サッカーIQを高める本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回の企画は「サッカーIQを高める本」を25冊ですよね。……でも正直、最初の一歩でつまずいています。“サッカーIQ”って、なんとなくカッコいい言葉だけど、何を指しているんでしょう。
佐藤メバル
いい質問だね。そこを整理しないまま本を並べると、読者は25冊の山の前で立ち尽くしてしまう。僕はサッカーIQを4つの層で考えている。戦術の語彙を知っていること、目の前の状況を判断する力、次の展開を先読みする力、そしてそれを自分の言葉で説明する言語化の力だ。
橘ナナミ
なるほど! 語彙だけ増えても「この選手すごい」で終わっちゃいますもんね。
佐藤メバル
そう。別々の筋肉みたいなもので、一冊で全部は鍛えられない。たとえば湯浅健二の『サッカー戦術の仕組み』は「ボールのないところの勝負」「イメージシンクロ」といった独自のキーワードで、戦術の仕組みをイラスト図解していく本だ。読んだあとに試合でオフ・ザ・ボールを目で追う。その往復があって初めて効いてくる。
橘ナナミ
読む→観る→言語化する、この反復が前提なんですね。じゃあ今日は、ランキングの前に選び方の物差しをもらったほうがよさそうです。
佐藤メバル
そうしよう。書店員時代、棚を作るたびに痛感したのは、同じ「サッカーIQ」でも、観たい人と、上手くなりたい人と、教えたい人では刺さる一冊がまったく違うということなんだ。
サッカーIQを高める本の選び方
目的別:観戦を深めたい人/プレーに活かしたい人/指導・分析に使いたい人/子どもに読ませたい人
橘ナナミ
まず目的別でお願いします。観戦を楽しみたいだけの私と、現役でプレーしている人では違いますよね。
佐藤メバル
観戦ならノーミルク佐藤の『サッカーIQを高める サッカー観戦力養成講座』。フォーメーションの変化、プレス、ビルドアップ、トランジションといった基本戦術を、図解とやさしい言葉で直感的に説明してくれる。「なぜこの選手はこのポジションで起用されたのか」まで踏み込むのが嬉しい。
橘ナナミ
林陵平の『林陵平のサッカー観戦術』も観戦向けですよね。平凡社新書だから通勤バッグにも入りそうです。
佐藤メバル
あちらは90分間で観るべきポイント、ポジションごとの役割、名将たちの志向性までを新書サイズに畳んでいる。観戦のお供に持ち歩くなら新書というのは、書店の棚でも定番の選び方だよ。
橘ナナミ
プレーに活かしたい人なら?
佐藤メバル
鬼木祐輔の『サッカー「いい選手」の判断力』だね。判断のプロセスを「覗く(状況把握)」「情報収集」「行動判断」の3段階に分解し、ボールを持つ前から差がつく理由をイラストで説明する。対象は指導者と小学校高学年以上の選手。観戦本とは読者層がはっきり違う。
橘ナナミ
子どもに読ませたい場合は、やっぱり分けたほうがいいですか?
佐藤メバル
完全に分けたほうがいい。大人向けの戦術書は、言葉が平易でも前提となる試合経験が多い。『10才からのサッカーIQドリル』のように、U12で必要とされる想像性と判断力を50問で問う設計は、そもそも認知負荷の置き場所が違うんだ。
レベル別:未経験・観戦初心者/週1観戦者/戦術用語を知る中級者/指導者・アナリスト志望
橘ナナミ
次はレベル別。自分の段がわからなくなりそうです。
佐藤メバル
迷ったら用語の理解度で判断すればいい。初心者なら木崎伸也の『サッカーの見方は5分で変えられる』。「なぜ前ではなく横の人にパスするの?」という素朴な疑問から入り、ポジショナルプレーや可変システムまで図表で解きほぐす。小学生でもわかるように分解すると本人が書いているくらい、入口がやさしい。
橘ナナミ
週1で観るくらいの中級者なら?
佐藤メバル
ノーミルク佐藤の『サッカーIQを高める サッカーシステム完全講座』。6つの基本フォーメーションをベースに90パターンの対戦関係を整理した、辞書的に使える一冊だ。「ズレ」「対面」「あまり」というキーワードで攻守を読み解く。
橘ナナミ
指導者やアナリスト志望なら、山口遼の『「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書』が挙がりそうです。戦術的ピリオダイゼーション、ですよね。名前だけで身構えます。
佐藤メバル
身構えていい。ただし著者は東京大学ア式蹴球部の監督を務めた人で、イワシの群れの比喩から入るなど入口は工夫されている。ここから結城康平の『サッカー戦術の最前線』へ進むと、マンツーマンとゾーン、ポジショナルプレー、偽サイドバックまで戦術史の流れがつながるよ。
形式別:図解中心/文章中心/クイズ・ドリル/データ・統計/新書・文庫
橘ナナミ
形式でも選べるんですね。私はクイズ形式が気になります。電車の中で読めそう。
佐藤メバル
クイズ・ドリル系は意外と層が厚い。篠幸彦の『100問の“実戦ドリル”でサッカーIQが高まる』は実際のゴールシーンを詰め将棋のように解く構成で、初級30問・中級30問・上級30問・超級10問の4段階。続編の『サッカーiQが高まる 得点シーン100問ドリル』はJリーグの試合も登場する。安永聡太郎の『「次はどう動く?」サッカー脳を鍛えるプレー問題集』も同じ系統だね。
橘ナナミ
図解中心なら清水英斗の『サッカー「観戦力」が高まる』ですか? 100のポイントって書いてあって量がすごいです。
佐藤メバル
ドリブル、パス回し、サイド攻撃、セットプレー、GK、ゲームマネージメントまで、観る視点を100に分解している。辞書的に引く形式だから気になる章から読めばいい。文章を腰を据えて読むなら岩政大樹の『FOOTBALL INTELLIGENCE』、軽くなら新書の『サッカー観戦術』。形式で分けると失敗しにくい。
学びたいテーマ別:戦術原則/フォーメーション/個人技術/守備/攻撃/オフ・ザ・ボール
橘ナナミ
テーマ別だと、オフ・ザ・ボールの本が複数ありますよね。小井土正亮の『サッカーの戦い方』、村松尚登の『最速上達サッカー オフ・ザ・ボール』、林陵平の『サッカー 局面を打開するデキる選手の動き方』。
佐藤メバル
同じ言葉を使っていても角度が違う。小井土正亮の本は「1対1」から「3対3」まで局面を分け、選手の視野=見えている世界に注目する。1試合でボールに触れている時間は多くても2〜3分という前提から出発しているのが特徴だ。林陵平のほうは攻撃時・守備時・サイドアタック・フィニッシュと目的別に整理し、QRコードから動画も見られる。
橘ナナミ
フォーメーションなら『サッカーシステム完全講座』、戦術の原則なら湯浅健二の『サッカー戦術の仕組み』、という住み分けですね。
佐藤メバル
そう。データや可視化に寄せたいなら藤井隆夫の『サッカー IQとエンジニア思考を伸ばす見える化』。フローチャートとステートチャート図で判断プロセスを整理する、ちょっと変わった一冊だよ。
予算・媒体別:紙で書き込みたい/Kindleで検索したい/中古で安く/図書館で試したい
橘ナナミ
予算の話も聞きたいです。戦術書って、書き込みたくなりません?
佐藤メバル
なる。だからフォーメーション図を何度も見返す本は紙が向いている。逆に用語を検索しながら読むなら電子。ひとつ注意点を挙げると、ノーミルク佐藤の『サッカー観戦力養成講座』は電子版について、大きいディスプレイの端末向けで、文字だけの拡大やハイライト、検索、辞書参照、引用が使えないと案内されている。図が多い本ほど媒体で体験が変わると覚えておくといい。
橘ナナミ
図書館で試してから買う、という手も使えそうです。
佐藤メバル
図書館は戦術書が意外と揃っている。まず借りて、手元に置きたいと思ったら買う。中古は安いけれど、書き込み式のドリルや最新刊は状態と版に注意。予算が限られるなら、千円台で買える新書の『サッカー観戦術』から入るのも手だね。
読了時間・分量別:1日で読める入門/腰を据えて読む教科書/辞書的に使う専門書
橘ナナミ
最後に分量。全部読もうとすると挫折しそうで。
佐藤メバル
1日で読める入門は百ページ台のクイズ・ドリル系。篠幸彦の『100問の“実戦ドリル”』や安永聡太郎の『「次はどう動く?」』は空いた時間に少しずつでも成立する。腰を据えて読む教科書は300ページ級の『サッカー戦術の仕組み』『サッカーシステム完全講座』。辞書的に使うのは『サッカー「観戦力」が高まる』のような100視点タイプ。
橘ナナミ
全部を最初から最後まで読まなくていい、と思えただけで気が楽になりました。
佐藤メバル
それが正解。積ん読ではなく、引く読書に切り替えると、戦術書はぐっと使いやすくなるよ。
サッカーIQを高める本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
サッカーIQを高める本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

