サッカーに関する本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「サッカーに関する本」ですね。でもありすぎて、正直どこから読めばいいのか分からなくて。私、サッカーは観るのが好きなくらいで、戦術用語は「ポジショナル」って聞いても横文字だな…で止まっています。
佐藤メバル
それで十分だよ。サッカーの本は「観る」「プレーする」「教える・運営する」で棚が分かれている。まず自分の立ち位置を決めれば、選ぶべき一冊は驚くほど絞られる。書店員時代、ワールドカップのたびに同じ本でも買っていく人がまるで変わって、棚を作り甲斐があったな。
橘ナナミ
なるほど! 同じ戦術書でも、観る人とコーチでは意味が違うんですね。
佐藤メバル
そう。だから順位の前に、選び方の軸を通しておこう。ここを押さえると「自分の一冊」が決まってくるよ。
サッカーに関する本の選び方
目的別(観る/プレーする/指導する/経営する)で選ぶ
橘ナナミ
観るだけの人と、プレーする人では棚が違うんですか。
佐藤メバル
観るなら木崎伸也氏の『サッカーの見方は5分で変えられる』。「なぜ前にパスしないの?」という素朴な疑問から、ポジショナルプレーや可変システムまで図表でほどいてくれる。プレーする側なら風間八宏氏の『サッカー止める蹴る解剖図鑑』のように身体の話になり、教える立場なら『岡田メソッド』のような指導体系、運営する立場なら『「週3日の練習」で世界一!』のように育成を仕組みから描く本になる。
レベル別(初心者/中級/上級・専門家)で難易度を合わせる
橘ナナミ
難易度はどう見分ければいいんでしょう。
佐藤メバル
目安は「知らない言葉を調べる時間」だね。入門ならルールから確かめられる『わかりやすいサッカーのルール』、戦術の言葉なら『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』。ここを飛ばしていきなり『サッカー戦術の黄金則』に行くと、12の理論や4局面の話が頭に残りにくい。逆に分かっている人が入門書を読むと物足りないから、あえて一段下から読むのがコツだよ。
形式別(戦術書/図鑑/漫画/技術書/分析書)で絞る
橘ナナミ
読みたい種類から選ぶ手もありますか。
佐藤メバル
ある。漫画から入るなら日本サッカー協会が監修に入った『ドラえもんのスポーツおもしろ攻略 サッカーが楽しくできる』、ポジションの役割なら『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー』。図で理解したいなら『サッカー止める蹴る解剖図鑑』や『サッカーシステム大全』。分析の視点は、Jリーグクラブで戦術分析長を務めた龍岡歩氏の『サッカー店長の戦術入門』が担っている。
媒体別(紙/電子書籍/読み放題)で入手性を確認する
橘ナナミ
電子書籍で読めるかも気になります。
佐藤メバル
購入前に必ず確認してほしい。図解が主役の本は紙のほうが読みやすいことが多い。一方で『サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本』は固定レイアウト型の電子書籍として作られ、大きい画面での閲覧が推奨されている。読み放題の対象は配信元や時期で入れ替わるから、この記事では断定しない。各ストアで確認するのがいちばん確実だよ。
鮮度別(最新刊/定番ロングセラー)で優先順位を決める
橘ナナミ
新しい本と定番、どちらから読むべきですか。
佐藤メバル
今のサッカーを知りたいなら新しめの本。『モダンサッカー3.0』はポジショナルプレーの次を論じているし、『サッカー戦術の最前線』は戦術の歴史を物語仕立てで追う。逆に普遍的に効くのは『グアルディオラのサッカー哲学』のような言葉を読ませる本。迷ったら定番から入って、最新刊で更新していく順番がいい。
予算別(〜1000円/1000〜2000円/2000円以上)で選ぶ
橘ナナミ
価格帯も気にしていいんですか。
佐藤メバル
いいよ。1000円以下なら『ドラえもんのスポーツおもしろ攻略 サッカーが楽しくできる』や『グアルディオラのサッカー哲学』、1500円前後なら『サッカー止める蹴る解剖図鑑』や『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー』。2000円を超えると『岡田メソッド』のような体系書になる。価格は「分厚さ=読み切れるか」の目安にもなるから、最初は軽いほうを選ぶと挫折しにくい。
サッカーに関する本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
サッカーに関する本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

サッカーの見方は5分で変えられる
木崎伸也 著|朝日新聞出版
¥1,870(税込)
「なぜシュートを打たないの?」という素朴な疑問から入り、守備・攻撃・ポジショナルプレーまで図表で解きほぐす入門書。世界のサッカーを定点観測してきた木崎伸也の視点で、ペップとクロップの戦術進化、日本代表の観戦法まで一冊でつながる。戦術用語ガイドが「言葉の意味」を並べるのに対し、本書は「試合の見方」を順番に組み立てる点が違う。240ページで全体像がつかめる。
こんな人におすすめ
ワールドカップや代表戦を見ながら「なんとなく」で済ませてきた人、これから観戦を楽しみたい初心者、子どもにサッカーを教える前に全体像を掴みたい親。試合中の素朴な疑問をその場で解消したい場面に向く。
良い点
- 初心者の疑問から出発する構成
- 図表が多く目で理解できる
- 代表戦の観戦法まで収録
気になる点
- 戦術の深掘りは控えめ
- 上級者には物足りない
- 選手評伝の本ではない
出版社
朝日新聞出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、私サッカーの試合を見ても、ボールを持ってる人のことしか追えなくて。なんで横にパスするんだろうって、ずっと引っかかってたんです。
佐藤メバル
いい質問だね。まさにその疑問から始まる本がこれ。『なぜシュートを打たないの?』『なぜ90分集中しなければいけないの?』という素朴なところに一つずつ答えてくれる。
試合の状況を一目で理解する観戦ポイントを図表で解きほぐしてくれるから、初心者でも置いていかれないよ。
橘ナナミ
守備のところも読めば、失点の場面が『あ、ここが崩れたんだ』って分かるようになるんでしょうか。
佐藤メバル
そこが面白くてね、本書は失点しやすい3つの守備パターンから入る。攻撃の前に守備を押さえる構成になっていて、理想のチームは「ムクドリの群れ」という章もある。
ペップのポジショナルプレーとクロップのゲーゲンプレスにも触れていて、現代サッカーの流れまで見える。次の戦術書への橋渡しにもなるよ。

わかりやすいサッカーのルール (スポーツシリーズ)
岡田正義 著|成美堂出版
解釈を誤りやすいオフサイドを中心に、フリーキック、ペナルティーキック、ゲームの進行までを正確なイラストと図版で解説する。競技のフィールドと用具もていねいに扱い、ゴールキックの進め方などルール改正にも対応。観戦しながら「今の判定は?」と迷う場面の答えが引ける。戦術書が「なぜそう動くか」を説くのに対し、こちらは「何が反則か」を固める土台になる。審判員をめざす人の入口にもなる208ページ。
こんな人におすすめ
観戦中に判定の意味を確かめたい人、審判員をめざして勉強を始めた人、子どもにルールを説明する立場の保護者や指導者。オフサイドだけは自信がないという人が最初に開く一冊。
良い点
- オフサイドの解説が丁寧
- イラストと図版で分かりやすい
- ルール改正に対応
気になる点
- 戦術の話はほぼない
- 読み物として起伏は少ない
- 上級審判には物足りない
出版社
成美堂出版
発売日
2020年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
審判の本って、ふつうに観戦を楽しみたいだけの私が読んでも意味あるんですか?そもそもオフサイドがいつも分からなくて、流しちゃってるんですけど。
佐藤メバル
そこなんだよね。オフサイドって、実は多くの人が『なんとなく』で見ている。この本は解釈を誤りやすいオフサイドを中心に、フリーキックやペナルティーキック、ゲームの進行まで正確な図版で説明してくれる。
フィールドと用具の話もていねいで、改正にも対応しているから、観戦中の『今のは?』が自分で解決できるようになる。
橘ナナミ
審判を目指す人向けって書いてあるんですが、ただ観たいだけの私が読んでも大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
全然大丈夫。むしろ観戦が一番変わるのはこの本だと思う。オフサイドの位置の取り方やゴールキックの進め方が分かると、選手がなぜその立ち位置にいるのかが見えてくる。
ルールは戦術の前提だからね。ここで土台を固めてから戦術の本に進むと、理解がぐっと早くなるよ。

