営業に役立つ本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、「営業に役立つ本」を調べているんですけど、書店のビジネス書コーナーで軽く迷子になりました。タイトルがどれも強そうで、どれから手をつければいいのか分からなくて。
佐藤メバル
いい質問だね。営業本って、実は「読む順番」を間違えると効果が半分以下になるジャンルなんだ。明日の商談に効く即効薬もあれば、半年かけて土台をつくる育成ドリルもある。まずは自分が今どの段階にいるかから考えよう。
橘ナナミ
段階、ですか。私は営業経験ゼロなので、いきなり分厚い本を読んでも刺さらなさそうで…。
佐藤メバル
そこが大事なんだよ。書店員時代、新人さんにいきなり400ページ超えの本を勧めて、第一章で心が折れた人を何人も見てきた。厚い本は「土台がある人が読むと効く」もの。最初の一冊は、まず商談の流れを掴む薄めの本が向いている。
橘ナナミ
なるほど…じゃあ「何を読むか」より「どの順で読むか」なんですね。
佐藤メバル
そう。そこを今日は丁寧にほぐしていこう。
営業に役立つ本の選び方
目的別 — 明日に効く即効型か、半年効く育成型か
橘ナナミ
即効型と育成型って、具体的にどう違うんですか?
佐藤メバル
即効型は、明日の商談でそのまま使える言葉を持ち帰れる本。たとえば『営業は台本が9割』は、購買心理に沿った商談の脚本のつくり方を扱っていて、商品説明のFABECの公式や選ばせるクロージングの5ステップなど、当てにいける型が並ぶ。一方の育成型は『ドリルを売るには穴を売れ』。ベネフィット、ターゲティング、差別化、4Pという順に、顧客にとっての価値から考えるクセをつくる。一夜漬けでは変わらないけれど、提案の質が一段変わる。
橘ナナミ
前提知識がないと、言葉だけ真似しても中身が伴わなそう…。
佐藤メバル
だから順番なんだ。先に価値の考え方を入れておくと、台本がただの呪文にならない。
経験値別 — 未経験〜1年目、2〜5年目、マネージャー
橘ナナミ
経験年数で分けるなら、それぞれ何が違うんでしょう?
佐藤メバル
1年目は言葉と作法。『この1冊ですべてわかる 営業の基本』や『1年めから必ず売れる営業のキホン』、『マンガで学ぶ! 営業の超基本』あたりで、商談の流れと基本動作を先に固める。2〜5年目は我流を壊す段階で、『セールス・イズ』のように営業プロセスを7分割して否定材料を逐一なくしていく考え方が効く。マネージャーなら『法人営業 勝ちパターン大全』のような、個人の勘ではなくチームで再現する型を扱う本が必要になる。
橘ナナミ
「お前のやり方でいい」と言われるほど不安になるタイプなので、2〜5年目の棚は他人事じゃないです…。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。我流のままだと、うまくいった理由を説明できないから、次の案件で再現できないんだよ。
形式別 — 1時間で読めるマンガ・図解か、読み応えのある専門書か
橘ナナミ
マンガや図解って、正直ラクをしている気がしてしまうんですけど…。
佐藤メバル
そんなことない。『マンガで学ぶ! 営業の超基本』は、ダメチームがプロ集団に育っていく過程を追う構成で、基本の型を物語として頭に入れられる。通勤の30分で一気に読めるから、まず全体像の地図が欲しい人には合理的な選択だよ。拾い読み派なら『決定版 営業心理術大全』が1項目4ページ読み切りの73項目でイラスト付き。読み応えのある専門書なら『営業の「聴く技術」』のように、SPINの4つの質問と3つの説明に絞った208ページの本もある。厚さと難易度は別物だと覚えておくといい。
鮮度別 — オンライン商談やAI対応の最新刊か、普遍性のある古典か
佐藤メバル
『NEW SALES』は、古い営業メソッドから脱却するための7つの原則を掲げていて、オンライン前提の商談やチームの生産性を考える人に向く。対して『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』は、35000件のセールスを12年かけて実地調査した質問話法が軸で、20年以上読み継がれてきた。相手の課題を質問で顕在化させるという骨格は古びない。
橘ナナミ
新しい本と古典、両方読むべきなんですか?
