サッカーコーチ本業本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のお題は「サッカー コーチ 本業」なんですけど……これ、どう読めばいいんでしょう。「コーチを本業にする」ってことですか?
佐藤メバル
そう捉えて大丈夫。趣味や片手間ではなく、学校やクラブで責任ある立場を引き受けて、コーチとしてやっていく。その入口に立つ人が、どの本から読めばいいかという問いだね。
橘ナナミ
でも書店には「コーチのための本」がいっぱいあって、全部同じに見えるんですよ。
佐藤メバル
よくわかる。僕が書店員だったころ、いちばん多く受けた相談のひとつだよ。だから今日は、棚を作るときに僕が使っていた基準をそのまま出していくね。
橘ナナミ
それ気になります!
サッカーコーチ本業本の選び方
まず「教養の土台」があるか
佐藤メバル
最初の軸は、サッカーという競技を外側から語れるかどうか。中山雅雄の『理論と実践で学ぶサッカーコーチング』は、サッカーの文化や社会、歴史から、競技の特性、プレーの原則、戦術・技術の基礎までを一冊に収めている。育成年代のコーチング、ゲーム分析、フィジカル、学校体育、クラブマネジメント、スポーツ科学まで、各分野の専門家が分担して書いているんだ。
橘ナナミ
コーチ同士で話すときの共通言語が手に入る感じですね。
佐藤メバル
まさにそう。もう一冊挙げるなら岡田武史の『岡田メソッド』。プレーモデル、戦術、コーチング、ゲーム分析、トレーニング計画、チームマネジメントまで、指導と育成の要素がまとめて体系化されている。図解が150点を超え、付録には100項目を超える用語集も付く。「型」から入りたい人に向いているね。
「勝利と育成」のジレンマに答えがあるか
橘ナナミ
本業にするなら、勝たなきゃいけないし、育てなきゃいけない。そこが一番こわいです。
佐藤メバル
そこを正面から扱っているのが、倉本和昌の『勝利と育成を両立させる 新時代のサッカーコーチングマニュアル』。著者は“サッカーコーチのコーチ”で、セミナー参加者は1500人を超える人。心理学や脳科学、組織マネジメントの理論をミックスして、勝ち続けるチームと人の成長を同時に扱っている。
橘ナナミ
伝え方そのものは、どうやって学ぶんですか。
佐藤メバル
岩瀬健の『サッカー指導者は伝え方で決まる』だね。ここには、選手の約7割は指導者の理論を欲していない、という指摘がある。机上は緻密に、現場は柔軟に——この一行が本の背表紙に貼ってあるような本だよ。
明日の練習に直結するメニューを持っているか
橘ナナミ
逆に、頭でっかちになりそうで不安なんです。明日の練習、決められないです。
佐藤メバル
だから棚の下段には必ずメニュー本を並べていた。島田信幸の『コーチのためのジュニアサッカー 指導法と練習メニュー』は、コーチング、コーディネーション、言語技術という三つのキーワードで整理されている。末本亮太の『指導者と選手が一緒に学べる!サッカー練習メニュー200』は、その名のとおり200のメニューを収録している。
橘ナナミ
二百……読みきれる気がしません。
佐藤メバル
全部やる必要はないんだよ(笑)。ロブ・エリスの『イングランドサッカーのコーチングアクティビティ252』のように、レベルが三段階で示されていて目標から逆引きできる作りなら、必要なところだけ開けばいい。
「見る目」を鍛える分析の視点があるか
橘ナナミ
コーチの「見る目」って、どう育てるんでしょう。
佐藤メバル
白井裕之の『怒鳴るだけのざんねんコーチにならないためのオランダ式サッカー分析』はいいよ。オランダで認められた日本人アナリストが、年齢や性別、レベルに関係なく使える共通の基準を書いている。怒鳴る前に、まず構造を見るという発想に触れられる。
橘ナナミ
見る目って、才能じゃなくて基準なんですね。
佐藤メバル
古賀康彦の『サッカーのエコロジカル・アプローチ トレーニングメニュー集』も同じ方向だね。フィールドの広さや人数の不均衡といった「制約」を学びの仕掛けにする考え方で、メニューが50個。プレー経験がない人でも取り組めるのがいいところだよ。
サッカーコーチ本業本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
サッカーコーチ本業本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

理論と実践で学ぶサッカーコーチング
中山雅雄 著|大修館書店
¥2,640(税込)
筑波大学准教授の中山雅雄を中心に、JFA公認S級コーチの鈴木淳、ジュビロ磐田のフィジカル担当・中馬健太郎、つくばFC代表の石川慎之助らが分野ごとに分担する。サッカーの文化・社会・歴史から、競技の特性とプレーの原則、戦術の基礎、コーチングの理論と実践、育成年代、ゲーム分析、フィジカル、学校体育、クラブマネジメント、スポーツ科学まで通る。一人の体験談ではなく専門家の知見を分担で押さえる構成が、他の指導者本との決定的な違い。
こんな人におすすめ
指導者養成や資格取得のために基礎から体系的に押さえたい人、学校体育や地域クラブの運営に携わりサッカーを多面的に理解したい人、指導経験はあるが理論の土台を一度整理したい人。座学の教科書として手元に置く用途に向く。
良い点
- 文化・歴史から科学まで網羅
- 各章を専門家が分担執筆
- 学校体育やクラブ運営も収録
気になる点
- すぐ使えるメニュー集ではない
- 理論書のため読み込みが要る
- 特定年代の指導に特化しない
出版社
大修館書店
発売日
2018年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
コーチ向けの本って戦術か練習メニューかに寄っている印象があるんですけど、これは「理論と実践」とあって教科書っぽいですね。誰に向いているんでしょう?
佐藤メバル
いい着眼点だね。これは一人の体験談ではなく、筑波大学の中山雅雄さんを中心に各分野の専門家が分担して書いた本なんだ。
第1章でサッカーの文化・社会・歴史、第2章で競技の特性とプレーの原則、そのあとコーチング、ゲーム分析、フィジカル、学校体育、クラブマネジメント、スポーツ科学と続く。
コーチとしての教養を土台から整える位置づけだよ。
橘ナナミ
なるほど。でも、明日の練習メニューを探している人が開いたら、ちょっと期待と違うことになりそうですね。
佐藤メバル
そこは正直に言っておこう。すぐ使えるメニュー集ではないし、183ページを読み込む覚悟もいる。ただ、なぜその練習をするのか、なぜその声かけをするのかを自分の言葉で説明できるようになる。
場当たりの指導から抜けたい人ほど効く一冊だと思うよ。

勝利と育成を両立させる 新時代のサッカーコーチングマニュアル
倉本和昌 著|カンゼン
著者は「サッカーコーチのコーチ」としてセミナー参加者1500人を超える倉本和昌。スペインやJリーグのクラブでの指導経験に、心理学、脳科学、組織マネジメント理論を掛け合わせたメソッドを公開する。勝利と育成を対立軸として扱ってきたスポーツ界の前提をほどき、コーチ自身が学び行動し続けることをチームの勝利につなげる道筋を示す。全5章で考え方が整理されている。
こんな人におすすめ
勝利も育成も諦めたくないチームの指導者、コーチ同士で学び合う場を持っている人、心理学や組織論の視点を指導に取り込みたい人。指導者自身の成長計画を立てたい場面に手元へ。
良い点
- 勝利と育成の両立を正面から扱う
- 心理学や脳科学も横断
- 全5章で構成が明快
気になる点
- 現場への翻訳に時間が要る
- 理論色がやや強め
- 初心者には前提知識が必要
出版社
カンゼン
発売日
2021年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「勝利と育成の両立」って、聞こえはいいですけど、実際はどちらかを犠牲にするしかないんじゃないかと思ってしまうんです。
佐藤メバル
その対立軸を一度ほどこう、というのがこの本の出発点なんだ。著者の倉本和昌さんはセミナー参加者が1500人を超える“サッカーコーチのコーチ”で、スペインやJリーグのクラブでの指導経験に心理学、脳科学、組織マネジメント理論を掛け合わせている。
コーチ自身が学び続けることがチームの勝利につながるという道筋を示しているよ。
橘ナナミ
コーチが学ぶ、というのは当たり前に聞こえますけど、それを「勝利」と結びつけているのが珍しいんですね。
佐藤メバル
そう。選手の成長に目を向けながら結果も出す順番を、具体的なメソッドに落としている。288ページと読み応えはあるけれど、第1章が「勝ち続けられるチームを作る」、第2章が「人の成長を支える」と、章題を追うだけでも考えが整理できる構成だよ。

