。¥1,854天国と地獄の告白
4
サッカーわが人生―ペレ自伝 (1977年)
サッカーわが人生―ペレ自伝 (1977年)サッカー史を古い順に辿ってみたい人、現代の自伝と読み比べたい読者、古い本の文体そのものを味わうのが好きな人に向きます。¥5,230半世紀前の王の肉声
5
ロベルト・バッジョ自伝 天の扉
ロベルト・バッジョ自伝 天の扉華やかなゴシップより内面の記述を読みたい人、静かな夜に一冊を味わいたい読者、イタリアサッカーの空気を文章で感じたい人に向きます。-静かな天才の内面

サッカー自伝本のおすすめ人気ランキング

橘ナナミ

橘ナナミ

一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!

佐藤メバル

佐藤メバル

よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

ヨハン・クライフ自伝 サッカーの未来を継ぐ者たちへ
1

ヨハン・クライフ自伝 サッカーの未来を継ぐ者たちへ

ヨハン・クライフ 著|二見書房

¥2,090(税込)

4.8

「サッカーとは何か」を一人の男が最後に語り尽くした自伝です。生前クライフが初めて自らの生涯を振り返り、選手として、監督として歩んだ道を綴っています。ハイライトは巻末に示される14のルールで、テクニック、戦術、独創力、リスペクト……と、プレーの技術だけでなく人間としての姿勢まで14項目に整理されている。グアルディオラやイニエスタ、メッシへ受け継がれたという記述からも、この本が回想録ではなく「設計図」として読めることが分かります。他の選手自伝が半生の物語なら、これは理論の書。読後は試合の見え方が変わります。

こんな人におすすめ

サッカー観戦がもっと深くなる本を探している人、指導者やコーチ、人を育てる立場のビジネスパーソン。プレーの裏側にある考え方を知りたい戦術の入門書としても機能します。家族や友人への贈り物にも向く一冊です。

良い点

  • 14のルールに思考が凝縮
  • 選手と監督の両視点が読める
  • 現代サッカーの源流が分かる

気になる点

  • 理論寄りで物語性は薄め
  • 前提知識がないと重い
  • 本人の肉声が中心の構成

出版社

二見書房

発売日

2017年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

クライフって名前は聞いたことあるんですけど、正直どんな人だったのかピンときていなくて。この本には何が書かれているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。まず押さえたいのは、これがクライフ本人が初めて自分の生涯を振り返って書いた自伝だということ。

選手としてアヤックスをヨーロッパの頂点に導き、監督としてバルセロナで数々のタイトルを取った人が、最後に「サッカーとは何か」をまとめた。

読みどころは巻末の14のルールで、テクニックから社交性まで、プレーの原則が整理されている。回想録であると同時に、教科書なんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

14個もあるんですね。それって選手向けの話ですよね?

佐藤メバル

佐藤メバル

ところがそうでもない。「リスペクト=他者を思いやる」とか「楽しさはみんなで分かち合おう」といった項目は、チームで働く人にそのまま刺さります。

グアルディオラやイニエスタ、メッシに受け継がれたという記述も、単なる過去の話ではなくて、今のサッカーの土台だという意味なんですよ。

読む前と後で、試合中の選手の動きの見え方が変わるはずです。

I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝
2

I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝

ズラタン・イブラヒモビッチ 著|東邦出版

¥1,980(税込)

4.7

本国スウェーデンで50万部を超え、あの「ハリー・ポッター」さえも凌ぐ空前のヒットと紹介される自伝です。語り口がとにかく乱暴で痛快で、貧しかった少年時代からスター選手の座に登りつめるまでを本人の言葉で一気に駆け抜けます。グアルディオラ監督との確執、移籍の舞台裏、チーム内の人間関係——業界人が青ざめるような話まで包み隠さず書かれている。クライフの自伝が理論なら、こちらは感情の爆発。ユーモラスなのに毒があり、根っこには深い愛がある稀有な一冊です。

こんな人におすすめ

自伝は重いのが苦手という人、短い言葉でテンポよく読みたい読者、スポーツの裏側の人間関係に興味がある人、そして「人と違っていい」という言葉に救いを求める人に向きます。

良い点

  • 語り口が痛快で一気読み
  • 業界の裏側が生々しい
  • 名言がそのまま刺さる

気になる点

  • 下品な表現が多め
  • 時系列が行き来する
  • 好みがはっきり分かれる

出版社

東邦出版

発売日

2012年12月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

さっきのクライフと真逆の匂いがするんですけど……この本、ハリーポッターを超えたって本当なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、本国スウェーデンで50万部を超えて、あのハリー・ポッターを凌ぐほどの売れ方をした自伝なんだよ。

人口1000万人の国でその数字だから、もはや社会現象だね。中身はもう、本人の言葉がそのまま並んでいる。

「俺は誰にも似ていない」とか「尊敬は得るものではない、つかみ取るものだ」とか、めくるたびに殴り書きのような名言が出てくる。

橘ナナミ

橘ナナミ

怒ってるんでしょうか、この人(笑)。

佐藤メバル

佐藤メバル

怒りを燃料にしていた人だからね。「俺はキレたプレーをするために怒り狂ってないといけない」と本人が書いている。

ただ、読み終えるとそれだけじゃないと分かる。貧しかった少年時代の話や家族への思いが挟まっていて、毒の奥に愛がある。

グアルディオラ監督との確執や移籍の舞台裏の描写も生々しくて、これは業界人が青ざめるわけだ、と納得しながら読みましたよ。

マラドーナ自伝
3

マラドーナ自伝

ディエゴ・アルマンド・マラドーナ 著|幻冬舎

¥1,854(税込)

4.6

生い立ち、栄光、疑惑、挫折——稀代のスーパースターが初めてすべてを語った自伝です。474ページという厚さは、そのまま人生の起伏の量。サッカーを愛し抜いた男の半生が、美化されない言葉で綴られていきます。巻末には金子達人による書き下ろし『サッカーが好きで好きでたまらない子供』も収録され、外側から見た視線と内側から語る本人の声を一冊で往復できる構成に。スキャンダル込みで一人の人間を丸ごと眺めたい人にとっての決定版です。

こんな人におすすめ

スキャンダルも含めて一人の人間として知りたいファン、伝説の選手の「その後」まで読みたい人、重いノンフィクションをじっくり時間をかけて読みたい週末を持つ読者。

良い点

  • 厚さに見合う濃密さ
  • 公私の両面が語られる
  • 書き下ろし論考も収録

気になる点

  • 474ページは相当な体力
  • 記述の真偽は読者判断
  • 暗い話題も多め

出版社

幻冬舎

発売日

2002年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、474ページ……? 自伝でこの厚さって、珍しくないですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

それだけ語ることがあった人なんだろうね。生い立ちから栄光、疑惑、挫折まで、本人が初めてすべてを語ったと紹介されている。

読んでいて思うのは、これが「英雄の伝記」ではなく「人間の記録」だということ。美化していないんですよ。だからページ数が嘘をついていない。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……。でも読み切れるか不安です。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは巻末が助けてくれる。金子達人による書き下ろし『サッカーが好きで好きでたまらない子供』が収録されていて、内側の声と外側の視線を行き来できるんです。

