営業の要約本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、「営業 本 要約」で検索してみたら、要約記事が山のように出てきて、どれを読めばいいのか分からなくなってしまいました。そもそも営業の本って、要約を読むだけでも意味があるんでしょうか?
佐藤メバル
いい質問だね。答えは「要約で足りる本と、本文を読まないと意味がない本がある」だよ。たとえば『営業は台本が9割』は、購買心理に基づいて商談の脚本を設計する、という考え方が核にある。骨格は要約でもつかめる。でも『営業の魔法』は、売上ゼロの新人・小笠原が朝礼のあと喫茶店に逃げ込み、夕方まで時間をやり過ごす半年間があってこそ、紙谷から授かる十一の魔法が効いてくる。あらすじを3行で知っても、あの効き目は再現できないんだ。
橘ナナミ
たしかに……。じゃあ書店の棚の前に立ったとき、まず何を見ればいいんでしょう?
佐藤メバル
僕が書店員だったころ、営業本の棚は「読者の背番号」で並べ替えていた。新人か、マネージャーか。BtoBの無形商材か、BtoCか。テレアポか、法人アカウントか。同じ「営業本」でも、効く場面はまったく違う。持論だけど、良書かどうかは、その本が「誰の、どんな場面」に効くかで決まる。だから順位の前に、自分がどの棚の人間なのかを決めていこう。
橘ナナミ
それ気になります! 私、営業経験ゼロで大学院ではメディア論をやってる側なので……読者さんも「SPIN」とか「THE MODEL」って名前だけ出されても困ると思うんです。
佐藤メバル
そうだね、そこは丁寧にやろう。『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』は、著者のニール・ラッカムが12年かけて35000件のセールスを実地調査し、大型商談と小型商談とでは効果的な売り方が違うと証明した本だ。名前の由来になった4つの質問の使い方まで踏み込んである。名前だけ知っている状態と、商談で使える状態の間には、けっこう深い谷がある。まず自分の課題を1文で書く。それが読む前の準備だ。
営業の要約本の選び方
キャリアステージ
橘ナナミ
やっぱり新人と管理職では、読むべき本は違うんですか?
佐藤メバル
まったく違う。1年目なら『営業の魔法』のような物語で、営業という仕事の体温を先に知るのがいい。2〜3年目で「がんばっているのに売れない」と感じ始めたら『営業の科学』。営業1万人とお客様1万人、合計2万人の調査をもとに、「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」というキーワードで急所を解き明かした本で、努力の方向そのものを疑うときに効く。マネージャーなら『営業改革の教科書』や『属人営業を終わらせる 営業モデルの作り方』で、個人の技術から組織の型へ視点を移す。経営層なら『営業実行学』——200社以上の営業変革を支援してきた著者が「定着負荷<組織実行力」という不等式で、施策が形骸化する理由を構造化している。役職が上がるほど、読む本は「自分が売る本」から「人と組織を動かす本」に移っていくんだ。
商材タイプ
橘ナナミ
商材で変わる、というのも気になります。BtoBとBtoCって、やっぱり別物ですか?
佐藤メバル
別物だね。BtoC寄りで「価値から考えよ」という根本をくれるのが『ドリルを売るには穴を売れ』。ベネフィット、ターゲティング、差別化、4Pという流れを、閉店寸前のレストランを復活させるサブストーリーと並行して読ませる。BtoBの無形商材を組織で売るなら『THE MODEL』——マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの4部門を「分業」から「共業」へ、という話だ。さらに金額が大きく、商談が1年以上かかる相手なら『エンタープライズセールス』で、顧客理解・関係構築・信頼の醸成・成功と展開という因数分解と、アカウントチームの組み方を押さえる。有形無形を問わず広く売ってきた現場のメソッドなら『セールス・イズ』が近い。
営業スタイル
橘ナナミ
訪問営業と、テレアポやインサイドセールスでは、参考にする本も変えたほうがいいんでしょうか。
佐藤メバル
変えたほうがいい。訪問や飛び込みが主戦場なら、『営業の魔法』や青木毅さんの質問型営業の2冊——『なぜ、「質問」だけで売れるのか?』と『3万5000人を指導してわかった 質問型営業でトップセールスになる絶対法則』——が土台になる。後者は見込み客の見極めからアプローチ、プレゼンテーション、クロージング、フォローアップ、セルフマネジメントまで、失敗しがちな場面ごとに整理されている。テレアポや非対面なら『インサイドセールス』で、テレアポとの違い、チームの立ち上げ、KPI、オンライン商談テクニックまで一気に押さえる。中小企業がオンライン化に踏み切る実務なら『売れる組織に変える! BtoB営業の仕組み化戦略』がCRMやMA、SFAの運用まで踏み込む。法人アカウントを持つなら『法人営業 勝ちパターン大全』だ。
今強化したい工程
橘ナナミ
工程で選ぶというのは……アポイントが取れない、クロージングが弱い、みたいな切り口ですか?
佐藤メバル
そのとおり。アポが取れないなら『セールス・イズ』——1100社12000商品で実績を上げてきた会社が、アポ獲得の方法やプロセスの7分割をまとめている。ヒアリングが浅いなら『営業の「聴く技術」』でSPINの「聞く・聴く・質く」を押さえるか、質問型営業の2冊に戻る。提案で差がつかないなら『仮説起点の営業論』——キーエンスで学びfreeeで磨いた仮説構築の視点が軸だ。クロージングなら『営業は台本が9割』の「選ばせるクロージングの5ステップ」と反論解決の想定。組織として強くなりたいなら『属人営業を終わらせる 営業モデルの作り方』——売上至上主義で管理を強めると、逆に御用聞き営業が増えてしまう、という指摘から始まる。
書籍の形式
橘ナナミ
形式……つまり小説のように読めるものから、図解が中心のものまである、ということですよね。
佐藤メバル
そう。腰を据えて理論を読みたいなら『営業の科学』や『法人営業 勝ちパターン大全』。物語として一気に読みたいなら『営業の魔法』。図解と手順で手を動かしたいなら『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』で、仮説の立て方、資料作成、商談への落とし込み、オンライン術までを追える。海外の原著に触れたいならSPINのオリジナル・テキストか、『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?』。後者はウォール・ストリート・ジャーナル・ベストセラーになった異色の営業読本で、モロッコの土産物屋、日本のセイホのおばちゃん、ニューヨークの現代美術商、テレビ通販のカリスマ、MIT出身の航空機セールスマン、富裕層御用達の不動産営業、シリコンバレーのCEOまで、世界中の現場を訪ねて営業の真実を聞き出している。
読むリソース
橘ナナミ
使える時間とお金、電子書籍か紙か、という話も聞きたいです。
佐藤メバル
ここは現実的に考えよう。分厚い体系書は、通勤や昼休みの細切れでは骨が折れる。逆に商談の合間に使うなら、目次から必要な章だけ拾える本のほうが強い。だから選ぶ前に、自分が1週間でどれだけ読めるかを先に見積もる。電子書籍なら検索できるから、商談前に該当箇所を引く使い方ができる。腰を据えて読むタイプの本は、紙で通したほうが頭に残りやすいというのも現場でよく聞く話だね。
営業の要約本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
営業の要約本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

