営業向けの自己啓発本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、「営業 啓発 本」で検索したら、マインド系とノウハウ系がごちゃ混ぜで並んでいて…正直、どれから読めばいいのか分からなくなりました。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。書店の棚を作るときも、そこはいつも悩みどころだった。営業の本は大きく三つの潮流に分けて考えると景色が変わる。ひとつは気持ちと行動量で押す売り込み型——『営業の魔法』や『営業マンは「お願い」するな!』のように、物語で背中を押すタイプ。二つ目は顧客の課題を質問で引き出す課題解決型で、『営業の「聴く技術」』や『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』がこの系譜。三つ目はデータとプロセスで再現性を作る仕組み型で、『営業の科学』『仮説起点の営業論』がここに入る。
橘ナナミ
なるほど…。でも私、「自己啓発」と「ノウハウ」の線引きがまだふわっとしてるんです。『営業の一流、二流、三流』みたいな本は、どっちなんですか?
佐藤メバル
あれは境目に立っている本だね。行動の型を語りながら、その裏にある視座を変えようとしている。だから「今日から使える手順」だけを求める人には物足りないかもしれない。逆に、手順は知っているのに動けない人にはよく効く。順番としては、1冊目に物語や自己啓発で火をつけ、2冊目に質問や提案のスキル、3冊目に仕組み化。この流れが無理がない。
橘ナナミ
火をつける→技術を入れる→仕組みにする、ですか。順番があるだけで、だいぶ迷わなそうです。
佐藤メバル
そう。それと、同じ著者の本で重複して買ってしまう人がとても多い。たとえば質問型営業の本は、入門と実践で役割が違うんだ。まず自分のフェーズと商材を決めてから選ぶと、遠回りが減るよ。
営業向けの自己啓発本の選び方
フェーズで選ぶ
橘ナナミ
未経験の1年目と、3年目の中堅とでは、選ぶ本は変わりますか?
佐藤メバル
変わるよ。1年目は『営業の魔法』のように「営業ってこういう仕事なんだ」と腹に落ちる物語から入るのがおすすめ。行動量を肯定してくれる本でないと、途中で折れてしまうからね。3年目なら『営業は台本が9割』で商談の型を作り直すか、『営業の科学』で「がんばり方の方向」を点検する。プレイングマネージャーなら『できる営業は、「これ」しかやらない』、部長クラスなら組織に仕組みを持ち込む発想で『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』『営業脳のつくり方』あたりが視野に入る。
テーマで選ぶ
橘ナナミ
「話し方」「質問」「提案」「クロージング」「メンタル」「仕組み化」で、定番はありますか?
佐藤メバル
話し方や雑談なら『営業の雑談力』『トップ営業の気くばり』。質問なら『営業の「聴く技術」』とSPINの原著。提案の構成なら『ドリルを売るには穴を売れ』——これは営業というよりマーケティングの入門だけど、「モノではなくベネフィットを売る」という土台になる。クロージングは『営業は台本が9割』、メンタルは『営業の鬼100則』や『営業の赤本』、仕組み化は『営業の科学』と『仮説起点の営業論』。顧客心理から攻めるなら『サイコロジーセールス最強の営業心理学』も外せないね。
商材・業種で選ぶ
橘ナナミ
有形と無形、法人と個人では、合う本が違いますか?
佐藤メバル
大きく違う。無形・高額で法人向けの大型商談なら、SPINの原著と『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』がど真ん中。一回で決まらない前提で、複数回の商談を設計する話だからね。逆に、保険や住宅のように長く付き合う個人向けの商材は『売らない営業』や『記憶に残る人になる』が効く。新規開拓が中心なら『営業の一流、二流、三流』、既存先を回るルート営業なら『営業は準備力』のほうが刺さる。
読書スタイルと形式で選ぶ
橘ナナミ
漫画版や要約版、オーディオブックでも効果はありますか?
佐藤メバル
入口としては十分ある。使い分けの基準は「覚えるか、刺さるか」だと思っている。手順を覚えたい本は活字か図解、気持ちを動かしたい本は漫画や音声が向く。『営業の魔法』のような物語は音声と相性がいい。逆にSPINや『営業の科学』は、質問の順番やデータの意味を取りこぼすと使えないから、要約版で済ませるともったいないよ。
本のタイプと鮮度で選ぶ
橘ナナミ
発行年は気にしたほうがいいんでしょうか。
佐藤メバル
「骨格」と「道具立て」を分けて考えるといい。人間の購買心理を扱った部分は古びないけれど、オンライン商談やデータ前提の運用は更新が要る。『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』はオンライン術にも触れていて、今のBtoBに向く。『できる営業は、「これ」しかやらない』も、ウィズコロナ・AI時代の勝ち筋を扱っている。古典は古典として読み、道具立てだけ今の環境に置き換えるのが現実的だね。
営業向けの自己啓発本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
営業向けの自己啓発本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

営業の魔法
中村信仁 著|ビーコミュニケーションズ
¥1,650(税込)
売れない新人・小笠原が、伏魔殿のような喫茶店で出会ったスーパー営業マン紙谷から、早朝六時のレクチャーで十一個の魔法を授かる物語。二冊のバインダーを操る紙谷の実演、喜ぶお客様の姿、トップ営業へ伸びる過程まで、ノウハウが物語の流れで頭に入ります。最後の十二個目の魔法を伝えないまま紙谷が消える余韻も巧み。営業の基本姿勢を物語でつかめるので、活字が苦手な人にも抵抗が少ない一冊です。
こんな人におすすめ
営業に配属されたばかりで数字が出ず、心が折れかけている新人。座学より物語で営業の基本姿勢をつかみたい人。研修前後の副読本として、あるいは営業を志したばかりの学生にも。活字が苦手でも読み切れる量です。
良い点
- 物語形式で読み進めやすい
- 十一の魔法が具体的
- 短時間で一気に読める
気になる点
- 実践の深掘りは少なめ
- 数字やデータは出てこない
- ベテランには物足りない
出版社
ビーコミュニケーションズ
発売日
2007年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、この本って営業のノウハウ本なんですよね?でも表紙からして小説みたいで……。物語で本当に営業が学べるんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。これは新人・小笠原がゼロからトップ営業になっていく過程を追う物語で、紙谷という魔法使いのような先輩が早朝六時から実践レクチャーをするんだ。
二冊のバインダーを操って目の前でお客様を喜ばせる場面は、読みながら自分が立ち会っている気分になるよ。
橘ナナミ
二冊のバインダー、気になります!でも最後に十二個目の魔法を伝えないまま消えちゃうのは、なんだか切ないですね。
佐藤メバル
そこがこの本の余韻なんだ。十一まで学んだ小笠原が自分で最後の一つを掴む——教わる側の成長まで描いているから、ただのテクニック集に終わらない。
営業に配属されたばかりの人に、最初に渡したい一冊だね。

