営業スキルアップに役立つ本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「営業 スキル アップ 本」です。書店のビジネスコーナーに行くと営業本が多すぎて、どれから読めばいいのか分からなくなります。
佐藤メバル
いい質問だね。迷うのは、それだけ「効く場面」が違う本が並んでいるからなんだ。書店員時代、営業本の棚は新人と管理職でまったく別の並びにしていたよ。まず自分が商談のどの工程でつまずいているかを決めるのが出発点だね。
橘ナナミ
工程で選ぶ、ですか。同じ営業本でも中身は全然違うんですね。
佐藤メバル
そう。しかも本は読んで終わりじゃない。読む→試す→検証まで回せて初めて武器になる。ここからは軸ごとに具体的に見ていこう。
営業スキルアップに役立つ本の選び方
目的別:伸ばしたい工程から選ぶ
橘ナナミ
目的別というと、どう分けるんでしょう?
佐藤メバル
大きく6つ。トーク、提案、新規開拓、クロージング、マインド、マネジメントだね。話し方なら青木毅さんの質問型営業の本や『話さない営業が最強』、提案なら『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』、新規開拓なら『新規開拓営業の教科書』や『仕事がデキると言われている人が必ずおさえている新規開拓営業の鉄則』、クロージングなら『営業は台本が9割』、マインドなら『営業の鬼100則』や『営業に才能はいらない』、チームを動かすなら『できる営業は、「これ」しかやらない』が近い。
レベル別:1年目・2〜3年目・管理職
橘ナナミ
新人にいきなり分厚い理論書は重いですか?
佐藤メバル
重いかもしれないね。1年目なら105点のイラスト付きで基本が73項目に整理された『営業1年目の教科書』が入りやすい。2〜3年目で「なんとなく売れている」状態を抜けたいなら『営業の「聴く技術」』で質問の型を、『できる営業マンのすごい言語化』で自分のやり方の言語化を。管理職なら『法人営業 勝ちパターン大全』のように、失注の裏側を構造で見る本が効くよ。
商材・業界別:自社モデルに合うか
橘ナナミ
商材で選ぶ本が変わるのはなぜですか?
佐藤メバル
商談の回数と金額が違うからね。複数回の商談を重ねる大型商談なら『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』で、4つの質問を使って買い手自身に必要性を語らせる考え方が土台になる。無形商材やBtoBなら仮説提案の本、比較検討されやすいSaaSなら『無敗営業』の「3つの質問」で情報ギャップを埋める発想。保険や店舗のように一件ずつ積み上げる商売なら『誰も教えてくれなかった営業の超基本! 「アポの5原則」』が実践的だね。
形式別:活字・図解・オーディオ・要約
橘ナナミ
正直、活字が苦手な人も多いと思うんです。
佐藤メバル
それなら新人が喫茶店で学んでいく物語形式の『営業の魔法』や、図解の多い仮説提案の本、1時間目から5時間目という授業形式で進む『営業に才能はいらない』が入りやすい。通勤中ならオーディオブック、要点を先に掴むなら要約サービス。ただ要約は地図で、原書は現地なんだ。刺さった1冊だけは本文に戻るといい。
鮮度別:最新刊かロングセラーか
橘ナナミ
古い本は避けたほうがいいんでしょうか?
佐藤メバル
そんなことはない。SPINの本は20年以上読み継がれているし、『ドリルを売るには穴を売れ』も新装版が出るほどのロングセラーだ。普遍の原理は古びない。ただ、オンライン商談の作法やツールの話は鮮度が命だから、そこは最新刊で補う。ロングセラーで骨格を作り、最新刊で皮膚を更新するイメージだね。
読了コスト別:価格・ページ数・時間
橘ナナミ
続けられるかどうかも大事ですよね。
佐藤メバル
そう。1,000円台で200ページ前後の本は通勤の数日で読み切れるから、1冊を試して検証まで回しやすい。逆に2,000円を超える厚い本は、半年かけて自分の営業を組み替えると決めてから買う。積読は罪じゃないけど、読まない本にお金を払うのはもったいないからね。
営業スキルアップに役立つ本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
営業スキルアップに役立つ本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
ニール・ラッカム 著|海と月社
¥1,980(税込)
12年・35000件のセールス実地調査から生まれた、大型商談専用の質問話法を解説した一冊です。小型商談と大型商談では効果的な売り方が違うことを世界で初めて示し、状況・問題・示唆・解決の4つの質問を使い分けて、買い手自身に必要性を語らせる流れを実例とともに追えます。マイクロソフトやIBMなど世界的企業が採用し、20年以上読み継がれてきた考案者本人によるオリジナル・テキスト。即決を狙う会話術の本とは違い、複数回の商談を経て成約する長期戦の設計図として読めます。
こんな人におすすめ
1回で決まらない規模の商談を任され始めた中堅営業、法人向けに複数回の提案を重ねるBtoB担当、質問の引き出しを体系的に増やしたいマネージャー。値引きや根回しに頼らず、買い手の課題を本人の言葉にさせる進め方を身につけたい場面に向きます。
良い点
- 4つの質問の使い分けが明快
- 実地検証に基づく裏づけ
- 考案者本人による丁寧な解説
気になる点
- 小型商談にはやや過剰
- 分量が多く読み応え重視
- 実践には商談機会が必要
出版社
海と月社
発売日
2009年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業 スキル アップ」で調べると必ず出てくる一冊ですよね。SPINって、話し方のテクニック集みたいなものなんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。SPINは話術というより、買い手に自分で気づいてもらうための質問の順番なんだ。状況を聞き、問題を掘り、放置したらどうなるかを考えてもらい、最後に解決の価値を本人の言葉で語ってもらう。
著者は12年かけて35000件の商談を調べ、この流れが大型商談で効くと示した。派手さはないけれど、商談が長引く案件ほど土台になるよ。
橘ナナミ
なるほど……。でも4つも質問を覚えられるか不安ですし、順番どおりにやらないと意味がないんでしょうか?
佐藤メバル
そこは柔軟でいいと思う。大事なのは、いきなり自社の話を始めないこと。たとえば『今のやり方で困っているのはどんな点ですか』と聞けば、お客様は自分の言葉で課題を説明し始める。
本書はその一問一問を実例で丁寧にフォローしているから、まずは状況質問から一個ずつ試すだけで十分だよ。

ドリルを売るには穴を売れ
佐藤義典 著|青春出版社
¥1,815(税込)
「ドリルを売るには穴を売れ」という有名な比喩から、モノではなく顧客にとっての価値=ベネフィットを出発点に置き、誰に売るかのターゲティング、競合より高い価値を示す差別化、価値を届ける4Pへと続く流れでマーケティングの主要理論を整理した入門書です。閉店寸前のレストランを新人社員が立て直すサブストーリーが並走するので、理論が実戦のどこで効くのかを物語で追体験できます。営業トークの技術書というより、売る前提を組み直す本。12万部突破のロングセラーが新装版になりました。
こんな人におすすめ
商品説明が長くなりがちな若手営業、自社サービスの強みを言葉にできずに悩む人、マーケティングと営業のつながりを一冊で押さえたい担当者。売り方の前に『誰のどんな困りごとを解決するのか』を整理したい場面に向きます。
良い点
- 理論と物語を同時に学べる
- 章立てが素直で読みやすい
- 営業以外にも応用が効く
気になる点
- 具体的なトーク術は少ない
- 入門者向けで物足りない層も
- 事例はフィクション仕立て
出版社
青春出版社
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルがおしゃれですけど、要するに営業の本なんですよね? マーケティングの入門だと聞いたこともあって、違いが気になっています。
佐藤メバル
そう、でも軸足はマーケティングなんだ。ドリルが欲しい人なんて本当はいない、開けたい穴があるだけ。同じように、お客様が欲しいのは商品そのものではなく、その先で得られる変化だよね。
この本はベネフィット、ターゲティング、差別化、4Pという順番で、売れる前提を組み立て直していく。新人が閉店寸前のレストランを立て直す物語が挟まっているから、理論が逃げていかないんだよ。
橘ナナミ
なるほど! 物語パートがあると読みやすいですね。でも、明日の商談にすぐ効くような実践的な内容なんでしょうか?
佐藤メバル
即効性より、前提を疑う力がつく感じかな。たとえば価格で勝負にならないとき、値下げではなく『誰にとって何が価値か』を考え直す発想が持てる。
トークの型を詰め込む本とは方向が違うけれど、売り方を設計する土台としては、最初に読んでおいて損はない一冊だと思うよ。

