営業で利益を上げるための本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のお題は「営業利益」ですよね。言葉は聞いたことがあるんですけど、売上との違いを説明しろと言われると、ちょっと自信がないです……。
佐藤メバル
いい質問だね。営業利益は、ひとことで言えば本業で稼いだ利益のこと。会社が本来の事業——モノを作って売る、サービスを提供する——でどれだけ儲けたかを表す数字なんだ。書店員だった頃は「売上」ばかり追っていたけれど、バイヤーとして予算を預かるようになってから、この数字の見方が仕事を変えてくれたよ。
橘ナナミ
なるほど……!でも、棚づくりと営業利益って、どうつながるんですか?
佐藤メバル
値引きしすぎれば売上は伸びても利益は残らない。逆に、単価が同じでも原価や経費を抑えれば利益は残る。つまり「売ったあとに何が残るか」を考えるのが営業利益なんだ。今日は、この数字を本で学びたい人のために、入門から実務、経営の視点まで、選び方を一緒に整理していこう。
営業で利益を上げるための本の選び方
目的別で選ぶ
橘ナナミ
目的別って、たとえばどんな分け方ですか?
佐藤メバル
まず「定義を理解したい」なら、経営コンサルタントの三谷淳による『成長も安定も実現する経営指標「RPG」入門』がいい。営業利益を粗利で割るだけで収益性と安全性が測れる、と説く本だ。次に「経営分析をしたい」なら井上慎介の『利益率を2倍にする戦略的思考法』。売上10億で利益6,000万のA社と、売上1億で利益3,000万のB社、どちらが優れているか——という問いから入るよ。
橘ナナミ
その問い、私なら売上の大きいA社を選びそうでした……。
佐藤メバル
そこが落とし穴なんだよね。そして「営業現場で使いたい」なら山口英彦の『法人営業 利益の法則』。顧客をつかみ、関係を深め、確実に儲ける流れを、会話例つきで仕組み化している。「値上げを進めたい」なら、鬼頭宏昌の『売上・利益を伸ばす! 小さなお店の数字に強くなる本』が、黒字になる商品単価の決め方から入っていて実務的だ。
レベル別で選ぶ
橘ナナミ
会計の用語がゼロの人が最初に手に取るなら、どれでしょうか。
佐藤メバル
大野潔の『10分で読み解く!一流の営業マンになるための財務分析』は候補になる。細かい指標の計算は必要ない、財務諸表からメッセージを得て仮説を立てる、というスタンスで、法人営業の人が顧客の経営者と話すための一冊なんだ。
橘ナナミ
逆に、数字を扱う仕事をしている実務者なら?
佐藤メバル
高橋浩一の『営業の科学』や『法人営業 勝ちパターン大全』のように、膨大な調査データを土台にした本が向いている。経営者・管理職なら、本郷孔洋の『営業利益2割の経営』——30年の指導体験と経営データから中小企業の儲かる仕組みを実例で説く——や、金村秀一の『赤字社員だらけでも営業利益20%をたたき出した社長の経営ノート』が視野に入るよ。
扱う論点別で選ぶ
橘ナナミ
「損益計算書を読めるようになりたい」のか「資金繰りを知りたい」のかでも、選ぶ本が変わりそうですね。
佐藤メバル
そう。損益計算書の読み方なら先ほどの財務分析の本、プライシングなら『小さなお店の数字に強くなる本』、キャッシュフローや資金繰りなら西山真一の『社長、会社の利益とあなたの年収を同時に2倍にする方法』だね。この本は「黒字なのに、お金が残らない」という経営者の声から始まっていて、利益とキャッシュが別物だと気づかせてくれる。
形式・著者属性で選ぶ
橘ナナミ
読みやすい形式かどうかも気になります。
佐藤メバル
数字が苦手なら、指標を「メーター」に見立てた『RPG入門』のように図解・体系型が入りやすい。ケーススタディを読み込みたいなら西口一希の『良い売上、悪い売上』——売上を「良い売上」と「悪い売上」に峻別して考える本だね。著者で選ぶなら、中小企業診断士の西山真一、経営コンサルタントの近藤丈博による『90分で 利益を生み出す経営の極意』、営業の実務家である高橋浩一や山田和裕と、立場が違うぶん語り口も違う。自分が信頼できる著者を選ぶのも立派な基準だよ。
営業で利益を上げるための本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
営業で利益を上げるための本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

営業利益2割の経営
本郷孔洋 著|日本経営合理化協会出版局
¥10,780(税込)
雑貨卸、レストラン、不動産斡旋業——業界の常識を超えて営業利益2割をあげる会社が、なぜこれほど多様な業種で存在するのか。著者は30年の指導体験と膨大な経営データをもとに、その共通する「儲かる仕組み」を実例で解き明かしていく。精神論でも一過性のブームでもなく、数字の裏側にある構造に迫るのが本書の核。ページ数も厚く、経営者や幹部が腰を据えて読む価値のある一冊だ。営業テクニックや経営指標を単体で扱う本とは違い、業種をまたいだ再現性に焦点を当てている点が際立っている。
こんな人におすすめ
中小企業の経営者、後継者、部門責任者。自社の利益率が伸び悩み、業種の枠を超えて高収益モデルを研究したい人に向く。数字の羅列ではなく、実例から仕組みを学びたい読者、そして経営の手触りを時間をかけて確かめたい人に。
良い点
- 業種横断の実例が豊富
- 30年の指導体験に基づく
- 儲かる仕組みとして語られる
気になる点
- 通読には時間がかかる
- 理論より事例が中心
- 業種によっては距離がある
出版社
日本経営合理化協会出版局
発売日
2006年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業利益2割って、聞くだけで身構えちゃいます。雑貨卸にレストラン、不動産の斡旋まで、業種がバラバラなのに共通の仕組みがあるんですか?
佐藤メバル
そこが面白いところでね。IT企業だけじゃなく、一見地味な業種でも2割を超える会社がある。著者は30年の指導体験と膨大な経営データを並べて、それを偶然ではなく仕組みとして説明しているんだ。
実例ベースだから、自社に置き換えて考えやすい。
橘ナナミ
仕組み、という言葉が気になります。つまり才能や立地のような、偶然に頼る話ではないんですよね、と感じました。
佐藤メバル
そう。だからこそ経営者や幹部が時間をかけて読む価値がある。ただし厚い本だから、自社に近い業種の事例から拾い読みするのもいい。
数字の裏にある構造を掴みにいく読み方だね。

法人営業 利益の法則 (グロービスの実感するMBA)
山口英彦 著|ダイヤモンド社
¥2,824(税込)
「顧客をつかみ→関係を深め→確実に儲け→勝率を上げる」——この流れを、個人のスキルアップで終わらせず、チーム全体の力に変え、さらに利益を確実に「仕組み」化するところまで網羅した一冊。グロービスの「実感するMBA」シリーズらしく、抽象論に逃げず、若手営業マンが今日から使える交渉の会話例がついているのが心強い。景況に左右されず成果を出すための設計図として読める。営業テクニック本と経営書の橋渡しをする立ち位置が独特だ。
こんな人におすすめ
法人営業の若手から中堅、そして営業チームを預かるマネジャー。商談の会話に自信が持てず、個人の頑張りを組織の再現性に変えたい人に向く。交渉の具体例を手元に置きたい読者、育成の型を探している管理職にも。
良い点
- 交渉の会話例が具体的
- 個人技から仕組みまで射程
- MBAシリーズの体系性
気になる点
- 法人営業に内容が限定
- 価格志向の商談は別途
- 若手にはやや厚め
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2009年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「実感するMBA」ってシリーズ名が気になります。会話例つきと聞くと、実際の商談でそのまま使えるんでしょうか?
佐藤メバル
そこがこの本の強みだね。顧客をつかみ、関係を深め、確実に儲け、勝率を上げる。その流れを個人のスキルで終わらせず、チームの仕組みにするところまで書いている。
交渉の会話例が具体的だから、明日の商談に持ち込みやすい。
橘ナナミ
なるほど。ということは、売れている人だけが読む本ではなく、育てる側にも必要な内容なんですね。
佐藤メバル
そう、むしろマネジャーに読んでほしい。個人の成果を組織の再現性に変える視点があるからね。景況に左右されない商売の作り方として読むと、腹に落ちるところが多いよ。

