サッカー店長本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、「サッカー 店長 本」で調べてみたんですけど、情報がばらばらで、どれから手をつければいいのか分からなくなっちゃいました。そもそもサッカー店長って、どんな人なんですか?
佐藤メバル
龍岡歩という人だね。1日平均5試合、年間1500試合を観るという観察量の持ち主で、その積み重ねがそのまま本の厚みになっている。書店員の目で見ても、彼の本は「戦術の入口」と「フォーメーションの辞書」で役割がはっきり分かれているんだ。
橘ナナミ
なるほど、全部が同じ方向の本じゃないんですね。
佐藤メバル
そう。だから「どれが一番いいか」ではなく「あなたはどこから入るか」で選んだほうが失敗しない。今日はそこを軸に整理しよう。
橘ナナミ
それ気になります! さっそく選び方から教えてください。
佐藤メバル
いいよ。ポイントは、絞り方・レベル・目的・使い方・形式・原著かどうかの6つだ。
サッカー店長本の選び方
サッカー店長本だけに絞るか、他の戦術本も含めるか
橘ナナミ
まず、サッカー店長の本だけを読めばいいんでしょうか?
佐藤メバル
いい質問だね。『サッカーフォーメーション図鑑』は配置の噛み合わせを延々と見ていく本で、布陣の物差しを与えてくれる。ただ、プレーの原理や守備の組み立てまで一冊でまかなえるかというと、そこは別の本に譲る部分がある。西部謙司の『教養としてのサッカーと戦術』を横に置くと、図鑑で見た「形」に「歴史の流れ」が重なるよ。
橘ナナミ
図鑑で形、教養本で流れ、ですね。
戦術を初めて学ぶか、ある程度理解しているか(レベル別)
橘ナナミ
私は戦術の用語でつまずくタイプなんですけど……。
佐藤メバル
それなら木崎伸也の『サッカーの見方は5分で変えられる』や、小澤一郎の『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』で言葉の地図を先に作るのが早い。用語の地図がないまま図鑑に入ると、噛み合わせの話が頭に残らないんだ。
橘ナナミ
逆に、ある程度わかっている人は?
佐藤メバル
岩政大樹の『サッカーシステム大全』で基本形と派生形を整理してから図鑑に進むと、「この変則形はあの基本形の変奏か」とつながる。らいかーるとの『アナリシス・アイ』で分析の作法を足すのもいい。
観戦を楽しみたいのか、指導・分析に活かしたいのか(目的別)
橘ナナミ
私は純粋に観戦を楽しみたくて、指導はまったくの畑違いなんです。
佐藤メバル
それでいい。観戦派なら林陵平の『林陵平のサッカー観戦術』と図鑑の往復が一番楽しい。指導や分析に使うなら、坪井健太郎の『サッカーの新しい教科書』、松田浩の『サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論』、岡田武史の『岡田メソッド』のように、現場で再現する前提の本を並べる必要がある。
橘ナナミ
同じ戦術本でも、読む姿勢が変わるんですね。
1冊を読み込む入門型か、辞書的に引く教典・図鑑型か
佐藤メバル
ここは大事。『サッカー店長の戦術入門』はタイトルどおり入口として据えられた一冊で、通読向き。一方の『サッカーフォーメーション図鑑』は、試合前に「今日は4バック同士だな」と引く辞書でもある。同じ著者の本でも、読み方が違うんだ。
紙で手元に置くか、電子書籍で持ち歩くか(形式別)
橘ナナミ
電子でも読めるものなんですか?
佐藤メバル
版によって用意が違うから購入ページで確認してほしい。戦術本は図版の精度が命で、そこは端末との相性が出る。実際、内藤清志の『サッカー スモールサイドゲーム研究』は大きめの画面で読むことに適した作りだと明記されている。図鑑系は紙、用語の確認は電子、という使い分けが現実的だよ。
原著まで読むか、監修本で要点を掴むか
佐藤メバル
龍岡歩は翻訳・監修の側でも仕事をしていて、『ポジショナルフットボール教典』『組織的カオスフットボール教典』は海外の原著を日本の読者向けに整えたものだ。まず監修版で骨格をつかみ、細部が気になったら原著へ、という順番でいい。
橘ナナミ
いきなり原著はハードル高いですもんね。
サッカー店長本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
サッカー店長本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

サッカーの見方は5分で変えられる
木崎伸也 著|朝日新聞出版
¥1,870(税込)
「なぜシュートを打たないの?」「なぜ前ではなく横の人にパスするの?」——観戦初心者が抱く素朴な疑問から始まり、フォーメーション、ポジショナルプレー、可変システムまでを豊富な図表で解きほぐす入門書です。世界各国のサッカーを定点観測してきた木崎伸也氏が、失点しやすい3つの守備パターン、攻撃の3つのコンセプト、ペップとクロップの比較、現代サッカーの4つのトレンド、そして日本代表の観戦法までを一冊に収めています。用語を並べるだけの辞典とは違い、「なぜそう見えるのか」から説明してくれるのが最大の違いです。
こんな人におすすめ
サッカー観戦を始めたばかりで「ボールを追うだけで精一杯」という人、W杯や代表戦の前に基礎を押さえたい人、家族や友人と観戦しながら会話を楽しみたい人に最適。図表が多いので活字が苦手な人や学生にも取りつきやすく、テレビ観戦のお供にちょうどいい一冊です。
良い点
- 素朴な疑問から入るので挫折しにくい
- 図表が豊富で戦術用語が頭に入る
- 日本代表の観戦法までカバー
気になる点
- 戦術の深掘りは入門レベル
- 上級者には物足りない内容
- 図版前提のため画面が小さいと見づらい
出版社
朝日新聞出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
サッカーの本を読んでみたいんですけど、用語が難しそうで……。試合を見ても、ボールを持っている人のことしか目で追えていない気がします。
佐藤メバル
いい質問だね。その「ボールしか見えない」状態こそ、この本が想定している読者なんだ。木崎さんは素朴な疑問から入って、守備の3パターン、攻撃の3コンセプト、ペップとクロップの違い、現代の4トレンドへと段階を上げていく。
図表で都度立ち止まれるから、戦術の話が初めてでも置いていかれないよ。
橘ナナミ
なるほど……。日本代表のページまであるんですね。代表とクラブって、見方も変わるんですか?
佐藤メバル
そこが最後の章の面白さだね。「代表チーム」と「クラブチーム」の違いから始まって、森保ジャパンの複数の布陣まで触れている。
集まれる時間が短い代表は、クラブとは前提が違う。その視点が持てると、代表戦の見え方がぐっと変わる。まずはこの一冊で土台を作るのがおすすめだよ。