岡田メソッド――自立する選手、自律する組織をつくる16歳までのサッカー指導体系
岡田武史 著|英治出版
¥3,520(税込)
W杯を2度指揮した岡田武史が、FC今治のオーナーになってから4年かけて体系化した「岡田メソッド」を初公開する。プレーモデル、共通原則、一般原則、個人とグループの原則、専門原則に加え、ゲーム分析、トレーニング計画、コーチング、チームマネジメントまで網羅。16歳までに型を落とし込み、あとは自由にするという発想が軸で、150点超の図解と付録用語集が理解を支える。
こんな人におすすめ
育成年代でプレーモデルを言語化したい指導者、チームに一貫した原則を浸透させたい人、戦術の言葉を整理したい学生コーチ。クラブの指導方針づくりの場面で参照したい一冊。
良い点
- 150点超の図解で原則が見える
- 100項目超の付録用語集つき
- W杯指揮の経験が土台にある
気になる点
- 読み応えがあり時間が要る
- 独自用語の理解が必要
- 現場への落とし込みは別作業
出版社
英治出版
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
岡田武史さんの名前は知っていましたけど、「メソッド」として一冊になっているんですね。何がそんなに体系的なんでしょう?
佐藤メバル
W杯を2度指揮した岡田さんが、FC今治のオーナーになってから4年かけてまとめたのが岡田メソッドなんだ。
プレーモデル、共通原則、一般原則、個人とグループの原則、専門原則、そこにゲーム分析、トレーニング計画、コーチング、チームマネジメントまで入る。
16歳までに型を落とし込み、あとは自由にするという考え方が軸だよ。
橘ナナミ
16歳まで、という区切りがはっきりしているのが面白いですね。図や用語集も入っているんですよね?
佐藤メバル
150点を超える図解と、100項目を超える単語を収めた付録用語集、2色刷りで丁寧に追える。サッカー本大賞2020で特別賞と優秀作品をダブル受賞している。
読むには時間がかかるけれど、クラブの指導方針を言葉にしたい人には効く一冊だよ。

コネクテッドコーチング 意思決定と文脈を繋ぐ最先端の両方向型サッカーデザイン
ベン・バートレット 著|カンゼン
¥2,200(税込)
チェルシーの女子チームを世界で最も存在感のあるクラブへ導き、イングランド全体のコーチング環境の変革に携わったベン・バートレットが、選手の能力を最大限に引き出す環境構築のアプローチを公開する。指導者と選手の双方向に目を向け、選手が楽しみながら能動的に限界へ挑戦できる学習環境をどうデザインするかを論じる。176ページとコンパクトで、コーチ、教師、メンター、教育者にも開かれている。
こんな人におすすめ
選手に答えを教え込む指導から抜けたい人、練習環境そのものを設計したいコーチ、教育や人材育成の場で学びの場をつくる人。選手との関わり方を見直す場面に。
良い点
- 環境設計という視点が新鮮
- コーチ以外の教育者にも応用可
- 176頁で要点が凝縮
気になる点
- 具体的な練習メニューは少ない
- 概念的な記述が中心
- 英語圏の文脈が前提になる
出版社
カンゼン
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「コネクテッドコーチング」って、日本語にすると繋がりのある指導、みたいな感じですか?
佐藤メバル
そう受け取ってもらっていいと思う。著者のベン・バートレットさんは、チェルシーの女子チームを世界で最も存在感のあるクラブに導き、イングランド全体のコーチング環境の変革にも関わってきた人なんだ。
選手の能力を最大限に引き出し、指導者と選手の双方にとって最善の結果を生む環境をどう設計するか、という話だね。
橘ナナミ
環境をデザインする、という発想は、メニューを教えるのとはだいぶ違いますね。
佐藤メバル
そこが読みどころ。選手が楽しみながら能動的に限界へ挑戦できる学習環境をどう作るかが中心にある。
176ページとコンパクトだから、コーチだけでなく教師やメンターにも開かれているよ。ただ、具体的な練習メニューは期待しないほうがいい。

サッカー指導者は伝え方で決まる 机上は緻密に、現場は柔軟に
岩瀬健 著|カンゼン
¥1,870(税込)
「選手の約7割は指導者の理論を欲していない」という前提から、ロジックとフィーリングの隔たりをどう埋めるかをサッカーライター清水英斗とともに掘り下げる。著者の岩瀬健はトップチームからスクールまで幅広く指導し、大宮アルディージャで監督デビューもした人。机上は緻密に、現場は柔軟にという姿勢で、戦術、ゲーム分析、練習設計、育成を語り、戸田和幸との対談も収録する。
こんな人におすすめ
理論はあるのに選手に伝わらないと感じる指導者、声かけや伝え方を具体的に変えたいコーチ、育成年代で言葉の選び方に悩む人。コーチングの“伝達”を点検する場面に向く。
良い点
- 伝え方に特化した切り口
- 現場の具体例が豊富
- 指導者同士の対談も収録
気になる点
- 戦術の体系書ではない
- 監督目線の記述も多い
- 演習形式の本ではない
出版社
カンゼン
発売日
2022年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「選手の約7割は指導者の理論を欲していない」という一文、けっこう衝撃なんですけど、これは本当なんでしょうか。
佐藤メバル
著者の岩瀬健さんがそう見ている、という前提から本が始まるんだ。トップチームからスクールまで指導し、大宮アルディージャで監督デビューもしている。
ピッチ外のロジックと、ピッチ内の選手の感覚には隔たりがある。机上は緻密に、現場は柔軟に——その隔たりをどう埋めるかを、サッカーライターの清水英斗さんと一緒に掘り下げているよ。
橘ナナミ
ロジックが正しいほど伝わらない、ということなんですね。練習設計の話も入っているんですか?
佐藤メバル
試合、戦術、ゲーム分析、練習設計、育成と章が続いて、大分トリニータの戸田和幸さんとの対談も収録されている。
理論を疑うというより、理論の届け方を磨く本だね。208ページだから、自分の声かけを点検したい人が読み切れる分量だよ。