なぜ、「質問」だけで売れるのか?: 気づけば成約に至っている「質問型営業」入門
青木毅 著|日本実業出版社
¥1,760(税込)
質問型営業の入門を、専門アドバイザーとして絶大な信頼を得てきた著者が講義形式で説く一冊です。売り込まずに問いを重ねるだけで成約に近づくという考え方を、実際の営業の流れに沿って解説します。同じ著者による実践編やフレーズ集より前に置かれた入門の位置づけで、まず考え方を理解したい人に向きます。理論の背景を押さえてから質問の使い方へ進める構成で、押し込み型の営業に違和感がある人ほど読みやすいはずです。
こんな人におすすめ
「質問型営業」という言葉だけ聞いて中身が気になっている人、売り込みに疲れて別のアプローチを探している営業、部下に質問の考え方を伝えたいマネージャー。まず全体像をつかみたい場面に向きます。
良い点
- 講義形式で読み進めやすい
- 考え方から無理なく入れる
- シリーズの入口になる
気になる点
- 具体的フレーズは少なめ
- やや重複を感じる箇所
- 実践には別冊が必要
出版社
日本実業出版社
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
青木毅さんの質問型営業の本って何冊か出ていますよね。入門書がいくつかあって、どれから読めばいいのか迷っています。
佐藤メバル
これは入門の一冊だね。売るために何を言うかではなく、どんな問いを投げるかに重心を置いた考え方を、講義形式で順に追っていく。
著者は専門アドバイザーとして信頼を得てきた人で、押し込むのではなく相手に考えてもらう進め方を説いている。
まずここで全体像をつかんでから、フレーズ集のほうに進むと頭に入りやすいと思うよ。
橘ナナミ
質問するだけで売れる、って正直に言うと半信半疑なんです。それだと商品の説明が足りず、お客様に伝わらない気がするんですが。
佐藤メバル
そこが面白いところでね。人は自分で口にした理由のほうを信じるものなんだよ。こちらの説明は頭に残りにくいけれど、自分で『たしかに困っている』と語った内容は自分の課題になる。
この本は、その遠回りに見える道を実務の流れに落とし込んでいる。読むと、つい話しすぎてしまう自分の癖に気づくはずだよ。

営業の魔法
中村信仁 著|ビーコミュニケーションズ
¥1,650(税込)
売上げゼロの新入社員・小笠原が、喫茶店で出会ったスーパー営業マン紙谷から早朝六時のレクチャーを受け、11の魔法を教わっていく営業サクセスストーリーです。最後の12個目を伝えないまま紙谷は姿を消すという引きがあり、ノウハウ本なのに物語として一気に読めます。用語解説やチェックリスト型の実務書とは対照的に、営業を続ける心の持ちようや人との向き合い方を、主人公の成長を通して追体験できるのが持ち味です。
こんな人におすすめ
営業に配属されたばかりで自信を失っている若手、後輩に営業の心構えを伝えたい先輩、活字が苦手で物語から入りたい人。通勤時間で読み切れる分量のなか、気持ちを立て直したい場面に向きます。
良い点
- 物語として最後まで読める
- 心構えから腹に落ちる
- 新人の共感度が高い
気になる点
- 網羅的な技術書ではない
- 内容が精神論寄り
- 手順の詳細は薄め
出版社
ビーコミュニケーションズ
発売日
2007年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『営業の魔法』って、小説なのか実用書なのかどちらなんですか? タイトルだけでは見当がつかなくて、新人の頃に買うべきか迷いそうです。
佐藤メバル
広い意味では物語形式の営業本だね。新入社員の小笠原が、喫茶店で出会った超一流の営業マン紙谷から、早朝六時のレクチャーで11の魔法を教わる。
ちゃんと中身は営業の心得になっていて、読み終えると自分が何を間違えていたかに気づく仕掛けがある。技術を並べた本より、まず気持ちを立て直したい新人に向いていると思うよ。
橘ナナミ
11の魔法を教わったのに、12個目は教えてもらえないまま去ってしまう、というところが引っかかります。読み終わってもやもやしませんか?
佐藤メバル
そこがこの本の余韻なんだ。紙谷が伝えないまま去ってしまうから、読者は自分で最後の一つを考えることになる。
ノウハウを全部渡すのが親切とは限らないんだよね。書店員時代、新人に何度もこの本を薦めたけれど、『営業を辞めずに済んだ』と言われたのはこういう物語の力だと思っているよ。

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
高橋浩一 著|かんき出版
¥2,420(税込)
営業1万人とお客様1万人、合計2万人への調査をもとに、営業の「急所」をデータで示した一冊です。「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」というキーワードで、はぐらかし・忙しさ・いきなり・とにかく安く・検討しますという5つの仮面を外す手順を章ごとに解説します。根性論や個人の成功体験ではなく、なぜ努力が報われないのかを構造から理解できるのが特徴。同じ著者の質問術の本と並べると、データ編として読めます。
こんな人におすすめ
努力量は増やしているのに数字が伸びない中堅営業、精神論の指導に限界を感じているマネージャー、商談記録を分析して打ち手を変えたいチーム。表面的な顧客の言葉に振り回されたくない場面に向きます。
良い点
- 2万人調査の裏づけがある
- 仮面ごとの対策が具体的
- 育成や指導にも使いやすい
気になる点
- 432ページと厚め
- データ前提でやや硬質
- 一気読みには向かない
出版社
かんき出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業の科学」って、タイトルからして理系っぽいですよね。グラフや数字が苦手な私でも読み進められますか?
佐藤メバル
大丈夫、グラフを読み解く本じゃないんだ。営業1万人とお客様1万人に聞いた結果から、努力が空回りする原因を言葉にした本でね。
お客様が本当は言っていないこと、たとえば『検討します』の裏側に何があるかを、仮面という比喩で整理している。
数字は根拠として出てくるけれど、読み筋はとても人間的だよ。
橘ナナミ
仮面を外す、という言い方が少し怖い気もするんです。お客様を疑うような話だったら、読むのがつらくなりそうです。
佐藤メバル
そこは誤解しないでほしいな。疑うのではなく、本音を言いにくい事情を想像するという意味なんだ。たとえば『忙しい』と言われたら、価値の根拠を示せていないかもしれない。
そう考えると、次の一手が変わるよね。責めるのでも媚びるのでもなく、相手の事情を読みにいく姿勢を学べる本だと思うよ。