まず書き下ろしから読んで、気になった場面を本文に戻る。そういう行き来のできる構成になっているから、分厚い本が苦手な人にも案外おすすめできますよ。

サッカーわが人生―ペレ自伝 (1977年)
4

サッカーわが人生―ペレ自伝 (1977年)

¥5,230(税込)

4.4

1977年に刊行された、ペレ本人の自伝です。238ページという分量で、当時の言葉づかいのまま読める貴重な一冊。今の選手の自伝は膨大な映像記録やインタビューを前提に書かれますが、こちらは映像が残っていない時代の空気を本人の語りで辿れるのが最大の違いです。サッカーがまだ世界の共通言語になりきっていなかった時代に、その中心にいた人が何を語ったのか。現代の自伝と並べて読むと、半世紀で何が変わり、何が変わらなかったかが見えてきます。

こんな人におすすめ

サッカー史を古い順に辿ってみたい人、現代の自伝と読み比べたい読者、古い本の文体そのものを味わうのが好きな人に向きます。

良い点

  • 本人の一人称で読める
  • 時代の空気がそのまま
  • コンパクトな238ページ

気になる点

  • 刊行年が古い
  • 現代の情報量はない
  • 文体に慣れが必要

出版社

詳細情報なし

発売日

詳細情報なし

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

ペレの自伝が1977年刊行って、半世紀近く前ですよね。今読む意味あるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

あるよ。ただ、今の自伝と同じ期待で開くと面食らうかもしれない。移籍の裏話も、SNS的な速報性もない。

代わりにあるのは、サッカーがまだ世界の共通言語になりきっていなかった時代に、その中心にいた人の語りです。

238ページとコンパクトで、当時の文体のまま読めます。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。じゃあ、現代の選手の自伝とセットで読む感じですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

それが面白い読み方だね。今の自伝は映像もデータも前提に書かれているけれど、この本にはそれがない。何が記録され、何が語られなかったのか。

並べると、半世紀で何が変わって、何が変わらなかったかが見えてくる。書店員時代、古い本と新しい本を並べて棚を作るのが好きだったんだけど、まさにそういう組み合わせです。

ロベルト・バッジョ自伝 天の扉
5

ロベルト・バッジョ自伝 天の扉

ロベルト・バッジョ 著|ゴマブックス

4.3

ロベルト・バッジョ本人による自伝で、タイトルの『天の扉』がそのまま本の性格を表しています。444ページという長さを、華やかな武勇伝ではなく内面の言葉で埋めていくタイプの一冊。派手な裏話を期待すると肩透かしを食いますが、プレーと思想が一致している人の文章は読み応えが違います。同じイタリアのトッティ自伝が「リーダー論」なら、こちらは「自分と向き合う時間」の話。静かに読む夜に向く本です。

こんな人におすすめ

華やかなゴシップより内面の記述を読みたい人、静かな夜に一冊を味わいたい読者、イタリアサッカーの空気を文章で感じたい人に向きます。

良い点

  • 内面の記述が濃い
  • タイトル通りの世界観
  • 長編を読み切る充実感

気になる点

  • 裏話は少なめ
  • テンポはゆっくり
  • 予備知識があると尚良い

出版社

ゴマブックス

発売日

2006年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『天の扉』ってタイトルが、なんだかサッカーの本っぽくないですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう感じるのは正しいと思う。この本は派手なエピソードを並べるタイプじゃないんです。444ページを、自分が何を考え、どう傷つき、どう向き合ってきたかという内面の言葉で埋めていく。

タイトルが示す通りの、静かな一冊です。

橘ナナミ

橘ナナミ

サッカーの本なのに、静かなんですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

プレーと思想が一致している人の文章って、そうなるんだよね。同じイタリアでも、トッティの自伝はキャプテンシー、つまり他者との関わり方の話。

バッジョのこれは、自分自身との対話の話なんです。並べて読むと、この世代の選手が何を背負っていたのかが見えてきますよ。派手さはないけれど、残る本です。

フランチェスコ・トッティ自伝「キャプテン魂」
6

フランチェスコ・トッティ自伝「キャプテン魂」

フランチェスコ・トッティ 著|東邦出版

4.1

元ASローマ主将、セリエAの至宝と呼ばれたトッティの自伝です。特徴は、単なる選手の回想ではなく「キャプテンとは何か」という問いが全編を貫いていること。リーダーシップやキャプテンシーを求められる立場の人が読むことを想定して構成されているので、スポーツの枠を越えて通用する言葉が並びます。現役選手や指導者はもちろん、40〜50代の上級・中間管理職、若手ビジネスマンにも、と出版社が明記しているのが面白いところ。424ページ、覚悟を持って読む価値のある一冊です。

こんな人におすすめ

チームを預かる立場になった人、後輩や部下との向き合い方に悩む中間管理職、スポーツと組織論の両方を楽しみたい読者に向きます。

良い点

  • リーダー論として読める
  • 現場の具体例が豊富
  • ビジネス書代わりにもなる

気になる点

  • クラブ愛が前提の記述
  • 424ページと長い
  • 戦術面の記述は薄め

出版社

東邦出版

発売日

2020年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

サッカーの自伝なのに、40〜50代の管理職にもおすすめって書いてある。どういうことですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の面白さでね。主将というのは、点を取るだけでは務まらないポジションなんです。誰が落ち込んでいるか、誰に声をかけるべきか、自分のプレーとチームの状態をどう両立させるか。

その思考の過程が全部書かれている。だから選手や指導者だけでなく、人をまとめる立場の人にも刺さるわけです。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……。キャプテンって、技術の話じゃないんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、人間関係の技術なんだよ。出版社がそういう読者を最初から想定して作っているのも納得で、40〜50代の上級・中間管理職、若手ビジネスマンにも、と帯に明記されている。

424ページと長いけれど、章ごとに一つ学びを持ち帰れる構成だから、通勤時間に少しずつ読むのもいいと思いますよ。

MOMENTS――クリスティアーノ・ロナウド自伝
7

MOMENTS――クリスティアーノ・ロナウド自伝

クリスティアーノ・ロナウド 著|講談社

¥4,402(税込)

4.1

この本の最大の特徴は、文章だけの伝記ではないこと。ロナウド本人が「僕の人生の1つ1つの瞬間で構成されている」と語る通り、17歳でのデビュー戦をはじめとするメモリアルゲームの雄姿、自宅やバカンス中のプライベートショット、CM撮影のメイキングなど、長期独占密着による約150点の写真が収められています。173ページと厚みは控えめで、眺めて、読んで、飾れるつくり。文字中心の分厚い自伝が苦手な人こそ、最初に手に取ってほしい一冊です。

こんな人におすすめ

まずは写真で雰囲気をつかみたい人、本棚に置いて眺めていたいファン、選手の日常や素の表情に興味がある読者に向きます。

良い点

  • 約150点の貴重な写真
  • 173ページで入りやすい
  • 本人の言葉も収録

気になる点

  • 文章量は少なめ
  • 情報の網羅性は低い
  • 大型本で置き場に困る

出版社

講談社

発売日

2008年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

この本、173ページしかないのに写真が150点って、ほぼ写真集じゃないですか!