サッカー戦術の仕組み- 日本人の“サッカーIQ"を高める本
湯浅健二 著|池田書店
¥2,799(税込)
システムの数字だけでは戦術は語れない——著者の湯浅健二氏はサッカージャーナリストでありながらプロコーチでもあり、カタチより「仕組み」を知り自分で考えることを勧める。リスクチャレンジ、ボールのないところの勝負、クリエイティブなムダ走り、イメージシンクロといった独自キーワードとイラスト図解で読み解き、とくに世界レベルの戦術的プレーを「5秒間のドラマ」として図解する章が読みどころ。日本代表、スペイン、オランダの例を通して、TV解説ではわからないボールのないところの動きが見えてくる。
こんな人におすすめ
テレビの解説を聞いても「3人目の動き」が頭に浮かばない、という観戦者。選手として戦術を学び直したい人、指導者として言葉で伝えたい人にも向く。日本代表の決定力不足がなぜ繰り返されるのか、自分なりの答えを持ちたい人に。
良い点
- 戦術を仕組みから説明
- イラスト図解が豊富
- 「5秒間のドラマ」の図解が秀逸
気になる点
- 分量が多く読了に時間がかかる
- 用語のクセに慣れが必要
- 最新の戦術潮流は別途補完が必要
出版社
池田書店
発売日
2010年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「サッカーIQを高める本」で検索するとまず出てくるのがこの分厚い一冊なんですが、タイトルに「仕組み」とあるのが気になります。システムの話ではないんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。著者の湯浅健二氏はサッカージャーナリストでありながらプロサッカーコーチでもある人で、この本の主張ははっきりしている。
4-2-3-1や4-4-2といった数字の羅列だけでは戦術は語れない、大事なのはカタチではなく、物理的・心理的な「仕組み」を知って自分で考えることだと。
リスクチャレンジ、ボールのないところの勝負、クリエイティブなムダ走り、イメージシンクロ。独自のキーワードとイラスト図解で読み解いていく。
橘ナナミ
「5秒間のドラマ」の図解が売りだと聞きました。そこが読みどころなんですか?
佐藤メバル
そう、世界レベルの戦術的プレーを5秒間のドラマとして図解している章が圧巻なんだ。人とボールの動き、3人目の動き、そこから生まれる決定的スペースが、多くのイラストで示される。
テレビの解説では流されてしまう「ボールのないところ」が、目で追えるようになる。日本代表、スペイン、オランダの例も出てくるから、観る技術を土台から作りたい人に向く一冊だよ。

サッカーIQを高める サッカーシステム完全講座
ノーミルク佐藤(佐藤祐一) 著|かんき出版
¥2,200(税込)
フォーメーションは「ただの並び」ではなく、チームの意図と戦い方そのもの。本書はズレ・対面・あまりというキーワードを軸に、ピッチ上で起きる数的優位・質的優位・精神的優位の駆け引きを可視化する。6つの基本フォーメーションをベースに計90パターンの対戦関係を整理し、攻撃時の二次配置・三次配置、守備時の可変まで時間軸で追える。試合で起きている現象を言語化したい人に共通言語を与えてくれる、同じ著者の観戦力養成講座より一歩踏み込んだ一冊だ。
こんな人におすすめ
試合を見ながら「今の形は何なんだろう」と気になる人。指導・分析・プレーに戦術理解を活かしたい人。観戦を言語化したいファンに向く。ノートを片手に、気になった試合の形を後から引いて確かめる使い方も楽しい。
良い点
- 90パターンの対戦整理
- 「ズレ」など共通言語を得られる
- 攻守の可変を時間軸で追える
気になる点
- 対戦表は辞書的に使う本
- 試合を見ないと実感しにくい
- 密度が濃く初心者には重い
出版社
かんき出版
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
90パターンの対戦関係って聞くと、辞書みたいで身構えちゃいます。
佐藤メバル
そこがこの本の面白いところでね。前半は読み物として、サッカーが11人で戦う壮大な陣取りゲームだという前提から丁寧に組み立てていく。
ズレ、対面、あまり、という3つの言葉を軸に、攻撃と守備を同じ言語で説明してくれるんだ。
橘ナナミ
「ズレ」って、なんとなく聞いたことはあるんですけど、説明しろと言われると困ります。
佐藤メバル
そこを言語化してくれるのがこの本の価値だよ。攻撃のズレは相手の認知にバグを起こす動き、守備のズレはあえて形を崩して罠を張る動き。
さらに数的優位・質的優位・精神的優位という3つの優位性の考え方も押さえられる。後半は6つの基本フォーメーションから90通りの対戦を整理した攻略編で、試合を見ながら「今の形はどこから来たんだろう」と戻れる索引になる。辞書というより、観戦のお供だね。

100問の“実戦ドリル"でサッカーIQが高まる
篠幸彦 著|東邦出版
¥1,463(税込)
ワールドカップやEURO、チャンピオンズリーグの実際のゴールシーンをシチュエーション図にし、「ここからどう崩してゴールを決めるか」を考える。サッカー版の詰め将棋と著者自身が言うとおり、初級30問・中級30問・上級30問・超級10問の4段階で一手ずつ読み進める構成だ。クロスワードパズルのように空いた時間に気軽に、というのが制作の狙いで、戦術の体系解説ではなく実戦の局面から学ぶタイプ。解く感覚でスペースの見つけ方が身につく。
こんな人におすすめ
スキマ時間に遊び感覚で戦術に触れたい人。親子で同じ問題を考えたい家庭。通勤や休憩中に少しずつ進めたい人にも向く。ガチガチの教科書から入る前に、まずサッカーの楽しさを知りたい人に。
良い点
- 難易度4段階で段階的に学べる
- 実戦のゴールが題材
- 気軽に読み進められる
気になる点
- 体系的な戦術解説は少ない
- 図の読み取りに慣れが必要
- 問題集なので通読向きでない
出版社
東邦出版
発売日
2018年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
サッカー版の詰め将棋、って言い方がまず面白いです。実際どんな問題なんですか?
佐藤メバル
ワールドカップやEURO、チャンピオンズリーグの実際のゴールシーンをシチュエーション図にして、「ここからどう崩してゴールを決めるか」を考える。
難易度は初級30問、中級30問、上級30問、超級10問の4段階で、詰め将棋のように一手ずつ読み進める構成なんだ。
橘ナナミ
戦術の勉強というより、パズルを解く感覚に近いんですね。
佐藤メバル
そう、著者もクロスワードパズルのように空いた時間に気軽に読み進めてほしいと書いている。サッカーはスポーツであり、ゲームであり、遊びだという姿勢が貫かれているんだ。
ただ、解いていくうちに「どこにスペースがあるか」を見る目は確実に育つ。詰め将棋を解く人が盤面を見る速度を上げていくのと、同じことが起きるよ。

サッカーiQが高まる 得点シーン100問ドリル
篠幸彦 著|東邦出版
¥2,511(税込)
前作と同じく、世界の超一流選手のゴールを100問のクイズ形式にした「サッカー版詰め将棋」の続編。題材はロシアワールドカップ、チャンピオンズリーグ、ネーションズリーグに加えて、今作ではJリーグの試合も登場するのが最大の違いだ。初級30問・中級30問・上級30問・超級10問の4段階は踏襲しつつ、見慣れたクラブの場面が増えたことで自分ごととして考えやすくなった。前作を解き終えた人の次の一冊として自然につながる。
こんな人におすすめ
前作を一通り解いた人。応援しているJリーグクラブの試合を題材にしたい人。海外サッカーとJリーグの両方を見る観戦量の多いファンに向く。プレーの引き出しを増やしたい現役選手にも。
良い点
- Jリーグ戦も収録
- 難易度4段階を踏襲
- 続編として期待を裏切らない
気になる点
- 前作と構成が近い
- 問題集ゆえ通読向きでない
- 前作未読なら前作からが無難
出版社
東邦出版
発売日
2018年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ著者の続編も出てるんですね。何が変わったんでしょう?
佐藤メバル
基本の設計は同じで、100ゴールをクイズ形式にする。題材がロシアワールドカップ、チャンピオンズリーグ、ネーションズリーグに加えて、今作はJリーグの試合も登場するのが違いだね。難易度の4段階は前作を踏襲している。
橘ナナミ
見慣れた選手が出てくると、ぐっと身近になりますね。
佐藤メバル
そこは大きいよ。海外のスター選手のゴールは迫力があるけれど、自分が応援しているクラブの場面だと「うちでも同じ形があった」と重ねやすい。
前作を一通り解いた人が次に手を伸ばす、という順番が自然だと思う。もちろん、こちらから入っても問題はないよ。