営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと
早崎郁之 著|SBクリエイティブ
¥1,520(税込)
挫折寸前の著者が、日本橋で「営業の神様」ヤマナシと出会い、カフェでレッスンを受ける物語。核は愛のセールス——営業を愛する、商品を愛する、お客様を愛する、自分を愛するという四つの哲学です。お客様のためなら他社商品を薦めてもいい、という徹底した顧客ファーストが、どら焼きや大福のたとえで語られる。一見非常識に思える教えも、話を聞けばなるほどと納得させられます。
こんな人におすすめ
売り込みに疲れ、営業の意味を見失いかけている中堅。数字だけでなくお客様の幸せを軸にしたい人。カフェで読みながら自分の商談を振り返りたい場面に。顧客ファーストの原点を確認したいときにも。
良い点
- 哲学から営業を捉え直せる
- たとえ話が記憶に残る
- 顧客ファーストが腹に落ちる
気になる点
- 具体的な手順は少ない
- 物語の好みが分かれる
- 即効性は薄め
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2024年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
また物語形式なんですね。でもこっちは「愛のセールス」って言葉が気になります。営業と愛って、どうつながるんですか?
佐藤メバル
ヤマナシが言うのは、営業を愛する、商品を愛する、お客様を愛する、自分を愛する——この四つなんだ。お客様のためなら他社の商品を薦めても構わないとまで言い切る。
目の前の受注より、その人の幸せを先に考える発想だね。
橘ナナミ
え、他社の商品を薦めるって、それ営業として成り立つんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の面白さだよ。どら焼きや大福、アク抜きといった食べ物のたとえで、顧客ファーストの本質をやさしく説いていく。
目先の売上より信頼を積むという姿勢は、テクニックの前に立ち戻りたい人に効くんだ。

営業の鬼100則 (アスカビジネス)
早川勝 著|明日香出版社
¥1,000(税込)
著者が三十年の現場でトッププレイヤーとマネジャーを務め、数千人のデータから編み出した営業の鬼の鉄則を100項目にまとめた一冊。「買ってください」とお願いする媚びの営業を卒業し、誇り高き自分を売る仕事へ切り替える。スキル、戦術、習慣、そして鬼スピリッツまで網羅し、精神論と実務のバランスがいい。辞書のように何度も開ける構成です。
こんな人におすすめ
お願い型の営業から抜け出したい若手。数字が伸びず自分を律する軸がほしい人。朝礼前や商談前に一つずつ原則を確認したい場面に。営業チームの共通言語づくりにも。甘えを断つ覚悟を求めたい人へ。
良い点
- 100項目で引きやすい
- 精神面と技術の両立
- 価格が手頃で導入しやすい
気になる点
- 網羅的で通読は重い
- 刺激が強めで好みが分かれる
- 体系的解説は少ない
出版社
明日香出版社
発売日
2018年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100個って、けっこうな量ですよね。全部覚えなきゃいけないんでしょうか……。それとも、何度も読み返す感じですか?
佐藤メバル
通読するより、気になる項目から開く辞書みたいな使い方が向いているよ。著者は三十年の現場で数千人のデータを見てきた人で、媚びを売る営業から誇りを売る営業へという軸が全編を貫いている。
橘ナナミ
媚びを売る、っていう言い方、けっこう刺さります。お願いする営業って、無意識にやってるかも。
佐藤メバル
そこに気づけると強いね。スキル、戦術、習慣、そして鬼スピリッツ。甘えを捨てる覚悟を求める一方で、実務の原則もきっちり並んでいる。
朝の一本、商談前の一本に使うと効いてくるよ。

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
高橋浩一 著|かんき出版
¥2,420(税込)
営業一万・お客様一万の計二万人調査と、十二年・四万人指導の知見から、努力が報われない原因を「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」で解き明かす。はぐらかし、忙しさ、いきなりの、とにかく安く、検討します——五つの仮面を外す具体的な武器が章ごとに示され、目の前の商談に当てはめながら読める。やみくもに努力を増やす前に、急所を押さえる発想へ切り替えさせてくれる。
こんな人におすすめ
がんばっているのに結果が出ないと悩む中堅・ベテラン。感覚ではなくデータで商談を見直したい人。営業チームの指導者やマネジャーが、メンバーへの助言の材料にしたい場面にも。厚い本ですが、章単位で今の商談に当てはめられます。
良い点
- 二万人調査で裏づけ
- 仮面という整理が分かりやすい
- 商談の停滞を分析できる
気になる点
- ページ数が多く重い
- 価格はやや高め
- データが中心で物語性は薄い
出版社
かんき出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
二万人調査って、数字がすごいですね。でも調査データが多い本って、読み物としては硬くなりませんか?
佐藤メバル
そこを「仮面」という言葉でほどいているのがうまいところなんだ。たとえば「検討します」と言われたとき、その裏の仮面をどう外すか。
急所を外すと努力は報われない、逆に押さえれば効率が跳ね上がる、というのが一貫した主張だよ。
橘ナナミ
なるほど、お客さんの表面的なセリフと本音は違うってことですね。
佐藤メバル
そう。「忙しさの仮面」なら価値の根拠を示す、「とにかく安くの仮面」なら判断基準を作りにいく。章ごとに仮面と武器が対になっているから、今ぶつかっている商談を思い浮かべながら読むと当てはめやすいよ。

セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術
今井晶也 著|扶桑社
¥1,760(税込)
営業支援会社が二十三年・千百社・一万二千商品で培った方法論を、一般向けに噛み砕いた一冊。トップセールス共通のマインドから、アポ獲得、そして商談を七分割して否定材料を一つずつ消していく進め方まで、プロセスで成果を設計します。本来は顧客向けに高額で提供していたノウハウという出自も、再現性を重視したい人には心強い。新人の型づくりにも、ベテランの見直しにも使えます。
こんな人におすすめ
勘や根性ではなく手順で売りたい営業パーソン。新規のアポが取りづらいと感じている人。商談のどこで落ちているかを分解して見直したい場面や、チームの型づくりに。新人が手順を覚える最初の一冊としても使えます。
良い点
- プロセス分解が具体的
- マインドと技術を両立
- 新人からベテランまで使える
気になる点
- やや抽象的との声も
- 実践には反復が必要
- 事例の分量は多め
出版社
扶桑社
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「成果をコントロールする」って、営業でそんなことできるんですか?なんだか強気なタイトルで、逆に気になります。
佐藤メバル
そこが売りなんだね。商談を七つに分けて、各段階でお客様が抱く否定材料を一つずつ消していく。勘や根性ではなく理論で売るというのがこの会社の一貫した姿勢で、二十三年の蓄積が背景にあるから手順に説得力があるよ。
橘ナナミ
七分割、気になります。どこでつまずいてるか、見える気がします。
佐藤メバル
そう、感覚だと「なんとなく決まらない」で終わるところを、段階ごとに点検できる。千社以上、一万二千商品を扱ってきた実績があるから、型として信頼できる。
新人が型を覚えるのにも、ベテランが自分の癖を直すのにも向く一冊だね。