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そのバランスが狙いなんだと思う。本人が序文で「この本は、僕の人生の1つ1つの瞬間で構成されている」「最後の1行を読み終えたとき、美しいドリブルを目にしたときのような興奮を味わってもらえれば最高だ」と語っている。

読む本というより、体験する本なんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

へえ、じゃあ文章をじっくり読み込む感じではないんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。17歳のデビュー戦、自宅やバカンス中のオフショット、CM撮影のメイキング。長期の独占密着で撮られたものだから、ピッチでは見せない顔が残っている。

マンチェスター・ユナイテッドを牽引したシーズン、プレミアリーグ連覇、9年ぶりのチャンピオンズリーグ制覇、ポルトガル代表の主将。

その時期の空気を写真で辿れるのが強いんだよね。

LIFE アンドレス・イニエスタ自伝
8

LIFE アンドレス・イニエスタ自伝

アンドレス・イニエスタ 著|東邦出版

¥2,090(税込)

3.9

冒頭の一節がこの本のすべてを説明しています。「名前を検索して出てくる内容を読むと、君は僕のことをすべて知っていると思い始めるかもしれない。でも、もちろんそれは間違っている」。データでは掬えない自分を書くために生まれた自伝です。内容紹介にある通り「すべての人は親になり、木を植え、本を書くべきだ」ということわざを引きながら、娘と息子、そして故郷フエンテアルビージャの公園に生えている木の話へつながっていく。数字やタイトルではなく、人生の手触りを書いた一冊です。

こんな人におすすめ

華やかな実績より人柄を知りたい人、子育てや家族との時間を大切にしている読者、静かな文章を選んで読みたい人に向きます。

良い点

  • 文章の質が高い
  • 家族の話が中心
  • 短い章で読みやすい

気になる点

  • 戦術の話は少ない
  • 派手な裏話はなし
  • 静かすぎると感じる人も

出版社

東邦出版

発売日

2017年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

冒頭から「グーグル検索しても僕のことは分からない」って書いてあるのが、すごく気になりました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の入り口なんだよね。プロフィールも、タイトルも、ハイライト映像も、検索すれば出てくる。でも本人が書きたかったのはそこじゃない。

数字の向こうにある生活なんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

生活、ですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。「すべての人は親になり、木を植え、本を書くべきだ」という古いことわざを信じていると書いていて、実際に娘と息子がいる。

そして自分のサッカーのキャリアは、子どもの頃に遊んだ故郷の公園に生えている木と一生切り離せない、と。

サッカーの本なのに、木の話から入るんですよ。読むと、選手を「人間」として見られるようになります。

ルカ・モドリッチ自伝 マイゲーム
9

ルカ・モドリッチ自伝 マイゲーム

ルカ・モドリッチ 著|東洋館出版社

3.9

バロンドール、ワールドカップMVP、チャンピオンズリーグ三連覇——そうした栄冠の持ち主が初めてすべてを打ち明けた自叙伝です。構成が丁寧で、ロシアでの戦いから始まり、生い立ち、ザダルでの恩師、ディナモ時代、代表デビュー、トッテナム、マドリー入団、そして前人未到の三連覇とワールドカップ・ロシア大会へと進みます。身長や体格に関係なく成功できるというメッセージが全編を貫き、ファーガソンとボバンの序文、ベイル、マルセロ、ベンゼマ、ヴァランら仲間の言葉も収録。体の小さな選手の背中を押す一冊です。

こんな人におすすめ

体格や条件に悩んでいる学生アスリート、努力で這い上がりたいと考えている社会人、組織の中で謙虚さを保ちたい人に向きます。

良い点

  • 構成が読みやすい
  • 仲間の推薦文が豪華
  • 家族の記述も温かい

気になる点

  • 劇的な事件は少なめ
  • 戦術の話は簡潔
  • 落ち着いた語り口

出版社

東洋館出版社

発売日

2020年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

クロアチアの選手なんですね。小さい国から世界最高になるって、どんな話なんだろう。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが読みどころ。ファーガソンの序文に「身長や体格、体力に関係なく、すべての若い選手にとってモドリッチは素晴らしい模範だ」と書かれている。

条件じゃなく、積み重ねの話なんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。でも、そういう自伝って自慢話になりがちじゃないですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

それが逆なんだ。仲間たちの推薦文がそれを証明していて、ヴァランは「世界最高のフットボーラーになったあと、どうして謙虚な人物であり続けられたのか」と書いている。

目次も、ロシアでの戦いから始まって、生い立ち、恩師、移籍へと丁寧に積み上げる構成。マドリーで10番を背負う人の内側が、静かな言葉で語られる本です。

ルイス・スアレス自伝 理由
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ルイス・スアレス自伝 理由

ルイス・スアレス 著|ソル・メディア

¥1,980(税込)

3.9

三度の噛み付き、ハンド、ダイブ、人種差別発言——数々の騒動について、本人が驚きの見解を明かす自伝です。「噛み付きは無害に近い行為なんだ」という一文からして、読む側の価値観が試される。アヤックス、リバプール、ウルグアイ代表を経てバルセロナへ移るまでの半生が章立てで丁寧に追われ、英国在住20年を超える山中忍の翻訳で読めます。一線を越えるのには理由があるという視点で読むと、単なる問題選手の告白ではなく、育った環境と価値観の物語に見えてきます。

こんな人におすすめ

賛否ある人物の言い分を直接読みたい人、複雑な人間を単純に裁かない視点を持ちたい読者、海外サッカーの熱量を体感したい人。

良い点

  • 本人の言い分が生々しい
  • 章立てが明快
  • 巻末年表付き

気になる点

  • 見解に賛否が分かれる
  • 攻撃的な記述あり
  • 463ページと長い

出版社

ソル・メディア

発売日

2015年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「噛み付きは無害に近い行為」って……これ、本人が書いてるんですよね?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこから始まる本なんだ。読む人は身構えるんだけど、読み進めると、彼が育った環境や価値観の話になっていく。

理解できるかどうかと、正しいかどうかは別で、その間にあるものを考えさせられるんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……。単に悪者扱いする本じゃないんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。章立ても明快で、ウルグアイでの子ども時代、アヤックスで会得した思考力、南アフリカW杯の「セーブ」、リバプールでの日々、そしてバルセロナ移籍までが順に語られる。

翻訳は英国在住20年を超える山中忍で、選手の言葉の温度を落とさない。巻末には年表も付いていてね。読後、人を裁くのが少し難しくなる本ですよ。

ネイマール: 父の教え、僕の生きかた (一般書)
11

ネイマール: 父の教え、僕の生きかた (一般書)

ネイマール 著|徳間書店

¥1,980(税込)

3.7

これが単なるサクセスストーリーではない理由は、語り手が二人いること。ネイマール本人と父親が、互いへの想い、教え、心の在りかたを交互に語る構成です。家族を襲った大事故、経済的に恵まれなかった家庭、大注目されたプロデビュー、サントスでの活躍、欧州ビッグクラブからのオファー、メッシらとの交友——同じ出来事を親の目線と子の目線で二度味わえます。巻頭カラー32ページの秘蔵ショットも含め、夢を持つ子どもと、その背中を見守る親の両方に届く一冊です。