戦略的営業利益向上マネジメント―コストをかけずにホワイトカラーの生産性を向上させる
坂本裕司 著|産能大出版部
副題に「コストをかけずにホワイトカラーの生産性を向上させる」とある通り、営業現場の外側——間接部門の生産性という切り口から営業利益を引き上げるマネジメントを扱う一冊。ページ数はコンパクトで、限られた時間で全体像をつかみたい管理職に向く。個々の営業スキルを磨く本とは違い、組織として稼ぐ力をどう設計するかに焦点を当てている。産能大出版部からの刊行で、任される立場の人が自社の構造を見直す入口になる。
こんな人におすすめ
営業部門だけでなく全社の生産性に関わる管理職、経営企画、間接部門の責任者。コストを増やさずに利益を上げたい局面で、短時間で論点を整理したい読者。営業以外の部門から数字に貢献したい人にも向く。
良い点
- コンパクトで要点が掴める
- 間接部門に着目している
- 管理職向けの視点が明確
気になる点
- 具体的な事例は少なめ
- 営業現場の実務書ではない
- 対象が管理職に限定される
出版社
産能大出版部
発売日
2008年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
副題に「ホワイトカラーの生産性」とあって、営業の本なのに営業以外の話?って一瞬思いました。
佐藤メバル
いい質問だね。営業利益を上げようとすると、つい営業の現場だけを見がちなんだけど、この本は間接部門の生産性という外側からアプローチしている。
コストをかけずに、という前提が肝なんだ。
橘ナナミ
なるほど。ページ数が多すぎないのも、忙しい管理職が読むことを想定しているんでしょうか。
佐藤メバル
そう受け取っていいと思う。限られた時間で論点を整理するのに向いた分量だね。個々の営業テクニックではなく、組織として稼ぐ力をどう設計するか。そこに関心がある人に届く一冊だよ。

利益率を2倍にする戦略的思考法: 営業利益を高める習慣化のヒント
井上慎介 著
冒頭の問いが秀逸だ。「売上10億円・利益6,000万円」のA社と「売上1億円・利益3,000万円」のB社、優れているのはどちらか。売上は10倍でも利益率はB社が5倍——売上を追う経営の盲点を、この比較で一気に突きつける。人件費、広告宣伝費、交通費、通信費と経費は多種多様で、売上が増えても経費がそれ以上に増えればマイナスになる。残るのは「どれだけ会社にお金を残せたか」だという視点を、著者の経験を基に習慣化のヒントまで落とし込む。会計書ではなく思考法の本である点が独自だ。
こんな人におすすめ
売上は伸びているのに手元にお金が残らないと感じる経営者や個人事業主。利益率というものさしで意思決定を見直したい人、数字が苦手でも思考の入口から学びたい人、拡大期に投資と利益のバランスで迷う事業責任者に。
良い点
- 冒頭の比較が強烈
- 経費の見方が変わる
- 思考法として整理されている
気になる点
- 会計の詳細解説はない
- 事例の数値は限定的
- 実務ツールは少なめ
出版社
詳細情報なし
発売日
2022年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
冒頭のA社B社の問い、私だったら売上が大きいA社って即答しちゃいそうです。
佐藤メバル
そこが罠なんだよね。売上10億で利益6,000万なら利益率は6%。B社は売上1億で利益3,000万、利益率は30%。
売上を追うほどお金が残らないことがある。この本はその感覚を思考のレベルから変えてくれる。
橘ナナミ
経費の話も出てきますよね。人件費に広告宣伝費、交通費、通信費……。売上が増えれば増えるほど、というのが怖いです。
佐藤メバル
そう。売上が増えても経費がそれ以上に増えたらマイナスになる。だから「どれだけ会社にお金を残せたか」に焦点を置くんだ。
会計書というより思考法の本だから、数字が苦手な人こそ入口として読めるよ。

営業力はマーケ力だ 突き抜ける営業は、必ずマーケティングを理解している: 顧客・組織・未来を動かす、営業利益を高める営業だけがやっていること
市川卓 著|Independently published
¥1,518(税込)
「営業は現場の根性、マーケティングは本社の理屈」——その固定観念を、著者自身が経営大学院で学んだことを現場に持ち込んだ試行錯誤で崩していく。トップセールスに共通するのはマーケティング思考だという主張を、自動販売機営業の実例が裏づける。過去数年分の販売データを見返し、「工事現場に設置された自販機は売上が高い」という共通点に気づいて行動を変えた話は、運や感覚ではなく再現性のある成功パターンの話として読ませる。理論書ではなく現場で使える思考法として整理されている。
こんな人におすすめ
「お願い営業」から抜け出したい営業担当者。感覚や根性ではなく再現性で売りたい人、マーケティングを学びたいが現場との距離を感じている営業職、チーム全体の売上を改善したいマネジャーに向く。
良い点
- 自販機営業の実例が具体的
- MBAの学びを現場に翻訳
- 再現性の視点が明確
気になる点
- 体系的な理論書ではない
- 著者の体験談が中心
- 事例はやや限定的
出版社
Independently published
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業は根性」みたいな話、まだ職場でも聞きます。でもこの本は真逆のことを言っているんですよね。
佐藤メバル
そう。著者自身、決してデキの良い営業じゃなかったと書いている。転機は経営大学院での学びを現場に持ち込んだこと。
たとえば自動販売機の営業で、過去数年分のデータを見返して「工事現場の自販機は売上が高い」と気づき、行動を変えた人が紹介されている。
感覚ではなく仮説と分析の話だね。
橘ナナミ
地図も戦略も持たずに戦場に行くようなもの、という比喩も刺さりました。
佐藤メバル
うん、その比喩がこの本の芯だね。マーケティングは才能ではなく、誰もが習得できる技術だと著者は言う。お願い営業から抜けたい人に、ちょうどいい入口になるよ。

