サッカーのポジションがわかる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、サッカーのポジションの本を探しているんですけど、マンガの入門書から分厚い戦術書まであって、どれから読めばいいのか全然わからなくて。
佐藤メバル
いい質問だね。ポジションの本は大きく三つに分かれていて、「役割を知る本」「動きを覚える本」「戦術として読む本」で中身がまったく別なんだ。書店員時代、これを一緒くたに並べてしまって、少年サッカーのお父さんに「読んだのに息子のプレーが変わらない」と言われたことがあってね。それから棚を分けるようにしたんだよ。
橘ナナミ
そうだったんですね。じゃあ、まず役割を知りたいときは?
佐藤メバル
『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』が入りやすい。ゴールキーパー、センターフォワード、センターハーフ、センターバック、サイドバック、ウイング、ボランチと、一話ずつポジションを追っていく構成で、西部謙司さんの書き下ろし解説がついている。マンガで掴んでから解説で言葉にする、この順番が子どもにも大人にも効くんだ。
橘ナナミ
それ気になります! でも大人が読むなら、もっと踏み込んだものがいいのかなとも思って。
佐藤メバル
そこは目的で分かれる。だから先に選び方の軸を整理しておこう。同じ「ポジションの本」でも、選手が読むのか、コーチが読むのか、観戦が目的なのかで、正解はまるで変わるからね。
サッカーのポジションがわかる本の選び方
読む目的で選ぶ
橘ナナミ
目的って、具体的にはどう分けるんですか?
佐藤メバル
プレーを上達させたいなら個人技と動きの本。『サッカー個人技入門: 完全ガイド 基本テクニック&ポジション別戦術』は、基本テクニックとポジション別の戦術を一冊で並べている。守備を武器にしたいなら岩政大樹さんの『サッカー守備解剖図鑑』で、「止まる」「寄せる」という原則から1対1、2対2、チームの守備まで段階を追って図解している。
橘ナナミ
コーチや指導者向けだと?
佐藤メバル
『ジュニアサッカークリニック2019』は特集が「ポジショニング指導を考える」で、U-12の大会に出たチームの指導者に、正しいポジショニングをどう言語化して伝えるかを聞いている。選手に「そこじゃない」と言う前に、指導者自身が言葉を持てるかが勝負なんだよね。観戦や戦術理解が目的なら、また別の棚になる。
対象の年代で選ぶ
橘ナナミ
小学生と中高生、大人でも変わりますか?
佐藤メバル
変わる。小学生の8人制なら『小学生8人制サッカー ポジション別の動き方』がどんぴしゃで、SB、FW、SH、CHに分けて、動きを体で覚える前提で書かれている。8人制と11人制は立ち位置の感覚が違うから、ここを外すと現場と噛み合わない。
橘ナナミ
中高生は?
佐藤メバル
『中高生のためのサッカー講座/ポジション別スキルアップ』はMF編、DF編、FW編、GK編に分かれていて、自分のポジションの巻だけ買えるのが強みだね。大人になってから読むなら、後で話す『モダンサッカーの教科書III ポジション進化論』のように、なぜその配置になるのかを扱う本のほうが刺さる。
形式で選ぶ
橘ナナミ
マンガ、図解、文章だと、どれが頭に入りやすいんでしょう?
佐藤メバル
入り口はマンガでいいと思う。ただ図解にも強い本があって、『試合で大活躍できる! サッカー ディフェンダー 上達のコツ50』は見開きで一項目、写真と図解で50のコツを並べている。動きの確認にはこの形が強い。文章で読みたいなら、イタリアの理論派が対話形式で書いた『モダンサッカー3.0』がある。読み物として面白いから移動時間に向いているよ。
橘ナナミ
目的ではなく「読み方」で選ぶ手もあるんですね。
ポジションで選ぶ
佐藤メバル
ここが本記事の肝だね。総合型と特化型は別物だと考えたほうがいい。GKだけでも、権田修一さんの『サッカー GKの教科書』、澤村公康さんの『守護神 育成トレーニング』、松永成立さんが語る『ゴールキーパー「超」専門講座』、育成法を扱う『サッカーのゴールキーパー育成法』と層が厚い。
橘ナナミ
逆にサイドバックは?
佐藤メバル
『なぜ強豪はSBを中に入れるのか』がある。偽サイドバック、3-2-5、レストディフェンスと、現代のSBの変化だけにテーマを絞っている。MFならUEFAライセンスを持つ著者の『専門家のサッカー解説書』シリーズ。総合型で全体像をつかんでから、気になるポジションに潜る順番が失敗しないよ。
コストと入手性で選ぶ
橘ナナミ
予算や買いやすさの話も聞きたいです。
佐藤メバル
入門書は手頃な価格帯のものが多く、まず一冊試すのに向いている。一方で、年代別の指導プログラムや育成法を扱う専門書は厚く、価格も上がる。いきなりそこから入ると読み切れずに本棚の飾りになりがちだよ。
橘ナナミ
中古や電子版はどう考えれば?
佐藤メバル
MOOK形式の本や刊行から時間が経った本は、店頭在庫が薄くなっていることがある。買おうと思ったら、まず電子版の有無を各書籍ページで確認する。そのうえで、今の自分の年代とポジションに必要な一冊から先に押さえる。これが現実的だね。
サッカーのポジションがわかる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
サッカーのポジションがわかる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業
西部謙司 著|カンゼン
¥1,430(税込)
ポジションの役割を「マンガで読む」から、オトナも子どももすっと頭に入る入門書です。連載漫画『楽ショウ!』に西部謙司の書き下ろし解説が重なり、GK、センターフォワード、センターハーフ、センターバック、サイドバック、ウイング、ボランチと全11話で役割を追い、「蹴る・止める・運ぶ」の基本技術、ジュニア年代に必要なことまで一冊でつながります。コラム「ワールドサッカー超人伝説」ではベッケンバウアーやグアルディオラら伝説的選手が並び、役割の歴史まで見えるのが他の入門書との違いです。
こんな人におすすめ
サッカーを始めたばかりのジュニア選手と、その保護者。ポジションの名前は知っていても役割を言葉にできない子が、絵と物語でつかめる入口になります。指導者やコーチが低学年の練習を組み立てるとき、伝説的選手の話を交えて説明したい場面にも向きます。
良い点
- マンガなので最後まで読み切れる
- 全11話でポジションを網羅
- 伝説的選手のコラムが付く
気になる点
- 現代戦術の専門書を求める人には軽い
- 大人の再入門には物足りない
- 活字の戦術書が好きな人には不向き
出版社
カンゼン
発売日
2017年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ポジションの本ってたくさんありますけど、“マンガで学ぶ”って聞くと、正直ラクなだけじゃないのかなって思っちゃいます。
佐藤メバル
いい質問だね。この本は『ジュニアサッカーを応援しよう!』の人気連載漫画「楽ショウ!」に、西部謙司の書き下ろし解説を重ねた作りで、GKからボランチまで全11話を物語で追いながら、そのあとに解説で整理できる。
書店にいた頃、役割を漫画で覚えた子が「じゃあ自分はここに立つ」と口にした瞬間があってね、頭に残るというのは強いんだよ。
橘ナナミ
なるほど、場面として残るんですね。うちの弟みたいな小学生でも最後まで読み切れるんでしょうか。保護者が読ませるとしたら、どのあたりが助かりますか。
佐藤メバル
そこは安心していい。コラムの「ワールドサッカー超人伝説」でベッケンバウアーやグアルディオラ、ロナウドといった選手が紹介されていて、親子で名前を出しながら話せる。
ただ現代のポジショナルプレーまで扱う本ではないので、まずは自分のポジションを言葉にするところまで、次に物足りなくなったら戦術の本へ、という順番がいいと思うよ。

