営業の道を学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のお題は「営業 道 本」ですよね。「道」がつくだけで、なんだか背筋が伸びるというか……。でも書店の棚を見ても、営業本って多すぎて、最初の一冊が選べないです。
佐藤メバル
いい着眼点だね。営業本は大きく二つ、「心」と「技」に分かれる。そして書名に「道」がつく本は、ほぼ例外なく「心」の側——営業という仕事をどう捉えるかという哲学を扱っている。ここを押さえると、棚の見え方ががらっと変わるよ。
橘ナナミ
心と技! じゃあ『営業道 人間力を磨き、自らの市場価値を高める極意』は「心」の代表格ですね。386ページ、けっこうな厚みです……。
佐藤メバル
そう。中村建治が「心と技の両方を磨いていくこと」が一流への道だと書いた本で、人間力の章と、フロント・プレゼン・クロージングの章が同じ重さで並んでいる。書店員時代、新人に渡すには重いかなと迷ったんだけど、配属直後の子に渡したら「営業の意味が変わった」と言われてね。以来、入口として薦めている。
橘ナナミ
なるほど……。でも佐藤さん、心だけでは売れないですよね。技のほうは何を読めばいいんですか?
佐藤メバル
そこは分けて考えよう。今日はその地図を一緒に描こうか。
営業の道を学べる本の選び方
レベル別——新人・中堅・マネージャーで入口が違う
橘ナナミ
同じ営業本でも、立場で変わるんですか?
佐藤メバル
変わる。新人なら『法人営業のすべてがわかる本』。アプローチの準備からアポ取り、ヒアリング、提案、プレゼン、クロージング、顧客管理まで、イラスト付きで一冊の流れとしてなぞれる。中堅なら『営業の一流、二流、三流』で自分の所作を疑う。「あなたのしているネクタイに戦略がありますか」と問いかけてくる本だよ。マネージャーなら『営業道』の第四章と第五章——統率力と理念の話が効く。経営層なら同書の「道・天・地・将・法」の章だね。
目的別——マインド/商談スキル/提案力/組織
橘ナナミ
目的で選ぶなら、どう分けますか?
佐藤メバル
マインドなら『営業とは道である。』や『ガチンコ営業道』——どちらもソニー生命のトップセールスマンの手によるものだ。商談スキルなら『無敗営業』や『即決営業』。提案力なら『ドリルを売るには穴を売れ』で、価値から逆算する考え方を仕込む。組織なら『営業道』のマネジメント編だね。
形式別——物語型/実践ハウツー型/理論型
橘ナナミ
小説みたいに読める営業本もあるって聞きました。
佐藤メバル
あるよ。『営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと』は、挫折寸前の営業マンが「営業の神様」に出会って成長していく物語。『THE営業道』は新人の出勤1日目から始まるQ&A形式で、ゲーム感覚で読み進められる。『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』は日誌形式だ。逆に理論から入るなら『営業の科学』——2万人調査を土台にした本だよ。
業種・商材別——BtoB/BtoC、有形/無形
橘ナナミ
私、BtoBとBtoCの違いもよく分かっていなくて……。
佐藤メバル
BtoBなら『法人営業 勝ちパターン大全』『ゼロから始める!法人営業』『法人営業のバイブル』、あるいは『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』。BtoCでルート営業なら『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』。無形商材なら『ガチンコ営業道』や『営業とは道である。』が参考になる。生命保険という、いちばん断られやすい商材で培われた言葉だからね。
営業スタイル別——新規開拓/ルート/インサイド/紹介
橘ナナミ
スタイルでも変わるんですね。
佐藤メバル
新規開拓なら『ゼロから始める!法人営業』と『法人営業のバイブル』。ルート営業なら先ほどの営業日誌。速度が要る商談なら『営業の科学』の「高速ラリー」の章。紹介で回したいなら青木毅の質問型営業の本——お客様が新規顧客を呼んでくれるところまで書いている。
時代軸——不朽の古典と最新本のあいだ
橘ナナミ
古典と最新、どっちから読むべきですか?
佐藤メバル
まず古典で「なぜ売るのか」を据えて、次に最新で「どう売るか」を更新する。古典側は『営業マンは「お願い」するな!』、SPINの考え方を解説した『営業の「聴く技術」』。最新側は『営業の科学』や『法人営業 勝ちパターン大全』だね。順番を逆にすると、テクニックだけが先に立ってしまう。
営業の道を学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
営業の道を学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

営業道 人間力を磨き、自らの市場価値を高める極意
中村建治 著|幻冬舎
¥1,861(税込)
中村建治が30年の経験を注ぎ込んだ386ページの大著。生涯成約率97%という数字を支えたのは、営業の本質を「お客様の人生を幸福で豊かにすること」と据える姿勢だ。給料や出世を第一目的にしているうちは成功しにくい、というはじめにの言葉が重い。フロント、プレゼン、クロージングという技の章と、人間力・統率力の章が交互に積み上がる構成は、テクニック集とも物語形式の営業本とも違う。心と技の両方を磨くという背骨が一冊を通っている。
こんな人におすすめ
「売れているのにどこか虚しい」「数字は出るのに続かない」と感じる中堅営業マン。マネージャーに上がったばかりで部下の統率に悩む人。営業を一時の稼ぎではなく生涯の仕事として据え直したい人に。組織を束ねる立場になったときの理念の章も収録されている。
良い点
- 386ページの網羅性で辞書的に使える
- 心と技を一冊で往復できる構成
- 統率力・組織論まで射程に入る
気になる点
- 厚さゆえ通読は覚悟がいる
- 若手には抽象的に響く章もある
- 事例より原則の記述が中心
出版社
幻冬舎
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業道」ってタイトルがもう道場みたいですね。386ページって、けっこうな厚さですよね。佐藤さん、これは最初から最後まで通読する本なんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。これは通読型であり、辞書型でもある。骨格は「心」と「技」を交互に磨く構成で、前半で人間力、第三章からフロント、プレゼン、クロージングと技術に入る。
著者の中村建治は生涯成約率97%を達成したと本文で語っていて、そこに30年の経験が詰まっている。はじめにの「きれい事に見えているうちは二流」という一文が効くよ。
橘ナナミ
なるほど…。「お客様の人生を幸福に」みたいな言葉って、きれい事で終わりがちじゃないですか。でもそれが二流だって言い切るのは、ちょっと怖いですね。
佐藤メバル
そこがこの本の核だね。願うだけではプロになれないとして、商品知識、フロント、プレゼン、クロージング、そして熱意まで分解して書いている。
第四章以降はマネジメント編で、優越する、支持されるといった統率力の九メソッドまで踏み込む。売る技術と人を束ねる話が同じ一冊に入っているのは珍しいよ。

