サッカー戦術の勉強に役立つ本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】

監修

佐藤メバル

佐藤メバル

@shelfy_mebaru

編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ

橘ナナミ

@medias_nanami

編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。

最終更新: 2026年10月

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、サッカーの戦術をちゃんと勉強したいんですけど、書店に並ぶ本が多すぎて、どれから手をつければいいのか分からなくて。用語も「ポジショナル」とか「ネガティブトランジション」とか、聞いたことはあるのに人に説明できないんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。サッカー戦術の本は大きく4系統あって、「用語を覚える本」「フォーメーションを理解する本」「戦術史をたどる本」「最新トレンドを追う本」に分かれる。そして、いきなり最新トレンドから入る人がいちばん挫折しやすい。書店員時代、そういうお客さんをたくさん見てきたよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

え、最新が気になるのに、そこから入っちゃダメなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

順番の問題だね。最初は図やイラストで「戦術ってこういうものか」と体感できる本がいい。たとえば『サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本』は、ドリブルの個人戦術からミランのプレッシング、バルセロナのポゼッションまでを図版中心で一気に眺められる。1冊通すだけで、以後の本に出てくる単語が「なんとなく」から「説明できる」に変わる。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど!じゃあ次はフォーメーションの本に進めばいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

方向は合ってる。ただ、そこで読むべき1冊は人によって変わる。観戦を楽しみたいのか、指導に活かしたいのか、自分がプレーするのかで最適解が違うんだ。だからここからは、選ぶ軸を6つに分けて、具体的な書名を挙げながら整理していくね。

サッカー戦術の勉強に役立つ本の選び方

目的別で選ぶ — 観戦・体系学習・指導・プレー

橘ナナミ

橘ナナミ

目的別だと、具体的にどう変わりますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

観戦を楽しむなら『サッカー戦術の最前線 試合を観るのが10倍楽しくなる』。物語仕立てで、「なぜボゴタFCは相手のフリーキック時に手をつなぐのか?」といった章から入っていく。体系立てて学ぶなら『サッカー戦術の教科書 プレーモデルが試合を決める』で、攻撃・ネガティブトランジション・守備・ポジティブトランジションの4局面を、チーム戦術・グループ戦術・個人戦術に区別して解説している。指導に活かすなら『サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である』、プレーに活かすなら練習法まで載った『サッカーフォーメーション・システム・戦術』だね。

レベル別で選ぶ — 用語も怪しい入門/基礎は知る中級/分析したい上級

橘ナナミ

橘ナナミ

自分のレベルって、どう判断すればいいんでしょう。

佐藤メバル

佐藤メバル

オフサイドやボランチは分かるけど、プレッシングとゾーンディフェンスの違いを説明できないなら入門。4局面やビルドアップの考え方を人に話せるなら中級。自分で「なぜここでラインが上がったのか」と仮説を立てたいなら上級、という目安でいい。入門は文庫で持ち歩きやすい西部謙司の『サッカー戦術が簡単に分かる本』、中級は4つの基本形と派生形でシステムを整理した岩政大樹の『サッカーシステム大全』、上級はネットワーク科学の視点で配置を読み解く『シン・フォーメーション論』。上級書は「読み物」ではなく分析の道具になる。

難易度と前提知識で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

前提知識ゼロでも読める本って、どう見分ければいいですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

図版の多さと、著者が誰に向けて書いているかの2つを見るといい。『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』は、試合解説や現場で使われる戦術用語を初級者にも分かる言葉で丁寧に説明する構成で、観戦をもっと楽しみたい人、子どものサッカーIQを高めたい保護者、伝え方を考える指導者を想定している。逆に『サッカー戦術 3 フォーメーションの選択』はライン間の距離を定量的にモデル化する議論まで踏み込むから、数値や論理を楽しめる人向けだね。

形式で選ぶ — 新書・文庫・図鑑・紙と電子

橘ナナミ

橘ナナミ

新書、文庫、図鑑……形態もいろいろあるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

新書なら『サッカー店長の戦術入門』、文庫なら『サッカー戦術が簡単に分かる本』、図鑑なら『サッカー布陣図鑑』や『サッカーフォーメーション図鑑』。オールカラーの図鑑は、眺めるだけでも発見がある。電子の相性は本によるよ。『サッカー最新戦術ラボ プレスvsビルドアップ』や『欧州サッカー戦術BOOK』は、タブレットなど画面の大きい端末で読むことが想定されていて、固定レイアウトのものは特にそう。スマホ片手に図版を追うのはつらいから、そこは確認してから買ったほうがいい。

鮮度で選ぶ — 戦術史の古典か最新トレンドか

橘ナナミ

橘ナナミ

昔の本って、今読んでも意味ありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

ある。むしろ「今の前提」を知るには必要だよ。『サッカー戦術クロニクル』は「トータルフットボール」を軸に戦術の変遷をたどる本で、人の並べ方は戦術の一部にすぎず、フォーメーションだけをいじっても「仏つくって魂入れず」になりがちだと本文で書いている。最新を追うなら、4局面フレームワークにキーワードを当てはめて整理する『モダンサッカーの教科書Ⅳ』のような本が入りやすい。

入手性と予算で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

絶版になってる本もあるって聞きました。

佐藤メバル

佐藤メバル

あるね。ムックや雑誌系はとくに、紙が手に入りにくくなることがある。だからまず図書館で確認して、手元に置きたい本だけ買うのは立派な戦略だよ。価格帯は新書・文庫が手頃で、図鑑やムックは判型が大きく作りの分だけ上がる、という傾向で見ればいい。中古で探すときは、改題や文庫化で新しい版が出ていないかを必ず確認してね。『サッカー戦術が簡単に分かる本』は、もとの本を改題して文庫化したものだから、探すときに混同しやすいよ。

サッカー戦術の勉強に役立つ本をひと目で比較

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず

#画像名称おすすめ対象価格一言
1
サッカー戦術の教科書 プレーモデルが試合を決める
サッカー戦術の教科書 プレーモデルが試合を決める観戦歴は長いが戦術用語を避けてきた人、指導者として自チームの指針を言葉にしたい人、動画と併用して学びたい読者に向く。試合を見ながら手元に置き、気になった局面をその場で確認するという使い方でこそ力を発揮する一冊だ。¥1,8044局面とプレーモデルの入門書
2
サッカー戦術の黄金則
サッカー戦術の黄金則動画で戦術解説を見慣れている人、用語の意味を都度確認したい観戦者、指導者として選手に説明する語彙を増やしたい人に向く。索引的に使いたい読者ほど効果が出る。試合の前後に開き、気になった項目だけ動画で確認する使い方を想定したい。¥2,486動画と往復する戦術の地図
3
サッカーシステム大全
サッカーシステム大全Jリーグをよく観る人、指導者として相手チームの形から狙いを読む練習をしたい人、ボールの動きだけでなくボールに関係ない選手を見る習慣をつけたい人に。観戦の解像度を一段上げたいときに手に取りたい一冊だ。¥1,694システムの基本形と派生を俯瞰
4
サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来 (光文社新書 1182)
サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来 (光文社新書 1182)監督ごとの色を比べながら現代戦術の潮流をつかみたい人、新書の読みやすさで戦術史に入りたい人、ポジショナルとストーミングという言葉の違いを腹に落としたい読者。移動時間に少しずつ読み進めるのも合っている。¥1,034名将の知恵を物語で読む
5
サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本
サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本小学生から大人まで幅広く、家庭で子どもと一緒に読みたい人、コーチとして基本から伝え直したい人、用語より先に感覚をつかみたい読者。世代を問わず使えるので、家に一冊置いておく形もいい。¥1,540図版で戦術のイロハに触れる

サッカー戦術の勉強に役立つ本のおすすめ人気ランキング

橘ナナミ

橘ナナミ

一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!