サッカーIQを高める サッカー観戦力養成講座
ノーミルク佐藤(佐藤祐一) 著|かんき出版
フォーメーションの変化、プレス、ビルドアップ、トランジションといった現代サッカーの基本戦術を、豊富な図解とやさしい言葉で直感的に説明する観戦入門。戦術用語が苦手な初心者でもスラスラ読めるよう工夫されている。さらに各ポジションの役割やプレースタイルの違いに触れ、「なぜこの選手はこのポジションで起用されたのか」という視点が自然に身につく。同じ著者のシステム完全講座が仕組みの整理なら、こちらは観戦の入口に置かれた一冊だ。
こんな人におすすめ
戦術用語でつまずいたことのある初心者。知識を整理したい中級者。ピッチの中で何が起きているのかを言葉にしたい人。電子版は文字拡大や引用など一部機能が使えないため、購入前に確認しておきたい。
良い点
- 図解中心で直感的に理解
- 用語のハードルが低い
- 選手の起用意図まで読み解ける
気になる点
- 電子版は一部機能が制限
- 深掘りは他書に譲る内容
- 上級者には物足りない
出版社
かんき出版
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
観戦力って、鍛えられるものなんですか? センスの問題かと思ってました。
佐藤メバル
いい質問だね。この本はフォーメーションの変化、プレス、ビルドアップ、トランジションといった基本戦術を、豊富な図解とやさしい言葉で直感的に説明していく。
戦術用語が苦手な初心者でもスラスラ読めるように工夫されている。
橘ナナミ
ポジションの話も入ってるんですよね。選手の起用理由までわかるって本当ですか?
佐藤メバル
各ポジションの役割やプレースタイルの違いにも焦点を当てていて、「なぜこの選手はこのポジションで起用されたのか」「監督の狙いは何か」という視点が自然と身につく。
同じ著者のシステムの本を読む前の助走としてもいいし、知識を整理したい中級者が読み返すのにも向いている。
電子版は文字の拡大や引用など一部の機能が使えないので、そこだけ購入前に確認しておいてね。

サッカー「いい選手」の判断力一瞬を決める個人戦術の磨き方
鬼木祐輔 著|池田書店
¥1,980(税込)
センスや経験で片づけられがちな判断力を、イラストで徹底的に分解する。判断のプロセスを覗く(状況把握)・情報収集・行動判断の3段階に分け、試合の中で何を見て、どう考え、どう選ぶのかを明確にするのが特徴だ。なぜボールを持つ前から差がつくのかを具体的なプレー場面で示し、勘やセンスに頼らず日常の練習や意識づけで高めるトレーニングまで紹介する。対象は指導者と小学校高学年以上の選手。
こんな人におすすめ
プレーの選択に迷いがある小学高学年以上の選手。判断の言語化に悩む指導者。感覚ではなく手順として判断を教えたい人に向く。練習メニューに落とし込みたい現場にも。
良い点
- 判断を3段階に分解
- イラストで伝わる
- 練習法まで紹介
気になる点
- 対象は指導者と高学年以上
- 戦術全体の網羅はない
- 実戦経験が前提になる
出版社
池田書店
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
判断力って、結局はセンスとか経験の話で終わりがちじゃないですか?
佐藤メバル
そこに切り込んだのがこの本でね、判断のプロセスを「覗く(状況把握)」「情報収集」「行動判断」の3段階に分解する。
そして「なぜボールを持つ前から差がつくのか」を、具体的なプレー場面を通して説明していくんだ。
橘ナナミ
ボールを持つ前に、か。ボールを受けてから考えていたら遅いですもんね。
佐藤メバル
そう。センスや経験で片づけられがちな部分を、誰でも理解できるようにイラストで解説しているのがこの本の特徴だよ。
しかも、判断力を勘やセンスに頼らず、日常の練習や意識づけで高めていくためのトレーニングまで紹介している。
対象は指導者と小学校高学年以上の選手。つまり、自分で考え始める準備ができた年代に向けた一冊だね。

サッカーいい選手の考え方 個とチームを強くする30の方法
鬼木祐輔 著|池田書店
¥1,650(税込)
長友選手のトレーナーを務め、マンガ「フットボールネーション」では一部監修も担当した鬼木祐輔氏の新刊。いい選手とは何かを、景色を覗く、ペアリング、視座、目的地といった独自のワードで説いていく。「見る」と「認識する」は違う、サッカーはペアリングのスポーツだ、技術とは接続である、など20の考え方を並べ、15の動きをカラー写真で解説する二本立て。前著の判断力編が個人の思考なら、こちらは個とチームの関係に重心がある。
こんな人におすすめ
プレーの意図を言葉にできずにいる選手。チームの連携を感覚ではなく理屈で捉えたい人。選手に伝える語彙を増やしたい指導者に向く。
良い点
- 独自ワードで言語化
- 動き15項目は写真解説
- 考える土台をつくれる
気になる点
- 語彙に慣れるまで時間が要る
- 体系的な戦術書ではない
- 実践の場が前提になる
出版社
池田書店
発売日
2021年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの本と同じ著者ですよね。「球際」じゃなくて「球越し」って、どういう意味なんですか?
佐藤メバル
そこが鬼木氏の言葉の面白さでね。長友選手のトレーナーを務め、マンガ「フットボールネーション」では一部監修も担当した人が、「景色を覗く」「ペアリング」「視座」「目的地」といった独自のワードで、いい選手とは何かを説いていく。
橘ナナミ
ペアリングって、サッカーの用語では聞いたことがないです。
佐藤メバル
サッカーはペアリングのスポーツだ、というのが著者の主張でね。ボールなしのペアリングの連続が連携になる、というふうに考えていく。
構成は20の考え方と15の動きの二本立てで、動きのほうはカラー写真で解説されている。前の本が個人の判断を掘る本なら、こちらは個とチームの関係に重心がある。
読み比べると、同じ人の言葉が立体的に見えてくるよ。

『サッカー脳を鍛える ― 判断力と空間認知を高める神経科学トレーニング』
ハルPT 著
判断力や空間認知力を、神経科学の視点から掘り下げる一本。プレースピードを支える神経の可塑性、視野の広さを作る注意ネットワーク、判断ミスの背後にあるエラーベース学習、怪我を未然に防ぐ予測機能など、スポーツパフォーマンスに関わる脳機能の知見を紹介する。ジュニア世代の脳の発達段階に応じた認知トレーニング、遊びを通じた自然な学習、感情と意思決定をつなぐドーパミンにも触れ、後半ではVRや心拍変動を使った例まで踏み込む。
こんな人におすすめ
育成年代の指導者・保護者。なぜこの練習をするのかを説明できる材料がほしい人。技術や体力だけでは説明できない伸び悩みに向き合いたい人。
良い点
- 脳科学という切り口が新しい
- 年代別のアプローチを示す
- VR・HRVの事例も紹介
気になる点
- 実践の即効性は限定的
- 専門用語が多い
- チーム戦術の話は扱わない
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
脳科学でサッカー、ってちょっと意外というか、大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
疑う気持ちは大事だね。この本が扱うのは、プレースピードを支える神経の可塑性、視野の広さを作る注意ネットワーク、判断ミスの背後にあるエラーベース学習、怪我を未然に防ぐ予測機能といった、スポーツパフォーマンスに関わる脳機能の知見なんだ。
橘ナナミ
ジュニア年代の話も入っているんですか?
佐藤メバル
うん、ジュニア世代の脳の発達段階に応じた認知トレーニングのあり方や、遊びを通じた自然な学習、感情と意思決定をつなぐドーパミンの役割まで触れている。
後半ではVRや心拍変動を使ったトレーニング例も紹介される。なぜこの練習をするのかを子どもに説明できるようになる。
育成に関わる人にとっては、そのための材料になる一冊だよ。