営業本を100冊読んだら結局この1冊だった: 結果を出してる人に共通すること 100→1 (ヒャクイチ)
ヒャクイチ出版 著
「営業本を100冊読んだら結局この1冊だった」というタイトルどおり、世にあふれる営業本を100冊ぶん研磨し、時代や業種を問わず共通する純度100%の正解だけを抽出した一冊です。読みどころは、個別ノウハウの寄せ集めではなく「結局なにが共通解なのか」を先に示してくれる点。著者の実体験ストーリーで学ぶタイプの本とは違い、迷路に入り込んだ人が出口の地図を先に手に入れるための本です。
こんな人におすすめ
「営業本を何冊も買ったのに成果につながらず、次にどの本を読めばいいか分からない」という人。営業コーナーの前で立ち止まりがちな営業1〜3年目、そして部下に何を読ませるか迷うマネージャーにも。
良い点
- 100冊ぶんの知見を1冊に集約
- 精神論とテクニック本の橋渡し
- 時代や業種を問わない共通解を示す
気になる点
- 個別の実践ノウハウは薄め
- 物語性はほとんどない
- 読んですぐ売れる即効性は低い
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、これ、タイトルがすごいですね。『営業本を100冊読んだら結局この1冊だった』って、100冊読んだ人が選んだという意味なんですか?
佐藤メバル
その名のとおり、世にある営業の名著を100冊ぶん研ぎ澄ませて、時代や業種を問わず共通する正解だけを残した本なんだ。
精神論から心理学テクニックまで、営業本は読むほど「で、何が正解?」と迷いやすい。だから最初に地図を渡してくれるこの一冊は、本棚の迷子にはありがたいんだよ。
橘ナナミ
たしかに私も、就活のときに営業の本を何冊かまとめて読んで、逆に「で、何が正解?」と分からなくなった記憶があります。
佐藤メバル
そういう経験がある人ほど効くよ。個別テクニックの前に共通解を知っておくと、その後の一冊がぐっと身になる。
売れている人の共通点を先に押さえてから、自分の現場に合う本に戻る——遠回りに見えて、実はいちばん速い順番なんだ。

営業の魔法
中村信仁 著|ビーコミュニケーションズ
¥1,650(税込)
売上ゼロの新入社員・小笠原が、喫茶店で出会ったスーパー営業マン紙谷から早朝6時の実践レクチャーを受ける物語。バインダーを操り、お客様を魔法にかかったようにイエスへ導く紙谷が伝えるのは11の魔法。そして12個目を残したまま忽然と姿を消します。ノウハウ本ではなく物語として読めるのが最大の違いで、理論より先に営業という仕事の体温が残ります。
こんな人におすすめ
活字のノウハウ本が苦手な人、営業に配属されたばかりで自信を失っている若手、そして部下に営業の心構えを伝えたい教育担当者。通勤時間で読み切れる分量も魅力です。
良い点
- ストーリーで最後まで読める
- 営業の心構えが自然に入る
- 新人の成長過程が具体的
気になる点
- 理論の体系性は薄い
- 12個目の魔法は描かれない
- 業種によっては掛け離れる
出版社
ビーコミュニケーションズ
発売日
2007年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
あれ、これ小説みたいな装丁ですけど……ちゃんと営業の本なんですよね? 『魔法』という言葉につられちゃいました。
佐藤メバル
そう、営業サクセスストーリーなんだ。売上ゼロの新人・小笠原が、喫茶店で出会ったスーパー営業マン紙谷から、早朝6時からのレクチャーで11の魔法を教わる。
でも、12個目を伝えないまま紙谷は忽然と姿を消してしまう。ノウハウの前に、営業という仕事の熱量が伝わってくるよ。
橘ナナミ
12個目、めちゃくちゃ気になります……! その先の展開は描かれていないんですか? 上下巻とか。
佐藤メバル
そこは読者に委ねられている。書店員時代、これを新人に配ると「営業ってこういうことか」と目の色が変わる子が何人もいた。
理論を詰める前に、まずこの一冊で体温を上げる——新人研修の初日にちょうどいい本だよ。

ドリルを売るには穴を売れ
佐藤義典 著|青春出版社
¥1,815(税込)
「ドリルを売るには穴を売れ」=商品ではなく顧客にとっての価値から考えよ、というマーケティングの入門書。ベネフィット、誰に売るかのターゲティング、差別化、届け方の4Pという流れで最重要理論が腑に落ちます。並行して閉店寸前のレストランを新人が復活させるサブストーリーが進み、理論と実戦が同時に頭に入る構成。営業テク本の前に土台を作れる一冊です。
こんな人におすすめ
売り方の前に「何を売っているのか」を整理したい人、商品企画やマーケにも携わる営業、そしてマーケティング用語で挫折したことがある再入門者。
良い点
- 理論と物語を同時に学べる
- 12万部超のロングセラー
- 図解と章立てが親切
気になる点
- 実践の営業トークは載らない
- 内容はやや基礎寄り
- 在庫で旧版が届く場合あり
出版社
青春出版社
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『ドリルを売るには穴を売れ』……? ドリルを売りたいのに、穴を売るってどういうことですか?
佐藤メバル
ドリルが欲しいんじゃない、穴を開けたいから買う。つまり商品そのものではなく、顧客にとっての価値から考えよ、というマーケティングの基本を一言にしたんだ。
この本はベネフィット、ターゲティング、差別化、4Pという順番で、それを体系立ててくれる。
橘ナナミ
なるほど! 売り方のテクニックを磨く前に、そもそも自分は何を売っているのかから考えるんですね。
佐藤メバル
そう、その順番が大事なんだ。並行して、新人が閉店寸前のレストランを復活させる物語も進むから、理論が実戦でどう使われるかまで見える。
12万部を超えた新装版で、営業の土台づくりにはちょうどいいよ。

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
高橋浩一 著|かんき出版
¥2,420(税込)
営業1万人とお客様1万人、計2万人への調査を踏まえ、努力が報われない原因を「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」というキーワードで解き明かす一冊。はぐらかし、忙しさ、いきなり、とにかく安く、検討します——仮面ごとに外し方が章立てされ、どの章からでも自部署の詰まりに直結します。体験談型の営業本と違い、データとロジックで裏づけられているのが持ち味です。
こんな人におすすめ
頑張っているのに受注が増えず、根性論の指導に違和感がある営業、そして指導の根拠を求められているマネージャー。商談が止まる理由を言語化したい場面にも。
良い点
- 2万人調査に基づく裏づけ
- 仮面ごとの章立てで探しやすい
- プロセス別の武器が具体的
気になる点
- 432ページと厚め
- 物語的な読みやすさはない
- 即効の言い回し集ではない
出版社
かんき出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
2万人に調査した営業本って、なかなかないですよね。でも『ガンバリズムの罠』って何ですか?
佐藤メバル
もっと頑張れば売れる、という思い込みのこと。努力の方向が急所から外れていると、どんなに動いても報われない。
そして急所というのが、『購買者の仮面』の裏にある本音なんだ。はぐらかし、忙しさ、とにかく安く、検討します——お客様は仮面をつけて商談に来る。
橘ナナミ
その仮面、私も飲食のバイトでお客様相手にかぶってました……。外し方も載っているんですか?
佐藤メバル
仮面ごとに章が分かれているから、自分の詰まりに合わせて読める。体験談型の営業本と違って、2万人のデータが根拠になっているのが心強い。
根性で押す前に、一度ここで立ち止まってみる価値は大きいよ。

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
福田康隆 著|翔泳社
¥1,980(税込)
スマホの普及で「営業が初めて顧客に接触するとき、商談プロセスの半分以上は終わっている」——この前提から、マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスを「共業」でつなぐレベニューモデルを描きます。日米のオラクルやセールスフォース、マルケト日本法人代表を務めた著者による組織設計の俯瞰図で、SFAやMAの運用、商談ステージの移行判定基準まで踏み込むのが強みです。
こんな人におすすめ
BtoBで営業プロセスの再設計を任された企画担当、インサイドセールス新設を検討する経営層、そしてツールを入れたのに定着しない現場のリーダー。
良い点
- 4部門の役割分担が整理できる
- SFA・MA運用の基本まで
- 理論と実践の橋渡しになる
気になる点
- 個人の商談術は扱わない
- 組織前提の内容が多い
- 用語の前提知識が要る
出版社
翔泳社
発売日
2019年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセス……4つも並ぶと、もう何が何だか。
佐藤メバル
そこをつなぐのがこの本の狙いなんだ。「営業が顧客に初めて接触するとき、すでに商談プロセスの半分以上は終わっている」——この一文が出発点。
だから一人で売る発想をやめて、4部門が共業する仕組みを描く。
橘ナナミ
共業、いい言葉ですね。分業のままだと、部門と部門の間でボールが落ちてしまいそうです。
佐藤メバル
まさにその落下を防ぐ設計図だよ。しかも理論だけでなく、SFAやMAの運用、商談ステージの移行判定基準といった実務まで書いてある。
ツールを入れたのに回らない、という組織にはよく効く一冊だよ。