佐藤メバル

佐藤メバル

よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

サッカー戦術の教科書 プレーモデルが試合を決める
1

サッカー戦術の教科書 プレーモデルが試合を決める

小澤一郎 著|マイナビ出版

¥1,804(税込)

4.8

「ピッチ上で起きる問題を解決する手段が戦術だ」という立場から、攻撃・ネガティブトランジション・守備・ポジティブトランジションの4局面を、チーム戦術・グループ戦術・個人戦術の3層に分けて整理する。プレーモデルという言葉の意味が腹に落ちるのが最大の収穫で、QRコードから動画解説に飛べるため紙面で飲み込めなかった箇所を耳で追える。巻末には2010-11シーズンのクラシコの戦術解説も収録されている。

こんな人におすすめ

観戦歴は長いが戦術用語を避けてきた人、指導者として自チームの指針を言葉にしたい人、動画と併用して学びたい読者に向く。試合を見ながら手元に置き、気になった局面をその場で確認するという使い方でこそ力を発揮する一冊だ。

良い点

  • 4局面を3つの層で整理、迷わない
  • 動画解説付きで耳からも理解できる
  • クラシコ解説で実戦に接続できる

気になる点

  • 図だけでは像を結びにくい箇所がある
  • 網羅的ゆえ初読は情報量が多い
  • クラシコの前提知識があると尚よい

出版社

マイナビ出版

発売日

2024年1月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「プレーモデル」ってよく聞くんですけど、いまいち何を指すのか分からなくて…。佐藤さん、予習として読むならこの本からで大丈夫ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。プレーモデルは「この局面ではこう振る舞う」というチームの共通の約束事のこと。この本は攻撃・ネガトラ・守備・ポジトラの4局面を、チーム戦術・グループ戦術・個人戦術に分けて説明していく。

問題を解決する手段が戦術という定義から入るので、用語の暗記にならない。動画で補えるのも助かるよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

動画が付いてるのは心強いです! 観戦初心者でもついていけますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

ついていける。むしろ「なんとなく見ていた」人が一番伸びる。巻末に2010-11シーズンのクラシコの戦術解説が入っているから、試合を見て、解説を読んで、動画を見るという順番で使うと理解が定着する。

まず守備の章から開くと、試合で起きていることが急に見え始めるよ。

サッカー戦術の黄金則
2

サッカー戦術の黄金則

GOAT 著|マイナビ出版

¥2,486(税込)

4.7

12の理論、4つの戦術局面、4つのトランジション、8つの陣形という骨格で現代サッカーを読み解く。全項目に解説動画が付くのが最大の特徴で、テキストで論理を掴み、動画で映像として腑に落とす往復ができる。用語の一覧性が高く、観戦メモを作りながら辞書的に引く使い方にも向く。登録者20万人以上というチャンネルの語り口そのままに、中身の密度は濃い。

こんな人におすすめ

動画で戦術解説を見慣れている人、用語の意味を都度確認したい観戦者、指導者として選手に説明する語彙を増やしたい人に向く。索引的に使いたい読者ほど効果が出る。試合の前後に開き、気になった項目だけ動画で確認する使い方を想定したい。

良い点

  • 全項目に動画が付き理解が速い
  • 12理論・8陣形など骨格が明快
  • 辞書的に引ける一覧性がある

気になる点

  • ページ数が多く通読は重い
  • 動画視聴が前提になりがち
  • 内容の重複を感じる箇所がある

出版社

マイナビ出版

発売日

2025年1月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

YouTubeで戦術解説を見るのが好きなんですけど、本で読むのと動画って、やっぱり相性がいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

この本はまさにその往復を前提に作られている。12の理論、4つの戦術局面、4つのトランジション、8つの陣形という骨格があって、全項目に解説動画が付く。

テキストで論理を理解して、動画で腑に落とす。紙と映像の両輪で覚えられるのは大きいね。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど! じゃあ最初から最後まで通読しなくてもいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いいよ。気になる陣形や局面から開いて、動画で確認する。全部を一直線に読む本ではないからね。観戦中に「今のは何だったんだろう」と思ったら戻ってくる、そんな辞書的な使い方がいちばん力を発揮する。

まずは自分の好きな陣形のページから始めてみるといい。

サッカーシステム大全
3

サッカーシステム大全

岩政大樹 著|マイナビ出版

¥1,694(税込)

4.6

現代サッカーに見られる多種多様なシステムを、4つの基本形とその派生形として整理する。可変システムやアシンメトリーまで視野に入れているのが特徴で、一見複雑な並びも基本を押さえれば読めるようになる。Jリーグの各クラブがどのシステムを採っているかが随所に書かれているので、国内リーグの観戦と直結させながら学べるのが他書にない強みだ。

こんな人におすすめ

Jリーグをよく観る人、指導者として相手チームの形から狙いを読む練習をしたい人、ボールの動きだけでなくボールに関係ない選手を見る習慣をつけたい人に。観戦の解像度を一段上げたいときに手に取りたい一冊だ。

良い点

  • 4基本形と派生で整理、混乱しない
  • Jリーグ各クラブの採用例が載る
  • 可変・アシンメトリーまで言及

気になる点

  • 短めの分量で駆け足に感じる箇所
  • 戦術史の背景説明は少なめ
  • 実戦の練習法は載っていない

出版社

マイナビ出版

発売日

2021年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

システムの話って、3-4-2-1とか数字が並ぶだけで諦めそうになります…。この本はどう違うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

基本形を4つに絞って、そこからの派生として読ませる構成なんだ。だから「また知らない数字が出てきた」ではなく「この形はあの基本形の親戚か」と置ける。

可変システムやアシンメトリーまで扱っているから、片側だけ形が違うチームを見ても慌てなくなるよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

へえ、Jリーグのクラブの話も入ってるんですよね?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが実用的なところ。自分が応援しているクラブが何を採用しているかを確認してから試合を見ると、ボールに関係ない選手の立ち位置まで目が届くようになる。

ファンなら観戦が何倍も面白くなるし、指導者なら相手の形から狙いを読む練習になる。まず自分のチームの項目から開くといいよ。

サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来 (光文社新書 1182)
4

サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来 (光文社新書 1182)

龍岡歩 著|光文社

¥1,034(税込)

4.4

サッカー未経験から戦術分析の現場に入った著者が、グアルディオラ以降の戦術史を名将たちの比較で描く。ポジショナルとストーミングという二つの潮流を軸に、モウリーニョ、シメオネ、ビエルサ、ガスペリーニ、ラニエリ、アンチェロッティ、ナーゲルスマンらを並べていく構成が読み物として面白い。新書の読みやすさで現代サッカーの地図が手に入る点が、専門書との違いだ。

こんな人におすすめ

監督ごとの色を比べながら現代戦術の潮流をつかみたい人、新書の読みやすさで戦術史に入りたい人、ポジショナルとストーミングという言葉の違いを腹に落としたい読者。移動時間に少しずつ読み進めるのも合っている。

良い点

  • 名将比較で潮流が立体的に見える
  • 未経験から分析官になった視点
  • 新書で読みやすく通読しやすい

気になる点

  • 図版は多くない
  • 個別局面の詳細解説は薄め
  • クラブ戦術の網羅性は高くない

出版社

光文社

発売日

2022年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「ポジショナル」と「ストーミング」って最近よく目にするんですけど、違いを説明しろと言われると困ります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを軸に据えたのがこの本だね。著者はサッカー未経験から戦術分析の世界に入った人で、12歳からノートに戦術を書き続け、欧州と南米を放浪し、ショップ店長を経てクラブの分析官になった。

名将たちの知恵比べとして読ませるから、用語の定義が頭に残るんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