こんな人におすすめ

子どもの夢を応援したい親、家族で同じ本を読みたい家庭、スポーツを続ける意味を考えている中高生に向きます。

良い点

  • 親子二つの視点が貴重
  • カラー32ページ付き
  • 家族の物語として読める

気になる点

  • 戦術的な深掘りは少ない
  • 本人の語りは短め
  • やや美談寄り

出版社

徳間書店

発売日

2014年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

ネイマール本人とお父さんが交互に語るって、変わった作りですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の核なんだよ。同じ出来事が、親の目線と子の目線で二度語られる。家族を襲った大事故のことも、経済的に恵まれなかった家庭のことも、双方が触れている。

一人の物語が二人分の厚みになるんです。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。でも、子育ての当事者じゃない私が読んでも面白いですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

十分面白いと思う。むしろ「親がどう見ていたか」を読めるのが貴重でね。13歳の息子にレアル・マドリードから招待状が届いたとき父親が何を思ったか、ヴィラ出身の子どもたちに何を伝えたか、そういう記述がある。

巻頭にカラー32ページの秘蔵ショットも付いているから、まず写真から入って、気になった章を読むのでもいいですよ。

メッシ日記
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メッシ日記

リオネル・メッシ 著|ベースボール・マガジン社

3.7

マラドーナが「後継者」に選んだ神の子の公認本で、成り立ちが独特です。2008年11月からスタートし、日本のみの配信で世界中から話題を集めたブログをまとめたもの。つまり伝記として後から書かれた文章ではなく、その時々のリアルな発信が並んでいる。189ページと軽やかで、これまでのベストゴール10を図解入りで解説する企画や、人物像を探る「A to Z」、出版を記念した特別メッセージも収録。重い自伝が続いた後に読むと、肩の力が抜けます。

こんな人におすすめ

まず軽い一冊から入りたい人、ブログ的な生の声を読みたい読者、メッシのプレーを図解で振り返りたいファンに向きます。

良い点

  • 189ページで読みやすい
  • ベストゴール10を図解
  • A to Zで人物像を整理

気になる点

  • 網羅的な伝記ではない
  • 情報は当時のもの
  • 深い内面描写は少なめ

出版社

ベースボール・マガジン社

発売日

2010年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「日本のみの配信で話題を集めたブログ」って、どういう経緯なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが面白いところでね。2008年から始まったそのブログが、結果的に世界中で話題になった。この本はそのまとめなんだ。

後から書かれた伝記じゃなく、その時々の発信だから、温度が違うんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。189ページだし、入りやすそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこもいい。ベストゴール10を図解入りで解説する企画や、人物像をA to Zで整理するコーナー、出版記念の特別メッセージも入っている。

分厚い自伝を読んだあとに、こういう軽やかな一冊を挟むと、また次に進みたくなるんだよ。マラドーナが後継者に選んだ、という位置づけから始まるのも含めて、ファンなら押さえておきたい本です。

メスト・エジル自伝
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メスト・エジル自伝

メストエジル 著|東洋館出版社

¥1,980(税込)

3.7

全体を貫く一本の線がはっきりしている自伝です。モウリーニョ監督に叱責された夜から、自分は何者でどこへ行きたいのかという問いが始まる。貧しさと路地の中でテクニックを磨いた子ども時代、ドイツとトルコの板挟み、シャルケユース、ブレーメンでの孤独、レアル・マドリード、W杯優勝、そしてアーセナルへ。モウリーニョ、セルヒオ・ラモス、サミ・ケディラからの手紙が章の間に挟まり、多面的に人物が見えてきます。司令塔がどう育ったかを追う一冊です。

こんな人におすすめ

上司や師からの厳しい一言に悩んだ経験がある人、居場所を探している20〜30代、多文化な背景に関心がある読者に向きます。

良い点

  • 一本の問いが軸にある
  • 手紙が章をつなぐ
  • キャリア論としても読める

気になる点

  • 内省的でテンポは遅め
  • 戦術の話は少なめ
  • 重いテーマを含む

出版社

東洋館出版社

発売日

2018年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「人生最大の叱責」ってプロローグにありますけど、そんなに強い言葉なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

彼自身が「あんなふうに監督に叱責されたのははじめてだった」と書いている。シャワーを浴びながら物思いにふけって、その夜から何週間も自問自答したと。

怒られた話が一冊の軸になるって、なかなか書けないことだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

確かに。ふつうは成功談から始めますよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。でもこの本は違う。貧しさと路地の中でテクニックを磨いた話、ドイツとトルコの間で心がどう育ったか、レアル・マドリードで何を想ったか、そしてアーセナルへ移るまでの話へ続いていく。

章の間にはモウリーニョ、セルヒオ・ラモス、サミ・ケディラからの手紙が挟まっていて、他者の目から見た自分も同時に読める構成になっているんですよ。

人生はジャイアントキリング! ジェイミー・ヴァーディ自伝
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人生はジャイアントキリング! ジェイミー・ヴァーディ自伝

ジェイミー・ヴァーディ 著|日本文芸社

¥1,600(税込)

3.7

プレミアリーグ史上最大のジャイアントキリングの立役者による初の自伝です。生い立ちからアマチュア時代、プレミアリーグの激闘、イングランド代表まで、奇跡の成り上がりが本人の言葉で語られます。友人を守るための傷害沙汰、悔やみきれない人種差別事件、そしてプレミア制覇と連続得点記録——光と影が同じ温度で並んでいるのが誠実です。雑草のように踏みしだかれても夢を追い続けたという言葉が、そのまま読者の背中を押してくれます。

こんな人におすすめ

進路や夢に迷っている10〜20代、周りに否定された経験がある人、努力が報われないと感じている社会人に向きます。

良い点

  • 等身大で共感しやすい
  • 光と影を隠さない
  • 読後感が爽やか

気になる点

  • 名門クラブの話は少なめ
  • 事件の記述は重い
  • 文体はシンプル

出版社

日本文芸社

発売日

2017年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「ジャイアントキリング」って、格上の相手を倒すって意味ですよね。サッカーの本でその言葉がタイトルになるの、いいなあ。

佐藤メバル

佐藤メバル

しかも本人が「誰かに否定され、君には素質がないと言われる気持ちを僕は知っている」と書いている。その立場から書かれた自伝だから、説教くさくならないんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。でも、順風満帆な話ではないですよね?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが誠実なところ。友人を守るための傷害沙汰、悔やみきれない人種差別事件、そういう影の部分も同じ温度で書かれている。

そのうえでプレミアリーグ制覇と連続得点記録の話が来る。ヒルズボロで生まれ、シェフィールド・ウェンズデイを応援して育った少年が、というところから始まるのがいいんだよ。

得点王の真実ストイチコフ自伝
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得点王の真実ストイチコフ自伝

フリストストイチコフ 著|ゼスト

¥2,644(税込)

