営業の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、「営業 本 amazon おすすめ」で検索したら、ランキング記事が山ほど出てきて……正直、どれを読めばいいのか分からなくなっちゃいました。
佐藤メバル
いい質問だね。営業本は、書店員時代に棚を作っていても思ったけれど、「誰が読むか」で正解がまるで変わるジャンルなんだ。1年目が読むべき本と、チームを持つ人が読むべき本は、同じ「営業本」でも中身が別物だよ。
橘ナナミ
なるほど……。でも、ランキングの上位に並んでいる本は、やっぱり読んでおいたほうがいいんですか?
佐藤メバル
上位に入るのには理由がある。たとえば『営業の魔法』は、売れない新人が喫茶店で出会ったスーパー営業マンから1か月半の実践レクチャーを受ける物語で、読み物として一気に読める。『営業の科学』は、営業1万人とお客様1万人、合わせて2万人の調査をもとに書かれている。役割がまったく違うんだ。
橘ナナミ
物語で入るか、データで入るか……入口から違うんですね。じゃあ、どう選べばいいんでしょう。
佐藤メバル
そこをこれから一緒に整理しよう。軸は大きく6つある。
営業の本の選び方
強化したい営業フェーズで選ぶ
橘ナナミ
フェーズって、新規開拓とかクロージングとか、そういうことですよね。
佐藤メバル
そう。いま自分が詰まっているのはどこか、から考えるんだ。新規のアポが取れないなら、6万5026時間の通話を録音・解析して作られたという『営業・即アポ』のような、アポ取りに特化した本が効く。初回で本音が出てこないなら『営業の科学』が扱う「購買者の仮面」の章が刺さる。全体を薄く読むより、いまの1工程に効く1冊のほうが、翌日の動きが変わるよ。
経験年数と役割で難易度を合わせる
橘ナナミ
新人とマネージャーで、選ぶ本は変えたほうがいいですか?
佐藤メバル
変えたほうがいい。1年目なら『法人営業のすべてがわかる本』のように、アポ取りからヒアリング、提案、クロージング、顧客管理までをイラスト付きで一通り示してくれる本が安心する。逆にチームを持つ立場なら、『インサイドセールス』のように立ち上げ、採用、KPI、チームマネジメント、他部門連携まで扱う本が要る。同じ法人営業の本でも、担当者向けと組織向けで求められる解像度が違うんだ。
商材と顧客に合う事例で選ぶ
橘ナナミ
BtoBとBtoCでも違いますか?
佐藤メバル
違う。法人の稟議を通す商談なら、『法人営業 勝ちパターン大全』が扱う「5段階の購買プロセス」と「6種類の関係者」という見取り図が役に立つ。一方で、目の前のお客様一人の納得を取る商売なら、『文脈営業』のように、まだ言葉になっていない思いを読み取る話が効く。自分の商談に何人出てくるか、決まるまで何回会うかを思い浮かべて、近い事例の本を選ぶといい。
得たいスキルをひとつに絞る
橘ナナミ
欲張って何冊も読むと、逆に頭がごちゃごちゃになりそうで……。
佐藤メバル
それ、よくある失敗だよ。トークを変えたいなら『なぜ、「質問」だけで売れるのか?』や『営業は台本が9割』。心理の土台から知りたいなら『サイコロジーセールス最強の営業心理学』。データとロジックなら『セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術』だね。まず1つに絞って、その1冊を商談で使う。これが最短だよ。
読書形式と可処分時間で選ぶ
橘ナナミ
通勤中しか読む時間がなくて……。
佐藤メバル
なら形式から選ぶのも手だね。小説仕立ての『営業の魔法』は話を追うだけで読み進むし、図解の多い本は電車でも開きやすい。耳で聴くなら、音だけで入る構成の本が向いている。「読める形式かどうか」を最初に確認する。積んで終わるくらいなら、短い1冊を最後まで読むほうが価値があるからね。
発行年と根拠で鮮度と再現性を確認する
橘ナナミ
古い本って、避けたほうがいいんでしょうか。
佐藤メバル
一概には言えない。『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』は、12年をかけて3万5000件のセールスを実地調査した結果をまとめた本で、20年以上読み継がれている。調査の規模と方法が明記されている本は、年数が経っても土台として信頼できる。逆に、ツールの操作や特定サービスの前提が中心の本は、いまの自分の環境とズレていないかを確かめてから読むといい。
営業の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
営業の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

営業の魔法
中村信仁 著|ビーコミュニケーションズ
¥1,650(税込)
売上げゼロの新入社員・小笠原が、伏魔殿のような喫茶店で出会ったスーパー営業マン紙谷から、早朝6時のレクチャーを一ヶ月半受ける物語。紙谷は二冊のバインダーを巧みに操り、瞬く間にお客様をイエスへ導く。11の魔法を伝授された小笠原はトップ営業マンへ成長するが、12個目を残して紙谷は忽然と消える。ハウツー本が苦手でも営業の姿勢が残る、200ページのサクセスストーリー。
こんな人におすすめ
営業に配属されたばかりの新人、売れずに自信を失っている人、ハウツー本の文体がどうも頭に入らない読者。通勤の往復で小説のように読み進めたい人、数字が出ない後輩に一冊渡したい先輩にも向く。読み終えたら紙谷の言葉を自分の現場に置き換えてみたくなる。
良い点
- 物語形式で営業の流れが追える
- 200ページで読み切れる分量
- 11の魔法が行動として残る
気になる点
- 数字の根拠は物語ベース
- 体系的な手順書ではない
- 12個目は読者が考える形
出版社
ビーコミュニケーションズ
発売日
2007年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、この『営業の魔法』って、タイトルからして怪しいですよね。魔法って……営業に魔法なんてあるんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。ここでいう魔法は、紙谷さんが実際にやっている行動のことなんだ。新入社員の小笠原が喫茶店で出会い、早朝6時からのレクチャーを一ヶ月半受ける。
二冊のバインダーを操る商談を目の当たりにして、彼は変わっていく。ノウハウを物語の流れで追えるから、新人でも読みやすいんだよ。
橘ナナミ
なるほど、バインダーってところが妙にリアルですね。でも12個目の魔法を伝えずに紙谷さんが消えちゃうのは、もやもやしませんか?
佐藤メバル
そこがこの本の面白さでね。11個は具体的に渡されるけれど、最後の一つは読者に委ねられている。書店員時代、若手に薦めて「最後が刺さった」と言われたのを覚えているよ。
ダメ営業マンの成長とトップ営業マンへの道程を、最後まで味わえる一冊だね。

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
高橋浩一 著|かんき出版
¥15(税込)
営業1万人・お客様1万人、合計2万人の調査と4万人の営業支援から「成果が出るメカニズム」を体系化した一冊。キーワードはガンバリズムの罠と「購買者の仮面」。はぐらかし、忙しさ、いきなり、とにかく安く、検討します——仮面ごとに外し方を章立てで示す。個人の成功談ではないので、努力が空回りしている人ほど刺さる。432ページだが目次から必要な章を拾える。
こんな人におすすめ
がむしゃらに動いているのに受注が伸びない営業、根拠のない指導に悩むマネージャー、若手育成に悩むチームリーダー。データで納得したいタイプの人、営業研修の教材を探している担当者にも向く。辞書的に必要な章から読める構成もうれしい。
良い点
- 2万人調査という規模の裏づけ
- 仮面ごとに章が整理されている
- 明日使う前提で書かれている
気になる点
- 432ページと読み応えが重い
- 物語的な読み物ではない
- 業界によって事例の距離がある
出版社
かんき出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
2万人に聞いたって、どうやってそんなに……。でも、データが多くても現場の自分に当てはまるのか不安です。
佐藤メバル
そこがこの本の誠実さでね。結論だけを並べず、2万人以上に尋ねたデータの中から重要なものを抜粋して解説している。
お客様の「検討します」という表面的なセリフの裏にある本音を、仮面という言い方で整理しているんだ。
橘ナナミ
仮面って、外す順番みたいなものがあるんですか? 闇雲に質問すればいいわけじゃないですよね。
佐藤メバル
まさにそこが急所で、はぐらかしの仮面なら質問の引き出しを増やす、忙しさの仮面なら価値の根拠を示す、と章ごとに武器が変わる。
ガンバリズムの罠にハマらず、お客様が自ら本音を出したくなる提案を組み立てる。努力の効率が変わる一冊だよ。

セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術
今井晶也 著|扶桑社
¥1,760(税込)
セレブリックスが23年で積み重ねた営業データから、トップセールス共通の売れるマインド、アポ獲得の方法、営業プロセスを7分割して否定材料をなくす方法などをまとめた一冊。顧客向けに1冊50万円で提供してきたノウハウを一般読者向けに噛み砕いたと明言されている点が特徴。勘や偶然、根性ではなく理論で売る姿勢が貫かれ、新人からベテランまで使える営業版・虎の巻として構成されている。
こんな人におすすめ
アポは取れるのに商談が進まない人、自分の営業を感覚から仕組みに変えたい中堅、営業チームの標準化を進めたいリーダー。フレームワークで整理してから動きたい人、新人研修の副読本を探している人にも向く。属人化を減らしたい現場に向く一冊。
良い点
- アポ獲得と商談が分けて語られる
- 新人にもベテランにも届く粒度
- プロセス7分割という具体策
気になる点
- 自社メソッドの色が濃い
- 業種差は自分で補う必要
- 基礎を知る人には復習になる
出版社
扶桑社
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1冊50万円って、そのまま本にしちゃっていいんですかね……? 中身が難しいだけだったらどうしよう。
佐藤メバル
そこは出版社と著者の判断だろうね。ただ、顧客向けの資料をそのまま載せたのではなく、一般読者向けにさらにわかりやすく噛み砕いて解説していると書かれている。
読み物として成立させているのがポイントだよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ「成果をコントロールする」って、気合いじゃなくて手順の話なんですね。
佐藤メバル
そう。アポを獲得するところと、商談で差を生むテクニックが分けて語られている。プロセスを7分割して否定材料を逐一なくしていく考え方は、商談が長引く業種ほど効く。
新人からベテランまで役立つ虎の巻として使えるよ。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
フィリップ・デルヴス・ブロートン 著|プレジデント社
¥1,870(税込)
ウォール・ストリート・ジャーナル・ベストセラーになった異色の営業読本。ハーバード・ビジネス・スクール出身のジャーナリストが世界中を飛び回り、モロッコの土産物屋、日本のセイホのおばちゃん、ニューヨークの現代美術商、テレビ通販のカリスマ、富裕層御用達の不動産営業、シリコンバレーのベンチャーCEOらに取材する。ノウハウではなく取材で営業の真実に迫る構成で、型を覚える本とは読み味がまったく違う。
こんな人におすすめ
営業のハウツー本を何冊読んでも腹に落ちなかった人、営業という仕事の意味を考えたい中堅や管理職、海外の商習慣に触れたい読者。寝る前の読書で読み物として味わいたい人に向く。取材記としても読めるので、小説の合間に挟むのもいい。
良い点
- 世界の実例が読み物として面白い
- 営業の意味を問い直せる
- ノウハウ本に飽きた人に新鮮
気になる点
- すぐ使える手順は少ない
- 事例が海外中心で距離を感じる
- 結論は読者が自分で掴む形
出版社
プレジデント社
発売日
2013年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ハーバードで営業を教えないって、それって営業が学問じゃないってことなんですか? ちょっとショックです。
佐藤メバル
著者は、頭でっかちのエリートほどセールスの世界を本能的に恐れていると書いている。逆に世界中の営業のエキスパートに会いに行き、ノーと言われても自分を奮い立たせる秘訣を聞き出しているんだ。
数字を追う本ではなく、人を追う本だね。
橘ナナミ
セイホのおばちゃんまで出てくるんですね。そういう人たちが、仕事で譲れないことまで話してくれるんですか。
佐藤メバル
そこが読みどころでね。頂点をきわめた人たちが赤裸々に語るから、読み終わったときに営業は人生の縮図だと腑に落ちる。
世界を動かしているのはセールスだという視点が残る。営業の現場から少し離れて立ち止まりたいときに、ちょうどいい一冊だよ。

ドリルを売るには穴を売れ
佐藤義典 著|青春出版社
¥1,815(税込)
12万部突破のロングセラーの新装版。タイトルのとおり、商品そのものではなく顧客にとっての価値から考えるマーケティング入門。ベネフィットから始まり、誰に売るかのセグメンテーションとターゲット、競合より高い価値を出す差別化、価値を届ける4Pへと流れる。並行して閉店寸前のレストランを新人が復活させるサブストーリーが進み、理論と実践が往復する構成になっている。
こんな人におすすめ
営業とマーケティングの橋渡しをしたい若手、提案の切り口が単調になってきた人、自分の商品の売り方をゼロから考え直したい個人事業主。新人研修の一冊目としても読みやすい。理論を実戦でどう使うかまで見えるので、独学の入口にも向く。
良い点
- 理論と物語が交互に進む
- 4Pまで一気に繋がる構成
- 12万部の定番で外れにくい
気になる点
- 価格がやや高めの新装版
- 実践の深掘りは別途必要
- 在庫状況で版が異なる場合
出版社
青春出版社
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ドリルを売るには穴を売れ、って有名な言葉ですけど、実際どういう意味なんですか? ドリルが欲しいならドリルを売ればいい気もします。
佐藤メバル
ドリルが欲しい人は、穴が欲しいんだよ。つまり商品そのものではなく、その商品で顧客が手に入れる価値から考え始めなさい、という意味。
この本はそこを出発点に、ターゲティング、差別化、4Pという流れで組み立てている。頭と感情の両方で入ってくるんだ。
橘ナナミ
レストランが復活する物語が並走するんですね。理論だけだと眠くなりそうなので、それは助かります。
佐藤メバル
そう、そこがこの本のうまさでね。閉店寸前の店を新人が立て直す過程で、ベネフィットや差別化が実際にどう効くのかが見える。
だから読者は、自分の商売に置き換えながら読める。営業の人がマーケティングの言葉を身につける入口としても使いやすいよ。

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
ニール・ラッカム 著|海と月社
¥1,980(税込)
著者ニール・ラッカムが12年をかけ35000件のセールスを実地調査し、「1回で決まる小型商談と、複数回を重ねる大型商談では効果的な方法が違う」ことを世界で初めて示した原典。状況質問、問題質問、示唆質問、解決質問のSPINを使い、買い手自身に必要性を語らせる。マイクロソフトやIBM、GEなどが採用し、20年以上読み継がれる。考案者自身によるテキストという点が決定的に違う。
こんな人におすすめ
金額と関係者が多く、何度も商談を重ねるBtoB営業、稟議が絡む提案を担当する人、若手に質問の型を教えたいマネージャー。商談前に読み返す辞書として使いたい人に向く。不況下でセールスを見直したい人にも手に取ってほしい。
良い点
- 35000件の実地調査が根拠
- 4種類の質問が明確に定義
- 考案者本人によるオリジナル解説
気になる点
- 小型商談には過剰な設計
- 事例が海外中心で古さもある
- 実践には訓練時間が必要
出版社
海と月社
発売日
2009年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
SPINって、4つの質問を使い分けるだけなんですか? 名前を覚えるのは大変そうですけど、理屈はシンプルに見えます。
佐藤メバル
型はシンプルなんだけど、順番と使いどころが肝なんだ。状況を聞き、問題を聞き、その問題が放置されるとどうなるかを示唆し、最後に解決の価値を相手の言葉で語ってもらう。
買い手に語らせるのがポイントで、こちらが説明しすぎると効かないんだよ。
橘ナナミ
なるほど。自分が話すんじゃなくて、相手に気づいてもらうんですね。大型商談だけ効果が違うっていうのも面白いです。
佐藤メバル
そう、そこを12年かけて35000件で検証したのがこの本の強みでね。一度で決まる商談と、何度も重ねる商談は別物だと明確にした。
マイクロソフトやIBM、ゼロックスなどが採用して、20年以上読み継がれている。大型案件を担当するなら外せない一冊だよ。