営業の一流、二流、三流 (アスカビジネス)
伊庭正康 著|明日香出版社
¥1,540(税込)
リクルートでトップを誇り、研修でも優秀な営業を輩出してきた著者が、一流・二流・三流の違いを営業の機微として並べていく。たとえば「あなたのしているネクタイに戦略がありますか」——スキルの差より前に、こだわりや見方の差が結果を分けるという視点が全編を貫きます。結果を出す人の小さなこだわりを、自分の仕事に置き換えて考えられる一冊です。
こんな人におすすめ
基本はできているのに伸び悩む中堅。自分のこだわりを見直したい人。後輩や新人に何を伝えるかを整理したいマネジャーが、指導の前後に読む場面にも。短いので通勤の行き帰りで通読でき、一流と二流の差を自分の言葉で語れるようになります。
良い点
- 三流との対比で分かりやすい
- 視座の話が中心で本質的
- 短めで読み切りやすい
気になる点
- 技術の詳細は控えめ
- 経験者向けの内容
- 人によっては抽象的
出版社
明日香出版社
発売日
2015年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ネクタイに戦略、って面白いですね。服装の話から営業の本質に入るんですか?一流と三流って、そんなに違うものなんでしょう……。
佐藤メバル
そう、そこが著者のうまさでね。一流は結果のためにちょっとしたこだわりを持っている。それを一流・二流・三流と並べて見せてくれるから、スキルの差より前に、見方や準備の差があると気づかされるよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ技術を磨く前に読む感じですか?
佐藤メバル
基本はできているのに伸びない、という人が読むと効くね。リクルートでトップを取った人が、研修でも多くの営業を育ててきたから、指導の視点も入っている。
後輩に何を伝えるか整理したいマネジャーにもいいよ。

営業は台本が9割
加賀田裕之 著|きずな出版
¥1,650(税込)
トップセールスに学んだ秘訣を、購買心理に基づく営業台本として体系化した一冊。ニーズの深掘り、専門家として認知させる質問、FABECの公式、選ばせるクロージングの五ステップ、反論の想定まで、商談の脚本を自分で書く手順が並びます。感覚で売っていた人が、準備で勝つ側へ移るための設計図。見込み客の多くは台本の磨き込みで届く、という主張も実践的です。
こんな人におすすめ
商談が行き当たりばったりになりがちな若手・中堅。トークを暗記ではなく設計で組み立てたい人。商談前夜に台本を書き、振り返りに使う場面や、研修の教材としても。トークに自信がない人ほど効果が出やすい内容です。
良い点
- 台本という型が明確
- 質問例が具体的
- 反論対策まで網羅
気になる点
- 台本づくりに手間がかかる
- 暗記頼みになると脆い
- 現場の即興性は別途必要
出版社
きずな出版
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業は台本が9割、って言い切るのがすごいですね。台本って、棒読みになりませんか?覚えるの、大変そうなんですが……。
佐藤メバル
そこは誤解されやすいところでね。この本の台本は、購買心理に沿ってお客様の「欲しい」を引き出す流れを設計するものなんだ。
セリフの暗記ではなく、どの順番で何を聞くかの脚本だと思えばいい。
橘ナナミ
なるほど、設計図なんですね。FABECとか、選ばせるクロージングとか、言葉だけ聞くと難しそうです。
佐藤メバル
名前は難しく見えるけど、商品説明の順番と締め方の型だよ。反論もあらかじめ想定して台本に組み込んでおくから、商談がぶれにくい。
行き当たりばったりを卒業したい人、トークに自信がない人ほど効く一冊だね。

ドリルを売るには穴を売れ
佐藤義典 著|青春出版社
¥1,815(税込)
「ドリルを売るには穴を売れ」——商品ではなく顧客にとっての価値(ベネフィット)から考えよ、というマーケティングの核心を、ベネフィット、ターゲティング、差別化、4Pの順でほどく入門書。閉店寸前のレストランを新人が立て直すサブストーリーが並走するので、理論が実戦の場面と結びつきます。営業の手前にある「誰に何を届けるか」を掴みたい人へ。
こんな人におすすめ
売り方の前に、何を誰に届けるかで悩む営業・企画担当。マーケティングの全体像を一度整理したい人。新人教育の導入や、提案書を書く前の頭の整理に読む場面にも。営業以外の職種にも応用が利きます。
良い点
- 理論と物語が並走する
- 4Pまで一冊で押さえられる
- 入門として親切な構成
気になる点
- 実践の細部は薄い
- 営業技術の話ではない
- 経験者には物足りない
出版社
青春出版社
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルが独特です。「ドリルを売るには穴を売れ」って、どういう意味なんですか?マーケティングの本と営業の本は、何が違うんでしょう。
佐藤メバル
いい質問だね。お客様が欲しいのはドリルそのものじゃなくて、壁に開く穴、つまりその先の価値だというたとえなんだ。
商品からではなく、顧客にとってのベネフィットから考え始めよう、という基本を説いている。
橘ナナミ
なるほど、モノじゃなくて価値ですね。でもマーケティングって、営業の本とはまた別の話では?
佐藤メバル
つながっているよ。誰に売るかのターゲティング、選ばれる理由の差別化、届け方の4P。閉店寸前のレストランを新人が立て直す話が並走するから、理屈が場面で見えてくるんだ。

営業の「聴く技術」: SPIN「4つの質問」「3つの説明」
ケンブリッジ・リサーチ研究所 著|株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
¥1,980(税込)
SPINの合言葉「聞く・聴く・質く」を軸に、質問を通じてお客様の経営課題を明らかにする技術をまとめた一冊。こちらが話すのではなく、質問によって相手自身がニーズを顕在化させ、確信していく——その場をソリューションプロセスの中で何度も作り出せるのが強みだと説きます。語呂合わせの標語に頼らず、質問の役割を整理して学べる実践的な入門です。
こんな人におすすめ
説明が長くなりがちで、お客様の課題を引き出せていないと感じる営業。ソリューション営業の入り口を学びたい人。初回訪問の前後に質問の引き出しを増やしたい場面にも。コンパクトに要点を押さえたい人に向きます。
良い点
- 質問中心の進め方が明確
- 課題の引き出し方が分かる
- コンパクトで読みやすい
気になる点
- 大型商談の詳細は別書
- 事例は限られる
- 理論の背景は控えめ
出版社
株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「聞く・聴く・質く」って、同じ響きの言葉が並んでますけど、どう違うんですか?わざわざ三つ並べる意味があるんでしょうか。
佐藤メバル
よく気づいたね。聞くは耳で受け取ること、聴くは相手の思いまで受け止めること、質くは問いをぶつけて相手自身に気づいてもらうこと。
この三つを使い分けて、課題を一緒に明らかにしていくのがSPINの考え方なんだ。
橘ナナミ
相手に気づいてもらう、か。こちらが説明しちゃうのとは真逆ですね。
佐藤メバル
そう、語呂ではなく役割が違うんだよ。質問によって相手の中でニーズが立ち上がり、確信に変わっていく。その場を何度も作れることが強みだとこの本は言っている。
ソリューション営業の入り口をコンパクトに押さえたい人に向くね。