サッカーのコーチング (現代スポーツコーチ全集)
多和健雄 著|大修館書店
大修館書店の「現代スポーツコーチ全集」に収められた、多和健雄によるサッカーコーチングの一冊。400ページを超える厚みがあり、シリーズの一巻として刊行されている点が大きな特徴だ。単独の指導書ではなく、スポーツのコーチング全体の枠組みの中でサッカーを位置づける作りになっており、手元に置いて長く参照するタイプの本といえる。
こんな人におすすめ
指導書を長く座右に置きたい人、サッカー指導をスポーツコーチング全体の中に位置づけて考えたい人、古い基本書にも目を通して引き出しを増やしたい人。書棚の基準書として、実践書と並べて使う場面に向く。
良い点
- 400頁超の厚みがある
- 全集の一巻として刊行
- 長く参照できる基本書
気になる点
- 目次の中身は未確認
- 入手しにくい場合がある
- 刊行からの時代差は意識したい
出版社
大修館書店
発売日
1974年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これは大修館書店の「現代スポーツコーチ全集」の一冊なんですね。402ページと分厚いのに、内容紹介が見当たらなくて。どんな本なんだろう。
佐藤メバル
多和健雄さんによるサッカーのコーチングを扱った一巻で、題名と版元、ページ数以外の細かい中身は、こちらで確認できている範囲では断定できないんだ。
ただ、全集の一巻として出ているということは、サッカー単体ではなくスポーツのコーチング全体の枠組みの中でサッカーを捉える作りになっているはずだよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、最新の戦術を探している人が最初に手を出す本ではないかもしれないですね。
佐藤メバル
そう思う。書棚の基準書として長く参照するタイプだね。実際に手に取って目次を確かめてから決めるのがいい。
今の指導に困っているなら、まず細かい実践書を一冊、そのうえでこういう土台の本を足す順番がおすすめだよ。

コーチのためのジュニアサッカー 指導法と練習メニュー (池田書店のスポーツ練習メニューシリーズ)
島田信幸 著|池田書店
¥1,430(税込)
ジュニア期の指導で押さえたい「コーチング」「コーディネーション」「言語技術」の3つを軸にまとめた教科書。選手にすぐ答えを与えず、問いかけとヒントで導くこと、運動能力の土台を整えること、状況に応じて判断する“考える力”を言葉で鍛えることを説く。言語技術はJFAアカデミーでも取り入れられてきた考え方で、三森ゆりかとの特別対談も収録されている。
こんな人におすすめ
小学生年代を初めて担当するコーチ、ドリブルばかりで周りが見えない選手への関わり方に悩む人、保護者と育成の考え方を共有したい指導者。低学年の指導設計の場面に。
良い点
- 3つの軸で整理されている
- 言語技術の解説が詳しい
- 保護者向けの記述もある
気になる点
- 高度な戦術には触れない
- 対象年代がジュニアに限定
- 読み物調の構成ではない
出版社
池田書店
発売日
2010年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「コーディネーション」と「言語技術」、聞いたことはあるんですけど、サッカーの指導でなぜこの2つが並ぶんでしょう?
佐藤メバル
島田信幸さんは、ジュニア期に押さえたいキーワードとして「コーチング」「コーディネーション」「言語技術」の3つを挙げている。
運動能力の土台を整えるのがコーディネーション、状況に応じて判断する“考える力”を言葉で鍛えるのが言語技術なんだ。
選手にすぐ答えを与えず、問いかけてヒントを与えるという姿勢が全体を貫いているよ。
橘ナナミ
言語技術って国語みたいなイメージでした。それがサッカーに効くんですね。
佐藤メバル
JFAアカデミーでも取り入れられている考え方で、日本では「察し」や「以心伝心」が美点とされてきたぶん、考えて言葉にする訓練が抜けてきたという指摘もある。
三森ゆりかさんとの特別対談も収録されていて、技術の前に土台を整えたい人にちょうどいい一冊だよ。

ジュニアサッカー 監督・コーチ入門
島田信幸 著|池田書店
¥1,780(税込)
著者はJFAアカデミー福島男子ヘッドコーチの島田信幸。指導者の心得、チームの分析、育成の指針、練習の仕方、試合や大会に向けた準備まで、ジュニア指導に必要な要素を一冊にまとめる。3つの世代に分けて考える整理や、求められる選手像から逆算して今を設計する視点が軸になっている。チーム運営の流れに沿って章が並ぶ構成だ。
こんな人におすすめ
チームを持ち始めたばかりの監督・コーチ、指導方針をどこから決めればよいか迷う人、選手の将来から逆算して今を設計したい育成担当者。シーズン前の方針づくりに。
良い点
- 指導者の心得から始まる
- チーム分析の視点がある
- 試合準備まで一冊で追える
気になる点
- 個別メニューは多くない
- 育成年代に内容が限定
- 抽象度の高い記述もある
出版社
池田書店
発売日
2011年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ島田信幸さんの本がもう一冊あるんですね。さっきのジュニア向けと、これはどう使い分けるんでしょう?
佐藤メバル
こちらはJFAアカデミー福島の男子ヘッドコーチを務めた島田さんが、ジュニアサッカー指導に必要な要素をまとめたもの。
指導者の心得、チームの分析、育成の指針、練習の仕方、試合や大会に向けた準備と、章がチーム運営の流れに沿って並んでいる。
求められる選手像から逆算して今を設計するという視点が軸だよ。
橘ナナミ
なるほど。メニューというより、チームをどう運営するかの本なんですね。
佐藤メバル
そう。子どもたちには「無限の可能性」があるという前提に立ち、育成指導者の役割を整理しようとしている。
240ページで、シーズン前の方針づくりや、コーチ同士で共通認識を作る場面に向いているよ。

指導者のための【少年サッカー・コーチングの入門書】 (ジュニアサッカー大学出版)
ジュニアサッカー大学 著
正しいことを言っても『文脈』から外れた言葉は届かない——という立場から、コーチングの本質を掘り下げる。教科書的な方法論ではなく、リアルな指導現場に立つ人へヒントを出す構成で、言葉が響かない原因、モチベーションの段階の見極め、サッカーが楽しい時と辞めたくなる時、指導者が学ぶ方法を扱う。コーチングとクラブのブランディングに触れた特典もつく。
こんな人におすすめ
言うことを聞かない子どもたちへの対応に悩む指導者、コーチを職業にしたい人、クラブチームを作りたい・会員を増やしたい人。現場の言葉づかいを見直す場面に。
良い点
- 文脈という切り口が実践的
- ブランディングの特典つき
- 他競技にも通じる内容
気になる点
- 戦術や技術の解説はない
- 著者個人の実践色が強い
- 体系的な教科書ではない
出版社
詳細情報なし
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「文脈から外れた言葉は心に響かない」、この一文が目に留まりました。コーチングの技術というより、伝わるかどうかの話なんですね。
佐藤メバル
そう、テクニカルな問題としてではなく、コーチングの本質として捉えている。教科書的な方法論ではなく、リアルな指導現場に立つ人に向けてヒントを出している構成なんだ。
言葉が響かない原因、モチベーションの段階の見極め、サッカーが楽しい時と辞めたくなる時、指導者が学ぶ方法まで扱っているよ。
橘ナナミ
モチベーションの段階、というのは気になります。子どもによって全然違いますもんね。
佐藤メバル
そこを見極めずに同じ声をかけても届かない、という話だね。さらに特典として、コーチングとクラブのブランディングの関係にも触れている。
コーチを職業にしたい人、クラブを作りたい人、会員を増やしたい人には、そこが他にはない読みどころになるよ。