佐藤メバル
骨格は古典、手触りは最新刊。そう分けて考えると迷わないよ。
商材・手法別 — 法人か個人か、有形か無形か、高額か低額か
佐藤メバル
法人の新規開拓なら『ゼロから始める!法人営業』のように、努力量ではなく押さえるべきポイントに絞る発想の本が合う。高額で複数回の商談を重ねる案件なら『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』や『仮説起点の営業論』のように、事前に仮説を立てて商談に臨む型が効く。個人向けで成約率を上げたいなら『できる営業マンのすごい言語化』のように、暗黙知をトークスクリプトに変える話が参考になる。
橘ナナミ
商材が違うと、同じ「営業」でも必要な筋肉が違うんですね。
佐藤メバル
そう。だから並んでいる順に上から読む必要はないんだ。
実践しやすさ — テンプレやチェックリストがあるか
佐藤メバル
手を動かす前提なら、付録やフォーマットの有無は大きな差になる。『売れる営業がお客様に会う前にやっていること』は、電話応対のヒアリングチェックリスト、自己プロフィール、顧客管理表といったフォーマット付きで、出会う前から出会って7秒までに賭ける発想をそのまま試せる。『営業スキル100の法則』はマナーからアポ取り、クロージングまで100項目に分かれているから、今日の課題に一項目だけ当てる使い方ができる。
橘ナナミ
1冊を最初から最後まで読む前提じゃなくていいんですね。
佐藤メバル
営業本は辞書として使うほうが、実は身につく。
営業に役立つ本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
営業に役立つ本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
高橋浩一 著|かんき出版
¥2,420(税込)
営業1万人・お客様1万人の計2万人調査という土台がまず異色です。多くの営業本が「私はこう売れた」という体験談なのに対し、本書はデータとロジックで営業の急所を示します。鍵は「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」。はぐらかし、忙しさ、いきなり、とにかく安く、検討します——5つの仮面を章ごとに外し、質問の引き出しを増やす、価値の根拠を示す、高速ラリーで畳みかけるといった武器に落とし込む。432ページと厚いですが章が独立しており、自分の詰まりに応じて拾い読みできます。
こんな人におすすめ
数字が伸びず「努力が足りないのか」と悩む若手営業。精神論の指導に限界を感じているマネジャー。根拠のある型をチームに配りたい研修担当者。通読より、自分の商談が止まる場面の章から読み始める使い方が効率的です。
良い点
- 2万人調査という裏付けが圧倒的
- 章が独立していて拾い読みしやすい
- 仮面ごとに打ち手が具体的
気になる点
- 432ページで通読は重い
- データ中心で物語性は薄い
- 新人には前提知識が要る箇所も
出版社
かんき出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業本って根性論か、すごい人の成功談ばかりという印象があったんです。でもこれは2万人に聞いた調査が土台なんですよね。そこだけで読み方が変わります。
佐藤メバル
いい質問だね。著者自身、営業本の多くはストーリーだと書いている。この本は努力の量ではなく急所の話をしている。
お客様の「検討します」は断りではなく仮面で、その裏の本音に届く質問を持っているかどうか。書店員時代、売れない新人に「もっと頑張れ」としか言えない先輩を見て、言語化された武器の必要性を痛感したよ。
橘ナナミ
仮面の裏の本音…。じゃあ営業が苦手な人ほど、気合を入れるより先に質問の引き出しを増やすほうが近道なんですね。
佐藤メバル
そう。第3章から第7章が仮面ごとの外し方になっていて、たとえば「とにかく安く」と言われたら値引きではなく判断基準を作りにいく。
値引きは最後の手段ではなく、そもそも論点をずらす手なんだ。まず自分の商談で一番よく出る仮面をひとつ選んで、その章だけ試すといい。

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
ニール・ラッカム 著|海と月社
¥1,980(税込)
1回で決まる小型商談と、何度も重ねる大型商談では勝ち方が違う——これを世界で初めて示したのが本書です。著者は12年をかけ35000件のセールスを実地調査し、状況質問・問題質問・示唆質問・解決質問という4つの質問に整理しました。買い手自身に「必要だ」と気づかせる順序が設計されており、値引きや押し込みに頼らない。考案者本人によるオリジナル・テキストだけに、実例を交えた使い方の説明が丁寧で、派生本より骨格がつかみやすい一冊です。
こんな人におすすめ
複数回の商談を経て成約する法人向けの大型商談を担当する人。押しの強いトークに限界を感じている中堅。SPINの名前だけ知っていて概要を押さえたいマネジャー。提案前のヒアリング設計を見直したい場面に向きます。
良い点
- 考案者本人による原典テキスト
- 35000件調査に裏打ちされた理論
- 大型商談に特化した質問設計
気になる点
- 小型商談にはやや過剰
- 訳書で文体にクセがある
- 実践には反復練習が必要
出版社
海と月社
発売日
2009年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
SPINって名前だけは聞いたことがあるんですが、略語の意味があやふやで…。そもそも何をするものなんですか?