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
ニール・ラッカム 著|海と月社
¥1,980(税込)
著者が十二年をかけ三万五千件のセールスを実地調査し、一回で決まる小型商談と、複数回を重ねる大型商談では有効な方法が違うと初めて示した原典。状況・問題・示唆・解決の四つの質問を使い分け、買い手自身に必要性を語らせる流れを、実例を交えて丁寧に解説します。長く読み継がれてきただけあり、質問話法の土台を確認したい人に向きます。
こんな人におすすめ
何人もの関係者が絡む大型案件を担当する中堅・ベテラン。質問話法を原典で学び直したい人。提案前の課題整理や、商談設計を見直す場面に。営業チームの共通テキストとしても。何度も通う商談の組み立てに悩む人へ。
良い点
- 実地調査に基づく理論
- 大型商談に特化
- 長く読まれる定番
気になる点
- ページ数が多く時間が要る
- 小型商談には過剰
- 時代背景の差は感じる
出版社
海と月社
発売日
2009年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
SPINって聞いたことはあるんですが、この本はかなり前に書かれたものなんですよね。今読んでも古くないんでしょうか。
佐藤メバル
そこは安心していいよ。十二年かけて三万五千件の商談を実地で調べた原典で、一回で決まる小型商談と、何度も重ねる大型商談では勝ち筋が違うと初めて示した本なんだ。
二十年以上読み継がれているのには理由がある。
橘ナナミ
状況・問題・示唆・解決、でしたっけ。四つの質問を使い分けるんですよね。
佐藤メバル
そう。特にお客様自身に必要性を語ってもらう流れが核心だね。大型案件で関係者が多いほど効いてくる。質問話法の土台を原典で確認したい人、何度も通う商談を組み立て直したい人に向くよ。

なぜ、「質問」だけで売れるのか?: 気づけば成約に至っている「質問型営業」入門
青木毅 著|日本実業出版社
¥1,760(税込)
質問型営業を提唱してきた著者が、専門アドバイザーとしての信頼を得ながら売れる考え方を講義形式で説く入門書。押し込むのではなく問いかけで相手の課題を引き出し、選んでもらう流れを、一歩ずつ解説していきます。同じ著者の実践編に進む前に、質問型の全体像と心構えをやさしく掴みたい人にちょうどよい入口です。
こんな人におすすめ
売り込みが苦手で、会話から受注につなげたい若手。質問型営業をまず一冊で理解したい人。研修の前後や、商談の録音を振り返りながら読む場面にも。押し売りから抜け出したい人にも向いています。
良い点
- 講義形式で読みやすい
- 質問型の全体像が掴める
- 押し売りからの転換に効く
気になる点
- 実践編と重なる部分がある
- 具体例はやや少なめ
- ベテランには物足りない
出版社
日本実業出版社
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
質問だけで売れる、って言われても、ちょっと信じられないんですけど……。本当にそんなことってあるんですか?
佐藤メバル
この本はそこを講義形式で丁寧に説いていくよ。こちらが押し込むのではなく、問いかけで相手の課題を引き出し、選んでもらう。
専門アドバイザーとして信頼を積む、という考え方が軸になっているんだ。
橘ナナミ
なるほど。同じ著者の本が他にもありますよね。どっちから読めばいいんでしょう?
佐藤メバル
全体像をつかむならこちらが入り口だね。質問型の考え方と心構えが一冊にまとまっているから、先にこれを読んでから実践編に進むと頭の整理がしやすい。
売り込みが苦手だという人ほど、最初の一冊に向いているよ。

3万5000人を指導してわかった 質問型営業でトップセールスになる絶対法則 新人でも3か月で1年の予算を達成できる!
青木毅 著|ダイヤモンド社
¥1,540(税込)
世界八十四か国・二千五百の代理店の中で大賞を取った著者が、三万五千人の指導から見えたトップセールスの共通点を場面別に整理した一冊。見込み客の見極め、アプローチ、プレゼン、クロージング、フォロー、セルフマネジメントと、つまずきやすい場面ごとに、トップが何をしているかを具体例で示します。質問型を実践の手順に落としたい人へ。
こんな人におすすめ
質問型営業を学び、日々の商談で使える形にしたい中堅。場面ごとに手順を確認したい人。見込み客の選別やフォローの仕方を改善したい場面に。予算達成の考え方を知りたい人や、自己管理の見直しにも役立ちます。
良い点
- 場面別の構成で引きやすい
- 成功事例が具体的
- 自己管理まで触れる
気になる点
- 前著と重なる箇所がある
- 事例の好みは分かれる
- 理論の深掘りは控えめ
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2019年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「3か月で1年の予算を達成」って、インパクトがすごいですね。そんなトップセールスが、本当にいるんでしょうか。
佐藤メバル
著者自身が世界八十四か国、二千五百の代理店の中で大賞を取った人で、三万五千人を指導してきた中で見えた共通点をまとめた本なんだ。
だから単なる願望ではなく、場面ごとのやり方が書かれている。
橘ナナミ
場面別、というのは具体的にどんな流れなんですか?
佐藤メバル
見込み客の見極め、アプローチ、プレゼン、クロージング、フォロー、そして自分の管理。つまずきやすいところごとに、トップが何をしているかを並べてくれている。
質問型を学んだけど現場で使えていない、という人が手順に落とすのに向いているよ。

成果に直結する「仮説提案営業」実践講座
城野えん 著|日本実業出版社
¥1,980(税込)
BtoB営業で武器になる仮説を立てて提案する進め方を、仮説の作り方から資料作成、商談への落とし込み、オンラインでの進め方まで、豊富な図解で解説する実践講座。事前準備や会議の合間の短い報告、進捗ミーティングの重要性にも触れ、提案が通るまでの流れを一冊で組み立てます。BtoBの提案力を底上げしたい人に向きます。
こんな人におすすめ
法人相手に提案営業をする中堅。資料づくりと商談のつなぎ方に悩む人。オンライン商談が増え、進め方を見直したい場面や、チームの提案品質を揃えたいマネジャーにも。図解が多いので、実務の合間に拾い読みできます。
良い点
- 図解が多く理解しやすい
- 資料作成まで踏み込む
- オンライン商談も扱う
気になる点
- BtoB以外には響きにくい
- 内容はやや実務寄り
- 物語性はない
出版社
日本実業出版社
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「仮説提案営業」って、仮説を立ててからお客様に会うんですよね。でも仮説が外れたらどうするんだろう……。
佐藤メバル
そこはこの本が丁寧に扱っているところで、仮説の立て方から資料作成、商談への落とし込み、そしてオンラインでの進め方まで図解で追える。
会議と会議の間の短い報告や進捗ミーティングの重要性にも触れているよ。
橘ナナミ
BtoB向けなんですね。学生の私には遠い世界ですが、資料を作る場面は想像できます。
佐藤メバル
そう、法人相手の提案は準備の質がそのまま結果に出る。だから事前準備と、提案が通るまでの流れを一冊で組み立てられるのが強みなんだ。
図が多いから、実務の合間に拾い読みできるのもいいね。