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
ニール・ラッカム 著|海と月社
¥1,980(税込)
12年をかけ35000件のセールスを実地調査し、「1回で決まる小型商談と、何度も重ねる大型商談では有効な売り方がまったく違う」ことを初めて示した原著。状況質問・問題質問・示唆質問・解決質問の4つを使い分け、買い手自身に必要だと気づかせる質問話法の原点です。マイクロソフトやIBMなどが採用し、20年以上読み継がれている信頼があります。
こんな人におすすめ
受注まで数か月かかる法人営業、複数回の商談を重ねる提案型の商材を扱う人、そしてSPINという言葉だけ知っている中途学習者。後輩指導の共通言語づくりにも。
良い点
- 35000件の実地検証が根拠
- 質問の使い方が実例つき
- 20年以上の定番テキスト
気になる点
- 小型商談には過剰
- やや翻訳調で硬い
- 業種によっては組み替えが必要
出版社
海と月社
発売日
2009年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
SPINって、言葉だけは研修で聞いたことがあるんですけど、実際に読んだことはなかったです。
佐藤メバル
これは考案者本人によるオリジナル・テキストなんだ。12年かけて3万5千件の商談を調べて、大型商談では質問の使い方が勝負を決めると突き止めた。
状況質問、問題質問、示唆質問、解決質問の4つだね。
橘ナナミ
4つを使い分けるの、慣れるまで大変そうですね……。やっぱり決まった順番で出すんですか?
佐藤メバル
積み上げる順番はあるけれど、慣れると自然になる。大事なのは、こちらが説明するのではなく、お客様自身に「これは必要だ」と気づいてもらうこと。
世界の大手が採用して20年以上読み継がれているのは、それだけ普遍性がある証拠だよ。

セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術
今井晶也 著|扶桑社
¥1,760(税込)
営業支援のトップランナーであるセレブリックスが、1100社・12000商品で積み上げた膨大な営業データから、勘や根性に頼らず理論で売るメソッドをまとめた一冊。営業プロセスを7分割し、否定材料をひとつずつ消していく手順やアポ獲得の具体策が並びます。本来は顧客向けに高額で提供していたノウハウを、一般読者向けに噛み砕いた点が他書との違いです。
こんな人におすすめ
新人からベテランまで、自分の商談プロセスを一度棚卸ししたい営業、そして勘と経験に頼った指導から抜けたいチームリーダー。アポが取れない時期の立て直しにも。
良い点
- プロセス7分割が実践的
- アポ獲得の具体策が豊富
- 新人にも分かる言葉づかい
気になる点
- データの詳細は非公開
- やや網羅的で厚い
- 自社プロセスへの翻訳が必要
出版社
扶桑社
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1100社、12000商品で実績を上げたメソッド……って、数字がすごい。これ、もともと研修で配られていたものなんですか?
佐藤メバル
本来は営業支援の顧客向けに、1冊50万円で提供していたノウハウなんだ。それを一般読者向けに噛み砕いたのがこの本。
営業プロセスを7分割して、否定材料をひとつずつ消していく手順が中核だね。
橘ナナミ
50万円……! それが数千円で読めるのは、たしかにお得ですね。でも7分割って、そんなに細かく?
佐藤メバル
細かく分けるから、どこで失速しているかが見えるんだ。アポが取れない時期の立て直しにも使えるし、新人からベテランまで自分の商談を棚卸しできる。
売れる人のマインドと、アポ獲得の具体策が両方入っているのが強みだよ。

無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
高橋浩一 著|日経BP
¥1,760(税込)
東大卒、外資系コンサルを経て25歳で起業し、のべ3万人以上を指導してきた著者が「コンペで8年無敗」のノウハウを公開。営業とお客様の間の情報ギャップから生まれるズレを軸に、接戦を制する3つの質問と、質問力・価値訴求力・提案ロジック構築力・提案行動力の4つの力を体系化します。楽勝案件より接戦に強くなるという視点が、他の営業本と一線を画します。
こんな人におすすめ
コンペや稟議型の提案で競合に競り負けている営業、そして提案書づくりに時間を取られている中堅。後輩の育成に型がほしい管理職にも。
良い点
- 接戦に焦点を当てた構成
- 4つの力で章立てが明快
- コンペと稟議で手順を分けて解説
気になる点
- 網羅的で分量が多い
- 初心者にはやや重い
- 業界固有の作法は扱わない
出版社
日経BP
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『無敗営業』って、ずいぶん強い言葉ですよね。コンペで8年負けていないって、本当なんでしょうか?
佐藤メバル
本人が公言している実績で、そこを看板にした本なんだ。核になるのは、営業とお客様の間に生まれる情報のズレという考え方。
楽勝でも惨敗でもなく、接戦をどう制するかに焦点を当てている。
橘ナナミ
接戦に絞るって、珍しいですね。ふつうは、うまくいった勝ちパターンの話になりがちな気がします。
佐藤メバル
そこなんだよね。接戦を制する3つの質問と、質問力・価値訴求力・提案ロジック構築力・提案行動力という4つの力に分けて、ひたすら具体的に体系化してある。
提案書づくりに追われている中堅ほど、刺さると思うよ。

なぜ、「質問」だけで売れるのか?: 気づけば成約に至っている「質問型営業」入門
青木毅 著|日本実業出版社
¥1,760(税込)
専門アドバイザーとして信頼を得て売る「質問型営業」の最新ノウハウを、講義形式で教える入門書。詰め込まずに語りかける構成なので、質問型営業という考え方の全体像を短時間でつかめます。同じ著者の実践編に進む前の最初の一冊として位置づけると使いやすく、話し方に自信がない人が聞く側に回る発想を得るのに向いています。
こんな人におすすめ
説明が長くなりがちで商談が進まない新人、押しの強い営業から質問型に切り替えたい中堅、そして営業研修の副読本を探している教育担当。
良い点
- 講義形式で読み進めやすい
- 質問型の全体像がつかめる
- 入門として分量が手ごろ
気になる点
- 具体フレーズは少なめ
- 実践編と併読が前提
- 理論的な深掘りは控えめ
出版社
日本実業出版社
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
青木毅さんの質問型営業、入門編と実践編があるみたいですね。最初はどちらから読めばいいんでしょう?
佐藤メバル
まずはこの入門のほうからでいいと思う。専門アドバイザーとして信頼を得て売る、という考え方を講義形式で語りかけてくれるから、質問型の全体像を短時間でつかめる。
細かなフレーズ集が欲しくなったら実践編に進む、という順番だね。
橘ナナミ
講義形式なら、私みたいな素人でも付いていけそうです。質問だけで売れるって、にわかには信じがたいですけど……。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さでね。押しの強い説明をやめて、聞く側に回ると、お客様のほうから話してくれる。話し方に自信がない人ほど、この発想は武器になるんだ。研修の副読本としても使いやすいよ。