知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド
小澤一郎 著|ホビージャパン
¥2,145(税込)
実況解説や現場で飛び交う戦術用語を、初級者にもわかる言葉で丁寧に解説する。スペインリーグの試合解説で知られる小澤一郎が、複雑な概念をすっと頭に入る語り口で整理。プレーの意図や狙いがクリアになり、観戦が一段深くなる。システム大全が「形」を並べるのに対し、本書は「言葉の意味」から入るのが違い。160ページで手元に置いて引ける。
こんな人におすすめ
実況の用語を聞き流している人、子どものサッカーIQを高めたい保護者、選手に「どう伝えるか」を考える指導者。解説を聞いても分からない言葉を辞書的に引きたい場面で役立つ。
良い点
- 用語を初級者向けに平易に説明
- 観戦の解像度が上がる
- 指導者や保護者にも使える
気になる点
- 図解の量は多くない
- 体系的な戦術書ではない
- 通読より辞書向き
出版社
ホビージャパン
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
YouTubeで試合解説を聞いてても、『ネガトラ』とか『アンカー』とか、知らない言葉がどんどん出てくるんです。いちいち止めて調べるのも大変で。
佐藤メバル
その悩みにぴったりの本があるよ。スペインリーグの試合解説で人気の小澤一郎さんが、実況や現場で使われる戦術用語を初級者にもわかる言葉で説明してくれる。
意味が分かると、プレーの意図や狙いがすっと見えてくる。160ページとコンパクトだから、まず手元に置く辞書として使うのがいい。
橘ナナミ
辞書みたいに使うんですね。でも、最初から最後まで通して読んだほうがいいんでしょうか。それとも気になった時だけ開く感じですか。
佐藤メバル
どちらでもいいけど、最初に一回通して読むと、用語同士のつながりが見えてくるよ。たとえばポジショナルプレーとゲーゲンプレスが対比で語られていたりね。
子どもにどう伝えるかを意識した項目もあるから、保護者にも使いやすい。観戦の解像度が一段上がる一冊だよ。

ドラえもんのスポーツおもしろ攻略 サッカーが楽しくできる (ドラえもんの学習シリーズ)
藤子・F・不二雄 著|小学館
¥935(税込)
学習まんがシリーズに加わったサッカー入門。日本サッカー協会が全面的に協力し、ドラえもんとのび太たちが初歩から楽しく学んでいく。学習まんがと詳細な図解イラストで構成され、小学生が一人で読み進められる。図解系の技術書が練習メニューを並べるのに対し、本書は「サッカーそのものを好きになる」入口に特化している。224ページ。
こんな人におすすめ
サッカーを始めたばかりの小学生、これから習わせたいと思っている家庭、兄弟や友達と一緒に読みたい子。文字だけの本はまだ早いという年代が最初に手に取る一冊。
良い点
- まんがで最後まで読める
- 協会協力で内容が正確
- 図解イラストが豊富
気になる点
- 大人には物足りない
- 実戦テクニックは少なめ
- 上達の濃さはない
出版社
小学館
発売日
2013年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
子ども向けのサッカーの本って、正直ピンキリじゃないですか。ドラえもんのは、ちゃんと役に立つ内容なんですか?
佐藤メバル
これは本気の一冊だよ。日本サッカー協会の全面的な協力で作られていて、内容の正確さは折り紙つき。
ドラえもんとのび太が初歩から学ぶ構成だから、文字だけの本はまだ早い子でも最後まで読める。学習まんがと図解イラストの組み合わせで、楽しみながら入門できるようになっているんだ。
橘ナナミ
なるほど。でも、まんがばかりで技術の話は少なくて、読んでも上手くなれない気がしちゃうんですけど。
佐藤メバル
そこは役割が違うと考えるといい。この本の目的はサッカーそのものを好きになること。細かい技術を詰め込むより、まずルールや楽しさに触れる。
すでに夢中で練習している子なら、小学生向けのテクニック本のほうが向いている。入口と伸ばす段階は分けて考えるのが大事なんだ。

マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業
西部謙司 著|カンゼン
¥1,430(税込)
人気連載漫画「楽ショウ!」を書籍化し、西部謙司の書き下ろし解説を加えた一冊。ポジションごとの役割をGKからCF、ボランチ、ウイングまで11話の構成で学べる。基本技術「蹴る・止める・運ぶ」の回もあり、読むだけで終わらない。コラムではベッケンバウアーやグアルディオラら超人伝説も紹介。技術書と違い「立ち位置の意味」から理解できる。
こんな人におすすめ
ポジションの意味をあいまいにしたままプレーしているジュニア年代の選手、子どもに「なぜそこに立つのか」を伝えたい保護者やコーチ。マンガから入りたい大人にも。
良い点
- ポジション理解に特化
- マンガで子どもも読める
- 書き下ろし解説が厚い
気になる点
- 個人技の練習法は少ない
- 上級者には基礎的
- 試合分析の内容ではない
出版社
カンゼン
発売日
2017年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
子どもって、自分のポジションの役割が分からないまま試合に出てること、けっこうありますよね。私も昔そうでした。
佐藤メバル
あるあるだね。この本はそこを真正面から扱っていて、GKからCFまで11話でポジションごとの役割をマンガで追っていく。
西部謙司さんの書き下ろし解説が付くから、大人が読んでも整理になる。技術の前に『どこに立つか』を腹に落とせるのが大きいよ。
橘ナナミ
でも、技術の話は出てこないんですか?ドリブルとか、まずは個人技を練習したほうがいいのかなって思っていたんですけど。
佐藤メバル
そこも押さえてある。LESSON8から10で「蹴る・止める・運ぶ」という基本技術の回が入っているんだ。
ポジションの理解と基本技術がつながる構成で、読んだあとに練習で確かめたくなる。ベッケンバウアーやグアルディオラを紹介するワールドサッカーの超人伝説のコラムも、子どもの好奇心を広げてくれるよ。

子どもがサッカーを始めたら読む本<7人の賢者に聞いた53の習慣>
土屋雅史 著|ベースボール・マガジン社
¥1,980(税込)
サッカーを始めた子を持つ親が、ケガ、食事、スパイク選び、心の成長について、7人の賢者を訪ねて答えを探す構成。アカデミートレーナー、管理栄養士、メンタルコーチ、元日本代表の中村憲剛さんらがテーマ別に応じる。親しみやすい会話文と図版で大事なことが理解できる。技術書が「子に教える」本なら、こちらは「親がどう支えるか」の本。304ページ。
こんな人におすすめ
子どもがサッカーを始めたばかりの父母、習い事として続けさせるか迷っている家庭、スパイクや食事の悩みを相談する相手がいない人。わからないことだらけの最初の一年に。
良い点
- 親の視点で書かれている
- 専門家7人の知見が読める
- 会話文で読みやすい
気になる点
- 技術指導の内容は薄い
- 上級者の親には基本的
- 子ども本人向けではない
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
私、子どもはいないので想像なんですけど、サッカーを始めた子を持つ親って、分からないことだらけじゃないですか。スパイクは?食事は?って。
佐藤メバル
まさにそのための本だよ。7人の賢者に親御さんが順番に尋ねていく構成で、アカデミーのトレーナー、管理栄養士、スポーツメーカーの担当者、メンタルコーチ、そして元日本代表の中村憲剛さんまで出てくる。
会話文だから読みやすくて、テーマ別に知りたいところから開けるんだ。
橘ナナミ
中村憲剛さんって、三児の父なんですよね。選手としての視点と、親としての視点、両方あるのがいいなあ。
佐藤メバル
そこがこの本の厚みなんだ。ケガをしない体づくり、主体性の育て方、思春期の向き合い方、やる気と自信、壁にぶつかったときの話まで、終章の心構えまで通して読むと親の地図が整う。
技術を教える本ではないけれど、支える側の姿勢を考える一冊。サッカー漬けにしない視点は育成本にもつながるよ。