サッカー戦術が簡単に分かる本 (マイナビ文庫)
西部謙司 著|マイナビ
スペインのクラブでは幼少期からトッププロまで、一貫したポリシーにのっとった戦術理解が浸透している——その対比から始まる戦術入門です。ドリブルの個人戦術という小さな単位から、イタリア・ACミランの伝説的プレッシング、バルセロナのポゼッションサッカーまで、イラストと図版を多用し、「なんとなく知っている風」でやり過ごしてきた部分をゼロから理解できるように構成されています。もとは単行本を改題し文庫化したもの。西部謙司氏と北健一郎氏という二人の書き手が、小学生から指導者まで同じ地平で読めるように書いているのが強みです。
こんな人におすすめ
用語は聞いたことがあるけれど説明はできない、という人。小学生の子どもと一緒にサッカーを見る親、部活やスクールで教える立場の先生やコーチにも向きます。文庫なので持ち歩きやすく、通勤・通学の合間に区切りよく読めるのも助かります。
良い点
- 個人戦術からクラブ戦術まで一気通貫
- 図版が多く退屈しない構成
- 文庫で持ち歩きやすい
気になる点
- 元になった本は2011年刊行
- 最新の潮流は別途フォローが必要
- 網羅性重視で深さは控えめ
出版社
マイナビ
発売日
2014年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ドリブルって個人技だと思ってたんですが、紹介文に「ドリブルの個人戦術」ってあって。個人技も戦術に入るんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の入り口のうまさだね。西部さんと北さんは、いきなりチーム戦術から始めない。まず一人の選手がどこに運ぶかという個人戦術から入って、ACミランのプレッシング、バルセロナのポゼッションへ階段を上がっていく。
小さい単位から積み上げるから、途中で脱落しないんだ。
橘ナナミ
なるほど……。でも、元になった本が2011年だと、ちょっと古くないですか?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。だから歴史の入口として読むのが正解。ポゼッションやプレッシングがどういう理屈で生まれたのか、その骨格は今も変わっていない。
最新のトレンドは別の一冊で補えばいい。土台を文庫サイズで手元に置けるのは、書店員としてもありがたい一冊だよ。

知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド
小澤一郎 著|ホビージャパン
¥2,145(税込)
実況で流れてくる戦術用語の意味を、初級者にもわかる言葉で丁寧に説明してくれる戦術用語ガイドです。スペインリーグの試合解説で人気のサッカージャーナリスト・小澤一郎氏が、試合の実況や現場で用いられる用語を取り上げ、意味を知ることでプレーの意図や戦術の狙いがクリアになるように構成。用語集でありながら読み物として通読できるのが、辞書的な類書との違いです。YouTubeや試合解説で活躍する著者ならではの、親切で噛み砕いた語り口が全編を支えています。
こんな人におすすめ
実況や解説の言葉を「なんとなく」で流している観戦ファン、子どものサッカーIQを高めたい保護者、選手やチームにどう伝えるかを考える指導者。W杯やビッグマッチの前に手元に置き、気になった言葉を引く使い方が向いています。
良い点
- 用語を初級者向けの言葉で説明
- 通読も辞書的な使用も両立
- 指導者・保護者にも役立つ視点
気になる点
- 160ページで扱う語数は限られる
- 戦術の体系的な解説は少なめ
- 図解の分量は多くない
出版社
ホビージャパン
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
試合を見てると「ライン間」とか「ハーフスペース」とか、解説の人が当たり前に言うんですよね。私、毎回なんとなく聞き流してます……。
佐藤メバル
その聞き流しを回収してくれるのがこの本だね。小澤さんはスペインリーグの解説で現場にいる人だから、実況で実際に使われる言葉を選んで、初級者にもわかる言葉に置き換えてくれる。
意味がわかるとプレーの意図が見えてくる——用語集が観戦の道具になるんだ。
橘ナナミ
子ども向けにも使えるって書いてありますけど、大人が読んでも大丈夫ですか?
佐藤メバル
もちろん。むしろ大人こそ、あいまいにしてきた言葉をここで一度そろえるといい。子どもに聞かれて答えられなかった、というお父さんお母さんにもちょうどいい。
160ページと薄いから、試合前にさっと確認する辞書としても使えるよ。

サッカー止める蹴る解剖図鑑
風間八宏 著|エクスナレッジ
¥1,430(税込)
サッカーで最も大事と言われる「止める・蹴る」を、足のどの部分でボールのどこに触れるかというレベルまで分解した技術書です。元日本代表の風間八宏氏が、川崎フロンターレや名古屋グランパスで選手の技術を伸ばしてきた理論を、裸足のイラストで可視化。止める、蹴る、運ぶ、パスの4章に加え、最高技術の結晶としてメッシの技術を解剖する章まで収録しています。感覚で済まされてきた部分を言語化した類書の少なさが、この本の価値を際立たせています。
こんな人におすすめ
これから技術を伸ばしたい小中学生・高校生の選手、わが子のプレーをどう見ればいいか知りたい保護者、言葉で技術を伝えたい指導者。112ページと薄いので、練習前の確認用に手元へ置いておけます。
良い点
- 足の使い方を図解で具体的に説明
- メッシの技術分析を収録
- 薄くて練習のお供にしやすい
気になる点
- 戦術やチーム戦の話は扱わない
- 実践には反復練習が前提
- 文字量は多くない
出版社
エクスナレッジ
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、表紙からして足の絵なんですけど……。サッカーの本って戦術の話が多いのに、これは技術だけなんですね。
佐藤メバル
そう、そこが貴重なんだ。風間さんの本は「止める・蹴る」という、いちばん地味でいちばん大事な部分だけを掘る。
しかも裸足の絵にして、甲のどこで感じるか、指のどこで触るかまで描いている。感覚を言葉と絵に置き換えたから、練習のたびに戻って確認できる。
橘ナナミ
メッシの解剖図鑑も入ってるんですね。プロの技術を真似できるんでしょうか?
佐藤メバル
真似するというより、何をしているかがわかるのが収穫だよ。止める、運ぶ、パス、シュート——同じ動作をどう精密にやっているかが見えると、自分のプレーの粗さに気づける。
本の最後で風間さんも「自分の可能性にチャレンジしてみてください」と書いている。読み終えたらボールを触りたくなる一冊だよ。

サッカー「いい選手」の判断力一瞬を決める個人戦術の磨き方
鬼木祐輔 著|池田書店
¥1,980(税込)
センスや経験で片づけられがちな「判断力」を、誰でも理解できるようにイラストで解説する一冊です。「覗く(状況把握)」「情報収集」「行動判断」という3段階に判断のプロセスを分解し、試合の中で何を見て、どう考え、どう選ぶのかを明確にします。なぜボールを持つ前から差がつくのかを具体的なプレー場面で示し、判断力を勘やセンスに頼らず日常の練習で高めるトレーニングまで紹介。「見る」を再現可能な技術として扱う点で、精神論の類書とは一線を画します。
こんな人におすすめ
小学校高学年以上のサッカー選手、判断の遅さを技術不足だと思っている子、練習メニューに悩む指導者。プレーの意味を親が理解したい場面にも向いており、対象が明記されているぶん迷わず選べます。
良い点
- 判断のプロセスが3段階で明快
- 練習法までセットで紹介
- イラスト中心で読み進めやすい
気になる点
- 対象は小学校高学年以上に限定
- 戦術論ではなく個人の話
- 試合経験がある程度前提になる
出版社
池田書店
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
判断力って、センスとか才能の話だと思ってました。教えられないものじゃないんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。鬼木さんはそこを分解しちゃう。覗く、情報収集、行動判断——3段階に分ければ、どこでつまずいているかが見えてくる。
パスミスが多い子が、実は見えていなかっただけかもしれない。才能ではなく手順の問題として扱うのが、この本の面白さだよ。
橘ナナミ
対象が小学校高学年以上ってことは、小さい子には早いですか?
佐藤メバル
そこは正直に書かれている。判断の話だから、ある程度ボールを扱えて試合の経験がある年代のほうが刺さる。
逆に言えば、その年代でなんとなくプレーしている選手ほど効く。指導者が読んで、声のかけ方を変えるのにもいいよ。