なぜ、「質問」だけで売れるのか?: 気づけば成約に至っている「質問型営業」入門
青木毅 著|日本実業出版社
¥1,760(税込)
専門アドバイザーとして絶大な信頼を得て売る「質問型営業」の最新ノウハウを、講義形式で教える入門書。著者の青木毅はこの分野の第一人者で、講義形式という構成のおかげで、独学でも要点をつかみやすい。理論だけでなく、実際の営業の場面を追いながら質問の使い方を学べる。質問型の全体像を短時間で把握したいときの入口として使いやすい256ページ。
こんな人におすすめ
質問型営業という言葉を聞いて気になっている初心者、話し上手な同僚に劣等感がある人、売り込みが苦手で会話中心の営業に切り替えたい人。通読してから実践に移したい人に向く。まず全体像を知ってから型を選びたい人にもちょうどいい。
良い点
- 講義形式で読み進めやすい
- 質問型の全体像が掴める
- 256ページで負担が少ない
気になる点
- 内容紹介は簡潔で情報量は控えめ
- フレーズ集は別の一冊
- 実践の反復は自分で必要
出版社
日本実業出版社
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「質問だけで売れる」って、さすがに言い過ぎじゃないですか? 何か聞いてるだけで買ってくれる気がしないんですけど。
佐藤メバル
そこは誤解されやすいところだね。質問するのは、相手の課題を相手自身の言葉で出してもらうためなんだ。押し込むより、気づいてもらう方が強い場面がある。
この本は講義形式で、その流れを一歩ずつ追えるようになっている。入門としての間口が広いよ。
橘ナナミ
講義形式なら、先生の話を聞いている感覚で読めそうですね。専門アドバイザーとして信頼を得る、というのも気になります。
佐藤メバル
そこが質問型の狙いでね。売り込む立場ではなく、頼られる専門アドバイザーとして関係を作る。だから押しが弱い人ほど伸びしろがあるんだ。
まずこの一冊で全体像を掴んでから、場面ごとのフレーズ集に進むと迷わないよ。

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
福田康隆 著|翔泳社
¥1,980(税込)
「営業が顧客に初めて接触するとき、すでに商談プロセスの半分以上は終わっている」という前提から、マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの分業を共業へ変える設計を説く。日米のオラクル、セールスフォース・ドットコムでSaaSの急成長に立ち合った著者が、SFAやMAの運用、商談ステージの移行判定基準、フォーキャストまで具体的に解説する。理論とプレイブックの両面を持つ。
こんな人におすすめ
BtoBの商談プロセスを設計する立場にある管理職、SFAやMAを導入したのに使いこなせていない担当者、インサイドセールスの新設を検討する経営者。組織で読むのに向く。部門をまたいだ会議の共通言語が欲しいチームにもいい。
良い点
- 部門をまたぐ全体像が掴める
- 移行判定基準まで踏み込む
- 著者の実務経験が土台
気になる点
- 個人の営業には射程が広すぎる
- 前提となるツール環境が必要
- SaaS以外は読み替えが要る
出版社
翔泳社
発売日
2019年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マーケティングも営業もカスタマーサクセスも、同じ本に入れちゃうんですか? それぞれ別の仕事だと思ってました。
佐藤メバル
そこを分業で終わらせず、共業にしようというのがこの本の主張なんだ。情報発信やビジネスの主導権が企業から消費者に移って、顧客が先に調べる時代になった。
だから接触する時点で半分以上進んでいる。プロセスを俯瞰してから自分の部署を置き直すと読みやすいよ。
橘ナナミ
半分以上終わってる、ってけっこう衝撃ですね。じゃあ営業は何をするんでしょう。
佐藤メバル
だからこそ、4つの部門が同じ地図を持つ必要がある。この本はSFAやMAの運用の基本から、マネジメント層が見るべき指標、営業の心理、部門間の調整、高精度なフォーキャストまでを扱っている。
理論と実践のプレイブックとして、導入前と導入後の両方で使えるよ。

法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く
高橋浩一 著|翔泳社
¥2,420(税込)
2万4000人への調査から「失注の裏側で実際に起きていたこと」を掘り起こす一冊。キーパーソンに会えない、連絡がつながらない、検討が進まない、予算が増えないという4つの迷路に対し、催促するか待つか以外の打ち手を示す。前半の守りの戦略で購買プロセス5段階と関係者6種類を押さえ、後半の攻めの戦略でターゲティングやエキスパート戦略を展開する構成が特徴。
こんな人におすすめ
「検討します」で止まった案件を抱えている法人営業、決裁者が見えないまま提案が流れる経験が多い人、営業の常識を一度疑ってみたい中堅。失注理由を振り返る場面に向く。若手に商談の地図を渡したいマネージャーにも役立つ。
良い点
- 失注の実態から逆算する構成
- 購買プロセスと関係者が整理
- 打ち手が具体的に並ぶ
気になる点
- 320ページで情報量が多い
- 法人営業以外には遠い
- 自社商材に合わせた調整が必要
出版社
翔泳社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「決裁者を押さえればOK」って、私も普通に正しいと思ってました。それが覆るんですか?
佐藤メバル
この本は、そうした常識をデータで疑い直すところから始まる。関係者は決裁者だけじゃないし、訪問回数を重ねれば関係が深まるわけでもない。
2万4000人への調査をもとに、どの段階で何が起きているかを可視化して、打ち手を選べるようにしているんだ。
橘ナナミ
「予算がない」と言われてすぐ値引きを考えちゃうのも、同じ話ですか?
佐藤メバル
そう、すぐ値引きにいくのが正解とは言えないと書かれている。連絡が途絶えたときに催促か待つかの二択にしないこと、検討が止まっているときに闇雲に動かないこと。
この分野の著者は累計23万部の経験があり、迷路からの脱出を体系的に示しているよ。

できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣
伊庭正康 著|PHP研究所
¥1,550(税込)
「これしかやらない」シリーズの一冊で、ウィズコロナ・AI時代の勝ち筋まで扱う。著者は極度の人見知りからリクルートの営業でプレイヤーとマネージャーの両部門で年間全国トップ表彰を4回受けた経験を持ち、足ではなく頭で稼ぐを徹底して定時帰りを続けた人。AIを導入する企業ほど営業人員を増やしているという主張も含め、必要とされる営業と淘汰される営業の分かれ目を示す。
こんな人におすすめ
長時間働いているのに数字が伸びない営業、AIに仕事を奪われるのではと不安な人、残業せずに目標達成したいチームのマネージャー。働き方を見直すきっかけが欲しい人に向く。人見知りで営業が不安な若手にも勇気を与えてくれる。
良い点
- やらないことを決める視点
- 著者の実績が土台にある
- 時代の変化まで踏み込む
気になる点
- 人見知り前提の話が中心
- 業界による差は自分で補う
- シリーズ他書と重なる部分
出版社
PHP研究所
発売日
2021年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「これしかやらない」って、反対にこれだけはやれってことですよね。何を削るかの話なんですか?
佐藤メバル
そう、引き算の本なんだ。著者はリクルートの営業で表彰を何度も取りながら、ほぼ毎日定時で帰っていた人でね。
限られた時間の中で何を残すかを決める。AI時代に営業がなくなるかという問いにも、導入企業ほど人員を増やしているという現場感覚で答えているよ。
橘ナナミ
研修講師として独立してからも、そのノウハウを一般化しているんですね。人見知りだった人がトップって、少し救われます。
佐藤メバル
そこが読んでいて力になる部分でね。短時間で成果を出し、お客様にも感謝される、今の時代に合った営業のやり方を指南している。
がんばっているのに数字につながっていない人に、まず読んでほしい一冊だよ。