「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書 欧州サッカーの新機軸「戦術的ピリオダイゼーション」実践編 (footballista)
山口遼 著|ソル・メディア
¥1,760(税込)
戦術的ピリオダイゼーション、複雑系、システム思考。イワシの群れが周囲と適度な距離を保ち、進む方向とスピードを合わせ、仲間が多い方向へ向かうという単純な指令で成立していることを手がかりに、「考えない」でプレーできる群れの秘密に迫る。著者は鹿島アントラーズユースから東京大学ア式蹴球部へ進み、指導者に転身して同部監督と関東サッカーリーグ1部のコーチを兼任してきた人。実践編としてトレーニングの組み立てに踏み込み、ゲームモデルで読み解く観戦の視点も提示する。
こんな人におすすめ
トレーニング設計を見直したい指導者。群れの原理からチームの動きを捉え直したい人。観戦の視点を新しくしたいファンにも向く。
良い点
- 複雑系という視点が新鮮
- 実践編として具体的
- ゲームモデルの観戦視点
気になる点
- 概念がやや難解
- 指導者向けの色が濃い
- 理論の前提書が別に必要
出版社
ソル・メディア
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
イワシの群れの話から始まるって聞いて、サッカーの本なのに? と思いました。
佐藤メバル
そこが入口でね。イワシの群れは、周囲の仲間と適度な距離を保つ、進む方向とスピードを合わせる、仲間が多い方向へ向かう、という単純な指令で成立している。
「考えない」でプレーできる群れの秘密を手がかりに、戦術的ピリオダイゼーションや複雑系、システム思考へと進んでいく。
橘ナナミ
戦術的ピリオダイゼーション、名前だけ聞くと呪文みたいです。
佐藤メバル
実践編とあるように、トレーニングの組み立てに踏み込むのが特徴だね。著者は鹿島アントラーズのユースから東京大学ア式蹴球部へ進み、指導者に転身して同部の監督と関東サッカーリーグ1部のコーチを兼任してきた人。
ゲームモデルで読み解く観戦のススメも書かれているから、指導者だけでなく観る側にも効く。トレーニング設計を考えている人ほど、刺さるはずだよ。

FOOTBALL INTELLIGENCE 相手を見てサッカーをする
岩政大樹 著|カンゼン
元日本代表の岩政大樹氏が自ら筆をとり、「相手を見てサッカーをする」を徹底的に言語化した一冊。ポジショナルプレーや5レーンといった機械的に聞こえる言葉に惑わされず、プレーしながら考えるべきは「どこに立つべきか」「どこを見ておくべきか」の二つだとする。ポジション別の良いポジショニング、システムごとの急所、セットプレーやヘディング、立ち位置、ゴール前、メンタルの駆け引きまで章が続く。柴崎岳選手の推薦も寄せられている。
こんな人におすすめ
「自分たちのサッカー」という言い方に物足りなさを感じるファン。相手を見るという視点を自分のプレーに取り入れたい選手。指導者。
良い点
- 経験者による徹底した言語化
- ポジション別に具体的
- 駆け引きの章が実践的
気になる点
- 文章量が多く時間がかかる
- 戦術用語の前提知識が要る
- ハウツー手順書ではない
出版社
カンゼン
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「相手を見てサッカーをする」って、当たり前に聞こえるんですけど、そんなに大事なんですか?
佐藤メバル
日本のサッカー界は「自分たちのサッカー」という言い方を好むけれど、そこに相手を含めない風潮がある。著者の岩政大樹氏は元日本代表で、自ら筆をとってその言語化に挑んだ。
プレーしながら考えるべきは「どこに立つべきか」「どこを見ておくべきか」の二つだ、と整理していく。
橘ナナミ
ポジショナルプレーや5レーンって言葉に惑わされるな、というのも刺さります。
佐藤メバル
そう、機械的に聞こえる言葉に振り回されるな、というのが著者の立場だね。ポジション別の良いポジショニング、システムごとの急所、セットプレーやヘディング、立ち位置、ゴール前、そしてメンタルの駆け引きまで章が続く。
元日本代表の頭脳派が、具体的な方法論を提示しながらサッカーの本質に迫る。推薦の言葉も寄せられていて、内容の手触りを裏づけていると思うよ。

「次はどう動く?」サッカー脳を鍛えるプレー問題集 (辰巳実用BOOKS)
安永聡太郎 著|辰巳出版
¥1,210(税込)
プロが実践する基本的戦術のQ&A問題集。サッカーの原理原則と戦術、攻撃の組み立て方、崩し・仕掛け、守備の4章で、常に様々な場面を想定して考えることが実践に役立つという立場で作られている。著者の安永聡太郎氏は清水商業で全国高校サッカー選手権など6度の日本一を経験し、U-20日本代表としてワールドユースにも出場。横浜マリノス、スペインのレリダ、清水エスパルスなどでプレーし、引退後は指導者に転身した。
こんな人におすすめ
問題を解きながら実践に結びつけたい中高生以上の選手。原理原則から整理したい指導者。元Jリーガーの視点で答えを確認したい人。
良い点
- 問題形式で手を動かせる
- 著者の実戦経験が背景
- 攻守4章で整理されている
気になる点
- 問題集なので通読向きでない
- 前提となる用語理解が必要
- 戦術史を扱う本ではない
出版社
辰巳出版
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
問題集って、解いて終わりになりがちじゃないですか。これは違うんですか?
佐藤メバル
章立てがいいんだよ。サッカーの原理原則と戦術、攻撃の組み立て方、崩し・仕掛け、守備、と4章に分かれている。
常に様々な場面を想定して考えることが実践で役に立つ、というのが著者の狙いでね。最新の理論まで覚えられる構成になっている。
橘ナナミ
著者の安永聡太郎氏って、どんな経歴の方なんですか?
佐藤メバル
清水商業で全国高校サッカー選手権など6度の日本一を経験し、U-20日本代表としてワールドユースにも出場した人だよ。
横浜マリノスでは1年目から主力として活躍して優勝に貢献し、スペインのレリダ、清水エスパルス、横浜F・マリノス、柏レイソルとプレーして引退。
その後は指導者に転身し、CPサッカー日本代表監督やSC相模原監督を歴任し、大学サッカー部のヘッドコーチも務めている。
選手と指導者の両方を見てきた人の問題集だから、答えに説得力があるんだ。

10才からのサッカーIQドリル 「考える力」を鍛える50問 (まなぶっく)
大宮アルディージャジュニア 著|メイツ出版
¥1,683(税込)
ロシアW杯の日本対ベルギーの「9秒」を冒頭に置き、技術だけでなく個々の「考える力」とチームの共通理解の大切さを説くジュニア向けドリル。大宮アルディージャジュニアの監修で、原則として1ページ目に問題、次のページに回答例を示す構成だ。ビルドアップ、パスワーク、ポジションや状況ごとの基準、セットプレー、ゴールを奪う場面まで全50問を、オフェンスとディフェンスの両面から扱う。
こんな人におすすめ
小4から6年のサッカー選手。ゴールデンエイジに考える習慣をつけたい保護者。クラブの練習に取り入れる材料を探しているジュニア指導者。
良い点
- 問題と回答例の見開き構成
- クラブ監修の練習法も
- 考える習慣づくりに最適
気になる点
- 対象年齢が明確に絞られる
- 大人には物足りない
- 戦術の深掘りは限定的
出版社
メイツ出版
発売日
2018年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
10才から、って対象を絞っているのが潔いですね。大人が読んでもいいんでしょうか?
佐藤メバル
大人が読んでも面白いよ。冒頭がロシアW杯の日本対ベルギーの話から始まるんだ。コーナーキックをゴールキーパーにキャッチされてから失点するまでの、たった9秒。
その短い時間に選手たちが何を考えて動いたかを振り返り、技術の高さだけでなく、個々の「考える力」とチームの「共通の理解」があったからこそ、という問いを立てている。
橘ナナミ
問題は見開きで解いていく形式なんですか?
佐藤メバル
原則として1ページ目に問題、次のページに回答例を示す構成だね。ビルドアップ、パスワーク、ポジションや状況ごとの基準、セットプレー、ゴールを奪う場面まで全50問。
監修は大宮アルディージャジュニアで、ゴールデンエイジと言われる年代に合わせてある。親子で同じ問題を考えてみるのが、いちばん楽しい使い方だと思うよ。