指導者と選手が一緒に学べる!サッカー練習メニュー200
末本亮太 著|池田書店
¥2,420(税込)
育成に定評のある大豆戸FCが監修し、基本から戦術的な内容まで練習メニューを200収録する。初心者向けのお手本とNG例、つまずきがちなポイント、子どもの伸びを支える指導や声かけのコツまでを一冊にまとめた。選手に合わせて練習を選び、必要ならチームを分けるという現場発想が貫かれ、Jリーグへ選手を送り出してきたクラブの空気が伝わる。
こんな人におすすめ
練習メニューの引き出しを増やしたいジュニアコーチ、声かけの具体例が欲しいお父さんコーチ、限られた練習時間を効率よく設計したい人。週の練習を組み立てる場面に。
良い点
- メニュー数200で探しやすい
- NG例とポイントがつく
- 声かけのコツも載る
気になる点
- 理論の掘り下げは控えめ
- 上級者向けは少なめ
- 監修クラブの方針に沿う
出版社
池田書店
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
200メニューって、けっこうな数ですよね。ただ並んでいるだけだと選びにくい気もするんですけど…。
佐藤メバル
そこは大豆戸FCという育成に定評のあるクラブが監修していて、初心者向けのお手本とNG例、つまずきがちなポイントまでセットで載っている。
基本から戦術的な内容まで幅があるから、選手のレベルに合わせて選び、必要ならチームを分けるという現場感覚で使えるようになっているよ。
橘ナナミ
小川航基選手のようなJリーガーを出したクラブですよね。声かけのコツも載っているんですか?
佐藤メバル
載っている。練習時間は長くても2時間、夏場は基本的に休み、サッカー以外の時間も充実させたい、という方針も紹介されていて、メニューだけでなくクラブの考え方まで見えるのが面白い。
192ページで、週の練習を組み立てる手元に置きやすい一冊だよ。

サッカー部 監督力とコーチ術 ~弱小校でも勝てる! 最強バイブル~ (コツがわかる本!)
本田裕一郎 著|メイツ出版
¥1,705(税込)
流通経済大学付属柏高校サッカー部監督の本田裕一郎が、指導者の心得から日々のトレーニングメニューまでを記す。新設校でグラウンド整備から始めた経験、習志野高校でのインターハイ初優勝、市立船橋高校というライバルとの出会いなど、40年以上の実践が背景にある。「いい選手を集める」「いい指導をする」「いいところへ送り出す」という役割論が軸だ。
こんな人におすすめ
部活動の顧問としてチームを立て直したい人、環境が整わない中で工夫したい指導者、勝利を目指すチームづくりを基礎から学びたい学生コーチ。初級・中級・上級の段階指導に。
良い点
- 段階別にセッションを整理
- 部活動の実情に即している
- 128頁で読み切りやすい
気になる点
- 高校年代が中心になる
- 育成年代には物足りない
- 体験談の比重が大きい
出版社
メイツ出版
発売日
2015年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「弱小校でも勝てる」という言葉、部活の顧問をしている人には刺さりそうです。著者の方はどんな経歴なんですか?
佐藤メバル
流通経済大学付属柏高校サッカー部監督の本田裕一郎さんで、指導者として40年以上。最初に赴任した市原緑高校は新設校で、グラウンド整備や部室づくりから始めたそうだ。
習志野高校では高校選手権の準決勝進出、インターハイ初優勝を経験している。「いい選手を集める」「いい指導をする」「いいところへ送り出す」という3つの役割論が軸だよ。
橘ナナミ
ゼロからのスタートを経験している人の言葉だから、重みが違いますね。
佐藤メバル
しかも初級・中級・上級と段階を分けて、シンプルなボールタッチから実戦感覚までセッションが並ぶ。128ページと短いから、まず一冊読んで、自分のチームのどこを変えるか考える入口に向いているよ。

選手を伸ばす!少年サッカーコーチング
篠原統 著|ナツメ社
¥1,485(税込)
ナツメ社から出た、少年サッカーのコーチングを扱う一冊。著者は篠原統で、239ページというボリュームをかけ、選手を伸ばすという目的をタイトルに掲げている。書名どおり「伸ばす」という視点から少年年代の指導を組み立てる構成で、まず全体像をつかみたい人が手に取りやすい。同年代を扱う入門書を選ぶときの比較対象になる。
こんな人におすすめ
少年サッカーの指導をこれから始める人、入門書を一冊選びたい人、基本に立ち返って指導を見直したい経験者。最初の一冊を決める場面に。
良い点
- 239頁で全体を追える
- 少年年代に焦点を当てる
- 入門書として手に取りやすい
気になる点
- 詳しい内容紹介が非公開
- 目次や構成は未確認
- 難易度は判断しづらい
出版社
ナツメ社
発売日
2007年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、ナツメ社から出ている少年サッカーコーチングの本ですね。ただ、内容の詳しい紹介が見当たらなくて…。
佐藤メバル
そうなんだ。著者は篠原統さん、239ページ、1485円。タイトルからは「選手を伸ばす」という目的がはっきり読み取れるけど、中の章立てや練習の数までは、こちらで確認できている情報だけでは断定できない。
書名と版元、ページ数といった確かな部分で判断するしかない一冊だね。
橘ナナミ
じゃあ、書店で目次を確認してから決めるのがよさそうですね。
佐藤メバル
そうしよう。少年サッカーのコーチング入門を、239ページでじっくり読みたい人なら候補になる。逆に今日の練習メニューをすぐ欲しい人なら、メニュー数が明記されている本を先に当たるほうが早いよ。

少年サッカー 伸ばせるコーチ伸ばせないコーチ
安部雄二郎 著
全国高校選手権2度出場、インカレ全国準優勝、社会人日本一といった実績の中で培ったFWとしての経験を、目の前の中学生に伝えた1年目。試合で点を取るようになった選手を見ながら著者が感じた「後悔」から話が始まる。現日本代表選手を育てたカリスマコーチや、地域で200名以上の生徒が集まる実力派コーチに気づかされた、育成年代に必要なものとは何かを問い直す。
こんな人におすすめ
自分と選手の距離の取り方に迷う育成年代のコーチ、教え込みすぎた経験のある指導者、スクールやクラブの在り方を考えたい人。指導者としての姿勢を振り返る場面に。
良い点
- 著者自身の後悔から始まる
- 実力派コーチの視点が入る
- 選手の変化を軸に語る
気になる点
- 体系的な理論書ではない
- FW経験が前提の記述
- 具体的な練習法は少なめ
出版社
詳細情報なし
発売日
2019年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「伸ばせるコーチ、伸ばせないコーチ」って、ずいぶん直球なタイトルですけど、著者の実績が気になります。
佐藤メバル
安部雄二郎さんは、全国高校選手権に2度出場、インカレ全国準優勝、社会人日本一といった実績の中でFWとしての経験を積んできた人。
それを目の前の中学生に伝えた1年目に、試合で点を取るようになった選手を見ながら、著者自身が後悔を感じた——そこから話が始まるんだ。
橘ナナミ
うまくいった話ではなく、後悔から始まるのが意外です。
佐藤メバル
そこが読みどころだね。さらに、現日本代表選手を育てたカリスマコーチや、そのコーチの元にだけ200名以上の生徒が集まる実力派コーチに気づかされたことを通して、育成年代に本当に必要なものは何かを問い直していく。
指導者としての姿勢を振り返りたい人に向くよ。

ジュニアサッカー賢者の知恵: 私のコーチ哲学 (コーチングブックシリーズ)
サッカークリニック 著|ベースボール・マガジン社
『サッカークリニック』を手がけてきた編者による、ジュニア年代の指導者たちの知恵をまとめた「コーチ哲学」の一冊。タイトルどおり複数の指導者の考え方に触れる構成で、226ページにわたって育成年代の原理が語られる。一人の成功談ではなく複数の視点を並べて読むところが、入門書やメニュー集とは違う価値になる。
こんな人におすすめ
指導の哲学をじっくり考えたい人、複数の指導者の考えを比べたい人、メニュー集に飽きて原理に戻りたいコーチ。指導方針を言語化する場面に。
良い点
- 複数の指導者の視点が入る
- 哲学から入る構成
- 226頁で読み応えがある
気になる点
- 具体メニューは中心でない
- 詳しい内容紹介は非公開
- 編さん物ゆえ統一感は弱いか
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2015年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『サッカークリニック』の名前が見えます。これは雑誌の記事をまとめた感じなんでしょうか?
佐藤メバル
それを断定する材料は手元にないんだけど、ジュニア年代の指導者たちの知恵を「コーチ哲学」としてまとめた一冊で、ベースボール・マガジン社から226ページで出ている。
タイトルのとおり、一人の成功談ではなく複数の指導者の視点を並べて読む構成になっているはずだよ。
橘ナナミ
哲学、という言葉だと、メニューを探している人には遠いですかね。
佐藤メバル
遠くはないと思う。メニューの引き出しは増えても、なぜそれをやるのか説明できないと迷いが残る。そういうときに原理へ戻る本として効くんだ。
指導方針を言葉にしたいタイミングで開くと、収穫があるはずだよ。