サイコロジーセールス最強の営業心理学
大谷侑暉 著|フォレスト出版
¥1,760(税込)
セールスコンサルタントでありセールスYouTuberでもある著者が、成約率を上げる方法を心理の側面から書いた一冊。営業がうまくいかない人の多くはフォーカスが自分ばかりにあたっていると指摘し、顧客が潜在的に何を考え、何に問題を感じているかに目を向けさせる。ラポール獲得、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージングという流れに沿って36の心理法則と技術を紹介する構成。
こんな人におすすめ
雑談やヒアリングが苦手で会話が続かない人、プレゼンの反応が薄いと感じている営業、若手の心理面を伸ばしたいマネージャー。自分の関心の向きを見直したい人に向く。認知バイアスまで学びたい人にも読み応えがある。
良い点
- プロセス順に心理法則を配置
- 36個で引き出しが増える
- 認知バイアスまで扱う
気になる点
- 法則の暗記は自分次第
- 語り口が合う人と合わない人
- 実践の記録は別途必要
出版社
フォレスト出版
発売日
2023年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
36個の心理法則って、覚えられないですよ……。全部やらないと効果は出ないんでしょうか。
佐藤メバル
全部を一気に、ではなく、一つずつ自分の営業プロセスに取り入れていく前提で書かれている。ラポール、ヒアリング、プレゼン、クロージングと場面ごとに分かれているから、今の自分の弱点の章から入ればいい。
顧客の心に焦点を移すという軸があるから迷いにくいよ。
橘ナナミ
フォーカスが自分ばかり、か……。確かに、どうやったら買ってもらえるかばかり考えてました。
佐藤メバル
まさにそこが著者の言いたいところでね。自分の行動を変えるより先に、人間の心理を理解しようとする。世界の潮流にあるインサイトセールスの考え方も踏まえつつ、36の法則を営業の流れに沿って配置している。
顧客の潜在的な問題を掴む練習になる一冊だよ。

トップ営業マン1000人に聞いた ガチで使える順 心理学100
齊藤勇 著|宝島社
¥1,650(税込)
全国のトップセールス1000人に、リアルに使えると思う心理テクニックを聞き、ジャンル別にランキング形式で紹介する一冊。心理学者が机上で選んだのではなく、現場で実際に使われている順に並んでいる点が他と違う。224ページと軽く、辞書的に拾い読みできる。心理の理論から入る本よりも、まず現場の生の声から入りたい人に向く構成になっている。
こんな人におすすめ
心理テクニックを試したいが何から手をつけるか決められない営業、商談の直前に一つ拾いたい人、若手に配る本を探しているマネージャー。拾い読みで使いたい人に向く。ランキング形式なので、通読せずに必要な場面から開ける。
良い点
- 1000人の現場の声が根拠
- 使える順という並べ方が実用的
- 224ページで辞書的に使える
気になる点
- 体系的な理論説明は薄い
- 順位は読者次第で変わる
- 深掘りは別の一冊が必要
出版社
宝島社
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1000人に聞いたランキングって、けっこう説得力ありますね。でもランキングって、結局は上位だけ見ればいいんでしょうか。
佐藤メバル
上位から読むのはもちろんいいけれど、この本の面白さはジャンル別に並んでいることなんだ。全国のトップセールスがリアルに使えると思っているテクニックを集めているから、自分の商談の場面に近い章から拾える。心理学者の理論書とは入口が違うんだよ。
橘ナナミ
なるほど、現場の人が選んだ順か。それなら「本当に使われているのかな」という疑いを持たずに読めます。
佐藤メバル
そういうこと。1000人という数があるから、好みの偏りも薄まる。まず使える順に並んだ上位から試して、しっくりこなければ別の章へ移ればいい。
辞書のように手元に置いて、商談前後に開く使い方がいちばん合っているよ。

【契約率76.2%】営業・即アポ ~6万5026時間の会話分析からわかった! ~
堀口龍介 著|ぱる出版
¥1,540(税込)
2011年から延べ6万5026時間の通話を録音・解析して確立した「即アポ」メソッドをまとめた一冊。新規開拓・BtoC・BtoB・ルート・MRと幅広い職種に有効とされ、経験3年以上の営業が契約率76.2%に達したという実績がタイトルにもなっている。第一声から日時設定までの5つの要点、NOを言われてからの6つのポイント、AREA話法、Web集客の活用まで具体的に踏み込む。
こんな人におすすめ
テレアポや飛び込みでアポが取れず消耗している営業、アポは取れても契約に繋がらない人、新規開拓の担当になったばかりの若手。トークを型から見直す場面に向く。個人でWeb集客を組み込みたい人にも実践的な内容がある。
良い点
- 6万5026時間の会話分析が根拠
- 第一声から日時設定まで具体的
- Web集客まで範囲が広い
気になる点
- 電話中心で対面には読み替えが必要
- トーク例の暗記は負担
- 自社商材での調整が必要
出版社
ぱる出版
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
6万5026時間って、どうやって数えたんですか……。それだけ録音して分析するって、相当な執念ですよね。
佐藤メバル
そこがこの本の土台でね。感覚や押しの強さではなく、会話の型として再現できるようにしている。しかもアポを取る時点で契約まで見据えた会話ロジックを組んでいるのが特徴なんだ。
第一声から日時設定までの要点が、手順として並んでいるよ。
橘ナナミ
「けっこうです」と言われた後の話まで載ってるんですか? そこが一番困るところなんですけど。
佐藤メバル
NOを言いつつ電話を切らない相手を攻略する6つのポイントとして、きちんと項目が立っている。ベネフィットの訴求回数や二者択一の質問、日時設定前に言ってはいけないことまで具体的だ。
根性ではなく会話ロジックでアポを取る、という姿勢が貫かれているよ。

3か月でトップセールスになる 質問型営業最強フレーズ50
青木毅 著|ダイヤモンド社
¥1,540(税込)
前作のロングセラーを受けて、アプローチ、プレゼンテーション、クロージング、フォローアップという場面ごとに使えるフレーズを50個に絞った実践本。質問を交えたシミュレーションが掲載され、読後すぐ試せる構成になっている。アポイントに労力をかけず、新規開拓がほぼ不要になるという視点も提示。手帳に入れられる携帯版の案内が付くのも、現場で使う前提ならでは。
こんな人におすすめ
質問型営業を実際のトークに落としたい人、商談の言い回しに迷う若手、クロージングの言葉が出てこないと感じる中堅。商談前の確認用に手元に置きたい人に向く。お客様が新規顧客を呼んでくれる流れを作りたい人にも参考になる。
良い点
- 場面ごとに50フレーズを厳選
- シミュレーションで使い方が見える
- 204ページで持ち歩きやすい
気になる点
- 前作を読むと重なる部分がある
- 丸暗記では響かない場面もある
- 業種による言い換えが必要
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2016年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フレーズを50個も覚えられないですよ。暗記しないと使えないんでしょうか。
佐藤メバル
覚えるというより、自分の商談のどの場面で使うかを決めるのが先だね。アプローチ、プレゼン、クロージング、フォローアップと章が分かれているから、苦手な場面から拾える。
シミュレーションが付いているのも、口に出して試すためなんだ。
橘ナナミ
なるほど。新規開拓がほぼ必要なくなるってところも気になります。そんなに変わるものですか?
佐藤メバル
そこが質問型の面白さでね。お客様が新規顧客を呼んでくれる流れまで踏み込んでいる。前作がロングセラーになったのは、読んだ人が実際に試して結果を出したからだろうね。
そのまま使える形に絞ってあるから、今日の商談から試せるよ。