仮説起点の営業論 キーエンスに学び、磨いたセールス・スキル (角川新書)
鈴木眞理 著|KADOKAWA
¥1,386(税込)
キーエンスで学び、freeeで磨いた仮説構築から始める営業論。顧客自身がまだ気づいていないニーズに気づいてもらうにはどうするか——本質的な課題設定、情報収集、仮説構築、検証、交渉、クロージングまでを一貫して説きます。仮説は間違えてもいい、完璧でなくていいという現実的な構えも含め、思考の型として身につく新書版の一冊。
こんな人におすすめ
提案の種を自分で見つけたい中堅・ベテラン。顧客の潜在ニーズに迫りたい人。通勤や出張の移動中に、思考の型をじっくり確認したい場面に。若手が思考の土台を作るのにも。仮説思考を手元に置いておきたい人へ。
良い点
- 仮説の作り方を一貫して学べる
- 新書で持ち歩きやすい
- 間違いを許す構えが実践的
気になる点
- 抽象度が高めの章もある
- 即効テクニックは少ない
- 読み込みに時間がかかる
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
キーエンスで学んでfreeeで磨いた、って経歴が気になります。業界や会社が違っても、通じるものなんですか?
佐藤メバル
そこが面白いところでね。商材は違っても、顧客自身が気づいていないニーズに気づいてもらう、という営業の本質は変わらない。
課題設定から情報収集、仮説構築、検証、交渉、クロージングまで一貫して語っているよ。
橘ナナミ
仮説が外れたら自信をなくしそうですけど、そこは大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
この本は「間違えてもいい、完璧でなくていい」と構えるところから始まる。外れることを前提に検証を重ねる思考の型を教えてくれるんだ。
通勤や出張の移動中に読み込むのに向いている新書だね。

営業脳のつくり方: ”話す営業”から”思考する営業”へのアップデート方法
千三木峻 著|産業能率大学出版部
¥1,870(税込)
トップセールスは話す「前」に勝っている——著者が約二十年の現場経験と組織崩壊の経験を経て体系化した「成約の設計図」を公開する一冊。顧客の脳内で何が起きているかを踏まえ、営業を「話す仕事」から「思考の仕事」へと捉え直します。営業とはセンスではなく設計、気合ではなく危機管理だという視点が、準備の意味を変えてくれます。
こんな人におすすめ
話術に頼りがちで、商談前に勝ち筋を設計できていないと感じる営業。考える営業へ軸足を移したい人。商談前日の準備や、振り返りの場面に。自分の価値を信じられなくなっている人にも届く一冊です。
良い点
- 準備の意味が変わる
- 思考の整理に役立つ
- ページ数が適度で読みやすい
気になる点
- 具体的な型は少なめ
- 抽象度が高め
- 若手には難しい面も
出版社
産業能率大学出版部
発売日
2026年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業脳」って、なんだか新しい言葉ですね。脳って、鍛えられるものなんですか?話す前に勝つ、というのも想像がつきません。
佐藤メバル
この本が言うのは、話す前にどれだけ考えて設計できているか、という話なんだ。著者は約二十年の現場と、組織が崩れた経験を経て成約の設計図を体系化した。
営業はセンスではなく設計、気合ではなく危機管理だ、と。
橘ナナミ
話す前、か。私はつい話し方ばかり気にしていました。
佐藤メバル
そこに気づけると見え方が変わるね。顧客の頭の中で何が起きているかを踏まえて、商談の前に勝ち筋を組み立てる。
話す仕事から考える仕事へ軸足を移す、というのがこの本の主題だよ。

売らない営業
松本義史 著|新星出版社
¥1,650(税込)
五千人いる営業の現場で最下位だった著者が、売り込むスタイルを封印し、雑談を主体に「頼れる先輩」の立ち位置を獲得してトップになった方法を語る一冊。まず好かれる、次に役に立つ、そして頼られる——この順番で関係を積み上げれば自然と売れる、という主張です。面談までたどり着けない、話は盛り上がったのに受注できない、という悩みに応えます。
こんな人におすすめ
商談の入り口でつまずき、雑談から関係を築きたい営業。押しの強い売り方に限界を感じている人。新規開拓や既存顧客との面談前後に読む場面にも。後輩や部下を持つ人にも、自分を売り込むのが苦手な人にも参考になります。
良い点
- 最下位からの実例が励みになる
- 立ち位置という視点が新しい
- 会話の入り口に効く
気になる点
- 商談の終盤は薄め
- 雑談の型は別途必要
- 業種によって差が出る
出版社
新星出版社
発売日
2026年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「売らない営業」って、タイトルだけ見ると矛盾してますよね。売らないのに売れるって、どういうことなんですか?
佐藤メバル
著者は五千人規模の営業現場で最下位からトップになった人でね。売り込むスタイルをいったん封印して、雑談を主体に「頼れる先輩」の立ち位置を取る。
まず好かれる、次に役に立つ、そして頼られる。この順番だよ。
橘ナナミ
順番が大事なんですね。「話は盛り上がったのに受注できない」は、私も想像できます。
佐藤メバル
その悩みに直球で応える本だね。押しの強い売り方に限界を感じている人ほど効く。新規の面談や、既存のお客様との会話の入り口を変えたいときに読むといいよ。

営業マンは「お願い」するな!
加賀田晃 著|サンマーク出版
¥1,300(税込)
契約率九十九パーセントという記録を残した著者が、お客のために「売ってあげる」という営業観を説く一冊。買ってもらう姿勢を捨て、相手が断りきれない状態へ導く「誘導の芸術」として営業を定義します。考え方、テクニック、セオリーが詰まり、お客様から感謝される営業とは何かという原点に立ち返れる。長く読まれている古典の入り口です。
こんな人におすすめ
お願いして買ってもらう姿勢から抜け出したい営業。営業の心構えを根から見直したい人。新人研修の副読本や、朝礼前の一冊として読む場面にも。後輩や部下に渡す本を探している人にも向きます。
良い点
- 営業観が根底から変わる
- 古典として読み継がれる
- 価格が手頃で入りやすい
気になる点
- 表現がやや古風
- 再現には工夫が要る
- データの裏づけは少ない
出版社
サンマーク出版
発売日
2011年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
契約率99%って、桁が違いますね……。でも「お願いするな」って、じゃあどうやって売るんですか?買ってもらうのと何が違うんでしょう。
佐藤メバル
著者の定義が面白くてね。営業とは、よいと信じた物を相手のために断りきれない状態にして売ってあげる誘導の芸術だ、と言っている。
買ってもらうのではなく、売ってあげるという姿勢なんだ。
橘ナナミ
売ってあげる、か。言い方によっては失礼にも聞こえますけど、お客様のためという前提なんですね。
佐藤メバル
そこを取り違えると危ないけど、根っこはお客様の役に立ちたいという気持ちだよ。長く読み継がれてきた古典だから表現は少し古いけれど、心構えを根から見直したい人には効く。研修の副読本にもいいね。

営業マンは「商品」を売るな!
加賀田晃 著|サンマーク出版
¥1,373(税込)
前著から二年後に出た一冊で、著者が営業マンに一番大切だと説く「愛」と「情熱」を、礼儀と話し方でどう表現するかに踏み込んでいます。さらに自らを奮い立たせる「プロの道程十一か条」と、つまずきの原因を並べた「売れない原因十一か条」も公開。心構えを行動と言葉の作法に落としたい人が、そのまま真似できる構成です。
こんな人におすすめ
前著を読んで実践に移したい営業。話し方や礼儀の作法を整えたい人。朝礼前や商談前に気持ちを立て直したい場面、後輩指導の材料としても。自分を奮い立たせる言葉が欲しいとき、心構えを行動に変えたい人に。
良い点
- 作法まで踏み込む
- 条文が真似しやすい
- 短くまとまっている
気になる点
- 前著と重なる部分がある
- 精神論が中心
- データは出てこない
出版社
サンマーク出版
発売日
2013年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの本の続きなんですね。商品を売るな、ってことは、何を売るんでしょう?前の本と重なる部分も多いんですか?
佐藤メバル
著者の答えは「愛」と「情熱」だよ。それをお客様に伝えるための礼儀と話し方を、この本はみっちり説いている。
抽象論で終わらせず、作法まで下ろしているのがいいところだね。
橘ナナミ
なるほど。「プロの道程十一か条」に「売れない原因十一か条」も入っているんですよね。
佐藤メバル
そう、自分を奮い立たせる条文と、つまずく原因を並べてくれている。そのまま真似してみてください、というのが著者の姿勢なんだ。
心構えを行動に移したい人、話し方や挨拶を整えたい人に向くよ。