営業の「聴く技術」: SPIN「4つの質問」「3つの説明」
ケンブリッジ・リサーチ研究所 著|株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
¥1,980(税込)
SPINのキャッチフレーズに「聞く・聴く・訊く」を置き、質問を通じて相手の経営課題を明らかにする過程を解説した一冊です。質問によって相手自身がニーズを顕在化させ確信するという流れを、ソリューション提案のなかで何度も作り出せることが肝心だと説きます。208ページとコンパクトで、SPINの考え方を聴き方の実務に絞って読めるのが特徴。分厚いオリジナル・テキストに入る前の一冊としても使いやすい構成です。
こんな人におすすめ
提案の前にヒアリングが浅いと感じている法人営業、SPINの名前は知っているが実務に落とせていない人、商談前の質問設計を短時間で見直したい人。聴く姿勢から見直したい場面に向きます。
良い点
- 208ページで短時間に読める
- 聴く姿勢に焦点が絞られる
- SPINの実務的な入口になる
気になる点
- 網羅性はオリジナルに劣る
- 事例の分量は多くない
- 入門書を読んだ人には物足りない
出版社
株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「聞く・聴く・訊く」って、同じ読み方なのに漢字が三つあるんですね。商談ではどう使い分けるんでしょうか?
佐藤メバル
そこがこの本の主題なんだ。聞くは広く受け取ること、聴くは相手の言葉の奥にある意図まで拾うこと、訊くは必要なところを具体的に確かめること。
SPINの4つの質問を回しながら、この三つを行き来すると、お客様の経営課題が質問の途中で立ち上がってくる。
厚い原著の前に、この薄い一冊で聴き方の勘所をつかむのも手だよ。
橘ナナミ
自分では、なんとなく質問して終わりになりがちなんです。訊く、というところまで深めるのがどうも苦手で。
佐藤メバル
よくわかるよ。ただ、訊くを急ぐと尋問みたいになってしまうからね。まず相手が話しやすい問いで場を開いて、出てきた言葉を拾って、そこではじめて一点を深掘りする。
順番を守るだけで印象が変わる。この本はその順番を短く確認できるから、商談前の見直しにも向いていると思うよ。

話さない営業が最強: 話す時間は80%減らし成約率3倍を実現する お客様が願望を語りだす『聞くだけ』メソッド
営業ストーリー研究会 著
話す時間を80%減らして成約率を3倍にしたという実体験をもとに、聞くだけで売れる営業術を体系化した一冊です。お客様が願望を語りだす「聞くだけ」メソッドを軸に、魔法の相づちと深掘り質問、初対面90秒の自己開示ストーリー、戦略的沈黙、見える化メモ術、反論をチャンスに変える転換ストーリーまでを扱います。話術を磨く本とは逆に、語らないことを設計する点が最大の特徴です。
こんな人におすすめ
商談で沈黙が怖くてつい喋りすぎる人、商品説明のあとに『検討します』と言われてしまう営業、オンライン商談で間の取り方に悩む人。会話量を減らして受注につなげたい場面に向きます。
良い点
- 沈黙の使い方が具体的
- 相づちと言葉がすぐ使える
- オンライン商談にも触れる
気になる点
- 事例提供元の性格が不明瞭
- 根拠の説明は簡潔
- 話す研修が主体の職場には不向き
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「話す時間を80%減らす」って、けっこう極端ですよね。自分から話さなければ、商談が止まってしまいそうなんですが。
佐藤メバル
この本の主張は、お客様の心を動かすのは巧みなトークではなく、お客様自身の物語だという点なんだ。だから相づちと深掘り質問で相手に語ってもらい、戦略的に黙る時間を設計する。
商品説明を長くするほど『検討します』が増えるという指摘は、現場感覚とも合うよね。会話が苦手な人にとっては、むしろ有利に働く考え方だよ。
橘ナナミ
沈黙って、こちらが気まずくなるだけだと思っていました。そこに意味を持たせるのは、自分には難しそうです。
佐藤メバル
コツは、黙る前に問いを置いておくこと。たとえば『それは今、どれくらい困っていますか』と投げてから待つ。
相手が考えている時間を奪わないだけで、話の主役がお客様に移るんだ。この本はメモの見せ方まで含めて、黙り方を技術として整理している。苦手な人ほど救われる内容だと思うよ。

営業は台本が9割
加賀田裕之 著|きずな出版
¥1,650(税込)
購買心理に基づいて、お客様の「欲しい!」を自然に引き出す商談の脚本=営業台本の作り方を説く一冊です。成約率を80%にするための5ステップや、一瞬で専門家として認知させる質問、FABECの公式、選ばせるクロージング、想定しておくべき反論解決までを手順として並べます。感覚や度胸に頼らず台本として準備する点が特徴で、即興で切り抜けるタイプの営業術とは方向がはっきり異なります。
こんな人におすすめ
商談のたびに話す内容がばらつく若手、初回訪問のスクリプトを整えたいBtoB担当、属人的な営業を仕組みに変えたいチームのリーダー。商談前の準備時間を投資に変えたい場面に向きます。
良い点
- 台本作成の手順が明確
- 反論処理まで想定できる
- 初心者でも再現しやすい
気になる点
- 暗記頼りになりがち
- 柔軟な対応の記述は少なめ
- 現場では台本の更新が必要
出版社
きずな出版
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
台本って、丸暗記してそのまま話すイメージがあるんです。それだとロボットみたいな受け答えになりませんか?
佐藤メバル
そこを心配する人は多いね。でもこの本が言う台本は、購買心理の流れに沿って『どこで何を聞き、何を見せるか』を決めておく設計図なんだ。
たとえばFABECの公式で商品説明を組み立て、選ばせるクロージングに持っていく。成約率は台本の精度で変わるという前提に立つと、暗唱ではなく準備の話だとわかるよ。
橘ナナミ
なるほど、台本は準備の道具なんですね。でも、お客様が想定外の質問をしたらそこで崩れてしまいそうで怖いです。
佐藤メバル
だから反論解決をあらかじめ想定しておく章があるんだ。よくある断り文句への返しを台本に書き込んでおけば、その場で慌てずに済む。
書店員時代、売り場でも『この質問が来たらこの一冊』という想定を何百回も作ったけれど、準備した分だけ落ち着いて対応できたよ。営業も同じだと思う。

セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術
今井晶也 著|扶桑社
¥1,760(税込)
1100社・12000商品で実績を上げた営業支援会社のメソッドを、一般読者向けに噛み砕いた一冊です。営業プロセスを7分割し、否定材料を逐一なくしていくという考え方で、勘や根性ではなく成果をコントロールする術を示します。アポ獲得の方法やトップセールス共通のマインドまで、新人からベテランまで使える形に整理。個人の体験談ではなく、23年の歴史で積み上げたデータが土台になっている点が特徴です。
こんな人におすすめ
感覚で営業していて再現性に悩む人、プロセスを分解して改善したいチーム、新人教育の教材を探しているマネージャー。成績の波を小さくしたい場面に向きます。
良い点
- プロセスの分解が実践的
- マインドと技術の両方を扱う
- 新人にも配慮した説明
気になる点
- もとは法人向けの研修資料
- 図表が多いと感じる人も
- 自社商材への置き換えが必要
出版社
扶桑社
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「成果をコントロールする」って、タイトルを見ただけで驚きました。営業でそこまでできるものなんでしょうか。運や勘の話ではないんですよね?
佐藤メバル
この本の面白さは、営業の流れを7つに分けて、各段階で出る否定材料を一つずつ消していく考え方なんだ。たとえばアポが取れないなら、取れない原因はどこか。
商談が進まないなら、どの段階で止まっているか。運ではなく工程として見るから、次の打ち手が見えてくる。
23年分のデータが背景にあるのも心強いよ。
橘ナナミ
工程に分けると、落ち込む回数も減りそうですね。苦手なのは、どこで止まっているか自分で気づけないことです。
佐藤メバル
そこは記録の出番だね。商談のたびにどこで止まったかを書き留めておくと、自分の癖が見えてくる。この本はその見取り図として使える。
書店の売り場でも、売れない原因を『商品が悪い』で終わらせず、棚の位置やPOPに分けて考え直すと改善できた。
分解するだけで、次の一手は意外と素直に出てくるものだよ。