小学生8人制サッカー ポジション別の動き方: 動きを理解すると劇的に成長する
肥沼章彦 著|デザインエッグ社
¥1,661(税込)
日本の小学生年代で主流の8人制に絞り、SB、FW、SH、CHという実際の配置ごとに、6〜10の動きをスキルとして体に覚えさせる練習本です。11人制の戦術書をそのまま持ち込むと人数もスペースも噛み合わない——そのズレを埋めるのがこの一冊の核。66ページと薄く、必要な動きだけを絞っているので、練習前に該当ページを確認してから会場に向かう使い方ができます。全ポジションに動きが割り振られているのが特徴です。
こんな人におすすめ
小学生年代の8人制チームで、サイドバックやサイドハーフの動きに迷っている子を持つ保護者、そして日々の練習メニューを組み立てるコーチ。短時間で確認できる薄さなので、練習前に開いてから会場へ向かう使い方が向きます。
良い点
- 8人制に特化している
- ポジション別に動きを整理
- 66ページで読み返しやすい
気になる点
- 11人制の指導には物足りない
- 戦術の理屈は深追いしない
- 上級者には基礎的に映る
出版社
デザインエッグ社
発売日
2024年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
8人制って、小学生の試合でよく見ますけど、あれって11人制のミニ版みたいなものなんでしょうか。ポジションの呼び方も同じですし、そこまで別物だとは思っていませんでした。
佐藤メバル
そこが落とし穴でね。8人制はピッチの広さと人数のバランスが違うから、ポジションの名前は同じでも動く距離も幅も変わる。
この本はSB、FW、SH、CHに分けて、それぞれ6〜10の動きをスキルとして体に入れる構成になっている。
66ページと薄いのも良くて、練習前に該当ページを開いて確認する、という使い方ができるんだ。
橘ナナミ
なるほど、11人制の本をそのまま渡すとズレるんですね。ボールを追いかけるだけで終わってしまう子にも効きますか。
佐藤メバル
まさにそこを想定している本だと思うよ。動きを覚えると、ボールが来る前にどこへ動けばいいかが体で決まってくる。
逆に言えば、現代の戦術理論やビルドアップの話を求める人には向かない。まず自分の立ち位置を体に入れる、その一冊目として使うのがいい。

中高生のためのサッカー講座/ポジション別スキルアップ MF編 (B・B MOOK 353 スポーツシリーズ NO. 236)
ベースボール・マガジン社
タイトルどおり、中高生の年代に向けてミッドフィールダーのスキルアップに絞った一冊です。ポジション別に分けたシリーズのMF編で、122ページのなかに、そのポジションで求められる技術と練習がまとまっている。同じシリーズでDF編・FW編・GK編まで揃うので、チームの子が自分のポジションの巻を持つ、という使い方がしやすいのが強みです。競技誌のMOOKとして、実際のプレーと練習を想定して組み立てられた実践寄りの構成です。
こんな人におすすめ
中高生でMFを任されていて、自分のポジションの技術を体系的に確認したい選手。部活のコーチが、ポジションごとの課題を選手に渡す教材としても使いやすい。DF編やFW編と並べてチームの本棚に置く運用も現実的です。
良い点
- MFに絞って122ページ
- 中高生の年代に合わせた内容
- シリーズで揃えられる
気になる点
- 理論より実践が中心
- 低学年には早い
- 単独では守備の全体像が見えにくい
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2005年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
中高生向けって、部活でやってる子に向けた本ですよね。MF編を選ぶとしたら、どんなときに手に取るんでしょう?
佐藤メバル
ポジション別に分かれたシリーズで、これはミッドフィールダーの巻。122ページにMFの技術を集めているので、試合で「何をすればいいか分からない」と感じている中高生が、自分の担当する場所の仕事を確認するのに向いているよ。
DF編やFW編、GK編と揃っているから、チームで分けて読むのもいい。
橘ナナミ
チームで分けて読む、いいですね。でも、ポジションが途中で変わったら、そのたびに別の巻が必要になるということですか?
佐藤メバル
そういうこと。自分の今のポジションを深くやるための本だから、あれもこれもと詰め込むより、まず自分の巻を一冊やり切るほうが身になる。
逆に戦術の理屈や現代サッカーの潮流を長く読みたい人には向かない。練習の合間に開いて、できていない項目をチェックする使い方が似合う一冊だよ。

中高生のためのサッカー講座/ポジション別スキルアップ DF編 (B・B MOOK 269 スポーツシリーズ NO. 161)
ベースボール・マガジン社
中高生のDFに向けて、守備のスキルアップに絞ったシリーズのDF編です。122ページのなかに、そのポジションで必要になる技術と練習がまとめられ、日々の練習で確認できる形に整理されています。攻撃の話が中心の本が多いなかで、守る側の技術を正面から扱っているのが持ち味。MF編やFW編と並べれば、ポジションごとの役割の違いが見えてくる。ポジション別に分けたシリーズだからこその一本です。
こんな人におすすめ
中高生で最終ラインを任されている選手や、守備の技術を言葉で確認したいコーチ。MF編やFW編とセットでチームに置き、ポジションが変わったときに該当の巻を渡す使い方もできます。守備の原則を理論から学びたい人は別の本と併用を。
良い点
- DFに絞った構成
- 122ページで扱いやすい
- シリーズで比較できる
気になる点
- 理論的な背景は少なめ
- GK視点の守備は別の巻
- 低学年には難しい
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2003年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
MF編と並んでDF編もありますけど、こういうポジション別の本って、実際どんな子が手に取るんでしょうか。
守備って教わる機会が少ない気がしていて、そこが気になっています。
佐藤メバル
守備は教わる機会が少ない、というのは現場でもよく聞く話だね。このシリーズは中高生の年代に合わせて、ポジションごとに技術を整理したMOOKで、DF編は最終ラインの仕事に絞って122ページにまとめている。
攻撃の本は多くても守備だけを正面から扱う本は少ないから、その差がこの巻の価値だね。
橘ナナミ
なるほど。でも、ポジションが途中で変わったら、そのたびに巻を買い替える感じになるんでしょうか。
佐藤メバル
読む順番を変えるだけでいいと思う。ただ、この手の巻は理論を長く語るタイプではないから、「なぜそこに立つのか」という原理まで知りたくなったら、守備の原則を解説した本に進むとちょうどいい。
まず自分のポジションの巻を一冊、練習と一緒に使い倒すのが近道だよ。

中高生のためのサッカー講座/ポジション別スキルアップ FW編 (B・B MOOK 303 スポーツシリーズ NO. 192)
ベースボール・マガジン社
ポジション別スキルアップのFW編。中高生の年代に向けて、前線で必要になる技術と練習を122ページにまとめた一冊です。前線で求められる技術を122ページに整理した巻で、点を取る以外の仕事も含めてFWという場所を扱っています。MF編・DF編・GK編と揃うので、チーム内で自分の場所の巻を分担して読める。個人技の練習帳というより、ポジションの役割を実戦の形で埋めていく構成です。
こんな人におすすめ
中高生でFWを任され、前線での仕事を技術として確認したい選手。部活のコーチが前線の課題を渡す教材にもなります。MF編やDF編と並べて、ポジションが変わった子に該当の巻を渡す運用がしやすいのも助かります。
良い点
- FWに絞って122ページ
- 中高生の年代に合う
- 他ポジションの巻と揃う
気になる点
- 理論の深掘りは少ない
- GK目線の分析は別巻
- 低学年には早い
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2004年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
FW編て、点を取るための本っていうイメージなんですけど、そういう理解でいいんでしょうか。それとも、もっと広い内容が入っているんでしょうか。
佐藤メバル
それでいいと思うけど、もう少し広く捉えるといい。ポジション別スキルアップというタイトルどおり、前線で求められる技術を122ページに整理した巻で、点を取る以外の仕事も含めてFWという場所を扱っている。
MF編やDF編、GK編と並べて、チームで自分のポジションの巻を持つ、という使い方が現実的だね。
橘ナナミ
なるほど。同じシリーズでGK編もあるなら、キーパーの子にも渡せるのがいいですね。
佐藤メバル
そう、そこがシリーズの強み。GK編まであるから、ポジションごとに分けられる。ただ、どの巻も理論を長く読むタイプではないので、戦術の背景を学びたくなったら別の本と組み合わせて。
まず自分の持ち場を言葉にできることが、中高生の年代では効いてくるよ。