営業は台本が9割
加賀田裕之 著|きずな出版
¥1,650(税込)
トップセールスに学んだ秘訣を体系化した「営業台本」、つまり購買心理に基づいてお客様の欲しいを自然に引き出す商談の脚本を作る方法を説く一冊。ニーズの深掘り、成約率を80%にする5ステップ、専門家として認知させる質問、FABECの公式、選ばせるクロージングの5ステップ、反論解决の想定まで並ぶ。見込み客の80%までは台本のブラッシュアップで成約可能という主張が軸。
こんな人におすすめ
商談のたびに話が変わってしまう自覚がある営業、後輩に型を渡したいマネージャー、根性営業から抜け出したい人。台本を一度作ってみたい人に向く。断られ方まで想定して準備したい人にも実用的な内容になっている。
良い点
- 台本という形で残せる
- 反論の想定まで含む
- 成約率の考え方が具体的
気になる点
- 台本通りに進まない場面もある
- 作成の手間はそれなりにかかる
- 業種による型の調整が必要
出版社
きずな出版
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業は台本が9割って、逆に台本通りじゃないお客様もいますよね? それで大丈夫なんですか。
佐藤メバル
台本は台本通りに喋るためのものではなくて、購買心理に沿って話の順番を決めておくものなんだ。だから反論の想定も最初から組み込む。
著者は見込み客の80%までは台本のブラッシュアップで成約可能だと書いている。場当たりを減らす道具だと思えばいいよ。
橘ナナミ
FABECの公式とか、選ばせるクロージングの5ステップとか、名前だけ聞くと難しそうですね。
佐藤メバル
名前は難しく見えるけれど、中身は順番の話だよ。専門家として認知される質問をどこで入れ、どう即決に持っていくか。
トップセールスが無意識にやっていることを、誰でも使える脚本として書き出したのがこの本の価値だね。

できる営業マンのすごい言語化 「なんとなく」を納得に変える
乾哲也 著|KADOKAWA
¥1,760(税込)
フルコミッション一筋21年、成約率90%のトップセールスマンが、営業の「なんとなく」を言葉にする方法を伝える一冊。成果が出た理由が自分でもわからない、組織に再現性がない、精神論に頼ってノウハウが共有されない——そんな状態の根本に暗黙知の問題があると指摘する。トークスクリプトとして言語化し、個人技を組織の資産に変える視点で貫かれている。
こんな人におすすめ
成果が安定しない中堅営業、部下の指導が感覚的になっているマネージャー、営業のノウハウを組織に残したい担当者。トークを文字にする作業に向き合いたい人に向く。経験値に頼らず育成したいチームにも手に取ってほしい。
良い点
- 暗黙知という課題設定が明確
- 成約率90%の著者の実践が土台
- 組織への展開まで視野に入る
気になる点
- 言語化の作業は自分でやる必要
- 224ページで詰め込みは多い
- 商材によって難易度が変わる
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
言語化って、日報をちゃんと書くみたいな話ですか? それなら地味すぎませんか……。
佐藤メバル
もっと本質的な話なんだ。なぜ売れたのかが本人にもわからないままだと、翌年も同じ数字しか出せない。それをトークスクリプトとして書き出し、誰がやっても再現できる形にする。
売れる人の入社を待つだけの体質から抜けるための一冊だよ。
橘ナナミ
組織が弱体化する、という言い方も強いですね。個人の問題じゃなくなるんですね。
佐藤メバル
そう、個人の暗黙知に頼ると、売れない人は辞め、売れる人を待つ高コスト体質になる。この本は購買意欲の概念を取り入れた即決メソッドを土台に、約300社以上の研修で使われた考え方を紹介している。
再現できる形に変える第一歩に向いているよ。

お客さまの納得を生んで自然と売れる 文脈営業
岡佐紀子 著|ぱる出版
¥1,650(税込)
昭和の「売り込み」型営業から、令和に残るのは文脈を読む力だと説く一冊。「検討します」の裏にある、失敗したくない、上司に説明できない、予算が下りるかわからない——本人も言葉にできていない背景を読み取り、「言いたいのはこういうことでは」と返す。説明ではなく納得で人は動くという立場から、クロージングと口コミ・紹介まで組み立てる192ページのコンパクトな構成。
こんな人におすすめ
売り込みが苦手で言葉が多くなってしまう営業、商談が雑談で終わりがちな人、顧客の本音を拾えていないと感じる中堅。提案の前に読むと視点が変わる。紹介や口コミを増やしたい個人事業主にも向く。
良い点
- 文脈という切り口が独自
- 192ページで読み切りやすい
- クロージングと紹介まで一貫
気になる点
- 具体的なトーク例は限られる
- 文脈を読む力は訓練が必要
- 短期の数字改善には向かない
出版社
ぱる出版
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
文脈って、国語の授業みたいですね。営業で文脈を読むって、具体的にどういうことなんですか?
佐藤メバル
お客様自身もまだ言葉にできていない思いを読み取る、ということだよ。「検討します」と言うとき、その裏には失敗したくない気持ちや社内説明の不安がある。
それを言語化して返すと、腹落ちが生まれる。人は説明では動かないけれど、納得では動くんだ。
橘ナナミ
なるほど。モノも情報もあふれて、商品説明はネットで読める時代ですもんね。営業に何が残るかという話なんだ。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の出発点だね。昭和は声の大きさと根性が評価されたけれど、今は違う。文脈を読み、翻訳して返すことで、売り込まなくても自然と売れる流れを作る。
第4章のクロージングと第5章の紹介まで、一本の線で書かれているよ。

無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
高橋浩一 著|日経BP
¥1,760(税込)
コンペ8年無敗の著者が、接戦を制する「3つの質問」とズレを解消する「4つの力」を体系化した一冊。楽勝・接戦・惨敗で商談を分け、接戦の強さが営業力を左右すると説く。接戦状況を問う質問、決定の場面を問う質問、裏にある背景を問う質問で情報ギャップを埋め、質問力・価値訴求力・提案ロジック構築力・提案行動力へ繋げていく構成。
こんな人におすすめ
競合と最後まで競り合う提案を担当する法人営業、コンペで落ちる理由が掴めない人、質問の引き出しを増やしたい中堅。商談の直前と直後に開きたい人に向く。稟議型の案件を多く抱えるチームにも役立つ。
良い点
- 8年無敗という実績が背景
- 質問と4つの力が対応する
- 接戦という切り口が実践的
気になる点
- 商談モデル別の読み分けが必要
- 312ページで情報量が多い
- 若手にはやや難解
出版社
日経BP
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
接戦って、要するに競合と最後まで競ってる状態ですよね。そこで何を聞けばいいんですか?
佐藤メバル
接戦状況を問う質問、決定の場面を問う質問、裏にある背景を問う質問。この3つで情報ギャップを埋めていく。
ポイントは、お客様がまだ言葉にしていない判断基準を引き出すことなんだ。質問力だけでなく、価値訴求や提案ロジックまで一続きで解説しているよ。
橘ナナミ
接戦では認知的不協和の打破が必要、という言葉も出てきますね。それって難しいことを言ってるんですか?
佐藤メバル
言い方は硬いけれど、要は選んだ後に不安に思わせない説明を用意するという話だよ。対・競合、対・保留、内製という場面ごとに、なぜ当社か、なぜ今かを組み立てる。
接戦を安易に落とさないための具体策が並んでいる一冊だね。