3万5000人を指導してわかった 質問型営業でトップセールスになる絶対法則 新人でも3か月で1年の予算を達成できる!
青木毅 著|ダイヤモンド社
¥1,540(税込)
3万5000人を指導した著者が、トップセールスの共通点を「お役立ち」と「質問」の2語に絞り、見込み客の見極め・アプローチ・プレゼン・クロージング・フォロー・セルフマネジメントという場面ごとに技術として整理した一冊。世界84か国2500の代理店の中で世界大賞を獲得した著者自身の実績が背景にあり、属人的な成功を誰でも使える形に翻訳しているのが読みどころです。
こんな人におすすめ
入門編を読んで実践に移したい営業、場面ごとの言い回しに迷う新人、そして3か月で数字を作りたいと焦っている若手。研修後の行動定着を狙うリーダーにも。
良い点
- 場面別に整理され引ける
- 失敗しがちな場面を先回り
- 事例ベースで真似しやすい
気になる点
- 精神面の記述も多い
- 業種差への配慮は薄い
- 前著と重なる部分がある
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2019年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ著者の本が続くんですね。3万5000人を指導してわかった、というのは、かなりの規模だと思います。
佐藤メバル
しかも著者自身が、世界84か国2500の代理店の中で世界大賞を獲ったトップセールスなんだ。この本は、その共通点をお役立ちと質問に絞って、見込み客の見極めからアプローチ、プレゼン、クロージング、フォローまで場面ごとに整理している。
橘ナナミ
場面ごとに分かれていると、商談の直前に開いて確認しやすそうですね。新人にも優しそうです。
佐藤メバル
そう、辞書みたいに引けるのがいいところ。トップセールスが実際にやっていることを、属人的な才能ではなく誰でも使える技術としてまとめてある。
3か月で1年の予算を達成した事例も出てくるから、若手の背中を押してくれるよ。

営業の「聴く技術」: SPIN「4つの質問」「3つの説明」
ケンブリッジ・リサーチ研究所 著|株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
¥1,980(税込)
SPINのキャッチフレーズ「聞く・聴く・訊く」を軸に、質問を通じてお客様の経営課題を明らかにし、相手自身にニーズを顕在化させ確信してもらうプロセスを解説する一冊。ソリューション提案の流れの中で、その場を何度も作り出せることこそSPINの醍醐味だと説きます。質問の4類型と説明の3類型という形で整理されているため、耳で覚えたSPINを手元の手順に落とせます。
こんな人におすすめ
SPINを名前だけ知っている人、ヒアリングが尋問のようになってしまう営業、そして提案の前段でつまずくソリューション営業。商談録画を見返すときの観点づくりにも。
良い点
- 質問と説明を型で整理
- ソリューション提案の流れに沿う
- 208ページで読み切りやすい
気になる点
- 原著SPINの要約的側面
- 具体例はやや少なめ
- 入門者には抽象的に映る
出版社
株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
SPINの本がもう一冊。こちらは『聴く技術』なんですね。さっきの原著と何が違うんでしょう?
佐藤メバル
原著が理論の出発点だとしたら、こちらは聞く・聴く・訊くという3つの漢字の使い分けから入る実務寄りの一冊なんだ。
質問の4類型と説明の3類型という形で整理されているから、SPINを耳で覚えた人が手元の手順に落とすのに向いている。
橘ナナミ
聞く、聴く、訊く……全部おなじ読み方なのに、漢字が違うと意味も変わるんですね。面白いです。
佐藤メバル
そこが肝でね。質問を通じてお客様の経営課題を明らかにしていくと、相手自身がニーズを顕在化させて確信していく。
その場をソリューション提案の中で何度も作り出せることがSPINの醍醐味なんだ、とこの本は説いているよ。

営業は台本が9割
加賀田裕之 著|きずな出版
¥1,650(税込)
トップセールスに学んだ秘訣を「購買心理に基づき、お客様の欲しいを自然に引き出す商談の脚本」として体系化した一冊。ニーズの深掘り、信頼関係、FABECの公式、選ばせるクロージングの5ステップ、反論解決の想定まで、準備の手順として落とし込みます。感覚で話していた商談を台本として書き出して磨くという発想が、質問型の本との違いです。
こんな人におすすめ
商談のたびに手応えが変わる人、新人に教える型がほしい先輩、そしてロープレの題材を探している研修担当。提案の言い回しを事前に固めたい場面にも。
良い点
- 台本づくりの手順が具体的
- 反論処理まで想定できる
- 商談前に見返しやすい構成
気になる点
- 台本通りにいかない場面もある
- 暗記前提の印象を受ける
- 業種差は吸収が必要
出版社
きずな出版
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『営業は台本が9割』……台本って、そんなに固めてしまって、自然な会話ができなくなりませんか?
佐藤メバル
そこは誤解されやすいところでね。この本の台本は、丸暗記するセリフではなく、購買心理に基づいてお客様の欲しいを自然に引き出す脚本のことなんだ。
ニーズの深掘り、信頼関係、クロージングの5ステップ、反論の想定まで、準備として書き出しておく。
橘ナナミ
準備として書く、か。たしかに私は、商談のたびに手応えが変わってしまっていました。
佐藤メバル
それだと再現できないからね。台本を作って磨くと、見込み客の多くまではブラッシュアップで成約に近づける、というのが著者の主張。
ロープレの題材を探している研修担当にも使いやすい一冊だよ。

仮説起点の営業論 キーエンスに学び、磨いたセールス・スキル (角川新書)
鈴木眞理 著|KADOKAWA
¥1,386(税込)
顧客自身が気づいていないニーズに気づいてもらうには——キーエンスで学び、freeeで磨いた著者が、課題設定から情報収集、仮説構築、検証、交渉、クロージングまでを一貫した方法論として描きます。仮説は間違えてもいい、完璧でなくていいという立場から、5つの視点でアイデアを出す手順を示すのが特徴。角川新書として持ち歩けるのも利点です。
こんな人におすすめ
提案の切り口がいつも同じで飽きられている気がする営業、BtoBの課題設定を鍛えたい中堅、そしてAI時代の営業の役割を考えたい人。
良い点
- 仮説構築の手順が具体的
- 新書で持ち歩きやすい
- 交渉まで一貫して扱う
気になる点
- 用語の抽象度は高め
- 商談トーク集ではない
- 業界知識の前提が要る箇所あり
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
キーエンスで学んで、freeeで磨いた……って、経歴がはっきり書いてあると、なんだか信頼できますね。
佐藤メバル
そうだね。この本の核は、顧客自身も気づいていないニーズに気づいてもらうために、仮説から始めるという考え方なんだ。
課題設定、情報収集、仮説構築、検証、交渉、クロージングまで一貫して扱っている。
橘ナナミ
仮説って、間違えたら恥ずかしい気がして、つい当たり障りのない提案にしてしまいがちなんです。
佐藤メバル
そこを、仮説は間違えてもいい、完璧でなくていいと最初に言ってくれるのがいいんだ。5つの視点からアイデアを出す手順も示される。
角川新書だから持ち歩きやすくて、通勤のお供にもちょうどいいよ。

成果に直結する「仮説提案営業」実践講座
城野えん 著|日本実業出版社
¥1,980(税込)
BtoB営業・マーケティングで武器になる「仮説を立てる提案営業」を、仮説の立て方、資料の作成、商談への落とし込み、オンライン術まで豊富な図解で解説する実践講座。事前準備や会議と会議の間の短い報告、進捗ミーティングの重要性にも触れ、提案が動き出すまでの“間”の動き方まで踏み込むのが特徴。考え方を説く仮説本より、手を動かす工程表に近い一冊です。
こんな人におすすめ
提案資料づくりに時間がかかるBtoB営業、オンライン商談に移行したチーム、そして仮説の中身を具体的にしたい若手。社内報告の型を整えたいリーダーにも。
良い点
- 図解が多く工程が見える
- 資料作成まで踏み込む
- オンライン商談の扱いがある
気になる点
- 考え方の深掘りは控えめ
- 業界によっては汎用すぎる
- 分量はコンパクト
出版社
日本実業出版社
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
仮説提案営業の実践講座、ですか。さっきの仮説の本と、どう使い分ければいいんでしょう?
佐藤メバル
考え方をじっくり味わうなら新書のほう、手を動かして提案資料まで仕上げたいならこちらの実践講座、という住み分けだね。
仮説の立て方、資料作成、商談への落とし込み、オンライン術まで、豊富な図解で工程が並んでいる。
橘ナナミ
図解が多いのは助かります。会議と会議の間の短い報告も大事だって書いてあるんですか?
佐藤メバル
そう、事前準備や進捗ミーティング、会議と会議の間の簡単な報告まで触れている。提案の中身だけでなく、提案が社内で動き出すまでの間の動き方まで書いてあるのが、他の仮説本との違いなんだ。