THE営業道
「読書の時間」編集部 著|ダイヤモンド社
新人営業マンの出勤1日目から始まり、飛び込み営業、新規開拓、顧客対応、営業戦略と舞台がステップアップしていく。読み手はQ&A形式で設問に答えながら、主人公と一緒にレベルを上げる感覚で読める。第1章の「1日40枚の名刺を集めろ!」のような具体的な課題が並ぶので、抽象論が苦手な人でも手が動く。物語と問題集の中間にあるつくりで、営業の教科書を開く前に「営業ってどんな一日なのか」を知りたい人に向く。
こんな人におすすめ
配属されたばかりで何から手を付ければいいか分からない新人営業マン。営業研修の教材を探している教育担当者。通勤など短い時間で一つの設問ずつ消化したい読者にも向く。読み終えるころには、営業の一日の流れが頭に描けるようになる。
良い点
- Q&A形式で読み進めやすい
- 新人の1日目から順に追える
- ゲーム感覚で飽きにくい
気になる点
- 応用編はやや圧縮されている
- ベテランには物足りない
- 物語部分の好みが分かれる
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2008年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
Q&A方式で「イメトレ」って書いてあるの、ちょっと珍しいですよね。小説みたいなのに問題集でもあるんですか?
佐藤メバル
そう、そこが面白いところでね。会社に入社したての新人が、飛び込み、新規開拓、顧客対応、営業戦略と段階を上がっていく。
読み手は状況に応じた設問に答えながらヒントを受け取る。第1章は「1日40枚の名刺を集めろ!」から始まるんだ。
橘ナナミ
40枚!いきなりハードルが高い…。でも数字が具体的だと、明日なにをすればいいかは分かりますね。
佐藤メバル
そこなんだよ。抽象的な心構えより、まず身体を動かす課題が並ぶ。208ページと短めだから、新人研修の副読本として渡すにもちょうどいい。
ただ応用編は圧縮されているから、戦略を深く学ぶ段になったら別の本で補うことになるね。

営業とは道である。 ―本物の営業マンを目指すあなたへー(令和改訂版)
林正孝 著|ギャラクシーブックス
¥1,694(税込)
ソニー生命が生んだトップセールスマンである著者による、営業道の手引きであり指南書。226ページという分量で、「道」という言葉どおり原則を積み上げるタイプの一冊だ。令和改訂版として今の時代に合わせて見直されている点も、古い営業論をそのまま読みたくない人にはありがたい。無形商材、とくに生命保険のような検討期間の長い商売で、断られ続けた先に何を信じるかという問いに答えてくれる。
こんな人におすすめ
生命保険や金融など無形商材の営業に携わる人。数字が読みにくく、すぐに答えが出ない商売で自分の軸を持ちたい人。信念や姿勢の部分を先に固めてから技術を学びたい読者に。改訂版なので、昔の営業論をそのまま読みたくない人にも向く。
良い点
- トップセールスマン本人の指南書
- 令和改訂で現代に合わせて更新
- 226ページで無理なく読める
気になる点
- 業界色がやや強い
- ノウハウより心構えの比重が大きい
- 事例の詳細は限られる
出版社
ギャラクシーブックス
発売日
2021年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ソニー生命のトップセールスマンによる本が続きますね。こちらは「営業とは道である」で、令和改訂版とついています。
佐藤メバル
そう。著者の林正孝はソニー生命が生んだトップセールスマンで、これは営業道の手引き、指南書だと位置づけられている。
改訂版が出ているということは、長く読まれている証拠でもあるね。
橘ナナミ
「道」という言葉を選ぶあたり、テクニック集ではないんですね。生命保険って、すぐに答えが出ない商売ですし。
佐藤メバル
まさにそこだ。無形で検討期間が長い商売では、目先の成約より自分が何を信じて通うかが問われる。226ページという分量も、修行のように分厚い本を抱えるのではなく、繰り返し開けられる重さだと思うよ。

ガチンコ営業道: ソニー生命トップセールスマンが教える
鈴木康友 著|日新報道
ソニー生命のトップセールスマンが教える、とタイトルに掲げられた一冊。「ガチンコ」という言葉が示すとおり、整えた理論より現場でぶつかり合う前提の営業観が軸になっている。同じソニー生命の系譜でも、先の「道」を積む指南書に比べて、こちらは現場の作法に重心が寄る。231ページという中庸な分量で、著者が何を良しとし何を良しとしないかという判断基準に触れられる。
こんな人におすすめ
現場で結果を出しながら、あらためて自分の営業観を組み立てたい中堅。ソニー生命の系譜の営業哲学に触れてみたい人。がむしゃらさと理論のバランスに迷っている読者に。同じ「営業道」の名を持つ本と読み比べるのも面白い。
良い点
- トップセールスマンの判断基準に触れられる
- 231ページの中庸な分量
- タイトルどおり現場志向
気になる点
- 内容紹介が乏しく事前情報が少ない
- 体系的な教科書ではない
- 抽象的に感じる人もいる
出版社
日新報道
発売日
2001年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
こちらもソニー生命のトップセールスマンとタイトルにあります。「ガチンコ」って、なんか気合いの入った言葉ですよね。
佐藤メバル
そうだね。「営業道」を名乗る本が並ぶ中で、この一冊は現場でぶつかる前提の匂いがする。ソニー生命のトップセールスマンである鈴木康友が教える、とタイトルが示している本だ。
橘ナナミ
でも内容紹介がないので、どんな章立てかは分からないんですよね。こういう本はどう選べばいいんでしょう。
佐藤メバル
そういうときは、自分の今の局面で選ぶといい。判断の基準を持ちたいときに手に取る本だと思うよ。
先に紹介した「道」を積む指南書と読み比べると、同じ系譜でも重心の違いが見えてくるはずだ。

営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと
早崎郁之 著|SBクリエイティブ
¥1,520(税込)
挫折寸前のダメ営業マンが、業界で「営業の神様」と称されるヤマナシと出会い、行きつけのカフェでレッスンを受ける。教えの根底にあるのは「営業を愛する」「商品を愛する」「お客様を愛する」「自分を愛する」という4つの哲学で、お客様のためなら他社の商品を薦めても構わないという徹底した顧客ファーストが貫かれる。営業と人生を重ねて読ませる物語として進み、終盤でヤマナシが姿を消す展開まで含めて一冊のサクセスストーリーになっている。
こんな人におすすめ
テクニック本を何冊読んでも腹に落ちなかった人。物語形式でないと頭に入りにくい読者。「売る」ことへの罪悪感をどこかで抱えている営業マンに。営業研修の前に一冊読ませたい、という教育担当者にも向く。
良い点
- 物語なので一気に読める
- 4つの哲学が軸として明快
- 他社商品を薦める発想が新鮮
気になる点
- 具体手順は物語の合間に散る
- 寓話的な比喩が好みを分ける
- 数字や型を求める人には遠い
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2024年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業の神様」って、そのまんまの肩書きですね。しかも出会いの場面が「キャラメルの匂いがした」って、小説みたいです。
佐藤メバル
そこがこの本の入り口なんだ。挫折寸前の営業マンがヤマナシと出会い、カフェで教えを乞う。教えの芯は「愛のセールス」で、営業を愛する、商品を愛する、お客様を愛する、自分を愛するの4つなんだよ。
橘ナナミ
4つめの「自分を愛する」、これが一番むずかしそうですね。自分を責めながら営業している人、多いと思うので。
佐藤メバル
うん。「世界で一番、お客様よりお客様の幸せを考えてください」とまで言い切る本だから、最初は抵抗がある。
でも読み進めると、この4つの並び順に意味があると分かってくる。終盤でヤマナシが消える展開も含めて、営業の本というより成長の物語だね。