“最強企業”がやっているヤバい営業 とてつもない高付加価値を実現するセールスの極意
あさひ 著|SBクリエイティブ
¥1,760(税込)
キーエンスの営業現場に入った著者が、研修で味わった衝撃と成長を描く一冊。毎朝テストが行われ、新入社員の点数と順位が公開される環境で、基礎テスト1位を取った著者が、ロールプレイング大会ではあっけなく予選敗退する。知識だけでは勝てないと突きつけられ、その先に「異次元」の現場が待っている。才能か技術かという問いを、実体験の臨場感で追う。
こんな人におすすめ
営業の腕を本気で上げたい若手、厳しい環境で伸び悩んでいる人、トップ企業の現場がどうなっているか知りたい読者。体験談として読みたい人に向く。研修設計に関わる人にも示唆がある。
良い点
- 現場の臨場感が強い
- 才能と技術の問いを扱う
- 研修の実態が具体的
気になる点
- ノウハウの体系化は控えめ
- 一社の事例として読む必要
- 再現方法は自分で考える形
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
毎朝テストで順位が公開されるって、かなり怖い環境ですよね。読んでて胃が痛くなりそうです。
佐藤メバル
そこを描いているからこそ、営業は才能か技術かという問いが他人事にならないんだ。著者は基礎テストで1位を取ったのに、ロールプレイングでは予選敗退する。
知識だけでは勝てないと現場で思い知らされる。その先の『異次元』の描写がこの本の核心だよ。
橘ナナミ
用意していた言葉が喉に貼り付いて出てこない、という場面、想像すると他人事じゃないです……。
佐藤メバル
そう、そこが多くの営業が通る道なんだ。マニュアルを暗記しても、その場の会話で顧客の心を動かせなければ勝てない。
高付加価値を実現する現場の極意を、絶望と成長の両方から描いている。ハウツーに疲れたときに読むと、原点に戻れるよ。

成約率80%!トップセールスの「価値観営業」メソッド
加賀田裕之 著|きずな出版
¥1,870(税込)
真のニーズは顧客の価値観にこそあるという立場の一冊。商品もサービスも良い、思いもある、でも売れない——その足りないものを売れる営業台本として埋めていく。大きな買い物をするとき人の価値観が露わになることを起点に、そこへ商品の価値を寄り添わせ、呼応させる考え方を説く。18のフレームワークと12のワークシートで、読みながら体得する構成になっている。
こんな人におすすめ
提案内容に自信があるのに成約につながらない営業、顧客の判断基準を掴みきれていない中堅、台本づくりを自社に持ち込みたいマネージャー。ワークを書き込みながら読みたい人に向く。研修前に自分の商材で試したい人にもいい。
良い点
- 18のフレームワーク付き
- 12のワークで手を動かせる
- 価値観という切り口が明確
気になる点
- ワークの記入に時間がかかる
- 前著と重なる部分がある
- 商材によっては遠い例もある
出版社
きずな出版
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
価値観を満たすって、ちょっと抽象的じゃないですか? 商品の価値と何が違うんでしょう。
佐藤メバル
著者は、大きな買い物をするとき人の価値観が露わになると言っている。だから商品の価値を並べるだけでは足りなくて、その人にとって何が大事かと呼応させる必要がある。
18のフレームワークと12のワークで、読みながら自分の商材に落とせるようにしているのが親切なところだね。
橘ナナミ
ワークシートがあるなら、読みっぱなしで終わらないですね。書き込みながら進めるのが正解ですか?
佐藤メバル
そう、手を動かす前提の本だよ。価値観を満たした購買心理の型を使って台本を作り、成約率を引き上げる。カンタンで楽しく体得できるようにワークが組まれているから、机に向かう時間を確保して読むといい。
前著を読んだ人も、こちらで手順として整理できるよ。

成果に直結する「仮説提案営業」実践講座
城野えん 著|日本実業出版社
¥1,980(税込)
BtoB営業とマーケティングで武器になる仮説提案営業を、仮説の立て方から資料作成、商談への落とし込み、オンライン術まで図解で解説する一冊。順序立てた提案力は業界を問わず通じる強力な武器だとし、事前準備、会議と会議の間の簡単な報告、進捗ミーティングの重要性まで踏み込む。224ページとコンパクトながら、提案の前工程を丁寧に押さえている点が特徴。
こんな人におすすめ
提案書が毎回ゼロからになっている法人営業、商談前の準備に時間がかかる人、オンライン商談の進め方に悩むチーム。提案の型を一度作っておきたい人に向く。マーケティング側から営業に連携したい人にも参考になる。
良い点
- 図解が多く流れを追いやすい
- オンライン商談まで扱う
- 前工程の準備に踏み込む
気になる点
- 224ページで事例は絞られる
- BtoB前提の内容
- 仮説検証の訓練は別途必要
出版社
日本実業出版社
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
仮説を立ててから提案するって、外れたときはどうするんでしょう。自信ないまま行くのは怖いです。
佐藤メバル
仮説は当てるためではなく、お客様との会話を始めるためのものなんだ。この本は仮説の立て方から、資料作成、商談への落とし込みまで順序立てて解説している。
事前準備と途中の報告まで含めて提案の流れとして扱っているのが、他の提案本との違いだよ。
橘ナナミ
会議と会議の間の簡単な報告、というのも大事なんですね。地味だけど抜けがちなところです。
佐藤メバル
そう、そこを落とすと提案が置いていかれる。この本は仮説の立て方、資料作成、商談への落とし込み、オンライン術までを豊富な図解で紹介していて、順序立てた提案力はどの業界のBtoBにも通じると書かれている。
流れを一枚で見渡せるのが強みだね。

仮説起点の営業論 キーエンスに学び、磨いたセールス・スキル (角川新書)
鈴木眞理 著|KADOKAWA
¥1,386(税込)
キーエンスで学びfreeeで磨いた著者による、仮説構築から始める営業論。本質的な課題設定、情報収集、仮説構築、検証、交渉、クロージングまでを一続きで解説する。顧客自身が気づいていないニーズにどう気づいてもらうかを軸に、仮説は間違えてもいい、完璧でなくていいと繰り返す。単行本を加筆修正して新書化したもので、376ページながら持ち歩きやすい。
こんな人におすすめ
提案の切り口を顧客の課題から組み立てたい法人営業、AI時代に自分の付加価値を考えたい中堅、商談で仮説を語る必要がある人。新書サイズで持ち歩きたい人に向く。若手が思考の型を身につける入口としても使える。
良い点
- 仮説構築から交渉まで一貫
- 新書で持ち歩きやすい
- キーエンスとfreeeの両経験
気になる点
- 376ページで密度が高い
- 業界によっては前提が遠い
- 実践の反復は自分次第
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
キーエンスとfreee、両方で学んだって珍しいですね。でも仮説が間違ってたら意味がないんじゃ……。
佐藤メバル
この本は逆で、仮説は間違えてもいい、完璧でなくていいと繰り返す。大事なのは仮説を持って会話に入ることなんだ。
顧客自身が気づいていないニーズに気づいてもらうために、課題設定から情報収集、検証、交渉、クロージングまでが一続きで書かれているよ。
橘ナナミ
AI時代にこそ仮説力、という言葉も入り口にありますね。検索すれば答えが出る時代だからこそ、なんでしょうね。
佐藤メバル
そう、調べれば出てくる情報は誰でも持てる。けれど顧客がまだ気づいていない課題を立てられる人は代わりがいない。
新書版として加筆修正されているから、通勤かばんに入れて読み進められる。思考の型を持ち帰りたい人にちょうどいい一冊だよ。