中高生のためのサッカー講座/ポジション別スキルアップ GK編 (B・B MOOK 323 スポーツシリーズ NO. 209)
ベースボール・マガジン社
ポジション別スキルアップのGK編。中高生の年代に向けて、ゴールキーパーに必要な技術を122ページにまとめた巻です。GKは専属コーチがいるチームが少なく、自分で練習を組み立てなければならない場面が多いポジション。その入口として、基本を順に確認できる形になっています。フィールドプレーヤー向けの本が多いなかで、GKを巻として独立させているシリーズの構成が助けになります。
こんな人におすすめ
中高生でGKを任されたばかりの選手、そしてGK経験のない顧問やコーチ。ひとりでも基本を確認できるように作られているので、練習の見通しを立てたい場面に向きます。フィールドの選手がGKの仕事を知るために読むのも面白い使い方です。
良い点
- GKを独立した巻で扱う
- 中高生向けで入りやすい
- 122ページで見返せる
気になる点
- 高度な戦術論は載らない
- 低学年には早い
- 競技経験者には物足りない
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2004年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
GKって、チームに専属のコーチがいることが少ないって聞きます。そういう環境の子が自分で読むための本なんでしょうか。
佐藤メバル
まさにそこが狙いどころだね。ポジション別のシリーズでGK編だけが独立しているのは大きい。GKは自分で練習を組まなければならない場面が多いから、まず基本を122ページで確認できる形にしてある。
フィールドの選手向けの本は山ほどあるのに、GKの子が最初に開く一冊が少ない、という現場の穴を埋めてくれるんだ。
橘ナナミ
なるほど。でも“スキルアップ”と付くくらいだから、ある程度経験のある子向けなのかなとも思うんですけど。
佐藤メバル
そこは年代の想定で見ていい。中高生が自分のポジションを確認するための巻だから、プロ向けの戦術論ではない。
だからこそ、選手にも指導者にも渡しやすい。GKの細かい技術を突き詰めたくなったら、GK専門の本に進む。
順番としては、この一冊で自分の仕事を言葉にするところから始めるのがいいよ。

オランダのサッカー選手育成プログラム ジュニア/ユース編: 年齢別・ポジション別指導法と練習プログラム
オランダサッカー協会 著|大修館書店
¥2,640(税込)
オランダサッカー協会が編んだ、年齢別・ポジション別の指導法と練習プログラムをまとめた育成の設計図です。ジュニアからユースまでを見通して、その年代で何を身につけさせるかを体系的に扱っているのが特徴。単発の練習メニュー集ではなく、選手の成長に合わせて指導を組み立てるための土台になる一冊で、239ページの厚みがそのまま設計の細かさになっています。日本の指導者が自チームに置き換えて読めるのが強みです。
こんな人におすすめ
少年団や部活で年代をまたいで指導するコーチ、そして育成に関心のある保護者。ひとつの年代だけでなく、上の年代へどうつなぐかを考えたい場面に向きます。ポジション別の練習を自分で組み立てたい中高生が読んでも視野が広がります。
良い点
- 年代別とポジション別を両立
- 協会編の体系的な構成
- 指導の土台として使える
気になる点
- 読み物としては硬い
- すぐ使う練習集ではない
- 初心者には情報量が多い
出版社
大修館書店
発売日
2003年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オランダサッカー協会が作った本って、ちょっと身構えてしまいます。指導者じゃないと読めないものでしょうか。
佐藤メバル
読めますよ。これは協会が編んだ育成の設計図で、ジュニアからユースまでを年代別に、しかもポジション別の指導法と練習プログラムとして整理している。
単発のメニュー集ではなく、この年代で何を身につけさせるか、次にどうつなぐかという順番が書かれている。
書店員の頃、少年団のコーチがこの一冊を机に置いて年間の計画を立てていたのを覚えているよ。
橘ナナミ
年間の計画を立てるための本、なるほど。でも239ページって、通読するのは大変じゃないですか。どこから読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
通読するより、自分の担当する年代とポジションのところを開いて、必要な章を行き来する読み方が向いている。
日本の育成年代の指導にそのまま置き換えられない部分もあるから、自チームの環境に合わせて読み替えるのが前提だね。
逆に、すぐ使える練習メニューだけを欲しい人には遠回りかもしれない。

サッカー個人技入門: 完全ガイド 基本テクニック&ポジション別戦術 (012スポーツ・シリーズ)
大森一伸 著|大泉書店
基本テクニックとポジション別戦術を一冊で扱う完全ガイドです。個人技の練習と、ポジションごとの役割を橋渡しする構成になっていて、「うまくなりたいけれど、試合で使えない」という悩みに応える形。基本テクニックの解説とポジション別の戦術が同じ本に並ぶので、ドリブルやトラップの練習が自分の立ち位置とどう結びつくのかを確かめられます。190ページでひととおりを押さえる入門の位置づけです。
こんな人におすすめ
個人技を磨きたいけれど、試合でどう使うかがつかめていない中高生や社会人プレーヤー。ポジション別の戦術まで一冊で見たい人、指導者が「技術と役割はつながっている」と選手に伝えたい場面に向きます。
良い点
- 個人技と戦術を一冊で
- ポジション別に整理
- 入門として分量が手頃
気になる点
- 専門書ほどの深さはない
- 最新の戦術論は少ない
- 上級者には物足りない
出版社
大泉書店
発売日
1994年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
リフティングやドリブルは練習するのに、試合で全然使えないんです。そういう悩みに効く本ですか?
佐藤メバル
まさにその隙間を埋める本だね。基本テクニックとポジション別戦術を同じ一冊に入れて、個人技がどの立ち位置で生きるかまでつなげている。
ドリブルがうまいのに試合で消えてしまう、というのは技術と場所が結びついていないからで、この本はその橋を架けてくれる。
190ページでひととおりを眺められるのも入門向きだよ。
橘ナナミ
なるほど、技術と場所をつなげる、と。僕も大学のサークルで、うまいのに点につながらない人を見ます。
佐藤メバル
その感覚は大事にしていい。ただ、現代のポジショナルプレーや偽サイドバックのような最新の話を求めるなら、別の専門書のほうが深い。
この本はあくまで入門の位置づけだから、基礎を固めてから先へ進む順番がいい。まず自分の武器がどこで効くかを知る、その一冊目だよ。

ジュニアサッカークリニック2019 ((特集=ポジショニング指導を考える))
サッカークリニック編集部 著|ベースボール・マガジン社
¥582(税込)
「今、あのスペースに入ってほしかった」「その位置では簡単にパスを通される」——指導者が感じる歯がゆさを、言葉にするための特集号です。全国大会に出場した7チームの指導者への取材を通じて、「正しいポジショニング」の言語化と指導手順に迫ります。相手との力関係で適した位置は変わる、という前提に立っているのが誠実で、答えを一枚の図で済ませない。100ページのMOOKとして、現場の言葉がそのまま拾えます。
こんな人におすすめ
小学生年代を指導していて、「そこじゃない」を説明できないもどかしさを抱えるコーチ。保護者が子どもと試合を見ながら位置の話をするときの語彙集としても役立ちます。戦術の理論書というより、現場の言語化を求める人向けです。
良い点
- 指導者の言葉をそのまま収録
- ポジショニングに絞った特集
- 100ページで読み切りやすい
気になる点
- 2019年の内容で事例は古くなる
- 理論書ではない
- 図版だけを求める人には不向き
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2019年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ポジショニングって、コーチが「そこじゃない」って言うんですけど、じゃあどこなのかは教えてくれない気がします。
佐藤メバル
そのもどかしさに正面から答えたのがこの特集でね。全国大会に出場した7チームの指導者に取材し、「正しいポジショニング」をどう言葉にして、どう指導手順に落とすかに迫っている。
しかも、適した位置は相手との力関係で変わるという前提から始めている。答えを一行で渡す本ではないけれど、現場で使える言い方が拾えるんだ。
橘ナナミ
なるほど、言葉を持つことが大事なんですね。でも、2019年の本だと内容が古びないか心配です。
佐藤メバル
そこは使い分けだね。扱っているのは流行りの戦術ではなく、子どもの立ち位置を見る目と言い方だから、古びにくい部分が多い。
一方で、現代のポジショナルプレーや可変システムの話を求めるなら別の本がいい。試合のあとに親子で「あの位置はどうだった?」と話すときの語彙としても、けっこう役に立つよ。