3.7

フリスト・ストイチコフ本人による自伝で、タイトルに『得点王の真実』と掲げられている通り、得点という結果の裏側に何があったかを語る本です。221ページと比較的コンパクトで、数字だけを見ていると見えない部分に焦点が当たる。華やかな写真集型でも、分厚い年代記型でもない、本人の一人称の語りをまっすぐ読むタイプの自伝です。得点記録で語られがちな選手を、一人の人間として読み直したいときに向きます。

こんな人におすすめ

得点記録やタイトルだけでは満足できない人、本人の一人称で語りを読みたい読者、短めの自伝を好む人に向きます。

良い点

  • 221ページで読みやすい
  • 一人称の語りに集中
  • タイトル通りの内容

気になる点

  • 情報量は控えめ
  • 予備知識があると尚良い
  • 静かな語り口

出版社

ゼスト

発売日

1998年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「得点王の真実」って、ずいぶん強いタイトルですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

得点というのは数字で残るから、どうしても結果だけが語られる。でも本人が書きたかったのは、その数字の裏側でしょうね。

結果ではなく過程を読む本だと思う。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……。221ページというのも、意外とコンパクトです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこも特徴。分厚い年代記でも写真集でもなくて、本人の一人称の語りをまっすぐ読むタイプなんだ。だから他の選手の自伝を何冊か読んだあとに挟むと、また視点が変わる。

気になったら書店や図書館で探してみてください。タイトルの強さに負けない中身だと思いますよ。

君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝
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君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝

スティーヴンジェラード 著|東邦出版

¥2,200(税込)

3.5

492ページという堂々たる分量の自伝です。タイトルの『君はひとりじゃない』は、リヴァプールというクラブが歌い続けてきた言葉。つまりこの本は一人の選手の記録であると同時に、クラブと街とサポーターの関係の記録でもあります。長く一つのクラブに身を置くことの意味を、これだけのページ数で追える自伝はそう多くない。派手な移籍の物語ではなく、留まることの物語として読めるのが、他のスター選手の自伝との大きな違いです。

こんな人におすすめ

一つの場所で長く働き続けることに迷いがある人、クラブと街の関係に興味がある読者、腰を据えて読む時間がある人に向きます。

良い点

  • 492ページの充実感
  • クラブ文化が伝わる
  • タイトルの意味が深い

気になる点

  • かなり長い
  • 予備知識があると尚良い
  • 記述は実直

出版社

東邦出版

発売日

2016年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「君はひとりじゃない」って、どこかで聞いたことがある気がするんですけど。

佐藤メバル

佐藤メバル

リヴァプールというクラブが歌い続けてきた言葉でね。この自伝のタイトルにそれが使われていること自体が、内容を説明している。

一人の選手の物語ではなく、クラブと街の物語なんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。でも492ページって、さすがに長いですね……。

佐藤メバル

佐藤メバル

長い。でも長さには意味があって、移籍して華々しく活躍する話ではなく、同じ場所に留まり続ける話だから、どうしても厚くなる。

留まることの重さがページ数になっているんだよね。腰を据えて読む時間のある人にこそ向く一冊です。

CAPTAIN ジョーダン・ヘンダーソン自伝
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CAPTAIN ジョーダン・ヘンダーソン自伝

ジョーダン・ヘンダーソン 著|東洋館出版社

3.5

リヴァプールFCの元キャプテンが語る、新たな黄金時代の幕開けを描いた自伝です。レジェンドから引き継いだ腕章、名将とともに手に入れたビッグイヤー、憧れだったイングランド代表での躍進、そしてサッカー史上最大の試練の中で勝ち取ったリーグ制覇——「僕のキャリアはずっと困難だった。でも僕はやりつづけた」という言葉が全編の芯。#PlayersTogether、#BlackLivesMatterといった章も立ち上がり、ピッチの外の責任まで引き受けた姿が立体的に見えます。

こんな人におすすめ

キャプテンやリーダーの役割を任された人、批判に耐えながら続ける力を知りたい読者、選手の社会的な発言にも関心がある人に向きます。

良い点

  • 現代的テーマを扱う
  • キャプテン論が濃い
  • 章立てが明快

気になる点

  • クラブ知識があると尚良い
  • 重い時期の記述が多い
  • 文章は実直

出版社

東洋館出版社

発売日

2024年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

元キャプテンって書いてある。ということは、もうキャプテンじゃない時期の本なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこがむしろ読みどころでね。引き継いで、背負って、そして手放すまでの時間が一冊になっている。

レジェンドから腕章を受け取る難しさ、名将と一緒にビッグイヤーを取る話、そこから試練の時期まで。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。「僕のキャリアはずっと困難だった」って言葉が、すごく正直ですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

その実直さがいいんだよ。しかもこの本は#PlayersTogetherや#BlackLivesMatterみたいな章も立てていて、ピッチの外で何を引き受けたかまで書かれている。

キャプテンシーを「声の大きさ」だと思っている人にこそ読んでほしい本ですよ。栄光は圧倒的努力の先にある、という言葉が残ります。

悪童自伝 物語は始まったばかり
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悪童自伝 物語は始まったばかり

ウェイン・ルーニー 著|武田ランダムハウスジャパン

3.5

タイトル通り、ウェイン・ルーニーが自分の「悪童」ぶりも含めて語る自伝です。ロナウジーニョは「ルーニーは世界最高のプレーヤーのひとりだ」、ペレは「とてもすばらしい素質に恵まれており、まだ若いにもかかわらず、落ち着いて、堂々とプレーしている」と評した——その評価と、本編で語られる生々しい感情が同居しているのが面白い。ストライカーのメンタリティをここまで直接感じられる本は少なく、試合中の選手同士の本当の会話も収録されています。

こんな人におすすめ

勝負事に燃えたい人、試合中の駆け引きの裏側を知りたい読者、海外サッカーの強度を体感したい人に向きます。

良い点

  • 本音の語りが濃い
  • 試合中の会話が生々しい
  • 著名人の評価も収録

気になる点

  • 下品な表現あり
  • 時系列は前後する
  • 好みが分かれる

出版社

武田ランダムハウスジャパン

発売日

2007年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「悪童」って自分で名乗っちゃうんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの人のいいところでね。隠さない。しかもこの本、試合中の選手同士の本当の会話が書いてあるんですよ。

クリスティアーノ・ロナウドとのやり取りについて「僕たちが本当に話していたことを聞くと、ちょっとショックかもしれないよ」と本人が書いている。

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、そんなことまで書いてるんですか。外から見てると、ピッチの上で何を言ってるか分からないですもんね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、外からは絶対に見えない部分がこの本の値打ち。ロナウジーニョやペレの評価も載っていて、外からの視線と内側の本音を往復できる。

320ページでテンポもいいから、寝る前に一章ずつ読むのがちょうどいいと思いますよ。

アレックス・ファーガソン自伝
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アレックス・ファーガソン自伝

アレックス・ファーガソン 著|日本文芸社

¥2,530(税込)