監督の話が中心なんですね。観戦の役に立ちますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

立ちます。モウリーニョ、シメオネ、ビエルサ、ガスペリーニ、ナーゲルスマンと並べていくと、同じ守備でも思想がまるで違うと分かる。

試合を見るときに「この監督は何を信じている人か」を先に置けると、目の前の現象の意味が変わってくるよ。

サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本
5

サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本

西部謙司 著|毎日コミュニケーションズ

¥1,540(税込)

4.3

ドリブルの個人戦術から、イタリア・ACミランのプレッシング、バルセロナのポゼッションまで、戦術の仕組みをイラストと図版を多用して解説する。「なんとなく知っている風」でやり過ごしてきた部分を、はじめから順に埋め直せる構成だ。世界のクラブが幼少期からトップまで一貫した理解を共有しているという前提から説き起こすため、なぜ基本が大事なのかも見えてくる。

こんな人におすすめ

小学生から大人まで幅広く、家庭で子どもと一緒に読みたい人、コーチとして基本から伝え直したい人、用語より先に感覚をつかみたい読者。世代を問わず使えるので、家に一冊置いておく形もいい。

良い点

  • 図版が多く読み進めやすい
  • 個人戦術から始まり入口が低い
  • 世代を問わず使える構成

気になる点

  • 高度な戦術論は期待しない方がよい
  • 現代の最新事例は少なめ
  • 上級者には物足りない可能性

出版社

毎日コミュニケーションズ

発売日

2011年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

弟が小学生でサッカーを始めたんですけど、一緒に読める本ってありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

それならこの本だね。ドリブルの個人戦術から入って、ミランのプレッシング、バルセロナのポゼッションへと進む。

イラストと図版が豊富で、用語の前に感覚を渡してくれるから、子どもにも大人にも届く。世界のクラブが幼少期からトップまで同じ理解を共有しているという話から始まるのもいい。

橘ナナミ

橘ナナミ

逆に、僕が読んでも物足りなくならないですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

上級者には易しいかもしれない。でも「自分は分かっているつもりだった」という穴を見つけるには最適だよ。

書店員時代、この本をコーチに薦めたら「選手に説明する言葉が変わった」と言われたのを覚えている。土台の確認には強い一冊だ。

サッカー戦術が簡単に分かる本 (マイナビ文庫)
6

サッカー戦術が簡単に分かる本 (マイナビ文庫)

西部謙司 著|マイナビ

4.1

内容は『サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本』を改題して文庫化したもので、ドリブルの個人戦術からイタリア・ACミランの伝説的プレッシング、バルセロナのポゼッションサッカーまでを図版豊富に解説する。文庫サイズで持ち歩けることが選ぶ理由になる一冊で、同じ内容なら移動中に開ける形を選びたい人に向く。

こんな人におすすめ

移動中や観戦前後に少しずつ読みたい人、カバンに入れておきたい人、内容は同じでも携帯性を優先したい読者。通勤や遠征の道中で開く使い方と相性がいい。

良い点

  • 文庫サイズで携帯しやすい
  • 図版豊富で読みやすい
  • 入門として過不足がない

気になる点

  • 同内容の単行本と重複する
  • 最新戦術への更新はない
  • 上級者には易しい内容

出版社

マイナビ

発売日

2014年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

あれ、この本さっきのと内容が似てませんか?

佐藤メバル

佐藤メバル

よく気づいたね。これは『サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本』を改題して文庫化したもの。

中身はドリブルからミランのプレッシング、バルセロナのポゼッションまで同じ流れを追う。違いは持ち歩ける形かどうか。電車の中で開くならこちらが便利だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、両方買う必要はないんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは選んでいい。本棚でじっくり読むなら単行本、観戦のお供にするなら文庫。書店員時代も、同じ内容なら「どこで読む人か」で薦める方を変えていたよ。

内容の新しさはないから、最新の戦術まで追いたい人は別の一冊を足すといい。

サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である
7

サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である

坪井健太郎 著|カンゼン

¥1,707(税込)

4.1

育成大国スペインで指導する現役指導者が、目に見えるトレンドに一喜一憂せず、背景にある事柄を押さえることから始める一冊。戦術とは問題を解決する行為というタイトルどおりの立場で、真の戦術とは何か、戦術的視点で試合を見る方法、戦術コンセプト、トレーニングメソッド論へと進む。指導者向けの実践色が濃く、評論で終わらないのが持ち味だ。

こんな人におすすめ

指導者として現場で使える言葉が欲しい人、育成年代に関わる人、トレンドに流されない土台を作りたい人。教える立場で読むと収穫が大きい。選手の成長段階を思い浮かべながら読むのもいい。

良い点

  • 現役指導者の視点で実践的
  • 背景から考える癖がつく
  • トレーニング論まで踏み込む

気になる点

  • 観戦入門としては硬め
  • 図版や試合事例は多くない
  • 選手目線の話は少なめ

出版社

カンゼン

発売日

2014年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「戦術とは問題を解決する行為である」ってタイトル、ちょっと哲学書みたいに見えます。佐藤さん、これは読み物として面白いんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

これは現場の言葉なんだ。著者はスペインで指導している現役のコーチで、目に見える流行を追うのではなく、その背景を押さえることから始めなさいと説く。

真の戦術とは何か、試合を戦術的視点で見る方法、コンセプト、そしてトレーニング法まで順に組み立てていく。

橘ナナミ

橘ナナミ

指導者向けって感じですか? 観るだけのファンには難しいでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

難しくはないけれど、教える側の視点が強いのは確か。ただ、選手やチームが「なぜその選択をするのか」を考えながら試合を見る習慣は、観戦側にも確実に効くよ。

流行に振り回されない物差しが一本入る、そういう本だね。

サッカー戦術の最前線 試合を観るのが10倍楽しくなる
8

サッカー戦術の最前線 試合を観るのが10倍楽しくなる

結城康平 著|SBクリエイティブ

¥1,760(税込)

3.9

将棋の定跡を学ぶことが先人の思想を辿る作業だという比喩から始まり、物語仕立てで戦術の歴史を追う。1-1-8から始まったというフォーメーションの成り立ち、マンツーマンとゾーンという二つの守備思想、ポジショナルプレー、サリーダ・ラボルピアーナ、偽サイドバックまで、読み物として一気に進める。初心者でも最先端に触れられる構成が独特だ。

こんな人におすすめ

戦術書の硬さで挫折した経験がある人、物語として読む方が頭に入る人、歴史から順に理解したい読者。通学や通勤の合間に小説のように読み進めるのも合っている。

良い点

  • 物語仕立てで読み進めやすい
  • 守備思想の対比が分かりやすい
  • 初心者でも最先端に触れられる

気になる点

  • 網羅的な辞典にはならない
  • 数字や図の詳細は控えめ
  • 指導者向けの実践論は少ない

出版社

SBクリエイティブ

発売日

2022年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「試合を観るのが10倍楽しくなる」って、本当に10倍になるんですかね…。

佐藤メバル

佐藤メバル

断言はしないけれど、読み終えたあとの見え方は確かに変わる。この本は物語仕立てで、将棋の定跡を学ぶのが先人の思想を辿る作業だという比喩から入る。

1-1-8から始まったというフォーメーションの話や、マンツーマンとゾーンという二つの守備思想の対比が、すっと入ってくるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

物語だと、かえって戦術の話が薄くなったりしませんか?