佐藤メバル
状況・問題・示唆・解決、4種類の質問の頭文字だね。大事なのは順番で、いきなり解決策を出すのではなく、まず相手の状況を確認し、問題を一緒に見つけ、それが放置されると何が起きるかを相手自身に語ってもらう。
最後に解決の価値を相手の言葉で確認する。12年・35000件の調査から生まれた型だから、再現しやすいんだ。
橘ナナミ
順番が大事なんですね。でも小型と大型で効果的な売り方が違うっていうのは、どう違うんでしょう?
佐藤メバル
小型は一度で決まるから、印象や分かりやすさが効く。大型は関係者が複数いて検討時間も長いので、買い手の中に必要性を育てる必要がある。
だからSPINは大型向けなんだ。本書は考案者本人のテキストで実例も多い。20年以上読み継がれているのは、流行のテクニックではなく構造を示しているからだと思うよ。

ドリルを売るには穴を売れ
佐藤義典 著|青春出版社
¥1,815(税込)
タイトルの「ドリルを売るには穴を売れ」は、商品ではなく顧客にとっての価値から考えよという宣言です。ベネフィット→誰に売るかのターゲティング→競合より高い価値を出す差別化→届け方の4P、という順でマーケティングの骨格がすっと入る。並行して閉店寸前のレストランを新人が立て直すサブストーリーが進むので、理論が実戦の場面に結びつきます。営業テクニック本というより、売る前に何を売るかを考える本。12万部のロングセラーの新装版です。
こんな人におすすめ
目の前の商談術より先に、自社の商品が何を提供しているかを整理したい営業・企画・個人事業主。売れない理由を説明の工夫で埋めようとしている人。新人教育の座学テキストを探す研修担当者にも向きます。
良い点
- 理論と物語を同時に学べる
- 図解と章立てが親切で読みやすい
- マーケティング全体像がつかめる
気になる点
- 明日の商談の即効薬ではない
- 実践には自社商品の棚卸しが必要
- 営業トークの具体例は少なめ
出版社
青春出版社
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、営業の本というよりマーケティングの本ですよね。ドリルを売るには穴を売れ、ってどういう意味なんですか?
佐藤メバル
人はドリルが欲しいわけじゃなくて、壁に穴を開けたい。だから売る側は商品ではなく顧客の得たい結果から考えよう、という比喩だね。
順番も大事で、価値、誰に、競合との違い、届け方。多くの人が4Pから考えるから、安売りに落ちていく。
橘ナナミ
なるほど…。レストランを立て直すサブストーリーが並行して進むのも、頭に入りやすそうでした。
佐藤メバル
そこがこの本の上手さだね。講義だけだと退屈するところを、閉店寸前の店を新人がどう立て直すかという物語で追体験させる。
営業として売り込む前に、自分は何を売っているのかを一度疑う。その時間をくれる本だよ。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
フィリップ・デルヴス・ブロートン 著|プレジデント社
¥1,870(税込)
ハーバード・ビジネス・スクール出身のジャーナリストが、世界中の営業の達人を訪ね歩いた異色の読本です。モロッコの土産物屋、日本のセイホのおばちゃん、現代美術商、テレビ通販のカリスマ、航空機のセールスマン、富裕層向け不動産、ベンチャーCEO——現場の生々しい語りから、ノーと言われても自分を奮い立たせる方法や譲れないものを引き出していきます。ウォール・ストリート・ジャーナルのベストセラー。HOW TOではなく、営業とは何かを考えさせる読み物です。
こんな人におすすめ
営業の技術書を何冊読んでも腹に落ちなかった人。営業という仕事の意味を見失いかけている中堅。営業職に就くことに抵抗がある学生や異動直後の人。通勤や休日に、小説のように楽しみたい場面にも向きます。
良い点
- 世界中の営業の実例が臨場感豊か
- 技術ではなく姿勢を問い直せる
- 読み物として純粋に面白い
気になる点
- 具体的な手順はほぼ載らない
- 話が多方向で散らかる印象も
- 即効性を求める人には不向き
出版社
プレジデント社
発売日
2013年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルが挑発的で気になりました。ハーバードで営業を教えないって、本当なんですか? 理由があるんでしょうか。
佐藤メバル
本書の主張は、頭でっかちのエリートほどセールスの世界を恐れているというものだね。だから著者は教室ではなく現場に行った。
モロッコの土産物屋から現代美術商まで、売っている人の言葉をそのまま集めている。
橘ナナミ
インタビュー集みたいな感じなんですね。それって、実際の営業の役に立つんでしょうか?