名言から学ぶサッカー指導者1年目の教科書
ベースボール・マガジン社
¥2,590(税込)
ベースボール・マガジン社から出た、指導者1年目に向けた一冊。タイトルのとおり名言を入口に据え、198ページで指導者としての基本をたどる構成になっている。言葉から指導の姿勢を学ぶというアプローチは、メニュー集や戦術書にはない入り口だ。監督の思考法や育成論を読む前の助走としても使いやすい。
こんな人におすすめ
指導者1年目で何から学べばよいか迷う人、座右に言葉を置きたい人、心得を短い単位で読み進めたい人。毎日の空き時間に少しずつ読む場面に。
良い点
- 名言から入る読みやすい構成
- 198頁で区切りがつく
- 1年目の心得に焦点
気になる点
- 戦術や技術の解説は薄いか
- 著者名は非公開
- 実践メニューは期待できない
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2016年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「名言から学ぶ」と「1年目の教科書」、この組み合わせは珍しいですね。名言集なのか、教科書なのか。
佐藤メバル
タイトルのとおり、名言を入口に据えて指導者の基本をたどる作りになっている。198ページ、2590円で、ベースボール・マガジン社から出ている。
著者名は出ていないので、編さん物として読むのがいいと思う。言葉から指導の姿勢を学ぶという入り口は、戦術の本にはない価値だよ。
橘ナナミ
1年目だと、戦術書を読んでもピンとこないことが多いので、これくらいのほうが入りやすいかも。
佐藤メバル
そうだね。監督の思考法を扱う本や育成論の前に、姿勢のところを一度押さえておくと、後の本が読みやすくなる。
短い単位で読み進められるから、毎日の空き時間に少しずつ、という使い方もできるよ。

サッカーの教え方、教えます! (PERFECT LESSON BOOK)
戸田智史 著|実業之日本社
¥1,540(税込)
サッカー経験のある人も、経験のない「お父さんコーチ」も読めるように、技術の教え方をかみ砕いた一冊。パス、コントロール、ドリブル、フェイント、コンタクトスキル、ヘディング、シュート、コンビネーション、GKと章立てで追い、正確なパスを蹴るにはどこでミートすればいいのかという基本から、苦手な子が多いヘディングまで扱う。
こんな人におすすめ
指導のポイントをつかめずにいる経験者、子どもが所属するチームの練習に立ち会うお父さんコーチ、どこまで教えればよいか悩む保護者。技術指導の入口として。
良い点
- 技術を章ごとに整理
- 親でも読める語り口
- GKまで章が用意される
気になる点
- 戦術の話は少ない
- 上級者には易しい内容
- 掲載メニュー数は多くない
出版社
実業之日本社
発売日
2017年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「教え方、教えます!」というタイトル、指導者向けかと思ったら、お父さんコーチも想定しているんですね。
佐藤メバル
そう、サッカー経験がある人も、経験のないお父さんコーチも読めるように書かれている。パス、コントロール、ドリブル、フェイント、コンタクトスキル、ヘディング、シュート、コンビネーション、GKと技術ごとに章が分かれている。
正確なパスを蹴るにはどこでミートすればいいのかという基本から丁寧に説明しているよ。
橘ナナミ
ヘディングの章があるのがいいですね。苦手な子が多いですし、教え方も分からないですもんね。
佐藤メバル
そこを扱っている本は多くないからね。すでに基本を身につけた子がもう一段上げるための内容も入っている。
192ページ、1540円で、技術指導の入口として手に取りやすい価格帯なのも助かるよ。

イングランドサッカーのコーチングアクティビティ252
ロブ・エリス 著|大修館書店
¥6,380(税込)
プレミアリーグでコーチを務めた著者が、22年のキャリアで編み出したアクティビティを252収録する。3段階のレベルが示されているので、選手の成長目標に合わせてプランニングしやすく、選手が自然と課題を克服していくよう仕掛けられている。360ページの本格仕様で、幅広いアプローチのヒントとアイデアが詰まっている。
こんな人におすすめ
アクティビティの引き出しを体系的に増やしたいコーチ、成長段階に合わせて計画を立てたい指導者、育成年代の設計を任されている人。年間計画を組む場面に。
良い点
- 252と数が豊富
- 3段階のレベル表示つき
- プレミア経験者が著者
気になる点
- 価格帯は高め
- 分量が多く選ぶ手間がある
- 翻訳本ゆえ文脈の差がある
出版社
大修館書店
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
252アクティビティ、6380円。なかなか思い切った一冊ですね。数だけ多い本だと選びにくい気もするんですが。
佐藤メバル
ただの寄せ集めではないところがポイントだよ。プレミアリーグでコーチを務めたロブ・エリスさんが、22年のキャリアで編み出したアクティビティを3段階のレベルに分けて示している。
選手の成長目標に合わせてプランニングできて、選手が自然と課題を克服していくよう仕掛けられている。年間計画を組む人に向くね。
橘ナナミ
なるほど。レベルが示されているなら、自分のチームのどこに置くか考えやすいですね。
佐藤メバル
360ページあるから、全部を読むというより必要なところをめくる辞書的な使い方になる。幅広いアプローチのヒントが詰まっているぶん、指導の引き出しを体系的に増やしたい時期に効くよ。

図解コーチサッカー (スポーツシリーズ 27)
田嶋幸三 著|成美堂出版
成美堂出版のスポーツシリーズに収められた、田嶋幸三によるコーチングの一冊。タイトルに「図解」とあるように、視覚的に追いながら指導の要点をつかむ形をとり、190ページという分量にまとまっている。コーチとしての基本を図で確認していく読み方になり、手元に置いて辞書的にめくる使い方にも向く。
こんな人におすすめ
図や絵で理解したいタイプの指導者、コーチングの基本を短時間で確認したい人、古い入門書も比較して読みたい人。練習前のひと確認に。
良い点
- 図解中心で理解しやすい
- 基本の確認に向く
- 190頁でコンパクト
気になる点
- 最新戦術は含まれにくい
- 価格等の情報は少ない
- 網羅性は高くないかもしれない
出版社
成美堂出版
発売日
1996年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
田嶋幸三さんの名前があって、「図解」とついています。これは入門書として見ていいんでしょうか?
佐藤メバル
成美堂出版のスポーツシリーズに収められた一冊で、190ページ。タイトルどおり図解で追いながらコーチングの要点をつかむ作りだね。
コーチとしての基本を図で確認していく読み方になる。最新の戦術潮流を追う本ではないので、そこは役割を分けて考えたい。
橘ナナミ
手元に置いて、練習前にパッと確認する使い方がよさそうですね。
佐藤メバル
そういう使い方だね。刊行からの時間も経っているから、今の戦術用語とは少しズレを感じるかもしれない。ただ、基本の確認を図で済ませたい人には、コンパクトで扱いやすい一冊だよ。