法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く
高橋浩一 著|翔泳社
¥2,420(税込)
2万4000人への調査から、キーパーソンに会えない、連絡がつながらない、検討が進まない、予算が増えない——営業が陥る4つの迷路の裏側で実際に起きていたことを解き明かす一冊。前半で5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえる守り、後半でターゲティングやエキスパート戦略の攻めを組み立てます。決裁者を押さえればOKという常識が覆ります。
こんな人におすすめ
大手法人の商談が長期化して迷子になっている担当、受注確度を上げたいマネージャー、そして稟議の動き方を理解したい若手。失注分析の観点がほしい場面にも。
良い点
- 失注側から逆算する構成
- 購買プロセスと関係者を整理
- 打ち手が具体的で実務的
気になる点
- 320ページで情報量が多い
- 用語の前提知識が要る
- 小規模商談には過剰
出版社
翔泳社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
高橋さんの本、これで何冊目でしょう。『勝ちパターン大全』って、大全ということは網羅的なんですか?
佐藤メバル
2万4000人への調査から、失注の裏側で実際に起きていたことを見つけた本なんだ。キーパーソンに会えない、連絡がつながらない、検討が進まない、予算が増えない——この4つの迷路を、守りと攻めの両面から攻略する。
橘ナナミ
連絡が途絶えたとき、催促するか待つかの二択だと思っていました。他に手があるんですね。
佐藤メバル
そこが読みどころで、どちらも正解とは限らないと指摘する。5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえて、決裁者を押さえればOK、訪問回数で関係が築ける、といった常識を覆していく。
長期商談で迷子になっている人ほど効くよ。

エンタープライズセールス 大企業担当の営業組織が成果を出し続けるためのバイブル
佐藤亮 著|翔泳社
¥1,980(税込)
日本HPでエンタープライズセールスとして活躍し、セールスフォース・ジャパンで営業改革を推進してきた著者が、大企業担当の営業組織が成果を出し続ける仕組みを解説。顧客理解・関係構築・信頼の醸成・成功と展開の4つに仕事を因数分解し、1人で一気通貫が難しいからこそアカウントチームを組むと説きます。中小向けの手法を大手に持ち込むと失敗する理由から説き起こします。
こんな人におすすめ
大手企業向けに商材を売る営業組織の管理職、アカウントチームの設計を任された企画担当、そして1年以上かかる商談の属人化に悩む経営者。
良い点
- 組織づくりまで踏み込む
- 大手と中小の違いから説く
- 役割分担が具体的
気になる点
- 個人の商談術は薄い
- 組織前提で条件が多い
- 担当者の実践には遠い
出版社
翔泳社
発売日
2024年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エンタープライズ……つまり大企業向けの営業って、中小企業向けとそんなに違うものなんでしょうか?
佐藤メバル
かなり違うんだ。大企業の商談は1年以上かかることも多くて属人化しやすいし、見込み顧客の数そのものが少ない。
だから中小で成功したやり方をそのまま持ち込むとうまくいかない、というところからこの本は始まる。
橘ナナミ
それで、1人で抱えずにアカウントチームを組むんですね。一気通貫はやっぱり無理だから。
佐藤メバル
そう。顧客理解、関係構築、信頼の醸成、成功と展開という4つに仕事を因数分解して、役割を分けて仕組みにする。
大企業担当の組織づくりに悩む管理職には、かなり実践的な一冊になると思うよ。

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
茂野明彦 著|翔泳社
¥1,731(税込)
セールスフォースとビズリーチのインサイドセールス部門を立ち上げてきた著者が、テレアポとの違い、種類と役割といった基礎から、立ち上げ方法、オンライン商談テクニック、KPI、チームマネジメント、他部門との連携までを行動レベルで解説します。体系化された知見がまだ少ない領域で、立ち上げから運用まで一冊で見通せるのが価値。導入企業へのインタビューも収録されています。
こんな人におすすめ
インサイドセールス部門の新設を検討する経営層、立ち上げを任されたリーダー、そして非対面で成約率を上げたい現場メンバー。転職を考えている人にも。
良い点
- 立ち上げから運用まで一冊
- KPIとテクニックが具体的
- 導入企業の声も収録
気になる点
- 訪問営業中心の組織には遠い
- ツール依存の記述がある
- 組織規模の前提が要る
出版社
翔泳社
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
インサイドセールスって、いわゆるテレアポとは何が違うんでしょう? そこがずっと引っかかっていたんです。
佐藤メバル
この本はまさにその違いから丁寧に説明してくれる。セールスフォースとビズリーチで、インサイドセールス部隊をいちから作り上げた人が書いているから、基礎知識、立ち上げ、KPI、チームマネジメント、他部門との連携まで、行動レベルで書いてあるんだ。
橘ナナミ
立ち上げの経験って、なかなか本にはならないですもんね。採用の章まで入っているんですか?
佐藤メバル
そう、採用の章もきちんと立ててある。体系化された知見や成功事例がまだ少ない領域だから、これ一冊で立ち上げから運用まで見通せる価値は大きい。
非対面で成果を出したい人にも、これから部門を作る経営層にも効くよ。

営業改革の教科書 成果を生む「王道施策15選」
榊巻亮、浦野裕三 著|日経BP
¥2,860(税込)
現場で実践し効果が出ているノウハウを体系的に整理し、営業組織を何を・なぜ・どうやって変えるのか、そして変えた後に定着させるまでの道筋を示す一冊。自己定義の見直し、営業活動の明確化、組織的営業力の強化、本来業務への集中、非対面の戦力化、人材育成という6系統で計15の施策を提示し、管理表などのテンプレートも多数。個人の努力の限界を組織の設計で超える発想が核です。
こんな人におすすめ
営業改革の旗を振る経営層や企画部門、施策が形骸化して困っている管理職、そして変革の進め方に迷うプロジェクトリーダー。
良い点
- 15施策で構成が明快
- テンプレートを流用できる
- 定着までの道筋を示す
気になる点
- 読み物としての軽さはない
- 組織規模の前提がある
- 個人営業には直接効きにくい
出版社
日経BP
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業改革の教科書、って、いきなり組織の話ですね。個人で頑張るのには限界がある、ということですか?
佐藤メバル
そこが著者たちの主張の入口でね。個人で頑張るだけでは限界があるから、組織を丸ごと変える。しかも変えるだけでなく、定着させるまでの道筋をナビゲートしてくれる。
自己定義の見直しから人材育成まで、王道施策15選という形で並んでいる。
橘ナナミ
15個もあると、逆に自社のどこから手をつければいいか迷ってしまいませんか?
佐藤メバル
そこは体系立てて整理されているから大丈夫。管理表などのテンプレートも多数載っていて、そのまま流用できるのがありがたい。
施策が形骸化して困っている管理職や、旗を振る企画部門のための一冊だね。

属人営業を終わらせる 営業モデルの作り方
高岡直人 著|彩図社
¥1,980(税込)
売上至上主義で管理だけを強化すると、かえって御用聞き営業が増えてしまう——この現象を出発点に、顧客に寄り添うようで自社の価値を何も伝えられていない状態をどう変えるかを説く一冊。営業は個人の才能ではなく、再現性のある営業モデルで成果を出せるとし、担当者一人ひとりが売る人から解決する人へ変わるチーム独自の型づくりを扱います。精神論や気合いを排した組織論が軸です。
こんな人におすすめ
トップ営業の背中を追うだけで終わっているチーム、営業モデルを言語化したい管理職、そして価値が伝わらないまま値引きしている現場。
良い点
- 御用聞き化の原因を言語化
- チームの型づくりに焦点
- 現場の言い分に寄り添う
気になる点
- 具体的な施策は抽象的
- 商談テクは扱わない
- 事例の分量は控えめ
出版社
彩図社
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『属人営業を終わらせる』……これ、トップ営業の人が読んだら、ちょっと複雑な気持ちになりそうですね。
佐藤メバル
面白いところに気づいたね。この本は、売上至上主義で管理だけを強化すると、かえって御用聞き営業が増えてしまう、という現象から始まるんだ。
顧客に寄り添っているようで、実は自社の価値を何も伝えられていない状態のことだね。
橘ナナミ
ああ、それ、居心地はいいけど、たぶん自社の価値は何も伝わっていないやつです……。
佐藤メバル
そう、そこを放置すると継続的な成長は望めない。営業は個人の才能ではなく再現性のあるモデルで成果を出せる、という立場で、売る人から解決する人へ変わるチーム独自の型づくりを説いている。精神論を排した組織論だよ。