佐藤メバル
手順は書いていないよ。でも、ノーと言われてどう立て直すか、何を譲らないかという話は、どの業界でも共通している。
技術より先に、なぜ売るのかを考える本なんだ。書店員時代、この棚で立ち止まる社会人を何度も見てきたよ。

営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと
早崎郁之 著|SBクリエイティブ
¥1,520(税込)
挫折寸前の営業マンが、日本橋で「営業の神様」と呼ばれるヤマナシと出会い、行きつけのカフェでレッスンを受ける物語です。根底にあるのは著者が「愛のセールス」と呼ぶ4つの哲学——営業を愛する、商品を愛する、お客様を愛する、自分を愛する。顧客ファーストを非常識なまでに徹底する教えで、お客様のためなら他社の商品を薦めてもいいとまで言う。実践して成果を出し始めた矢先、ヤマナシは突然姿を消します。技術書ではなく、仕事と人生の姿勢を問われる一冊です。
こんな人におすすめ
数字に追われて営業の意味を見失っている人。押しの強い売り方に疲れた人。後輩指導に悩むリーダー。小説のように読み進めたい週末や、異動直後に気持ちを立て直したい場面に向きます。短いので一晩で読めるのも利点です。
良い点
- 物語として読みやすく一気に進む
- 顧客ファーストを腹から考えられる
- 短めで再読しやすい分量
気になる点
- 具体的な手順は少ない
- 比喩が多く好みが分かれる
- 即効のテクニックは期待薄
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2024年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業の神様って…すごいタイトルですね。しかもキャラメルの匂いがするって、どういうことなんでしょう。
佐藤メバル
そこは読んでのお楽しみだけど、この本は教則本ではなく小説の形をとっている。ダメ営業の早崎がヤマナシの教えを愚直に試して、少しずつ変わっていく過程が丁寧に描かれる。技術ではなく姿勢の話だね。
橘ナナミ
お客様のためなら他社の商品を薦めてもいい、というのは驚きました。商売として、それでいいんですか?
佐藤メバル
短期的には売上を手放すことになる。でも信頼は残るんだ。ヤマナシの言葉は極端だけど、軸として納得できる。
書店員時代、あえて他社の本を勧めたら、後でそのお客様が戻ってきてくれたことがあるよ。読み終わるころには、売り方より先に在り方を考えているはずだ。

世界一わかりやすい世界一「売れる」本: 世界No.1セールスマンが書いた
桑原正守 著|経済界
世界No.1セールスマンが書いたと銘打つ一冊です。タイトルどおり、とにかくわかりやすく伝えることを優先した作りで、202ページと薄め。営業の入り口に立つ人が、分厚い理論書や専門用語の前に、まず短時間で読み切る体験を得るのに向いています。同じ入門でも、マンガ形式や図解中心の本とは違い、短い文章で一気に通読できる点が持ち味。最初の一冊を探している人に。
こんな人におすすめ
営業に配属されたばかりで、何から読めばいいかわからない人。本を読む時間が取りにくく、まず一冊読み切る体験がほしい人。売る人の言葉に触れて気持ちを作りたい人。通勤の数日で読み切る用途に向きます。
良い点
- 202ページで読み切りやすい
- タイトルどおり分かりやすさ重視
- 営業の入口の一冊として手軽
気になる点
- 詳細な内容紹介が乏しい
- 理論の網羅性は期待しにくい
- 中級者には物足りない可能性
出版社
経済界
発売日
2006年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
世界一売れる本、って言い切るタイトルがすごいですね。中身も、やっぱりすごいんでしょうか。書店で見かけたら手に取りたくなります。
佐藤メバル