営業戦略大全 世界レベルの利益体質をつくる科学的ノウハウ
宮下建治 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
副題に「世界レベルの利益体質をつくる科学的ノウハウ」とある通り、P&Gとマクドナルドを成功に導いた営業マンが、いつも何を考えて動いていたのかを体系化した一冊。世界基準の現場感覚を経験則のままにせず、「科学的ノウハウ」として整理しているのが特徴で、体験談を並べるだけの本とは一線を画す。『良い売上、悪い売上』の西口一希氏が絶賛している点も、マーケティングと営業の接続に関心がある読者にはひとつの指標になる。
こんな人におすすめ
営業戦略を体系立てて学びたい中堅やマネジャー。外資系の現場感覚を国内の自社に持ち込みたい人、マーケティングと営業の橋渡しに関心のある経営層、利益体質を組織の言葉にしたい事業責任者に向く。
良い点
- 世界企業での実践が背景
- 戦略として体系化されている
- 著名人からの推薦がある
気になる点
- 事例の詳細は限定的
- 入門者にはやや難解
- 実務テンプレは少なめ
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
P&Gとマクドナルドって、業種も商売の形も違いますよね。その両方を成功に導いた人の考え方、すごく気になります。
佐藤メバル
そこが読みどころ。副題に「世界レベルの利益体質をつくる科学的ノウハウ」とある通り、一流の現場で磨かれた判断を、経験則のままにせず体系化している。
営業戦略を「大全」と名乗るだけのことはあるね。
橘ナナミ
西口一希氏が絶賛しているのも気になります。どんなところが響いたんでしょう。
佐藤メバル
『良い売上、悪い売上』の著者だね。マーケティングと営業をつなぐ視点を持つ人が推薦しているというのは、この本の立ち位置を示している。
外資系の感覚を自社に持ち込みたい人に向くよ。

成長も安定も実現する経営指標「RPG」入門 :営業利益を粗利で割るだけで会社の明るい未来が見える本
三谷淳 著|合同出版
¥1,580(税込)
RPGは「営業利益÷粗利×100」で計算できるシンプルな指標。本書は、その一つの数字で会社の収益性と安全性を業種を問わず測る方法を説く。決算書や会計の知識がなくても理解でき、本業で稼ぐ力と不況を乗り越える体力を同時に見られるのが特徴だ。卸売業とサービス業のA社B社をめぐる問いから始まり、目標に向けてやることは「売上を増やす」「変動費率を下げる」「固定費を減らす」の3つだけと絞り込む。経営指標の入門書として異例のわかりやすさを持つ。
こんな人におすすめ
数字に苦手意識のある経営者、個人事業主、経理以外の管理職。決算書を読み込まずに自社の体力を測りたい人、業種を問わず会社の状態を比べたい読者、社内で共通のものさしを持ちたいリーダーに向く。
良い点
- 計算式がシンプル
- 業種を問わず使える
- やることが3つに絞られる
気になる点
- 指標は一つに限定される
- 詳細な会計は扱わない
- 事例の深掘りは控えめ
出版社
合同出版
発売日
2021年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業利益を粗利で割るだけ」って、本当にそれだけで会社の未来が見えるんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の狙いでね。RPGは営業利益÷粗利×100で出せる。難しい会計の知識がなくても、本業で稼ぐ力と不況を乗り越える体力が同時に見える。
しかも高めるためにやることは3つだけと絞っているんだ。
橘ナナミ
やることが3つだけ、って思い切ってますね。でも本当にそんなシンプルなことで目標に届くんでしょうか?
佐藤メバル
売上を増やす、変動費率を下げる、固定費を減らす。この3つだね。シンプルだからこそ、社内で共有しやすい。
決算書が読めないという人ほど、この一冊は役に立つよ。

赤字社員だらけでも営業利益20%をたたき出した社長の経営ノート (中経出版)
金村秀一 著|KADOKAWA
「いい人が入社してこない」「人が育たない」——そんな悩みを抱える経営者に向けて、稼げない「赤字社員」を付加価値を生み続ける「黒字社員」に変える方法を、著者独自の経営・人材育成・人材活用の実例で示す。通底するテーマは人の才能に頼らない仕組みづくりで、採用や教育のハウツー本とは違い、経営の設計として人を活かす話になっている。人材の話と利益の話を切り離さない姿勢が、他の人材本との大きな違いだ。
こんな人におすすめ
採用や育成に悩む中小企業の経営者、人事担当者。人材を仕組みで活かしたい管理者、教育に時間とコストをかけられない組織のリーダー、社員の成長と数字を結びつけたい部課長に向く。
良い点
- 経営と人材を一体で扱う
- 仕組み化の視点が明確
- 実例ベースで読める
気になる点
- 大企業には距離がある
- 制度設計の詳細は限定的
- タイトルに賛否が分かれる
出版社
KADOKAWA
発売日
2013年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「赤字社員」って表現がちょっと衝撃的です。人を責める本なんでしょうか。
佐藤メバル
いや、そうじゃないんだ。人の才能に頼らない仕組みで、稼げない状態を黒字に変えていく話。だから責めるのではなく、環境と仕組みを設計し直す発想なんだよ。
橘ナナミ
なるほど。「いい人が入社してこない」という悩みは、中小企業だと本当に切実そうです。
佐藤メバル
そう、まさにその悩みに向けて書かれている。採用・育成・活用を経営の一部として扱っているのが特徴で、教育のハウツー本とは一線を画す。人と利益を切り離さない視点が面白いよ。

良い売上、悪い売上 「利益」を最大化し持続させるマーケティングの根幹(MarkeZine BOOKS)
西口一希 著|翔泳社
売上を「継続的に利益に貢献する良い売上」と「一過性で利益に貢献しない悪い売上」に峻別し、本来マーケティングが果たすべき役割は良い売上の最大化だと説く。初回購入だけの顧客の売上は赤字に近く、継続顧客の売上こそ利益を生む——この構造をLTVという時間軸で捉え直すのが核心だ。「利益性へのダブルインパクト」「ID POS分析」「ミルフィーユの崩壊」といったフレームワークを体系化し、BtoBの章は『THE MODEL』の福田康隆氏が監修。P&G出身の著者が35年の経験と430社超の経営相談からまとめた一冊。
こんな人におすすめ
売上はあるのに利益が残らないと悩む経営者やマーケター。顧客の継続性から利益を捉え直したい事業責任者、BtoCとBtoBの両方の視点が欲しい読者、LTVを経営の言葉にしたい企画担当者に向く。
良い点
- 売上を2種類に分ける視点
- LTVの解説が体系的
- BtoB章を福田氏が監修
気になる点
- 読み応え重視の分量
- 分析にはデータ環境が要る
- 実践には社内調整が必要
出版社
翔泳社
発売日
2025年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「良い売上」と「悪い売上」って、売上なのに良い悪いがあるんですね。そこがまず意外でした。
佐藤メバル
そこがこの本の核心。同じ売上でも、初回購入だけの顧客の売上は赤字に近く、継続してくれる顧客の売上こそ利益を生む。
売上至上主義の罠に気づかせてくれるんだ。
橘ナナミ
LTVってよく聞きますけど、時間軸で売上と利益を見るという話なんですね。
佐藤メバル
そういうこと。35年の経験と430社を超える経営相談から、ID POS分析や5segs、9segsといったフレームワークに落としている。
BtoBの章は福田康隆氏が監修していて、法人営業の人にも届く幅があるよ。