法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く
高橋浩一 著|翔泳社
¥2,420(税込)
2万4000人への調査から、失注の裏側で実際に起きていたことを分析した法人営業の実践書です。5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえて迷路から抜ける守りの戦略と、ターゲティング戦略・エキスパート戦略といった攻めの戦略を二部構成で示します。キーパーソンに会えない、連絡がつかない、検討が進まない、予算が増えないという4つの停滞を、催促か待つか以外の選択肢で解こうとするのが特徴です。
こんな人におすすめ
複数の関係者が絡む大型案件を担当する法人営業、社内稟議の進め方に悩む人、チームで勝ちパターンを共有したいマネージャー。失注の原因を構造から見直したい場面に向きます。
良い点
- 関係者と工程の整理が明快
- 守りと攻めを分けて解説
- 大規模調査に基づく打ち手
気になる点
- 個人向け商談には過剰
- 用語がやや多め
- 実践には案件の記録が必要
出版社
翔泳社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
法人営業って、個人のお客様を相手にするのと何がそんなに違うんでしょう? 同じ営業だと思っていたんですが。
佐藤メバル
同じようで、決まるまでの道がまるで違うんだ。法人の場合は購買プロセスが5段階に分かれていて、関わる関係者も6種類いる。
決裁者だけ押さえても動かないし、訪問回数を重ねても進まない。誰が、どの段階で、何を判断するのかを見取り図にしないと、努力が空回りしてしまう。
この本はその地図をデータから描き直しているよ。
橘ナナミ
6種類も関係者がいるとなると、全員を同じように相手にするのは現実的じゃない気がします。どこから攻めればいいんでしょう?
佐藤メバル
だから攻めの戦略で絞り込むんだね。ターゲティングで狙いを定め、詳しい人=エキスパートに味方になってもらう。
全部に同じ熱量を注ぐのではなく、効く場所を選ぶという考え方だよ。書店の仕入れでも、全ジャンルを均等に厚くする棚は作れない。
どこを厚くするかを決めるのが仕事だった。法人営業も近いと思う。

3万5000人を指導してわかった 質問型営業でトップセールスになる絶対法則 新人でも3か月で1年の予算を達成できる!
青木毅 著|ダイヤモンド社
¥1,540(税込)
見込み客の見極め、アプローチ、プレゼンテーション、クロージング、フォローアップ、セルフマネジメントという営業でつまずきがちな場面ごとに、トップセールスが何をしているかを整理した一冊です。属人的な成功例を誰でも使える技術として言語化しているのが特徴で、同じ著者の入門書より実践の場面に寄っています。3か月で1年の予算を達成した事例などを交えつつ、お役立ちと質問を土台にした進め方を示します。
こんな人におすすめ
基本は理解したので場面ごとの動き方を知りたい中堅営業、クロージングやフォローに苦手意識がある人、若手の指導に使える事例を探している先輩。商談の各段階を点検したい場面に向きます。
良い点
- 場面ごとに引ける構成
- 事例が具体的で実践的
- 自己管理まで扱う範囲の広さ
気になる点
- 入門書と重なる部分がある
- 事例の業種は限られる
- 体系より実践集の趣
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2019年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ青木さんの本でも、こちらは場面ごとの話なんですね。前に紹介した入門書とは、どう使い分ければいいんでしょう?
佐藤メバル
入門書で考え方をつかんだら、こちらは辞書のように使うといいよ。見込み客の見極め、アプローチ、プレゼン、クロージング、フォロー、そして自分の管理まで、つまずきやすい場面ごとにトップの動きが並んでいる。
『断られることが100%ない』といった章立てもあって、苦手な段階から開けるのが便利なんだ。
橘ナナミ
章で分かれていると、今の自分の課題から読めるのがいいですね。ただ、トップの人が特別なだけでは? という気もします。
佐藤メバル
そこを技術に落とすのがこの本の狙いなんだよ。著者自身も世界の代理店の中で大賞を取った営業で、そのやり方を一般化している。
特別な才能の話にしないで、真似できる形にする。書店員の世界でも、売れる人の棚を観察して手順に分解すると、他の人にも伝わるようになるんだよね。

無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
高橋浩一 著|日経BP
¥1,760(税込)
コンペで8年無敗という著者が、接戦を勝ち切る考え方を体系化した一冊です。営業とお客様のズレは情報ギャップから生まれるという前提に立ち、接戦状況・決定の場面・背景を問う3つの質問と、質問力・価値訴求力・提案ロジック構築力・提案行動力の4つの力でズレを解消します。楽勝でも惨敗でもない接戦に焦点を当て、コンペ型と稟議型それぞれの進め方まで扱うのが特徴です。
こんな人におすすめ
比較検討で競合と並んだときに弱い営業、提案書の作り方を見直したい人、若手に質問の型を教えたいマネージャー。あと一歩で落とす案件を減らしたい場面に向きます。
良い点
- 接戦という切り口が鋭い
- 4つの力の整理が実用的
- コンペと稟議で場合分け
気になる点
- 序盤の物語は好みが分かれる
- 分量はやや多め
- 練習相手がいると効果的
出版社
日経BP
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「無敗」ってすごい言葉ですけど、本当にそんなにうまくいくものなんでしょうか。タイトル負けしていないか気になります。
佐藤メバル
これは著者自身のコンペでの実績の話で、誰でも無敗になれるという意味ではないんだ。ただ、方向はとても実践的でね。
案件を楽勝・接戦・惨敗に分けて、いちばん差がつくのは接戦だと見抜いている。ここで情報ギャップを埋める3つの質問を投げると、お客様が何と比較して迷っているかが見えてくる。
橘ナナミ
比較検討の場面になると、どうしても値段の話になりがちなんです。そこを質問で変えていけるんでしょうか? 正直、毎回そこで押し負けています。
佐藤メバル
『高いですね』の裏側には、たいてい比較の基準がある。だから決定の場面や背景を問う質問で、何と比べているのかを確かめるんだ。
そのうえで提案ロジックを組み直す。4つの力は、質問だけで終わらせず提案までつなぐための道具立てだよ。
営業は技術だという前提が、この本全体を貫いているね。

トップセールスが使いこなす! 〝基本にして最高の営業術″総まとめ 営業1年目の教科書
菊原智明 著|大和書房
¥1,650(税込)
新人からリーダーまで1万5000人以上を指導し、大学でも営業の授業を教える著者による、営業の基本をまとめた一冊です。73の基本を105点のイラストとともに解説し、心得や身だしなみ、トーク、商談、ツール、職場関係、モチベーション、習慣、そして「しないこと」まで章立てで網羅します。名刺交換や小物へのこだわりといった現場の細部から入るので、明日から真似できる粒度の細かさが持ち味です。
こんな人におすすめ
営業に配属された1〜3年目の若手、これから営業を志望する学生、基本の見直しをしたいベテラン。研修の前に全体像を押さえたい場面や、部下への指導の教材を探している場面に向きます。
良い点
- 網羅性が高く辞書的に使える
- イラストで負担が少ない
- 実践の粒度が細かい
気になる点
- 深掘りは控えめ
- 経験者には物足りない
- 項目が多く通読は大変
出版社
大和書房
発売日
2018年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業1年目の教科書」って、営業歴のある私が今さら読んでも意味はありますか? 対象が新人向けに思えて迷っています。
佐藤メバル
むしろ基本の点検に向いているよ。73の基本が、名刺交換で名前と特徴を覚えるとか、小物へのこだわりとか、目だけでなく顔全体を見て話すといった具体まで下りている。
2時間ほどで読み切れる設計で、イラストも105点入っているから、研修前の予習にも向いている。できる人ほど抜けが見つかるものだよ。
橘ナナミ
105点のイラストって、さすがに多いですよね。実用書だと挿絵が邪魔に感じることもあるんですが、大丈夫でしょうか?
佐藤メバル
そこは好みが分かれるけれど、新人には安心材料になるんだ。文章だけだと『自分には難しそう』と身構えてしまう人が、挿絵があると読み進められる。
著者は大学で営業の授業も教えている人で、教え方そのものを知っている。まずは苦手な章から拾い読みするだけでも十分だと思うよ。