世界No.1セールスマンが書いた、という触れ込みの本だね。タイトルが示すとおり、わかりやすさを何より大事にしている。
202ページと薄いから、読書が習慣になっていない人でも、まずは一冊読み切る体験に向いている。
橘ナナミ
でもこの本、ネットの紹介文があまり詳しくなくて、どんな内容か想像しにくいんですよね。
佐藤メバル
そういうときは本屋で冒頭だけでも開いてみるのがいい。目次と最初の数ページで、自分に合うかはだいたい分かるからね。
分厚い理論書を3冊積んで挫折するより、薄い一冊を最後まで読み切るほうが力になるよ。

セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術
今井晶也 著|扶桑社
¥1,760(税込)
営業支援のセレブリックスが23年で積み上げたデータから、成果をコントロールする術をまとめた一冊です。1100社・12000商品の実績が土台にあり、トップセールス共通のマインド、会いにくい時代のアポ獲得、営業プロセスを7分割して否定材料を逐一つぶす進め方など、具体的なノウハウが並びます。本来は顧客向けに提供してきた内容を一般読者向けに噛み砕いたもの。勘や根性に頼らない、新人からベテランまで使える営業の虎の巻です。
こんな人におすすめ
アポが取れない、商談が進まないと悩む実務のど真ん中にいる営業。数字の再現性を高めたいマネジャー。型を作って部下に渡したいリーダー。基本に立ち返りたいベテランにも向きます。
良い点
- データに基づく独自メソッド
- アポ獲得から商談まで網羅
- 実務者向けの具体度が高い
気になる点
- やや分量があり通読に時間
- 自社に合わせた調整が必要
- 用語になじみが要る箇所も
出版社
扶桑社
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
50万円で提供してきたノウハウを本にした、という一文が刺さりました。それって相当な内容なんですか?
佐藤メバル
量より、筋の通し方だね。プロセスを7分割して、否定材料を一つずつ消していくという考え方が軸にある。
一度に全部を説得しようとすると失敗するから、段階ごとに相手の懸念を潰していく。23年分のデータが背景にあるから説得力があるんだ。
橘ナナミ
気合いでどうにかする話じゃないんですね。でも、新人でも真似できるものでしょうか。
佐藤メバル
マインドの章から始まって、アポ、商談と順に並んでいるから、自分の段階に合わせて読める。ただ全部を一度にやろうとすると疲れるよ。
まずアポ獲得の章だけ試す、くらいの気持ちでちょうどいい。

なぜ、「質問」だけで売れるのか?: 気づけば成約に至っている「質問型営業」入門
青木毅 著|日本実業出版社
¥1,760(税込)
「質問型営業」の入門書です。講義形式で読み進める構成になっていて、専門アドバイザーとして信頼を得てきた著者のノウハウを、対話のように受け取れるのが特徴。押して売るのではなく、問いかけによって相手に気づいてもらうという考え方が軸にあります。同じ質問を扱う本でも、SPINが大型商談の構造を説くのに対し、こちらは成約までの流れを入門者向けに噛み砕く位置づけ。質問の使い方を一から学びたい人の最初の一冊です。
こんな人におすすめ
話し下手で、押しの強い営業が苦手な人。質問の型をゼロから学びたい新人。部下に質問型営業を教えたいマネジャー。通読して自分のトーク全体を見直す用途に向きます。
良い点
- 講義形式で入門者に親切
- 質問型営業の全体像をつかめる
- 会話のまま読めて負担が少ない
気になる点
- 上級者には物足りない
- 具体的な数値やデータは少なめ
- 実践には場数が必要
出版社
日本実業出版社
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
質問だけで売れるって、にわかには信じがたいんですが…本当にそんなことが成り立つものなんですか?