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
高橋浩一 著|かんき出版
¥2,420(税込)
営業1万人、お客様1万人、合わせて2万人の調査を踏まえて「成果を出す営業のメカニズム」をデータとロジックで裏づけた432ページ。鍵になるのは「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」というキーワードで、はぐらかし、忙しさ、いきなり、とにかく安く、検討します、という仮面の外し方が章ごとに整理される。努力量ではなく急所を押さえる話なので、頑張っているのに売れない人の処方箋になる。
こんな人におすすめ
残業と訪問数を増やしても数字が伸びない営業パーソン。部下の努力が報われず悩むマネージャー。根拠のある指導をしたい研修担当者に。データで語られるので、感覚ではなく仕組みで改善したい人に向く。
良い点
- 2万人調査という裏づけの厚さ
- 仮面という比喩が具体的
- 432ページの網羅性
気になる点
- データ記述が多く体力が要る
- 物語形式が好きな人には硬い
- 自社データとの突き合わせが必要
出版社
かんき出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ガンバリズムの罠」って言葉が刺さります。頑張れば売れる、みたいな指導、まだまだ多いですよね。
佐藤メバル
まさにそこを突いた本だね。著者の高橋浩一は営業1万人とお客様1万人、合計2万人の調査をもとに、努力が報われない構造を「急所を外している」と説明する。
同じ著者の別の本も、このあと出てくるよ。
橘ナナミ
仮面、という比喩も面白いです。「検討します」って仮面なんですね。私はつい本音だと思って待っちゃいそうです。
佐藤メバル
待つだけでは外れない仮面だからね。「はぐらかし」「忙しさ」「いきなり」「とにかく安く」「検討します」の5つに分けて、それぞれの外し方を章立てで示している。
質問の引き出しを増やすという第三章の話は、あとで出てくるSPINの本と読み比べても面白いよ。

営業の鬼100則 (アスカビジネス)
早川勝 著|明日香出版社
¥1,000(税込)
30年の間、業界トップクラスのプレイヤーとマネジャーを務めた著者が、数千人のデータをもとに編み出した「営業の鬼の鉄則」を100則にまとめた一冊。媚びを売るのではなく、誇り高き「あなた」を売る仕事だという宣言から始まり、スキル、戦術、習慣、そして鬼スピリッツまでを網羅する。100則という区切りが効いていて、朝に一つずつ開いて自分を点検する使い方ができる。
こんな人におすすめ
「買ってください」と頭を下げる営業から卒業したい人。中堅として自分の型を総点検したい営業マン。朝の習慣として一則ずつ読み進めたい読者に。価格も手に取りやすく、配属されたばかりの若手にも渡しやすい。
良い点
- 100則で区切りがよく使いやすい
- スキルと精神論の両方を網羅
- 価格が手に取りやすい
気になる点
- 一則あたりは短く深掘りは少ない
- 語り口の強さが好みを分ける
- 体系立てて学ぶには不向き
出版社
明日香出版社
発売日
2018年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「媚びを売る仕事ではなく、誇り高きあなたを売る仕事」って、この一文だけで背筋が伸びますね。
佐藤メバル
そこがこの本の芯だよ。30年、業界トップクラスのプレイヤーとマネジャーを務めた著者が、数千人のデータをもとに鉄則を100則に絞っている。
同じ明日香出版社の「一流、二流、三流」も後で出てくるけれど、こちらは則を並べる形式だ。
橘ナナミ
100則って、多いようで区切りがいいですね。通読するより、一日一則ずつ読むほうが合いそう。
佐藤メバル
そう、点検の道具として使うのがいい。甘えを捨て、自分を律し、技を極めろ、というトーンだから読む人を選ぶ面はある。
でも「能力にマインドが伴えば、まさに鬼に金棒」という締めの言葉は、どんな営業にも当てはまると思うよ。

ドリルを売るには穴を売れ
佐藤義典 著|青春出版社
¥1,815(税込)
マーケティングの入門書としてロングセラーを重ねてきた一冊の新装版。商品を売るには顧客にとっての「価値」から考えよという核心から、誰に売るかのターゲティング、競合より高い価値を届ける差別化、4Pという流れで理論が整理される。解説と並行して、新人社員が閉店寸前のレストランを復活させるサブストーリーが進むのが特徴で、理論と物語を往復しながら実戦の使いどころが見えてくる。
こんな人におすすめ
営業一辺倒で顧客視点を整理し直したい人。異動でマーケティングに触れることになった営業パーソン。提案の切り口に行き詰まりを感じている読者に。用語の復習から始めたい人にもちょうどいい。
良い点
- 理論とストーリーの往復で頭に入る
- ロングセラーの新装版で安心
- 用語の整理にちょうどいい
気になる点
- 実践の細かい手順までは踏み込まない
- 営業の現場ノウハウは少なめ
- 今さら感を覚える人もいる
出版社
青春出版社
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ドリルを売るには穴を売れ」って、聞いたことはありました。でも正直、どういう意味か説明できないです。
佐藤メバル
いい質問だね。ドリルが欲しいんじゃなくて、壁に穴を開けたいんだ、という例えだよ。商品そのものではなく、顧客にとっての価値から考えよ、という意味。
そこからターゲティング、差別化、4Pへと進んでいく。
橘ナナミ
4Pって学校で聞いた気がしますけど、ちゃんと覚えてないです…。営業の本で出てくるんですね。
佐藤メバル
マーケティングの理論だけど、営業の提案でも同じ順番が使える。しかもこの本は、新人社員が閉店寸前のレストランを復活させる話が並行して進むから、理論の使いどころが見えるんだ。
ロングセラーの新装版で、入門書としての完成度は高いよ。

営業の一流、二流、三流 (アスカビジネス)
伊庭正康 著|明日香出版社
¥1,540(税込)
「あなたのしているネクタイに戦略がありますか?」という問いから始まる一冊。一流といわれる営業マンは、スキル以上に「営業という仕事への視座」やちょっとしたこだわりが違う。リクルートでトップを誇り、研修でも優秀な営業を輩出してきた著者が、その小さな差をすくい上げて見せていく。同じ動作の意味づけの違いに焦点が当たるので、行動量を増やす前に自分の所作を点検したい人に向く。
こんな人におすすめ
基礎はできているのに、そこから一段上がれない中堅営業マン。後輩に何を伝えるかを整理したいリーダー。ちょっとした所作から差が生まれると知りたい読者に。朝の身支度を見直すきっかけにもなる。
良い点
- 一流と二流の差が具体的
- ネクタイの問いなど切り口が印象的
- 211ページで読み切りやすい
気になる点
- 劇的な方法論は出てこない
- 既視感のある項目もある
- 実践の型は他書で補う必要
出版社
明日香出版社
発売日
2015年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「あなたのしているネクタイに戦略がありますか?」って、この一文にドキッとしました。毎朝なんとなく選んでました。
佐藤メバル
その問いがこの本の入口だね。一流の営業は、頭のてっぺんから足の先まで意味を持たせている。でも特別なことをしているわけじゃなくて、ちょっとしたこだわりの積み重ねなんだよ。
橘ナナミ
こだわりかあ。私、こだわりを持つ前に、とりあえず声を大きくしたり、回数を増やしたりしがちです…。
佐藤メバル
そこを著者の伊庭正康がやさしく崩してくれる。リクルートでトップを誇り、研修でも優秀な営業を輩出してきた人だから、差が生まれる場面をよく見ている。
ただ派手な方法論を期待すると物足りない。読む前に一度、自分の一日を書き出してみると効くよ。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
フィリップ・デルヴス・ブロートン 著|プレジデント社
¥1,870(税込)
ウォール・ストリート・ジャーナルのベストセラーになった異色の営業読本。ハーバード・ビジネス・スクール出身のジャーナリストが、モロッコの土産物屋、日本のセイホのおばちゃん、ニューヨークの現代美術商、テレビ通販のカリスマ、MIT出身の航空機セールスマン、富裕層御用達の不動産営業、シリコンバレーのCEOといった現場を訪ね歩く。営業は人生の縮図だという結論へ、世界中の実例から迫っていく。
こんな人におすすめ
営業のノウハウ本に飽きて視野を広げたい人。営業職に就いたことをどこか恥ずかしく感じている若手。世界の現場を読んで、この仕事の位置づけを考え直したい読者に。読み物として長く楽しめる一冊。
良い点
- 世界中の実例が読める
- 読み物として素直に面白い
- 営業への偏見がほどける
気になる点
- 日本の現場ノウハウは少ない
- 話が広がり散漫に感じることも
- 即効性のある技術は薄い
出版社
プレジデント社
発売日
2013年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ハーバード・ビジネス・スクールで営業を教えない、って。それって営業が軽く見られているってことなんでしょうか。
佐藤メバル
著者はまさにそこを突いていく。頭でっかちのエリートほどセールスの世界を本能的に恐れている、とね。そして自分で世界中を飛び回って営業の現場を取材する。
モロッコの土産物屋からシリコンバレーのCEOまで、対象がとにかく広い。
橘ナナミ
土産物屋と経営者が同じ本に入るの、すごい組み合わせですね。読み物として面白そう。
佐藤メバル
読み物として本当に面白いよ。日本のセイホのおばちゃんも出てくる。ただ、すぐ使えるテクニックを期待すると物足りない。
読み終わったときに営業という仕事の位置づけが変わる、そういう種類の一冊だね。

セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術
今井晶也 著|扶桑社
¥1,760(税込)
勘や偶然、根性ではなく理論で売る、という立場を貫いた営業術の書。1100社、12000商品で実績を上げた営業メソッドを、トップセールスが共通して持つ「売れるマインド」、アポ獲得の方法、営業プロセスを7分割して否定材料を逐一なくす方法などに分解して解説する。成果をコントロールするという言い方が象徴的で、運任せの営業から抜け出したい人に手順を与えてくれる。
こんな人におすすめ
「今月はたまたま良かった」を卒業したい営業パーソン。アポ取りの再現性を高めたい人。プロセスを分解して考えるのが好きな読者に。新人からベテランまで、自分の商談を採点するように読める。
良い点
- 具体的なノウハウが豊富
- マインドと技術の両方を扱う
- 新人からベテランまで使える
気になる点
- 支援会社のメソッド色が強い
- 自社商材に合わせた調整が必要
- 情報量が多く感じる人もいる
出版社
扶桑社
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業支援の顧客向けに1冊50万円で提供してきたノウハウ」って書いてあって、二度見しました。それが一般向けに読めるんですね。
佐藤メバル
そう、そこはこの本の特徴だね。セレブリックスという会社が23年の歴史で蓄積した営業データから、マインドセット、アポ獲得、営業プロセスの7分割といったメソッドを、一般読者向けに噛み砕いて解説している。
橘ナナミ
7分割して否定材料をなくす、というのが気になります。一度に全部を説明して、まとめて断られちゃうのが怖いので。
佐藤メバル
まさにそこを潰す考え方だよ。成果は運ではなく設計できるという前提で書かれているから、読み終わると商談の見え方が変わる。
ただ自社の商材に当てはめる作業は必要で、そのまま真似るだけでは終わらない。虎の巻という言葉がぴったりくる厚みだね。

営業の「聴く技術」: SPIN「4つの質問」「3つの説明」
ケンブリッジ・リサーチ研究所 著|株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
¥1,980(税込)
SPINのキャッチフレーズは「聞く・聴く・質く」。質問を通じてお客様の経営課題を明らかにすると同時に、相手自身がその質問を通じてニーズを顕在化させ、確信していく。その場をソリューションプロセスのなかに何度も作り出せるのがSPINの醍醐味だと説く。4つの質問と3つの説明という枠組みで、聞き方そのものを設計する一冊だ。
こんな人におすすめ
話し上手より聞き上手になりたい営業パーソン。ヒアリングが浅くて提案がずれると感じている人。課題を引き出す質問の型が欲しい読者に。商談の記録を見返しながら読むと、抜けが見つけやすい。
良い点
- SPINという定番の枠組みが学べる
- 質問の設計に集中できる
- 208ページで導入しやすい
気になる点
- 説明パートは圧縮されている
- 実践には反復が必要
- 業種によって調整が要る
出版社
株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
SPINって、聞いたことはあるんですが、4つの質問と3つの説明という言い方は知りませんでした。
佐藤メバル
「聞く・聴く・質く」という三つの漢字の使い分けがこの本の入口だね。質問によってお客様の経営課題を明らかにしていく。
同時に、相手もその質問を通じて自分のニーズに気づいて、確信していくんだ。
橘ナナミ
質問する側とされる側、両方が動くんですね。私は質問すると「尋問されてる」みたいに思われないか心配で、つい話しすぎちゃいます。
佐藤メバル
その不安は多くの人が持つよ。この本は、その場をソリューションプロセスのなかに何度も作り出せると説いている。
質問の順番に意味があるから、尋問ではなく気づきの時間になる。ただ208ページとコンパクトなので、型を覚えたあとに現場で反復する前提で読むといい。

無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
高橋浩一 著|日経BP
¥1,760(税込)
東大卒、のべ3万人を指導してきた著者が「コンペで8年無敗」のノウハウを公開した一冊。柱は二つあり、営業とお客さまの情報ギャップを乗り越えて接戦を制する「3つの質問」と、ズレを解消する「質問力」「価値訴求力」「提案ロジック構築力」「提案行動力」の4つの力。営業力は技術であるという信念のもと、人見知りで口下手だった著者自身のステップが具体的に体系化されている。
こんな人におすすめ
コンペや稟議型の商談で勝ち切れない営業パーソン。楽勝案件は取れるのに接戦に弱い人。ズレの正体を言葉にしてチームで共有したいマネージャーに。商談前に読み返す使い方にも向く。
良い点
- 接戦という局面に絞った解説
- 3つの質問が具体的
- 4つの力で整理して振り返れる
気になる点
- 情報量が多く実践には時間が要る
- 案件の型が合わないと遠い
- 読み返し前提の構成
出版社
日経BP
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「接戦を制する」ってところに絞っているのがいいですね。楽勝案件より、競合と競っているときに何をするかですもんね。
佐藤メバル
そう。この本は案件を楽勝、接戦、惨敗に分けて、いざ接戦になったときの強さが営業力を左右すると説く。そして接戦を制する3つの質問を軸に、4つの力でズレを解消していく。
橘ナナミ
情報ギャップ、という言い方も刺さります。お客様が知らないことと、こちらが知らないことが両方あるんですよね。
佐藤メバル
そう、ズレは双方に生まれる。著者の高橋浩一は人見知りで口下手だったと本人が書いていて、その人が営業力は技術だと断言しているところに説得力がある。
同じ著者の「営業の科学」や「勝ちパターン大全」と並べると、質問、科学、法人、と守備範囲の広さが見えてくるよ。