ライバルに差をつける! 小学生のサッカー 最強のテクニックが身につく本 新装版 (まなぶっく)
バディサッカークラブ 著|メイツ出版
¥1,694(税込)
ドリブル、ボールコントロール、キック、基本テクニック、実戦テクニックの5章で個人技を積み上げる。おへその高さを一定にすると早く走れるなど独自の理論に基づく指導が特徴で、「アゴを引け」ではなく「歯をかめ」と言い換える子ども向けの言葉づかいが光る。128ページで写真と図が中心。ポジション本が「立ち位置」なら、こちらは「足元」。
こんな人におすすめ
小学生年代で個人技を伸ばしたい選手、家での練習メニューに困っている親、子どもにどう伝えればいいか悩むコーチ。なぜそうするのかを本人に考えさせたい場面で。
良い点
- 個人技を網羅している
- 子どもに伝わる言葉づかい
- 実戦場面の応用まで
気になる点
- 守備戦術の話は少ない
- 大人向けの読み物ではない
- チーム戦術は扱わない
出版社
メイツ出版
発売日
2020年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
小学生向けのテクニック本って、写真がいっぱいで、正直どれも同じに見えちゃうんです。違いってあるんですか?
佐藤メバル
この本は指導の言葉づかいに特徴がある。たとえばヘディングのときに『アゴを引け』と言われても子どもは下を向いてしまうけれど、「歯をかめ」と言うと頭が安定する。
そういう子どもが本当にわかる言葉で書かれている。ドリブルから実戦テクニックまで5章で順に積み上がる構成も使いやすいよ。
橘ナナミ
なるほど、言葉ひとつで伝わり方が変わるんですね。これなら家で親が教えるときにも、そのまま使えそうです。
佐藤メバル
そこも意識されていて、『なぜドリブルをするの』『なぜキックをするの』と、プレーの理由から入るのがこの本の流儀なんだ。
理由が分かると集中力が続く。2011年に出た本の新装版だから内容は練られている。ただ守備の組織論は扱っていないから、そこは別の本で補うといいよ。

サッカー止める蹴る解剖図鑑
風間八宏 著|エクスナレッジ
¥1,430(税込)
元日本代表の風間八宏が「止める・蹴る・運ぶ」を徹底的に可視化した技術書。裸足の絵だから伝わる、足の甲のどこでボールのどこを触るかという繊細な感覚まで図解する。メッシの「止める・蹴る・運ぶ」を解剖する章も収録。小学生向けテクニック本が練習手順を示すのに対し、本書は「感覚の言語化」に踏み込む。112ページ。
こんな人におすすめ
感覚でプレーしてきた中高生以上の選手、指導の言葉に悩むコーチ、技術の原理を理解したうえで練習したい人。なんとなくうまくいかないを理屈で埋めたい場面で。
良い点
- 技術の原理が図解される
- 裸足の絵で感覚が伝わる
- メッシ解剖が収録
気になる点
- 実戦戦術の話はない
- 読み物として淡々としている
- 初心者には細かすぎる
出版社
エクスナレッジ
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「止める・蹴る」って、そんなに奥が深いものなんですか?小学生でも最初に習うようなことですよね。
佐藤メバル
それが一番深いんだよ。この本は足の『甲』ではなく『甲のどこ』で感じるかまで踏み込む。裸足の絵だから、靴を履いたままでは分からない感覚が伝わる。
川崎フロンターレや名古屋でプロの技術を伸ばしてきた風間さんの理論だけに、感覚で済まされてきた部分を言葉にしている。メッシの解剖も収録されていて面白いよ。
橘ナナミ
メッシを解剖してる章がすごく気になります!止める、運ぶ、パス、シュートって、何が書いてあるんですか?
佐藤メバル
メッシの『止める』『運ぶ』『パス』『シュート』を、それぞれ足の使い方として分解している。真っ直ぐ運ぶ、相手を抜く、3人を仕留めるといった運び方の項目もあって、一つひとつが練習課題になる。
読み物というより図鑑に近いから、手元に置いて練習の前後に開く使い方が合っているよ。

東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方: 思い通りのシュートやパスを蹴られる選手になる!
田所剛之 著|日本文芸社
¥1,870(税込)
東京大学でスポーツバイオメカニクスを専攻し、インサイドキックを力学的に研究した著者が、感覚を排除してキックの理論を記す。慣習的に正しいとされてきた常識にメスを入れ、強いシュート、ゴールにつながるフリーキック、味方が求めるパスの蹴り方を示す。オールカラーで写真とイラストが豊富。風間本が感覚の言語化なら、こちらは力学からの再構築。
こんな人におすすめ
キックの精度を上げたい中高生以上の選手、指導の根拠を言葉で持ちたいコーチ、子どもにキックを教える保護者。フォームの正解が知りたいときや、感覚だけでは伸びなくなったと感じた場面で開くと効く。
良い点
- 力学に基づく説明
- オールカラーで見やすい
- Jリーガー指導の知見
気になる点
- 守備の話はない
- 読むのに少し体力がいる
- 感覚派には窮屈かも
出版社
日本文芸社
発売日
2023年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
東大卒のキックコーチって、珍しいですよね。サッカーの技術書なのに物理学って、本当に役に立つんでしょうか。
佐藤メバル
これが意外と刺さるんだ。著者は卒業研究でインサイドキックを力学的に研究した人で、感覚的なことは一切排除すると宣言している。
『強いシュートはこう蹴る』という慣習が物理的には間違っていた、という指摘が並ぶ。オールカラーの写真とイラストが豊富で、選手にも指導者にも読みやすい作りなんだ。
橘ナナミ
でも、理屈ばかりで体がついてこない気もするんです。感覚で覚えたほうが早いんじゃないかなって。
佐藤メバル
そこは相性だね。すでに感覚で蹴れてしまっている人が『なぜ入るのか』を確かめるのに向いている。
逆に初心者が最初に読むと情報過多になるかもしれない。Jリーガーを指導してきた実践知も入っているから、コーチが根拠を持って教えるための一冊にもなるよ。