佐藤メバル
押して売るより、相手に自分で気づいてもらうほうが納得度が高い。本書は講義形式で、質問の使い方を順に教えてくれる。
実務書らしく読みながら手を動かせる構成だね。
橘ナナミ
SPINと似ているんでしょうか? 前に紹介していた本と、頭がごちゃごちゃになりそうです。
佐藤メバル
近いけれど粒度が違う。SPINは大型商談の質問を4種類に整理した理論で、こちらは成約までの会話全体を質問で組み立てる入門なんだ。
まずこちらで感覚をつかんで、大型商談に入るならSPINへ、という順番でもいいよ。

営業は台本が9割
加賀田裕之 著|きずな出版
¥1,650(税込)
営業を感覚でやっていませんか、という問いから始まる一冊です。著者がトップセールスに学んだ秘訣を体系化したのが「営業台本」——購買心理に基づいて、お客様の「欲しい」を自然に引き出す商談の脚本です。ニーズの深掘り、FABECの公式を使った商品説明、選ばせるクロージングの5ステップ、想定しておく反論解決まで、作る手順が具体的に並びます。根性営業から抜けたい人に、台本という持ち物を渡してくれる本です。
こんな人におすすめ
毎回その場のノリで話していて成約率が安定しない人。後輩に教える型がほしいリーダー。商談の準備に時間をかけたい中堅。台本を一度作ってしまいたい場面に向きます。
良い点
- 台本の作り方が手順として明快
- クロージングや反論対策まで網羅
- 再現性を求める人に実用的
気になる点
- 暗記と準備の手間が要る
- 雑談中心の商談には過剰かも
- 現場ごとの調整は必要
出版社
きずな出版
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
台本が9割って、逆に9割も台本で決まるんですか? 話し方のセンスの話かと思っていました。
佐藤メバル
センスではなく設計の話だね。購買心理に沿って、いつ何を聞き、どう説明し、どこで選ばせるか。台本という型を持てば、その場の思いつきに頼らずに済む。
橘ナナミ
FABECの公式って何なんですか? 聞き慣れなくて、そこだけ引っかかっています。
佐藤メバル
特徴、利点、ベネフィット、証拠、クロージングという順番で説明を組み立てる型だよ。機能を並べるだけでは動かないお客様に、その先のベネフィットまで届ける。
見込み客の多くは台本のブラッシュアップで変わると著者は言う。まず自分の商品で一枚書いてみるといい。

この1冊ですべてわかる 営業の基本
横山信弘 著|日本実業出版社
¥1,760(税込)
2万人を変えてきたというコンサルタントが、営業の「基本と原則」をはじめて一冊にまとめたものです。目指しているのはテクニックの寄せ集めではなく、考え方とスキルの土台。新人がまっさらな状態で読む最初の一冊としても、マネジャーが自分のスタイルを振り返る材料としても、急に営業へ異動になった人が短時間で全体像をつかむのにも使えるとされています。240ページで営業という仕事の輪郭を押さえられます。
こんな人におすすめ
営業に配属されたばかりの新人が最初に読む一冊。急な異動で基礎から固めたい人。部下の指導方針を整理したいマネジャー。教育テキストを選ぶ研修担当者が下見に使う場面にも向きます。
良い点
- 基本と原則に絞った構成
- 新人にもマネジャーにも使える
- 240ページで全体像がつかめる
気になる点
- すでに基礎がある人には易しい
- 応用のテクニックは少なめ
- 事例の詳しさは控えめ
出版社
日本実業出版社
発売日
2019年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
あ、これ就活のときに先輩に勧められた気がします。同じシリーズの別の本だったかもしれませんが、懐かしいです。
佐藤メバル
この本は横山信弘さんの「基本と原則」の本だね。営業という仕事の土台を一冊で押さえることを狙っている。
新人の最初の一冊、と著者自身が位置づけているのが分かりやすい。
橘ナナミ
逆に、もう2年くらいやっている人には物足りないですかね。
佐藤メバル
人によるけど、基本を体系的に並べ直すと抜けが見つかるものだよ。マネジャーが自分のスタイルを振り返るのにも向いている。
書店員時代、異動で営業になった人が最初に買っていく棚が、まさにここだった。

1年めから必ず売れる営業のキホン
新星出版社
タイトルどおり、1年目の営業が「必ず売れる」ための基本をまとめた一冊です。206ページとコンパクトで、新星出版社の実用書らしく手に取りやすい体裁。営業の流れを一通りなぞる位置づけの本なので、分厚い専門書の前段として、あるいは異動直後に全体像をつかむ用途に向きます。同じ入門書でも、物語形式の本やマンガの本とは違い、基本を順序立てて確認するタイプです。
こんな人におすすめ
入社1年目で、何から覚えるべきか迷っている人。営業以外の部署から異動してきた人。新人に渡す一冊を選んでいる先輩や研修担当者。まず全体像を短時間でつかみたい場面に向きます。
良い点
- 206ページでコンパクト
- 1年目に絞った内容
- 手に取りやすい体裁
気になる点
- 詳細な紹介情報が少ない
- ベテランには物足りない
- 網羅性は限られる
出版社
新星出版社
発売日
2011年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新星出版社の本って、初心者向けの実用書が多いイメージがあるんですが、これもその系統の一冊なんですか?