サッカーいい選手の考え方 個とチームを強くする30の方法
鬼木祐輔 著|池田書店
¥1,650(税込)
長友選手のトレーナーを務め、漫画「フットボールネーション」で一部監修も担った鬼木祐輔氏が、世界のトップレベルの指導に関わる中で得た体験と経験をまとめた一冊です。「景色を覗く」「ペアリング」「視座」「目的地」といった独自のワードで、いい選手とは何か、どうしたらなれるのかを解説。20の考え方と15の動きを合わせた構成で、「見る」と「認識する」は違う、ボールなしペアリングの連続が連携だ、といったプレーイメージを言葉にする力が持ち味です。
こんな人におすすめ
基礎技術はあるのに試合で出せない中高生・大学生の選手、選手に伝わる言葉を探している指導者、動作よりも意識を重視する指導法に関心がある人。「技術とは接続である」という見方に触れたい読者に向いています。
良い点
- 独自ワードで意識の差を言語化
- 動きのカラー写真解説付き
- 6年ぶりの新刊として内容を更新
気になる点
- 独自用語に慣れるまで時間がかかる
- 戦術ボード的な図解ではない
- 技術の基礎練習は範囲外
出版社
池田書店
発売日
2021年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「景色を覗く」って、どういう意味なんですか? 普通に「見る」じゃだめなんでしょうか。
佐藤メバル
そこが鬼木さんの持ち味だね。「見る」と「認識する」は違う、0.5秒前の景色がスクショされて残る——そういう言い方で、頭の中の工程を言葉にしていく。
ふだん意識していないことを名前にするから、選手が自分のプレーを自分で点検できるようになるんだ。
橘ナナミ
長友選手のトレーナーをしていた方なんですね。それって、かなり現場の話が濃いんですか?
佐藤メバル
世界のトップレベルの指導に関わる中で得た体験と経験が下敷きになっている。だから「がんばれ」ではなく、どう意識を向けるかという具体に落ちてくる。
20の考え方と15の動き、両方から迫る構成も、頭と体を往復しながら読めるようにした工夫だと思うよ。

モダンサッカー3.0 「ポジショナルプレー」から「ファンクショナルプレー」へ (footballista)
アレッサンドロ・フォルミサーノ 著|ソル・メディア
¥1,742(税込)
ポジショナルプレーの次に何が来るのか。著者は「ファンクショナルプレー」を提唱します。監督の戦術をチームに植えつけるのではなく、選手間の創発現象からゲームモデルを作る。3つの優位性だけでなく「関係的優位」「機能的優位」が重要になる。明確なゲームプランより状況変化に対応できる「適応力」を磨く——本書はこうした前提の転換を×と○の対比で示していきます。イタリア最注目の若手理論派による、サッカーのパラダイムシフトを追う一冊です。
こんな人におすすめ
ポジショナルプレーまでは理解したがその先を知りたい人、指導者としてゲームモデルの作り方を見直したい人、海外の戦術書を原書で追うのが難しい読者。288ページを読み切る覚悟がある人向けです。
良い点
- ポジショナルプレーの先を提示
- ×と○の対比で論点が明快
- 指導者視点の具体が豊富
気になる点
- 前提知識がないと手強い
- 図版は多くない
- 翻訳調で読み進めに体力が要る
出版社
ソル・メディア
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルに「3.0」って入ってるんですけど、1.0と2.0は何だったんですか?
佐藤メバル
そこは文脈で掴むしかないけど、象徴的なのは「ポジショナルプレーからファンクショナルプレーへ」という副題だね。
位置の優位だけでなく関係や機能の優位を重視する。監督が植えつける段階から、選手間から創発する段階へ——その転換がこの本の芯だよ。
橘ナナミ
選手間の創発、って……ちょっと抽象的で、ついていけるか不安です。
佐藤メバル
正直、戦術書を何冊か読んでいないと手強い。でも明確なゲームプランより適応力を磨くほうが大事、という主張は育成にも観戦にも効く。
海外の議論を日本語で追える貴重なラインだから、背伸びして読む価値はあるよ。

サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である
坪井健太郎 著|カンゼン
¥1,707(税込)
育成大国スペインで指導する現役指導者・坪井健太郎氏が、基本から実戦方法までをわかりやすく解説する一冊です。第1章で真のサッカーの戦術とは何かを問い、第2章で戦術的視点で試合を見る方法、第3章で戦術コンセプト、第4章でトレーニングメソッド論へと進む構成。目に見えるトレンドに一喜一憂せず背景を押さえるという姿勢が貫かれ、「戦術とは問題を解決する行為である」というタイトルの主張どおり、目の前の現象から出発するのが流行追い型の類書との違いです。
こんな人におすすめ
目に見えるトレンドに振り回されたくない指導者、どのようなサッカーにも通用するベーシックを身につけたい人、育成年代のコーチ。スペインの視点から日本を捉え直したい読者にも向いています。
良い点
- 基本から実戦まで段階的に進む
- 流行に流されない視点が得られる
- 4章構成で論点が整理されている
気になる点
- 観戦入門としては難しめ
- 具体的な図解は限られる
- 指導者向けの色が濃い
出版社
カンゼン
発売日
2014年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「戦術とは問題を解決する行為である」って、ちょっと哲学っぽいタイトルですよね。これ、観戦するだけの私でも読めますか?
佐藤メバル
正直に言うと指導者向けの色が濃い。でも第2章の「サッカーを戦術的視点で見る方法」は観戦にも効く。試合で起きているうまくいかないことを、チーム戦術・グループ戦術・個人戦術の層で捉える——問題の解像度が上がるんだ。
橘ナナミ
スペインで指導している方が書いた本なんですね。日本のサッカーとはやっぱり違うんでしょうか。
佐藤メバル
そこが読みどころだよ。育成大国の現場にいるからこそ、日本で流行しているものとの距離が見える。流行を追うのではなく、背景にある事柄をしっかり押さえようという姿勢が全編を貫いている。
指導者なら第4章のトレーニングメソッド論まで、じっくり付き合いたい一冊だね。

サッカー戦術の教科書 プレーモデルが試合を決める
小澤一郎 著|マイナビ出版
¥1,804(税込)
ピッチ上では必ず問題が起きる。その問題を処理する手段が戦術だ——という立場から、攻撃・ネガティブトランジション・守備・ポジティブトランジションの4局面を、チーム戦術・グループ戦術・個人戦術に区別して解説します。各チームが局面ごとに設定する「プレーモデル」を知ることで、試合中の現象が読めるようになる構成。QRコードから戦術解説動画に飛べるうえ、巻末には2010-11シーズンのクラシコの戦術解説も収録されています。
こんな人におすすめ
試合を見ていて「今なにが起きたのか」を言葉にしたい観戦者、プレーモデルという言葉を理解したい指導者や選手、動画と紙を往復して学びたい人。160ページで要点を掴みたいときにちょうどいい一冊です。
良い点
- 4局面という切り口が明快
- 動画解説で理解を補える
- クラシコの実例解説を収録
気になる点
- 図版より文章中心の構成
- 育成年代向けの記述は限られる
- 動画視聴が前提になりがち
出版社
マイナビ出版
発売日
2024年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ネガトラ、ポジトラって、SNSでよく見かけるんですけど、いまいちピンとこなくて……。
佐藤メバル
そこを正面から扱っているのがこの本だね。攻撃、ネガトラ、守備、ポジトラの4局面に分けて、それぞれのプレーモデルを説明する。
サッカーを4つの場面に切り分けると、見ている試合が急にくっきりしてくるよ。
橘ナナミ
QRコードから動画が見られるって、本に書いてあるんですね。紙と動画、どっちを先に見ればいいんでしょう。
佐藤メバル
まず試合を見て、解説ページを読んで、動画で確認する——この順番が想定されていると思う。巻末のクラシコの戦術解説は、実際の試合と突き合わせると効く。
160ページと軽いから、ひとつの試合を深く掘る練習台にもちょうどいいよ。