ゼロから始める!法人営業: ずっと勝ち続ける新規開拓営業の新常識
藤原智浩 著|産業能率大学出版部
¥1,650(税込)
セミナーに参加し、本も読み、相当勉強しているのに成果が出ない——著者自身がそう経験した立場から、法人開拓には努力より抑えるべきポイントがあると説く一冊。非常識に思えるかもしれないが確実に結果をもたらし、念願の『反響営業』に切り替えられると書く。219ページと短く、新規開拓の新常識として問題設定から入る構成が特徴になっている。
こんな人におすすめ
新規開拓で成果が出ず、勉強の割に報われないと感じている法人営業、反響営業に切り替えたいチーム、若手の開拓指導に悩むリーダー。努力の方向を見直したい人に向く。営業研修を受けても変わらなかった人にも手に取ってほしい。
良い点
- 努力の方向を問い直す
- 219ページで読み切りやすい
- 反響営業への転換を展望
気になる点
- 内容紹介が短く全体像は読み進めて把握
- 非常識な主張に抵抗を感じる人も
- 実践の検証は自分で必要
出版社
産業能率大学出版部
発売日
2023年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
努力なんて必要ない、って言い切っちゃうんですか。それはさすがに極端では……。
佐藤メバル
著者自身が、努力したのに成果が一切出なかった経験をしている人なんだ。だからこそ、抑えるべきポイントが抑えられていないだけだと言う。
努力の量より方向を変えるという主張で、新規開拓から反響営業へ切り替える道筋を示しているよ。
橘ナナミ
セミナーにも出て、本も読んで、それでも出ないってつらいですもんね。その人が言うなら重みがあります。
佐藤メバル
そこがこの本の説得力でね。非常識に思えるかもしれないけれど、確実に結果をもたらす手法を紹介していると書かれている。
まず最初の数十ページで自分の前提を疑ってみて、それから実践に移る読み方が合っているよ。

法人営業のすべてがわかる本 (実務入門)
高城幸司 著|日本能率協会マネジメントセンター
¥1,650(税込)
リクルートで長くトップセールスを続けた著者が、総決算の思いでまとめた実践的な法人営業のノウハウ集。アプローチの準備、アポ取りの方法、ヒアリング、提案、プレゼンテーション、クロージング、顧客管理、営業脳の鍛え方まで、全項目にイラストを添えて懇切丁寧に解説する。行動方法とトーク例が今すぐ使える形で載っており、初めての人の王道を示す。
こんな人におすすめ
法人営業に配属されたばかりの新人、一度立ち止まって自分のやり方を見直したい中堅、営業研修のテキストを探している担当者。辞書のように手元に置きたい人に向く。伸び悩んだときに基本へ戻る一冊としても使える。
良い点
- アプローチから顧客管理まで網羅
- イラストで全体像を掴める
- トーク例が具体的
気になる点
- 200ページで各論は簡潔
- 基本中心で応用は少なめ
- 業種による調整は必要
出版社
日本能率協会マネジメントセンター
発売日
2006年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
すべてがわかるって、さすがに言い過ぎな気がします。200ページで足りるんですか?
佐藤メバル
網羅という意味では、準備からアポ取り、ヒアリング、提案、プレゼン、クロージング、顧客管理、営業脳の鍛え方まで一通り並んでいる。
全部にイラストが付いていて、行動方法とトーク例がセットで載っているから、新人がまず押さえる王道を知るには十分なんだよ。
橘ナナミ
リクルートで長くトップを続けた人の総決算なら、基本の信頼感はありますね。
佐藤メバル
そこが安心して薦められる理由でね。机上の空論ではなく、現場で長く磨いてきた成功法則がまとめられている。
開いたページの行動方法とトーク例が今すぐ使える。どこから読んでもいい構成だから、新人にも見直したい中堅にも合うよ。