営業所長のマーケティング戦略―売上・シェア・利益を拡大する
東京コンサルタントグループ 著|ダイヤモンド社
副題に「売上・シェア・利益を拡大する」とある通り、営業所長という現場の責任者が、目の前の数字だけでなく市場を見て戦略を立てるための視点を扱う一冊。担当者向けの営業テクニック本とも、本社のマーケティング理論書とも違い、拠点を預かる立場の意思決定に焦点を当てているのが珍しい。シェアという言葉を利益と並べているところに、所長の仕事の幅が表れている。ダイヤモンド社からの刊行だ。
こんな人におすすめ
支店長、営業所長、エリアマネジャー。数字責任と市場戦略の両方を担い始めた管理職、本社の戦略を現場の行動に落とす立場の読者、所長を目指す中堅社員にも向く。
良い点
- 所長目線に特化している
- シェアを軸に据えている
- 拠点経営の視点が得られる
気になる点
- 全国型の大企業向けではない
- 理論書というより実務書
- 汎用性は拠点の状況次第
出版社
ダイヤモンド社
発売日
1984年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業の本って担当者向けが多いのに、これは所長向けなんですね。ちょっと珍しい気がします。
佐藤メバル
そう、そこが珍しいところ。担当者なら自分の商談を磨けばいいけど、所長は拠点の数字と市場の見え方を同時に扱わないといけない。
副題にシェアと利益が並んでいるのは、その仕事の幅を表しているんだ。
橘ナナミ
なるほど。売上だけを見ていればいいという立場ではないんですね。
佐藤メバル
そういうこと。本社のマーケティング理論と現場の営業テクニックの間には、意外と空白がある。この本はちょうどそこを埋める位置にある。
支店長やエリアマネジャーが読むと、腹に落ちるところが多いよ。

できるリーダーは失敗が9割 自分史上最高の営業利益を手に入れる「仕事」の極意
小山昇 著|マガジンハウス
「失敗の数=リーダーの実力」——この一言に尽きる。損失3億円規模の失敗が3回、1億円から2億円規模が5回、それ以下は数限りない。新しい取り組みの9割は失敗する、と著者は断言する。だから失敗を避ける本ではない。修羅場をくぐった数だけ人に伝えられることがある、という話へ展開していくのが読みどころだ。社員の「はい!」は「聞こえました!」の意味、中間報告のない仕事は実行していないのと同じ——経営者や役員、部課長に向けた生きた言葉が並ぶ。
こんな人におすすめ
失敗を恐れて動けなくなっている管理職やリーダー。トライ&エラーで昨日の自分を超えたい人、人材育成やマネジメントに悩む経営者、部下の育て方に迷う部課長に向く。
良い点
- 失敗談が具体的で生々しい
- 人材育成の話が厚い
- 著者の経験に裏打ちされている
気になる点
- 精神論と受け取られる面も
- 体系的な理論書ではない
- 文体の好みが分かれる
出版社
マガジンハウス
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「失敗が9割」って、逆に開き直りにも見えます。でもページをめくると、そうではないんですね。
佐藤メバル
そう。損失3億円規模の失敗が3回、1億円から2億円規模が5回、それ以下は数限りないと書いている。でも大事なのは自慢じゃなくて、修羅場をくぐった数だけ人に伝えられるという結論なんだ。
橘ナナミ
「社員の『はい!』は『聞こえました!』の意味」という一文も、じわじわ効きました。
佐藤メバル
そこは経営者や役員が読むと背筋が伸びるところだね。中間報告のない仕事は実行していないのと同じ、なんて言い方もする。
失敗を避ける本ではなく、失敗から何を引き出すかの本だよ。

高業績を上げ続ける「三点思考営業」 安定収益型の最幸最強営業を目指す
馬橋和弘 著|ごきげんビジネス出版
営業組織では成果を上げる人がごくわずかで、多くが悩んでいる。その理由を環境変化による複雑化と捉え、複雑な営業活動をシンプルに、誰でも実践できる形に組み直したのが「三点思考営業」だ。訪問前準備からアプローチ、ヒアリング、提案作成、プレゼンテーション、クロージング、アフターフォローまで、一貫してシンプルさにこだわって体系化されているのが特徴。著者自身が半年間まったく売れなかった経験から転機をつかみ、10数年にわたり営業成績1位を続けた実践がベースになっている。
こんな人におすすめ
成果が伸びずに悩む新人や若手営業。一皮むけたい中堅、マンネリを感じているベテラン、チームをリードする営業マネジャー。オンラインと対面を組み合わせた営業を考えたい人にも向く。
良い点
- プロセスが体系化されている
- 準備からフォローまで一貫
- 実践者の経験が背景にある
気になる点
- 独自メソッドゆえ好みが分かれる
- 業界特化の内容ではない
- 特典前提の構成が一部にある
出版社
ごきげんビジネス出版
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「三点思考営業」って名前だけだと、何が三点なのか想像つかないですね。ちょっとミステリーです。
佐藤メバル
そこは読んでのお楽しみだけど、狙いははっきりしている。複雑になった営業活動をシンプルに戻して、誰でも実践できるようにすること。
訪問前準備からアフターフォローまで、一貫してシンプルにこだわって組み立てているんだ。
橘ナナミ
著者さんも、半年間まったく売れなかった時期があるんですね。そこから成績1位になるのがすごいです。
佐藤メバル
そう、周囲の協力を得るコツをつかんで転機を迎える。1年目に新卒の売上記録を樹立して、10数年にわたって成績1位。
その実践がメソッドの裏づけになっている。購入者特典にセルフチェックリストがつくのも実用的だね。

社長、会社の利益とあなたの年収を同時に2倍にする方法: 500社の相談現場から導き出した「数字・実行・営業」の成長法則
西山真一 著|Independently published
¥1,980(税込)
「黒字なのに、お金が残らない」「決めたことが、実行されない」「営業は、紹介頼み」——どれか当てはまる社長に向けて、地域金融機関の経営相談会で15年、500社以上と向き合ってきた中小企業診断士が、「続く会社」と「消える会社」を分けるものを突き止めた一冊。差は規模でも業種でも運でもなく、数字を読む・約束を守る・自ら営業するの3つだと絞り込む。全章に相談現場の実話コラムと書き込みワークを置き、巻末に自己診断チェックリストまで備えた、読むだけで終わらせない設計が特徴だ。
こんな人におすすめ
年商規模の小さい二代目・三代目経営者。黒字なのに手元にお金が残らないと感じる社長、経営計画を立てても実行できずにいる人、事業承継や代表者貸付に悩み始めた読者に向く。
良い点
- 実話ベースで具体性が高い
- 書き込みワークがついている
- 自己診断リストが実用的
気になる点
- 対象が中小経営者に限定
- 会計の詳細解説は少ない
- 読み物としての重さがある
出版社
Independently published
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「会社の利益とあなたの年収を同時に2倍」って、ずいぶん大胆なタイトルです。本当にそんなことが、と思ってしまいます。
佐藤メバル
でも中身は地味なんだよ。地域金融機関の経営相談会で15年、500社以上と向き合ってきた人が、数字を読む・約束を守る・自ら営業する、この3つに絞っている。奇跡じゃなくて原則の話なんだね。
橘ナナミ
相談現場の実話がコラムで入っているのも気になります。きれいごとだけではなさそうですね。
佐藤メバル
そこが読みどころ。5年間「やります」と言い続けて実行率ゼロだった会社、1年で売上3倍になった若い会社、1億4,000万円の代表者貸付を抱えた老舗酒販店。
きれいごとじゃない記録が並ぶ。書き込みワークで自社の数字を埋めながら読めるよ。