営業は準備力: トップセールスマンが大切にしている営業の基本
野部剛 著|東洋経済新報社
トップセールスマン二千人以上への詳細なインタビューを分析し、売れない営業ほど事前準備とヒアリングが弱いという結果を体系化した一冊。お客様がどんな問題を抱え、何を求めているかを聞き出す傾聴力と、相手も気づいていないニーズを事前情報と照らして整理する力。それが今のソリューション営業だと説きます。準備と聴く力を同時に鍛えたい人へ。
こんな人におすすめ
商談の場当たり感をなくしたい若手・中堅。ヒアリングと事前準備の質を上げたい人。訪問前の情報整理や、商談後の振り返りの場面に。お客様自身も気づいていないニーズを引き出したい人に。
良い点
- 準備とヒアリングを同時に扱う
- 調査に基づく構成
- 短めで実践しやすい
気になる点
- 具体の深掘りは控えめ
- 既視感のある内容も
- 事例は限られる
出版社
東洋経済新報社
発売日
2014年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
準備が八割って、けっこう極端に聞こえます。準備ばかりして時間を使いすぎる、なんてことになりませんか?
佐藤メバル
この本は二千人以上のトップセールスマンにインタビューして、売れない営業ほど事前準備とヒアリングが弱いという結果を出しているんだ。
準備は儀式ではなく、お客様の課題を見つけるための材料集めだと考えればいい。
橘ナナミ
なるほど。聞く力と準備はセットなんですね。
佐藤メバル
そう、そこが要点だよ。お客様が気づいていないニーズを、事前情報と照らし合わせて整理して、これでしょうと差し出す。
これが今のソリューション営業だと説いている。訪問前の情報整理と、商談後の振り返りに効く一冊だね。

できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣
伊庭正康 著|PHP研究所
¥1,550(税込)
リクルートでプレイヤーとマネジャーの両部門で年間全国トップ表彰を四回受けた著者が、短時間で成果を出すために「これだけはやる」ことを絞り込んだ一冊。営業マン時代はほぼ毎日定時帰りを貫き、やみくもに走るのではなく頭で稼ぐ姿勢を徹底してきました。AIやリモートで商談の形が変わった時代の勝ち筋にも触れています。
こんな人におすすめ
忙しさに追われ、努力の割に数字が出ていないと感じる営業。長時間労働から抜け出したい人。AIや在宅商談が増えた環境で、やり方を見直したい場面に。人見知りだったという著者の経験に励まされる人も多いはずです。
良い点
- やることが絞られ迷わない
- 短時間で成果を出す考え方
- 時代の変化も扱う
気になる点
- 人によっては物足りない
- 経験者向けの内容も
- 具体例は多めで冗長に感じる人も
出版社
PHP研究所
発売日
2021年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「これしかやらない」って、逆に不安になりませんか?やることを絞るのって、勇気がいる気がします。それで本当に成果が出るんでしょうか。
佐藤メバル
そこがこの本の売りでね。著者はリクルート時代、プレイヤーとマネジャーの両部門で全国トップ表彰を四回受けながら、ほぼ毎日定時帰りを貫いた人なんだ。
走り回るのではなく、頭で稼ぐ。やることを絞るから集中できる、という理屈だよ。
橘ナナミ
なるほど。AI時代の話も入っているんですよね。
佐藤メバル
そう、商談の形が変わっても営業はなくならない、ただし必要とされる営業と淘汰される営業に分かれる、という見立てが面白い。
短時間で成果を出したい人、長時間労働から抜けたい人に向く一冊だね。

営業の赤本 売り続けるための12.5原則
ジェフリー・ギトマー 著|日経BP
¥2,020(税込)
全米で支持された一冊で、著者は十二・五の秘策という独特の数え方で営業の成功をつかむ道筋を示します。単なるノウハウにとどまらず、人間的成長を前提としたコミュニケーションの指南書であり、自己啓発書としても読める構成。二十代から四十代の営業はもちろん、対人スキルを高めたい人にも効果的だとされています。売る前に人を磨きたいときに向きます。
こんな人におすすめ
テクニックだけでなく人として成長したい営業。長く読み継がれる定番を手元に置きたい人。後輩と読書会をする場面や、自分の対人スキルを見直すときにも。世代を問わず、コミュニケーションを磨きたい人に向きます。
良い点
- 人間的成長に軸を置く
- 海外の定番を押さえられる
- 対人スキルにも通じる
気になる点
- 文化的な差異を感じる箇所も
- 具体的な商談手順は少なめ
- 訳書の文体が好みを分かれる
出版社
日経BP
発売日
2006年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルに「赤本」ってありますけど、日本の受験参考書みたいです。中身もそんな感じなんですか?海外の本なんですよね。
佐藤メバル
そこは名前の由来が別にあってね。内容的には、人間的成長を前提としたコミュニケーション指南で、自己啓発書としても読めるんだ。
十二・五という中途半端な数の秘策、という遊び心も面白い。
橘ナナミ
12.5って、最後の一つが半分なんでしょうか。そこも気になります。
佐藤メバル
そう、そこが著者のユーモアと本気が混ざったところだね。ノウハウだけで終わらせず、人としてどう在るかを説いている。
テクニックの前に自分の軸を整えたい人、後輩と読書会をしたい人に向くよ。

トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣 (ASUKA BUSINESS 2331-8)
伊庭正康 著|明日香出版社
¥1,760(税込)
元リクルートで全国一位を取った著者が、お客様の期待を超える気くばりを四十七の秘訣として並べた一冊。提案するだけなら機械でも足りる時代に、業者としてではなくパートナーとしての関係を築くにはどうするか。ふるまい、配慮、会話、提案、そして頼られる存在になるまでを章で追います。長く売り続けたい人に効く内容です。
こんな人におすすめ
既存顧客と長く付き合いたい営業。新規開拓がうまくいかず関係づくりに悩む人。商談前後のちょっとした配慮を見直したい場面や、接客を伴う職種にも。目標達成に苦しくなってきた中堅、パートナーとして選ばれたい人へ。
良い点
- 気くばりが具体的
- 章立てで読み進めやすい
- 長期的な関係づくりに効く
気になる点
- 即効性は限られる
- 細かい実践には根気が要る
- 内容はやや多め
出版社
明日香出版社
発売日
2024年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
気くばりって、普段から心がけているつもりなんですけど、それ以上に何かあるんでしょうか。47個もあると、覚えきれない気がします。
佐藤メバル
この本が扱うのは作法やマナーより一歩先でね。お客様の「もっとこうしてほしい」に応え、こちらからも提案する、期待を超える気くばりを四十七並べている。
元リクルートで全国一位を取った人が、提案するだけなら機械で足りる時代だと書いているんだ。
橘ナナミ
機械で足りる、は少し怖い言い方ですね。じゃあ営業に残る仕事って、何なんだろう。
佐藤メバル
業者ではなくパートナーとしての関係を築くことだよ。ふるまい、配慮、会話、提案、そして頼られる存在になるまでを章で追っている。
既存のお客様と長く付き合いたい人、新規の関係づくりに悩む人に向くね。