3.5

マンチェスター・ユナイテッドの監督として27年間チームを率い、黄金時代を築いた名将の自伝です。本田圭佑が母校・星陵高校サッカー部の後輩へ贈った一冊として知られ、「ユナイテッドの辞書に〈退屈〉という言葉はない」という言葉が全編の空気を作っています。強固な意志でチームを勝利へ導くための緻密な戦略と人材掌握術が具体的に語られ、ベッカム、ギグス、ネヴィル、ロナウド、ルーニーらを育てた指揮官の手腕、監督心理、戦術が詰まった432ページです。

こんな人におすすめ

人を育てながら成果を出す立場の人、長期で組織を作りたい経営者や管理職、スポーツとマネジメントの両方を学びたい読者に向きます。

良い点

  • マネジメント論として優秀
  • 具体的な人名と事例
  • 長期政権の思考が読める

気になる点

  • 432ページと長い
  • サッカー知識があると尚良い
  • 固有名詞が多い

出版社

日本文芸社

発売日

2014年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

本田圭佑選手が後輩に贈った本って聞くと、急に身近に感じますね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだね。でも中身は完全に「勝ち続ける組織の作り方」なんですよ。27年間も同じクラブの監督を続けるというのは、普通はありえない。

その異常な長さを支えた思考が書かれている。

橘ナナミ

橘ナナミ

27年って、会社で言ったらすごいことですよね……。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。だからこの本は戦術書というより人材の扱い方の本として読める。誰を信じ、誰に厳しくし、いつ手放すか。

ベッカム、ギグス、ネヴィル、クリスティアーノ・ロナウド、ルーニーといった名前が次々に出てくるけれど、いずれも「どう扱ったか」の文脈で語られる。

経営や人事の立場の人に、意外なくらい刺さりますよ。

アーセン・ヴェンゲル自伝 赤と白、わが人生 (ヨシモトブックス)
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アーセン・ヴェンゲル自伝 赤と白、わが人生 (ヨシモトブックス)

アーセン・ヴェンゲル 著|ワニブックス

¥1,870(税込)

3.5

母国フランスで刊行されてベストセラーとなり、イギリスなど世界15か国で翻訳が決まった初の自伝です。フランス・アルザス地方の小村で生まれ育った幼少期から、県リーグの3部チームからフランス1部にのぼった選手時代、育成コーチを経て名古屋グランパス、そしてアーセナルへ。名古屋ではリーグ最下位のチームを1年で天皇杯優勝に導き、アーセナルではリーグ無敗優勝を成し遂げて22年間指揮した道のりが、貴重な写真とともに綴られます。岡田武史の推薦文も収録。監督論・クラブ経営論としても読める279ページです。

こんな人におすすめ

リーダーを志す人、日本で働いた経験のある指導者の視点に興味がある読者、クラブ経営や組織論を学びたい人に向きます。

良い点

  • 日本での経験が厚い
  • 経営論としても優秀
  • 写真が多数収録

気になる点

  • 情報密度が高い
  • アーセナル知識があると尚良い
  • 固有名詞が多い

出版社

ワニブックス

発売日

2021年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

名古屋グランパスを経てアーセナルって、順番が意外です。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの人の面白さでね。日本での生活が人生に大きな影響を与えたと本人が書いている。リーグ最下位だったチームを1年で天皇杯優勝に導いた経験が、その後のサッカー観の土台になっているんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

へえ、それって日本のサッカーファンには嬉しい話ですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。しかも内容は監督論だけじゃない。ソル・キャンベル移籍の極秘交渉、アンリからの言葉、スタジアム建設費返済のためのノルマ、代理人の理想像——クラブ経営に深く関わった人ならではの記述が多い。

岡田武史の推薦文にも「リーダーを志す人のバイブル」とある。経営の視点で読んでも面白い一冊ですよ。

Mourinho ジョゼ・モウリーニョ自伝
21

Mourinho ジョゼ・モウリーニョ自伝

ジョゼモウリーニョ 著|東邦出版

3.5

ジョゼ・モウリーニョ本人による自伝です。261ページという分量で、監督という職業の内側——何を考え、どう選手に向き合い、どう試合を設計するか——に焦点が当たります。選手の自伝が「プレーする側」の視点なら、こちらはベンチから見たサッカー。エジルの自伝では、この人の叱責が一章の出発点になっていましたが、同じ場面を本人がどう捉えていたかを読み比べると、サッカーという世界の解像度が一段上がります。

こんな人におすすめ

指導者や教育者としての視点を持ちたい人、上からの視線と下からの視線を比べたい読者、采配や戦い方に興味があるファンに向きます。

良い点

  • 監督視点が濃い
  • 他書と読み比べられる
  • 取り組みやすい分量

気になる点

  • 情報は限られる
  • 自画自賛に見える箇所も
  • 予備知識があると尚良い

出版社

東邦出版

発売日

2016年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

さっきエジルの自伝で、モウリーニョに叱責された話が出てきましたよね。この本は逆サイドなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

まさにそう。読み比べるとすごく面白い。同じ出来事を、叱った側と叱られた側が別々に書いているわけだからね。

橘ナナミ

橘ナナミ

それは気になります。答え合わせみたいな感じですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこまで単純じゃないけど、少なくとも一方の言い分だけで判断してはいけないと分かる。この本は監督という仕事の内側——どう選手に向き合い、どう試合を設計するか——が中心なんだ。

選手の自伝が「プレーする側」の視点なら、これは「ベンチから見たサッカー」。二冊並べると、サッカーの見え方が一段変わりますよ。

ベッケンバウアー自伝: 「皇帝」と呼ばれた男
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ベッケンバウアー自伝: 「皇帝」と呼ばれた男

フランツベッケンバウアー 著|中央公論新社

3.5

1974年には選手として、1990年には監督としてワールドカップを二度制覇した人物の自伝です。選手時代のさまざまなエピソード、西ドイツ代表監督時代の苦労、そして現代サッカーが抱える問題点まで、率直に綴られているのが特徴。現役の話と指導者の話が同じ一人の口から出てくるので、プレーと采配がどうつながるのかを追えるのが他の自伝との違いです。「皇帝」と呼ばれる以前の、一人の選手の話から始まる362ページ。サッカーの歴史を縦に辿りたい人に向きます。

こんな人におすすめ

選手と指導者、両方の視点を一冊で味わいたい人、サッカー史を体系的に知りたい読者、現代サッカーへの提言を読みたい人に向きます。

良い点

  • 選手と監督の両視点
  • 現代サッカーへの提言も
  • 率直な記述

気になる点

  • やや硬めの文体
  • 時代背景の知識があると尚良い
  • 362ページと長め

出版社

中央公論新社

発売日

2006年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

選手としても監督としてもワールドカップで優勝って、ちょっと想像がつかないです。

佐藤メバル

佐藤メバル

だから「皇帝」と呼ばれたわけだけど、この本の面白さはそこだけじゃない。選手時代のエピソードと監督時代の苦労が、同じ一人の口から出てくる。

プレーしていた人が、采配する側に回ったとき何が変わったかが読めるんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。でも、現代サッカーの問題点まで書いてあるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこまで踏み込んでいるのがこの本の誠実さ。過去の栄光を懐かしむだけの本ではないんです。362ページと読み応えはあるけれど、章ごとに時代が進んでいくから、サッカー史を縦に辿るつもりで読むと頭に入りやすいですよ。