売れる組織に変える! BtoB営業の仕組み化戦略
稲葉智宏 著|つた書房
¥1,870(税込)
訪問営業だけでは戦えない時代に、BtoBの営業をオンライン化して商談数を増やす手順を、準備・組織づくり・Webマーケティング・システム活用・運用の各章で解説する一冊。ターゲット顧客の定義、営業プロセスの可視化、脱エクセルとCRM、MAやSFAの役割、KPI設定と改善まで、いまいる人材で始められる順番で並べているのが特徴です。
こんな人におすすめ
人材不足に悩む中小企業の経営者、営業のオンライン化を任された担当者、そしてWebマーケと営業をつなぎたいBtoB企業の企画担当。
良い点
- 中小企業の前提で書かれている
- オンライン化の手順が順序立つ
- ツール選びの観点がある
気になる点
- 大企業には物足りない
- Web集客の深掘りは控えめ
- 運用の実例は少なめ
出版社
つた書房
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
BtoB営業の仕組み化……しかもオンライン化、ですか。訪問営業はもう古い、と断言していますね。
佐藤メバル
中小企業に向けて書かれているのが特徴でね。足で稼ぐだけではうまくいかない時代に、いまいる人材で営業をオンライン化する順番を示してくれる。
商材の理解、ターゲットの定義、プロセスの可視化という準備から始まる。
橘ナナミ
準備の章から始まるのは親切ですね。勢いでツールだけ入れちゃいそうになるので。
佐藤メバル
それだと失敗するからね。脱エクセルとCRM、MAやSFAの役割、KPIの設定と改善まで、順序立てて書いてある。
人材不足に悩む中小企業の経営者や、オンライン化を任された担当者にちょうどいい一冊だよ。

営業実行学 やりきる組織は、設計できる
中内崇人 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
DXもAIも研修も、施策が形骸化して組織の資産にならない——成功と失敗の差を「定着負荷<組織実行力」という不等式で説明し、その両辺をどう動かすかを体系化した一冊。イネーブルメント仮説の発見、スモールウィンの拡大、仕組みによる軽量化、動機づけ、実行リズムの構築という5つの原則を、200社以上の支援実例とともに解説します。精神論に頼らず組織としてやりきる設計に振り切っています。
こんな人におすすめ
施策が定着せず悩む営業企画、変革の推進役を任された管理職、そしてAI導入を形骸化させたくない経営層。イネーブルメント部門の検討中の人にも。
良い点
- 定着の失敗を構造で説明
- 5つの原則が実務的
- AIとの協働まで踏み込む
気になる点
- 前提知識が要る箇所がある
- 個人の営業術は扱わない
- 実例は要点のみ
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「定着負荷<組織実行力」……不等式で説明できるって、珍しいですね。DXもAIも形骸化するって、身につまされます。
佐藤メバル
成功と失敗の差を、この不等式で構造化しているんだ。左辺の定着負荷を下げ、右辺の組織実行力を上げる。そのための5つの原則を、200社以上の支援実例と一緒に解説している。
精神論に頼らず、組織としてやりきる設計に振り切っている。
橘ナナミ
施策が続かないのは、やる気の問題じゃなくて設計の問題かもしれないんですね。
佐藤メバル
そう、そこを個人の責任にしないのがこの本の誠実さだよ。イネーブルメント部門の立ち上げ方や、暗黙知を構造化してAIと協働する話まで踏み込む。
営業企画やマネージャーが視座を変えるきっかけになるよ。

NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則
麻野耕司 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
新しい時代の営業の教科書として、古くさい営業メソッドから脱却し、営業担当者・チーム・組織すべての成果を引き上げる7つの原則を提示する一冊。生産性と効率性を高める視点から、営業という仕事の概念そのものを組み替えていきます。概念の更新から入るタイプの本で、個別テクニックを足す前にチームの前提を揃えたいときに効きます。
こんな人におすすめ
営業チームの前提を揃え直したいリーダー、新しい手法を試したい中堅、そして営業の定義から見直したい経営層。研修の導入前に読む一冊としても。
良い点
- 原則ベースで議論しやすい
- チーム単位の視点がある
- コンパクトに読める
気になる点
- 具体手順は少なめ
- 抽象度が高い
- 実務への翻訳が必要
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2022年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『NEW SALES』、7つの原則……Sが7つ、ということですよね。ずいぶん思い切ったタイトルです。
佐藤メバル
古い営業メソッドから脱却しよう、というのがこの本の立ち位置なんだ。営業担当者、営業チーム、営業組織——すべてが成果を生み出すとして、生産性と効率性を高める視点から、営業という仕事の概念そのものを組み替えていく。
橘ナナミ
概念から変えるって、なかなか大胆ですね。具体的なテクニックは載っているんでしょうか?
佐藤メバル
テクニックを足す前に、チームの前提を揃えるための本だと思ったほうがいい。だから研修の導入前に読むと、議論の土台ができる。
コンパクトだから、まずリーダーが読んで現場に渡す、という使い方もできるよ。

AGENT SALES エージェント・セールス AI時代に勝つ 営業の新分業スタイル
猪瀬竜馬 著|扶桑社
¥2,090(税込)
1000社超のBtoB営業組織を見てきた著者が、営業活動を「The 4(人間関係構築能力/プロジェクトマネジメント/トーク/ナレッジ)」の4要素に分解し、どこをAIエージェントに任せ、どこを人間が担うかの境界線を引き直す一冊。顧客の稟議や合意形成を代行する顧客のエージェントになるという発想と、商談解析データに基づく新常識が次々に示されます。最終章では実際のプロンプトも公開。
こんな人におすすめ
ツールが増えて現場が疲弊しているBtoB営業、AI活用の線引きを決めたい管理職、そして自分の営業のどこを任せるかを考えたい個人。
良い点
- 営業を4要素に分解して整理
- データに基づく新常識が豊富
- プロンプトがそのまま使える
気になる点
- AIツールの前提がある
- 業種差への言及は限定的
- 変化が速い領域の内容
出版社
扶桑社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
AIと営業の本が続きますね。『エージェント・セールス』って、AIが営業してくれるということなんでしょうか?
佐藤メバル
半分は当たりでね。日程調整やSFAの入力みたいな作業はAIエージェントに明け渡して、人間は顧客の稟議や合意形成を代行する顧客のエージェントになる。
営業の仕事を4つの要素に分解して、AIと人の境界線を引き直すんだ。
橘ナナミ
顧客のエージェント、か。売り込む相手じゃなくて、顧客の味方になるという発想が面白いです。
佐藤メバル
そこが核心だね。しかも決めかねている顧客に情報を畳みかけると成約率が下がる、といった商談解析データに基づく新常識が次々に出てくる。
最終章では、そのままコピーできるプロンプトも公開されているよ。