『認知→判断→実行』の回路を繋げる ジュニアサッカートレーニング
池上正 著|カンゼン
¥1,980(税込)
5万人の子どもを指導してきたジュニア年代のエキスパート、池上正氏が、オシム監督にも師事した経験をもとに、最先端とされるトレーニングのアプローチを平易な言葉で言語化する。著者は「現代の子どもたちは頭が動くトレーニングによって、よりサッカーがうまくなる」と語り、判断の前に無意識レベルで認知できるようになることを狙う。認知→判断→実行の回路をスムーズにつなげるための、現場向けの一冊だ。
こんな人におすすめ
ジュニア年代の指導者。育成に関わる保護者。頭が動くという考え方を、実際の練習メニューに落とし込みたい人。子どもとの関わり方を見直したい人にも。
良い点
- 最先端の手法を平易に言語化
- 現場目線の具体例
- 認知から実行まで一貫
気になる点
- 指導者向けの内容
- 大人の選手には直接向かない
- 理論の背景は深追いしない
出版社
カンゼン
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「認知→判断→実行」って並びを見ると、順番があるんだなと思わされます。
佐藤メバル
そこがこの本の核でね。著者の池上正氏は、現代の子どもたちは「頭が動くトレーニング」によって、よりサッカーがうまくなると語っている。
頭が動くというのは、判断をする前に無意識レベルで認知できるようになることなんだ。
橘ナナミ
5万人の子どもを指導してきた人なんですよね。オシム監督にも師事したとか。
佐藤メバル
そう、ジュニア年代のエキスパートとして知られる人だよ。この本の狙いは、最先端とされるアプローチを誰でもわかる平易な表現で言語化して、実際のトレーニングに落とし込むこと。
だから理論書というより、現場で使うための一冊だね。認知から判断、そして実行へ。その回路がスムーズにつながるようにサポートしてくれる本だよ。

最速上達サッカ-オフ・ザ・ボ-ル
村松尚登 著|成美堂出版
¥1,540(税込)
タイトルどおり「オフ・ザ・ボール」をテーマに、上達への順路を最短で示そうとする一冊。ボールを持っていないときの動きにテーマを絞っているのが特徴で、競技者向けの実用書として位置づけられる。付属のDVD VIDEOで実際の動きを映像として確認できるため、文章だけでは伝わりにくい間合いや身体の運びを補える。オン・ザ・ボールの技術書と並べて使うと、学ぶ範囲の穴が埋まる。
こんな人におすすめ
ボールを持っていないときの動きを練習したい選手。映像で確認しながら学びたい人。選手に動きを伝えたいコーチ。DVDの再生環境を用意できる人に。
良い点
- テーマがオフの動きに特化
- DVDで映像確認ができる
- 175ページと簡潔にまとまる
気になる点
- DVDの再生環境が必要
- 戦術史の話は扱わない
- 冊子だけでは物足りない場合も
出版社
成美堂出版
発売日
2014年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オフ・ザ・ボールに絞った本って、意外と少ない気がします。
佐藤メバル
そうだね、ドリブルやパスといったオン・ザ・ボールの技術書はたくさんあるけれど、ボールを持っていない時間の動きに絞るのは思い切りがいる。
この本は付属のDVD VIDEOで動きを映像として確認できるのが特徴だよ。
橘ナナミ
映像があると、文章だけでは伝わりにくい間合いがわかりますね。
佐藤メバル
そこが大きい。175ページとコンパクトにまとまっているから、まず映像で全体像をつかんでから読み返す、という順番でもいい。
オン・ザ・ボールの技術書と並べて使うと、学ぶ範囲の穴が埋まる感じがするはずだよ。
![サッカーの戦い方 [ディフェンダーとの駆け引きに勝つオフ・ザ・ボール] (マルチアングル戦術図解)](https://img.shelf-y.com/items/17497.jpg)
サッカーの戦い方 [ディフェンダーとの駆け引きに勝つオフ・ザ・ボール] (マルチアングル戦術図解)
小井土正亮 著|ベースボール・マガジン社
¥1,980(税込)
1試合でボールに触れている時間は多くても2〜3分、試合時間の大半はオフ・ザ・ボールだという前提から出発する一冊。1対1から3対3までの局面に分けて、相手との駆け引きでするべきことと動きの質を高めるポイントを解説する。一つの局面を多角的に図示するマルチアングル解説と、写真ではなく立体的な図版が特徴で、各選手の視野=見えている世界に注目する。著者は筑波大学蹴球部監督の小井土正亮氏。
こんな人におすすめ
駆け引きを理屈から押さえたい選手。見えている世界の違いを意識したい人。育成年代の指導者や、ポジショニングを見直したい人にも向く。
良い点
- 局面別の構成が明快
- 立体的な図版で理解しやすい
- 視野に注目する独自の視点
気になる点
- 図版の読み取りに慣れが必要
- テーマはオフの動きに限定
- 実戦での反復が前提になる
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2019年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
90分のうちボールを触っているのって2〜3分なんですか。ちょっと衝撃です。
佐藤メバル
しかも近年のサッカーではさらに短くなっていると言われている。だからこの本は、1対1から3対3までの局面に分けて、ボールに触れていないときの駆け引きを解説する。
一つの局面を多角的に図示するマルチアングル解説が特徴だね。
橘ナナミ
立体的な図版を使っているのも、写真とは違う狙いがありそうですね。
佐藤メバル
要点を鮮明に理解できるように、という設計だよ。そして各選手の視野、つまり見えている世界と見えていない世界に注目して、この選手には何が見えていたのかを追っていく。
著者の小井土正亮氏は筑波大学体育系の助教で蹴球部の監督を務めた人。大学選手権で13年ぶりの優勝を果たした経験も持っている。
現場で使われた視点だと思うと、説得力が違うよ。

サッカー 局面を打開するデキる選手の動き方: .
林陵平 著|日本文芸社
¥1,980(税込)
オフ・ザ・ボールの動き方を、ポジションごとに加えて攻撃時・守備時・サイドアタック・フィニッシュといった目的別に整理した一冊。写真とイラストで解説し、QRコードから動画も視聴できるため、静止画では伝わりにくい身体の使い方を補える。欧州サッカーに精通した著者を起用し、強豪国が実際に行っている戦略やポジショニング、動き方を扱うのが特徴で、個人技の本の次の一冊として使いやすい。
こんな人におすすめ
自分のポジションの動き方を知りたい選手。ヨーロッパの戦い方をプレーの参考にしたい人。選手に動きの意図を伝えたい指導者。
良い点
- 目的別に引ける構成
- 写真・イラスト・動画の三重奏
- 欧州基準の解説
気になる点
- 動画視聴には端末が必要
- 情報量が多く主張は広め
- 初心者には範囲が広い
出版社
日本文芸社
発売日
2023年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ポジション別と目的別、両方から引けるのは便利そうですね。
佐藤メバル
そう、攻撃時、守備時、サイドアタック、フィニッシュといった目的別に動き方を整理しているから、知りたい場面から開ける。
写真とイラストで解説し、QRコードから動画も視聴できるようになっている。
橘ナナミ
著者の林陵平氏は、解説者としてもよく見ます。
佐藤メバル
欧州サッカーに精通した人を起用しているのがポイントでね。強豪国が実際に行っている戦略やポジショニング、動き方を解説している。
ドリブルやシュートといった個人技の本を一冊読んだ人が、次に「じゃあ周りはどう動くのか」を知るための本としてちょうどいいと思うよ。

ジュニア選手が知っておきたい サッカー 「超」戦術 理解&実践のポイント (コツがわかる本!ジュニアシリーズ)
谷田部真之助 著|メイツ出版
¥1,848(税込)
レベルアップしたいジュニアサッカーの選手に向けて、戦術理解をわかりやすく解説する入門書。理解と実践のポイントを示す構成で、128ページとコンパクトにまとまっているため、子どもが初めて戦術という言葉に触れる入口として使いやすい。細かな戦術史や高度な分析を求める本ではないが、用語に親しみ、ピッチ上の出来事を「そういうことか」と結びつける最初の一歩になる。
こんな人におすすめ
小学生から中学生のサッカー選手。親子で戦術の話をしてみたい保護者。ジュニア年代の導入本を探している指導者。大人が一冊目に選ぶなら他書が濃い。
良い点
- ジュニア向けに平易
- 128ページで取り組みやすい
- 戦術の入口になる
気になる点
- 内容は入門レベル
- 大人の読者には物足りない
- 発展的な話は他書に譲る
出版社
メイツ出版
発売日
2025年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ジュニア向けの戦術本って、どこまで踏み込んでいるんでしょう?
佐藤メバル
これは128ページとコンパクトで、レベルアップしたいジュニアの選手に向けて、戦術理解をわかりやすく解説する一冊だよ。
理解と実践のポイントを示す、というのがコンセプトだね。
橘ナナミ
だとすると、大人が読むと物足りない感じですか?
佐藤メバル
内容は入門レベルだから、大人が一冊目に選ぶなら、他の本のほうが密度は濃い。ただ、子どもが戦術という言葉に初めて触れるときの入口としてはいい。
保護者が一緒に読んで、「今のプレーはどういう意図だったの?」と聞くきっかけにする。そういう使い方がいちばん現実的だと思うよ。