ミシャ自伝 J1最多指揮監督が綴る来日19年の足跡と攻撃サッカー哲学
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ミシャ自伝 J1最多指揮監督が綴る来日19年の足跡と攻撃サッカー哲学

ミハイロ・ペトロヴィッチ 著|ベースボール・マガジン社

¥1,980(税込)

3.5

ユーゴスラビアに生まれ、32年間の指導キャリアを誇る攻撃サッカーの体現者、ミハイロ・ペトロヴィッチの自伝です。来日から19年、3クラブを指揮し、2023年3月にはJリーグ戦指揮試合数の歴代最多記録を塗り替えて大きく更新した「ミシャ」。結果至上主義の是非を問うという帯の言葉どおり、勝つことだけを目的にしないサッカー論が全編を貫きます。オシムとの出会い、広島・浦和・札幌での日々、そして日本サッカーへの提言まで、Jリーグを見ている人には堪らない256ページです。

こんな人におすすめ

Jリーグを長く見てきたファン、チーム作りの思想に興味がある指導者、日本のサッカー文化を考えたい読者に向きます。

良い点

  • Jリーグの内側が読める
  • 哲学が明確
  • 256ページで読みやすい

気になる点

  • Jリーグ前提の記述
  • 国外の話題は少なめ
  • 思想寄りの内容

出版社

ベースボール・マガジン社

発売日

2025年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「サッカーは誰のためにあるのか」って、この本の問いかけが最初から重いですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがミシャという人の核なんだよ。結果至上主義の是非を問う、と本人が正面から言っている。勝ち点の向こうに何があるかをずっと考えてきた人なんです。

橘ナナミ

橘ナナミ

Jリーグの指揮試合数の歴代最多を更新したんですよね。すごい数字だ。

佐藤メバル

佐藤メバル

2023年3月に塗り替えて、その後も更新している。来日から19年、3クラブを指揮してきたわけだから、その間に見たJリーグの変化も書かれている。

オシムとの出会いの章、広島でミシャ式フォーメーションが生まれた話、浦和の内側、札幌での新戦術——クラブごとに何を学んだかが具体的で、Jリーグファンにはたまらないと思いますよ。

ぽいち 森保一自伝
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ぽいち 森保一自伝

森保一 著|青志社

¥1,540(税込)

3.5

カタールW杯で日本中を沸かせた指揮官・森保一の原点を綴った自伝です。「僕は、いろいろなものが足りなかった。さまざまな人からさまざまな言葉をもらいながら生きてきた」という言葉が全編を貫き、周りからもらった言葉を今度は若い選手に渡すという姿勢が随所に表れます。GKとして全国大会に出た小学生時代、サッカー部を創設して初代キャプテンになった中学時代、下積みのマツダ時代、日本代表、広島、仙台。口絵カラーを含む秘蔵写真39点も収録された240ページです。

こんな人におすすめ

人の話を聞くことの大切さを噛みしめたい人、代表チームを応援してきたサッカーファン、若手を育てる立場の読者に向きます。

良い点

  • 本人の言葉が丁寧
  • 証言コーナーが豪華
  • 240ページで読みやすい

気になる点

  • 劇的な事件は少ない
  • 控えめな語り口
  • 戦術論は薄め

出版社

青志社

発売日

2023年1月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「ぽいち」って、あだ名なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、ベガルタ仙台の頃から呼ばれている名前でね。その由来も第一章で語られている。呼び名から始まる自伝というのが、この本らしいところだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。でも、すごく謙虚な語り口ですね。「いろいろなものが足りなかった」って。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの人の一貫した姿勢で、「さまざまな人からもらった言葉」を今度は自分が若い選手に伝えたい、と書いている。

中学校でサッカー部を創設して初代キャプテンになった話、マツダでの下積み、日本代表、広島、仙台。その全部が「人からもらったもの」として語られる。

井原正巳、三浦知良、北澤豪ら多くの人の証言も収録されていて、周囲から見た姿と本人の語りを往復できる本ですよ。

木村和司自伝 永遠のサッカー小僧
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木村和司自伝 永遠のサッカー小僧

木村和司 著|東洋館出版社

¥2,761(税込)

3.5

華麗なフリーキックで日本中を魅了し、日本代表の10番として活躍した木村和司の初の自叙伝です。「伝説のFKから約40年」という言葉が示す通り、栄光の裏にあった知られざる人生を本人が明かす一冊。プロ選手としての挫折と栄光、そして指導者としての苦悩と挑戦が、488ページにわたって綴られます。同じ日本サッカーの証言でも、森保一の自伝が「もらった言葉」の物語なら、こちらは「背負ってきた伝説」の物語。黎明期を知る人にも、若い読者にも手に取ってほしい本です。

こんな人におすすめ

日本サッカーの歴史を原点から知りたい人、プレーの美学と苦悩の両方を読みたい読者、長編をじっくり読みたい人に向きます。

良い点

  • 日本サッカー史の証言
  • 選手と指導者の両面
  • 488ページの密度

気になる点

  • 488ページと長い
  • 時代背景の知識があると尚良い
  • 読了に時間がかかる

出版社

東洋館出版社

発売日

2025年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「伝説のFKから約40年」って……そんなに前の話なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、日本サッカーが今ほど注目されていなかった時代に、フリーキック一本で日本中を沸かせた人なんだよ。

その伝説の裏側を本人が書いたのがこの本。

橘ナナミ

橘ナナミ

表の話じゃなくて、裏側なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが読みどころ。プロ選手としての挫折と栄光、そして指導者になってからの苦悩と挑戦が、488ページにわたって綴られている。

10番を背負っていた人が、その後どんな立場でサッカーと向き合ったか。森保一の自伝が「もらった言葉」の話なら、こちらは「背負ってきたもの」の話でね。

並べて読むと、日本サッカーの厚みがよく分かりますよ。

名将の棚は「指導と経営」の本棚でもある

橘ナナミ

橘ナナミ

監督の自伝って、サッカーの本というよりビジネス書みたいに見えることがあります。

佐藤メバル

佐藤メバル

実際そうなんだ。ファーガソンの自伝は、本田圭佑選手が母校・星陵高校サッカー部の後輩へ贈った一冊で、ベッカムやギグス、C・ロナウド、ルーニーらを育てた指揮官の戦略と人材掌握術が詰まっている。ヴェンゲルは岡田武史氏が「リーダーを志す人のバイブル」と推薦した一冊で、名古屋グランパスを1年で天皇杯優勝に導き、アーセナルでは22年間指揮して無敗優勝も成し遂げた。クラブ経営に踏み込んだ記述も多い。

橘ナナミ

橘ナナミ

ミシャの本は?