こどもポジショナルプレー 「ボールを追うサッカー」から「ボールが追いかけてくるサッカー」へ (SAN-EI MOOK)
内藤清志 著|三栄書房
副題の「ボールを追うサッカー」から「ボールが追いかけてくるサッカー」へ——この一言に、この本が伝えたいことが凝縮されています。ポジショナルプレーが身につく練習メニュー付きで、79ページと薄く、子どもと一緒に立ち位置の考え方を試せます。大人向けの戦術書は術語が多くて途中で止まりがちですが、こちらは練習という形で手を動かしながら入れるのが違いです。
こんな人におすすめ
ポジショナルプレーという言葉を聞いたことはあるけれど、子どもにどう伝えればいいか分からないコーチや保護者。低学年から中学年で、ボールを追いかけるだけで終わってしまう子に、立ち位置の感覚を練習で入れたい場面に向きます。
良い点
- 練習メニュー付きで実践的
- 79ページで取りかかりやすい
- 子ども向けの言葉で書かれている
気になる点
- 戦術の理論は深くない
- 上級者には物足りない
- 大人向け専門書の代わりにはならない
出版社
三栄書房
発売日
2022年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ポジショナルプレーって、大人向けの難しい本のイメージでした。こども向けって、いったい何をどう教えるんでしょう。
佐藤メバル
副題がそのまま答えになっていてね、「ボールを追うサッカー」から「ボールが追いかけてくるサッカー」へ、という言い方をする。
ポジショナルプレーが身につく練習メニュー付きで、79ページだから、読み込むというより親子で試す本だね。
頭で理解させるのではなく、立つ場所を変えるとボールが来る、という体験から入るのがこの本のうまさだよ。
橘ナナミ
なるほど、体験から入るんですね。でも、それで本当にポジショナルプレーが分かるものなんでしょうか。大人向けの本に進む必要はありますか。
佐藤メバル
入口としては十分だと思う。ただ、原理や歴史まで詰めたいなら、大人向けの専門書が必要になる。この本の役割は、難しい概念に触れる前の土台づくり。
子どもが「なんでそこに立つの?」と聞いてきたときに、一緒に練習メニューを試せるのが強みだよ。

モダンサッカーの教科書III ポジション進化論 (footballista)
レナート・バルディ 著|ソル・メディア
¥2,210(税込)
偽9番や偽サイドバックが「なぜ生まれるのか」を、必然として組み立て直す一冊です。プレー原則から配置と役割を設計するという「タスクの時代」の見方を、セリエAのコーチが対話形式で説いていく。240ページにわたる内容を、用語の暗記ではなく原理から追えるのが強みで、同じソル・メディアのポジショナルプレー本と並べると違いがくっきりします。教科書シリーズのIIIとして、配置の進化に焦点を絞った巻です。
こんな人におすすめ
偽サイドバックや偽9番という言葉をなんとなくで済ませたくない観戦者・指導者。戦術の用語を暗記するのではなく、なぜその配置が生まれるのかを筋道で理解したい場面に向きます。戦術書を何冊か読んできた人の次の一冊としても。
良い点
- 進化の理由から説く構成
- 対話形式で読み進めやすい
- 配置と役割の設計に踏み込む
気になる点
- 戦術の基礎知識が要る
- 初心者には難しめ
- 図解だけを求める人には重い
出版社
ソル・メディア
発売日
2021年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
偽サイドバックとか偽9番って、言葉だけ聞いてもピンとこないんです。なぜ生まれたんでしょう。流行りなだけなんでしょうか。
佐藤メバル
それを“必然”として説明してくれるのがこの本でね。プレー原則から配置と役割を設計するという「タスクの時代」の見方で、偽9番や偽SBがなぜ生まれるのかを組み立て直している。
セリエAのコーチ、レナート・バルディが対話形式で書いているから、240ページでも投げ出さずに読める。用語の暗記ではないんだ。
橘ナナミ
対話形式、それは助かります。でも、いきなりこの III から入っても大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
戦術書を何冊か読んだことがあるなら大丈夫。ただ、まったくの初めてなら肩慣らしが要るかもしれない。同じソル・メディアからポジショナルプレーを扱った本が出ているから、そちらで地形を眺めてから、この“進化論”で配置の理由に入る順番がおすすめだよ。
読むほど試合の見え方が変わる一冊だと思う。

ダイヤモンドオフェンス: サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法
坂本圭 著|日本文芸社
¥2,134(税込)
日本ではまだ珍しい攻撃の概念・ポジショナルプレーを、実践の形に落とし込んだ戦術書です。スペインのプロチームでコーチライセンスを取得した著者が、ダイヤモンド・オフェンスという型として、配置と動きを伝授します。ポジショナルプレーを「知る」本は増えましたが、ではどう配置するのかまで踏み込んだ本は限られる。学生や指導者が、世界のトップで使われる攻撃の作り方を自分のチームに置き換えて考えられる256ページです。
こんな人におすすめ
サッカーを勉強したい学生、そして日本式とは違う攻撃の組み立てをチームに入れたい指導者。ポジショナルプレーを概念ではなく実践の型として知りたい人に向きます。戦術の背景を一から学ぶ入門というより、次の段階の実践書です。
良い点
- 実践の型として解説
- 著者のスペインでの経験が背景
- 攻撃の設計に踏み込む
気になる点
- 戦術の前提知識が要る
- 守備の話は中心でない
- 入門書ではない
出版社
日本文芸社
発売日
2021年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ポジショナルプレーを“実践する”って、具体的には何をするんでしょう。知るだけでは試合で使えない気がします。
佐藤メバル
そこを型にしたのがこの本だね。スペインのプロチームでコーチライセンスを取った著者が、ダイヤモンド・オフェンスという形で配置と動きを伝えている。
ポジショナルプレーを紹介する本は増えたけれど、ではどう並ぶのかまで踏み込んだ本は限られている。学生や指導者が自チームに置き換えて読めるのが強みだよ。
橘ナナミ
なるほど。でも、いきなりこの本から入るのは難しそうですね。前提になる知識は要りますか?
佐藤メバル
要ると思う。ポジショナルプレーの考え方を一度つかんでから読むと、この本の配置の話がすっと入る。逆に守備の組み立てを学びたい人には中心が違うから、守備の本と組み合わせるといい。
攻撃の作り方を設計図として持ちたい人にとっては、手元に置いて何度も開く一冊になるよ。

モダンサッカー3.0 「ポジショナルプレー」から「ファンクショナルプレー」へ (footballista)
アレッサンドロ・フォルミサーノ 著|ソル・メディア
¥1,760(税込)
あなたが信じているサッカーの常識はすでに180度変わっている——そんな一文から始まる、イタリアの若手理論派による一冊です。「ポジショナルプレー」から「ファンクショナルプレー」へという視点で、監督が戦術を植えつけるのではなく、選手間の創発からゲームモデルを作るという考え方を示します。3つの優位性に加えて関係的優位・機能的優位を挙げ、明確なゲームプランより適応力を重視する。288ページで、ポジショナルプレー本の次の段階に位置づく内容です。
こんな人におすすめ
ポジショナルプレーをある程度理解したうえで、その先を知りたい観戦者・指導者。戦術を選手に教え込むやり方に行き詰まりを感じているコーチが、発想を入れ替えるために読むのも向きます。入門書として手に取る本ではありません。
良い点
- ポジショナルプレーの先を扱う
- 優位性の捉え方を更新する
- ゲームモデルの作り方に触れる
気になる点
- 前段の知識が必須
- 抽象度が高め
- 日本の育成現場に直結はしない
出版社
ソル・メディア
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“ファンクショナルプレー”って聞き慣れないんですけど、ポジショナルプレーとは何が違うんですか? 言葉だけでは区別がつかないので、教えてほしいです。
佐藤メバル
そこがこの本の主題でね。ポジショナルプレーは配置と優位性を設計する考え方だけど、こちらは監督の戦術を植えつけるのではなく、選手間の創発現象からゲームモデルを作るという方向に踏み込んでいる。
3つの優位性に、関係的優位・機能的優位を足して捉え直す。イタリアの若手理論派の主張だけに、抽象度は高めだよ。
橘ナナミ
抽象度が高め、というのは気になります。ポジショナルプレーをまだよく分かっていない段階だと、早いでしょうか。
佐藤メバル
正直、早いと思う。まずポジショナルプレーを扱った一冊を通してから読むと、この本が何を更新しようとしているのかが見えてくる。
逆に、育成年代ですぐ使える練習メニューを探している人には向かない。288ページを使って、サッカーの捉え方そのものを入れ替える本だよ。