佐藤メバル

佐藤メバル

それがそうでもない。ポジショナルプレー、サリーダ・ラボルピアーナ、偽サイドバックと、ちゃんと最先端まで歩く。

しかも「なぜそうなったか」の順番で出てくるから、用語が記号にならない。戦術書で挫折した人にこそ薦めたい一冊だよ。

教養としてのサッカーと戦術
9

教養としてのサッカーと戦術

西部謙司 著|エクスナレッジ

¥1,760(税込)

3.9

戦術の歴史とサイクルを紐解くことで、流行に惑わされない見識を手に入れることを狙った一冊。プレスとビルドアップの源流、革新的なゾーナル・プレッシング、偽9番の系譜、ポジション進化論など、第一部で進化史を、第二部で本質を扱う二段構えが効いている。単発のトレンド解説ではなく、教養として戦術を腹に落としたい人に向く。

こんな人におすすめ

長くサッカーを観てきたが知識が点で散らばっている人、歴史の流れとして整理したい人、ワールドカップを前に見識を深めたい読者。読み終えたあとに試合を観ると、視点の置き場所が変わる。

良い点

  • 進化史と本質の二部構成
  • 偽9番など系譜で語る
  • 流行に流されない軸が得られる

気になる点

  • 最新の試合の具体情報は少ない
  • 図版より文章が中心
  • 入門者にはやや厚い

出版社

エクスナレッジ

発売日

2026年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「教養として」って付く本、最近多いですけど、この場合はどういう意味なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

流行を追うのではなく、なぜその戦術が生まれて、どこへ行ったのかを筋で押さえる、という意味だね。第一部は戦術の進化史で、プレスとビルドアップの源流やゾーナル・プレッシングの革新をたどる。

第二部ではプレッシングの起源、偽9番の系譜、ポジション進化論を扱う。

橘ナナミ

橘ナナミ

歴史の本になっちゃうんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

歴史と本質を行き来する本だよ。単発のトレンド解説を何冊も読むより、一本の線で繋がる。長く観てきた人ほど、散らばっていた知識が整理されるはずだ。

まず目次を眺めて、引っかかった章から入る読み方でも十分楽しめるよ。

徹底図解! 誰でもよくわかる サッカー戦術、フォーメーション事典 (LEVEL UP BOOK)
10

徹底図解! 誰でもよくわかる サッカー戦術、フォーメーション事典 (LEVEL UP BOOK)

都並敏史 著|実業之日本社

¥1,430(税込)

3.9

元左サイドバックのスペシャリストが、世界で学んだ技術と練習法をもとに、マンツーマンとゾーンの考え方、フォーメーションごとの特性・役割・相性、プレッシングやカウンター、サイド攻撃などのチーム戦術を図解で整理する。トレーニング方法まで載るのが他書との違いで、読み物であると同時に現場で開く前提のつくりになっている。

こんな人におすすめ

練習法まで欲しい指導者、サイドバックを専門に学びたい選手、図で理解したい観戦者。セットプレーの守備と攻撃のパターンを確認したい人にも役立つ構成だ。

良い点

  • 守備戦術の図解が丁寧
  • 練習法まで載っている
  • セットプレーまで網羅

気になる点

  • 文章量は少なめ
  • 現代の可変システムは薄い
  • 観戦エッセイとしては淡白

出版社

実業之日本社

発売日

2013年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

サイドバックの章があるの、ちょっと珍しいですよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

著者が左サイドバックのスペシャリストで、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、オランダで学んだ人だからね。

自分のポジションの目線で書ける強みがある。マンツーマンとゾーンの基本から、オーバーラップのタイミング、クロスボールへの対応まで、実戦の動きとして整理されている。

橘ナナミ

橘ナナミ

練習法が載ってるのも気になります。読み物としてはどうなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

読み物としてより、現場で開く本だね。プレッシング、カウンター、ポゼッションといったチーム戦術に、機能させるポイントとトレーニングが付く。

コーチが選手に渡すにもいい。文章量は多くないから、観戦の面白さを味わう目的なら別の一冊が合うよ。

知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド
11

知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド

小澤一郎 著|ホビージャパン

¥2,145(税込)

3.7

試合の実況や解説、現場で交わされる戦術用語を、初級者にもわかる言葉で丁寧に説明する。言葉の意味が分かるとプレーの意図が見えるという当たり前の効果を、ここまで真面目に作った本は少ない。スペインリーグの試合解説で知られる著者だけに、実際の放送で耳にする用語が中心で、観戦中の「今の何?」を減らしてくれる。

こんな人におすすめ

実況や解説の言葉が追えない観戦者、子どもにサッカーIQを高めてほしい保護者、伝える言葉を探している指導者。試合の前後に少しずつ開いて、分からない語を潰していく使い方に向く。

良い点

  • 実況で使う用語が中心
  • 初級者向けの言い換えが丁寧
  • 観戦中に引きやすい

気になる点

  • 網羅的な辞典ではない
  • 体系的な理解には不足
  • 図版の量は多くない

出版社

ホビージャパン

発売日

2026年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

解説者が「ライン間」とか「ハーフスペース」って言うたびに、なんとなく流しちゃってます。

佐藤メバル

佐藤メバル

その「なんとなく」を潰す本がこれ。実況や現場で使われる戦術用語を、初級者にも分かる言葉で説明してくれる。

言葉が分かるとプレーの意図が見える、というシンプルな効果を丁寧に積み上げている。スペインリーグの解説で知られる著者だから、放送で実際に耳にする語が中心なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

子どもに教えたい親にもいいって聞きました。

佐藤メバル

佐藤メバル

それも想定されている。保護者が解説を読めるようになると、子どもの試合の見方も変わるからね。体系立てて戦術を学ぶ本ではないけれど、観戦の途中で開く辞書として、手元にあると強い味方になるよ。

最新 サッカー用語大辞典 ~世界の戦術・理論がわかる! ~
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最新 サッカー用語大辞典 ~世界の戦術・理論がわかる! ~

大塚一樹 著|マイナビ

¥1,628(税込)

3.7

オフサイドやボランチのような一般的な言葉から、コレクティブ、ポリバレントといった聞き慣れない語まで、図解で詳細に紹介する。正しい意味・類似語・ゲームでの実践法・トレーニングという4点セットで一項目を説明する構成が、単なる用語集との違い。潮流が変われば説明の言葉も変わるという前提で作られているため、更新された語感を掴みやすい。

こんな人におすすめ

用語の意味を正しく押さえたい人、指導者や分析に関わる人、辞書として手元に置きたい読者。気になる語を続けて読むと、今のサッカーが動いている方向が見えてくる。

良い点

  • 一項目の情報量が多い
  • 類似語まで整理されている
  • 実践法と練習まで触れる

気になる点

  • 通読には向かない
  • 初心者には硬い記述もある
  • 物語性は薄い

出版社

マイナビ

発売日

2014年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

用語ガイドって何冊かありますけど、辞典型と何が違うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

これは一項目の作りが違う。正しい意味、類似語、ゲームでの実践法、そしてトレーニング方法まで、ひとつの語について4方向から説明する。

引いた言葉が立体的に見えてくるんだ。オフサイドやボランチから、コレクティブ、ポリバレントまで幅も広い。

橘ナナミ

橘ナナミ

通読する感じではないですよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、辞書として使う本。ただ、気になる語を10個ほど続けて読むと、今のサッカーがどの方向に動いているかが見えてくる。

トレンドが変われば説明の言葉も変わるから、手元に置いて折々に引き直すのが正しい使い方だよ。

サッカー布陣図鑑 オールカラー! 観戦力を鍛える41のフォーメーション
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サッカー布陣図鑑 オールカラー! 観戦力を鍛える41のフォーメーション

杉山茂樹 著|廣済堂出版

¥2,035(税込)

3.7

今昔の世界のフォーメーションと戦術をオールカラーで並べ、採用する監督やチームモデル、攻撃性や難易度の5段階評価、対峙する布陣との相性まで図示する。日本代表の歴代布陣が並ぶページは資料としても貴重で、1人・2人退場時のレアな布陣まで収録されているのは他に類がない。眺めるだけで観戦の引き出しが増える。