サッカーシステム大全
岩政大樹 著|マイナビ出版
¥1,694(税込)
広いピッチを22人が絶え間なく動き回るサッカーを、システムという土台から解きほぐす一冊です。現代に見られる多様なシステムを4つの基本形とその派生形として整理し、3-1-4-2のような固定システムから、アシンメトリーな形、攻撃と守備で異なる可変システムまでを扱います。Jリーグの各クラブがどのシステムを採用しているかが随所に記載されているのが、海外の戦術書にはない強みです。
こんな人におすすめ
指導者や選手として自チームと相手の噛み合わせを考えたい人、ボールの動きではなくボールに関係ない選手を見るようになりたい観戦者、可変システムを整理したい人。128ページで全体像を掴みたいときに。
良い点
- 4つの基本形で整理され頭に入る
- Jリーグの採用システムが載る
- 可変システムまで言及
気になる点
- ページ数が少なく各論は簡潔
- 戦術史の物語性は薄い
- 図の理解が前提になる
出版社
マイナビ出版
発売日
2021年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「システム大全」って、大全って言うわりに128ページなんですね。こんなに薄くて大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
そこは逆で、薄さが設計なんだと思う。あらゆるシステムを4つの基本形と派生形に整理して、一見複雑なものをぐっと見通しよくしてくれる。
覚えるべき骨格だけを残したから、この分量に収まったんだね。
橘ナナミ
Jリーグのクラブがどのシステムを使っているかも書いてあるんですか。それは観戦で使いやすいですね。
佐藤メバル
そこが国内の本の強みだよ。海外の戦術書だと、自分のひいきのクラブに当てはめる作業が要るからね。相手チームのシステムの特徴、メリット、デメリットが読めれば、有効な戦い方も見えてくる。
観戦の解像度を一段上げたい人に向いているよ。

岡田メソッド――自立する選手、自律する組織をつくる16歳までのサッカー指導体系
岡田武史 著|英治出版
¥3,520(税込)
W杯を2度指揮した岡田武史氏が、FC今治のオーナーとして4年かけて体系化した「岡田メソッド」を一冊にまとめたものです。プレーモデルの意義と全体像、共通原則・一般原則・個人とグループの原則・専門原則、ゲーム分析とトレーニング計画、コーチング、チームマネジメントまでを網羅。150点超の図解と100項目超の付録用語集、2色刷で、原則から現場の実践まで辿れる構成です。サッカー本大賞2020で特別賞と優秀作品をダブル受賞しています。
こんな人におすすめ
育成年代の指導者、プレーモデルという考え方を自チームに落としたいコーチ、選手に「どんなときにどうプレーするか」を伝えられずに悩んでいる人。296ページを辞書のように使い続けたい読者に向きます。
良い点
- 原則から現場までを網羅
- 図解150点超で具体的
- 付録用語集が実用的
気になる点
- 価格帯が高め
- 読み通すには時間がかかる
- 観戦目的だけでは重い
出版社
英治出版
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「16歳まで」って区切られているのが気になります。それ以降は教えない、ということですか?
佐藤メバル
そこがこの本の核だね。16歳までにプレーモデルを落とし込んで、あとは自由にする。自立した選手と自律したチームを作るための〈型〉を、原則として伝える方法論なんだ。
状況ではなく原則で伝えるから、選手が自分で判断できるようになる。
橘ナナミ
W杯を2度指揮した方が、クラブのオーナーになって作った本なんですね。図解が150点以上って、かなり分厚そうです。
佐藤メバル
296ページ、用語集も100項目超。正直、通読するより現場で何度も開くタイプの本だよ。実在プレーヤーが登場するコラムもあるから、指導者でなくても読みどころがある。
本賞をダブル受賞したのも納得の作りだね。

林陵平のサッカー観戦術: 試合がぐっと面白くなる極意 (1051;1051) (平凡社新書 1051)
林陵平 著|平凡社
¥1,100(税込)
元Jリーガーで現在はサッカー解説者として活躍する林陵平氏が、90分間で観るべきポイント、各ポジションの役割と象徴する選手、各システムの特徴、現代の名将たちの志向性を整理した一冊です。4-4-2から3-1-4-2までを一つずつ押さえ、グアルディオラ、クロップ、アルテタ、デ・ゼルビ、アンチェロッティ、シメオネ、モウリーニョと並べていく。「個人的に推したい」選手を挙げる章と、著者自身のサッカーノートの話まで含め、観戦者の目線で書かれているのが類書との違いです。
こんな人におすすめ
海外サッカーを見始めた人、応援するクラブ以外の試合も楽しめるようになりたい人、新書サイズで持ち歩きながら観戦したい人。ポジションとシステムの基礎をまとめて押さえたいときにも向いています。
良い点
- 90分の観戦ポイントが具体的
- 名将と推し選手の章が楽しい
- 新書で手に取りやすい
気になる点
- 戦術の深い理論には踏み込まない
- 選手名の情報は時点が固定される
- 図解の分量は控えめ
出版社
平凡社
発売日
2024年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
元Jリーガーの方が書いた観戦術、って聞くと、プロの目線すぎてついていけなさそうなんですけど……。
佐藤メバル
そこが意外と違うんだ。林さんは「観戦をより楽しむためのエッセンス」という言い方で、90分のどこを見ればいいかから書いている。
4-4-2なら4-4-2の特徴、というふうにひとつずつシステムを並べてくれるから、予習としても使えるんだ。
橘ナナミ
名将の章があるんですね。グアルディオラとかクロップとか、名前は聞いたことあります。
佐藤メバル
そう、そこが読んでいて楽しいところ。ただの紹介ではなく、その人が何を志向しているかを観戦のヒントに変換してくれる。
最後の章の「僕の相棒『サッカーノート』」なんて、読んだら自分もノートを買いたくなるよ。新書なので試合前の電車の中でも読める。

アナリシス・アイ ~サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます~(小学館新書)
らいかーると 著|小学館
得点したら喜び、失点したらだんまり、勝てばすべて良し——そんな見方では現代サッカーに取り残される。SNSで精力的に活動する「戦術クラスタ」の最古参である著者が、新しくて面白いサッカーの「分析眼」の習得法を提示します。プロの監督から一ファンまで戦術的な試合分析が広がる状況を踏まえ、自分で試合を読み解くための視点を手渡してくれる一冊。アジアカップを終え、コパ・アメリカを控える日本代表の未来にも触れています。
こんな人におすすめ
SNSの戦術解説を読んで「自分もああいうふうに見たい」と思った人、応援一辺倒から一歩進みたい観戦者、試合後に友人と感想戦をしたくなる人。新書で気軽に分析の入口に立ちたいときに向いています。
良い点
- 分析眼の習得法に焦点を当てる
- 戦術クラスタの空気がわかる
- 新書で読みやすい
気になる点
- 体系的な戦術教科書ではない
- 代表に関する記述は時点が固定される
- 図解は少なめ
出版社
小学館
発売日
2019年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「サッカーが“ながら見”できなくなる本」って、キャッチコピーが強烈ですね。ながら見、私けっこうやってます……。
佐藤メバル
そこを突いてくるのがらいかーるとさんらしさだね。観戦の仕方そのものを問い直す。勝った負けたではなく、試合の中で何が起きていたかを自分の言葉で説明できるようになる——分析は特別な人だけのものじゃないというのが本書のメッセージだよ。
橘ナナミ
戦術クラスタの最古参、という書き方がされているんですね。SNSの人たちの話って、ちょっと敷居が高い気がします。
佐藤メバル
むしろその敷居を下げるために書かれた本だと思う。プロの監督から一ファンまで分析が広がっている今、入口がどこかを示してくれる。
日本代表の未来を見据える視点も入っているから、代表戦の前後に読むとちょうどいいよ。