欧州サッカーの新解釈。ポジショナルプレーのすべて (footballista)
結城康平 著|ソル・メディア
¥1,760(税込)
ポジショナルプレーという概念を日本のサッカー論壇に持ち込んだ書き手による、全体像を一冊に収めた本です。ポゼッションではなく「ポジションの支配」という捉え方から始まり、5レーン理論のハーフスペース活用、数的・質的・位置的の3つの優位性、そしてグアルディオラの解釈までが並びます。ベガルタ仙台の渡邉晋監督の特別インタビューも収録され、理論と日本の現場がつながる。まえがきの「戦術が地図ならポジショナルプレーはコンパスだ」という一節が、この本の立ち位置をよく表しています。
こんな人におすすめ
ポジショナルプレーという言葉を一度きちんと整理したい観戦者、学生、指導者。用語だけが飛び交う解説についていけないと感じている人が、軸を持つための最初の一冊に向きます。何度も読み返して自分の解釈を作る使い方も。
良い点
- 全体像を一冊で押さえられる
- 5レーン理論や3つの優位性を扱う
- 渡邉晋監督のインタビュー収録
気になる点
- 内容が濃く読み応えがある
- 試合を見る前提の知識が要る
- 練習メニューは載っていない
出版社
ソル・メディア
発売日
2019年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ポジショナルプレーの本が何冊もあるなかで、最初に読むならこれ、という一冊なんでしょうか。どれから手を付ければいいか迷っていて。
佐藤メバル
そう思う。ポゼッションではなく「ポジションの支配」という言い方から始まって、5レーン理論のハーフスペース、数的・質的・位置的の3つの優位性、グアルディオラの解釈まで、全体像が253ページに並んでいる。
まえがきの「戦術が地図ならポジショナルプレーはコンパスだ」という一節が、この本の立ち位置をよく表しているね。
橘ナナミ
コンパス、いい言葉ですね。ベガルタ仙台の渡邉晋監督のインタビューも入っていると聞きました。
佐藤メバル
そこが助かるポイントでね、理論だけで終わらず、日本の現場の言葉が並ぶから、自分のチームに引き寄せて考えられる。
ただ、読み物として濃いので、一度で分かろうとしないほうがいい。何度も咀嚼して自分の解釈を作る、という読み方に向いている本だよ。

なぜ強豪はSBを中に入れるのか: “偽サイドバック”だけ見れば現代サッカーは分かる サッカーが急に分かるシリーズ (フットボール分析室)
LeoCosta 著|フットボール分析室
「なぜSBがサイドにいないのか」という一つの問いから、現代サッカーの核心へ入っていく一冊です。偽サイドバック(インバーテッドSB)だけにテーマを絞り、3-2-5、レストディフェンス、カウンタープレス、中央優位のビルドアップまでを、初心者にも分かる言葉でつないでいきます。難しい専門書ではなく「試合の見え方が変わる本」と銘打たれているとおり、立ち位置という目に見える手がかりから入れるのが強み。第6章では森保ジャパンやJリーグの戦術にも触れられます。
こんな人におすすめ
戦術解説を聞いても置いていかれる観戦者。プレミアリーグや日本代表の試合で、SBが中にいる理由を自分の言葉で説明できるようになりたい人に向きます。用語集としてではなく、配置から試合を読む入口として。
良い点
- テーマをSB一本に絞る
- 初心者向けの言葉で書く
- 日本代表やJリーグにも触れる
気になる点
- SB以外のポジションは浅い
- 理論の網羅性はない
- 上級者には物足りない
出版社
フットボール分析室
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最近、サイドバックが真ん中にいるのをよく見るんですけど、あれって守備をサボってるわけじゃないですよね。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。その違和感をそのままテーマにしたのがこの本で、偽サイドバック(インバーテッドSB)だけに絞って、3-2-5やレストディフェンス、カウンタープレスまで、初心者にも分かる言葉でつないでいく。
立ち位置という目に見える手がかりから入れるから、戦術解説で置いていかれがちな人に向いているよ。
橘ナナミ
立ち位置から入るなら、確かに私でもついていけそうです。日本代表の話も入っているんですか。
佐藤メバル
第6章で森保ジャパンやJリーグの戦術化に触れているから、見慣れたチームに引き寄せて読める。ただ、SB以外のポジションを網羅する本ではないし、戦術の理論を体系的に学ぶ本でもない。
ひとつの疑問から現代サッカーの入口に立ちたい人に、ちょうどいい一冊だよ。

専門家のサッカー解説書 MFのゴールスコアリングポジションへの入り方 ①: UEFAコーチが説くサッカー関係者のための解説書
片桐伸 著
ゴール前にどう入るかを、驚くほど細かい単位で掘り下げた一冊です。UEFAライセンスを持つ著者が、ワイドエリアから配給されるボールに対して、大外・一つ前・二つ前のゲートへ侵入するときの考え方を解説。マイナスボールの利点を「超理屈」として言語化し、レシーブスペースを広げるタイミング、確保のために通る場所、ホールドの有効性、相手の肩の角度から意識を操作する方法まで並びます。著者自身が超初心者には難しいと断る、関係者・マニア向けの密度です。
こんな人におすすめ
指導者や分析を仕事にする人、そしてサッカーをプレー視点で深く見たいマニア。ゴール前の動き出しを、根拠のある言葉で説明できるようになりたい場面に向きます。ドリブルでの侵入やカットインは次巻の担当なので、そちらと組み合わせる前提です。
良い点
- 超細かい単位で理屈を解説
- UEFAライセンス保持者が執筆
- ポジション操作の視点が得られる
気になる点
- 超初心者には難しい
- カラー前提で背景設定が要る
- ドリブル編は次巻
出版社
詳細情報なし
発売日
2020年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“ゴールスコアリングポジションへの入り方”って、点を取る場所への入り方ですよね。そんなに細かく書くことがあるんですか?
佐藤メバル
あるんだよ、これが。ワイドエリアから配給されるボールに対して、大外・一つ前・二つ前のゲートへどう侵入するか——その一段ずつを解説している。
マイナスボールの利点を「超理屈」として言語化し、レシーブスペースを広げるタイミングや、確保するために通る場所、ホールドの有効性まで扱う。
相手の肩の角度から意識を操作する話まで出てくるよ。
橘ナナミ
肩の角度で意識を操作する、って聞いただけで難しそうです。私のような初心者が読むのは早いでしょうか。
佐藤メバル
著者自身が「超初心者には少し理解が難しい」と断っているから、正直に言って入口向けではないね。指導者や分析をする人、あるいはかなり深く見ているマニア向けだと思う。
あと、説明にカラーを使っているので、電子で読むなら背景を白にする配慮がいる。ドリブルでの侵入やカットインは次巻の担当だから、そろい踏みで使う本だよ。

専門家のサッカー解説書 GK、DFからのプレー ①: UEFAコーチが説くサッカー関係者のための解説書
片桐伸 著
GKとDFから始まるプレーを、30枚近い図形を使って細かく追う一冊です。ファーストプレスのユニットの脇を取る方法や、FW-MF間に横のボールを入れる方法を、GK・DFの立場から解説しています。前巻の予告どおり、とにかく細かいのが持ち味。ただしボールがほとんどDFユニットから出ない範囲を扱い、それ以降のプレーは次巻に譲る構成です。中盤や前線、サイドの問題を抱えている人には、もう少し先の巻が合います。
こんな人におすすめ
ビルドアップの入口を突き詰めたい指導者・分析者、GKやDFの選手。目の前のプレーを、根拠のある言葉で整理したい場面に向きます。中盤や前線の課題を解決したい人は、次巻と組み合わせて使うのが前提です。
良い点
- 30枚近い図形で図解
- GK・DFの入口を深掘り
- 初級者への配慮もある
気になる点
- 扱う範囲がDFユニットに限定
- 続きは次巻
- マニア向けの記述もある
出版社
詳細情報なし
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
GK、DFからのプレー、①と付いているので続きがあるんですね。この巻だけで完結しないのは不便ではないですか?
佐藤メバル
そこは正直に書かれていてね、この巻はほとんどDFユニットからボールが出るまでの範囲を扱い、それ以降は次巻に譲る構成になっている。
30枚近い図形を使って、ファーストプレスのユニットの脇を取る方法や、FW-MF間に横のボールを入れる方法まで解説している。
中盤や前線の課題を抱えている人は、続きの巻が必要だね。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、自分が中盤の課題を抱えているなと思ったら、この①から読む意味は薄いんでしょうか。
佐藤メバル
薄くはないけれど、優先順位は下がるかな。守備からどう前進するかの土台はここに書いてあるから、全体を理解するには役に立つ。
ただ、図形が多く、初級者に配慮したつもりと著者自身が言いながらもマニア向けの箇所がある。カラー前提の作りなので、電子で読むときは背景を白にしてほしい。