最速上達サッカ-オフ・ザ・ボ-ル
村松尚登 著|成美堂出版
¥1,540(税込)
ボールを持っていない時間の動きに焦点を当てた上達本で、付属のDVDで動きを確認できる。日本人選手が世界で活躍するために必要とされる「オフ・ザ・ボール」の技術を、具体的な練習として整理している。ボールを持ってからの個人技を扱うテクニック本とは視点が逆で、どこに動くかから上達を狙う。175ページ。
こんな人におすすめ
ボールを受ける前の動きに課題を感じている選手、走る量は多いのにボールに関われないと悩む人、オフザボールの指導を整理したいコーチ。動き直しの質を上げたい場面や、映像を見ながら練習に落としたいときに。
良い点
- オフザボールに特化
- 付属DVDで動きが確認できる
- 練習に落とし込みやすい
気になる点
- 収録内容の詳細は限られる
- 読み物としての厚みは薄い
- 戦術論ではない
出版社
成美堂出版
発売日
2014年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オフ・ザ・ボールって、ボールを持っていないときの動きのことですよね。それって、本で学べるようなものなんですか?
佐藤メバル
むしろ一番差が出るところだよ。ボールに関わっていない時間の動きで、試合のほとんどが決まると言ってもいい。
この本はDVDが付いていて、動きを映像で確かめながら練習に落とせる。派手さはないけれど、走っているのにボールが来ない、という悩みに直球で答えてくれる一冊だよ。
橘ナナミ
私、体育の授業でサッカーをやったときに、ずっと走ってるのにボールが来なくて、あれは何だったんだろうって今でも思うんです。
佐藤メバル
その感覚、多くの人が通る道だね。大事なのは走る量じゃなくて動き直すタイミングと方向。オフザボールだけを扱う本は数が多くないから、この本の立ち位置は貴重なんだ。
読み込むというより、映像を見ながら体で覚えるタイプの一冊。個人技の本と並べて使うと効果的だよ。

サッカー戦術の教科書 プレーモデルが試合を決める
小澤一郎 著|マイナビ出版
¥1,804(税込)
攻撃、ネガティブトランジション、守備、ポジティブトランジションの4局面を、チーム・グループ・個人の3層に分けて解説する。プレーモデルという考え方を軸に、ピッチ上で起きている問題をどう処理するかを示す。QRコードから動画で詳しい解説が見られ、2010-11シーズンのクラシコの戦術解説も収録。用語ガイドの姉妹編にして一段深い。
こんな人におすすめ
試合を見ながら「今の狙いは何か」を考えたいファン、プレーモデルを自チームに落としたい指導者や学生コーチ。なんとなく見ている状態から抜けたい場面で、用語ガイドの次に読む一冊として。
良い点
- 4局面で整理されている
- QRコードで動画解説付き
- クラシコの実例が収録
気になる点
- 用語の前提知識が要る
- 初心者にはやや硬い
- 図の多さは控えめ
出版社
マイナビ出版
発売日
2024年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「プレーモデル」って、前の用語ガイドにも出てきましたけど、いまいちピンときていないんです。チームの作戦表みたいなものですか?
佐藤メバル
近いけれど、もう少し広い。攻撃・守備と、その切り替わりの2つを合わせた4局面で、チームがどう振る舞うかの共通認識、それがプレーモデルなんだ。
この本はその4局面をチーム・グループ・個人に分けて、ピッチで起きている問題をどう処理するかまで踏み込む。
QRコードの動画で補えるのもありがたいよ。
橘ナナミ
動画があるのは助かります。文章だけだと、頭の中で映像をうまく作れなくて、途中で分からなくなっちゃいそうなので。
佐藤メバル
その使い方が正解だよ。本書の最後には2010-11シーズンのクラシコの戦術解説が収録されていて、試合を見て、解説ページを読んで、動画で確認するという流れが作れる。
用語ガイドで言葉を押さえてから読むと、頭に入る速さが全然違うんだ。

サッカー戦術の黄金則
GOAT 著|マイナビ出版
¥2,486(税込)
登録者20万人以上の人気YouTuber「GOAT」が、現代サッカーを読み解く戦術論をまとめた一冊。12の理論、4つの戦術局面、4つのトランジション、8つの陣形という枠組みで整理し、全項目に解説動画が付く。テキストで論理を理解し、動画で腑に落とす設計。320ページと厚いが、動画との往復で読み進めやすい。類書より骨組みが明快。
こんな人におすすめ
動画で戦術を学んできた人、理屈と映像を往復して理解したいファン、指導者やプレイヤーとして全体像を持ちたい人。なんとなく分かった気がするを潰したい場面で。
良い点
- 全項目に解説動画が付く
- 枠組みが明快で整理しやすい
- 体系性が高い
気になる点
- 320ページで厚い
- 動画視聴が前提になりがち
- 用語の基礎がないと辛い
出版社
マイナビ出版
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
YouTuberの方が書いた戦術書って、どうなんでしょう。動画で話せる人が、ちゃんと本でも書けるものなんですか?
佐藤メバル
この本はその心配をいい意味で裏切る。12の理論、4つの戦術局面、4つのトランジション、8つの陣形という骨組みを先に立てて、それに沿って説明していくから、読みながら迷子にならない。
そして全項目に解説動画が付いていて、テキストで論理を掴んで動画で腑に落とす流れが作られているんだ。
橘ナナミ
なるほど、本と動画で役割を分けるんですね。でも320ページって、私みたいな初心者が読み切れるか心配です。
佐藤メバル
だから動画が効くんだよ。分からないところは動画に逃げていい。テキストと動画を往復する前提で作られているから、通読しなくても使える。
ただ戦術用語の基礎がないと最初の章で止まりやすいから、用語ガイドを先に一冊挟むとスムーズに進めるよ。

サッカーシステム大全
岩政大樹 著|マイナビ出版
¥1,694(税込)
現代サッカーに見られるあらゆるシステムを、4つの基本形とその派生形として整理する。3-1-4-2のような固定システムから、アシンメトリー、攻守で異なる可変システムまでを扱い、Jリーグの各クラブが採用するシステムも随所に記載。指導者や選手なら相手の特徴とメリット・デメリットが読める。128ページで図が中心。ボールの動きを追う観戦から一歩進める。
こんな人におすすめ
ボールの動きだけでなく選手の立ち位置を見たいファン、自チームと相手のシステムを理解したい指導者や選手、Jリーグの戦い方を知りたい人。テレビ観戦のお供に図を眺める使い方も合う。
良い点
- システムを基本形で整理
- Jリーグの採用例が載る
- 指導者にも選手にも使える
気になる点
- 128ページで物足りない人も
- 戦術の歴史には触れにくい
- 図がないと理解しづらい
出版社
マイナビ出版
発売日
2021年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
4-2-3-1とか3-4-2-1とか、数字は聞いたことあるんですけど、あれって何を表してるんですか?並び順に意味があるんですか?
佐藤メバル
そこから知りたい気持ちが大事でね、この本は現代のシステムを4つの基本形とその派生形に整理してくれる。
固定のシステムだけでなく、攻守で形を変える可変システムやアシンメトリーも扱う。Jリーグの各クラブが何を採用しているかも書いてあるから、週末の試合が別物に見えてくるよ。
橘ナナミ
相手チームのシステムが分かると、じゃあここを突けばいいんだな、みたいな対策まで見えてくるんでしょうか。
佐藤メバル
まさにそこが岩政大樹さんの狙いで、相手システムの特徴・メリット・デメリットを理解すると有効な戦い方が見えてくる。
観戦側も、ボールに関係ない選手がどこに立っているかを見るだけで楽しさが倍増する。128ページと薄いから、図を眺めながら繰り返し開く使い方がいいよ。

サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本
西部謙司 著|マイナビ出版
バルセロナをはじめ世界のクラブが幼少期から一貫したポリシーで戦術理解を浸透させる一方、日本ではどうかという問いから始まる。イラストと図版を豊富に使った退屈しない構成で、個人戦術のドリブルからミランのプレッシング、バルセロナのポゼッションまでを扱う。小学生から指導者まで読める入門書。カラー制作のため閲覧端末には注意したい。
こんな人におすすめ
なんとなく戦術を知っている風で済ませてきた人、基礎から順に理解したい人、子どもと一緒に読める戦術入門を探している親。言葉は知っているが説明できない状態を抜けたい場面で。
良い点
- 基礎から順に組み立てる
- 図版が豊富で読みやすい
- 幅広い読者を想定
気になる点
- 電子版は端末を選ぶ
- 発展的な内容は少なめ
- 索引的に使うには不向き
出版社
マイナビ出版
発売日
2011年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「誰でも簡単に分かる」ってタイトル、逆に怪しく感じちゃうんですけど、本当に簡単に読めるんでしょうか。私でも大丈夫ですか?
佐藤メバル
それを言い切れるだけの作りになっているよ。イラストと図版を豊富に使って、退屈しないページ構成を徹底している。
ドリブルの個人戦術から、ミランのプレッシング、バルセロナのポゼッションサッカーまで順番に積み上がるから、聞きかじりだった言葉がつながっていくんだ。
橘ナナミ
電子書籍しかないんですね。固定レイアウトって書いてあるんですけど、スマホだと読みにくかったりするんでしょうか。
佐藤メバル
そこは注意が必要で、大きいディスプレイの端末で読むのが推奨されている。カラーで作られているから、タブレットかPCで開くのがベストだよ。
逆に言えば色と図で理解させる設計だから、紙の技術書で挫折した人ほど合うと思う。

サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である
坪井健太郎 著|カンゼン
¥11(税込)
育成大国スペインで指導する現役指導者が、戦術とは問題を解決する行為だという立場から、基本から実戦方法までを解説する。目に見えるトレンドに一喜一憂せず、背景にある事柄を押さえ、どんなサッカーにも通用するベーシックな戦術の知識を解き明かす。戦術の定義、見方、コンセプト、トレーニングメソッド論の4章構成。流行を追う本とは一線を画す。
こんな人におすすめ
指導者として戦術の土台を固めたい人、育成年代に関わるコーチ、流行を追うのではなく原理から学びたいファン。目の前の問題を解くという視点で戦術を捉え直したい場面で。
良い点
- スペインの育成視点が入る
- 定義から順に組み立てる
- トレーニング論まで及ぶ
気になる点
- 実戦の図解は多くない
- 読み物として硬め
- 初心者にはやや難しい
出版社
カンゼン
発売日
2014年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「戦術とは問題を解決する行為」って、なんだか哲学みたいな言い方ですね。サッカーの本なのに、ちょっと身構えちゃいます。
佐藤メバル
そこがこの本の核なんだ。スペインでは幼少期から一貫したポリシーで戦術理解を浸透させる。目の前で起きている問題をどう解くか、その積み重ねが戦術だという捉え方なんだよ。
だから流行の陣形を覚えるのではなく、どんなサッカーにも通用する基本が身につく。指導者に読んでほしい一冊だね。
橘ナナミ
指導者向けの本なんですね。観戦するだけの私が読んでも、意味はあるんでしょうか。ちょっと難しそうで。
佐藤メバル
十分あるよ。第2章はサッカーを戦術的視点で見る方法に割かれていて、試合の見方そのものが変わる。
第4章のトレーニングメソッド論まで含めると、選手やコーチの立場でも使い道がある。硬めの本だから、図の多い入門書を一冊読んでから挑むと入りやすいよ。

サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来 (光文社新書 1182)
龍岡歩 著|光文社
¥1,034(税込)
サッカー未経験から戦術分析長としてクラブに4シーズン在籍した異色の著者が、世界の名将たちの知恵比べを読み解く。ペップが現代サッカーをどう変えたかから始まり、モウリーニョ、シメオネ、ビエルサ、ガスペリーニ、ラニエリ、アンチェロッティ、ジダン、ナーゲルスマンまでを章立てで追う。ポジショナルとストーミングの対比で未来まで語る320ページの新書。
こんな人におすすめ
名将の考え方の違いを人物から理解したいファン、戦術史を通して現代を掴みたい人、新書サイズで読み通したい読者。監督の思想から入りたい場面で。
良い点
- 名将ごとに章が分かれる
- 戦術史として通読できる
- 新書で持ち歩きやすい
気になる点
- 図版は多くない
- 選手の話は少なめ
- 戦術の基礎知識が要る場面も
出版社
光文社
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「サッカー店長」って、すごい肩書きですよね。お店をやっていた人が戦術の本を書くなんて、どういう経緯なんだろう。
佐藤メバル
そこが面白くてね、著者は12歳からノートに戦術を書き続け、ブログの濃厚な記事が評価されて戦術分析長としてクラブに4シーズン在籍した人なんだ。
本書はペップからモウリーニョ、シメオネ、ビエルサ、アンチェロッティ、ナーゲルスマンまで、名将を一人ずつ章で追いかける。新書サイズで読み通せるのがいい。
橘ナナミ
副題の『ポジショナル対ストーミング』も気になります。この二つって、そもそも何が違うんですか?
佐藤メバル
ポジショナルは位置で優位を作る考え方、ストーミングは流動的に崩す考え方と捉えると入りやすい。本書はその対比で現代サッカーがどこへ向かうのかまで踏み込む。
バロンドールから『最高の選手』を考えたり、ファンタジスタとは誰かという話も出てくる。予備知識がなくても人物から読めるのが強みだよ。

サッカー戦術の最前線 試合を観るのが10倍楽しくなる
結城康平 著|SBクリエイティブ
¥1,707(税込)
将棋の定跡を学ぶことが先人の思想を辿ることだと例え、名勝負の歴史から現代戦術を読み解く。マンツーマンとゾーンの2つの守備思想、ポジショナルプレーの台頭、サリーダ・ラボルピアーナ、偽サイドバック、ボールを奪う者たちの思想まで、物語仕立てで章が進む。元々小説を書きたかったという著者ならではの読みやすさ。208ページ。
こんな人におすすめ
戦術書の図解に疲れた人、物語として読める入門を探している人、試合を見るのが10倍楽しくなりたいファン。なぜそうなったのかを歴史から知りたい場面で。
良い点
- 物語仕立てで読みやすい
- 守備思想の対比が明快
- 初心者にも配慮
気になる点
- 網羅性は高くない
- 動画や図は少なめ
- 辞典としては使えない
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2022年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
戦術の本って、図がたくさんあって、それはそれで助かるんですけど、なんだか読んでて疲れちゃうんです。小説みたいに読めるものってないんですか?
佐藤メバル
あるよ、これがまさにそう。著者は元々小説を書きたかった人で、本書は物語仕立てで戦術の歴史を追っていく。
将棋の定跡を学ぶのは先人の思想を辿ることだ、という例えから始まって、名勝負の積み重ねとして現代サッカーを見せてくれる。読み物としてぐいぐい進むよ。
橘ナナミ
タイトルに「最前線」ってあるけど、初心者が読んでも置いていかれませんか?物語仕立てなら大丈夫かな。
佐藤メバル
そこは意識されていて、最先端の戦術を初心者でもわかるように説明することが本書の挑戦だと著者自身が書いている。
マンツーマンとゾーンという2つの守備思想の対比などは、観戦中に一番効く知識になる。ただし網羅的な辞典ではないから、辞書的な本と併用するのがおすすめだよ。

モダンサッカー3.0 「ポジショナルプレー」から「ファンクショナルプレー」へ (footballista)
アレッサンドロ・フォルミサーノ 著|ソル・メディア
¥1,760(税込)
イタリアの若手理論派が、ポジショナルプレーからファンクショナルプレーへという新しいパラダイムを提唱する。監督の戦術を植えつけるのではなく、選手間の創発現象からゲームモデルを作る。3つの優位性に加えて関係的優位と機能的優位を重視し、明確なゲームプランより状況に応じる適応力を磨く。サッカーの常識が180度変わると投げかける一冊。
こんな人におすすめ
ポジショナルプレーを前提に戦術を学んできた人、指導者として次の考え方を知りたい人、流行の先を読みたいファン。今の常識を疑いたい場面で、入門書のあとに置く一冊として。
良い点
- 最先端の理論に触れられる
- 前提の問い直しがある
- イタリア発の視点
気になる点
- 難易度は高め
- 図解は多くない
- 入門書の後に読む一冊
出版社
ソル・メディア
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『モダンサッカー3.0』の3.0って、バージョンアップみたいな意味ですよね。ポジショナルプレーがもう古いっていうことなんですか?
佐藤メバル
古いというより、その次の段階の話だね。著者はポジショナルプレーからファンクショナルプレーへという移行を提唱していて、監督が戦術を植えつけるのではなく、選手間の創発現象からゲームモデルを作るという発想に切り替える。
3つの優位性に加えて関係的優位と機能的優位を重視するんだ。
橘ナナミ
創発現象って、なんだか研究の言葉みたいですね。私、大学院でそういうの聞いたことあります。
佐藤メバル
そう、まさに研究の言葉に近い。だから明確なゲームプランより適応力を磨こうという主張になる。難易度は高めだから、ポジショナルプレーの入門書を一冊読んでから挑むのがいい。
逆に言えば、いま戦術を教える立場の人が一番刺激を受ける一冊だと思うよ。