3か月でトップセールスになる 質問型営業最強フレーズ50
青木毅 著|ダイヤモンド社
¥1,540(税込)
前作のロングセラーに続き、テーマを「そのまま使えば売れる営業に変わる最強フレーズ」に絞った一冊。アプローチ、プレゼンテーション、クロージング、フォローアップという場面ごとに、お客様と相対するときの会話を基に50個のフレーズを厳選している。質問を交えたシミュレーションが並ぶので、読後すぐ試せるのが強み。手帳に入れられる携帯版の案内も付いている。
こんな人におすすめ
商談の言葉がとっさに出てこず悔しい思いをした人。フレーズ集を現場でそのまま使いたい若手。会話の引き出しを増やしたい営業パーソンに。移動中や商談前の数分で確認する使い方にも向く。
良い点
- 場面別にフレーズが並ぶ
- シミュレーション付きで試しやすい
- 携帯版の案内がある
気になる点
- フレーズの丸暗記では限界がある
- 背景の理論は薄め
- 業種によって言い回しの調整が必要
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2016年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
50個のフレーズを場面別に、というのは分かりやすいです。アプローチ、プレゼン、クロージング、フォローアップって、まさに一日の流れですし。
佐藤メバル
しかも前作がロングセラーになっているから、著者の青木毅の質問型営業が支持されている証拠だね。この本は質問を交えたシミュレーションを載せて、読後すぐ試したくなるように作られている。
橘ナナミ
「アポイントに労力をかける必要がなくなる」って書いてあるのが気になります。それって、どういう仕組みなんですか。
佐藤メバル
そこは本で確かめてほしいところだけど、お客様が新規顧客を呼んでくれるノウハウまで扱っていると紹介されている。
ただ、フレーズは丸暗記ではなく自分の言葉に置き換える前提で読むといい。同じ著者の絶対法則の本と並べると、フレーズと原則の両方がそろうよ。

3万5000人を指導してわかった 質問型営業でトップセールスになる絶対法則 新人でも3か月で1年の予算を達成できる!
青木毅 著|ダイヤモンド社
¥1,540(税込)
「トップセールスの共通点」を見出し、それを絶対法則としてまとめた一冊。質問型営業の手法を土台に、見込み客の見極め、アプローチ、プレゼンテーション、クロージング、フォローアップ、セルフマネジメントという失敗しがちな場面ごとに、トップが何をしているかを振り分けて解説する。属人的な内容を誰でも使える技術に置き換える、というのがこの本の狙いだ。
こんな人におすすめ
質問型営業を一段深く理解したい人。トップセールスと自分の差を場面ごとに確かめたい中堅。セルフマネジメントまで含めて型を持ちたい読者に。自分の営業を棚卸しする材料として使える。
良い点
- 場面別に整理されている
- トップの事例が具体的
- セルフマネジメント章が入る
気になる点
- 前作と重なる部分がある
- 事例の業種が偏る可能性
- 目新しさは薄め
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2019年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
前のフレーズ集と同じ著者ですね。「断られることが100%ない」という章のタイトルが、逆に気になります。
佐藤メバル
そこは面白いところだね。断られないとは、押し込まないということでもある。第4章では「契約で追い込まない」、第5章では「お客様に営業してもらう」と続く。
トップは自分で売るより、お客様が動く状況を作るんだと。
橘ナナミ
3万5000人を指導してきた、という数字もすごいです。その人たちの共通点を集めたら、けっこうシンプルな結論になるんですね。
佐藤メバル
そう、属人的なものを誰でも使える技術に置き換える、がこの本の狙い。営業の本質は「お役立ち」と「質問」だと著者は言う。
見極めから自己管理までの流れで整理されているから、自分のどこが抜けているかを確認する使い方がいいよ。

営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて
冨田和成 著|クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
¥1,738(税込)
野村證券で最年少プライベートバンカーを務めた著者が、営業の各プロセスを改善し続ける「仮説・検証ループ」を軸に、リスト選定からアプローチ、戦略的雑談、ニーズ喚起、提案、成約、紹介までを304ページで網羅する。オフィスの外観から売上規模を予測する、テレアポの精度を高めるトークスクリプト、商談を決定づけるニーズ喚起の4大要素など、現場で使える具体策が並ぶ。
こんな人におすすめ
BtoB営業でリストの精度を上げたい人。勘に頼らず仮説で動きたい中堅。プロセス全体を一度地図にしたい読者に。資料作成やデータ管理まで含めて、手を動かしながら読みたい人にも向く。
良い点
- リストから紹介まで完全網羅
- 仮説思考という一貫した軸
- 300ページ超の充実
気になる点
- 実践には管理の手間が要る
- 金融寄りの例が多い印象
- ボリュームに圧倒される人も
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日
2017年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「オフィスの外観から売上規模を予測する」って、すごく具体的ですね。そういうの、教えてくれる本って少ない気がします。
佐藤メバル
著者の冨田和成は、野村證券で最年少のプライベートバンカーだった人で、フィンテックのベンチャーも経営している。
つまり金融の現場と新しい事業の両方を見てきた人だ。だから仮説の立て方が生々しい。
橘ナナミ
仮説・検証ループを回す、って言葉だけ聞くと難しそうなんですけど、要は「こうじゃないか」と予想して確かめる、でいいんですよね。
佐藤メバル
そう、それでいい。ただ、それをリスト選定からニーズ喚起、成約、そして紹介まで一貫させるのがこの本の強みだね。
BtoBの営業にはとくに効く内容だと思う。読者特典で実際に使っているExcelシートが配られるところも、真似する前提の本らしくていいよ。

即決営業
堀口龍介 著|サンマーク出版
¥1,540(税込)
「本当の営業」とは、お客様に「考えます」を一切言わせず、その場で「イエス」か「ノー」かをはっきり出してもらうものだという立場から書かれた一冊。ノーであってもその日に返答をもらえば再訪が不要になり、次の新規客に時間を使えるという考え方が明快だ。「心の玄関」を突破するアプローチ、価値を納得させるプレゼン、買う決断をさせるクロージングまで段階で示す。
こんな人におすすめ
「考えます」の後追いで時間を溶かしている営業パーソン。商談の締め方が弱いと自覚している人。再訪の往復を減らして新規に時間を回したい読者に。商談の設計を丸ごと見直したい人にも向く。
良い点
- 即決というゴールが明確
- アプローチから締めまで一貫
- メソッドの手順が細かい
気になる点
- 顧客側の検討事情には踏み込みが薄い
- 強めのクロージングが合わない商材も
- 心の鍛え方の章は抽象度が上がる
出版社
サンマーク出版
発売日
2016年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「考えます」を一切言わせない、って言い切るのがすごいです。私、そのひと言に何度も救われて、何度もがっかりしてきました。
佐藤メバル
その両方の気持ちが、この本の出発点だね。著者は、ノーであってもその日に返事をもらったほうがいいという。
再訪が消えれば、その分だけ新しいお客様に時間を使えるから。
橘ナナミ
なるほど、即決営業って、たたみかける技術というより時間の設計なんですね。
佐藤メバル
そう捉えると読みやすくなる。「心の玄関」を突破するアプローチ、価値を納得させるプレゼン、買う決断をさせるクロージングと段階が分かれていて、著者は在籍したすべての会社で営業成績ナンバーワンだった人だ。
ただ検討に時間が要る商材もあるから、自分の商売に合わせて型を削る前提で読むといい。

コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌 (講談社+α新書 878-1C)
山岡彰彦 著|講談社
¥990(税込)
Fラン大学出身で四国のボトリング社に入り、高松本社勤務の同期とスタート地点から差をつけられて高知営業所のルートセールスから始めた著者。最初は「いつ辞めるか」だけを考えていたという新人が、セールス日本一になり、日本コカ・コーラ社への出向まで果たす。習慣を味方につける、行動は言葉より雄弁、人は自分事で動く、といった仕事に普遍的な学びが日誌の形で並ぶ。
こんな人におすすめ
配属先にがっかりしている若手営業。地方勤務でモチベーションが上がらない人。日々の学びを記録する習慣を作りたい読者に。新しい環境に飛び込んだばかりの社会人にも読みやすい一冊。
良い点
- 実体験ベースで具体的
- 新書サイズで読みやすい
- 仕事全般に通じる学びが多い
気になる点
- 業界が飲料に限られる
- 派手な逆転劇を期待すると静か
- ノウハウ本ではない
出版社
講談社
発売日
2024年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「いつ辞めるか」だけを考えていた新人が日本一になる、って物語としては最高ですけど、けっこう地道な話なんですよね、きっと。
佐藤メバル
そこがいいんだよ。著者の山岡彰彦はFラン大学出身で、四国のボトリング社に入って、高松本社勤務の同期とスタートから差をつけられて高知営業所でのルートセールスになる。
そこからの記録だから、遠回りした人の実感が詰まっている。
橘ナナミ
「昨日までの自分を模倣しない」という項目が気になりました。同じことを繰り返すのって楽なんですけど、成長はしないですもんね。
佐藤メバル
そう。礼儀正しさと傾聴は最強の武器になる、行動は言葉より雄弁、など項目だけ見ても普遍的なんだけど、日誌の形でその日の出来事と一緒に置かれているから腹に落ちる。
新書で手に取りやすい価格なのも助かるね。

営業マンは70点主義でいい。
中尾隼人 著|星雲社
¥1,430(税込)
100点満点ではなく、あえて70点を狙ったほうが結果として継続的に成果が出る、という立場で書かれた一冊。口下手で人見知りながら初年度にトップセールスを記録した著者が、独自に確立した「70点主義の営業戦略」を指南する。人と話すのが苦手、営業に向いていないかも、すぐテンパってしまう、という悩みを抱える人に向けたノンストレス営業の極意が並ぶ。
こんな人におすすめ
人見知りで営業職に不安を抱える新人。完璧を目指して疲れてしまった中堅。気負いを下げたいと感じている営業パーソンに。仕事と生活を両立させながら働く人にも向く考え方だ。
良い点
- 人見知り前提の組み立て
- 継続性を重視した考え方
- 248ページで読み切れる
気になる点
- 高得点を狙う人には物足りない
- 戦略の粒度は粗め
- 実績の詳細は限られる
出版社
星雲社
発売日
2019年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「70点主義」って、聞いた瞬間に肩の力が抜けました。でも、70点でいいと言われたら、それ以上やらなくなりそうで怖いです。
佐藤メバル
そこは誤解されやすいところだね。この本が言っているのは、最初から100点を狙って動けなくなるより、70点で出して改善を重ねたほうが、結果として継続的に成果が出るということ。
口下手で人見知りだった著者が、初年度にトップセールスを記録している。
橘ナナミ
なるほど。「営業に向いてないかも」って思っている人ほど、読むと楽になれそうです。
佐藤メバル
そう思うよ。すぐテンパってしまう、という悩みまで含めて書かれているから、弱さを前提にした戦略として読める。
人と話すのが本当に苦手、という人にこそ渡したい一冊だね。

営業マンは「お願い」するな!
加賀田晃 著|サンマーク出版
¥1,280(税込)
「契約率99%」という記録を持つ著者が、どんなものでも即決させる営業方法を語る一冊。多くの営業マンは商品を「買ってもらう」態度になっているが、本来の営業は「自分がよいと信じた物を相手のために断りきれない状態にして売ってあげる誘導の芸術」だと定義する。お願いする側から、売ってあげる側へという立ち位置の反転が全体を貫いている。
こんな人におすすめ
商談のたびに頭を下げてしまい、疲れている営業パーソン。断られる前に自分から引いてしまう人。営業の立ち位置を根本から見直したい読者に。後輩の指導に悩むリーダーにも一つの視点を与える。
良い点
- 立ち位置の反転が明快
- 契約率99%という強い背景
- 231ページで読みやすい
気になる点
- 語り口が独特で好みが分かれる
- 現代の商習慣とはずれる面も
- 手順の細部は簡潔
出版社
サンマーク出版
発売日
2011年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「売ってあげる」って言葉、最初は上から目線に感じて、ちょっと引きました。でも説明を読むと、そうでもないんですね。
佐藤メバル
そう、ここは誤解されやすいところだね。著者の加賀田晃は、営業とは「自分がよいと信じた物を相手のために断りきれない状態にして売ってあげる誘導の芸術」だと定義している。
つまり、お客様の利益を信じ切れているかどうかが前提なんだ。
橘ナナミ
「お願い」の営業って、自分が自信ないからお願いになっちゃうんでしょうか。
佐藤メバル
そこだろうね。買ってもらう態度ではなく、よいと信じたものを届ける態度に変える。契約率99%という記録を背景に語られるので、押し売りとは違う強さがある。
独特の語り口だから、合わないと感じたら、同じサンマーク出版の即決営業と並べて読むと違いがはっきりするよ。

売らない営業
松本義史 著|新星出版社
¥1,650(税込)
提案するだけでは受注できない時代に、営業マンの「売り込むスタイル」を封印し、雑談を主体に「頼れる先輩キャラ」の立ち位置を獲得することを説く一冊。好かれる、役に立つから始めて、その後で立ち位置を取れば自然と売れていく。5000人いる生損保ジャパンの営業で最下位だった著者がトップ営業になった方法が語られる。売らないことが最短距離になる逆説的な設計だ。
こんな人におすすめ
面談まではこぎつけるのに受注で止まる人。話は盛り上がるのに契約にならないと悩む営業。雑談の使い方を武器にしたい読者に。売り込みに疲れ、長く続けられる型を探している人にも向く。
良い点
- 逆説的なテーマが分かりやすい
- 最下位からの実例が強い
- 立ち位置という視点が新しい
気になる点
- 業界色がやや強い
- 技術面の解説は薄め
- 効果に時間がかかる型
出版社
新星出版社
発売日
2026年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「売らない営業」って、タイトルだけ見ると禅問答みたいです。売れないから売らないんじゃなくて、あえて売らない、ですよね。
佐藤メバル
そう。著者の松本義史は、5000人いる生損保ジャパンの営業で最下位だった人。そこからトップ営業になった方法が、売り込むスタイルを封印して、雑談を主体に「頼れる先輩キャラ」の立ち位置を取る、というものなんだ。
橘ナナミ
頼れる先輩、かあ。上司でも友達でもない、ちょうど真ん中の距離感がいいんですね。私、すぐ商品の説明に入っちゃいます。
佐藤メバル
その早さが惜しいところだよね。まず好かれる、次に役に立つ、その順番を守ると自然に売れるという組み立てだ。
すぐに数字を作る型ではないけれど、長く続ける営業には効く。同じサンマーク出版の「お願いするな」と読み比べると、立ち位置の作り方が対照的で面白いよ。

法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く
高橋浩一 著|翔泳社
¥2,420(税込)
2万4000人への調査から、キーパーソンに会えない、連絡がつながらない、検討が進まない、予算が増えないという4つの迷路を解いていく一冊。前半の守りの戦略では5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえて出口の見えない状況から抜け、後半の攻めの戦略ではターゲティングやエキスパート戦略といった勝ちパターンで受注へ持ち込む。決裁者を押さえればOKといった常識が覆る構成だ。
こんな人におすすめ
法人営業で案件が途中で止まる経験が多い人。関係者の整理の型を持ちたい中堅。失注の原因を構造として捉えたいマネージャーに。提案前に読み返して、段取りを組み直したいときにも向く。
良い点
- 2万4000人調査という厚み
- 守りと攻めの二部構成
- 関係者の整理が実務的
気になる点
- ボリュームがあり通読に時間が要る
- 個人向け営業には遠い
- 自社の意思決定との突き合わせが必要
出版社
翔泳社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「キーパーソンに会えない」「連絡がつながらない」「検討が進まない」「予算が増えない」。4つとも、そのまんま私の悩みです。
佐藤メバル
そこが迷路の入り口なんだね。この本は、その4つに対して、催促するか待つかしかない、という選択肢を崩していく。
土台になるのは5段階の購買プロセスと6種類の関係者だ。
橘ナナミ
6種類の関係者って、決裁者と担当者だけじゃないんですね。そこを間違えると、進んでいるように見えて止まるんだろうなあ。
佐藤メバル
そういうこと。そして後半は攻めの戦略で、ターゲティングやエキスパート戦略といった勝ちパターンに入る。
著者の高橋浩一はこの分野で累計を伸ばしてきた人で、失注の裏側で実際に起きていたことをデータで見せてくれる。
法人営業の地図として一冊持っておく価値があるよ。