教養としてのサッカーと戦術
西部謙司 著|エクスナレッジ
¥1,760(税込)
めまぐるしく進化する現代サッカーをどう読み解くか。日本を代表する戦術ライティングの名手・西部謙司氏が、戦術の歴史とサイクルを紐解き、流行に惑わされない見識を届けます。第一部「戦術の進化史」では戦術の最先端、攻防史、プレスvsビルドアップの源流、革新のゾーナル・プレッシング、進化するのは戦術か人かを扱い、第二部ではプレッシングの起源、「偽9番」の系譜、ポジション進化論などを展開。戦術を知ることはサッカーの本質に迫る近道という立場が全編を貫きます。
こんな人におすすめ
観戦力をワンランク上げたい人、戦術史を一本の流れとして理解したい人、2026年W杯や欧州クラブシーンを前に予習したい人。流行の用語に振り回されたくない読者にこそ向いています。
良い点
- 進化史と本質論の二部構成
- 偽9番など系譜で語る視点
- 著者の欧州取材に裏打ちされる
気になる点
- 入門書としては難しめ
- 図解は限られる
- 歴史の記述が中心になる
出版社
エクスナレッジ
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
戦術の本って、新しいトレンドの話ばかりな気がするんですけど、これは「進化史」から入るんですね。
佐藤メバル
そこが西部さんの持ち味だよ。流行を追いかけると、半年で陳腐化する。でもなぜその戦術が生まれたのかという流れを掴んでおけば、次の流行が来たときに「あの系譜か」と読める。
プレスとビルドアップの源流から始めるのは、そのためだね。
橘ナナミ
「偽9番」の系譜、という章が気になります。そんなに長い歴史があるんですか?
佐藤メバル
そこが面白いところで、ポジションを固定した箱ではなく役割の進化として捉え直せる。商社勤務を経て編集の現場に入り、パリに住んで欧州を取材してきた人の筆だから、歴史の記述にも現場の匂いがある。観戦力を一段上げたい人にいいよ。

サッカーはデータが10割
イアン・グラハム 著|飛鳥新社
ケンブリッジ大学で物理学の博士号を持つデータ分析家が、くすぶっていた名門チームをどう補強して立て直したのか。移籍市場で選手がどう数値で評価され、どう補強されているのか、メッシとロナウドはどちらがすごいのか——サッカー界の常識を変えた「データ理論」の全貌を明かす一冊です。日本版向けの特別加筆があり、遠藤航、南野拓実についての論評も収録されているのが日本語版の読みどころ。感覚で語られてきた世界を数字で捉え直します。
こんな人におすすめ
移籍市場や補強の裏側に興味がある人、選手評価の新しいものさしを知りたい人、データ分析からサッカーを見てみたい人。サッカー版のマネーボールを読みたい読者にぴったりです。
良い点
- データ分析の実例が具体的
- 移籍市場の仕組みが見える
- 日本版特別加筆がある
気になる点
- 戦術書ではない
- 数字の話が続く箇所がある
- クラブ内部の話が中心
出版社
飛鳥新社
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
メッシとロナウド、どっちがすごいかって、データで決着つけられるんですか? そんなの永遠に終わらない気がします……。
佐藤メバル
そこを真面目に数字で扱うのがこの本だね。物理学の博士号を持つ分析家が、移籍市場で選手がどう評価され、どう補強されるかに踏み込む。
感覚で語られてきた世界にものさしを持ち込む——サッカー版のマネーボールと呼ばれる所以だよ。
橘ナナミ
遠藤航と南野拓実の話も入ってるって書いてあります。日本人選手の評価って、海外でどう見られているんでしょう。
佐藤メバル
そこが日本版向けの特別加筆の面白さ。現地の分析の言葉で日本人選手が論じられるのは貴重だよ。戦術ではなくクラブ経営や補強の話が中心だから、観戦とは別の角度からサッカーに詳しくなれる。
数字が苦手でも読み物として引き込まれると思う。

ヨハン・クライフ サッカー論
ヨハン・クライフ 著|二見書房
¥1,760(税込)
「シンプルなプレーこそ、もっとも美しいプレーである」——パスとは、ドリブルとは、ヘディングとは。シンプルな問いに答えていく形で、65年間のサッカー哲学を29の教えとしてまとめた一冊です。選手としても監督としても頂点を極めたクライフが、65歳を迎えたときにサッカー界へのメッセージとして書くことを決意した集大成で、日本初の邦訳として刊行されました。「サッカーはミスを犯すスポーツだ」というまえがきの言葉が、全編の温度を決めています。
こんな人におすすめ
サッカーの原点に立ち返りたい人、上手くなりたいのに伸び悩んでいる選手、指導の言葉に迷っているコーチ。他の戦術書に疲れたときに開くと、視界がクリアになる一冊です。
良い点
- 29の教えで構成が明快
- 日本初邦訳の価値が大きい
- プレーへの向き合い方が変わる
気になる点
- 現代戦術の解説は目的外
- 図解は多くない
- 内容はシンプルゆえ深い
出版社
二見書房
発売日
2014年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
クライフって、選手も監督もすごかった人ですよね。その人が「サッカーはミスを犯すスポーツだ」って書いてるのが、意外というか……。
佐藤メバル
そこがこの本のいいところだね。自分を成長させるということは、ミスを5個から4個に減らすことだ——そう言い切る。
完璧を目指すのではなく失敗を前提にする。だから「パスとは」「ドリブルとは」という素朴な問いから始まる構成が生きてくるんだ。
橘ナナミ
日本初の邦訳、というのも大きいですね。ずっと読めなかったんですか。
佐藤メバル
そう。トータルフットボールという革命的な戦術で選手としてサッカー界をリードし、バルセロナの監督としても結果を残した人の理論は、グアルディオラをはじめ多くの指導者や選手に受け継がれ、現代サッカーの基礎になっている。
その本人の言葉が日本語で読める意味は大きいよ。

蹴球学 名将だけが実践している8つの真理
Leothefootball 著|KADOKAWA
¥1,980(税込)
紙・電子累計5万部を突破し、日本代表の酒井宏樹選手も推薦する戦術書です。日本代表MF佐野海舟選手の個人分析官に就任した著者が、攻撃編・守備編・応用編の講義形式で真理を展開。ポジショナルプレーと正対理論、Waiting Point論とアピアリング、矢印理論、同サイド圧縮、ロックとT字の原則など、独自の名前をつけた原則を次々に提示します。アーセナル対マンチェスター・シティ、PSG対バイエルンといった実例の分析も収録されています。
こんな人におすすめ
試合を見ながら「なぜそこで待つのか」を考えたい人、YouTubeの戦術分析をもっと体系的に学びたい人、指導者として原則を言葉にしたい人。講義形式で一気に読み進めたいときに向いています。
良い点
- 原則に名前がつき記憶に残る
- 攻撃と守備を両輪で扱う
- 実例分析を巻末に収録
気になる点
- 独自用語の確認が必要
- 前提となる戦術知識が要る
- ページ数は多め
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「Waiting Point論」とか「矢印理論」とか、聞いたことのない言葉が並んでいて……。これ、覚えないと読めないんでしょうか。
佐藤メバル
名前がついているのは逆に親切なんだよ。名前がなければ見えてもいない現象に名前をつけて、原則として持ち歩けるようにしている。
観戦中に思い出せる引き出しが増えると思えばいい。講義形式だから、一講義ずつ区切って読めるのも助かるね。
橘ナナミ
YouTuberの方が書いた本なんですね。動画と本、どっちが先がいいですか?
佐藤メバル
動画で雰囲気を掴んでから本で整理するのがいいんじゃないかな。佐野海舟選手の個人分析官に就任したというのも、分析が現場で使われている証拠だよ。
読むと試合の見方が作業から発見に変わる、密度の濃い一冊だね。