成果に直結する「仮説提案営業」実践講座
城野えん 著|日本実業出版社
¥1,980(税込)
BtoB営業とマーケティングで武器になる、仮説を立ててから提案する進め方を解説した一冊です。仮説の立て方から資料作成、商談への落とし込み、オンライン術までを豊富な図解で示し、事前準備や会議と会議の間の簡単な報告、進捗ミーティングの重要性にも触れます。思いつきの提案ではなく、順序立てた提案力を鍛える点が特徴。個人向けの即決を狙う技術書とは前提が異なります。
こんな人におすすめ
BtoBで提案の質を上げたい中堅営業、商談前の仮説づくりが苦手な人、オンライン商談の進め方を整えたいチーム。複数回のやり取りで案件を前に進めたい場面に向きます。
良い点
- 図解が多く理解しやすい
- 仮説から資料まで一貫
- オンライン商談にも言及
気になる点
- BtoCには参考になりにくい
- 情報整理の手間は必要
- 事例は限られている
出版社
日本実業出版社
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
仮説提案営業って、お客様の課題を先に当てにいく、みたいなことですか? もし外れたらどうするんでしょう。不安です。
佐藤メバル
まさにそこが肝でね。この本は課題を言い当てる競争ではなく、仮説を持って臨むことで質問の質が上がるという話なんだ。
仮説があれば、お客様の返事が想定とずれたとき、そのずれ自体が新しい情報になる。外れること自体は失敗ではなく、商談を前に進める材料になる。
図解が豊富で、資料の作り方やオンラインの進め方まで一続きで押さえられるよ。
橘ナナミ
資料づくりまで一冊で入っているんですね。商談前の準備と資料作りが別々になりがちだったので助かりそうです。
佐藤メバル
そう、事前準備と資料のつながりを意識させる構成になっていて、会議と会議の間の短い報連相や進捗の場面にも触れている。
派手なテクニックは少ないけれど、BtoBの現場で地道に効く型が並んでいる。順序立てて提案を組み立てたい人ほど、読み終えたあとに手を動かしたくなるはずだよ。

成約率80%!トップセールスの「価値観営業」メソッド
加賀田裕之 著|きずな出版
¥1,870(税込)
大きな買い物の場面ほど人の価値観が露わになるという前提から、商品の価値を顧客の価値観に寄り添わせて呼応させる「価値観営業」を説く一冊です。18のフレームワークと12のワークシートを使い、最新の購買心理の型に沿った営業台本を作りながら成約率80%を目指す構成。読むだけでなく手を動かして自分のスクリプトを組み立てる点が、同じ著者の台本術の本よりさらに実践寄りです。
こんな人におすすめ
成約率を数字で意識したい個人営業、顧客の本音が価値観のレベルにあると気づきたい人、ワークを通じて台本を作りたい人。高額商材や検討期間の長い商品を扱う場面に向きます。
良い点
- ワークシートで手が動く
- 価値観という切り口が新しい
- フレームワークが豊富
気になる点
- 書き込みの時間が必要
- 台本本と重なる部分
- 効果測定は自分次第
出版社
きずな出版
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
価値観営業、って聞き慣れない言葉です。普段よく使う『ニーズ』とは、何が違うんでしょうか? 正直、言葉だけでは想像がつきません。
佐藤メバル
ニーズは『何が欲しいか』だけど、価値観は『なぜそれを欲しいのか』なんだよね。この本は、大きな買い物をするときには人の価値観がはっきり出るという前提から始まって、商品の価値を顧客の価値観に寄り添わせる方法を18のフレームワークで整理している。
同じ著者の台本の本より、さらに手を動かす比重が高いよ。
橘ナナミ
ワークシートが12も入っているんですね。手を動かす作業って、正直少し面倒に感じてしまうんですが、書き込む価値はありますか?
佐藤メバル
そこは正直に言うと、書き込む時間は必要だよ。でもね、自分の商材で一行ずつ埋めていくと、頭では分かっていたつもりが、実は言葉にできていなかったと気づく。
書店員時代も、推薦文を書こうとして初めて本の中身を理解していなかったと気づくことが何度もあった。手を動かすのは遠回りのようで近道なんだよ。

営業脳のつくり方: ”話す営業”から”思考する営業”へのアップデート方法
千三木峻 著|産業能率大学出版部
¥1,870(税込)
トップセールスは話す「前」に勝っているという視点から、成約に至るまでの準備と思考の構造を説いた一冊です。営業はセンスではなく設計であり、気合ではなく危機管理だという立場で、顧客の脳内に何が起きているかを踏まえて営業を組み立てます。話し方やトークの型を磨く本とは逆に、話す前の準備と設計に重心を置いているのが特徴。著者が約20年かけて現場から体系化した思考法が土台にあります。
こんな人におすすめ
話術に自信がなく、準備の段階で差をつけたい営業、商談を設計として捉え直したい中堅、後輩に思考の順序を教えたい先輩。商談前に何を考えるべきかを整理したい場面に向きます。
良い点
- 準備に焦点を当てた構成
- 思考の順序が具体的
- 長年の現場経験に基づく
気になる点
- 語り口はやや硬め
- 技術の網羅性は高くない
- 実務で試す場面が必要
出版社
産業能率大学出版部
発売日
2026年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業脳」って、なんとなく脳トレみたいに聞こえます。生まれつきのものではなく、訓練で身につくんでしょうか。
佐藤メバル
特別な才能の話ではないよ。著者は現場で泥をかぶりながら、話す前の準備で勝敗が決まると気づいて、その考え方を20年かけて整理した人なんだ。
話す前の設計が成約を左右するという立場で、商談の前にお客様の頭の中で何が起きているかを想像する。
トーク術の前に、考える順番を変えてくれる一冊だよ。
橘ナナミ
話す前に勝っている、と言われると、準備が苦手な私には耳が痛いです。何から始めればいいんでしょう?
佐藤メバル
まずは『この人は今、何を決めようとしているのか』を書き出すところからでいいと思う。商品の説明を組み立てる前に、相手の状況と決断の場面を想像する。
この本はその思考の工程を丁寧に分解している。派手さはないけれど、商談を重ねるほど差が出るタイプの内容だね。

できる営業マンのすごい言語化 「なんとなく」を納得に変える
乾哲也 著|KADOKAWA
¥1,760(税込)
フルコミッション一筋21年、成約率90%という著者が、営業の成果に再現性が生まれない原因を「暗黙知」のままにしている点に見出し、言語化の技術を説いた一冊です。個人の感覚に頼らず、成果を再現できるトークスクリプトを作る考え方を、購買意欲の概念を取り入れた即決メソッドとして示します。売れる人の勘を、他の人にも渡せる言葉に変える点が、体験談型の営業書との大きな違いです。
こんな人におすすめ
成果が出る理由を説明できない中堅営業、部下の育成に手が届かないマネージャー、トークの共有が進まないチーム。属人的な営業を組織の言葉に変えたい場面に向きます。
良い点
- 育成の視点がある
- トークの言語化が具体的
- 長年の現場経験が背景
気になる点
- 用語の説明は簡潔
- 個人の実践には援用が必要
- 事例の業種は限られる
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごい言語化」って、要するに話し方をうまくするための本なんでしょうか? タイトルからは中身が想像できなくて。
佐藤メバル
そこが勘違いされやすいところでね。この本が問題にしているのは、売れた理由が本人にも説明できない状態、つまり暗黙知のままになっていることなんだ。
成果を再現できる言葉に置き換えることで、本人も部下も同じように動けるようになる。話し方の美化ではなく、ノウハウを共有可能な形にする話だよ。
橘ナナミ
なるほど。でもトップ営業の人って、言葉にできない感覚や才能で売っているイメージがあるんですが、違うんでしょうか?
佐藤メバル
まさにそこを引きはがそうとしている本だね。感覚のままだと、その人が辞めたら成績も消えてしまう。著者は成果が出ない原因を精神論ではなく、共有できる型の不足に置いている。
書店でも、売れる棚の理屈を言葉にできた人が強い仕入れをしていた。営業も同じで、言語化は育成の土台なんだよ。