【新版あり】試合で大活躍できる! サッカー ディフェンダー 上達のコツ50 新版 (コツがわかる本!)
中西永輔 著|メイツ出版
ディフェンダーに必要な技術を50のコツに分け、写真と図解で見開き完結にまとめた一冊です。守備の技術20項目に加えて、センターバック15項目・サイドバック15項目と分かれているので、自分が立つ場所から読み始められる。監修の中西永輔は、危険を予測すること、相手の特徴を早くつかむこと、あきらめない心の3つを挙げ、守備が受け身ではないと説きます。4バックと3バックの特徴にも触れた、2012年発行版の新版です。
こんな人におすすめ
中高生から大人まで、DFの技術を項目ごとに確認したい選手。うまくできない箇所だけを開いてチェックする使い方ができ、コーチが選手に課題を渡すのにも向きます。ひとつの読み物として通読するより、辞書的に使う本です。
良い点
- 50項目を見開きで整理
- CBとSBに分けて解説
- 新版として更新されている
気になる点
- 通読向きの構成ではない
- 現代戦術の話は限られる
- 図解中心で文章は簡潔
出版社
メイツ出版
発売日
2019年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
50のコツ、って聞くと、乱暴にまとめた薄い本なのかなと思ってしまうんですけど、実際どうなんですか?
佐藤メバル
そこは安心していい。各テクニックが1見開きで完結して、守備の技術20項目、センターバック15項目、サイドバック15項目と分かれている。
しかも各項目に2〜3のPOINTと、できないときのアドバイスが付く。辞書のように引ける構成なんだ。書店員の頃、試合後に「あの場面どこ?」と開く子を見て、こういう作りは強いと思ったよ。
橘ナナミ
引く本なんですね。監修した中西永輔は、ディフェンダーに何を大事にしてほしいと考えているんでしょう。
佐藤メバル
3つ挙げていてね、危険を予測すること、相手がどんな選手かを早くつかむこと、そして絶対にあきらめない心。
抜かれても追い続けることが相手のミスを誘う、と書いている。守備は受け身ではないというメッセージが全体を貫いているよ。
現代戦術の分析を求めるなら別の本だけど、技術の確認には頼れる一冊だね。

サッカー守備解剖図鑑
岩政大樹 著|エクスナレッジ
¥1,430(税込)
「寄せろ」「当たれ」という曖昧な指示では相手の自由は奪えない——元日本代表CBの岩政大樹が、守備の個人技術と戦術を図解で解剖した一冊です。「止まる」「寄せる」という守備の大原則から、1対1、2対2、3対3、そしてチームとしての守備まで、段階を追って積み上がる構成。クロスへの守備やクリア、ヘディング、シュートブロックのコツまで図鑑として並び、128ページに密度が高い。守備を「受け身」ではなく武器にするという立場が一貫しています。
こんな人におすすめ
「なんとなく」の守備から抜けたい中高生以上の選手と、守備の指示に言葉を探しているコーチ。FWやMFでも守備力が問われる現代、全ポジションの人が一度通して読む価値があります。図解から入りたい人にも。
良い点
- 守備の原則を段階的に図解
- 個人技術からチーム戦術まで
- 元日本代表CBの視点
気になる点
- 攻撃の設計は扱わない
- 用語にある程度慣れが必要
- 読み物としての物語性は薄い
出版社
エクスナレッジ
発売日
2022年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
守備の本って、“気持ちで戦え”みたいな精神論が多い気がするんですけど、この本は違うんですか?
佐藤メバル
そこを正面から否定している本だね。「止まる」「寄せる」という大原則から始めて、1対1、2対2、3対3、チームとしての守備へと段階を積み上げる。
どこに、いつ、どのように寄せるのかを図解で説明するから、気持ちではなく技術として守備を捉え直せる。元日本代表CBの岩政大樹が、128ページに密度高くまとめているよ。
橘ナナミ
なるほど。守備=受け身というイメージが覆りそうですが、FWやMFが読んでも意味がありますか。試合の見方も変わるでしょうか。
佐藤メバル
あると思う。今は前線の選手にも守備力が求められるから、最初に追う側の原則を知っていると動きが変わる。
クロスへの守備やクリア、ヘディング、シュートブロックのコツまで図鑑として並んでいるから、必要なところから開ける。
逆に攻撃の設計図を探している人には、守備に絞った本だという前提だけ持ってほしい。

サッカー守備ディフェンス&ゴールキーパー練習メニュー100 (池田書店のスポーツ練習メニューシリーズ)
河村優 著|池田書店
¥2,130(税込)
ディフェンスとゴールキーパーの上達に特化し、練習メニューを100本収めた教科書です。ボールを持っていないときの動きを鍛えるものだから、特別な才能は必要ないというのがこの本の立場で、1対1、グループ、ゾーン、プレッシング、リトリート、クロス対応と守備を段階ごとに整理し、後半はGK編としてキャッチングやダイビング、ポジショニング、コーチングまで扱います。256ページで、理論とメニューが往復できる構成です。
こんな人におすすめ
チームの守備をまとめて設計したいコーチと、GKを兼任で見なければならない指導者。守備の練習メニューを探している人と、GKの基本も同じ一冊で押さえたい人を同時に助けます。育成年代から社会人まで応用が利く構成です。
良い点
- 守備とGKを一冊で
- 練習メニューが100本
- 理論と実践を往復できる
気になる点
- 攻撃のメニューはない
- 網羅ゆえに取捨選択が要る
- 選手ひとりでは使いにくい
出版社
池田書店
発売日
2012年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
守備とGKを一冊で、しかもメニュー100本って、盛り込みすぎな気もします。どっちつかずにならないんですか?
佐藤メバル
そこは構成の順番で整理されているよ。前半は1対1からゾーン、プレッシング、リトリート、クロス対応まで守備を段階ごとに積んで、後半がGK編でキャッチングやダイビング、ポジショニング、コーチング。
ボールを持っていないときの動きを鍛えるものだから特別な才能はいらない、という立場が全体を貫いている。
256ページ、理論とメニューの往復だね。
橘ナナミ
なるほど。でも、100本もあると、どこから手を付ければいいか迷ってしまいませんか。優先順位の付け方も知りたいです。
佐藤メバル
そこは自チームの失点の形から逆算するといい。まず1対1とグループの章で守備の姿勢を整えて、次にゾーンやプレッシングへ進む。
GKを兼任で見ている指導者なら、後半のGK編がそのまま助けになる。選手ひとりで読むより、コーチが練習の設計に使う本だと思って手に取ると、ちょうどいいよ。

基本から応用まで身につく! サッカー ゴールキーパー 最強バイブル (コツがわかる本!)
土肥洋一 著|メイツ出版
¥1,793(税込)
日本代表で守護神を務めた土肥洋一が、GKのポイントを50に整理して伝える一冊です。守護神の心得から、セーブ技術、シチュエーション別の守り方、攻撃の組み立てへの参加、練習法まで5つのパートで構成され、守るだけでは終わらないGK像が見えてきます。グローブの選び方、効果的なコーチング、フィードの判断といったコラムも挟まり、2015年発行の「上達バイブル」に加筆・修正を加えた新版です。
こんな人におすすめ
GKを任されたばかりの小中学生と、その指導者。手を使える唯一のポジションとしての役割を、心得から技術まで順に確認できます。GK経験のある大人が、自分の考え方を整理し直すのにも向いています。
良い点
- 心得から練習法まで5部構成
- 元日本代表GKが監修
- コラムが実用的
気になる点
- 現代のビルドアップ論を求める人には不足
- 図版中心で文章は簡潔
- フィールド選手向けではない
出版社
メイツ出版
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
GKの本って、キャッチングの技術だけを追うイメージなんですけど、この本は“最強バイブル”と名乗るだけのことはありますか?
佐藤メバル
そこは分け方がうまいんだ。守護神の心得からセーブ技術、シチュエーション別の守り方、攻撃の組み立てへの参加、練習法まで、5つのパートで50のポイントを並べている。
グローブの選び方やコーチング、フィードの判断までコラムで挟んでくるから、GKというポジションの幅が見えてくる。
元日本代表の土肥洋一の言葉だから説得力があるよ。
橘ナナミ
攻撃の組み立てへの参加、という章が意外です。GKは守るだけのポジションじゃないんですね。
佐藤メバル
そう、そこが現代のGKなんだよ。インサイドキックでつなぐ、フィードで攻撃の始点になる、ロングフィードで敵陣に攻め込む、といった項目が並ぶ。
フォーメーションの最後方からチームをまとめる役割も書かれている。ただ、現代のビルドアップ戦術を深く掘る本ではないから、そこは別の本で補うといい。