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
茂野明彦 著|翔泳社
¥1,731(税込)
セールスフォースとビズリーチのインサイドセールス部門を成長させた著者による、立ち上げから運用までのガイド。テレアポとの違い、種類と役割といった基礎から、立ち上げ方法、オンライン商談テクニック、KPI、チームマネジメント、他部門との連携までを行動レベルに落とし込む。導入企業へのインタビューも収録し、体系化された知見が少ない分野で全体像を示す一冊。
こんな人におすすめ
インサイドセールス部門の立ち上げを検討している経営者やチームリーダー、非対面で成約させる方法を知りたい営業。在宅で成果を出したい人や、この職種への転職を考えている人にも向く。マネジメント方法を先に知りたい人にも実用的。
良い点
- 立ち上げから運用まで一冊
- KPIとマネジメントまで扱う
- 導入企業のインタビュー付き
気になる点
- 外勤営業の改善には遠い
- 前提となる組織規模がある
- ツール環境で読み替えが必要
出版社
翔泳社
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
インサイドセールスとテレアポって、何が違うんでしょう。電話で話すのは同じですよね?
佐藤メバル
この本はまずそこから整理している。役割の分け方も種類も違うし、KPIの置き方も変わる。セールスフォースとビズリーチでゼロから部隊を作り上げた著者が、立ち上げ、採用、成約率を高める指標、チームマネジメントまで順番に書いているから、部門を作る側にも属する側にも使えるよ。
橘ナナミ
在宅でも成果を出せる職種、という言い方もされていますね。消費の変化やサブスクの広がりと関係があるんでしょうか。
佐藤メバル
そう、消費活動の変化やサブスクリプションモデルの台頭、働き方改革で、外勤やテレアポだけでは対応できない場面が増えた。
ただ体系化された知見はまだ少ない。この本はオンライン商談の技術から他部門との連携までを行動レベルで示している。全体像から入れるのが強みだね。
商談フェーズ×課題で本を逆引きする
橘ナナミ
さっき「フェーズで選ぶ」と教わったんですけど、自分の課題がどのフェーズなのか、いまいち自信がなくて。
佐藤メバル
じゃあ逆引きで考えてみよう。アポが取れないなら『営業・即アポ』、組織として仕組みから作るなら『THE MODEL』や『インサイドセールス』。初回で課題が掘れないなら『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』や『仮説起点の営業論』。提案が刺さらないなら『ドリルを売るには穴を売れ』。クロージングで落とすなら『営業は台本が9割』や『成約率80%!トップセールスの「価値観営業」メソッド』。既存のお客様から紹介を生みたいなら『文脈営業』や『3か月でトップセールスになる 質問型営業最強フレーズ50』だね。「どの本が良いか」から入るより、「どの工程が弱いか」から入るほうが、読む順番が自然に決まるよ。
橘ナナミ
なるほど、工程から逆にたどるんですね。営業プロセスを7分割して、否定材料を逐一なくす、という考え方の本もありましたよね。
佐藤メバル
『セールス・イズ』だね。工程を細かく分けて、どこで渋られているかを潰していく発想は、この逆引きと相性がいい。工程を分解できる人は、本の使い方もうまい。
エビデンス強度と情報鮮度でふるいにかける
橘ナナミ
「エビデンス強度」って、どう見分ければいいんでしょう。
佐藤メバル
まず、その主張が体験談なのか、統計や実験に基づくのかを確認する。『営業の科学』は営業1万人・お客様1万人の計2万人調査、『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』は12年・3万5000件の実地調査、『営業・即アポ』は6万5026時間の通話録音の解析、『法人営業 勝ちパターン大全』は2万4000人への調査。数字と方法が本文に書かれている本は、自分の商材でも同じ手が使えるか検証しやすいんだ。
橘ナナミ
逆に、気をつけたほうがいい本はありますか?
佐藤メバル
断定の強さと根拠の強さは別物だと覚えておいて。『SPIN』や『ドリルを売るには穴を売れ』のように長く読み継がれている本は、それだけの理由がある。一方で、ツールの画面や特定サービスの前提が中心の本は、いまの環境とズレていないかを先に確かめる。SaaSやAIを前提にした組織づくりなら『THE MODEL』『インサイドセールス』、AI時代の仮説力なら『仮説起点の営業論』が新しい。古典で土台を固め、新刊で現在地を合わせるのが安全だよ。
橘ナナミ
業種による違いはありますか?
佐藤メバル
ITやSaaSなら、組織と分業の話が効く。金融・不動産・医療のように稟議が重く関係者も多い商材なら、購買プロセスと関係者を扱う本が合う。逆に、目の前の一人を説得する商売なら心理や会話の本が近い。自分の商談に何人出てくるかで選ぶと外れにくい。
読んでも成果が出ない原因と学習ロードマップ
橘ナナミ
本は読むんですけど、現場に出ると忘れてしまうんです。
佐藤メバル
それは意志の問題じゃなくて、構造の問題だね。原因は大きく3つ。ひとつは「読む」で止まり「試す」がないこと。ふたつめは、試しても商談記録と紐づけていないので振り返れないこと。みっつめは、1冊を1つの行動に翻訳していないこと。だから僕は、どの本にも「明日やる1アクション」を1つだけ決めるのをすすめている。質問型の本なら「次の商談で、提案の前に質問を3つ出す」だけでいい。
橘ナナミ
何冊くらい読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
書店の棚を見てきた感覚だと、冊数より順番が効く。まず自分の工程に合う1冊を最後まで読んで1か月試す。次に、そこでぶつかった壁の本を足す。この往復で、読書が学習ループになる。入手手段も組み合わせていい。紙で手元に置く、Kindleで持ち歩く、耳で聴く。読み放題や音声に対応しているかは本ごとに違うから、購入前に各サービスのページで確認してね。
よくある質問
営業初心者・1年目におすすめの営業本はどれですか?
橘ナナミ
営業初心者・1年目におすすめの営業本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
読み物として入りやすいのは『営業の魔法』です。売れない新人が喫茶店で出会ったスーパー営業マンから1か月半のレクチャーを受ける物語で、営業の流れを物語として追えます。手順を一通り押さえたいなら、アポ取りからヒアリング、提案、プレゼンテーション、クロージング、顧客管理までをイラスト付きで解説する『法人営業のすべてがわかる本』が向いています。まずは1冊を最後まで読んで、1か月試すところから始めてください。
営業成績が伸びないときに読むべき本はありますか?
橘ナナミ
営業成績が伸びないときに読むべき本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
原因を工程に分けて特定するのが近道です。「がんばっているのに売れない」なら、2万人調査から「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」を扱う『営業の科学』。接戦で落とすなら「3つの質問」と「4つの力」を説く『無敗営業』。感覚で動いていて再現できないなら『できる営業マンのすごい言語化』。むやみに冊数を増やさず、商談記録を見返して詰まっている1工程を決めることから始めましょう。
BtoB営業におすすめの本を教えてください
橘ナナミ
BtoB営業におすすめの本を教えてくださいについて教えてください。
佐藤メバル
稟議が重く関係者が多い商談なら、5段階の購買プロセスと6種類の関係者を軸に打ち手を示す『法人営業 勝ちパターン大全』。新規開拓に絞るなら『ゼロから始める!法人営業』。事前準備から資料作成、商談への落とし込み、オンライン術までを図解する『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』や『仮説起点の営業論』も有効です。自分の商談に何人登場するかで選ぶと外れにくいです。
話し方やトークが苦手な人に向いている営業本はありますか?
橘ナナミ
話し方やトークが苦手な人に向いている営業本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
話す量を減らし、聞く量を増やす方向の本が向いています。質問型営業の入門として『なぜ、「質問」だけで売れるのか?』、アプローチからフォローアップまで使えるフレーズを50個厳選した『3か月でトップセールスになる 質問型営業最強フレーズ50』、商談の脚本を作る『営業は台本が9割』、言葉になっていない思いを読み取る『文脈営業』も参考になります。台本とフレーズを用意しておくと、場当たりの不安が減ります。
営業マネージャー・営業部長におすすめの本はどれですか?
橘ナナミ
営業マネージャー・営業部長におすすめの本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
組織の再現性を作る視点が必要です。マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの分業から共業を説く『THE MODEL』、立ち上げ・採用・KPI・チームマネジメントまで扱う『インサイドセールス』が土台になります。個人の暗黙知を組織の知恵に変えるなら『できる営業マンのすごい言語化』、ルート型とアカウント型で勝ちパターンが変わると説く『無敗営業』も役立ちます。個人の成果をチームの仕組みに翻訳するのがマネージャーの仕事です。
営業本はKindle Unlimitedやオーディオブックで読めますか?
橘ナナミ
営業本はKindle Unlimitedやオーディオブックで読めますかについて教えてください。
佐藤メバル
対応状況は本ごとに異なるため、購入前に各サービスの該当ページで確認してください。紙は書き込みと付箋に向き、電子は検索と持ち歩きに強く、音声は移動時間や隙間時間に向いています。自分の可処分時間に合う形式を先に決めると、途中で読まなくなるのを防げます。まず1冊を最後まで読むことが最優先です。
営業本を読んでも成果が出ないのはなぜですか?何冊くらい読めばいいですか?
橘ナナミ
営業本を読んでも成果が出ないのはなぜですか?何冊くらい読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
原因は意志ではなく構造です。「読む」で止まり「試す」がない、商談記録と紐づけていないので振り返れない、1冊を行動に翻訳していない、この3つが重なると成果につながりません。1冊につき「明日やるアクション」を1つだけ決めるのが効果的です。冊数より順番が大事で、自分の工程に合う1冊を1か月試し、そこでぶつかった壁の本を次に足す。この往復が学習ループになります。
発行年が古い営業本を今読んでも価値はありますか?
橘ナナミ
発行年が古い営業本を今読んでも価値はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』は12年をかけた3万5000件の実地調査に基づき、20年以上読み継がれてきた定番です。『ドリルを売るには穴を売れ』も12万部を突破したロングセラーで、価値とターゲティング、差別化、4Pという土台は今も使えます。調査の規模と方法が本文に書かれているかを判断材料にし、ツールやサービス前提の本だけは環境の変化を確認してから読みましょう。
まとめ
橘ナナミ
今日いちばん印象に残ったのは、「どの本が良いか」より「自分はどこで詰まっているか」から考える、という順番でした。
佐藤メバル
そう。営業本は正解を配る本じゃなくて、自分の商談を観察するためのレンズなんだ。同じ『SPIN』を読んでも、初回で課題を掘れない人が読むのと、クロージングで落ちる人が読むのとでは、持ち帰るものが違う。
橘ナナミ
読む前と後で、同じ商談が違って見えるんですね。
佐藤メバル
そうだよ。書店員だった頃、売り場で「どの営業本がいいですか」と聞かれて、棚の前で一緒に悩んだことが何度もある。あのとき大事にしていたのは、その人の話を聞くことだった。何を売っていて、誰に会っていて、どこで止まっているのか。本は、その答え合わせの道具なんだ。
橘ナナミ
なるほど……。Amazonで書名を打ち込んでカートに入れる、その一回のクリックも、実はお客様が「これでお願いします」と言う瞬間と、同じ構造なのかもしれないですね。
佐藤メバル
いい締め方だね。買う側の一歩は、いつも「この人から買いたい」で決まる。棚を眺めて迷ったら、まず自分の商談のどこを変えたいかを一言で書いてみて。その言葉に近い1冊から開けば、読み終えた翌日の訪問が、少しだけ違うはずだよ。