サッカー IQとエンジニア思考を伸ばす見える化: 文武両道のトレーニング法
藤井隆夫 著|Independently published
¥1,980(税込)
「なんで今そのプレーを選んだの?」と聞かれて答えられなかった経験から始まる一冊。フローチャートでサッカーの判断プロセスを可視化し、ステートチャート図で攻撃・守備・ポジティブトランジッション・ネガティブトランジッションの4状態から試合の流れを整理する。自分の考えを図で表現する力を段階的に育て、紙とペンからホワイトボード、デジタルツールまで目的に応じた描き方を紹介。正解を教える本ではなく、共有する力を育てる本だと明言している。
こんな人におすすめ
戦術の話がチームメイトと噛み合わない選手。論理的に考える力を伸ばしたい中高生以上。子の思考力を育てたい保護者、指導法を見直したいコーチ。
良い点
- 図解思考が身につく
- 勉強や仕事にも応用できる
- 4つの状態で試合を捉える
気になる点
- 技術の解説本ではない
- 作図の手間がかかる
- 独学だと進め方に迷いやすい
出版社
Independently published
発売日
2025年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
サッカーとエンジニア思考って、どう結びつくんですか?
佐藤メバル
コーチに「なんで今そのプレーを選んだの?」と聞かれて、うまく説明できなかった。そんな経験から始まる本だよ。
フローチャートで判断を可視化して、自分の頭の中を図で表現できるようにしていく。攻撃、守備、ポジティブトランジッション、ネガティブトランジッションの4つの基本状態で試合の流れを追うステートチャート図も出てくる。
橘ナナミ
紙とペンからデジタルツールまで、と書いてありますね。
佐藤メバル
そう、小学校高学年から大人まで理解できる平易な説明で、目的に応じた図の描き方を段階的に学ぶ。この本が教えるのは絶対に正しい戦術ではなく、自分の考えを図で整理する力、チームメイトと共有する力、複雑な状況を表現する力だ、と明記されているところが誠実だね。
サッカー以外の勉強や仕事にも応用できると書かれているのは、そういう意味だよ。

サッカーブレイン : 脳神経スイッチでパフォーマンスアップ
川端健太 著
「パフォーマンスが安定しない」「フォームを何度直しても変わらない」という悩みに対し、サッカーの動作を最新の脳神経学に基づいた根本から変える発想で書かれた実践型のメソッド。トップ選手が実践するという5つの神経系トレーニング、誰でもできる「神経セルフ診断」、フォームを変えずに動きが変わる神経エクササイズを収録する。著者は25,000人以上のアスリートを指導してきたコーチだ。
こんな人におすすめ
練習量は足りているのに伸び悩んでいる選手。動作の根本から変えたい人。選手の動きを改善したいコーチにも向く。
良い点
- 神経系という切り口
- セルフ診断付き
- エクササイズが具体的
気になる点
- 科学的記述が中心
- チーム戦術は扱わない
- 継続して実践する必要がある
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フォームを直しても動きが変わらない、ってまさに身に覚えがあります。
佐藤メバル
その悩みに正面から答える本でね、サッカーの動作を最新の脳神経学に基づいた根本から変える、という発想で書かれている。
トップ選手が実践するという5つの神経系のトレーニングや、誰でもできる神経セルフ診断が収録されているんだ。
橘ナナミ
セルフ診断が付いているのは、自分ごとにしやすくていいですね。
佐藤メバル
そして、フォームを変えずに動きが変わる神経エクササイズまで入っている。著者は25,000人以上のアスリートを指導してきたコーチで、全国のクラブやプロの指導現場で実証されているアプローチだとされている。
チーム戦術の話ではなく、自分の体と神経に絞った一冊だよ。

マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業
西部謙司 著|カンゼン
¥1,430(税込)
「ジュニアサッカーを応援しよう!」の人気連載漫画「楽ショウ!」を書籍化し、西部謙司氏の書き下ろし解説を加えた全11話。GK、CF、CH、CB、SB、ウイング、ボランチとポジションごとに役割を追い、基本技術の「蹴る」「止める」「運ぶ」も扱う。コラムではベッケンバウアーやグアルディオラなど伝説的な選手を紹介し、名前だけ知っていた選手の中身に触れられる。マンガから入って戦術の言葉に親しむ導線が魅力だ。
こんな人におすすめ
ポジションの役割を子どもと一緒に学びたい保護者。マンガから入りたいジュニア選手。ジュニア年代を指導するコーチで、伝え方のヒントがほしい人。
良い点
- マンガで読みやすい
- 全11話でポジションを網羅
- 伝説的選手のコラム付き
気になる点
- 戦術の深い議論は少ない
- 上級者には易しすぎる
- 256ページと分量がある
出版社
カンゼン
発売日
2017年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マンガでポジションの授業、って子ども向けですよね。大人が読んでも意味ありますか?
佐藤メバル
西部謙司氏の書き下ろし解説が入っているから、大人が読んでも整理になるよ。「ジュニアサッカーを応援しよう!」の人気連載漫画「楽ショウ!」を書籍化した全11話で、GK、CF、CH、CB、SB、ウイング、ボランチと、ポジションごとに役割を追っていく。
橘ナナミ
基本技術の章もあるんですね。
佐藤メバル
「蹴る」「止める」「運ぶ」の3つを扱っていて、最後はジュニア年代で必要なことの話で締まる。コラムではベッケンバウアーやグアルディオラといった伝説的な選手が紹介されていて、名前だけ知っていた選手の中身に触れられるのが楽しい。
子どもに渡して一緒に読むと、会話が増えるタイプの本だよ。

ジュニア向けサッカー上達まんが Dr.ヒデのサッカー戦術スクール
清水英斗 著|カンゼン
¥1,320(税込)
人気連載漫画「Dr.ヒデのサッカー戦術スクール」の書籍化第2弾。戦術分析のスペシャリスト、清水英斗氏が監修し、世界のサッカー戦術をわかりやすく解説する。香川、イニエスタ、メッシ、ルーニーなど、すぐにでもマネできるプロ選手たちのテクニックを題材にしているのが特徴で、マンガだからオトナも子どもも読みやすい。前作「ちょいテク」を読んだ子が次に進む流れを作りやすい構成だ。
こんな人におすすめ
活字が苦手なジュニア選手。プロの技をまねしてみたい人。親子で読んで会話を増やしたい家庭。戦術に興味を持つ入口として。
良い点
- マンガでとっつきやすい
- 実名選手の技が題材
- 戦術に興味を持つ入口
気になる点
- 情報量は絞られている
- 対象はジュニア中心
- 体系的な戦術書ではない
出版社
カンゼン
発売日
2015年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
こっちもマンガの戦術本ですね。同じ出版社から出ているのに、何が違うんでしょう?
佐藤メバル
こちらは清水英斗氏が監修して、世界のサッカー戦術をわかりやすく解説する本だね。香川、イニエスタ、メッシ、ルーニーなど、すぐにでもマネできるプロ選手たちのテクニックが満載の構成になっている。
橘ナナミ
実名の選手が出てくると、子どもは食いつきそうです。
佐藤メバル
そこが強みだね。戦術分析のスペシャリストが監修しているから、単なる技の紹介で終わらない。人気連載の書籍化第2弾という位置づけで、前作「ちょいテク」を読んだ子が次に進む流れも作りやすい。
マンガから入って戦術に興味を持つ、その入口として機能する本だよ。