売上・利益を伸ばす! 小さなお店の数字に強くなる本
鬼頭宏昌 著|かんき出版
¥1,975(税込)
「売上が伸びない」「客足が遠のいた」——そんな店長やマネージャーの悩みに、算数のレベルから応える一冊。黒字になる商品単価の決め方、「通りすがり」をお客さんにする方法など、飲食・サービス・小売の現場でそのまま使える数字の読み方を示す。赤字だった3つの小さなお店を、徹底した計数管理と斬新な出店戦略で年商20億円の飲食チェーンに育てた著者のメソッドが背景にある。会計書ではなく店舗の実務書である点が、他の数字本との違いだ。
こんな人におすすめ
飲食・小売・サービス業の店長、マネージャー、個人店のオーナー。数字が苦手だけど店を伸ばしたい人、計数管理を一から学びたいスタッフ、繁盛店の作り方を具体的に知りたい読者に向く。
良い点
- 算数レベルから始められる
- 単価の決め方が具体的
- 実店舗の実例が豊富
気になる点
- 対象が店舗ビジネスに限定
- 法人営業には向かない
- 理論より実務に寄っている
出版社
かんき出版
発売日
2015年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
飲食や小売の店長さん向けなんですね。私、ひとり暮らしでよく個人店に行くので、裏側を知れる気がして気になります。
佐藤メバル
いい視点だね。この本は会計の本じゃなくて、店の数字の本なんだ。黒字になる商品単価の決め方とか、通りすがりをお客さんにする方法とか、明日から試せる話が並ぶ。
橘ナナミ
赤字だった3つのお店を年商20億円のチェーンに育てた、というのが説得力ありますね。
佐藤メバル
そう、そこが背景にある。徹底した計数管理と出店戦略の話だから、個人店でもチェーンでも使える。数字に苦手意識がある店長ほど、最初の一冊に向いているよ。

amazonで学んだ「あなたの会社」の利益最大化 (単行本)
北島和泰 著|三笠書房
¥1,980(税込)
アマゾン入社2日目に突きつけられたのは「2か月で40億円の利益を出せ」という課題。著者はわずかな経費で応え、本社の副社長に「Great Work!」と即採択された——この掴みから一気に引き込まれる。だが本書の狙いはそこではない。大企業の手法を中小企業にこそ応用するという視点で、キャッシュアウトした卵屋、起業3か月で1000万円の大型案件を受注したリフォーム店、広告費2700円で売上22万円を出した速読教室など、実例が並ぶ。手法そのものはシンプルだと著者は言い切る。
こんな人におすすめ
自社の利益を仕組みで最大化したい経営者や事業責任者。大企業の手法を小さな組織に持ち込みたい人、数字を使った改善の実例を集めたい読者、施策の取捨選択に迷う企画担当者に向く。
良い点
- 実例が多彩で具体的
- 経費と成果の比較が明快
- シンプルな原則に落としている
気になる点
- アマゾン前提の誤解を招きやすい
- 体系的な理論書ではない
- 事例の詳細は限られる
出版社
三笠書房
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「2か月で40億円の利益を出せ」って、入社2日目の課題がすごすぎます。しかも経費700万円で応えたと。
佐藤メバル
そこだけ切り取るとアマゾンの特殊な話に見えるけど、著者が本当に伝えたいのは逆なんだ。大企業の手法を中小企業にこそ応用する、というメッセージ。
実際、卵屋やリフォーム店、速読教室の実例が並ぶ。
橘ナナミ
広告費2700円で売上22万円、とか。数字が具体的だと、信じやすいし真似してみたくなります。
佐藤メバル
そう。「スコープ外のことはやらない」みたいに、やっていることはシンプルなんだよ。事例の数が多いから、自社に近いものを拾って真似するところから始められる。そこが強みだね。

10分で読み解く!一流の営業マンになるための財務分析
大野潔 著|ごきげんビジネス出版
¥1,485(税込)
法人営業のジレンマは、商品や業界には詳しくなれても、クライアントの経営者が何に悩んでいるかが見えないこと。本書はその突破口として、財務諸表からメッセージを得て仮説を構築し、それを顧客にぶつけて検証するプロセスを説く。細かい指標の計算は必要ない、と割り切っているのが特徴で、数字ではなく仮説を持つことを目的に置く。会計書で挫折した人に向けて、コンパクトなページ数に凝縮している点が独自だ。
こんな人におすすめ
法人営業マン、駆け出しの銀行員や証券マン。顧客の経営全般に踏み込みたいが数字に壁を感じている人、経理部門の言いなりになりがちだと危機感を持つ経営者、会計の勉強に気力が湧かない読者に向く。
良い点
- コンパクトで完結する
- 指標計算を求めない
- 仮説構築に焦点を置く
気になる点
- 網羅的な会計書ではない
- 浅く広い内容になる
- 実践には場数が必要
出版社
ごきげんビジネス出版
発売日
2015年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルに「10分で読み解く」とありますけど、財務分析って聞くだけで身構えてしまうんです。
佐藤メバル
そこを狙った本だね。細かい指標の計算は必要ない、と割り切っている。大事なのは財務諸表からメッセージを得て仮説を立てることで、それを顧客にぶつけて検証する。
信頼はその過程で勝ち取るものだと書いている。
橘ナナミ
商品には詳しいのに、経営者の悩みが見えない、というのは法人営業のあるあるなんですね。
佐藤メバル
そう、まさにそのジレンマのための本。ページ数もコンパクトだから、会計書で挫折した人が先に読むのに向いている。
数字の専門家になる必要はない、という勇気をもらえるよ。

90分で 利益を生み出す経営の極意: 失敗回避の経営教科書 入門基礎3 営業戦略
近藤丈博 著
「今年度の販売見込みは、達成できそうですか?」——未達は経営計画に支障をきたし、何より日々の頭痛の種になる。この問いから始まり、90分で営業戦略を学べるように設計された経営の教科書シリーズ第3弾。中心に据えるのは効果の高いランチェスター戦略で、弱者の戦略と強者の戦略、弱者の客層・エリア・販売戦略、さらに直販やストック収入・フロー収入のビジネスモデルまで扱う。業界No.1企業には向かない、と対象を明確に切っている点が誠実だ。
こんな人におすすめ
中小企業の経営者、役員、部長クラス。起業したばかり、またはこれから起業する人、ランチェスター戦略を実戦に落としたい読者、経営の基礎を短時間で学び直したい人に向く。
良い点
- 90分で全体像がつかめる
- ランチェスター戦略に特化
- 対象と限界を明示している
気になる点
- 業界トップ企業には不向き
- シリーズの一冊という位置づけ
- 理論の深掘りは控えめ
出版社
詳細情報なし
発売日
2021年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ランチェスター戦略って、聞いたことはあるんですけど説明はできないんです。弱者の戦略、強者の戦略、というあれですよね?
佐藤メバル
そう、それを営業戦略に落としているのがこの本だね。客層、エリア、販売戦略と順に組み立てていく。自社が弱者か強者かを見極めるところから始まる。
ここを間違えると、努力の向きがずれてしまうんだ。
橘ナナミ
業界No.1企業には向かない、とわざわざ書いてあるのが印象的です。
佐藤メバル
そこが誠実だよね。対象を絞っているからこそ、中小企業の経営者には刺さる。90分で学べるように設計されていて、読みながら自社で実行しているかを照らし合わせていくタイプの本だよ。