サッカー GKの教科書 (パーフェクトレッスンブック)
権田修一 著|実業之日本社
¥1,980(税込)
現役の日本代表GK・権田修一が、基本技術から考え方までを自ら実演して伝える一冊です。相手の利き足でポジショニングを変える、カラダの向きでプレッシャーを変える、ゴロのボールは下から上に手を出すといった本人ならではのコツが並び、セオリーの暗記で終わらせない。1人か2人でできるアップメニューも豊富で、GKコーチが少ないチームでも活用できる。まえがきで「GKに正解はない」としつつ、自分なりの正解に近づくための情報を持てと説く192ページです。
こんな人におすすめ
GKを専門に練習したい選手と、GKコーチが足りないチームの指導者。ひとりでも練習を組めるメニューを求める場面にぴったりです。GK経験者が自分の技をアップデートするのにも向きます。
良い点
- 現役日本代表GKが実演
- 少人数でできるメニュー
- 本人ならではのコツが並ぶ
気になる点
- 戦術の体系書ではない
- 文章量は多くない
- GK以外の選手には専門的
出版社
実業之日本社
発売日
2015年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“相手の利き足でポジショニングを変える”って、そこまで考えるものなんですか? 立つ場所なんてだいたい決まっているのかと思っていました。
佐藤メバル
そこがGKの奥行きでね。権田修一が利き足でポジションを変える、カラダの向きでプレッシャーを変える、ゴロは下から上に手を出すといった自分なりのコツを並べている。
まえがきで「GKに正解はない」と書きながら、情報を持ってグラウンドで試し、自分なりの正解に近づけ、と説く。セオリーの暗記で終わらせない本だよ。
橘ナナミ
自分なりの正解、か。ひとりでも練習できるメニューがあると聞いたんですが、GKコーチがいないチームでも使えますか。
佐藤メバル
そこが実用的でね、1人か2人でできるアップメニューを豊富に紹介している。GKコーチが少ないチームでもすぐ活用できるのが強みだ。
ただし、戦術を体系的に学ぶ本ではないから、試合の構造まで知りたくなったら別の一冊を足すといい。指導者にも読んでほしいと書かれているのが、この本の懐の深さだね。

守護神 育成トレーニング―ゴールキーパー専属コーチが伝える!チームを守る全てがここにある! (サッカーポジション別シリーズ)
澤村公康 著|スタジオタッククリエイティブ
¥3,001(税込)
GK専属コーチがいるチームは少ない——その現実から始まる一冊です。あらゆる年代のGKが自分でメニューを考えて練習しているという前提に立ち、GKに必要なスキル、戦術、メンタルをまとめて身につけられるように作られています。シリーズ名も「サッカーポジション別シリーズ」で、GKという持ち場を独立して扱う。全ては試合で力を発揮するため、という一点を考え抜いた構成で、専属コーチの役割を果たすことを狙っています。
こんな人におすすめ
GK専属コーチがいない環境で練習している選手と、その保護者。年代を問わず、自分の練習を自分で組み立てなければならない状況に向きます。チームの指導者がGKの指導を任されたときの頼りにもなります。
良い点
- GK専属コーチ不在を前提に作られている
- スキル・戦術・メンタルを扱う
- 年代を問わず使える
気になる点
- ひとりで進めるには根気が要る
- 指導者の助言があると理想的
- 戦術の最新論は別の本
出版社
スタジオタッククリエイティブ
発売日
2012年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
GKって、専属のコーチがいないチームのほうが多いって聞きました。そういう子が自分で読む本なんですか?
佐藤メバル
そう、そこがこの本の出発点なんだ。あらゆる年代のGKが自分でトレーニングメニューを考えて練習しているという現状を前提に、スキルだけでなく戦術やメンタルまで含めて、GKに必要なものを身につけられるように作ってある。
専属コーチの役割を果たす、というのが著者の狙いだね。
橘ナナミ
なるほど。でも、ひとりで全部やるとなると、続けられるか心配です。サポートする大人が読んでもいいんでしょうか。
佐藤メバル
むしろ読んでほしい。守る側の子が何を考えて練習しているかを知っていると、声のかけ方が変わる。ただし、ひとりで黙々と進めるのは根気が要るから、時々一緒に確認してあげるといい。
最新のビルドアップ論を求める本ではないけれど、GKの土台を作るという目的ははっきりしているよ。

サッカーのゴールキーパー育成法: ジュニアからユースまで 技術・戦術と年代別練習プログラム
ペーターグライバー 著|大修館書店
¥2,200(税込)
ジュニアからユースまでのGK育成を、技術・戦術と年代別の練習プログラムとしてまとめた一冊です。成長段階ごとに何を身につけさせるかという視点で書かれているのが特徴で、単発の技術解説ではなく、長い期間を見通した育成の設計になっています。207ページと厚く、ひとつの年代だけを担当する人よりも、下から上へつなぐ立場の人に向く構成です。GKというポジションを何年かかけて育てるための骨太な一冊です。
こんな人におすすめ
ジュニアからユースまでを継続して見るコーチと、GKの育成に関心のある保護者。目の前の一試合ではなく、数年単位でGKを育てる計画を立てたい場面に向きます。年代別の練習プログラムを探している人に。
良い点
- 年代別に育成を設計
- 技術と戦術の両方を扱う
- ジュニアからユースまで一冊
気になる点
- 読み物としては硬め
- すぐ使う短いメニュー集ではない
- 自チームに合わせた読み替えが必要
出版社
大修館書店
発売日
2005年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
GKの育成法、しかもジュニアからユースまでって、完全に指導者のための本ですよね。観戦する側が読んでも意味はありますか。
佐藤メバル
読む価値はあると思うよ。成長段階ごとに何を身につけさせるかという視点で書かれているから、試合で見たプレーの背景が分かってくる。
GKが小学生のうちは何を優先して、中学生でどう変わるのか。ひとつの年代を切り取った技術書ではなく、長い期間を見通した育成の設計になっているのがこの本の立場だね。
橘ナナミ
なるほど、順番があるんですね。でも207ページはなかなかの厚さです。通読すべきなんでしょうか。
佐藤メバル
通読より、自分が関わる年代を軸に、前後の年代も眺める読み方が現実的だと思う。海外で作られた育成の設計だから、日本のチームの環境にそのまま当てはまらない部分もある。
そこは読み替えが必要。すぐ使える短いメニュー集を探している人には遠回りだけど、GKを何年かかけて育てたい人には骨太の一冊だよ。