林陵平のサッカー観戦術: 試合がぐっと面白くなる極意 (1051;1051) (平凡社新書 1051)
林陵平 著|平凡社
¥1,100(税込)
元Jリーガーで解説者の林陵平氏が、観戦を楽しむためのエッセンスを新書サイズに凝縮した一冊。観戦がぐっと面白くなる心構え、90分間で観るべきポイント、各ポジションの役割と象徴する選手、4-4-2から3-4-2-1までのシステムの特徴、グアルディオラやクロップら名将の志向性、推したい選手、そして自分の「サッカーノート」の話まで続く。海外サッカーを見始めた人が観戦の軸を持つための入門として読みやすい。
こんな人におすすめ
海外サッカーを見始めた人。観戦の軸を一本持ちたいファン。移動中や試合前にサッと読める新書を探している人。
良い点
- 新書で持ち歩きやすい
- システムと名将の両方を扱う
- 観戦の心構えから入る
気になる点
- 海外サッカー中心の内容
- 読み物色が強め
- 戦術の体系書ではない
出版社
平凡社
発売日
2024年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
サッカーノートって、解説者もつけているんですか?
佐藤メバル
そこまで書いているのがこの本の面白さでね。元Jリーガーで解説者の林陵平氏が、観戦を楽しむためのエッセンスを新書サイズに凝縮している。
観戦がぐっと面白くなる心構え、90分間で観るべきポイント、各ポジションの役割と象徴する選手、システムの特徴、名将たちの志向性、推したい選手、そして最後は自分のサッカーノートの話で締まる。
橘ナナミ
新書サイズなのも、手に取りやすくていいですね。
佐藤メバル
通勤中や試合前の空き時間に読めるサイズなのがいい。4-4-2から3-4-2-1までのシステムの章は、観戦中に「今のはどの並びだったんだろう」と戻るのにも使える。
海外サッカーを見始めた人が、観戦の軸を一本持つための一冊だよ。

サッカー「観戦力」が高まる
清水英斗 著|東邦出版
¥1,401(税込)
システム、ドリブル、キック&トラップ、パス回し、中央突破、サイド攻撃、攻守の切り替え、ディフェンス、プレッシング、ラインコントロール、対バルセロナ戦術、GK、セットプレー、ゲームマネージメントまで、計100の視点で観戦時に着目すべきポイントを紹介する。世界の強豪クラブ、各国代表、Jリーグ、なでしこジャパンの実際の成功例と失敗例を交えるから、抽象論ではなく場面で理解できる。9割の人はなぜ見方を間違えるのか、という問いから始まる。
こんな人におすすめ
観る目を増やしたいファン。試合の一言を自分で説明できるようになりたい人。指導の参考にしたいコーチ。
良い点
- 100の視点で網羅的
- 実例ベースで具体的
- 章立てが細かく引ける
気になる点
- 項目が多く通読は大変
- 事例の前提知識が要る
- 一本の物語としては読みにくい
出版社
東邦出版
発売日
2011年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100のポイントって、多すぎて読み切れる気がしません。
佐藤メバル
全部を一度に読む必要はないよ。システム、ドリブル、キック&トラップ、パス回し、中央突破、サイド攻撃、攻守の切り替え、ディフェンス、プレッシング、ラインコントロール、対バルセロナ戦術、GK、セットプレー、ゲームマネージメントと、章が細かく分かれているから、気になる章から開ける。
橘ナナミ
実際の試合の成功例と失敗例が入っているんですよね。
佐藤メバル
そこが効く。世界の強豪クラブ、各国代表チーム、Jリーグ、なでしこジャパンの実際の場面を引きながら、観戦時に着目すべきポイントを示していく。
9割の人はなぜサッカーの見方を間違えるのか、という問いから始まる本だから、読み終えると自分の観戦の癖に気づけるはずだよ。

サッカーの見方は5分で変えられる
木崎伸也 著|朝日新聞出版
¥1,870(税込)
「なぜシュートを打たないの」「なぜ前ではなく横の人にパスするの」といったサッカー初心者の素朴な疑問から入り、フォーメーション、ポジショナルプレー、可変システムといった専門的な内容を豊富な図表で解きほぐす。第2章は守備の基礎編から攻撃の3つのコンセプト、ペップとクロップ、現代サッカーの4つのトレンドへと進む。ポジション別の「よい選手」論から日本代表の観戦法まで扱う構成も、他の入門書と違うところだ。
こんな人におすすめ
サッカー観戦を始めたばかりの人。W杯の前に予習したい人。用語の多さに一度挫折した経験がある人。
良い点
- 素朴な疑問から入る
- 図表が豊富
- 日本代表の観戦法まで扱う
気になる点
- 入門者向けの内容
- 上級者には物足りない
- 網羅性より分かりやすさ優先
出版社
朝日新聞出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「5分で変えられる」って言い切ってますけど、本当ですか?
佐藤メバル
全部が5分でわかるという意味ではなくて、「なぜシュートを打たないの」「なぜ前ではなく横の人にパスするの」といった素朴な疑問に答えるところから入る、という意味だね。第1章がその疑問の章になっている。
橘ナナミ
そのあと、守備から攻撃へ進む構成なんですね。
佐藤メバル
基礎編で守備、中級編で攻撃の3つのコンセプト、応用編でペップ・グアルディオラのポジショナルプレーとユルゲン・クロップのゲーゲンプレス、番外編で現代サッカーの4つのトレンド。
さらにポジション別のよい選手論と、日本代表の観戦法まで続く。豊富な図表で分解してくれるから、観戦を始めたばかりの人や、W杯の前に予習したい人に向いているよ。