営業の一流、二流、三流 (アスカビジネス)
伊庭正康 著|明日香出版社
¥1,540(税込)
リクルートでトップを誇り、研修でも優秀な営業を輩出してきた著者が、一流といわれる営業の独特の視座や小さなこだわりを説いた一冊です。持っているスキル以上に差がつく「営業の機微」に焦点を当て、ネクタイ一本に戦略があるかと問いかけるところから始まります。手順を積み上げる実務書ではなく、判断の物差しそのものを変える読み物としての性格が強いのが特徴です。
こんな人におすすめ
基本はできるのに頭打ちを感じている中堅、後輩の見立てを育てたいマネージャー、営業観を問い直したいベテラン。数字の出し方ではなく仕事への向き合い方を見直したい場面に向きます。
良い点
- 短く読みやすい
- 視点の切り替えが起きる
- 経験者ほど刺さる内容
気になる点
- 具体的な手順は少ない
- 新人にはやや早い
- 章ごとの差が大きい
出版社
明日香出版社
発売日
2015年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
一流、二流、三流って、順位づけの本ですか? だとしたら自分の立ち位置を見せられるようで、読むのがちょっと怖いんですが。
佐藤メバル
そこは安心していいよ。誰かを格付けする話ではなくて、一流と言われる人の判断の物差しを覗く本なんだ。たとえば『あなたのネクタイに戦略がありますか』という問いから始まる。
スキル以上に差がつく小さなこだわりに目を向ける。手順書というより、視座を入れ替える読み物だね。
橘ナナミ
ネクタイに戦略、というのは、身だしなみを丁寧に整えましょうという意味なんでしょうか? 少し意外な問いかけでした。
佐藤メバル
それも含むけれど、もっと広く『その行動は何のために選んでいるのか』という問いかけなんだ。書店員の仕事でも、ただ本を並べる人と、誰のためにこの棚を作るかを考えて並べる人では、結果が変わってくる。
数字の前に判断がある。中堅になってから読むと、刺さる箇所が増えるタイプの一冊だと思うよ。

営業の鬼100則 (アスカビジネス)
早川勝 著|明日香出版社
¥1,000(税込)
30年にわたり業界トップクラスのプレイヤーとマネージャーとして現場を貫き、数千人のデータから編み出した営業の鉄則を100項目にまとめた一冊です。営業は媚びを売る仕事ではなく、誇り高き自分を売る仕事だという立場から、スキル・戦術・習慣・精神面までを網羅します。やわらかい言葉で励ます本とは対照的に、甘えを断ち自分を律する姿勢を正面から説くのが最大の特徴です。
こんな人におすすめ
数字に伸び悩み、自分の甘さを正したい中堅、長く第一線で戦い続けたい個人営業、部下に厳しさと誇りを伝えたいマネージャー。気持ちを引き締め直したい場面に向きます。
良い点
- 100項目で引きやすい
- 精神面の記述が強い
- 価格が手頃で手に取りやすい
気になる点
- 表現がストイック
- 繊細な人には負担
- 時代に合わせた調整は必要
出版社
明日香出版社
発売日
2018年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『営業の鬼』って、かなり強めのタイトルですよね。気持ちを奮い立たせる根性論の本だったらどうしようと身構えています。
佐藤メバル
言葉づかいは確かにストイックだよ。でも中身は根性を振り回す話ではなく、30年現場で戦ってきた人が数千人のデータから編んだ鉄則集なんだ。
媚びるのではなく、誇りを持って自分を売るという姿勢が一貫していて、お客様の前でペコペコする営業から卒業しようと呼びかけている。
100項目あるから、今の自分の課題のところだけ拾い読みしてもいい。
橘ナナミ
100則もあったら、通して読むには疲れてしまいそうですが、拾い読みでいいんですね。目次から選んで開くのは気が楽です。
佐藤メバル
そう、通読するより、目次から選んで開く使い方が合っていると思う。書店員時代も、こういう鉄則集はいちばん売り場で手に取られていた。
売れている人は調子のいいときほど基本に戻るんだよね。気持ちを引き締めたい日に一項目だけ読む、という付き合い方もありだよ。

営業に才能はいらない ~元キーエンスのトップセールス直伝【仕組み化営業術】~
コアラ先生 著
キーエンスでトップセールスになった著者が、入社当初は最下位で自信をなくしていた経験から、誰でも再現できる営業の仕組みをまとめた一冊です。事前準備・電話アポ・商談・アフターフォローを学校の授業のように1時間目から5時間目まで区切り、現場で使える質問例や失敗談を交えて解説します。特別な才能や度胸を前提にしない点が、根性型の営業書との大きな違いです。
こんな人におすすめ
営業に向いていないと感じている人、人と話すのが苦手な内向型の若手、手順を一つずつ確認しながら進めたい新人。電話アポから商談、フォローまでの流れを一冊で押さえたい場面に向きます。
良い点
- 授業形式で読みやすい
- つまずきポイントに触れる
- 内向的な人への配慮がある
気になる点
- 上級者には基本的すぎる
- 業種による差はある
- 構成はやや単純
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業に才能はいらない」って、励まされるタイトルです。でも、本当にそう思っていいんでしょうか? 希望を持ちすぎるのも怖くて。
佐藤メバル
この本の著者はキーエンスでトップセールスになった人だけれど、入社当初は最下位で辞めたいと思っていたそうだ。
そこから試行錯誤して、誰でも再現できる仕組みを作り上げた。事前準備から電話アポ、商談、フォローまでを1時間目から5時間目という授業の形で並べているから、順番どおりに進めれば迷わない。才能ではなく手順の話として読めるよ。
橘ナナミ
授業形式だと、通して読む感じになりますね。つまずいた場所に戻って確認しやすいのが、自分には合っていそうです。
佐藤メバル
そう、そこが親切なところだね。しかも失敗談や質問例も入っているから、うまくいかない日を想定しながら読める。
書店員時代、新人に『まず何から覚えればいいか』と聞かれて返す答えはいつも同じで、順番を示すことだった。
この本はその順番を丁寧に渡してくれる一冊だよ。

できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣
伊庭正康 著|PHP研究所
¥1,550(税込)
極度の人見知りからリクルートの営業で全国トップ表彰を4回受けた著者が、短時間で成果を出すための習慣をまとめた一冊です。『足ではなく頭で稼ぐ』を徹底してほぼ毎日定時帰りだったという実績をもとに、ウィズコロナ・AI時代にも必要とされる営業のやり方を示します。AI導入企業ほど営業人員を増やしているという見立てから、淘汰される営業との分かれ目を説く点が特徴です。
こんな人におすすめ
長時間労働になりがちな営業、限られた時間で数字を出したい人、AI時代に自分の役割を見直したい中堅。働き方と成果を同時に見直したい場面に向きます。
良い点
- 時間術と営業術が結びつく
- AI時代の見通しに触れる
- 読みやすい定番シリーズ
気になる点
- 手順の細部は簡潔
- 経験者には既知も多い
- 環境差は考慮が必要
出版社
PHP研究所
発売日
2021年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「これしかやらない」って、何かを省略する本なんでしょうか? 手を抜くための話だったら、読むのが少し不安なんですが。
佐藤メバル
むしろ逆で、効く行動に絞る話だよ。著者は人見知りだったのに、リクルートの営業で全国トップ表彰を4回受けている。
その秘訣が足ではなく頭で稼ぐという考え方で、営業時代はほぼ毎日定時帰りだったそうだ。やることを増やすのではなく、やらないことを決める。努力の総量より配分を変える本だね。
橘ナナミ
AIに営業の仕事が置き換わる、という話もよく聞きます。この本はその点をどう見ているんでしょうか? 不安でたまりません。
佐藤メバル
AIを導入している企業ほど営業の人員を増やしているという指摘があって、仕事はなくならないけれど、必要とされる営業と淘汰される営業には分かれていくという立場なんだ。
だから今の時代に合った動き方を、という構成になっている。不安をあおるのではなく、残る側に回る条件を示してくれるのがいいところだよ。