こんな人におすすめ

布陣を眺めて覚えたい人、日本代表の歴代の形を振り返りたい人、ビジュアルで楽しみたい読者。試合前に対戦カードの相性ページを開いてから観る、という使い方も面白い。

良い点

  • オールカラーで見やすい
  • 5段階評価で比較しやすい
  • 退場時のレア布陣まで収録

気になる点

  • 文章による考察は少なめ
  • 評価の根拠は簡潔
  • 最新シーズンの更新は限定的

出版社

廣済堂出版

発売日

2014年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

図鑑って言うから絵本みたいなものを想像してたんですけど、けっこう厚いんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

中身はかなり本格派だよ。今昔の世界のフォーメーションをオールカラーで並べて、採用した監督やチーム、攻撃性や難易度を5段階で示す。

対峙する布陣との相性まで図示されているから、試合前に対戦カードを眺めるだけで面白い。

橘ナナミ

橘ナナミ

日本代表の歴代布陣も載ってるんですよね?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが資料的に貴重。時代ごとに代表が何を選んできたかが一目で分かる。さらに1人・2人退場したときのレアな布陣まで入っている。

書店員時代、この「緊急時」のページだけを立ち読みする常連がいたのを思い出すよ。

サッカーフォーメーション図鑑 配置の噛み合わせが生む位置的優位性を理解する
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サッカーフォーメーション図鑑 配置の噛み合わせが生む位置的優位性を理解する

龍岡歩 著|カンゼン

¥1,870(税込)

3.7

4バックと3バックに分けて、フォーメーションごとの強みと弱み、メカニズム、観戦チェックポイントを整理し、対全布陣の噛み合わせ一覧まで収録する。イロハのイである4-4-2から、滅多に見ない3-4-3のダイヤモンドまで網羅する徹底ぶりが売り。過去の名チームや名勝負の読み物も入り、資料と読み物の両方を兼ねている。

こんな人におすすめ

対戦カードを見る前に噛み合わせを確認したい人、布陣の相性を理論で掴みたい人、4バックと3バックの違いを整理したい読者。試合前に予想を立てて、外れた理由を考えながら観る使い方が効く。

良い点

  • 噛み合わせ一覧が実用的
  • 強み弱みと観戦ポイント付き
  • レアな布陣まで網羅

気になる点

  • 情報量が多く通読は重い
  • 図の細部は自分で補う必要
  • 初心者にはやや専門的

出版社

カンゼン

発売日

2022年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「1日平均5試合、年間1500試合」って紹介文にあるんですけど、佐藤さん、さすがに盛ってません?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは著者の観戦量として書かれていることだね。その徹底ぶりが中身に出ていて、4-4-2から3-4-3のダイヤモンドまで、対全布陣の噛み合わせ一覧を作り上げている。

布陣の相性を感覚ではなく表で確認できるのが強みだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

相性表って、観戦中にどう使うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

試合前に「今日はこの組み合わせか」と眺めておくと、立ち上がりの狙いが読める。たとえば中盤の人数差がどこで生まれやすいか、先に予想してから見る。

予想が外れたときが一番勉強になるんだ。名勝負の読み物も入っていて、資料集でありながら読み物でもある。

サッカーフォーメーション・システム・戦術
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サッカーフォーメーション・システム・戦術

林雅人 著|ナツメ社

¥1,300(税込)

3.7

既存の戦術書が評論的でプレーに生かしにくいという問題意識から書かれ、主要なフォーメーションについて、システムと戦術をイラストで敵味方の動きを再現しながら解説する。練習法が数多く紹介されるのが最大の違いで、読んで終わりにならない。戦術眼を磨きたい選手と指導者にぴったりだと著者自身が位置づけている。

こんな人におすすめ

試合で使いたい中高生・学生の選手、練習メニューを組み立てたい指導者、戦術眼を言葉ではなく体で覚えたい人。チームの形に合わせて該当章を開く、実践前提の使い方に向く。

良い点

  • 練習法が豊富で実践的
  • 敵味方の動きを図で再現
  • 選手目線で書かれている

気になる点

  • 観戦の読み物としては淡白
  • 海外の最新戦術の更新はない
  • 図が中心で文章は簡潔

出版社

ナツメ社

発売日

2010年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

戦術書って読んでも「で、自分は何をすれば」で終わりがちなんですよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

その不満に応えるために書かれた本だよ。著者自身、戦術を概観する本は評論的でプレーヤーには物足りないと書いている。

だから1-4-4-2、1-4-3-3、1-3-5-2といった主要な形について、練習法まで落とし込んで紹介する。

イラストで敵味方の動きを再現しているから、頭の中だけで終わらない。

橘ナナミ

橘ナナミ

現役の選手が読む想定なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。戦術眼を磨きたい選手と指導者にぴったりだと著者も言っている。観戦の楽しみを深める本とは方向が違うけれど、ピッチに立つ人にとっては一番実用的な一冊になるよ。

まず自分のポジションが絡む章から試すといい。

サッカー戦術 3 フォーメーションの選択
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サッカー戦術 3 フォーメーションの選択

山本哲也 著

3.5

ボール保持時の攻撃を組み立てるために、3層か4層か、DFが3人か4人かという制限のもとで想定される36のフォーメーションを評価する。ライン間の距離を定量的にモデル化して上限を提案するなど、感覚ではなく理屈で布陣を選ぶ姿勢が際立つ。左右非対称、数的優位か1対1か、微調整かプランBかといった議論まで踏み込む独特の一冊。

こんな人におすすめ

布陣の選択を理屈で詰めたい指導者、分析や設計に関わる人、既存の戦術書では物足りない読者。通読よりも、疑問が湧いたときに該当章を開く辞書的な読み方が合っている。

良い点

  • 36の布陣を体系的に比較
  • ライン間距離を数理で扱う
  • 選択の議論が具体的

気になる点

  • 文体が硬く読みにくい箇所
  • 図や事例は多くない
  • 観戦入門には向かない

出版社

詳細情報なし

発売日

2014年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「36のフォーメーション」って突然すぎません? 3バックと4バックだけでも大変なのに。

佐藤メバル

佐藤メバル

3層か4層か、DFが3人か4人か、という制限から組み合わせを数え上げているんだ。特徴的な機能を表にまとめて、ライン間の距離は定量的にモデル化して上限まで提案する。

感覚ではなく設計として布陣を選ぶ本だね。

橘ナナミ

橘ナナミ

分析的ですね…。普通のファンが読んでも大丈夫ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

正直、読みやすい本ではない。ただ、左右非対称の形や、数的優位を作るか1対1で受けるか、微調整かプランBか、といった議論は指導者や分析に関わる人には刺さる。

書店員時代、この手の硬派な本を求める常連が一定数いた。そういう人には代えがたい一冊だよ。

シン・フォーメーション論 (footballista)
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シン・フォーメーション論 (footballista)

山口遼 著|ソル・メディア

¥1,870(税込)

3.5

サッカーを「ゲーム」として捉え、ゲームデザインの観点から配置の理由を解き明かす。ネットワーク科学で動的な配置構造を見るという視点が新鮮で、4-1-4-1という状態は本当に存在するのか、といった問いを立てるところから始まる。守備編・攻撃編で具体的な布陣とレーン論を扱い、対談も収録する。思考の枠組みが更新される一冊だ。

こんな人におすすめ

分析や指導に関わり、配置を理論から考えたい人、ゲームデザインやデータに関心のある読者、既存の図鑑に飽きた人。時間をまとめて取り、章ごとに立ち止まりながら読むのが合っている。