グアルディオラのサッカー哲学
フアン・カルロス・クベイロ 著|実業之日本社
¥881(税込)
12歳でバルセロナのカンテラに入り17年を過ごしたグアルディオラが、監督として語った珠玉の言葉を集めた一冊。就任会見、バルサの精神、クライフとの関係、選手たちの評価、カンテラとマシア、監督術、勝利の条件、リーダーシップまで章が続く。戦術の体系書ではなく、判断の背景にある考え方が見える。194ページ。
こんな人におすすめ
ペップのチームがなぜ強いのか言葉から知りたい人、リーダーシップに関心がある読者、バルセロナのカンテラ文化に興味がある人。試合前に一冊挟みたい場面で。
良い点
- 本人の言葉が豊富
- リーダー論としても読める
- コンパクトで読みやすい
気になる点
- 戦術の図解はない
- 試合分析の本ではない
- ペップ以外の視点は少ない
出版社
実業之日本社
発売日
2011年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
グアルディオラって、選手としても監督としてもすごい人ですよね。でも哲学って言われると、ちょっと抽象的で、読んで理解できる気がしないんです。
佐藤メバル
心配いらないよ。これは体系的な戦術書ではなくて、ペップ自身が語った言葉を集めた本なんだ。就任会見の言葉、バルサの精神、クライフとの関係、エトーを放出した理由、士気を高める策まで、判断の裏側が本人の言葉で並ぶ。リーダー論として読んでも面白いよ。
橘ナナミ
エトーを放出した理由なんて話まで載ってるんですか。それはちょっと生々しいというか、読みたくなりますね。
佐藤メバル
そう、その生々しさがいいんだよ。本書には勝利の条件として9つの項目を挙げる章もあって、結果と内容の両方で納得のいくサッカーをしたいという姿勢が伝わってくる。
194ページで読みやすいから、ペップのチームを見る前に一冊挟むと解像度が上がるよ。

風間八宏の戦術バイブル サッカーを「フォーメーション」で語るな (幻冬舎単行本)
風間八宏 著|幻冬舎
「センターバックを見れば、サッカーがわかる」と切り出し、従来の価値観をひっくり返す戦術論を展開する。「場所を攻撃するな。人を攻撃しろ」、センターバックを攻撃する4つの方法、レバンドフスキの駆け引き、相手を囲むビルドアップ、メッシが試合中に歩く理由、守備の原則「止まる・狙う・奪う」まで。技術を扱った同じ著者が、今度は戦術を語る。
こんな人におすすめ
フォーメーションの数字で語る解説に違和感がある人、風間理論を戦術面から知りたい人、指導者として原則から組み立てたい人。システムより人が先と考える場面で。
良い点
- 独自の戦術観が明快
- 具体的な事例が豊富
- 守備の原則まで扱う
気になる点
- 賛否が分かれる主張
- 図解は限られる
- 体系的な入門ではない
出版社
幻冬舎
発売日
2021年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『サッカーを「フォーメーション」で語るな』って、けっこう強いタイトルですよね。フォーメーションって、解説で必ず出てくるのに。
佐藤メバル
風間さんらしい切り口だよ。場所ではなく人を攻撃するという発想で、センターバックを見ればサッカーがわかるというところから始まる。
センターバックを攻撃する4つの方法や、レバンドフスキの駆け引き、相手を囲むビルドアップの話まで、具体的な名前と場面で語られるんだ。
橘ナナミ
メッシが試合中に歩いている理由って、よく話題になりますよね。あれも戦術として説明されてるんですか?
佐藤メバル
そう、そこも一章になっている。歩いているように見える時間も相手を見て狙う時間だという捉え方なんだ。
同じ著者の『止める蹴る解剖図鑑』が技術の言語化なら、こちらは戦術の言語化。主張がはっきりしているぶん賛否はあるけれど、読むと視点が変わるよ。

岡田メソッド――自立する選手、自律する組織をつくる16歳までのサッカー指導体系
岡田武史 著|英治出版
¥3,520(税込)
W杯を2度指揮した岡田武史が、FC今治を舞台に4年かけて体系化した指導メソッドを公開する。プレーモデル構築によって指導者の成長を早めるという考えのもと、共通原則、一般原則、個人とグループの原則、専門原則、ゲーム分析とトレーニング計画、コーチング、チームマネジメントまでを網羅。150点超の図解と用語集付き。サッカー本大賞2020で特別賞と優秀作品をダブル受賞。
こんな人におすすめ
育成年代の指導者、プレーモデルを自チームに導入したいコーチ、子どもに「なぜ」を伝えたい保護者。状況指導から原則指導へ切り替えたい場面で、長く手元に置きたい一冊として。
良い点
- 図解150点超で分かりやすい
- 育成から組織論まで網羅
- 用語集が付いている
気になる点
- 価格は高め
- 選手向けではない
- 実践には時間がかかる
出版社
英治出版
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
岡田武史さんって、日本代表の監督だった人ですよね。その人がメソッドを本にしちゃうって、すごいことな気がします。
佐藤メバル
しかもFC今治のオーナーになって4年かけて体系化したものを出している。選手に型を浸透させて、16歳までに落とし込んで、あとは自由にするという構想なんだ。
共通原則から専門原則、ゲーム分析、コーチング、チームマネジメントまで、指導のあらゆる要素が一冊に入っている。
橘ナナミ
150点以上の図解って聞くと、分厚いけどなんとか読めそうな気がしてきますね。用語集も付いてるんですね。
佐藤メバル
そう、そこが親切なところで、100項目を超える用語集が付いているから、途中で分からない言葉が出てきても戻れる。
久保建英選手など実在のプレーヤーが出てくる解説コラムもあって、抽象論で終わらない。サッカー本大賞で特別賞と優秀作品をダブル受賞したのも納得の作りだよ。

「週3日の練習」で世界一!強さと幸せを両立するスペイン流サッカー育成論
小澤一郎 著|ぱる出版
¥1,760(税込)
スペインでなぜ子どもがサッカーを好きなまま成長し、世界トップの選手が育ち続けるのかを、練習法ではなく仕組みから解き明かす。週2〜3回の練習と週末のリーグ戦、所属人数の制限、移籍のしやすさ、街クラブの運営、連盟アプリによるIT化、学校教育や家族との時間まで、育成年代を立体的に描く。努力や根性では埋まらない差がここにある。
こんな人におすすめ
子どもをサッカー漬けにせず強くしたいと願う保護者、育成年代の指導者、日本の育成の当たり前を疑いたい人。練習量より環境を考えたい場面で。
良い点
- 仕組みから語る視点が新しい
- 家庭生活との両立に触れる
- 指導者・保護者に有用
気になる点
- 技術指導の内容はない
- スペイン事情に偏る
- すぐ実践できる話ではない
出版社
ぱる出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『週3日の練習で世界一』って、日本の常識からすると驚きですよね。うちの近所の少年団は週5日くらい練習してる気がします。
佐藤メバル
まさにその対比がこの本の主題なんだ。スペインでは週2〜3回の練習と週末のリーグ戦、所属人数の制限、移籍のしやすさ、街クラブの運営、連盟アプリによるIT化まで含めて、育成年代が立体的に描かれる。
練習法ではなく仕組みから説明しているのが、他の育成本と決定的に違うところなんだよ。
橘ナナミ
練習時間が短いのに強くなるって、じゃあ何が違うんですか?根性とか気合いの話ではないですよね。
佐藤メバル
そこを学校教育や家族との時間を大切にする生活文化まで含めて描いているのが本書の厚みだよ。サッカー漬けにしなくても強くなれる国のリアルが分かる。
すぐ真似できる話ではないけれど、わが子の環境をどう整えるかを考える材料になる。保護者と指導者の両方に読んでほしいね。