The Intelligent Sales AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス
今井晶也 著|翔泳社
¥1,760(税込)
1200社・12000商品で実績を上げた著者の営業ノウハウと、生成AIの活用を掛け合わせ、「インテリジェント・セールス・プロセス」として体系化した一冊。企業分析、リストアップ、ターゲティング、提案資料作成、商談の相談役、フォローメール、買われなかったデータの分析まで、各工程をAIがどう支えるかを具体的に示します。業種や商材を問わず適用できる形にしたのが違いです。
こんな人におすすめ
提案型営業の生産性を上げたい担当者、営業の人手不足に悩む管理職、そしてAI活用の最初の一歩を踏み出したいチーム。リスト作成に時間を取られている人にも。
良い点
- 工程ごとにAI活用を整理
- 1200社の実績が背景
- フォローや分析まで範囲が広い
気になる点
- ツール名や仕様は変わりやすい
- AIの基礎知識が要る
- 自社データ整備が前提
出版社
翔泳社
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
こちらもAIの本ですね。でも『Intelligent Sales』って、さっきのエージェント方式とは少し路線が違うんでしょうか?
佐藤メバル
近いけれど、こちらは営業プロセス全体をAIで再設計する、という視点が強いかな。1200社・12000商品で実績を上げた著者が、企業分析、リストアップ、ターゲティング、提案資料の作成、商談の相談役、フォローメール、買われなかったデータの分析までを一つの流れにしている。
橘ナナミ
買われなかったデータまで分析するんですか。失注って、つい見て見ぬふりしてしまいがちでした。
佐藤メバル
だから改善が回るんだね。営業の各工程をAIがどう支援するかを具体的に示していて、業種や商材を問わず適用できる形にしているのが特徴。
リスト作成に時間を取られている人ほど、最初の一歩になるよ。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
フィリップ・デルヴス・ブロートン 著|プレジデント社
¥1,870(税込)
ハーバード・ビジネス・スクール出身のジャーナリストが世界中を飛び回り、モロッコの土産物屋、日本のセイホのおばちゃん、ニューヨークの現代美術商、テレビ通販のカリスマ、MIT出身の航空機セールスマン、富裕層御用達の不動産営業、シリコンバレーのCEOらに取材した異色の営業読本。頭でっかちのエリートほどセールスを恐れるという指摘から始まり、営業を人生の縮図として描きます。
こんな人におすすめ
営業に苦手意識のあるビジネスパーソン、営業の意味を考え直したい中堅、そして数字以外の営業の価値を言葉にしたい管理職。読み物として営業に触れたい人にも。
良い点
- 世界各地の取材が読み物として面白い
- 売り手の内面に迫る
- ノウハウ本とは一線を画す
気になる点
- 具体的な手法は少ない
- 文化的な背景の差がある
- 即効性は低い
出版社
プレジデント社
発売日
2013年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最後の一冊、タイトルが挑発的ですね。なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか……。
佐藤メバル
ハーバードを出たジャーナリストが世界中を飛び回って取材した読本なんだ。モロッコの土産物屋、日本のセイホのおばちゃん、ニューヨークの現代美術商、テレビ通販のカリスマ、富裕層御用達の不動産営業まで、トップの売り手が赤裸々に語る。
橘ナナミ
セイホのおばちゃん、気になりすぎます。ノウハウ本とは、まったく雰囲気が違いますね。
佐藤メバル
読み物として面白いけれど、芯は深いよ。頭でっかちのエリートほどセールスを本能的に恐れている、という指摘から始まって、ノーと言われても自分を奮い立たせる秘訣まで踏み込む。
営業は人生の縮図だ、という結論に腑に落ちるところがある。
悩みから逆引きする——失注・値引き・新規開拓の処方箋と、向かない読者
橘ナナミ
要約で検索する人って、たぶん今なにか困っているからだと思うんです。「検討します」で止まる、値引きを迫られる、アポが取れない……そういう悩みから引けると嬉しいんですが。
佐藤メバル
いい視点だね。逆引きで並べよう。まず「検討します」で止まる、連絡が途絶える。これは『営業の科学』の「検討しますの仮面」、そして『法人営業 勝ちパターン大全』が真正面から扱うテーマだ。後者は、キーパーソンに会えない、連絡がつながらない、検討が進まない、予算が増えない、という4つの迷路に対して、催促するか待つか以外の打ち手を示してくれる。次に値引き。「とにかく安くの仮面」を外す話は『営業の科学』にあり、『無敗営業』では「価格、高いですね」の裏側で何が起きているかを扱っている。『AGENT SALES』に至っては、顧客が本当に喜ぶのは値引きではなく「稟議書の下書き、書いておきました」の一言だと書いている。新規開拓なら、質問型営業の2冊、『セールス・イズ』、『インサイドセールス』が候補になる。
橘ナナミ
逆に「この人には向かない」という本も教えてほしいです。全部を薦める記事にはしたくなくて。
佐藤メバル
そこは大事だね。『営業の魔法』は物語なので、明日の商談で使う型がほしい人には遠回りになる。『THE MODEL』は、マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスを分けて置ける規模の組織でないと、恩恵は一部に留まる。『エンタープライズセールス』は商談が長期間にわたる大企業向けの話だから、見込み顧客の数が多く短期で決まる商売には噛み合いにくい。『AGENT SALES』と『The Intelligent Sales』は生成AIやツールの活用が前提なので、AI利用が止められている職場では読み物で終わってしまう。『営業改革の教科書』は個人のスキル本ではなく、営業組織を変える立場の人の本だ。ここまで書くのが、アフィリエイト記事との違いだと思っている。
橘ナナミ
業種でいうと、不動産や保険と、ITやSaaSではかなり違いそうです。
佐藤メバル
分けよう。不動産・保険のように高額で対面、かつ感情が動く商材は、質問型営業の2冊や『営業の魔法』、そして『営業の科学』の「購買者の仮面」がよく効く。IT・SaaSのように再現性を重視する世界は『THE MODEL』『インサイドセールス』『エンタープライズセールス』。金融や大企業向けの長期商談は『法人営業 勝ちパターン大全』と『エンタープライズセールス』。出版や商社のように既存顧客との継続が中心の業種は、御用聞き化を防ぐ『属人営業を終わらせる 営業モデルの作り方』が刺さる。製造や有形商材なら、価値から考える『ドリルを売るには穴を売れ』と『セールス・イズ』だね。
OLD SALESからAI時代へ——営業本の流れと「読むべき版」の見極め
橘ナナミ
AI関連の営業本が増えていて、どれが新しいのか分からないんです。流れで整理してもらえますか?
佐藤メバル
点で覚えると混乱するから、流れで見よう。第一段階は、根性や精神論、個人の才覚に寄る古い営業の時代。第二段階が、プロセスと分業で再現性を作る時代で、『THE MODEL』や『インサイドセールス』、『NEW SALES』がここに並ぶ。『NEW SALES』は、古くさい営業メソッドから脱却するための7つの原則を掲げ、営業という仕事の概念そのものを更新しようとする本だ。第三段階が、AIと人間の役割分担を設計する時代。『AGENT SALES』は、すべての営業活動は4つの要素で成り立つという分解から入り、AIに明け渡す作業領域と人間が担う創造領域を分け、そのまま使えるプロンプトまで公開している。『The Intelligent Sales』は、企業分析やリストアップ、ターゲティング、提案資料作成、商談の相談役まで生成AIに担わせる「インテリジェント・セールス・プロセス」を提示する。『営業実行学』も、営業の暗黙知を構造化してAIと協働する実践に踏み込んでいる。ただしAI本は、自分の職場で何が使えるかとセットで初めて機能する。読む前に環境を確認しておくといい。
橘ナナミ
同じ本でも、新版と旧版、原著と翻訳で内容が違うことってありますか?
佐藤メバル