オシムのトレーニング-日本代表監督時代のトレーニングを多数収録!
千田善 著|池田書店
元日本代表監督イビチャ・オシムが代表監督時代に行った練習と指導方法を、通訳を務めた千田善の記録をもとに紹介する。すべてのメニューはオシム本人の監修を得ている。「考えて走るサッカー」を掲げ、ウォーミングアップ、考えるトレーニング、戦術練習、試合形式、組み立て方までを収録。身体とアタマが疲れるメニューが並ぶ。
こんな人におすすめ
選手に考えさせながら走らせたい指導者、メニューの意味づけを学びたいコーチ、オシムの指導観に触れたい人。練習を組み立て直す場面に。
良い点
- 本人監修のメニューを収録
- 通訳の記録がベース
- 組み立て方まで収録
気になる点
- 当時の代表の文脈が前提
- 難度は高めのメニューが多い
- 年代によっては負荷が大きい
出版社
池田書店
発売日
2012年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オシムさんの練習が本になっているんですね。「考えて走るサッカー」という言葉は聞いたことがあります。
佐藤メバル
元日本代表監督のイビチャ・オシムさんが代表監督時代に行った練習と指導方法を、通訳を務めた千田善さんの記録をもとに紹介している。
すべてのメニューはオシムさん本人の監修を得ているのが確かなところだね。身体とアタマが疲れるメニューが並んでいて、ウォーミングアップから戦術練習、試合形式、組み立て方まで収録されているよ。
橘ナナミ
通訳の人の記録、というのが気になります。監督の言葉がそのまま残っていそうで。
佐藤メバル
そこが魅力だね。コラムも多くて、よい選手とは何か、日本人の特性、チームとしての知性といった話題が並ぶ。
176ページで読みやすく、選手に考えさせたい指導者に向いているよ。

サッカー監督の流儀: ジュニアからJリーグまで、指導者22人の経験的育成論 (SJ sports)
羽中田昌 著|スキージャーナル
¥1,760(税込)
羽中田昌がジュニアからJリーグまで指導者22人を訪ね、育成の極意を聞いたインタビュー集。浦和レッズのゲルト・エンゲルス、韮崎高校の横森巧、市立船橋高校の布啓一郎、静岡学園の井田勝通、JFAアカデミー福島の島田信幸ら、現場ごとに異なる指導の流儀が本人の言葉で残される。名言と心得が随所に散りばめられている。
こんな人におすすめ
複数の指導者の考えを比べて自分の型を探したい人、選手の能力を引き出す方法を探しているコーチ、育成年代の指導者像を知りたい人。自分の指導観を組み立てる場面に。
良い点
- 22人の証言を収録
- 名言が随所に散りばめられる
- 扱う年代の幅が広い
気になる点
- 体系的な理論書ではない
- 333頁と長めの分量
- 聞き書きが中心の構成
出版社
スキージャーナル
発売日
2008年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
22人もの指揮官に話を聞いているんですね。ジュニアからJリーグまで、幅がすごい。
佐藤メバル
羽中田昌さんが22人の名指揮官を訪ねて、指導と育成の極意を聞いたインタビュー集なんだ。浦和レッズのゲルト・エンゲルスさん、韮崎高校の横森巧さん、市立船橋高校の布啓一郎さん、静岡学園の井田勝通さん、JFAアカデミー福島の島田信幸さん。
現場ごとに異なる流儀が本人の言葉で残っているよ。
橘ナナミ
名言も散りばめられていると紹介にありました。読み物としても面白そうですね。
佐藤メバル
そう。333ページと長いけど、一人ずつの話だから区切りをつけて読める。自分の指導観を組み立てたい時期に、複数の考えを並べて比べる使い方がいいと思うよ。

Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法
城福浩 著|カンゼン
ヴァンフォーレ甲府で指揮を執った城福浩が、FC東京監督時代やU-17日本代表監督時代に培ったものを実例に、チームを躍動させる思考法を公開する。チーム編成論、マネジメント論、采配論、戦術論、育成論の5章立てで、補強の情報戦、スタンダードの示し方、選手交代の考え方、ハーフタイムで話せる時間など現場の決断の中身に踏み込む。
こんな人におすすめ
トップチームのマネジメントを学びたい指導者、采配や編成の考え方に触れたい人、選手から監督へステップアップしたい人。指揮官の思考を追体験する場面に。
良い点
- 5章で論点が整理されている
- 実例が豊富で具体的
- 編成から育成まで網羅
気になる点
- プロ前提の記述が多い
- ジュニア指導には遠い
- 理論書というより実践録
出版社
カンゼン
発売日
2013年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
現役の監督が、ここまで思考の中身を書いているのは珍しい気がします。編成の話から始まるんですね。
佐藤メバル
城福浩さんが、ヴァンフォーレ甲府で指揮を執る中で、FC東京監督時代やU-17日本代表監督時代に培ったものを実例にして、チームを躍動させる思考法を公開している。
チーム編成論、マネジメント論、采配論、戦術論、育成論の5章立てで、補強の情報戦やスタンダードの示し方、選手交代の考え方まで踏み込むよ。
橘ナナミ
ハーフタイムで話せる時間は3、4分、という項目も気になります。そういう現実的な話が好きです。
佐藤メバル
そこが現場の解像度だね。原則論ではなく、決断の場面が具体的に描かれている。プロの前提が強いからジュニア指導に直結はしないけれど、采配や編成の考え方に触れたい人には刺激になる一冊だよ。

蹴球学 名将だけが実践している8つの真理
Leothefootball 著|KADOKAWA
¥1,980(税込)
日本でチャンネル登録者数が最多の戦術分析チャンネル「レオザフットボール」による戦術書で、紙・電子累計5万部を突破。攻撃編ではポジショナルプレーと正対理論、守備編では同サイド圧縮やトランジションの原則を扱い、試合を見る目そのものを組み替える。酒井宏樹選手の推薦があり、著者は佐野海舟選手の個人分析官に就任している。
こんな人におすすめ
試合を見る解像度を上げたいコーチ、戦術用語を自分の言葉で使いたい人、分析を指導に活かしたいアナリスト志望者。試合の振り返りに。
良い点
- 攻撃・守備・応用の3部構成
- 原則を図解で説明
- 具体例が豊富
気になる点
- 分量が多く読み込みが要る
- 著者個人の分析色が強い
- 指導者向けメニューはない
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
レオザフットボールさんの本ですね。動画で見た話を、文章で原則として持ち帰れる感じなんですか?
佐藤メバル
まさにそこなんだ。紙・電子累計5万部を突破していて、日本代表SBの酒井宏樹選手の推薦もついている。著者は日本代表MF佐野海舟選手の個人分析官に就任した人だ。
内容は攻撃編・守備編・応用編の3部構成で、ポジショナルプレーと正対理論、同サイド圧縮、トランジションの原則などを扱う。
試合を見る目そのものを組み替える本だね。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、練習メニューを探す本ではないんですね。
佐藤メバル
そう、そこは期待しないほうがいい。256ページ、1980円で、戦術用語を自分の言葉で使えるようにしてくれる。
指導の場面でも、試合の振り返りや分析の場面で効くよ。