理論と実践で学ぶサッカーコーチング
中山雅雄 著|大修館書店
¥2,640(税込)
サッカーの文化や社会・歴史的背景を押さえたうえで、競技の特性、プレーの原則、戦術と技術の基礎を学ぶ。それぞれの専門家が章を分担し、育成年代のコーチング、ゲーム分析、フィジカル、学校体育、地域クラブのマネジメント、スポーツ科学までを扱う。ルールと戦術の歴史を並べて論じる構成は他書にない。183ページ。
こんな人におすすめ
指導者として教養を固めたい人、学校体育でサッカーを扱う教員、クラブ運営やフィジカルにも視野を広げたいコーチ。バラバラに学んできた知識をつなぎたい場面で。
良い点
- 専門家が分担して執筆
- 歴史から科学まで広い
- 講義のように体系的
気になる点
- 読み物として硬い
- 現場の即効性は薄い
- 図解は多くない
出版社
大修館書店
発売日
2018年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
筑波大学の先生が編者で、共著がたくさん並んでいますね。これ、大学の教科書みたいな位置づけなんですか?
佐藤メバル
まさにそういう一冊で、サッカーの文化・社会・歴史から入って、競技の特性、戦術と技術の基礎、コーチング、学校体育、クラブマネジメント、スポーツ科学まで、それぞれの専門家が分担して書いている。
朝日新聞の記者、JFA公認S級コーチ、ジュビロ磐田のフィジカル担当と、顔ぶれが多彩なんだ。
橘ナナミ
現場でコーチをしている人には、ちょっと遠い話も多そうですね。それでも読む意味はあるんでしょうか。
佐藤メバル
あると思う。バラバラに学んできた知識を一本の線としてつなぐ役割を果たすからね。とくにルールと戦術の歴史を並べて論じている章は他書ではなかなか見ない。
すぐ使えるメニューが欲しい人には向かないけれど、指導者として長くやる人ほど土台になる一冊だよ。

森保一の決める技法 サッカー日本代表監督の仕事論 (幻冬舎新書 704)
二宮清純 著|幻冬舎
¥1,056(税込)
W杯でドイツとスペインを破った日本代表監督・森保一の、「僕は単なる決める係」という言葉を軸にした仕事論。森保を長年取材してきたジャーナリストが、試合中にまるで別のチームになったかのような采配の背景と、一瞬の判断のために日頃どんな準備をしているかを掘り下げる。選手時代から培われた決断の速さに迫る。
こんな人におすすめ
組織のリーダーやマネジメントに関心がある人、日本代表の采配を別の角度から知りたいファン、決断の速さを仕事に活かしたい人。カリスマでない人が率いる場面で。
良い点
- リーダー論として読める
- 長期取材に基づく内容
- 新書で読みやすい
気になる点
- 戦術の解説書ではない
- 試合分析は限られる
- 選手の評伝ではない
出版社
幻冬舎
発売日
2023年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
森保監督って、W杯でドイツとスペインを破ったとき、采配が話題になりましたよね。でも『決める技法』って、サッカーの本というよりビジネス書みたいなタイトルです。
佐藤メバル
そこがこの本の狙いでね、森保さん自身が「僕は単なる決める係」と語っているのを軸に、非カリスマ型のリーダーシップを掘り下げていく。
なぜ試合中にまるで違うチームになったかのような采配ができるのか、一瞬の判断のために日頃何を準備しているのか、長年取材してきたジャーナリストが迫るんだ。
橘ナナミ
なるほど。選手時代から決断が速かったっていうのは、けっこう意外というか、キャリアの積み方の話でもありますね。
佐藤メバル
そう、選手時代に培われた決断の速さが土台になっているという見立てなんだ。挫折や苦労も見極めてきた書き手だからこそ、成功談だけの英雄譚になっていない。
戦術の話を期待すると外れるけれど、組織で何かを決める立場の人には刺さる内容だよ。

サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術 (中公新書ラクレ)
清水英斗 著|中央公論新社
モウリーニョら世界的な巨匠たちのメソッドから、監督に必要な7つの力(刺激、厳格、共和、内発、一貫、組織、修練)を導き出す。その指導術をふまえて日本代表監督を検証し、課題を浮かび上がらせる構成で、監督という仕事の全体像を描こうとする。采配の裏側にある職務を構造として見せてくれる、監督論とリーダー論を横断する新書ラクレ。
こんな人におすすめ
監督の役割を構造的に理解したいファン、組織の指揮官像を考えたいビジネスパーソン、日本代表の課題を整理したい読者。采配の背後にある仕事を知りたい場面で。
良い点
- 7つの力で整理される
- 巨匠と代表監督を往復
- 監督論として視野が広い
気になる点
- 特定の試合の分析はない
- 刊行時点の代表事情が前提
- 更新はされない
出版社
中央公論新社
発売日
2015年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『7つの力』って、刺激、厳格、共和、内発、一貫、組織、修練……言葉だけ並ぶと、ちょっとマネジメント研修みたいですね。
佐藤メバル
でもこれがモウリーニョら世界的な巨匠たちのメソッドから導き出したものなんだ。監督に必要な7つの力として整理して、そのうえで日本代表監督を検証し、課題を浮かび上がらせる。
ハリルホジッチの何が花開くのか、という問いまで含めて、監督という仕事の全体像を描こうとしているんだよ。
橘ナナミ
森保さんの本を読んだあとにこれを読むと、また違う角度で見えそうですね。監督って、試合中の90分だけの仕事じゃないんだなあ。
佐藤メバル
そう思えるのがこの本の収穫だよ。森保本が一人の人物の決断を追うのに対し、こちらは監督という職務そのものを分解する。
巨匠の比較から日本の課題まで一本の筋で語られるから、代表戦を見る目がまた変わる。二冊並べて読むと、監督論の両側面が見えて面白いよ。
サッカー本を「ピッチ内・ピッチ外・ビジネス」の3層で捉え直す
橘ナナミ
3層って、具体的にはどう分かれるんですか。
佐藤メバル
ピッチ内は戦術と技術。ピッチ外は家庭と育成で、『子どもがサッカーを始めたら読む本』はケガをしない体づくり、食事、スパイク選び、思春期の向き合い方まで、7人の専門家に聞いて回る構成になっている。ビジネスの層は、FC今治のオーナーとして4年かけて体系化した『岡田メソッド』、育成年代を練習法ではなく仕組みから描く『「週3日の練習」で世界一!』、学校体育からゲーム分析、クラブマネジメントまで専門家が分担して書く『理論と実践で学ぶサッカーコーチング』が並ぶ。
橘ナナミ
女子サッカーの本はどうですか。
佐藤メバル
女子に特化した一冊は今回のラインアップでは薄めだね。ただ『ドラえもんのスポーツおもしろ攻略 サッカーが楽しくできる』は、なでしこジャパンがワールドカップで優勝して以来、女性の間でも「やってみたいスポーツ」の上位に入ったことを前提に作られている。この分野はこれから厚くなっていくと思っているよ。
読む順番で迷わない — 一冊目から二冊目へのロードマップ
橘ナナミ
積読しないための順番も知りたいです。
佐藤メバル
基本は「見る目を作る→言葉を知る→構造を掴む→最前線に触れる」。一冊目は『サッカーの見方は5分で変えられる』で試合の見方を入れ替え、二冊目に『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』で用語を押さえ、三冊目に『サッカーシステム大全』で基本形と派生形を整理する。そこから『サッカー戦術の教科書』でプレーモデルと4局面へ進み、仕上げに『サッカー戦術の黄金則』や『モダンサッカー3.0』で更新する流れが無理なく積み上がる。
橘ナナミ
いきなり理論書から入るのは危ないですか。
佐藤メバル
悪くはないけれど、坪井健太郎氏の『サッカーの新しい教科書』は戦術を「問題を解決する行為」として捉えるところから始まるので、用語の土台がないと読み飛ばしが増える。翻訳書なら、イタリアの理論派の議論を日本語で追う『モダンサッカー3.0』のように、最初の数ページで訳文のリズムが合うかを確かめてから買うと失敗が少ない。
「誰が書いたか」で選ぶ — 監督・指導者・分析官という視点
橘ナナミ
著者で選ぶのもアリですか。
佐藤メバル
アリだね。リーダー論なら、長年取材されてきた『森保一の決める技法』、世界的な巨匠たちの方法から監督に必要な7つの力を導く『サッカーは監督で決まる』。理論なら『サッカー戦術の黄金則』を出したGOAT、育成なら『岡田メソッド』の岡田武史氏、スペインで指導する坪井健太郎氏の『サッカーの新しい教科書』。技術書も、感覚で語るか力学で語るかで読み味が変わる。東京大学でスポーツバイオメカニクスを専攻した田所剛之氏の『本当に正しいキックの蹴り方』は後者、風間八宏氏の『サッカー止める蹴る解剖図鑑』や『風間八宏の戦術バイブル』は守備の原則「止まる・狙う・奪う」まで含めて言語化する立場だね。
よくある質問
サッカーの本は初心者なら何から読めばいい?
橘ナナミ
サッカーの本は初心者なら何から読めばいいについて教えてください。
佐藤メバル
観る目的なら、木崎伸也氏の『サッカーの見方は5分で変えられる』が最短です。「なぜ点が入らないの?」といった素朴な疑問から入り、図表で戦術まで導いてくれます。ルールに不安があるなら『わかりやすいサッカーのルール』、子どもと一緒に読むなら『ドラえもんのスポーツおもしろ攻略 サッカーが楽しくできる』から。いきなり理論書から始めないのがコツです。
戦術を勉強したい人におすすめの一冊目は?
橘ナナミ
戦術を勉強したい人におすすめの一冊目はについて教えてください。
佐藤メバル
まず『知ればもっと楽しめる! サッカー戦術用語ガイド』で用語の意味を押さえるのがおすすめです。実況や解説で飛び交う言葉が分かると、プレーの意図がクリアになります。次に『サッカーシステム大全』で基本形と派生形を整理し、そこから『サッカー戦術の教科書』でプレーモデルと4局面へ進むと、積み上げ式で理解できます。
サッカーが上手くなる本で本当に効果があるのはどれ?
橘ナナミ
サッカーが上手くなる本で本当に効果があるのはどれについて教えてください。
佐藤メバル
効くのは「なぜその動きをするのか」まで書かれた本です。『サッカー止める蹴る解剖図鑑』は足のどこでボールのどこを触るかを図解し、『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』は感覚ではなく物理から蹴り方を説きます。『ライバルに差をつける! 小学生のサッカー』はプレーの理由を考えさせる指導が特徴。ただし読むだけで終わらせず練習とセットにすることが前提です。
Kindle Unlimitedで読めるサッカー本はある?
橘ナナミ
Kindle Unlimitedで読めるサッカー本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
読み放題サービスの対象かどうかは、配信元や時期によって入れ替わります。本記事のラインアップについても対象を断定できないため、購入前に各ストアの作品ページで確認してください。図解や解剖図が中心の本は、読み放題で見つけても紙で手元に置くほうが使いやすいことが多いです。
サッカーをあまり知らない人でも楽しめる本は?
橘ナナミ
サッカーをあまり知らない人でも楽しめる本はについて教えてください。
佐藤メバル
『サッカーの見方は5分で変えられる』は、ボールを持っている選手ばかり見てしまう人に向けて書かれた入門書です。『サッカー戦術の最前線』は戦術の歴史を物語仕立てで追うので、用語に詳しくなくても読み進められます。試合の「なぜ」から入る本を選ぶと、知識ゼロでも楽しめます。
子ども・ジュニア年代の指導や子育てに役立つ本は?
橘ナナミ
子ども・ジュニア年代の指導や子育てに役立つ本はについて教えてください。
佐藤メバル
家庭向けなら『子どもがサッカーを始めたら読む本<7人の賢者に聞いた53の習慣>』が、ケガの予防、食事、スパイク選び、思春期の向き合い方までを7人の専門家への取材でまとめています。ポジションの役割は『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー』、育成の仕組みは『「週3日の練習」で世界一!』、16歳までの指導体系は『岡田メソッド』。大人が読む本として選ぶのがポイントです。
選手や監督の自伝でまず読むべき定番は?
橘ナナミ
選手や監督の自伝でまず読むべき定番はについて教えてください。
佐藤メバル
今回のラインアップは、選手の自伝そのものよりも監督・指導者の言葉を軸にした本が中心です。12歳でバルセロナのカンテラに入り17年間を過ごしたグアルディオラの言葉を集めた『グアルディオラのサッカー哲学』、長年取材された『森保一の決める技法』は、人物の判断基準を読む本として定番です。「何を選んだか」より「なぜ選んだか」を拾うと、選手の自伝を読むのと同じ発見があります。
サッカー本は紙と電子書籍どちらで買うべき?
橘ナナミ
サッカー本は紙と電子書籍どちらで買うべきについて教えてください。
佐藤メバル
図解や解剖図が主役の本は紙が向きます。反対に『サッカー戦術とは何か?が誰でも簡単に分かるようになる本』は固定レイアウト型の電子書籍として作られており、大きい画面での閲覧が推奨されています。移動時間に読みたいなら電子、手元に置いて参照したいなら紙。用途で分けるのがいちばん現実的です。
まとめ
橘ナナミ
話を聞いて、同じ本でも「自分がどこに立っているか」で並び方が変わるんだと分かりました。
佐藤メバル
それがいちばん大事なところ。サッカーの本は、ピッチに立つ人だけのものじゃない。観る人、支える親、教えるコーチ、クラブを運営する人、それぞれに効く一冊がある。
橘ナナミ
私だったら、まず『サッカーの見方は5分で変えられる』から始めて、次の試合で「なぜ横にパスしたんだろう」を考えながら観てみます。
佐藤メバル
いい入り方だね。本で得た視点を試合に持ち込むと、その一冊が「生きた解説者」になってくれる。書店員時代、サッカー本を買ったお客さんが翌週に「試合が別物に見えた」と戻ってきてくれたのが、いまだに忘れられないんだ。
橘ナナミ
素敵な話です…! 一冊読むだけで、90分の見え方が変わるんですね。
佐藤メバル
そう。サッカー本は、ピッチの外にいる私たちに「ポジショニング」を教えてくれる。どこに立てばボールが見えるか——本棚も、きっと同じなんだ。
橘ナナミ
なるほど、いいポジションを取れば、試合も本棚も見通せる、と。今日はありがとうございました!