ゼロから始める!法人営業: ずっと勝ち続ける新規開拓営業の新常識
藤原智浩 著|産業能率大学出版部
¥1,650(税込)
セミナーに参加し、本も読み、相当勉強しているのに成果が出ない——著者自身もそういう時期があったと明かす。そして法人開拓には努力なんて必要ない、みんな抑えるべきポイントが抑えられていないだけだと断言する。非常識に思えるかもしれないが確実に結果をもたらし、念願の「反響営業」に切り替える内容だと紹介される。努力の量ではなく外し方に焦点を当てた新規開拓の新常識だ。
こんな人におすすめ
新規開拓で空振りを重ねている若手・中堅。勉強しているのに結果が出ないと悩む人。反響営業に切り替えたい法人営業担当に。努力の向きを一度疑ってみたい、という読者にもちょうどいい。
良い点
- 努力信仰を疑う視点が新鮮
- 著者自身の失敗経験が土台
- 219ページで導入しやすい
気になる点
- 断定調が好みを分ける
- 業種による差は大きい
- 具体手順の詳細は限られる
出版社
産業能率大学出版部
発売日
2023年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「法人開拓には努力なんて必要ない」って、けっこう強い言葉ですよね。努力を否定されると、ちょっと身構えてしまいます。
佐藤メバル
でも著者の藤原智浩は、自分も努力したのに成果が一切出なかった経験がある人なんだ。だから、努力が足りないのではない、抑えるべきポイントが抑えられていないだけだ、と言い切れる。
橘ナナミ
なるほど。努力を否定しているというより、努力の向きを疑っているんですね。「反響営業」に切り替える、というゴールも分かりやすいです。
佐藤メバル
そう、問い合わせが来る状態に持っていくという発想だね。努力の量より、外している点を探すほうが早いと気づかせてくれる。
ゼロから始める、とタイトルにあるとおり、法人営業に配属されたばかりの人にまず渡したい一冊だよ。

法人営業のバイブル: 必ず成果の上がる新規開拓の鉄則&必須ノウハウ
細矢進 著|近代セールス社
¥1,760(税込)
必ず成果の上がる新規開拓の鉄則と必須ノウハウをまとめた一冊。タイトルに「バイブル」と掲げるだけあり、新規開拓に絞って基本に戻るタイプの構成だと考えられる。211ページと、手元に置いて繰り返し参照するのに向いた厚みで、同じ法人営業のテーマでも、調査データで構造を示す本や、ゼロから始める入門書とは役割が違う。新規開拓の基本に立ち返るときの一冊だ。
こんな人におすすめ
新規開拓の基本を一度体系的に押さえ直したい営業パーソン。後輩指導の基準が欲しいリーダー。手元に置いて参照したい読者に。新規開拓に配属されたばかりの人の一冊目にも向く。
良い点
- 新規開拓にテーマを絞っている
- 211ページで参照しやすい
- 鉄則とノウハウの構成
気になる点
- 内容紹介がなく事前情報が少ない
- 既存顧客の深耕は範囲外
- 網羅的な教科書ではない
出版社
近代セールス社
発売日
2007年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
また法人営業の本ですね。こちらは「バイブル」と名乗っていて、新規開拓に絞った鉄則とノウハウ、とタイトルにあります。
佐藤メバル
そう。扱う範囲が新規開拓に寄っているぶん、基本に戻りたいときに向く。同じ法人営業でも、先ほどの勝ちパターン大全は調査データで構造を見せてくれたよね。こちらは鉄則の形でまとめる立場だ。
橘ナナミ
会社に一冊置いておいて、行き詰まったら開く、みたいな使い方でもいいんでしょうか。
佐藤メバル
そういう使い方が合うと思う。ただ内容紹介が公開されていないから、章立ては手に取って確かめてほしい。新規開拓の基本を棚卸しするつもりで、他の法人営業の本と並べて選ぶといいよ。