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
福田康隆 著|翔泳社
¥1,980(税込)
「営業が顧客に初めて接触するとき、すでに商談プロセスの半分以上は終わっている」——この事実から出発し、マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの4部門の「分業」から「共業」への道を示す。日米の外資系企業でSaaSビジネスの急成長に立ち会い、自ら変革を実践してきた著者が、科学的アプローチと再現性を重視してレベニューモデルを提案する。SFAやMAの運用、商談ステージの移行判定基準まで踏み込む、実践的なプレイブックだ。
こんな人におすすめ
BtoB企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセスの責任者。インサイドセールスやカスタマーサクセスを導入したい経営層、SFAやMAの運用設計を担う実務者、部門をまたいだ数字の設計を考えたい企画担当者に向く。
良い点
- 4部門の全体像を俯瞰できる
- 指標と移行基準が具体的
- 実践のプレイブックになる
気になる点
- SaaS文脈が前提になりがち
- 組織導入には覚悟が必要
- 用語の前提知識を要する
出版社
翔泳社
発売日
2019年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すでに商談の半分以上は終わっている」って、営業の立場からするとショックな事実ですよね。
佐藤メバル
でもそれが現実で、それゆえ本書はマーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの4部門を分業ではなく共業として捉え直すことを提案している。
部門をまたいだ全体像を描くのが狙いなんだ。
橘ナナミ
SFAやMAの運用の話まで入っているんですね。ツールの本でもあるんだ。
佐藤メバル
商談ステージの移行判定基準まで具体的に紹介している。理論とフレームワークだけでなく、プレイブックとして使えるのが強み。
導入を検討している会社ほど、なぜその組織が必要なのかを本書で確認してから進めたいね。

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
高橋浩一 著|かんき出版
¥2,420(税込)
営業1万人とお客様1万人、合わせて2万人への調査という規模の検証をもとに、「成果を出す営業のメカニズム」をデータとロジックで裏づけた一冊。鍵になるのは「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」というキーワードで、お客様の表面的なセリフの裏にある本音をどう捉えるかを、はぐらかし、忙しさ、いきなり、とにかく安く、検討します——仮面ごとに具体的に解いていく。「私はこうして売れるようになった」という体験談型の営業本とは一線を画す。
こんな人におすすめ
がんばっているのに売れないと悩む営業担当者。根拠ある指導をしたいマネジャー、属人的なノウハウではなくデータで裏づけたい読者、努力の方向を見直したい中堅・ベテランに向く。
良い点
- 2万人調査という検証規模
- 仮面ごとに整理されている
- 努力の方向を変えられる
気になる点
- 分量が多く読み応え重視
- 全項目を一度には実践しにくい
- データの読み解きに慣れが要る
出版社
かんき出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ガンバリズムの罠」って言葉が刺さります。頑張れば売れるわけじゃない、と最初に言われた気がします。
佐藤メバル
そう、そこを突いた本だね。営業1万人とお客様1万人、合わせて2万人に尋ねたデータをもとに、努力の方向が違うと報われないことを示している。
急所を押さえたアクションを武器として体系化しているんだ。
橘ナナミ
「購買者の仮面」も気になります。忙しさの仮面、検討しますの仮面……。さっき営業の人と話した場面を思い出しました。
佐藤メバル
仮面の種類ごとに外し方が書かれている。たとえば「とにかく安く」と言われたら、すぐ値引きではなく判断基準を作りにいく。
「検討します」には助け舟の出し方がある。表面的なセリフに振り回されない読み方だよ。

セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術
今井晶也 著|扶桑社
¥1,760(税込)
勘や偶然、根性ではなく「理論で売る」——1100社、12000商品で実績を上げた営業メソッドを、一般読者向けにかみ砕いた一冊。営業支援の会社が23年間積み重ねた數據をもとに、トップセールスが共通して持つ「売れるマインド」、新規顧客に会いづらい時代でもアポを獲得する方法、営業プロセスを7分割して否定材料を逐一なくす方法などを体系化している。本来は法人向けに提供していたノウハウを、新人からベテランまで役立つ形に再構成した点が特徴だ。
こんな人におすすめ
新人からベテランまでの営業担当者。アポが取れない・商談が進まないと悩む人、マインドセットとテクニックを両方押さえたい読者、営業の型を手元に置いておきたいマネジャーに向く。
良い点
- マインドと技術の両輪
- プロセス7分割が具体的
- 幅広い層に使える
気になる点
- 自社メソッド色が強い
- 業種を超えた検証は限定的
- 分量はやや多め
出版社
扶桑社
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業版・虎の巻」という言い方、ちょっとわくわくします。昔ながらの根性論ではなさそうで。
佐藤メバル
1100社、12000商品で実績を上げた会社のメソッドを、一般向けにかみ砕いた本だね。勘や偶然じゃなく理論で売るという立場がはっきりしている。
マインドセットから商談のテクニックまで一冊で押さえられる。
橘ナナミ
プロセスを7分割する、というのが具体的で気になります。どこでつまずくかも見えそうですね。
佐藤メバル
そこが実践的なところ。分割して否定材料を一つずつなくしていく発想なんだ。本来は法人向けに提供していた内容を、新人からベテランまで読めるように再構成している。
まず自分のプロセスのどこが弱いかを見るのに向くよ。

法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く
高橋浩一 著|翔泳社
¥2,420(税込)
キーパーソンに会えない、連絡がつながらない、検討が進まない、予算が増えない——この4つの「迷路」に、2万4000人への調査から見つけた打ち手を示す。たとえば連絡が途絶えたとき、選択肢は「催促する」か「待つ」だけではない。前半の守りの戦略では5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえ、後半の攻めの戦略ではターゲティングやエキスパート戦略で受注に持ち込む。「決裁者を押さえればOK」といった常識が覆る構成が特徴だ。
こんな人におすすめ
法人営業の中堅やベテラン、営業マネジャー。商談が止まる理由を構造で理解したい人、顧客の意思決定プロセスを分解して攻略したい読者、失注の分析をチームの学びに変えたい管理職に向く。
良い点
- 失注の裏側を分析している
- 守りと攻めの二部構成
- 関係者6種類の整理が実用的
気になる点
- 前提となる用語がやや多い
- 項目ごとの読み方になりがち
- 通読には時間が要る
出版社
翔泳社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「キーパーソンに会えない」、これ、営業の人が最初にぶつかる壁ですよね。私でも想像できます。
佐藤メバル
そう。本書はその4つの迷路に対して、2万4000人への調査から打ち手を出している。連絡が途絶えたときに催促するか待つかだけではない、というところから始まるんだ。
橘ナナミ
守りと攻めで分かれているんですね。順番に読む感じでしょうか。
佐藤メバル
前半は5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえて迷路から出る守り。後半はターゲティングやエキスパート戦略で受注に持っていく攻め。
決裁者を押さえればOK、という常識が覆るのが面白いところだよ。