記憶に残る人になる トップ営業がやっている本物の信頼を得る12のルール
福島靖 著|ダイヤモンド社
¥1,760(税込)
高卒で二十四歳までフリーター、三十一歳でアメリカン・エキスプレスに転職し、一年でトップ営業になった著者が、前職のリッツ・カールトンで身につけた意識を十二のルールにまとめた一冊。商品に強みがなくても選ばれる人になる、というのが主題です。商談や話術より前に「話を聞いてみたい」と思われる人になる。その思考法が並びます。
こんな人におすすめ
スキル以前に、人として信頼されたい営業。接客や提案の場で他者と差をつけたい人。商談前の心の整え方や、日々の振り返りの場面に。職種を問わず人と接する仕事に通じ、話術に自信がない人にも向いています。
良い点
- 実体験に基づく説得力
- 接客以外にも応用が効く
- ルールが明確で実践しやすい
気になる点
- 営業手順の解説は薄い
- ページ数は多め
- 内容がやや重なる章もある
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2024年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
リッツ・カールトンで学んだことを、営業に持ち込んだんですね。ホテルの接客と営業って、通じるんでしょうか。
佐藤メバル
その橋渡しがこの本の核心でね。二十四歳までフリーターだった人が、前職で身につけた意識を武器に、わずか一年でトップ営業になった。
話術より前に、話を聞いてみたいと思われる人になる、という視点だよ。
橘ナナミ
なるほど。12のルール、というのも覚えやすそうですね。
佐藤メバル
印象、気遣い、提案、感謝、挑戦——章ごとに一つのルールが置かれているから、自分に足りないところから拾える。
商品に特別な強みがなくても選ばれるようになる、という主張は、接客を伴う仕事の人にもよく効くね。

営業の雑談力 お客さんの「心地よい」を創る: 会社や研修では学べない「売れる」スキル (HIRO 出版)
山川裕士 著
商談や接客の時間のうち三分の一はビジネスに関係のない雑談——著者はそこに注目し、雑談を競争優位に変える方法を説きます。生活にも役立つ基礎の十五ルール、営業の場で効果を最大化する十一の手法、そして話題選びの「テキドニ・タイケイ・セイリ・スベシ」まで、何を話せばいいかの悩みに答える構成です。会話の入り口に困る人に向きます。
こんな人におすすめ
初対面や年齢差のある相手との会話が苦手な営業。商談前の雑談で距離を縮めたい人。新規訪問や、沈黙が気まずいと感じる場面に。接客や営業以外の会話にも応用できます。何を話せばいいか分からない、という人に。
良い点
- 雑談の型が具体的
- 話題の選び方が分かる
- 日常会話にも役立つ
気になる点
- 商談の中盤以降は薄い
- 業種によって効果に差
- 実践には場数が要る
出版社
詳細情報なし
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
雑談って、正直いちばん苦手です。何を話せばいいのか分からなくて、沈黙が怖いんですよね。相手のことも知らないし、話題も浮かばないし。
佐藤メバル
その悩みに直球で答える本だよ。著者は商談や接客の時間のうち三分の一は仕事と関係ない雑談だと指摘して、そこを武器に変える方法をまとめている。何を話すかの型も用意されているんだ。
橘ナナミ
型があるんですか。「テキドニ・タイケイ・セイリ・スベシ」って、呪文みたいですね。
佐藤メバル
語呂で覚えられるようにした話題の選び方だね。ほかにも日常で使える基礎の十五ルール、営業の場で効果を最大化する十一の手法と、段階を追って整理されている。
初対面や年の離れた相手との会話が苦手な人に、まず渡したい一冊だよ。