佐藤メバル
そうだね、タイトルどおり1年目の人が対象で、営業の基本を順番に押さえるための本だよ。206ページと薄いから、分厚い専門書を開く前に全体の流れをつかむのに向いている。異動してきた人にもちょうどいい。
橘ナナミ
ネットに内容紹介があまり出ていないので、買う前に迷ってしまいそうです。
佐藤メバル
そういう本こそ、書店で目次を確認するのが早い。1年目に必要な項目が並んでいるか、自分の現場に近いかを見ればいい。
派手な宣伝はなくても、新人に渡す定番として長く選ばれてきたタイプの本だよ。

マンガで学ぶ! 営業の超基本
小松麻美 著|フローラル出版
¥1,760(税込)
営業の基礎をマンガで学べる本です。舞台は、成果に悩むダメチームが少しずつプロ集団に育っていく過程。文字だけの入門書が苦手な人でも、場面と感情が同時に入ってくるので、用語の意味が体でつかみやすい。224ページで一気に読める分量なのも利点です。理論の網羅性を求めるなら別の本に譲り、まず営業の流れに親しむための入口として使うのがいい。同じ初心者向けでも、図解中心の本とは体験の仕方が違います。
こんな人におすすめ
本を読むのが苦手な新人。営業という仕事に抵抗がある学生や、異動直後の人。部下に基礎を楽しみながらつかませたいマネジャー。短時間で一気に通読したい場面にも向きます。
良い点
- マンガで場面が頭に残る
- 224ページで読み切りやすい
- 抵抗なく入れる入口になる
気になる点
- 理論の深さは限られる
- 実務の細部は別途補う必要
- 中級者には物足りない
出版社
フローラル出版
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マンガで学ぶ、って正直なめていました。でもダメチームが育っていく話なら、読み物として普通に面白そうですね。
佐藤メバル
そこが狙いだね。場面で覚えると、用語の意味が腹に入りやすい。新人に「まず読んでおいて」と渡すのに向いている一冊だよ。
橘ナナミ
でも、マンガだと細かいノウハウは少ないですよね。それだけで足りますか?
佐藤メバル
この本は土台づくり担当だと考えていい。実際の商談で使う細かい技術は、別の実務書で補う。ただ、苦手意識を持ったまま分厚い本に向かうより、先にこれで全体の流れをつかむほうが、次の一冊が速く読めるよ。

売れる営業がお客様に会う前にやっていること 初対面の7秒で絶大な信頼を勝ち取る
谷崎真吾 著|日本実業出版社
¥1,760(税込)
トーク術やシナリオ、ロールプレイングを試しても成果が出なかった人に向けて、「信頼感」という武器を渡す本です。主張は明快で、お客様が買うかどうかを決める大きな要因は担当者への信頼であり、その最大のチャンスは出会う前から出会って7秒までにあるというもの。会ってからの説明やクロージングは、信頼があってこそ効く。電話応対のヒアリングチェックリスト、自己プロフィール、お客様の管理表といった付録フォーマットも付いています。
こんな人におすすめ
訪問や商談の場で第一印象に自信がない営業。アポは取れるのに成約しない人。若手の準備を仕組み化したいマネジャー。訪問前日の過ごし方や事前準備を見直したい場面に向きます。
良い点
- 会う前の準備に焦点を当てる
- 付録フォーマットがすぐ使える
- 信頼という軸が一貫している
気になる点
- 商談後半の技術は薄め
- 準備の手間が増える
- 既に得意な人には重複も
出版社
日本実業出版社
発売日
2025年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
出会って7秒って、そんなに早いんですか。第一印象が大事なのはよく聞きますけど、それより前の話なんですよね?
佐藤メバル
この本の面白さは、7秒より前に重心を置いていること。事前の情報の集め方、電話の受け答え、自己紹介の作り方。
会う前の準備で、相手の中に信頼の下地ができている状態を作るんだ。
橘ナナミ
付録にチェックリストや管理表がついているのも、実用的だなと思いました。
佐藤メバル
そう、そこが評価ポイントだね。読んで終わりにせず、明日の訪問から使える。書店員時代、営業の方が「まず型を写して使う」と言って買っていくのを見たよ。
トークを磨く前に、準備の順番を見直す本なんだ。

基本を押さえて、確実に結果を出す 営業スキル100の法則
菊原智明 著|日本能率協会マネジメントセンター
¥1,705(税込)
マナー、アポ取り、トーク、商談、クロージング、アフターフォロー、営業ツール、クレーム対応、リモート営業、メンタル——10章を100の法則で区切った一冊です。どこからでも読める構成で、落ち込んでいるときに1項目だけ拾って実践する使い方ができます。著者自身がダメ営業だった時代、トップの先輩から「見積書は最後に出さないと決まらない」と教わって契約率が上がった体験も紹介され、小さなスキルが流れを変えることが伝わります。
こんな人におすすめ
成績が伸びずに自信を失いかけている営業。部下への助言の引き出しを増やしたいマネジャー。リモート営業の進め方も押さえたい人。1日1項目ずつ試す使い方や、落ち込んだときに開く一冊として向きます。
良い点
- 100項目で拾い読みしやすい
- マナーからメンタルまで網羅
- マネジャーの指導ネタにもなる
気になる点
- 1項目あたりは短い
- 体系的な深掘りは少ない
- 網羅ゆえに散漫に感じる面も
出版社
日本能率協会マネジメントセンター
発売日
2023年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100の法則って、項目が多すぎて全部読み切れるか不安です。最初から順番どおりに読むべきなんでしょうか?