良い点

  • ゲーム構造から考える視点
  • ネットワーク科学の応用が刺激的
  • レーン論と対談も収録

気になる点

  • 抽象度が高く難解
  • 試合の具体例は限られる
  • 初心者には手強い

出版社

ソル・メディア

発売日

2021年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「サッカーとはゲームである」から始まる戦術書って、聞いたことがないです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の独自性だね。なぜ多くの人が4-4-2を選ぶのか、をゲーム構造から説明し、さらにネットワーク科学で動的な配置を捉えようとする。

4-1-4-1という状態は本当に存在するのか、という問いの立て方からして面白い。

橘ナナミ

橘ナナミ

ページ数も多いですし、難しそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

手強いよ、正直に言えば。でも守備編・攻撃編では4-4-2、4-1-4-1、5バック、そして5レーンや3レーンといった具体的な話に入る。

対談も入っていて、思考の枠組みが更新される感覚がある。じっくり時間をかけて読みたい人向けだね。

サッカーIQを高める サッカーシステム完全講座
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サッカーIQを高める サッカーシステム完全講座

ノーミルク佐藤(佐藤祐一) 著|かんき出版

¥14(税込)

3.5

フォーメーションを「ただの並び」ではなくチームの意図そのものと捉え、数的優位・質的優位・精神的優位の駆け引きとして読み解く。ズレ・対面・あまりという3つのキーワードで、攻撃と守備の可変を言語化していくのが特徴だ。6つの基本フォーメーションを軸に、初期配置から二次・三次配置まで段階を追い、対戦関係を整理する構成が独特で体系性が高い。

こんな人におすすめ

試合で起きている現象を言葉にしたい人、可変システムを理解したい観戦者、分析や指導に活かしたい読者。全部を覚えるのではなく、応援するクラブの形と対戦相手の項目だけを拾う読み方が効率的だ。

良い点

  • 3つのキーワードで整理される
  • 配置を段階ごとに追える
  • 対戦関係の網羅性が高い

気になる点

  • 独自用語に慣れるまで時間が要る
  • ボリュームが大きく重い
  • 図だけでは追いにくい箇所

出版社

かんき出版

発売日

2026年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「ズレ」「対面」「あまり」って、サッカーの本で見たことない言葉なんですけど。

佐藤メバル

佐藤メバル

この本の共通言語だね。相手の認知をずらす「ズレ」、数的同数を狙う「対面」、そして数的優位を作り出す「あまり」。

この3語で攻守の可変を説明しきるのが狙いで、6つの基本フォーメーションを初期配置から二次・三次配置へと段階を追って展開していく。

橘ナナミ

橘ナナミ

対戦パターンがたくさんあるみたいで、さすがに覚えられないですよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

覚える必要はないよ。たとえば自分が応援するクラブの形を一つ選んで、その対戦だけを読む。すると「なぜこの試合で中盤が空いたのか」が説明できるようになる。

辞書的に使いながら、少しずつ自分の言葉にしていく本だよ。

サッカーシステムの進化と戦術解析: 実例で学ぶ最新フォーメーションとプレースタイル (前変出版)
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サッカーシステムの進化と戦術解析: 実例で学ぶ最新フォーメーションとプレースタイル (前変出版)

ジェイ・ベース 著

3.5

4-4-2、4-3-3、3-5-2といった基本形から、ティキ・タカやゲーゲンプレスまで、実例を交えて説明する。データ分析やVRトレーニング、E-ラーニングといったテクノロジーが戦術と練習をどう変えるかに触れているのが、他の入門書との違いだ。各章で実際の試合を例に戦術の適用例を示すため、効果を視覚的に追いやすい。

こんな人におすすめ

テクノロジーとサッカーの関係に関心のある人、基本から最新動向まで一冊で眺めたい読者、指導法の未来を考えたい人。入口として使い、気になったテーマで専門書に進む読み方が合っている。

良い点

  • 基本形から最新動向まで触れる
  • VRやEラーニングに言及
  • 試合例で応用を説明

気になる点

  • 内容の深掘りは浅め
  • 図版の作りは素朴
  • 著者の経歴情報が少ない

出版社

詳細情報なし

発売日

2024年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

VRトレーニングって、サッカーの本で出てくるんですね。意外です。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の狙いでね。基本のフォーメーションの話から始めて、ティキ・タカやゲーゲンプレスといった戦術、そしてデータ分析やVR、E-ラーニングが練習をどう変えるかまで視野に入れている。

各章で実際の試合を例にしているから、応用のイメージが湧きやすい。

橘ナナミ

橘ナナミ

逆に、ひとつひとつは浅いんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

深掘りは他の専門書に譲る。ただ「サッカーの学び方が変わっていく」という視点は、今のうちに持っておいて損はない。

入門者が全体を眺める入口として使い、気になったテーマで専門書に進む。そういう読まれ方が合っているよ。

サッカー最新戦術ラボ プレスvsビルドアップ (学研スポーツブックス)
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サッカー最新戦術ラボ プレスvsビルドアップ (学研スポーツブックス)

西部謙司 著|学研プラス

3.5

現代サッカーの最先端を、前線からボールを奪いに行くプレスと、ゴールキーパーからつないで攻めるビルドアップのせめぎ合いとして描く。この二項の攻防だけに絞ることで、試合の趨勢がどこで決まるのかが見えてくる構成だ。豊富な事例を交えながら両者の詳細を明らかにするので、観戦中に注目すべき場所がはっきりする。

こんな人におすすめ

試合の流れがどこで決まるのかを知りたい観戦者、プレスとビルドアップという言葉を実感で理解したい人、観戦仲間と話を深めたい読者。通読して関係を掴む使い方が向く。

良い点

  • テーマを二項に絞った明快さ
  • 事例が豊富で具体的
  • 観戦の着眼点が増える

気になる点

  • 布陣全体の解説は薄い
  • 電子版は検索や引用が使えない
  • 網羅性より焦点を優先した構成

出版社

学研プラス

発売日

2017年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「プレス対ビルドアップ」って、一本の対立軸でまとめた本なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこだけに絞ることで、試合の趨勢がどこで決まるのかがはっきり見えてくる。前線から奪いにいくのか、ゴールキーパーからつないで剥がすのか。

そのせめぎ合いを軸に据えると、観るべき場所が変わるんだ。事例も豊富で、具体的な場面で語ってくれる。

橘ナナミ

橘ナナミ

電子版だと検索ができないって書いてあるのは気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは用途次第だね。観戦中に言葉を引きたいなら検索できる形がいい。ただ、この本は通読してプレスとビルドアップの関係を掴む方が向く。

布陣全体の話は薄いから、そちらは別の一冊で補うといいよ。

欧州サッカー戦術BOOK エイムック
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欧州サッカー戦術BOOK エイムック

ムック編集部 著|ステレオサウンド

3.5

欧州トップクラブの最先端戦術を、読み物とビジュアルの両方で紹介するムック。メッシ、スアレス、ネイマールを擁したバルセロナ、バイエルンのグアルディオラ、レスターのラニエリなど、クラブと監督を並べて写真や図版で解説する構成で、複数の書き手が担当するため視点の違いも楽しめる。雑誌的な軽さで欧州の空気に触れたいときにちょうどいい。

こんな人におすすめ

欧州サッカーを観始めた人、写真と図版でクラブごとの色を掴みたい読者、観戦の合間に気軽に読みたい人。気になるクラブのページを拾い読みするだけでも楽しめる。

良い点

  • ビジュアルが豊富で入りやすい
  • 複数の書き手の視点が味わえる
  • クラブ単位で整理されている

気になる点

  • 情報は発行時点のもの
  • ムックサイズで持ち歩きにくい
  • 体系的な学習には向かない

出版社

ステレオサウンド

発売日

2016年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

欧州クラブの戦術を写真で見られるの、観戦前の気分づくりに良さそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう読み方でいいんだよ。メッシ、スアレス、ネイマールを擁したバルセロナ、バイエルンのグアルディオラ、レスターのラニエリといった具合に、クラブと監督を並べて、写真や図版と複数の書き手の解説で見せていく。