サッカー戦術の最前線 試合を観るのが10倍楽しくなる
結城康平 著|SBクリエイティブ
¥1,707(税込)
「現代フットボールにおける戦術とは何か」という問いに、名監督たちが欧州で築いてきた歴史から答える一冊。将棋の定跡を学ぶように先人の思想を辿る、という立場で、1-1-8から始まったフォーメーション、マンツーマンとゾーンという2つの守備思想、ポジショナルプレーの台頭、サリーダ・ラボルピアーナ、偽サイドバック、ボールを奪う者たちの思想までを物語仕立てで追う。著者自身が初心者にもわかるように説明することに挑んだ本だと書いている。
こんな人におすすめ
戦術の「なぜ」を知りたいファン。歴史から現在地を整理したい人。用語は聞いたことがあるけれど説明できない、という人。
良い点
- 物語仕立てで読みやすい
- 歴史から現在地がわかる
- 専門用語をかみ砕く
気になる点
- 網羅的な事典ではない
- 読み物としての色が強い
- 実践のハウツーではない
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2022年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
物語仕立ての戦術書って、珍しいですね。
佐藤メバル
著者自身が、元々は小説を書きたかった過去があると書いていてね、その筆が活きている。プロローグから始まって、なぜボゴタFCは相手のフリーキック時に手をつなぐのか、すべてのフォーメーションは1-1-8から始まった、といった問いを立てながら進んでいく。
将棋の定跡を学ぶように、名監督たちが築いてきた歴史を辿るのがこの本の方法だね。
橘ナナミ
サリーダ・ラボルピアーナとか、偽サイドバックとか、聞いたことはあるけど説明できない言葉が出てきます。
佐藤メバル
そこを初心者にもわかるように説明するのが本書の挑戦だと著者も書いている。第4章でマンツーマンとゾーンという2つの守備思想を対比させ、第5章でポジショナルプレー、第6章で後方から攻撃を組み立てるメカニズム、第7章で偽サイドバック、第8章でボールを奪う者たちの思想へと進む。
歴史から現在地が見えるから、何がどうしてそうなったが腹に落ちるよ。
「読むだけ」では上がらない — サッカーIQを5階層で捉え直す
橘ナナミ
佐藤さん、選び方はわかってきたんですが、25冊をどう並べればいいのか、まだ頭の中が散らかっています。
佐藤メバル
そこで5階層の話をしておこう。サッカーIQを「語彙」「原則」「局面」「システム」「データ」の5つに分けて、本をそのどこに置くか考えるんだ。
橘ナナミ
語彙、原則、局面、システム、データ。……どういう順番で登るんですか?
佐藤メバル
まず語彙。木崎伸也の『サッカーの見方は5分で変えられる』や、クイズ形式の『次はどう動く?』で言葉に慣れる。次に原則。湯浅健二の『サッカー戦術の仕組み』が「ボールのないところの勝負」という原則をくれる。局面は小井土正亮の『サッカーの戦い方』や林陵平の『デキる選手の動き方』。システムは『サッカーシステム完全講座』、そして構造の話で結城康平の『サッカー戦術の最前線』や藤井隆夫の『見える化』へ。
橘ナナミ
逆から読むと挫折しそうですね。いきなり『戦術脳』から入るのは危ない、と。
佐藤メバル
そう。山口遼の『「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書』は戦術的ピリオダイゼーションを扱う専門書で、面白いけれど前提となる語彙と原則がないと記号の列になる。書店員時代、いきなり上級書を買って三ページで閉じたお客さんを何人も見てきたよ。
4つのペルソナ別・最初の一冊から次の三冊へ
橘ナナミ
観戦者・プレーヤー・指導者・保護者で、入口が違うんですよね。
佐藤メバル
観戦者なら『サッカーの見方は5分で変えられる』→『サッカー観戦力養成講座』→『サッカー観戦術』。プレーヤーなら『「次はどう動く?」』で問題を解き、鬼木祐輔の『サッカー「いい選手」の判断力』で判断の3段階を入れ、小井土正亮の『サッカーの戦い方』で局面の駆け引きに落とす。
橘ナナミ
指導者なら?
佐藤メバル
池上正の『『認知→判断→実行』の回路を繋げる ジュニアサッカートレーニング』で無意識レベルの認知を扱い、岩政大樹の『FOOTBALL INTELLIGENCE』で「相手を見る」視点を入れ、山口遼の『「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書』で設計思想へ。保護者なら西部謙司の『マンガでたのしく学ぶ! ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』や清水英斗の『Dr.ヒデのサッカー戦術スクール』のようなマンガから入るのがおすすめだよ。
橘ナナミ
マンガ、いいんですね。子どもと一緒に読めそう。
佐藤メバル
大人が読んでも発見がある。『ポジションの授業』は全11話でGKからウイングまで順に扱い、コラムでベッケンバウアーやグアルディオラといった伝説的な選手も紹介する。親子で同じ本を指さしながら話せるのが強みだね。
つまずき・入手・実践 — レビューの不満に先回りする
橘ナナミ
レビューで「難しすぎる」「物足りない」という声も見かけます。これ、どう答えればいいんでしょう。
佐藤メバル
難しすぎるなら章を飛ばしていい。『サッカーシステム完全講座』なら、第7章の90パターンの対戦関係は辞書として置いておき、最初は3時間目と4時間目——フォーメーションの正体と「ズレ」の話——だけ読む。物足りないなら一段上へ。語彙の本から原則の本へ、原則の本からシステムの本へ移ればいい。
橘ナナミ
読む順番より、戻れる場所を持っておくことが大事なんですね。
佐藤メバル
それと実践ワーク。本で覚えた用語を、次に観る試合で拾う練習をしてほしい。「ビルドアップ」「ハイプレス」「トランジション」「ハーフスペース」——この4つだけでも、試合中に何度出てくるか数えてみる。観戦ノートは感想ではなく、「どこで誰が数的優位を作ったか」を一行だけ書く。それが言語化の練習になる。
橘ナナミ
自己診断もできたらいいですよね。「自分はどのレベル?」って迷うので。
佐藤メバル
簡単なチェックでいい。守備の場面で「誰が誰を見ているか」が言えるか、攻撃で「なぜそこで止まったか」が説明できるか、試合後に「あの失点はどの局面だったか」を自分の言葉で言えるか。言えるなら中級、言えないなら入門に戻る。背伸びの一冊と、戻る一冊を同時に持つのが、結局は一番速いんだよ。
よくある質問
サッカーIQを高める本は何冊読めばいいですか?
橘ナナミ
サッカーIQを高める本は何冊読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
一概に何冊とは言えないが、入門1冊・原則1冊・実践1冊の3冊で土台はできる。木崎伸也『サッカーの見方は5分で変えられる』で語彙、湯浅健二『サッカー戦術の仕組み』で原則、安永聡太郎『「次はどう動く?」サッカー脳を鍛えるプレー問題集』で問題演習、という組み合わせが作りやすい。そこから観戦ならノーミルク佐藤『サッカー観戦力養成講座』、プレーなら鬼木祐輔『サッカー「いい選手」の判断力』へ進む。冊数より、読んだ語彙を試合で拾えたかのほうが大事。
サッカー初心者でも読めるおすすめ本は?
橘ナナミ
サッカー初心者でも読めるおすすめ本はについて教えてください。
佐藤メバル
木崎伸也『サッカーの見方は5分で変えられる』が第一候補。「なぜシュートを打たないの?」「なぜ前ではなく横の人にパスするの?」といった素朴な疑問から入り、図表でポジショナルプレーや可変システムまで解きほぐす。ノーミルク佐藤『サッカーIQを高める サッカー観戦力養成講座』も、戦術用語が苦手な初心者でもスラスラ読めるよう工夫されている。
子供のサッカーIQを高める本は大人向けと何が違う?
橘ナナミ
子供のサッカーIQを高める本は大人向けと何が違うについて教えてください。
佐藤メバル
認知負荷の置き場所が違う。大人向けは試合経験を前提に抽象度が高いが、子ども向けは問題を解きながら進む設計になっている。『10才からのサッカーIQドリル』はU12で必要とされる想像性と判断力を50問で問い、大宮アルディージャジュニアが監修している。マンガなら西部謙司『ジュニアサッカー 世界一わかりやすいポジションの授業』や清水英斗『Dr.ヒデのサッカー戦術スクール』が読みやすい。
戦術用語が苦手でも理解できる本はありますか?
橘ナナミ
戦術用語が苦手でも理解できる本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
ノーミルク佐藤『サッカーIQを高める サッカー観戦力養成講座』が図解中心で入りやすい。それでも厳しければ、篠幸彦の『100問の“実戦ドリル”でサッカーIQが高まる』のようなクイズ形式から始める手もある。用語を先に覚えるより、実際のゴールシーンを「ここからどう崩すか」と考えたほうが頭に残る。
ノーミルク佐藤の2冊はどちらから読むべき?
橘ナナミ
ノーミルク佐藤の2冊はどちらから読むべきについて教えてください。
佐藤メバル
先に『サッカーIQを高める サッカー観戦力養成講座』。フォーメーションの変化やプレス、ビルドアップ、トランジションといった基本戦術を図解で押さえてから、『サッカーIQを高める サッカーシステム完全講座』で6つの基本フォーメーションと90パターンの対戦関係に進む。順番を逆にすると、初期配置の話がいきなり細かすぎて挫折しやすい。
Kindle版と紙の本はどっちがおすすめ?
橘ナナミ
Kindle版と紙の本はどっちがおすすめについて教えてください。
佐藤メバル
図や表を何度も見返すなら紙。フォーメーション図や矢印の多い戦術書は、紙のほうが視線移動が楽で書き込みもできる。一方、用語を検索しながら読みたいなら電子が便利。ただし『サッカー観戦力養成講座』の電子版は大きいディスプレイの端末向けと案内され、文字だけの拡大やハイライト、検索、辞書参照、引用が使えない。購入前に必ず確認を。
読むだけでサッカーIQは本当に上がりますか?
橘ナナミ
読むだけでサッカーIQは本当に上がりますかについて教えてください。
佐藤メバル
上がりにくい。本が与えてくれるのは語彙と原則で、状況判断や先読みは試合のなかでしか鍛えられない。読む→観る→言語化する反復が前提になる。観戦ノートに「どこで誰が数的優位を作ったか」を一行書くだけでも、次の試合の見え方は変わる。読書は準備、観戦が本番だと考えておくとよい。
指導者・コーチにおすすめの本は?
橘ナナミ
指導者・コーチにおすすめの本はについて教えてください。
佐藤メバル
池上正『『認知→判断→実行』の回路を繋げる ジュニアサッカートレーニング』、岩政大樹『FOOTBALL INTELLIGENCE』、山口遼『「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書』の3冊が軸になる。育成年代を担当するなら、『10才からのサッカーIQドリル』や谷田部真之助『ジュニア選手が知っておきたい サッカー「超」戦術』も教材として使いやすい。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さん、最初は「サッカーIQって何?」の状態だったのに、今は25冊の並びが地図に見えてきました。
佐藤メバル
それなら今日の目的は果たせたね。本は山ではなく地図だ。積むものではなく、どこへ行くかを示してくれるものだ。
橘ナナミ
でも、地図だけ持って家にいたら、試合は見えませんよね。
佐藤メバル
その通り。本を閉じて、スタジアムかテレビの前に座る。そこで初めて、『サッカー戦術の仕組み』で読んだ「ボールのないところの勝負」が、目の前で起きているのが見える。読書は準備、観戦が本番だ。
橘ナナミ
そして観終わったら、ノートに一行書く。
佐藤メバル
そう。その一行が、次の試合で拾える言葉を増やしていく。僕が書店員だったころ、常連さんがボロボロの観戦ノートを見せてくれたことがあった。ページをめくると、本で読んだ用語とその日の試合のメモが並んでいた。あれが、いちばん強い読み方だと思う。
橘ナナミ
いいですね。……なんか、ピッチの外にいる私たちにも、ボールが回ってきた気がします。
佐藤メバル
いい喩えだね。サッカーIQの本は、ピッチの外にいる私たちが「ボールのないところ」を初めて見るための、座席を一段上げてくれるチケットなんだよ。