思考する営業―BCG流営業戦略
杉田浩章 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
「利益重視と売上重視の二枚舌を使う経営者」「儀式と化した営業会議」「お飾りの営業管理職」「果てしない値崩れ」——著者は営業を取り巻く構造的な問題を、遠慮なく並べていく。そのうえで、一時的なスローガンで終わりがちな営業改革を成功に導くための総合的な戦略コンセプト「営業TQM」を提示する。コンサルティングファームの視点から、営業を個人技ではなく経営の仕組みとして捉え直す点が、現場のノウハウ本や体験談とははっきり違う。
こんな人におすすめ
営業改革を任された経営企画や事業責任者。営業会議や管理職の在り方に問題意識を持つ管理職、値崩れや利益と売上の矛盾に悩む経営層、部門を横断して仕組みを設計したい読者に向く。
良い点
- 問題提起が鋭い
- 改革のコンセプトを提示
- 経営視点で営業を扱う
気になる点
- 現場の即効性は薄い
- 組織規模にある程度依存
- 抽象度がやや高め
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2009年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「儀式と化した営業会議」って、身も蓋もないけど、そういう場面を見たことがある気がします。
佐藤メバル
そう、著者は遠慮なく構造的な問題を並べていく。利益重視と売上重視の二枚舌、お飾りの管理職、果てしない値崩れ。
そのうえで、営業改革をスローガンで終わらせないための総合的なコンセプト「営業TQM」を提示するんだ。
橘ナナミ
TQMって、品質管理のあれですよね。それを営業に持ち込むのが意外です。
佐藤メバル
その発想を営業に応用する。個人技ではなく経営の仕組みとして営業を捉え直すわけだね。だから現場の即効テクニックを求める人より、改革を任された人に向く。
経営視点で営業を語る本は意外と少ないよ。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
フィリップ・デルヴス・ブロートン 著|プレジデント社
¥1,870(税込)
ウォール・ストリート・ジャーナルのベストセラーになった異色の営業読本。ハーバード・ビジネス・スクール出身のジャーナリストが、モロッコの土産物屋、日本のセイホのおばちゃん、ニューヨークの現代美術商、テレビ通販のカリスマ、MIT出身の航空機セールスマン、富裕層御用達の不動産営業、シリコンバレーのベンチャーCEO——世界各地の営業のエキスパートを訪ね歩く。営業は人生の縮図だという結論に、読み終えたとき誰もが腑に落ちる構成が独特だ。
こんな人におすすめ
営業の本質を物語として味わいたい人。ノウハウより人間と仕事の関係に関心がある読者、営業に苦手意識を持つビジネスパーソンや経営者、視野を広げたい若手に向く。
良い点
- 世界各地の事例が読ませる
- 物語として面白い
- 営業観が大きく広がる
気になる点
- 即効のノウハウは少ない
- 事例の解釈は著者による
- 体系的な教科書ではない
出版社
プレジデント社
発売日
2013年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルが挑戦的です。ハーバードで営業を教えない、って。なぜなんでしょう。
佐藤メバル
そこがこの本の出発点でね。頭でっかちのエリートほどセールスの世界を恐れているんじゃないか、という問いから始まる。
著者自身がハーバード出身のジャーナリストで、世界各地の営業の達人を訪ね歩くんだ。
橘ナナミ
モロッコの土産物屋に、日本のセイホのおばちゃん……。取材の幅がすごいですね。
佐藤メバル
ニューヨークの現代美術商、MIT出身の航空機セールスマン、シリコンバレーのCEOまで出てくる。読み終えると、世界を動かしているのはセールスだ、という視点が残る。
ノウハウより物語として営業を味わいたい人にいいよ。

1000人のトップセールスをデータ分析してわかった 営業の正解
山田和裕 著|かんき出版
「営業に正解などない」——そう教えられてきた人ほど、このタイトルに違和感を覚えるだろう。だが著者は、業種・業界を超えて「できる営業」に共通する成功特性があり、逆に「できない営業」に共通する失敗特性、つまり悪い癖もあると言い切る。1000人以上のトップセールスへのヒアリングからノウハウを標準化・見える化し、48の正解としてまとめたのが本書だ。IT、自動車、保険、医薬、旅行、行政営業、機械、部品、建築、住宅、飲料、飲食チェーンなど、事例も多業種にわたる。
こんな人におすすめ
初級から上級まで自分のレベルに合わせて学びたい営業担当者。属人化した営業を標準化したいマネジャー、部下指導や将来のマネジメントを目指す人、業種を超えた共通点を知りたい読者に向く。
良い点
- 48項目で整理されている
- レベル別に読める
- 業種を超えた事例が豊富
気になる点
- 項目数が多く覚えきりにくい
- 個別の深掘りは控えめ
- 分析手法の詳細は限られる
出版社
かんき出版
発売日
2023年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業の正解」って、ちょっと反発したくなるタイトルです。営業に正解なんてない、と聞いたことがあるので。
佐藤メバル
まさにその違和感から始まる本だね。1000人以上のトップセールスにヒアリングして見えたのは、業種を超えて共通する成功特性があるということ。
逆に「できない営業」に共通する悪い癖もある。
橘ナナミ
レベル別に読めるようになっているんですね。自分の現在地から入っていいんでしょうか。
佐藤メバル
初級編からトップ・オブ・トップ編まで用意されている。IT、自動車、保険、医薬、建築、飲食チェーンまで事例も幅広い。
自分の現在地から入って、必要になったら上に進む使い方ができるよ。

NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則
麻野耕司 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
古くさい営業メソッドからの脱却を掲げ、新時代の営業に必要な「7つのS」を提示する一冊。営業担当者、営業チーム、営業組織と、それぞれのレベルで成果を生み出すことを狙い、現場の生産性と効率性、チームの成果、そして営業という仕事そのものの概念を変えると著者は言う。体験談を並べるのではなく、原則として整理して読者に渡す構成が特徴で、教科書として手元に置き、折に触れて参照する使い方に向いている。
こんな人におすすめ
営業担当者から組織の責任者まで、営業の在り方を更新したい人。チームの成果を底上げしたいマネジャー、若手に何を伝えるかを整理したいベテラン、育成の土台を作りたい経営層に向く。
良い点
- 7つの原則で整理されている
- 個人から組織まで対応
- 概念の更新を狙っている
気になる点
- 抽象度がやや高め
- 具体的な事例は限られる
- 既存手法の否定が前提になる
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2022年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「古くさい営業メソッドから脱却しよう」って、ずいぶんはっきり言い切りますね。勇気がいるタイトルです。
佐藤メバル
そこが本書の立場。新時代の営業に必要な7つのSを原則としてまとめている。個人のスキル、チーム、組織と、それぞれのレベルで成果が出るように設計されているんだ。
橘ナナミ
「営業という仕事の概念が丸ごと変わる」というのも、かなり大きいことを言っていますね。
佐藤メバル
そう、テクニックの追加ではなく、考え方の土台を入れ替える感じだね。体験談を並べる本とは違って、原則として渡してくれるから、手元に置いて折に触れて参照する読み方に向いているよ。
営業利益は「5つの利益」のどこに位置するのか
橘ナナミ
そもそも、損益計算書には利益がいくつか出てきますよね。営業利益はそのどこなんですか?
佐藤メバル
損益計算書には、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益という並びがある。上から順に、本業の売上から売上原価を引いたのが売上総利益(いわゆる粗利)、そこから販売費及び一般管理費——人件費や広告宣伝費、家賃など——を引いたのが営業利益。つまり本業の儲けだね。
橘ナナミ
経常利益との違いが、いちばん混ざりやすい気がします。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。営業利益に、受取利息や配当金といった営業外収益を足し、支払利息などの営業外費用を引いたのが経常利益。会社の通常の活動全体を見る数字だ。だから営業利益が赤字でも、本業以外の収益で経常利益が黒字、ということは起こり得る。逆に言えば、本業で稼げていないのに経常利益が黒字なら、それは本業の力ではない、と読むわけだ。
橘ナナミ
計算式でいうと、売上高から何を引くのか、順番を覚えればいいんですね。
佐藤メバル
そうそう。売上高 − 売上原価 = 売上総利益、売上総利益 − 販管費 = 営業利益。この2段だけ押さえれば、多くの本はぐっと読みやすくなる。売上原価は商品や原材料、製造にかかった費用。販管費は売るため・会社を動かすためのかかった費用。この区別が、のちの改善策の分かれ目になるんだよ。
営業利益率の目安と、値上げ・資金繰りの落とし穴
橘ナナミ
「売上高営業利益率」って、どのくらいあればいいんでしょうか。
佐藤メバル
業種でまったく違うから、ひとつの数字を暗記するのは危険だよ。『RPG入門』も、業種を問わず測れる指標としてRPGを提案していて、そこでは高い水準の目安が示されている。大事なのは「自社と同じ業種・同じ規模の会社と比べる」こと。目安を知りたいなら、複数の数字を並べた本を1冊持っておくといい。
橘ナナミ
営業利益を増やす方法も、本によって整理が違う気がします。
佐藤メバル
基本は3つに集約される。売上を増やす、変動費率(原価率)を下げる、固定費(販管費)を減らす。RPGの本もこの3つを軸に構成している。ただ、売上を増やすには値上げや価格転嫁の話が避けられない。西口一希の『良い売上、悪い売上』は、一見同じ売上でも初回購入だけの顧客の売上と継続顧客の売上では利益への貢献がまったく違う、と説いていて、値付けや顧客の選び方を見直すきっかけになる。
橘ナナミ
値上げ交渉の実務そのものを学べる本はありますか?
佐藤メバル
『小さなお店の数字に強くなる本』は黒字になる単価の決め方から入るし、西山真一の本には値上げ通知書の文例が載っている。理念ではなく、明日の商談で使える形になっているのがいいね。それから忘れてはいけないのが、営業利益が出ていても現金が残らない「黒字倒産」だ。利益は売掛金の状態でも計上されるけれど、現金が入ってくるとは限らない。資金繰りの視点は、利益の本とセットで読んでほしい。
部門別の利益管理と、読了後の行動
橘ナナミ
会社全体ではなく、部署ごとの営業利益を管理したいときはどうすればいいんでしょうか。
佐藤メバル
そこは管理会計の領域だね。坂本裕司の『戦略的営業利益向上マネジメント』は、コストをかけずにホワイトカラーの生産性を上げるという切り口で、部門の利益をどう見るかに触れている。杉田浩章の『思考する営業―BCG流営業戦略』は、「利益重視と売上重視の二枚舌を使う経営者」「儀式と化した営業会議」といった構造的な問題を扱っていて、事業部単位の悩みがある人に刺さるよ。
橘ナナミ
読んだあとに、何から手をつければいいんでしょう。
佐藤メバル
一冊読んで終わりにせず、自分の会社や担当の数字で1回やってみること。予算と実績を並べて、売上・原価・販管費のどこがずれたかを確認する。それを毎月繰り返すと、目標の立て方やKPIの置き方が変わってくる。福田康隆の『THE MODEL』や麻野耕司の『NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則』は、組織のプロセスを設計する段階で効いてくるから、個人の数字が見えるようになってから読むと腹に落ちると思う。
よくある質問
営業利益とは結局何を表す数字ですか?
橘ナナミ
営業利益とは結局何を表す数字ですかについて教えてください。
佐藤メバル
会社が本業で稼いだ利益を表す数字です。売上高から売上原価を引いた売上総利益から、さらに販売費及び一般管理費(人件費・広告宣伝費・家賃など)を引いたものが営業利益で、本業の儲ける力がどれだけあるかを示します。
営業利益と経常利益の違いは何ですか?
橘ナナミ
営業利益と経常利益の違いは何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
営業利益に営業外収益(受取利息・配当金など)を足し、営業外費用(支払利息など)を引いたのが経常利益です。営業利益は本業だけの実力、経常利益は本業以外も含めた会社全体の通常の活動を映す数字だと考えると整理しやすいです。
営業利益が読めるようになるおすすめの本はどれですか?
橘ナナミ
営業利益が読めるようになるおすすめの本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
損益計算書の読み方から入りたい人には、大野潔『10分で読み解く!一流の営業マンになるための財務分析』が向いています。細かい指標の計算より、財務諸表からメッセージを読み取り仮説を立てることを重視した構成です。
会計の知識がまったくない初心者でも読める本はありますか?
橘ナナミ
会計の知識がまったくない初心者でも読める本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
経営コンサルタントの三谷淳による『成長も安定も実現する経営指標「RPG」入門』は、営業利益を粗利で割るだけというシンプルな指標を軸にしており、決算書が読めない人でも収益性と安全性を測れるとされています。数字に苦手意識がある人の入口に向いています。
営業利益を上げる方法を学べる実務書はありますか?
橘ナナミ
営業利益を上げる方法を学べる実務書はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
山口英彦『法人営業 利益の法則』は、顧客をつかむところから確実に儲ける流れを仕組み化し、交渉に役立つ会話例も収録しています。売上を増やす・変動費率を下げる・固定費を減らすという3つの整理は、『RPG入門』でも軸として扱われています。
経営者・管理職向けの利益と決算書の本はどれがいいですか?
橘ナナミ
経営者・管理職向けの利益と決算書の本はどれがいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
本郷孔洋『営業利益2割の経営』は、30年の指導体験と経営データから中小企業の儲かる仕組みを実例で説く一冊です。人材育成の側面から攻めたいなら、金村秀一『赤字社員だらけでも営業利益20%をたたき出した社長の経営ノート』も選択肢になります。
売上高営業利益率の目安は業種でどれくらい違いますか?
橘ナナミ
売上高営業利益率の目安は業種でどれくらい違いますかについて教えてください。
佐藤メバル
業種によって大きく異なるため、単一の数字を暗記するのは危険です。自社と同じ業種・同じ規模の会社と比べることが基本で、指標の考え方は『RPG入門』のように業種を問わず測れるものを提案する本もあれば、複数の企業事例を並べる本もあります。
値上げや価格交渉を学べる本も教えてほしい
橘ナナミ
値上げや価格交渉を学べる本も教えてほしいについて教えてください。
佐藤メバル
鬼頭宏昌『売上・利益を伸ばす! 小さなお店の数字に強くなる本』は黒字になる商品単価の決め方から入り、西山真一『社長、会社の利益とあなたの年収を同時に2倍にする方法』には値上げ通知書の文例が収録されています。西口一希『良い売上、悪い売上』は、そもそもどんな売上を狙うべきかという上流の問いを扱っています。
まとめ
橘ナナミ
今日は「営業利益」を軸に、ずいぶんたくさんの本を教えてもらいました。正直、最初は難しそうだと思っていたんですけど……。
佐藤メバル
最初から全部を理解しようと思わなくていいんだよ。まずは損益計算書の2段の引き算——売上総利益と営業利益——だけ。それがわかると、書店の棚でも「この著者は何を言いたいのか」が読めてくる。僕がバイヤー時代に、返品の山を見ながら悔しい思いをしたのも、売上の先にある利益を考えていなかったからなんだ。
橘ナナミ
経験談、ぐっときます……。読者さんに「まずどの一冊から」と聞かれたら、どう答えますか?
佐藤メバル
用語に不安があるなら、シンプルな指標から入る本。営業の現場で使いたいなら、会話例や事例が入った実務書。経営者や管理職なら、実例で高収益の仕組みを説く経営書。そして、利益が出ていても資金が回らない怖さを知るために、資金繰りの本を一冊。この組み合わせなら、無理なく階段を上がれる。
橘ナナミ
なるほど……!売上だけでなく、手元に何が残るかを見る目が、少し変わった気がします。
佐藤メバル
営業利益は、木でいえば幹のようなもの。売却益や補助金は枝葉で、一時的に伸びても、幹が細ければ嵐の年に折れてしまう。逆に、本業という幹を太くしておけば、不況が来ても翌年また葉を茂らせられる。焦らず年輪を重ねるつもりで、一冊ずつ読んでいってほしい。