佐藤メバル

佐藤メバル

『ミシャ自伝』は、J1最多指揮試合数の記録を更新したペトロヴィッチ監督が、結果至上主義の是非を問う一冊。オシムとの出会いや広島、浦和、札幌での日々が並び、育成やチーム作りの現場感が濃い。現役の指揮官なら森保一の『ぽいち』も外せない。

レジェンドと海外スターを、どう並べて読むか

橘ナナミ

橘ナナミ

マラドーナ、ペレ、クライフ……時代が違う人たちを一緒に読んでもいいんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

むしろ並べて読みたいところだよ。クライフの本は「14のルール」として、テクニックや戦術、リスペクト、チームプレーまで本人の言葉で整理されている。マラドーナ自伝は474ページにわたって栄光と挫折をたどり、金子達人の書き下ろしも収録されている。ペレの自伝は1977年刊で、いま紙で探すと入手しづらい。ベッケンバウアーは選手と監督の両方でW杯を制した男の率直な語りだ。

橘ナナミ

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イブラヒモビッチは毒が強そうですね。

佐藤メバル

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そこが魅力で、本国スウェーデンで50万部を超えたベストセラーになっている。「俺は誰にも似ていない。ズラタンはオンリー・ワンだ」という言葉が全編を貫く。同じく癖が強いのがスアレスで、噛み付きや人種差別問題の当事者としての見解まで本人が明かす。覚悟して読む本だね。

ポジション別・テーマ別、そして「同じ選手で複数冊」の整理

橘ナナミ

橘ナナミ

ポジションで選ぶこともできますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

できるよ。FWは層が厚くて、ヴァーディ、スアレス、ストイチコフ、C・ロナウド。中盤はモドリッチ、エジル、イニエスタ。GKは数が少ないけれど、GKとして全国大会に出た森保一の『ぽいち』のように、守る側から全体を見る視点の本がある。

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ選手で何冊も出ている場合はどうしましょう。

佐藤メバル

佐藤メバル

まず本格的な自伝から入って、物足りなければ写真や断章を楽しむ一冊を足すのが基本。ロナウドなら長期独占密着の秘蔵フォト約150点を収めた『MOMENTS』、メッシならブログをまとめ、ベストゴール10の図解や人物像を探る「A to Z」を加えた『メッシ日記』だ。人物像を掘るなら、ファーガソンとボバンの序文、ベイルやベンゼマの推薦が並ぶモドリッチの『マイゲーム』のような一冊も効くよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

女子サッカーの本は、今回のリストには入っていないんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、ここは正直に言っておくと、今回のラインアップは男子の自伝が中心だ。女子の選手や指導者の本は別の棚として探してほしい。育成や指導の観点ならファーガソン、ヴェンゲル、ミシャ、森保の4冊でかなり補える。

よくある質問

サッカーの自伝で最初に読むべきおすすめは?

橘ナナミ

橘ナナミ

サッカーの自伝で最初に読むべきおすすめはについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

目的がまだ決まっていないなら、森保一『ぽいち』かC・ロナウド『MOMENTS』を挙げます。どちらも読みやすいボリュームで、前者は選手から指揮官までの歩み、後者は「瞬間」で構成された初の自伝で秘蔵フォト約150点つきです。内面から入りたいならイブラヒモビッチの『I AM ZLATAN』が引き込まれます。

メッシとC・ロナウドの自伝はどっちが面白い?

橘ナナミ

橘ナナミ

メッシとC・ロナウドの自伝はどっちが面白いについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

性格が違います。C・ロナウド『MOMENTS』は自伝として構成され、長期独占密着の秘蔵フォト約150点を収録しています。メッシの『メッシ日記』はブログをまとめた一冊で、ベストゴール10の図解や人物像を探る「A to Z」が入っています。物語を追いたいならロナウド、断章と写真を眺めたいならメッシです。

サッカー初心者でも読みやすい本はどれ?

橘ナナミ

橘ナナミ

サッカー初心者でも読みやすい本はどれについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

ページ数が少なく写真の多い本が入りやすいです。173ページの『MOMENTS』、巻頭カラー32ページ付きのネイマール『父の教え、僕の生きかた』、240ページの森保一『ぽいち』あたりが入口になります。マラドーナ自伝やジェラード自伝は厚いので、慣れてからで十分です。

長谷部誠『心を整える。』はどんな人に向いている?

橘ナナミ

橘ナナミ

長谷部誠『心を整える。』はどんな人に向いているについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

元日本代表の主将を務めた長谷部誠が、心の整え方をテーマに綴った国民的な一冊です。大事な場面で気持ちが固まらない人、チームをまとめる立場の人に向きます。技術や戦術の話を求める人より、メンタルの扱い方を知りたい人に合う本です。

戦術がわかるようになるおすすめの本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

戦術がわかるようになるおすすめの本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

クライフの『ヨハン・クライフ自伝 サッカーの未来を継ぐ者たちへ』が第一候補です。テクニック、戦術、独創力……と「14のルール」で整理され、トータルフットボールの考え方が本人の言葉で語られます。ヴェンゲル、ミシャ、ファーガソンの本も、勝つための設計図として読めます。

サッカー選手の本はビジネスや自己啓発にも役立つ?

橘ナナミ

橘ナナミ

サッカー選手の本はビジネスや自己啓発にも役立つについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

役立ちます。トッティ『キャプテン魂』は帯に管理職や若手ビジネスマン向けと明記され、ヴェンゲル自伝はクラブ経営や人材マネジメントに踏み込んでいます。ファーガソン自伝は本田圭佑選手が後輩へ贈った一冊としても知られ、組織を長期で強く保つ発想が学べます。

中高生・子どもに読ませたいサッカーの本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

中高生・子どもに読ませたいサッカーの本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

ヴァーディの『人生はジャイアントキリング!』が向いています。アマチュアからプレミア制覇までの成り上がりで、「拒絶されることは終わりではなく旅の始まりだ」というメッセージが本人の言葉で書かれています。ネイマールの『父の教え、僕の生きかた』は父と本人が交互に語る構成なので、親子で読むのもよいです。

絶版・入手困難なサッカー本のおすすめは?

橘ナナミ

橘ナナミ

絶版・入手困難なサッカー本のおすすめはについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

ペレ自伝の1977年刊は紙で見つけると高価になりやすく、図書館や古書店を当たる価値があります。ストイチコフの自伝、バッジョの『天の扉』、ベッケンバウアー自伝なども刊行から時間が経っています。欲しい1冊が決まっているなら、電子版の有無を先に確認するのが早道です。

まとめ

橘ナナミ

橘ナナミ

今日いちばん意外だったのは、自伝が「思い出話」ではなくて、選択の記録だということでした。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだね。ヴァーディの本には「自分の経験が『拒絶されることは終わりではなく旅の始まりだ』という話として読んでもらえたなら嬉しい」という言葉が収録されている。自伝は、うまくいかなかった時間の積み方まで見せてくれる。

橘ナナミ

橘ナナミ

読む側も、うまくいっていない時期にこそ開きたくなります。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。だから最初の1冊は、いまの自分の立場に近い人を選ぶのがいい。チームを預かっているならファーガソン、体格の小ささに悩んでいるならモドリッチ、夢を笑われた経験があるならヴァーディだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……。25冊もあると、どれから蹴り出すかで迷いそうですが、その迷いも楽しめそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

自伝は、90分で終わらない試合の記録だからね。ハイライトだけを拾うより、交代や失点の場面まで見たほうが、その選手の輪郭はずっとくっきりする。まずは1冊、キックオフしてみるのがいいよ。

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Editorial Team

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