ゴールキーパー「超」専門講座
松永成立 著|東邦出版
¥1,760(税込)
横浜F・マリノスのGKコーチ松永成立と、サンフレッチェ広島のGKコーチ澤村公康——現場でGKを見続けてきた二人が語り合う形で、ゴールキーパーのエッセンスを掘り下げる一冊です。基本と応用を「プロが実行する」視点で並べ、サッカーファンの見る目を底上げしながら、プレーヤーにはワンランク上のヒントを渡す。239ページを通して、GKというポジションの解像度が上がります。
こんな人におすすめ
GKをする子を持つ保護者、ファン・サポーター、そしてプレーと指導の両方に関わる人。選手としてもコーチとしても引き出しが増え、試合中継でGKの動きを見る目が変わります。読み物として楽しみたい人にも。
良い点
- トップ現場のGKコーチ二人が語る
- 選手にも指導者にも効く
- ファンや保護者も読める
気になる点
- 技術の手順書ではない
- 前提となる知識が要る
- 初心者には内容が濃い
出版社
東邦出版
発売日
2019年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
GKコーチ同士の対談で一冊、しかも239ページ。技術の手順を覚える本というより、読み物として楽しむものなんでしょうか。
佐藤メバル
読み物として面白いんだよ。横浜F・マリノスの松永成立とサンフレッチェ広島の澤村公康、現場でGKを見続けてきた二人が語り合う形で、基本と応用をプロの視点から掘り下げていく。
手順を覚える本ではないけれど、GKというポジションの解像度が上がる。サッカーファンの見る目を底上げする、と銘打っているのも納得だね。
橘ナナミ
なるほど。GKをやっている子を持つ親が読んでも、ついていける内容でしょうか。
佐藤メバル
そこも想定に入っているよ。プレイヤー、指導者、ファン・サポーター、そしてGKをする子を持つ保護者まで、と対象を広く挙げている。
ただ、技術の手順を順番に教えてくれる本ではないから、まったくの初見だと濃く感じるかもしれない。GK専門の入門書を一冊挟んでから読むと、この対談の味わいが増すよ。
ポジション別「最初に読む1冊」と、年代×レベルの読む順番
橘ナナミ
ここまでの話を整理すると、ポジションごとに「最初の一冊」を決めてから読むほうがよさそうですね。
佐藤メバル
そのとおり。FWなら『中高生のためのサッカー講座/ポジション別スキルアップ FW編』、GKなら『基本から応用まで身につく! サッカー ゴールキーパー 最強バイブル』、DFなら中西永輔さんの上達のコツ50、SBなら偽サイドバックの本、MFならポジション進化論やMFのゴールスコアリング本。まず『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』で全体像をつかみ、自分のポジションの一冊を足す。この順番なら迷わない。
橘ナナミ
年代でいうと?
佐藤メバル
小学生は8人制の動き方と『こどもポジショナルプレー』、中学生は中高生講座でスキルを固め、高校生から大人は戦術書へ。大人になってから始める人は、いきなり専門書ではなく『サッカー守備解剖図鑑』か『サッカー個人技入門』で原則をつかんでからのほうが速いよ。
橘ナナミ
順番を決めるだけで、だいぶ違いますね。
佐藤メバル
あと、読んで終わりにしないコツがある。一冊読んだら、次の試合で「自分は今どこに立つべきか」を一つだけ決めてから臨む。全部は無理だから一つでいい。観戦に使うなら「この選手はなぜここにいるのか」を追うだけで、試合の見え方が変わる。
予算・電子書籍・入手性という現実的な話
橘ナナミ
Kindle Unlimitedで読めるサッカー本ってあるんですか?
佐藤メバル
配信状況は時期で入れ替わるから、読みたい書名で検索して確認するのが確実だよ。電子版が出ている本は移動中に読めるから、動きの確認や復習に向いている。逆に図解や写真が主役の本は紙のほうが見やすい。ここは使い分けだね。
橘ナナミ
中古や絶版のリスクは?
佐藤メバル
MOOKや雑誌の特集号は、品切れ後に中古で探すことになりやすい。欲しいと思ったら後回しにしないのが鉄則。予算は、まず入門書を一冊、次に自分のポジションの専門書を一冊、と段階を切ると無駄が出ないよ。
橘ナナミ
同じテーマの本が複数あるとき、優劣はどう見ればいいんでしょう?
佐藤メバル
同じ「ポジションの本」でも、図解中心か文章中心か、個人技術かチーム戦術かで役割が違う。だから優劣ではなく、今の自分に足りないピースで選ぶ。二冊重ねて読むと、片方だけでは見えなかった前提が見えてくるんだ。
ポジションレス化の時代に、ポジションの本をどう読むか
橘ナナミ
最近はポジションの概念が崩れてきているとも聞きます。それでもポジションの本を読む意味はあるんですか?
佐藤メバル
ある。むしろ基礎があるから変化が読める。『モダンサッカー3.0』は、ポジショナルプレーからファンクショナルプレーへ、監督が戦術を植え付ける時代から選手間の創発でゲームモデルを作る時代へ、という流れを扱っている。『欧州サッカーの新解釈。ポジショナルプレーのすべて』は5レーン理論やハーフスペース、数的優位・質的優位・位置的優位を整理し、『ダイヤモンドオフェンス』はそれを自チームで実践する方法として提示している。
橘ナナミ
なるほど、変化を読むにも「元の位置」を知らないといけないんですね。
佐藤メバル
そういうこと。役割が溶けていく時代だからこそ、まず自分のポジションの仕事を言葉にできることが、次の一歩になるんだよ。
よくある質問
小学生がポジションの役割を覚えるのにおすすめの本は?
橘ナナミ
小学生がポジションの役割を覚えるのにおすすめの本はについて教えてください。
佐藤メバル
まずは『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』が入りやすいです。GKからボランチまで一話ずつ扱い、西部謙司さんの書き下ろし解説がついています。8人制でプレーしているなら、SB・FW・SH・CHに分けて動きを解説する『小学生8人制サッカー ポジション別の動き方』が現場の感覚に合います。
ボランチ・センターバックなど特定ポジション向けの本はある?
橘ナナミ
ボランチ・センターバックなど特定ポジション向けの本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
あります。センターバックなら『試合で大活躍できる! サッカー ディフェンダー 上達のコツ50』のセンターバックのパート、サイドバックなら『なぜ強豪はSBを中に入れるのか』、MFなら『中高生のためのサッカー講座/ポジション別スキルアップ MF編』や『専門家のサッカー解説書 MFのゴールスコアリングポジションへの入り方』が該当します。
マンガでサッカーを学べるおすすめ本は?
橘ナナミ
マンガでサッカーを学べるおすすめ本はについて教えてください。
佐藤メバル
『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』です。全11話でポジションと基本技術を扱い、コラムではベッケンバウアーやグアルディオラなどワールドサッカーの伝説的な選手も紹介されています。
サッカーの戦術がわかる初心者向けの本は?
橘ナナミ
サッカーの戦術がわかる初心者向けの本はについて教えてください。
佐藤メバル
『なぜ強豪はSBを中に入れるのか』は、3-2-5やレストディフェンスを初心者でも理解できる言葉で解説すると銘打った一冊です。そこから『モダンサッカーの教科書III ポジション進化論』や『欧州サッカーの新解釈。ポジショナルプレーのすべて』へ進むと、偽9番やハーフスペースの理解が深まります。
Kindle Unlimitedで読めるサッカー本はある?
橘ナナミ
Kindle Unlimitedで読めるサッカー本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
配信対象は時期によって入れ替わるため、断定はできません。読みたい書名で検索し、電子版が出ているかを確認するのが確実です。なお図解や写真が中心の本は、紙のほうが動きを追いやすいという点も覚えておくと選びやすいです。
ゴールキーパー専門のおすすめ本は?
橘ナナミ
ゴールキーパー専門のおすすめ本はについて教えてください。
佐藤メバル
選手向けなら権田修一さんの『サッカー GKの教科書』、土肥洋一さんの『基本から応用まで身につく! サッカー ゴールキーパー 最強バイブル』。指導や育成の視点なら澤村公康さんの『守護神 育成トレーニング』、ペーターグライバーの『サッカーのゴールキーパー育成法』、松永成立さんの『ゴールキーパー「超」専門講座』が候補になります。
子どもがポジションを変えるとき読むべき本は?
橘ナナミ
子どもがポジションを変えるとき読むべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
『小学生8人制サッカー ポジション別の動き方』はSB、FW、SH、CHごとに動きを分けて解説しているので、新しいポジションの動きを先に知っておくのに向いています。不安が大きいようなら、『マンガでたのしく学ぶ!』のポジション授業で全体像を復習してから臨むと落ち着きます。
大人になってから戦術を学ぶならどの本から読む?
橘ナナミ
大人になってから戦術を学ぶならどの本から読むについて教えてください。
佐藤メバル
読みやすさ優先なら『なぜ強豪はSBを中に入れるのか』、腰を据えて学ぶなら『モダンサッカーの教科書III ポジション進化論』です。後者は偽9番や偽SBが生まれる必然を対話形式で解説しており、配置と役割を設計する考え方に触れられます。
まとめ
橘ナナミ
話を聞いて、ポジションの本は「どれが一番」ではなくて「今の自分にどの一面が必要か」で選ぶものなんだとわかりました。
佐藤メバル
そう。8人制でプレーする小学生と、観戦を楽しみたい大人と、GKコーチを目指す人では、同じ棚に並んでいても必要な一冊が違う。まず一冊を読み切って、次の試合で一つだけ試す。足りなくなったら次の本へ進めばいい。
橘ナナミ
逆に、最初から分厚い専門書を買うのは?
佐藤メバル
悪くはないけど、活かせないまま終わりやすい。僕も若い頃、分厚い戦術書を読んで満足して、ピッチでは何も変わらなかったことがある。だから入門書で言葉を手に入れてから、専門書で理屈を深める順番を勧めているんだ。
橘ナナミ
それ、私にもできそうです。
佐藤メバル
ポジションの本は、11人分の視点を貸してくれる眼鏡みたいなものなんだよ。かけた瞬間に、自分が立っている場所と、味方が見ている景色が同時に見える。次の試合、ボールが来る前に顔を上げて、自分がどのレンズで見ているかを確かめてみて。