ある。たとえば『仮説起点の営業論』は、もとになった単行本を加筆修正・再編集して新書化したもので、新書版には「AI時代にこそ求められる仮説力」というまえがきが加わっている。同じ書名でも、手に取る版によって入口のメッセージが変わるんだ。『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』は考案者自身によるオリジナル・テキストで、長く読み継がれてきた。『ドリルを売るには穴を売れ』にも新装版がある。海外の原著と日本語訳の違いは、事例の文化的な前提に出ることが多いから、実務に落とすなら日本語版で語られている事例のほうが使いやすい、というのが現場感覚だね。買う前に版と、電子か紙かを確認する。要約記事ではなかなか書かれない部分だよ。
読む順番ロードマップと、積読させない実践ワーク
橘ナナミ
結局、何冊くらいのペースで読めばいいんですか? 私はいつも積読にしてしまうタイプで……。
佐藤メバル
まず冊数を減らすこと。順番はこうだ。1冊目で営業という仕事の体温を持つ——『営業の魔法』か『営業は台本が9割』。2冊目で自分の弱点の工程を1つだけ選ぶ——ヒアリングなら『営業の「聴く技術」』、提案なら『仮説起点の営業論』か『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』、クロージングなら『営業は台本が9割』。3冊目で視点を上げる——『営業の科学』か『無敗営業』。組織を動かす立場なら、ここで初めて『営業改革の教科書』『営業実行学』『属人営業を終わらせる 営業モデルの作り方』へ進む。
橘ナナミ
読んで終わりにしないコツも知りたいです。
佐藤メバル
読後ワークを先に決めておくんだ。たとえば『無敗営業』なら、次の商談で「接戦状況を問う質問」「決定の場面を問う質問」「裏にある背景を問う質問」のうち1つだけ使う、と決めてから読み始める。『営業の科学』なら、直近の失注を1件思い出して、5つの仮面のどれだったかを書き出す。『営業は台本が9割』なら、自分の商談を1本ぶん台本に書き起こす。1冊につき実践は1つでいい。読書ノートを作るより、商談メモに1行残すほうが、はるかに身につくよ。
橘ナナミ
なるほど……! 要約を読んで満足してしまうのが、いちばんもったいないんですね。
佐藤メバル
そう。要約を読んで「分かったつもり」になるのが、いちばん高くつく。今日挙げた本のうち1冊だけ選んで、明日の商談で1つ試す。それができたら、次の1冊に進もう。
よくある質問
営業1年目の新人がまず読むべき1冊は?
橘ナナミ
営業1年目の新人がまず読むべき1冊はについて教えてください。
佐藤メバル
目的で変わります。営業という仕事の体温を先に知りたいなら、売上ゼロの新人が喫茶店で出会ったスーパー営業マンから十一の魔法を学ぶ『営業の魔法』。明日の商談で使える型がほしいなら、購買心理に基づく商談の脚本設計を説く『営業は台本が9割』です。両方を同時に読む必要はありません。1冊を選び、次の1回の商談で1つだけ試すところから始めるのが現実的です。
営業初心者におすすめの読みやすい漫画・物語形式の本はある?
橘ナナミ
営業初心者におすすめの読みやすい漫画・物語形式の本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
漫画形式のものは当記事で扱っていませんが、物語として読める本なら『営業の魔法』が代表的です。新人・小笠原が紙谷から早朝六時のレクチャーを受けて成長していく筋立てで、技術の説明が物語の流れに乗って入ってきます。もう一冊、『ドリルを売るには穴を売れ』は、解説と並行して閉店寸前のレストランを復活させるサブストーリーが展開し、マーケティング理論を物語の推進力で読ませます。
テレアポや飛び込みなど新規開拓が苦手な人に向く本は?
橘ナナミ
テレアポや飛び込みなど新規開拓が苦手な人に向く本はについて教えてください。
佐藤メバル
非対面・非訪問の設計から入るなら『インサイドセールス』が、テレアポとの違いやチームの立ち上げ、KPI、オンライン商談テクニックまで扱っています。訪問型のまま新規開拓を立て直したいなら、青木毅さんの質問型営業の2冊——『なぜ、「質問」だけで売れるのか?』と『3万5000人を指導してわかった 質問型営業でトップセールスになる絶対法則』——が、見込み客の見極めやアプローチの場面別に整理されていて実践しやすいです。
値引きを求められない営業になりたいときに読む本は?
橘ナナミ
値引きを求められない営業になりたいときに読む本はについて教えてください。
佐藤メバル
『営業の科学』は「とにかく安くの仮面」を外すには判断基準を作りにいくべきだと説きます。『無敗営業』は「価格、高いですね」の裏側で何が起きているかを扱い、価格以外の選ばれる理由を組み立てる考え方を示します。『AGENT SALES』は、顧客が本当に喜ぶのは値引きではなく「稟議書の下書き、書いておきました」の一言だと述べています。
営業マネージャー・部長になったら読むべき本は?
橘ナナミ
営業マネージャー・部長になったら読むべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
個人の成果ではなく組織の再現性を作る本に切り替えるタイミングです。現場で実践され続けてきた施策を「王道施策15選」として整理した『営業改革の教科書』、施策が形骸化する理由を「定着負荷<組織実行力」という不等式で解いた『営業実行学』、売上至上主義の管理が御用聞き営業を増やすと指摘する『属人営業を終わらせる 営業モデルの作り方』。大企業向けの組織づくりなら『エンタープライズセールス』、非対面部隊の立ち上げなら『インサイドセールス』が候補です。
BtoBとBtoCでおすすめの営業本はどう違う?
橘ナナミ
BtoBとBtoCでおすすめの営業本はどう違うについて教えてください。
佐藤メバル
BtoC寄りなら、商品ではなく顧客にとっての価値から考える『ドリルを売るには穴を売れ』が土台になります。BtoBの無形商材を組織で売るなら『THE MODEL』で、マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセスを押さえる。さらに商談が長期間にわたる大企業相手なら、顧客理解・関係構築・信頼の醸成・成功と展開という因数分解を示す『エンタープライズセールス』が適合します。
オンライン商談やAI時代に対応した新しい営業本は?
橘ナナミ
オンライン商談やAI時代に対応した新しい営業本はについて教えてください。
佐藤メバル
流れで捉えると分かりやすいです。古い営業メソッドからの脱却を7つの原則で示す『NEW SALES』、営業活動を4つの要素に分解してAIと人間の役割分担を設計する『AGENT SALES』、生成AIに分析や資料作成まで担わせる『The Intelligent Sales』、暗黙知を構造化してAIと協働する『営業実行学』。オンライン商談の技術そのものは『インサイドセールス』『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』で補えます。
営業本を読んでも実践できない・積読になるのを防ぐには?
橘ナナミ
営業本を読んでも実践できない・積読になるのを防ぐにはについて教えてください。
佐藤メバル
読む前に課題を1文で書き、読後ワークを先に決めておくことです。たとえば『無敗営業』なら次の商談で3つの質問のうち1つだけ使う、『営業の科学』なら直近の失注を1件思い出して5つの仮面のどれだったかを書き出す、といった具合です。1冊につき実践は1つに絞り、商談メモに1行残す。読書ノートを整えるより、そのほうが身につきます。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さん、今日の話でいちばん印象に残ったのは、「順位より、自分の課題を1文で書く」というところでした。要約記事を読む前に、まずそれなんですね。
佐藤メバル
そう。順位は誰かにとっての正解でしかない。『営業の魔法』が効く人と、『営業の科学』が必要な人は、同じ「営業本を探している」ように見えて、まったく別の場所に立っている。だから僕は、断定的な順位づけより、その人の状況に合った一冊を示すことを大事にしている。
橘ナナミ
私も、もし営業の仕事に就くとしたら——まず何を書けばいいんでしょう。
佐藤メバル
「自分は誰に、何を、どの場面で売っていて、今どこでつまずいているか」。これだけでいい。そこに「新人だから」「BtoBだから」「テレアポだから」を足せば、棚は自然に絞られていく。書店員時代、この1文を書いてから来るお客さんには、たいてい1冊で足りた。逆に「おすすめを全部」と言われた日は、何冊も買って、どれも読まれなかった。
橘ナナミ
あ……なんだか身につまされます。私、本を買うこと自体が目的になっていた時期がありました。
佐藤メバル
それでいいんだよ、誰でも通る道だ。ただ、営業の本の要約は、行き先を入れずに使うカーナビに似ている。どんなに精度の高いルートでも、目的地が空欄なら、永遠に再検索を繰り返すだけになる。まず1文、それから1冊。それができたら、また次の棚の前に立とう。