世界一受けたいサッカーの授業 戦術・戦略に欠かせない100の基本
ミケルエチャリ 著|ベースボール・マガジン社
¥1,707(税込)
スペイン・リーグで35年間、戦術インストラクターとして指導者の養成に携わってきた著者による戦術書です。サッカーというゲームを有利に進めるうえで必要不可欠な100の格言を中心に、バリエーション豊かな練習メニューを紹介。「心技体」を通じて試合を有利に進めようとする風潮の強い日本とは対照的に、徹底的に知識を通じて試合を有利に進めるスペインサッカーの源流を学び取れるのが特徴です。
こんな人におすすめ
選手に何を伝えるかで悩む指導者、戦術的な知識を体系立てて整理したい人、育成年代の目的設定と方法論に関心がある人。練習メニューの引き出しを増やしたいときにも役立ちます。
良い点
- 100の格言で知識を整理できる
- スペインの育成思想に触れられる
- 練習メニューが豊富
気になる点
- 格言集のため体系性は弱い
- 日本の現場に合わせた調整が必要
- 観戦入門には不向き
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2017年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「心技体」じゃなくて「知識」で試合を有利にする、というのが新鮮です。日本だと気持ちの話になりがちじゃないですか。
佐藤メバル
まさにその対比がこの本の主題だね。スペイン・リーグで35年間、指導者の養成に携わってきた人が、100の格言を通じて知識の伝達を説く。
戦術は技術よりも短い時間で習得される——この一言だけでも、指導の順番を考え直すきっかけになるよ。
橘ナナミ
でも、100個の格言って、日本のサッカーにそのまま当てはまるんでしょうか。
佐藤メバル
そこは読み手の調整が要る。ただ、知識の伝達方法は議論の的になり続けるという前提に立っているから、押しつけではないんだ。
格言と練習メニューがセットになっているから、明日の練習で試せる形になっている。指導者にとっては実用の一冊だよ。

サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論
松田浩 著|カンゼン
¥2,530(税込)
日本サッカー協会の技術委員を務め、ゾーンディフェンスのパイオニアと呼ばれる著者が、守備メソッドと理論を徹底解説した一冊です。ボールの位置と味方の位置で決まる守備位置、飛び込まずにパスコースを限定する第一線の守備、ラインコントロール、危険なクリティカルフェイズなど、守備の言語が詰まっています。Jリーグ監督時代に実際に使っていた対戦相手の分析ノートやトレーニングメニューを初公開しているのも貴重です。
こんな人におすすめ
守備の指導に悩むコーチ、ゾーンディフェンスを理論から理解したい選手、日本の守備がなぜ世界で通用しないのかを考えたい人。304ページを腰を据えて読みたい読者に向いています。
良い点
- 守備に特化した稀有な一冊
- 実戦の分析ノートを公開
- トレーニング集が付録につく
気になる点
- 守備以外のテーマは扱わない
- 分量が多く時間がかかる
- 専門用語が密集する
出版社
カンゼン
発売日
2015年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
サッカーの本って攻撃の話が多い気がするんですけど、これは守備だけなんですね。304ページも……。
佐藤メバル
そこが貴重なんだよ。守備をここまで体系立てて書いた本は多くない。「水族館のイワシの群れがワッと動く動きが理想」といった比喩で、ゾーンディフェンスの感覚を掴ませてくれる。
守備の主導権はあくまで守備者にあるという考え方は、見方を変えるよ。
橘ナナミ
Jリーグの監督時代の分析ノートが初公開、というのも気になります。普通は見られないものですよね。
佐藤メバル
そう、そこが実用の核。なぜ4-4-2なのか、4-3-3や4-1-4-1の試行錯誤で何が見えたのか、現場の記録として残っている。
育成年代の3対3のゾーンディフェンスにも触れているから、指導者は年代を問わず使える。観戦者なら失点場面の見方が変わる一冊だね。

サッカーフォーメーション図鑑 配置の噛み合わせが生む位置的優位性を理解する
龍岡歩 著|カンゼン
¥1,870(税込)
1日平均5試合、年間1500試合を観戦する著者による、フォーメーションだけを扱った異色の一冊です。4-4-2から3-4-3(ダイヤモンド)まで、4バックと3バックに分けて、それぞれの強みと弱み、メカニズム、観戦チェックポイントを整理。対全布陣の噛み合わせ一覧や、過去の名チームを扱うコラム「フォーメーション名勝負数え歌」まで収録した、網羅性の高い図鑑になっています。
こんな人におすすめ
システム名は知っていても違いを説明できない人、試合前に両チームの噛み合わせを予習したい人、珍しい形まで眺めてみたい物好きな読者。図鑑として気になる形から開く使い方も楽しい一冊です。
良い点
- 4バック・3バックを網羅
- 対戦噛み合わせ一覧が実用的
- コラムの読み物パートが楽しい
気になる点
- 戦術の背景説明は最小限
- 好みが分かれる濃い内容
- 通読より拾い読み向き
出版社
カンゼン
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「フォーメーション変態による変態フォーメーション本」……って、紹介文がすごいんですけど、これ大丈夫な本ですか?
佐藤メバル
大丈夫、というか、この振り切れ方が価値なんだ。1日平均5試合、年間1500試合も観る人が、4-4-2から3-4-3(ダイヤモンド)までを並べている。
対全布陣の噛み合わせ一覧なんて、実用で作ろうとしたらまず作れないよ。
橘ナナミ
N-BOXとか、聞いたことのないフォーメーションまで載ってるみたいで……。そこまで覚える必要あるんでしょうか。
佐藤メバル
覚える必要はない。「4-4-2は原点」「4-2-3-1は黄金のバランス」と、その形が何を狙っているのかを知ると、試合前の予習が一段楽しくなる。
コラムの名勝負数え歌は読み物としても面白い。最初から通読せず、気になる形から開くのがおすすめだよ。

「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論 (footballista)
林舞輝 著|ソル・メディア
¥2,772(税込)
戦術的ピリオダイゼーションとバルセロナ構造主義——欧州最先端をリードする二大トレーニング理論を扱った一冊です。著者はイギリスの大学でスポーツ科学を首席で卒業し、チャールトンFCのアカデミーでコーチを務めたのちポルト大学の大学院へ進学。ポルトガル1部リーグのクラブで対戦相手の分析・対策を担当し、モウリーニョが講師を務める指導者養成コースでも学びました。25歳でJFLクラブの監督に就いた異色の書き手による、進化するサッカーの実用書です。
こんな人におすすめ
指導者として育成理論をアップデートしたい人、スペインやポルトガルのアカデミズムに触れたい人、お父さんコーチとして理論の裏付けがほしい人。footballistaシリーズを追っている読者にも向いています。
良い点
- 最新理論を二つ並べて比較
- 著者の現場経験が厚い
- 育成年代の実践に接続する
気になる点
- 用語の難度が高い
- 観戦入門には向かない
- 価格帯は高め
出版社
ソル・メディア
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「戦術的ピリオダイゼーション」と「バルセロナ構造主義」……。日本語なんですけど、意味が全然入ってこないんですけど……。
佐藤メバル
そこは正直、最初からわからなくていい。この本は、欧州最先端の二つの理論が何を違えて、現場でどう使われるのかを並べて見せてくれる。
答えを一つに決めず、対比で理解するのが本書の読み方だよ。
橘ナナミ
25歳で監督をしていた人なんですね。ポルト大学で学んで、対戦相手の分析を担当していたって、かなり現場の人ですよね。
佐藤メバル
そう、そこが強みだね。アカデミズムと現場の両方に足がある人が書いているから、理論が地に足がついている。
全部を一度に理解しようとせず、自分のチームの年代に引き寄せて読むと効く。指導者だけでなく、お父さんコーチにも届くように書かれている一冊だよ。