サイコロジーセールス最強の営業心理学
大谷侑暉 著|フォレスト出版
¥1,760(税込)
営業を教えるコンサルタントでありセールスYouTuberでもある著者が、人間の心理と認知バイアスを営業に落とし込む方法を説く一冊。ラポール獲得、ヒアリング、プレゼン、クロージングという流れに沿って三十六の心理法則と技術を配置し、自分の営業プロセスに一つずつ取り入れられる構成です。顧客の心の動きを理解したい人に向きます。
こんな人におすすめ
自分の話し方や進め方ではなく、相手の心理から商談を組み立てたい営業。ヒアリングやプレゼンに苦手意識がある人。若手の育成に心理の視点を足したいマネジャーにも。顧客理解から営業を見直したい人に。
良い点
- 心理法則が体系化されている
- 営業プロセス順に並ぶ
- 一つずつ試しやすい
気になる点
- 心理学の説明は簡潔
- 実践には検証が必要
- 事例の好みは分かれる
出版社
フォレスト出版
発売日
2023年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「サイコロジーセールス」って、心理学で売るってことですよね。なんだか相手を操るみたいで、ちょっと引っかかります。
佐藤メバル
そこは誤解しないでほしいんだけど、この本が向かっているのは顧客が潜在的に何を考え、何に困っているかを理解することなんだ。
著者は、営業がうまくいかない人の多くが自分にばかり意識が向いている、と指摘している。
橘ナナミ
なるほど。操作ではなくて、理解から始めるんですね。36の法則も気になります。
佐藤メバル
ラポール獲得、ヒアリング、プレゼン、クロージングと、営業の流れに沿って並んでいるから、一つずつ自分の商談に足していける。
認知バイアスという言葉が難しく感じても、読み進めれば身近な例で分かるよ。
読書ロードマップと、成果が出ない失敗パターン
橘ナナミ
「読み終えたのに数字が変わらない」という声をよく聞くんです。何が足りないんでしょう。
佐藤メバル
だいたい三つのパターンにはまる。ひとつは読みっぱなし——読了そのものが目的になって、翌日の行動が変わらない。二つ目は、全部やろうとすること。『営業の鬼100則』のように項目の多い本を一度に実践すると、どれも中途半端になる。三つ目は測っていないこと。アポ数、商談化率、受注率のどこを動かしたいのか決めずに読むと、効果があったかどうかも分からないんだ。
橘ナナミ
では、どう設計すればいいですか?
佐藤メバル
自己啓発系は「マインドの土台」、スキル本は「行動の型」と役割を分けて、同じ期間に両方へ手を広げないこと。1冊目で火をつけ、2冊目で質問や提案の型をひとつだけ持ち帰り、3冊目で仕組みに落とす。読後にやることは「明日変える1つ」を1行書くだけ。それ以上は要らないよ。
同一著者・重複テーマの整理と、入手・積読の実務
橘ナナミ
同じ著者の本が何冊もあって、どれを買えばいいか迷います。
佐藤メバル
たとえば加賀田晃さんの本は、お願いするなという考え方の骨格と、礼儀や話し方の実務で役割が分かれている。伊庭正康さんも、行動のこだわり、短時間で成果を出す習慣、気くばりとテーマが違う。質問型営業の本は入門と実践で役割が分かれる。まず今の自分の課題にいちばん近い1冊を選んで、効いたら次に進む。同じ主張を別の角度から読むのは復習になるけれど、同じ角度の本を何冊も買うのは重複投資だね。
橘ナナミ
買う前に中古や図書館で試すのはありですか?
佐藤メバル
あり。手元に置いて線を引き、何度も開く本だけを買えばいい。積読が増える人は「読む時間を先に予約する」——移動中や昼休みに何ページ、と決めてから買う。電子で持ち歩く、音声で通勤中に流す、という手もあるよ。
科学系・データ系の限界と、古典のアップデート
橘ナナミ
『営業の科学』のようなデータ系は、万能なんですか?
佐藤メバル
万能ではない。何万人もの調査に基づく分、平均的な傾向は強いけれど、あなたの商材や顧客層がその平均にいるとは限らない。だから数字を鵜呑みにせず、自分の商談記録と突き合わせて使う。それと、人間の購買心理を扱った古典は今も骨格として使える。オンライン商談や商談データが前提になった部分だけ、新しい本で上書きする。骨格は古典、道具は新刊。この二層で持つのが、今の現実的な読み方だよ。
よくある質問
営業本は結局どれから読めばいいですか?
橘ナナミ
営業本は結局どれから読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず1冊目で「火をつける」ことを優先してください。『営業の魔法』のような物語や、『営業の一流、二流、三流』のように視座を問う本で、営業という仕事への姿勢を整える。2冊目で『営業の「聴く技術」』など質問の型をひとつだけ持ち帰り、3冊目で『営業の科学』のような仕組み化の本に進む。この順番を飛ばしていきなり分厚い理論書から入ると、実践の場で使う前に力尽きやすくなります。
新人営業マンにおすすめの1冊は何ですか?
橘ナナミ
新人営業マンにおすすめの1冊は何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
『営業の魔法』が最初の1冊として向いています。売れない新人が喫茶店で出会ったスーパー営業マンから、早朝の実践レクチャーを受けて成長していく物語で、ノウハウ以前に「営業とは何をする仕事か」が体で分かります。同じく物語型なら『営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと』も読みやすく、顧客ファーストの考え方が腹に落ちます。手順を先に覚えたい人は『営業は準備力』を併せてどうぞ。
自己啓発本と営業ノウハウ本はどう使い分ければいいですか?
橘ナナミ
自己啓発本と営業ノウハウ本はどう使い分ければいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
役割が違うと考えてください。自己啓発系は行動を続けるための土台づくり、ノウハウ本は具体的な型づくりです。『営業の赤本』のように、単なるノウハウ論にとどまらず人間的成長を前提にしたコミュニケーション指南として読める本もあります。同じ期間に両方を大量に読むと実践が薄まるので、1冊ずつ交互に読んで、その都度ひとつだけ行動に移すのが現実的です。
『営業の科学』『Sales is』の違いは何ですか?
橘ナナミ
『営業の科学』『Sales is』の違いは何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
『営業の科学』は、営業と顧客あわせて2万人規模の調査をもとに、「購買者の仮面」の裏にある本音をどう捉えるかを解き明かす本です。一方の『セールス・イズ』は、営業支援会社が蓄積したデータからアポ獲得や商談プロセスの分割など、より実務の手順に踏み込みます。学説と現場の手順書、という違いで覚えると選びやすいです。なお『無敗営業』は本記事では掲載していないため、まずはこの2冊の役割の違いから整理するのがおすすめです。
漫画版や要約版、オーディオブックでも効果はありますか?
橘ナナミ
漫画版や要約版、オーディオブックでも効果はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
入口としては十分に効果があります。基準は「覚える本か、刺さる本か」。物語型の『営業の魔法』は音声と相性がよく、通勤中に耳から入るだけでも姿勢が変わります。一方で、質問の順番やデータの扱いを覚える必要があるSPINの原著や『営業の科学』は、要約版で済ませると肝心の使いどころを取りこぼします。手順を覚える本は活字か図解、気持ちを動かす本は漫画や音声、と使い分けてください。
営業本を読んでも成果が出ないのはなぜですか?
橘ナナミ
営業本を読んでも成果が出ないのはなぜですかについて教えてください。
佐藤メバル
典型的なのは、読了が目的になって翌日の行動が変わらないケースです。次に多いのが、項目の多い本を一度に全部実践してどれも中途半端になるパターン。そして、アポ数・商談化率・受注率のどこを動かしたいのか決めずに読むパターンです。読む前に動かしたい数字をひとつ決め、読後は「明日変える1つ」だけを1行書く。それだけで同じ本の効き方が変わります。
忙しくて読む時間がないときはどうすればいいですか?
橘ナナミ
忙しくて読む時間がないときはどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
時間を探すのではなく、先に予約するのがコツです。移動中や昼休みに何ページ読むか決めてから本を買う。読む時間が細切れになるなら、相性のいい音声や電子を選ぶ。積読が増える人は、手元に置いて何度も開く本だけを紙で買い、それ以外は図書館や中古で試す。1冊を最後まで読む必要はなく、必要な章だけをつまみ食いする読み方も立派な活用です。
オンライン商談やデータ営業の時代に古い名著は役立ちますか?
橘ナナミ
オンライン商談やデータ営業の時代に古い名著は役立ちますかについて教えてください。
佐藤メバル
役立ちます。ただし分けて考えること。人間がどう買いを決めるかという心理や質問の構造は、オンラインでも画面越しにそのまま効きます。一方で、商談の進め方や記録の取り方など道具立ての部分は更新が必要です。古典で骨格を学び、オンライン商談や商談データを前提にした部分は新しめの本で上書きする。骨格は古典、道具は新刊という二層の持ち方がおすすめです。
まとめ
橘ナナミ
今日の話、けっこう腹に落ちました。営業本って「魔法」を探すものだと思っていたんですけど、違うんですね。
佐藤メバル
そう。魔法をひとつ手に入れても、商材も顧客も違えば効かない。大事なのは、自分の車に合った工具を選ぶこと。売り込み型はエンジン、課題解決型はハンドル、仕組み型はカーナビだと思ってくれていい。エンジンだけ強くしても曲がれないし、カーナビだけ見ていても進まない。
橘ナナミ
なるほど…。じゃあ私、まず何から読めばいいですか?
佐藤メバル
今のあなたなら、物語で火をつけてから、質問の本に進むのがいい。読む前に「どの数字を動かしたいか」を一行書いておくこと。読了後の行動が決まっていれば、本はちゃんと武器になる。
橘ナナミ
エンジンとハンドルとカーナビを、一度に全部付け替えようとしない。まず自分の車の状態を見るところから始めます。
佐藤メバル
それがいちばん確実な近道だね。営業の本は、読んだ冊数ではなく、あなたの商談の中で一度でも使われたかで値打ちが決まる。今日選んだ1冊が、明日の商談で小さく光れば、それで十分なんだ。