クラブごとの色の違いが視覚で掴める。

橘ナナミ

橘ナナミ

情報が古くなってしまうのは仕方ないですよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

発行時点の情報だという前提で読むものだね。体系的な学習には向かないけれど、空気ごと楽しむムックとして優秀だよ。

書店員時代、こういう本は棚の平積みでよく売れた。手に取って眺める時間そのものが楽しい一冊だ。

2022-23欧州サッカークラブ最新戦術読本 (B.B.MOOK)
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2022-23欧州サッカークラブ最新戦術読本 (B.B.MOOK)

「サッカークリニック」編集部 著|ベースボール・マガジン社

¥550(税込)

3.5

欧州クラブをランキング形式で並べ、上位クラブの最新戦術を各国リーグに通じた記者のコラムとともに読む。順位と戦術が結びつくので、どのクラブが何をしているのかを地図のように把握できるのが特徴だ。印象に残るチームの戦い方を振り返る企画も入り、シーズンを横断して比べる楽しさがある。分量は多くないが密度が濃い。

こんな人におすすめ

欧州リーグを横断して観たい人、ランキングを入口にクラブごとの個性を知りたい読者、シーズンの振り返りをしたい人。観戦前の予習として上位クラブの項目だけ拾う使い方もいい。

良い点

  • クラブ比較がしやすい構成
  • 各国リーグの専門コラム付き
  • 名チームの戦い方も収録

気になる点

  • 対象シーズンが限定される
  • 1クラブ当たりの分量は短い
  • 体系的な戦術論ではない

出版社

ベースボール・マガジン社

発売日

2023年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

クラブランキングと戦術解説が一緒になっているの、珍しいですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが使いやすいところでね。上位クラブから順に、何をやっているチームなのかを追える。順位と戦術が結びつくから、頭の中に欧州の地図ができるんだ。

イングランド、スペイン、イタリア、ドイツと、各国に詳しい記者のコラムが入るのも贅沢だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

ページ数は多くないんですね。薄いんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

薄いけど詰まっている。印象に残るチームの戦い方を振り返る企画もあって、過去と現在を比べられる。対象シーズンが限定されるのは前提として、その年の欧州を一気に掴むには効率のいい一冊だよ。

モダンサッカーの教科書Ⅳ イタリア新世代コーチと読み解く最先端の戦術キーワード (footballista)
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モダンサッカーの教科書Ⅳ イタリア新世代コーチと読み解く最先端の戦術キーワード (footballista)

レナート・バルディ 著|ソル・メディア

¥1,345(税込)

3.5

複雑化するサッカー戦術を、イタリアの新世代コーチとの対話形式で整理する。「4局面フレームワークwithキーワード」という枠組みで、欧州最前線のトレンドを分かりやすく並べ直すのが狙いで、難しすぎる戦術論に疲れた人に向けて書かれている。指導者にも観戦者にも使える地図として機能するシリーズの一冊だ。

こんな人におすすめ

戦術論の難解さに辟易している人、キーワードから最新トレンドを掴みたい読者、指導者として言葉を整理したい人。気になったキーワードだけを拾い読みしても成立する構成だ。

良い点

  • 対話形式で読みやすい
  • 4局面の枠組みで整理
  • 最新キーワードを横断できる

気になる点

  • シリーズの既刊を読む前提もある
  • 図版は多くない
  • 網羅性より整理を優先

出版社

ソル・メディア

発売日

2022年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「最近の戦術論は難しすぎてうんざり」って紹介文、正直ほっとしました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを出発点にしている本だね。イタリアの新世代コーチとの対話形式で、複雑な戦術を4局面のフレームワークにキーワードを添えて整理していく。

読者と同じ目線から始める構成だから、置いていかれない。

橘ナナミ

橘ナナミ

対話形式って、戦術書では珍しい気がします。

佐藤メバル

佐藤メバル

珍しいし、効果的だよ。質問と答えの形だと、どこでつまずきやすいかが可視化される。指導者が選手に説明するときの言い方の参考にもなる。

シリーズの一冊だから、気に入ったら前の巻に戻る楽しみもあるよ。

戦術リストランテVI ストーミングvsポジショナルプレー (footballista)
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戦術リストランテVI ストーミングvsポジショナルプレー (footballista)

西部謙司 著|ソル・メディア

¥900(税込)

3.5

リバプールやライプツィヒが牽引するストーミングと、マンチェスター・シティやバルセロナが模索するポジショナルプレーという二大潮流の深層を扱う。同じ「攻撃的」でも思想が真逆だというところから、欧州サッカーの未来を占う構成になっている。連載をまとめた一冊で、日本の現場の監督との特別対談も収録され、海外と国内を往復できるのが貴重だ。

こんな人におすすめ

ポジショナルとストーミングの違いを腰を据えて理解したい人、シリーズを追ってきた読者、欧州とJリーグの接点を知りたい人。時間を取って通読したいときに手に取りたい。

良い点

  • 二潮流を深く比較できる
  • 連載の蓄積で具体例が豊富
  • 国内監督との対談を収録

気になる点

  • 専門性が高く初心者には重い
  • シリーズ未読だと前提が要る
  • 図版中心の構成ではない

出版社

ソル・メディア

発売日

2020年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

ストーミングとポジショナルプレーって、どちらも攻撃的なのに、なぜ対立軸なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが面白いところでね。ポジショナルは配置と優位を作って急がない。ストーミングは縦に速く、相手が整う前に畳みかける。

同じ「攻撃的」でも思想が真逆なんだ。この本はリバプールやライプツィヒ、シティやバルセロナを並べて、その深層に踏み込む。

橘ナナミ

橘ナナミ

ページ数も多いですし、読み応えがありそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

連載をまとめたものだから具体例が積み上がっている。しかも国内の監督との特別対談が入っていて、欧州の話を日本の現場に引き寄せてくれる。

シリーズを追ってきた人には特に嬉しい一冊だよ。

サッカー戦術クロニクル
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サッカー戦術クロニクル

西部謙司 著|カンゼン

¥1,650(税込)

3.5

トータルフットボールを軸に、現代サッカーの戦術の変遷をじっくり紐解く。人の並べ方は戦術の一部にすぎないという立場が全編を貫いていて、フォーメーションだけをいじっても魂は入らないという指摘が重い。新戦術が生まれる本当の意味を知るには歴史の流れが要る、という問題意識から書かれた決定版で、順番に積み上げたい人に向く。

こんな人におすすめ

戦術史を一本の線として理解したい人、フォーメーション信仰から抜けたい読者、じっくり読書の時間を取りたい人。読み終えたあとに試合を観ると、過去との対話のように見えてくる。

良い点

  • トータルフットボール軸の一貫性
  • 新戦術の意味が歴史で分かる
  • 読み物として密度が濃い

気になる点

  • 入門者には前提知識が要る
  • 図版は多くない
  • 最新の話題は中心ではない

出版社

カンゼン

発売日

2008年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「仏つくって魂入れず」って、戦術書でこんな言い方するんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

それがこの本の芯なんだ。フォーメーションだけをあれこれいじっても意味がない、どういうプレーが有利かを考えて、チームで実現する段取りを組んだ結果として配置が決まる。

その順番を逆にしてはいけないと著者は言っている。トータルフットボールを軸に、その変遷をたどっていく。

橘ナナミ

橘ナナミ

じゃあ、いきなり最新戦術から入るより、こういう本の方がいいんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