電話だけで3億円売った伝説のセールスマンが教える お金と心を動かす会話術
浅川智仁 著|かんき出版
¥1,430(税込)
電話だけで3億円を売ったという著者が、会話で相手の心と財布を動かす方法をまとめた一冊です。レクサスやリクルート、美容クリニックなど現場の実践者たちの変化が冒頭で示され、対面に頼らず声だけで信頼を作る技術を扱います。資料を配って説明するタイプの商談術とは違い、限られたやり取りのなかで言葉を選ぶ力を鍛える点が特徴です。
こんな人におすすめ
テレアポや電話商談が苦手な営業、対面の機会が減った環境で数字を作りたい人、会話の組み立てを見直したい中堅。声だけで信頼を積み上げたい場面に向きます。
良い点
- 会話の具体例が豊富
- 現場の変化が示される
- 電話営業の心理がわかる
気になる点
- 対面商談には応用が必要
- やや煽り気味の表現もある
- 実践には場数が要る
出版社
かんき出版
発売日
2018年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「電話だけで3億円売った」って、すごい数字ですけど、今の時代の営業でも通用する内容なんでしょうか? 正直、昔の武勇伝だけの本だったらどうしようと思っています。
佐藤メバル
数字そのものより、声だけで信頼を作る技術が詰まっている点を見てほしいな。著者のもとで学んだ人たちの変化として、自動車販売や人材、美容クリニックの現場の声が冒頭に並んでいる。
対面に頼らず、言葉の選び方で相手を動かすという考え方は、オンライン商談が増えた今こそ参考になるよ。
橘ナナミ
電話だと相手の表情が見えないぶん、つい押しが強くなってしまいそうで怖いんです。自分ばかり話して終わりそうで。
佐藤メバル
そこは意識したいところだね。声だけの場面では、間の取り方や言葉の順番が余計に効いてくる。書店員の電話対応でも、要件を先に言うか、相手の都合を先に聞くかで印象がまったく変わった。
この本はその順番を会話術として整理しているから、押す技術ではなく、伝わる順番の技術として読むといいよ。

誰も教えてくれなかった営業の超基本! 「アポの5原則」
藤島幸恵 著|東洋経済新報社
保険営業の現場に27年間携わり、トップセールスの実績を挙げ続けてきた著者が、アポ取りに絞って原則をメソッド化した一冊です。スケジュール帳に書き込む姿を見せながら約束を取るなど、日時と場所の設定、当日の用件確認、アポカードの活用、事前確認の電話までを5原則として示します。成約の前に必ずつまずくアポの段階に光を当てている点が、商談術の本との違いです。
こんな人におすすめ
成約以前にアポが取れずに悩む営業、訪問型の商談が中心の人、後輩にアポの取り方を教えたい先輩。次回の約束が曖昧になりがちな場面に向きます。
良い点
- アポに絞った珍しい構成
- 原則が5つで覚えやすい
- Q&Aで応用まで触れる
気になる点
- 商談以降は扱わない
- 保険営業の文脈が強い
- 地域差は考慮したい
出版社
東洋経済新報社
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
アポの取り方だけを一冊にまとめているのって、珍しい気がします。それだけ大事な工程だということなんでしょうか? 商談術より前の話ですよね。
佐藤メバル
むしろ、いちばん見落とされている工程なんだよね。27年保険営業の現場にいて、成約できない原因の多くはアポが取れていないことに行き着く。
原則は5つと少ないけれど、日時と場所をきちんと決めるところから、アポカードを渡す、事前に確認の電話をすると伝える、という細部まで具体的なんだ。
橘ナナミ
アポカードって、今どき聞かない言葉ですし、スマホのスケジュール管理で十分ではないでしょうか。古いやり方に思えてしまいます。
佐藤メバル
手段は時代で変わるけれど、相手の手元に約束が残る形を作るという発想は生きていると思う。口約束だけで終わると、次の訪問が曖昧になりがちだよね。
この本は第三章で、原則を自分の営業スタイルに応用するためのQ&Aも用意している。型を覚えてから崩す、という順番が親切な一冊だよ。

仕事がデキると言われている人が必ずおさえている新規開拓営業の鉄則
浦上俊司 著|クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
新規開拓営業で門前払いや無視といった苦い経験を多くの人がするなか、会社の看板に頼らず自分の力で顧客を作る方法を説いた一冊です。自ら顧客を作れる人はどこに行っても生きていけるという立場から、人気研修講師自身の新規開拓の実績をもとに、どう営業活動を組み立てるかを述べます。既存顧客の深耕を扱う本とは前提が異なり、ゼロから関係を立ち上げる場面に焦点を当てているのが特徴です。
こんな人におすすめ
飛び込みや新規開拓が求められる営業、看板のない環境で数字を作りたい人、営業研修の内容を探しているマネージャー。ゼロから見込み客を開拓する場面に向きます。
良い点
- 新規開拓に特化している
- 研修講師の実践知が土台
- 心構えと進め方を扱う
気になる点
- 商談以降の記述は薄い
- 業種による差が大きい
- 具体例の量は中程度
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日
2008年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新規開拓って、門前払いされて終わり、というイメージしかないんですけど、そこを正面から扱った本なんですね。
佐藤メバル
そう、ここが多くの人がつまずく場所なんだ。この本の主張は、会社の看板に頼らず自分の力でお客様を作れる人はどこに行っても生きていけるというもの。
著者は新規開拓で自ら実績を上げた研修講師で、どう活動を組み立てるかを順に述べている。飛び込みを美化せず、現実的な進め方を示しているよ。
橘ナナミ
研修講師の人が書いているなら、教え方もうまそうです。ただ、扱う商材や業種によって難しさはかなり違う気がします。
佐藤メバル
それはそうで、地域や商材で前提は変わる。だからこそ、この本は手順そのものより、断られる前提でどう動くかという組み立て方を学ぶのに向いていると思う。
書店の外商でも、飛び込みで新規のお客様を開拓するのは本当に大変だった。でも、断られる回数を前提に置くと、心の持ちようが変わるんだよね。