怒鳴るだけのざんねんコーチにならないためのオランダ式サッカー分析
白井裕之 著|ソル・メディア
¥2,300(税込)
アヤックスで育成アカデミーのユース年代専属アナリストを務め、オランダ代表のFutureチームでも分析を担当した白井裕之の初著作。年齢・性別・国籍・レベルにかかわらず使える分析メソッドを、サッカーの構造をシンプルに分解する形で示す。「分析ができるコーチは怒鳴らない」という章題が象徴するように、伝わらない言葉の理由から解き明かす。
こんな人におすすめ
感情的な声かけから抜けたい指導者、分析の共通基準を持ちたいコーチ、スカウティングや分析を仕事にしたい人。言葉が伝わらない理由を探る場面に。
良い点
- オランダで培った分析メソッド
- 構造の分解から入る構成
- コラムと特別収録が豊富
気になる点
- 抽象度が高めの記述もある
- 練習メニュー集ではない
- 分析の専門用語が多い
出版社
ソル・メディア
発売日
2017年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オランダで分析をしていた方の本なんですね。「分析ができるコーチは怒鳴らない」という章題が気になります。
佐藤メバル
著者の白井裕之さんは、24歳でオランダに渡り、アヤックスの育成アカデミーでユース年代専属アナリストを務めた人。
現在は同クラブのワールドコーチングコンサルタントとして活動している。年齢、性別、国籍、レベルにかかわらない分析の共通基準を、サッカーの構造をシンプルに分解する形で提示しているよ。
橘ナナミ
共通の基準があると、同じ試合を見ても話が噛み合いやすいですもんね。
佐藤メバル
その通り。言葉が選手に伝わらない理由から入って、フィールドを3つに分ける、自分たちのサッカーとは何かを考える、という流れで進む。
240ページで、コラムや欧州最先端のアナリスト事情の特別収録もついているよ。

サッカーのエコロジカル・アプローチ トレーニングメニュー集(制約が選手を育てる)
古賀康彦 著|ベースボール・マガジン社
¥1,760(税込)
エコロジカル・アプローチの基本概念を分かりやすく解説し、現場で即実践できるトレーニングメニューを50掲載する。フィールドの広さ、ルールの条件、人数の不均衡、時間の制限を制約として使い、指導者の役割は解答を教えることではなく学びの環境を整えることだと説く。デモンストレーションが不要で、プレー経験のないお父さんコーチも取り組める。
こんな人におすすめ
教え込みではなく気づきを促したいコーチ、プレー経験がなく指導に不安があるお父さんコーチ、練習と試合のつながりに悩む人。少人数の練習設計に。
良い点
- メニュー50個を収録
- デモ不要で始めやすい
- 他競技にも波及する考え方
気になる点
- 概念に慣れるまで時間が要る
- 従来の指導観とは逆の発想
- 160頁で物足りない人もいる
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2025年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「エコロジカル・アプローチ」って、聞き慣れない言葉なんですけど…。練習メニュー集なのに、概念から入るんですね。
佐藤メバル
基本概念を解説したうえで、現場で即実践できるメニューを50掲載している。フィールドの広さ、ルールの条件、人数の不均衡、時間の制限——これを制約として使い、指導者の役割は解答を教えることではなく学びの環境を整えることだという立場を取るんだ。
デモンストレーションが要らないから、プレー経験のないお父さんコーチでも取り組めるよ。
橘ナナミ
教えない、というのがいちばん難しい気がします。でもメニューがあるなら入りやすいかも。
佐藤メバル
160ページでコンパクトだし、サッカーだけでなくバスケなど他競技にも波及している考え方だから、指導観を一度ずらしたい人にはいい刺激になるよ。