両方いるね。ただ、新戦術が生まれる本当の意味を知るには歴史の流れが要る。この本はその土台になる。少し長く時間を取って読む価値のある一冊だよ。

読み終えると、目の前の試合が過去との対話に見えてくる。

挫折しない読書ロードマップ — 用語 → フォーメーション → 戦術史 → 現代戦術

橘ナナミ

橘ナナミ

結局、何をどの順番で読めばいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

4段階で考えると迷わない。1段目は用語と戦術の輪郭。『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』や『最新 サッカー用語大辞典』で、聞き慣れない言葉を「分かる」に変える。2段目は配置と仕組みで、『サッカーシステム大全』が4つの基本形と派生形を、『サッカーフォーメーション図鑑』が対戦関係の噛み合わせを担当する。3段目が戦術史。『サッカー戦術クロニクル』や『教養としてのサッカーと戦術』で、いまの流行がどう生まれたかをたどる。4段目が現代戦術で、『サッカー店長の戦術入門』や『戦術リストランテVI』で「ポジショナル」と「ストーミング」のせめぎ合いを掴む。

橘ナナミ

橘ナナミ

順番を飛ばすと、やっぱり挫折するものですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

しやすいね。戦術史を知らずに最新本を読むと、用語が「いま突然生まれたもの」に見えてしまう。逆に、言葉の意味が曖昧なまま史実だけ追うと、何が変わったのか分からない。あと、観戦者・指導者・選手で主軸は変えたほうがいい。観戦者は2段目と4段目、指導者は戦術コンセプトとトレーニングメソッドの章がある本、選手は練習法つきの本を軸にすると、読んだ内容がそのまま現場で使えるよ。

紙・電子・読み放題、そして日本人著者と翻訳本の使い分け

橘ナナミ

橘ナナミ

電子書籍や読み放題で読めるなら、そっちのほうが楽ですよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

相性があるよ。図鑑や固定レイアウトのムックは大画面の端末向けに作られているものが多く、スマホだと図版が読みにくい。一方、新書や文庫のように文章が主体の本は電子でもストレスが少ない。読み放題の対象かどうかは時期で入れ替わるから、欲しい本が決まったら配信状況をその都度チェックするのが確実だね。紙は書き込みと付箋ができるから、フォーメーションの噛み合わせを自分で整理したい人に向いている。

橘ナナミ

橘ナナミ

日本人著者と海外の翻訳本は、どう選び分ければいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

ざっくり言うと、日本の試合や育成年代の感覚に引き寄せたいなら日本人著者、欧州の最新潮流の一次情報に近づきたいなら翻訳本だね。『サッカー店長の戦術入門』は、Jリーグのクラブで戦術分析を担当してきた日本人著者が世界の名将たちの采配を読み解く構成。『モダンサッカーの教科書Ⅳ』はイタリアのコーチが対話形式で整理する本で、翻訳本は用語の訳語が日本の実況とずれることがあるから、手元に用語集を1冊置いておくと読み進めやすいよ。

読了後、試合で見るべきポイント

橘ナナミ

橘ナナミ

本を読んだあと、試合を見るときは何に注目すればいいですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

3つだけ意識してみて。1つ目はボールのない場所。『サッカーシステム大全』が言うように、ボールに関係ない選手がどのポジションを取っているかを見ると、攻撃と守備の意図が見えてくる。2つ目はライン間の距離で、フォーメーションの本を読むと、どのラインが間延びしているかが分かるようになる。3つ目は局面の切り替え。攻撃・守備とその間のトランジションを意識すると、カウンターの起点が読める。1試合を1つのテーマで見るだけで、翌週の観戦が別物になるよ。

よくある質問

サッカー戦術の勉強は何から始めればいい?

橘ナナミ

橘ナナミ

サッカー戦術の勉強は何から始めればいいについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

まず用語と戦術の輪郭をつかむ本から始めるのが挫折しにくい順番です。『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』や『最新 サッカー用語大辞典』で言葉を「分かる」に変え、次に『サッカーシステム大全』のような配置の本へ進みます。図版の多い本から入るのがコツです。

戦術本は初心者でも読みこなせる?

橘ナナミ

橘ナナミ

戦術本は初心者でも読みこなせるについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

読みこなせます。判断材料は図版の多さと、想定読者が明記されているかどうかです。『サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本』は小学生から指導者まで幅広い読者を想定した作りで、用語に不安があっても入りやすい一冊です。

ポジショナルプレーを学ぶのにおすすめの本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

ポジショナルプレーを学ぶのにおすすめの本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来』が、ペップ・グアルディオラが現代サッカーをどう変えたかから説き起こしてくれます。『戦術リストランテVI ストーミングvsポジショナルプレー』は二大トレンドの深層を比較する構成です。

サッカー観戦がもっと楽しくなる本はどれ?

橘ナナミ

橘ナナミ

サッカー観戦がもっと楽しくなる本はどれについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『サッカー戦術の最前線 試合を観るのが10倍楽しくなる』は物語仕立てで読みやすく、「ポジショナルプレー」「サリーダ・ラボルピアーナ」「偽サイドバック」といったキーワードを章ごとに追えます。1章だけ読んでから試合を見る使い方も向いています。

戦術本は紙と電子書籍どちらがいい?Kindle Unlimitedで読める?

橘ナナミ

橘ナナミ

戦術本は紙と電子書籍どちらがいい?Kindle Unlimitedで読めるについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

図鑑や固定レイアウトのムックはタブレットなど大画面端末向けに作られているものが多く、スマホだと読みにくいことがあります。新書や文庫は電子でも快適です。読み放題の対象は時期で変わるので、欲しい本が決まったら配信状況を確認してください。

昔出版された戦術本は今でも役に立つ?

橘ナナミ

橘ナナミ

昔出版された戦術本は今でも役に立つについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

役に立ちます。『サッカー戦術クロニクル』のようにトータルフットボールを軸に変遷をたどる本は、いまの戦術が何への反動で生まれたのかを教えてくれます。流行の前提を知るために、戦術史の1冊は途中に挟んでおきたいところです。

指導者やコーチにおすすめの戦術本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

指導者やコーチにおすすめの戦術本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である』は、スペインの育成現場で指導する著者が戦術コンセプトからトレーニングメソッド論まで書いています。『サッカーフォーメーション・システム・戦術』は練習法が多く、現場で使いやすい構成です。

お金をかけずに戦術を学ぶ方法はある?

橘ナナミ

橘ナナミ

お金をかけずに戦術を学ぶ方法はあるについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

図書館の活用が第一です。絶版や中古でしか手に入りにくいムックも、蔵書になっていることがあります。文庫や新書は価格が抑えめなので、まず1冊を選び、試合を見ながら読み返すほうが、何冊も買いそろえるより身につきます。

まとめ

橘ナナミ

橘ナナミ

今日の話、すごく整理されました。まず用語の本から始めて、フォーメーション、戦術史、現代戦術の順に進めばいいんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。ただ、いきなり全部そろえる必要はないよ。1冊読み終えるたびに、実際の試合を1本見てほしい。本で得た視点を試合に当てると、頭の中で点と点がつながる。

橘ナナミ

橘ナナミ

読んで終わりにしない、と。

佐藤メバル

佐藤メバル

それ。書店員時代、戦術書を何冊も買って積んでいるお客さんに「1冊でいいから試合を見ながら読み返してごらん」と伝えたら、次の週に「ラインの上げ下げが見えた」と戻ってきてくれたことがあった。あのときの表情は今でも覚えているよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

いい話……!私も、まず1冊を試合と往復させてみます。

佐藤メバル

佐藤メバル

それがいちばんの近道だね。戦術の勉強は、ドリブルで一気に抜き去るより、後ろから丁寧につないでいくほうが、結局は点につながる。焦らず、自分のペースでビルドアップしていこう。

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Editorial Team

編集に関わる専門家