法人営業のすべてがわかる本 (実務入門)
高城幸司 著|日本能率協会マネジメントセンター
¥1,650(税込)
長くリクルートでトップセールスを続けた著者が、総決算の思いを込めてまとめた実戦的法人営業のノウハウ集。アプローチの準備からアポ取り、ヒアリング、提案、プレゼンテーション、クロージング、顧客管理、営業脳の鍛え方までを、すべての項目にイラストを使いながら懇切丁寧に解説する。どこかのページを開けば今すぐ使える行動方法とトーク例が並ぶ、王道の入門書だ。
こんな人におすすめ
初めて法人営業に携わる新人。伸び悩んで自分のやり方を見直したい中堅。一冊目に何を読むか迷っている読者に。イラストで流れを掴んでから、科学や仮説思考の本へ進む入口にもなる。
良い点
- 全工程をイラスト付きで解説
- トーク例が具体的
- 入門書としての完成度が高い
気になる点
- 踏み込んだ戦略論は少なめ
- 経験者には基礎的すぎる面も
- 業種による調整が必要
出版社
日本能率協会マネジメントセンター
発売日
2006年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最後は「すべてがわかる本」。タイトルに逃げがないですね。イラスト付きというのも、入門書らしくて安心します。
佐藤メバル
著者の高城幸司は、長くリクルートでトップセールスを続けた人だ。これは総決算の思いで書かれた一冊で、準備からアポ取り、ヒアリング、提案、プレゼン、クロージング、顧客管理、そして営業脳の鍛え方まで、すべての項目にイラストが入っている。
橘ナナミ
行動方法とトーク例が、そのまま使える形で載っているんですね。最初の一冊としても、見直しの一冊としても使えそうです。
佐藤メバル
そう。机上の空論ではなく現場で磨いた成功法則だと紹介されているから、初めて法人営業に携わる人にも、今ひとつ伸び悩んでいる人にも効く。
ここまで並べてきた25冊のなかで迷ったら、まずこれで地図を描いて、そこから科学や仮説思考へ進む順番がおすすめだよ。
「心」と「技」の二軸で棚を俯瞰する——営業本の思想の系譜
橘ナナミ
さっきの「心と技」って、25冊ぜんぶを並べる物差しにもなりますか?
佐藤メバル
なる。横軸に「心←→技」、縦軸に「個人←→組織」を取ると、棚がすっと見通せる。左上の個人×心が『営業道』『営業とは道である。』『ガチンコ営業道』。右上の個人×技が『無敗営業』『即決営業』『3か月でトップセールスになる 質問型営業最強フレーズ50』。左下の組織×心が『営業道』の統率力・理念の章。右下の組織×技が『法人営業 勝ちパターン大全』や『営業の科学』だね。
橘ナナミ
同じ本が二箇所に出てくるんですね。
佐藤メバル
『営業道』はまさにそういう本で、386ページのうち前半が個人の心、後半が組織の統率。だから「新人向け」と「管理職向け」の両方で名前が挙がる。系譜でいうと、契約率99%を誇ったとされる『営業マンは「お願い」するな!』のような「売ってあげる」思想の古典があり、SPINのように質問で課題を顕在化させる流れがあり、質問型営業がそれを会話の型に落とし、いまは『営業の科学』のように2万人調査のデータで裏づける時代。心の系譜と技の系譜が、交互に厚くなってきたと見ると面白いよ。
新人が1年で読む順番と、読了を成果に変える定着のサイクル
橘ナナミ
読む順番、私は欲しいです。何から手をつければ……。
佐藤メバル
入社から3か月は『営業道』か『営業とは道である。』で心の土台をつくりつつ、『法人営業のすべてがわかる本』で実務の流れをなぞる。3〜6か月は『THE営業道』で場面ごとのイメトレ、そこに『即決営業』か『質問型営業最強フレーズ50』を一冊足して「型」を持つ。6〜12か月で『無敗営業』『営業の「聴く技術」』——接戦とヒアリングの精度を上げる段階だ。2年目に『営業の科学』『法人営業 勝ちパターン大全』で再現性を固める。マネージャーになったら『営業道』の第四章・第五章に戻ってくる。
橘ナナミ
戻ってくる、がいいですね。
佐藤メバル
読了→実践→振り返りのサイクルを回すのが肝でね。読んだらその日か翌日に一つだけ現場で試す、週末に「効いたかどうか」を一行だけ書き残す。これをやらないと、読書はただの消費で終わる。読書スタイルも分けたほうがいい。手を動かして線を引く本は紙、辞書的に引く本は電子、通勤や移動は音声、そして要約は「買う前に選別する道具」として使う。全冊を同じ熱量で読む必要はないよ。
避けたい選び方と、チーム・読書会での活かし方
橘ナナミ
逆に、これは避けたほうがいい、ってありますか?
佐藤メバル
五つある。帯の「トップセールス」の文字だけで選ぶ。自分の商材と商流が違う本をそのまま真似る。ハウツーばかり読んで哲学を読まない——これは成果が落ちたときに一気に揺らぐ。名著を全部読もうとする。そして、読んで満足する。とくに三つ目は大事で、心の本と技の本を一冊ずつ往復させると強いんだ。
橘ナナミ
著者との相性はどう見ればいいですか?
佐藤メバル
同じ「質問型営業」でも、青木毅の本は信念の語りが前面に出る。高橋浩一の本はデータとロジックが前面に出る。どちらを読んで「腹に落ちる」かは人によるから、第一章だけ立ち読みして反応を見るといい。チームなら『営業の鬼100則』は100の鉄則が並ぶから1回に3則ずつ回し読み、『営業の科学』なら章ごとに「自分の現場のどこが当てはまるか」を共有する。読書会は感想戦ではなく、現場の事例を持ち寄る場にすると機能するよ。
よくある質問
営業初心者・1年目におすすめの営業本はどれですか?
橘ナナミ
営業初心者・1年目におすすめの営業本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず『営業道 人間力を磨き、自らの市場価値を高める極意』で営業という仕事の捉え方を据え、並行して『法人営業のすべてがわかる本』でアプローチの準備からアポ取り、ヒアリング、提案、クロージング、顧客管理までの流れをなぞるのがおすすめです。読んで終わらせず、翌日の一件で一つだけ真似るのが定着のコツです。
営業のマインドや人間力を学べる本はありますか?
橘ナナミ
営業のマインドや人間力を学べる本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
『営業道』『営業とは道である。』『ガチンコ営業道』が代表格です。物語として読みたいなら『営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと』で、営業を愛する・商品を愛する・お客様を愛する・自分を愛するという4つの哲学に触れられます。
『営業道』とはどんな本で、誰に向いていますか?
橘ナナミ
『営業道』とはどんな本で、誰に向いていますかについて教えてください。
佐藤メバル
中村建治による386ページの一冊で、営業の本質を「心と技の両方を磨くこと」と捉え、人間力を鍛える章とフロント・プレゼン・クロージングの技術の章、さらに統率力と理念の章までを積み上げています。配属直後の新人にも読めますが、数年の現場経験があり、自分とチームの両方を見始めた人にいちばん効く本です。
BtoB営業におすすめの本と、BtoCとの違いを教えてください。
橘ナナミ
BtoB営業におすすめの本と、BtoCとの違いを教えてください。について教えてください。
佐藤メバル
BtoBなら『法人営業 勝ちパターン大全』『ゼロから始める!法人営業』『法人営業のバイブル』、仮説思考から入るなら『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』。BtoCでルート営業なら『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』が参考になります。BtoBは決める人が複数いて時間がかかる、BtoCは一人の決断が速い——この差が本の選び方にも表れます。
営業本を読んでも成果に繋がらないのはなぜですか?
橘ナナミ
営業本を読んでも成果に繋がらないのはなぜですかについて教えてください。
佐藤メバル
読んだ本と自分の商材・商流がずれているか、一度に多くを実践しようとしているかのどちらかです。『営業の科学』はこれを「ガンバリズムの罠」と呼び、努力の向きがずれれば報われないと説いています。まず一冊、一つの行動に絞ってください。
営業の古典・名著と呼ばれる本は何を読むべきですか?
橘ナナミ
営業の古典・名著と呼ばれる本は何を読むべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
『営業マンは「お願い」するな!』、SPINの「4つの質問」「3つの説明」を解説した『営業の「聴く技術」』、マーケティングの入口としてロングセラーの『ドリルを売るには穴を売れ』。この3冊は、いまの営業本の前提になっている考え方を含んでいます。
営業マネージャー・管理職におすすめの本はありますか?
橘ナナミ
営業マネージャー・管理職におすすめの本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
『営業道』の第四章「統率力を身につける」と第五章「組織を束ね、社会貢献のできるリーダーとなる」は外せません。加えて、失注の裏側をデータで解き明かす『法人営業 勝ちパターン大全』は、チームの勝ち筋を再現性のある形で作りたい管理職に向いています。
営業本は何冊くらい、どの順番で読むべきですか?
橘ナナミ
営業本は何冊くらい、どの順番で読むべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
同時に手を広げず、心の本と技の本を一冊ずつ、まず2冊から始めるのがおすすめです。3か月に1冊のペースで、読了→実践→振り返りを回す。年間4冊を血肉にした人と、20冊を流し読みした人では、現場での差の出方がまったく違います。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さん、最初は「道」って仰々しいなと思っていたんです。でも話を聞いて、道って遠いものじゃなくて、明日の一件から始まるものなんだと分かりました。
佐藤メバル
そうだね。『営業道』が言う「心と技の両方を磨く」も、特別な修行のことじゃない。今日の商談で一つ丁寧にやる、その積み重ねのことだよ。
橘ナナミ
私、まだ営業職じゃないですけど、研究のインタビューも同じかもしれないと思いました。質問を押しつけずに聴く、って。
佐藤メバル
それはいい読み方だ。『営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと』に「すべてのセールスは愛です」という言葉が出てくる。売るとか話すとか以前に、相手の痛みを考えるという話だね。読者だって、誰かの役に立つ一冊を探している。
橘ナナミ
なるほど……。じゃあ、まず一冊選んで、明日ひとつだけ試してみます。
佐藤メバル
うん。営業の道は高速道路じゃなくて、山道だ。本は、先に歩いた人が残してくれた足跡——同じ道を歩くための、目印だと思えばいい。読み終えた次の一歩で、その道はあなたのものになるよ。