サッカーのエコロジカル・アプローチ トレーニングメニュー集(制約が選手を育てる)
古賀康彦 著|ベースボール・マガジン社
¥1,760(税込)
エコロジカル・アプローチの基本概念を分かりやすく解説し、現場で即実践できる具体的なトレーニングメニューを50個掲載した一冊です。フィールドの広さ、ルールの条件、人数の不均衡、時間の制限——これらをすべて「制約」として捉え、指導者の役割は解答を教えることではなく、制約を通して学びの環境を整えることだと説きます。デモンストレーションを必要としない設計なので、プレー経験のないお父さんコーチでも取り組めるのが特徴です。
こんな人におすすめ
プレー経験がなく指導に不安がある親コーチ、練習メニューの作り方を根本から見直したい指導者、サッカー以外の競技にも応用したい人。160ページで要点を掴みたいときに最適です。
良い点
- 50のメニューが具体的
- 経験がなくても実践できる
- 他競技にも波及する考え方
気になる点
- 理論の背景は簡潔に留まる
- 技術の反復練習は扱わない
- チーム全体の設計論ではない
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2025年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「デモンストレーションを必要としない」って書いてあるのが、地味にすごいポイントですよね。お父さんコーチでもできる、と。
佐藤メバル
そこが実用の鍵だね。フィールドの広さ、人数の不均衡、時間の制限——そういうものを制約として置くと、選手が自分で考え始める。
指導者の役割は解答を教えることではなく、学びの環境を整えることだと明言している。手本を見せられない人ほど救われるよ。
橘ナナミ
エコロジカル・アプローチって、最近よく聞くんですが、そんなに新しい考え方なんですか?
佐藤メバル
サッカーだけでなくバスケなど他競技にも波及している、いま話題の考え方だね。50個のメニューは「2対2+1フリーマン」から「ウォーキングフットボールによる7対7+2GK」まで幅が広い。
全部をやる必要はなく、自分の学年と人数に合うものを選べばいい。眺めるだけでも発想が広がる一冊だよ。

サッカー スモールサイドゲーム研究 課題を制約主導アプローチで解決するためのトレーニングデザイン入門
内藤清志 著|カンゼン
トレーニングメニューを真似するだけでは選手の成長につながらない——その問題意識から書かれた、スモールサイドゲームの研究書です。世界のスモールサイドゲーム、様々なオーガナイズの作り方、実践レポートという構成で、エコロジカル・アプローチにもつながる本質的なコーチングを扱います。植田文也氏と内藤清志氏の特別対談に加え、他競技からサッカーの競技性を考える対談も収録され、全年代・全レベルに対応する内容です。
こんな人におすすめ
練習のための練習になっていると感じている指導者、制約主導アプローチを実践に落としたい人、ミニゲームの設計を理論から学びたい人。他競技の視点を借りてサッカーを見直したいときにも。
良い点
- メニューではなく設計を扱う
- 対談で論点が立体的になる
- 全年代・全レベルに対応
気になる点
- 実践には試行錯誤が必要
- 図や写真の分量は限られる
- 入門者にはやや難解
出版社
カンゼン
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「メニューを真似するだけでは成長につながらない」って、けっこう手厳しいことが書いてありますね。私、メニューを集めるの、好きなんですけど……。
佐藤メバル
そこを突きつけてくるのがこの本だね。大事なのはどのメニューをやるかではなく、そのゲームにどんな課題を埋め込むか。
課題を制約主導アプローチで解決するための設計を教えてくれる。だからメニュー集とは役割が違うんだ。
橘ナナミ
植田文也さんとの対談が入ってるんですね。エコロジカル・アプローチの本と合わせて読むとよさそうです。
佐藤メバル
そう、考え方の入口を掴んでから、こちらで設計の解像度を上げる——この順番がおすすめだよ。他競技から学ぶ対談も収録されていて、サッカーの競技性を外側から見直す視点が手に入る。
年代を問わず使えるから、長く手元に置ける一冊だね。

サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法 (edu book)
池上正 著|小学館
¥1,430(税込)
ジェフ千葉の下部組織で育成コーチを務めた著者が、大人がかまいすぎて子ども自身の気づく機会、考える契機をいかにつぶしているかを指摘し、ではどうすればいいのかを具体的に示す一冊です。子どもに寄り添う姿勢、状況に沿った具体的な声のかけ方、気持ちの受け止め方、鼓舞したいときにどうするか——サッカーというスポーツを通した子育ての極意として読める構成になっています。
こんな人におすすめ
子どもがサッカーを始めたばかりの親、声をかけるほど子どもが縮こまってしまうと感じている人、コーチとして関わり方を見直したい人。「教えすぎ」を疑いたくなったときに手に取りたい一冊です。
良い点
- 声かけの具体例が豊富
- 育成現場の経験に基づく
- 子育て全般に通じる内容
気になる点
- 戦術や技術の話は扱わない
- 年代が低い子向けの内容
- 指導の型を求める人には物足りない
出版社
小学館
発売日
2008年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
私、子どもがいないので当事者じゃないんですけど……。うちの弟が小さい頃、親がベンチでずっと指示してて、それがちょっと気になっていたんです。
佐藤メバル
その違和感は鋭いよ。池上さんは、大人がかまいすぎて子ども自身の気づく機会をいかにつぶしているかをまず指摘する。
教えることより、気づかせること。ジェフ千葉の下部組織での指導を交えながら、そのテクニックを披露してくれるんだ。
橘ナナミ
「11の魔法」って、なんだか楽しそうなタイトルです。子ども向けの本なんですか?
佐藤メバル
読むのは大人だね。しかもサッカーの本というより、サッカーを通した子育ての本。気持ちの受け止め方や鼓舞の仕方など、家での声かけにそのまま置き換えられる。
子どもがサッカーを始めた家庭に一冊あると、ベンチでの声が変わると思うよ。