時代、場所、業種を選ばず、どんな人でも成功する 新規開拓営業の教科書
永嶋信晴 著|青月社
営業代行のプロが、人間の心理法則と本能・生理を知り尽くした立場から、決して古くならない新規開拓の普遍的なノウハウを30のエッセンスにまとめた一冊です。チラシは文字よりも数字が主役といった具体的な技術から、ゴミ箱行きを阻止する工夫、警戒心を突破する方法、最初の取引は数千円でもいいという考え方までを扱います。気合や根性に頼らない点が、精神論の営業書との違いです。
こんな人におすすめ
飛び込みやテレアポで疲弊している営業、チラシやポスティングを活用したい個人事業主、新規開拓の型を一から組み立てたい人。長く使える手順を手元に置きたい場面に向きます。
良い点
- 心理に基づく説明がある
- 30項目で整理されている
- 時代に左右されにくい
気になる点
- チラシ前提の項目が多い
- 商談以後は範囲外
- 実践には反復が必要
出版社
青月社
発売日
2013年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
チラシの話が多いんですね。今どきチラシって、本当に効果があるんでしょうか? 時代に合わない気もします。
佐藤メバル
そこが意外と古びないところでね。この本はチラシは文字よりも数字が主役だというところから、ゴミ箱行きを防ぐ工夫や警戒心の突破の仕方まで、人間の本能や生理に沿って説明している。
配る手段は変わっても、初対面の人がどう反応するかという原理は変わらない。30のエッセンスとして整理されているから、必要な項目から試せるよ。
橘ナナミ
最初の取引は数千円でもいい、という考え方も書かれているそうですね。金額としては小さすぎる気がするんですが、それでいいんでしょうか?
佐藤メバル
金額の大小より、取引が生まれるきっかけを作ることを優先しているんだと思う。一度でも買ってもらえた関係は、次につながりやすい。
文句を言うお客様が上客だという指摘も同じ発想だね。書店でも、まず一冊買ってくれた人を大切にする。新規開拓は、その最初の一冊までの距離を縮める仕事なんだよ。
営業本の「読む順番」ロードマップ
橘ナナミ
何冊も買ったのに積読になるパターン、すごく分かります。順番ってあるんですか?
佐藤メバル
あるよ。0年目は型を作る時期で、『営業1年目の教科書』か『営業に才能はいらない』のどちらか1冊。2〜3年目は自分の型を疑う時期で、『営業の「聴く技術」』や質問型営業の本で質問の引き出しを増やす。数字が伸び悩んだら『営業の科学』で原因を分解し、最後に『法人営業 勝ちパターン大全』のようなチーム設計の本へ進む。順番を飛ばすと、現場と結びつかないまま終わりやすいんだ。
橘ナナミ
じゃあ最初から全部そろえる必要はないんですね。
佐藤メバル
ないよ。営業本は「テクニック本」「マインド本」「戦略本」の3つに分けて考えればいい。テクニックは現場で数週間、マインドは落ち込んだときに、戦略は役職が変わったときに読む。そのとき必要な1冊だけを棚から抜けばいいんだ。
「読む→試す→検証」を回す実践サイクル
橘ナナミ
読んだだけで満足しちゃうのは、どう防げますか?
佐藤メバル
1冊につき「今週試すこと」を3つだけ抜き出すこと。たとえば『営業は台本が9割』なら、商談の入り口のひとこと、断られたときの返し、選んでもらうクロージングの一言を1つずつ。次の1週間で全部試して、反応が良かったものだけ残す。商談10件も見れば、たいてい数字が動くよ。
橘ナナミ
効果は売上だけで測るんでしょうか?
佐藤メバル
売上はブレるから、工程ごとに見る。アポ率、商談化率、提案後の反応、受注率だね。『営業の科学』が言うように、努力の量ではなく「急所」を押さえられているかを見るんだ。時間がないときは、目次と各章の結論と図表だけを拾って、自分の商談のどの局面に効くかだけメモする。1冊30分で要点を抜くつもりでいい。全部覚えようとしないほうが続くよ。
失敗する読み方と、著者の信頼性の見分け方
橘ナナミ
やってはいけない読み方ってありますか?
佐藤メバル
3つある。1つは成功談だけを真似すること。商材も顧客も違えば、個人の武勇伝は効かない。2つ目は名著の鮮度を確かめずそのまま使うこと。原理は古びなくても、オンライン商談の作法は更新が要る。3つ目は検証しないこと。失注した案件を本と照らし合わせる作業が、いちばん学びになるんだ。
橘ナナミ
著者の信頼性はどう見ればいいんでしょう?
佐藤メバル
肩書きより根拠を見る。何人の営業を支援したのか、どんな商材で、どのくらいの期間のデータなのか。2万人調査、4万人支援といった数字が本文で示されている本は、裏取りの手がかりになる。逆に「私はこうして売れた」だけの本は、読み物として楽しみつつ、自分の現場で試して判断すればいい。
橘ナナミ
セミナーや動画とはどう使い分けるんですか?
佐藤メバル
本は自分の中に骨格を作るのに向いている。動画やセミナーはロープレやフィードバックなど、一人では得られない外からの修正に強い。本で型を作り、実践の場で削る。この組み合わせが一番伸びるよ。
よくある質問
営業本は何冊くらい読めばいいですか?
橘ナナミ
営業本は何冊くらい読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
冊数よりも、今の課題に合う1冊を現場で試した回数のほうが大事です。まずは自分の工程に合う1冊を決め、商談10件ほどで検証してみてください。次の課題が見えたら2冊目に進む、という順番で十分です。
営業1年目の新人におすすめの1冊は?
橘ナナミ
営業1年目の新人におすすめの1冊はについて教えてください。
佐藤メバル
基本の型を一通り押さえたいなら『営業1年目の教科書』が入りやすいです。105点のイラスト付きで、名刺交換や身だしなみ、商談の進め方が73項目に整理されているので、読んだその日から試せます。
読む時間がないときの効率的な読み方は?
橘ナナミ
読む時間がないときの効率的な読み方はについて教えてください。
佐藤メバル
目次と各章の結論、図表だけを拾い、自分の商談のどの局面に効くかだけメモする読み方です。通勤中はオーディオブック、要点を先に掴むなら要約サービスも使えます。ただし要約は地図なので、刺さった1冊は必ず本文に戻ってください。
名著と最新刊はどちらを優先すべきですか?
橘ナナミ
名著と最新刊はどちらを優先すべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
骨格づくりは名著、更新は最新刊です。SPINの本のように20年以上読み継がれる普遍の原理は古びません。一方でオンライン商談の作法やツールの話は鮮度が命なので、そこだけ最新刊で補うのが効率的です。
漫画やオーディオブックでもスキルアップ効果はありますか?
橘ナナミ
漫画やオーディオブックでもスキルアップ効果はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。物語形式で読みやすく、主人公の成長を追いながら営業の流れを掴める本は、最初の1冊に向いています。耳から入るタイプなら、通勤時間をそのまま学習時間に変えられるのも大きな利点です。
営業本は経費計上できますか?
橘ナナミ
営業本は経費計上できますかについて教えてください。
佐藤メバル
業務に必要な学習として経費扱いされることが多いですが、判断は会社の規程と経理の確認が前提です。購入時に領収書を保管し、経費精算のルールに沿って申請してください。
本を読んでも成果が出ないのはなぜ?
橘ナナミ
本を読んでも成果が出ないのはなぜについて教えてください。
佐藤メバル
読むだけで終わり、試す→検証の工程を飛ばしているケースがほとんどです。1冊から今週試すことを3つだけ抜き出し、アポ率や商談化率など工程ごとの数字で反応を見る。このサイクルを回すと、学びが成果に変わります。
営業マネージャーにおすすめの本は?
橘ナナミ
営業マネージャーにおすすめの本はについて教えてください。
佐藤メバル
個人の技術ではなくチームの設計を扱う本が向いています。『法人営業 勝ちパターン大全』は、キーパーソンに会えない、検討が進まないといった失注の裏側を構造から見直せるので、部下の数字を動かしたい立場の人に向いています。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、営業の本は「何冊読むか」より「どの工程に効かせるか」なんだと分かりました。
佐藤メバル
そう。闇雲に読むより、今の自分の課題に合う1冊を商談で試して検証するほうが、はるかに遠くへ行ける。
橘ナナミ
でも、最初の1冊を選ぶところでまた迷いそうです。
佐藤メバル
そのときは、直近でいちばん悔しかった商談を思い出してごらん。「何を話せばよかったのか」なら質問の本、「何を提案すべきだったのか」なら提案の本、「そもそも会えなかった」なら新規開拓の本。悔しさは、いちばん正確な選書の物差しなんだ。
橘ナナミ
失敗を本棚の案内人にする、ということですね。
佐藤メバル
そう。商談は現場での実験で、本はその実験の設計図だ。設計図を何枚も集めるより、1枚を手に現場へ立ち、結果を見て図面を書き換えていく。その繰り返しだけが、あなた自身の営業の型になっていくんだよ。