複雑系としてのサッカー:練習と試合をつなぐ“フラクタル指導”: なぜ練習でできたことが試合でできないのか? (ジュニアサッカー大学出版)
ジュニアサッカー大学 著
練習ではうまくいくのに試合で再現できない——という現場の違和感から出発し、サッカーを「複雑系」として捉え直す一冊。局面が変わっても原則は同じ、人数が変わっても構造が似ているという相似性の視点から、練習と試合をブレずに一貫させる「フラクタル指導」を提案する。戦術ではなく原則で育てたい人に向く。
こんな人におすすめ
練習と試合のギャップに悩むジュニア年代の指導者、原則から選手を育てたい人、答えを教えず気づきを促したいコーチ。指導の目線をアップデートする場面に。
良い点
- 複雑系という切り口が独自
- 相似性の視点で一貫させる
- 少人数練習とのリンクを解説
気になる点
- 概念の理解に時間が要る
- 具体メニューは主題ではない
- 理論寄りの内容になる
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「なぜ練習でできたことが試合でできないのか」——これ、指導者じゃなくても気になる問いです。
佐藤メバル
まさにその違和感から始まる本だね。サッカーを「複雑系」として捉え直し、練習と試合がつながらない原因を探る。
局面が変わっても原則は同じ、人数が変わっても構造が似ているという相似性の視点から、練習と試合をブレずに一貫させる「フラクタル指導」を提案しているよ。
橘ナナミ
少人数トレーニングが試合とリンクする、という話も入っているんですよね。
佐藤メバル
そう。実際のコーチングで何を見て、どう声をかけるかというところまで踏み込んでいる。戦術ではなく原則で育てたい、答えを教えず気づく選手を育てたい——そういう志の人に向く一冊だよ。
「本業」にするなら、読む順番を決めておく
橘ナナミ
本が多すぎて、どれから読めばいいか決められません。
佐藤メバル
順番を決めると楽だよ。まず土台として、中山雅雄の『理論と実践で学ぶサッカーコーチング』や岡田武史の『岡田メソッド』で競技と指導の全体像を持つ。次に人を扱う技術で、倉本和昌の『勝利と育成を両立させる 新時代のサッカーコーチングマニュアル』や岩瀬健の『サッカー指導者は伝え方で決まる』。そのうえで現場のメニュー本を開く。
橘ナナミ
逆から読むと失敗するんですか?
佐藤メバル
失敗というより、メニュー本だけだと「なぜこの練習なのか」を自分で説明できなくなる。選手に聞かれたときに答えられないのは、本業としては痛いよ。城福浩の『Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法』には、チーム編成やマネジメント、采配、戦術、育成の各論が並んでいる。判断を言葉にできることが、本業の厚みになる。
カテゴリーによって「本業」の中身は変わる
橘ナナミ
「サッカーコーチ」と一口に言っても、ジュニアとトップでは全然違いますよね。
佐藤メバル
そこは棚を分けていた。ジュニアなら島田信幸の『ジュニアサッカー 監督・コーチ入門』。チームの分析、育成の指針、練習の仕方、試合や大会に向けた準備まで、指導者の役割と仕事が整理されている。本田裕一郎の『サッカー部 監督力とコーチ術』は高校の現場を、初級・中級・上級と段階を追って扱っている。
橘ナナミ
学校の部活と街クラブでも違いますもんね。
佐藤メバル
街クラブや少年団なら、安部雄二郎の『少年サッカー 伸ばせるコーチ伸ばせないコーチ』がその視点だね。育成年代に必要なものを、自身の経験から書いている。篠原統の『選手を伸ばす!少年サッカーコーチング』も同じ層に向けた一冊だよ。
橘ナナミ
子どもがいるわけじゃないので想像でしかないんですけど、お父さんコーチの人たちはどこから入るんでしょう。
佐藤メバル
戸田智史の『サッカーの教え方、教えます!』は、まさにその入口を想定している。パス、コントロール、ドリブル、フェイント、コンタクトスキル、ヘディング、シュート、コンビネーション、GKという順番で、基本からレベルアップまで扱っている。サッカー経験がない人でも読める作りだね。
技術の前に「言葉」と「原則」を疑う
橘ナナミ
ここまで聞いて思ったんですけど、コーチの悩みって戦術より前に、伝わらないことなんですよね。
佐藤メバル
そう。だからこの棚には、技術書と同じくらい「言葉」の本を置いていた。『指導者のための【少年サッカー・コーチングの入門書】』は、正しいことを言っても『文脈』から外れた言葉は子どもたちの心に響かない、というところから始まる。モチベーションの段階を見極める話も出てくるよ。『名言から学ぶサッカー指導者1年目の教科書』は、先人の言葉から心得を掴む作りだね。
橘ナナミ
「原則」を疑う、というのはどういうことですか。
佐藤メバル
ジュニアサッカー大学の『複雑系としてのサッカー』が分かりやすい。練習ではできるのに試合でできないのはなぜか、という違和感から入って、局面が変わっても原則は同じ、人数が変わっても構造が似ている、という相似性の見方で練習と試合をつなごうとする。さっき触れた古賀康彦の『サッカーのエコロジカル・アプローチ』も、指導者の役割は解答を教えることではなく、制約を通して学びの環境を整えることだと言っている。
橘ナナミ
教える、じゃなくて、整える。言葉が変わるだけで練習の見え方が変わりそうです。
佐藤メバル
それと忘れちゃいけないのが、先人たちの経験をまとめた本だね。羽中田昌の『サッカー監督の流儀』は、ジュニアからJリーグまで、指導者22人に聞いた育成論で、島田信幸の言葉も出てくる。千田善の『オシムのトレーニング』は、オシム氏が日本代表監督時代におこなった練習と指導方法を、通訳を担当した著者の記録をもとに紹介している。「考えて走る」が軸にある本だよ。ベン・バートレットの『コネクテッドコーチング』のように、選手が能動的に学べる環境そのものをデザインする、という視点の本も出ている。
よくある質問
サッカーコーチを本業にするには、まずどの本から読めばいいですか?
橘ナナミ
サッカーコーチを本業にするには、まずどの本から読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まずは競技と指導の全体像がつかめる一冊から始めるのがおすすめです。中山雅雄の『理論と実践で学ぶサッカーコーチング』は、サッカーの文化や歴史から戦術・技術の基礎、育成年代のコーチング、ゲーム分析、フィジカル、クラブマネジメントまでを各分野の専門家が分担して解説しています。岡田武史の『岡田メソッド』もプレーモデルからチームマネジメントまでを体系化しているので、土台づくりには向いています。細かい練習メニューは後回しでも構いません。
サッカー経験がないお父さんコーチでも読める本はありますか?
橘ナナミ
サッカー経験がないお父さんコーチでも読める本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。戸田智史の『サッカーの教え方、教えます!』は、サッカー経験はないけれど子どもが所属するチームの練習に立ち会っている「お父さんコーチ」を想定した一冊です。パスやコントロール、ドリブル、ヘディング、シュート、GKまで、どこでミートすればよいかという基本から解説しています。古賀康彦の『サッカーのエコロジカル・アプローチ トレーニングメニュー集』も、デモンストレーションを必要としないメニューが50個収録されていて、プレー経験がない人でも取り組める作りです。
戦術書とコーチング本はどう使い分ければいいですか?
橘ナナミ
戦術書とコーチング本はどう使い分ければいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
戦術書は「何を目指すか」、コーチング本は「どう伝えるか」を担います。たとえば岡田武史の『岡田メソッド』はプレーの原則や専門原則を図解で示し、チームの共通言語をつくる本です。一方で岩瀬健の『サッカー指導者は伝え方で決まる』は、選手の約7割は指導者の理論を欲していないという前提から、現場での伝え方を考えます。両方を持つと、頭の中の設計図と、ピッチでの声かけがつながります。
ジュニア年代の指導者に合う本はどれですか?
橘ナナミ
ジュニア年代の指導者に合う本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
島田信幸の『コーチのためのジュニアサッカー 指導法と練習メニュー』は、コーチング、コーディネーション、言語技術という三つのキーワードで整理されています。同じ著者の『ジュニアサッカー 監督・コーチ入門』は、チームの分析、育成の指針、練習の仕方、試合や大会に向けた準備まで、指導者の役割と仕事を扱っています。安部雄二郎の『少年サッカー 伸ばせるコーチ伸ばせないコーチ』や篠原統の『選手を伸ばす!少年サッカーコーチング』も、この年代に向けた一冊です。
練習メニューが決まらないときは、どの本を開けばいいですか?
橘ナナミ
練習メニューが決まらないときは、どの本を開けばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
メニューを数多く持っておきたいなら、末本亮太の『指導者と選手が一緒に学べる!サッカー練習メニュー200』が基本から戦術的な内容まで200本を収録しています。ロブ・エリスの『イングランドサッカーのコーチングアクティビティ252』は、3段階のレベルが示されているので、選手の成長目標から逆引きして使えます。選ぶときは「今日の課題は何か」を先に決めてから開くと、メニューに振り回されません。
選手に伝わらない、という悩みに効く本はありますか?
橘ナナミ
選手に伝わらない、という悩みに効く本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
岩瀬健の『サッカー指導者は伝え方で決まる』は、机上の理論と現場の感覚に隔たりがあることを前提に、試合・戦術・分析・練習・育成・選手といった場面ごとの伝え方を考察しています。『指導者のための【少年サッカー・コーチングの入門書】』も、正しいことを言っても『文脈』から外れた言葉は心に響かない、というところから始まり、モチベーションの段階の見極め方に触れています。伝え方の本は、指導者を長く続けるための保険になります。
分析やゲームの見方を学べる本はありますか?
橘ナナミ
分析やゲームの見方を学べる本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
白井裕之の『怒鳴るだけのざんねんコーチにならないためのオランダ式サッカー分析』は、年齢や性別、レベルに関係なく使える共通の基準を紹介しています。古賀康彦の『サッカーのエコロジカル・アプローチ トレーニングメニュー集』は、フィールドの広さや人数の不均衡といった制約を学びの仕掛けとして捉えます。ベン・バートレットの『コネクテッドコーチング』は、選手が能動的に学べる環境づくりという観点から、分析の先にある指導の設計を扱っています。
指導者として長く続けるために読むべき本はありますか?
橘ナナミ
指導者として長く続けるために読むべき本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
羽中田昌の『サッカー監督の流儀』は、ジュニアからJリーグまで、指導者22人に指導・育成の極意を聞いた一冊で、島田信幸の言葉も収録されています。『名言から学ぶサッカー指導者1年目の教科書』は、先人の言葉から心得を掴む作りです。城福浩の『Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法』は、チーム編成、マネジメント、采配、戦術、育成の各論を通して、監督という立場の決断を言語化しています。役割が変わっても立ち返れる本を一冊持っておくと安心です。
まとめ
橘ナナミ
最後に聞きたいんですけど、佐藤さんは本業としてコーチをやってきた人たちを見てきて、いちばん多かった悩みって何だったんですか。
佐藤メバル
「自分はこれでいいのか」という迷いだね。経験を積んでも、試合に勝っても、その迷いは消えない。だから本を読むんだと思う。答えをもらうためじゃなく、迷いながら考え続けるための材料として。
橘ナナミ
本って、道具なんですね。
佐藤メバル
しかも、読んだ分だけ自分の中に残る。本業にすると決めたなら、焦って一冊に答えを求めるより、少しずつ増やしていくほうが強い。倉本和昌の『勝利と育成を両立させる 新時代のサッカーコーチングマニュアル』には、コーチが学んで行動し続けることでチームははじめて強くなる、とある。コーチの成長が、そのままチームの成長になるということだね。
橘ナナミ
自分が読んだ本が、いつか選手のプレーになるってことですもんね。
佐藤メバル
そう。だから僕は、コーチの本棚はベンチだと思っているんだ。ピッチに出られるのは11人でも、ベンチには何人だって置ける。迷ったとき、言葉に詰まったとき、「あの本に聞こう」と思える選手を、自分のベンチに何名並べられるか。それが、本業として長くやっていく力になるんだよ。
橘ナナミ
じゃあ、まずは土台になる一冊をベンチに。今日はありがとうございました!