子どもがサッカーを始めたら読む本<7人の賢者に聞いた53の習慣>
土屋雅史 著|ベースボール・マガジン社
¥1,980(税込)
サッカーを始めた子を持つおとうさんとおかあさんが、7人の「賢者」を訪ねて回る構成の一冊です。Jリーグクラブのアカデミートレーナー、サッカースクール指導者、管理栄養士、スポーツメーカー担当者、メンタルコーチ、そして3児の父で元日本代表のワールドカップ経験者まで、テーマ別にプロの知見を聞いていく。ケガをしない体づくり、食事、スパイク選び、心の成長——53の習慣としてまとめられた実用知が、親しみやすい会話文と図版で読めます。
こんな人におすすめ
子どもがサッカーを始めたばかりの保護者、ケガ・食事・用具・メンタルの悩みを一度に整理したい人、子どもとどう向き合うかの心構えを知りたい人。バスケ版を読んだことがある人にも待望の一冊です。
良い点
- 7人の専門家の話を一冊で
- 会話文と図版で読みやすい
- 食事や用具まで範囲が広い
気になる点
- 戦術や技術の内容はない
- 小学生から中学生の親向け
- 304ページとやや厚い
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ケガ、食事、スパイク、メンタル……。親が知りたいことって、サッカーの上手さ以外にもたくさんあるんですね。私、そこまで考えたことなかったです。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の立ち位置だね。主人公はサッカーを始めた子を持つおとうさんとおかあさん。迷いながら7人の賢者を訪ねていく。
一冊で相談相手が7人になるような構成なんだ。
橘ナナミ
元日本代表のワールドカップ経験者の方も出てくるんですね。3児の父として、という立場で。
佐藤メバル
そこがいいんだよ。指導者としてではなく、親として何を考えてきたかが聞ける。章立ても「ケガをしないために」「主体性って育てられますか」「壁にぶつかったら」と、親の疑問そのもの。
会話文で進むから読みやすく、終章の心構えでふっと肩の力が抜けるよ。
サッカー店長本の読む順番ロードマップ
橘ナナミ
選び方は分かったんですが、結局どの順番で読めばいいんですか? ここが一番知りたいです。
佐藤メバル
そこが競合の記事でも曖昧にされがちなところだね。僕の提案は三段階。①言葉の地図をつくる → ②戦術の骨組みをつかむ → ③布陣の細部に降りていく、の順だ。具体的には『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』や『サッカーの見方は5分で変えられる』で言葉を拾い、『サッカー店長の戦術入門』で骨組み、そして『サッカーフォーメーション図鑑』で噛み合わせを体に入れる。
橘ナナミ
図鑑を最初に開いちゃダメですか?
佐藤メバル
ダメではないけど、もったいない。図鑑は4バックと3バックに分けて強みと弱み、メカニズム、観戦チェックポイントを扱い、対全布陣の噛み合わせ一覧まで収録している。前提知識があるほど効くパートを抱えているんだ。逆に観戦歴の長い人なら最初から図鑑でいい。
橘ナナミ
自分がどっち側かで、入口が変わるんですね。
原著・監修本・自著の関係を整理する
佐藤メバル
ここも混同されやすい。海外の理論書は原著があり、それを日本の読者向けに整えた翻訳・監修版がある。監修版は要点の骨格がつかみやすい代わりに、著者の語り口や細部は圧縮されている。龍岡歩の監修本はまさに「入口」の役割だ。
橘ナナミ
じゃあ図鑑は、それとは別なんですか?
佐藤メバル
別物と考えたほうがいい。図鑑は龍岡歩自身の観察の集積で、翻訳でも監修でもない自著だ。同じ名前が並んでいても、翻訳・監修と自著は棚を分けて、難易度も読む目的も違うと押さえておこう。
読んだあとに何ができるようになるか、その先の一冊
橘ナナミ
読んだら、試合の見え方って本当に変わるんでしょうか。
佐藤メバル
変わるよ。ボールのない選手がどこに立っているかを見て「この形はどこが噛み合っていないか」と判断できるようになる。指導者なら、相手のシステムの特徴から有効な戦い方を組み立てる材料になるし、分析する人なら現象に名前をつけられるのが大きい。名前がつくと、次の一手を考えられるからね。
橘ナナミ
なるほど……。でも、図鑑だけでは足りない部分もあるんですか?
佐藤メバル
あるよ。守備の作り込みなら松田浩のゾーンディフェンス論、データの側から見たいなら『サッカーはデータが10割』、個人の技術なら風間八宏の『サッカー止める蹴る解剖図鑑』や鬼木祐輔の判断力の本が補完してくれる。図鑑の限界を知って、次に渡るのが読書の設計だ。
よくある質問
サッカー店長の本はどれから読めばいいですか?
橘ナナミ
サッカー店長の本はどれから読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
戦術の言葉に自信がないなら、用語ガイドや入門書で語彙を拾ってから戦術入門で骨組みをつかみ、最後に図鑑へ進む順番が無理なく続きます。観戦歴が長い人は図鑑から入っても構いません。
サッカー店長の戦術入門は初心者でも読めますか?
橘ナナミ
サッカー店長の戦術入門は初心者でも読めますかについて教えてください。
佐藤メバル
タイトルどおり入口として据えられた本なので、用語に不安がある人でも読み進めやすい作りです。ただし戦術の話は前提知識が効くので、分からない言葉が出たら用語ガイドを横に置く並行読みが最短です。
サッカー店長の戦術入門とフォーメーション図鑑の違いは?
橘ナナミ
サッカー店長の戦術入門とフォーメーション図鑑の違いはについて教えてください。
佐藤メバル
戦術入門はサッカーの原理を順番に学ぶ通読向きの本、図鑑は布陣ごとの強みと弱み、噛み合わせを引く辞書向きの本です。図鑑には対全布陣の噛み合わせ一覧や過去の名チームの話も入っていて、試合前の予習に強いのが特徴です。
ポジショナルフットボール教典は原著と何が違いますか?
橘ナナミ
ポジショナルフットボール教典は原著と何が違いますかについて教えてください。
佐藤メバル
原著は海外の著者による理論書で、監修版はそれを日本の読者向けに整理した形です。まず監修版で骨格をつかみ、著者の語り口や細部まで追いたくなったら原著に進むと挫折しにくいです。
サッカー店長の本に電子書籍版はありますか?
橘ナナミ
サッカー店長の本に電子書籍版はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
版によって紙・電子の用意が異なるので、購入ページで必ず確認してください。図版やレイアウトを読み取る本は紙が有利で、逆に大きめの画面向けと明記された本もあるため、用途で形式を選ぶのが現実的です。
サッカー店長の本を読むと何が分かるようになりますか?
橘ナナミ
サッカー店長の本を読むと何が分かるようになりますかについて教えてください。
佐藤メバル
ボールのない選手の立ち位置、布陣の噛み合わせ、守備の狙いなど、これまでなんとなく見ていた現象に名前がつきます。名前がつくと次の一手を予想できるようになり、観戦の解像度が一段上がる感覚が得られます。
サッカー店長の本は指導や分析に役立ちますか?
橘ナナミ
サッカー店長の本は指導や分析に役立ちますかについて教えてください。
佐藤メバル
理解の土台としては役立ちますが、図鑑はどちらかといえば観戦・理解向けです。指導に落とすなら坪井健太郎の『サッカーの新しい教科書』や松田浩のゾーンディフェンス論、分析なら『アナリシス・アイ』を併せると現場の言葉に翻訳できます。
サッカー店長の本の値段とページ数はどのくらいですか?
橘ナナミ
サッカー店長の本の値段とページ数はどのくらいですかについて教えてください。
佐藤メバル
文庫・新書から単行本まで幅があり、ページ数も薄めの用語ガイドから300ページ近い専門書までさまざまです。価格は版や販売形式で変わるため、購入前に書店や各販売ページで確認してください。
まとめ
橘ナナミ
今日の話、けっこう腹落ちしました。サッカー店長の本って「一冊の正解」じゃなくて、棚ごと使うものなんですね。
佐藤メバル
そう。書店員の頃、棚の前に立って「どの本が一番いいですか」と聞かれるたびに答えに詰まった。今なら先に「あなたの観戦の解像度は今どのくらいか」を聞く。
橘ナナミ
解像度……。
佐藤メバル
ピッチ全体がまだぼやけた一枚の写真だとしたら、用語ガイドで輪郭をなぞり、戦術入門で線を引き、図鑑で細部を拡大していく。順番を飛ばすと、拡大した部分が全体のどこなのか分からなくなるんだ。
橘ナナミ
じゃあ私、まず言葉から始めます。次の試合、噛み合わせを見ながら観てみたいです!
佐藤メバル
いいね。フォーメーションは、22人が碁石を置き合う盤面のようなものだよ。盤面が読めるようになると、90分が急に長く、濃くなる。