佐藤メバル
いや、これは拾い読み用だね。今日の自分の詰まりに近い項目をひとつ選んで試す。落ち込んでいるときに1ページでヒントがもらえるように組まれているんだ。
橘ナナミ
著者さん自身がダメ営業だったときの話が入っているんですね。見積書の話、すごくリアルでした。
佐藤メバル
そう、見積書は最後に出すと契約率が変わった、というのは先輩に教わった実体験なんだ。小さな順番の違いが結果を変えると分かる。
新人にも、部下を持つ人にも渡しやすい一冊だよ。

1日1テーマ読むだけで身につく営業トーク大全100
大岩俊之 著|自由国民社
¥1,760(税込)
営業活動のなかでも「営業トーク」に焦点を絞り、100テーマに厳選した本です。信頼関係の構築、ヒアリング、商品説明、交渉、テストクロージングと段階ごとにトークを整理し、1日1テーマずつ読めるように並べています。著者は1万人以上の営業パーソンを指導してきた人物で、トップセールスほど無理に売ろうとしないという視点が一貫しています。前後の工程まで網羅する100の法則に対し、こちらは話す場面に寄せた構成。会話の引き出しを増やしたい人向けです。
こんな人におすすめ
話し方に苦手意識がある営業。電話や商談で、次に何を言えばいいか詰まってしまう人。毎朝1テーマずつ読む習慣を作りたい人。トークの引き出しを増やしたい場面に向きます。
良い点
- トークに絞った100テーマ
- 1日1テーマで習慣化しやすい
- 指導歴1万人の知見が背景
気になる点
- トーク以外の工程は薄い
- 1テーマの分量が短い
- 通読には向かない構成
出版社
自由国民社
発売日
2024年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、100項目を1日1テーマって、3か月以上かかる計算ですよね。なかなかの長旅です。
佐藤メバル
そう、通読する本ではなく習慣にする本だね。朝1テーマ読んで、その日の商談で意識する。トークに絞ったのが特徴で、ヒアリングから交渉まで段階ごとに整理されている。
橘ナナミ
「トップセールスほど無理に売ろうとしない」という一文が気になりました。売らないで売れるんですか?
佐藤メバル
売る前にやることが多いという意味だよ。信頼を作り、聞き、説明し、交渉する。その順番を飛ばして売り込むから反発される。
同じ100項目でも、前の本は営業全体、こちらは話す場面に寄っている。自分に足りないほうから選ぶといい。

できる営業マンのすごい言語化 「なんとなく」を納得に変える
乾哲也 著|KADOKAWA
¥1,760(税込)
フルコミッション一筋21年、成約率90%というトップセールスマンが、営業の「言語化」をテーマに書いた一冊です。多くの組織で数字が安定しないのは、営業が経験値や勘という暗黙知に頼っているから。個人の感覚を言葉に変え、トークスクリプトとして共有できる形にする手順を示します。購買意欲の概念を取り入れた「即決メソッド」は300社以上の研修に導入され、年間2000人以上が申し込むという著者の講師としての評価も背景にあります。
こんな人におすすめ
売れる人のノウハウが共有されず、数字が安定しないチームのマネジャー。自分の商談を再現可能な形にしたい中堅。精神論の指導から抜け出したい研修担当者。属人化に悩む組織に向きます。
良い点
- 言語化という切り口が新しい
- 組織の育成課題に直結する
- スクリプト化の具体策がある
気になる点
- 個人で読むと作業量が多い
- 実践には記録の習慣が必要
- チーム導入が前提の内容も
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
言語化って、この場合どういう意味なんですか? きれいに話す技術のことでしょうか。
佐藤メバル
違うんだ。うまくいった理由を言葉にすること。売れる人は無意識にやっているから、なぜ売れたか説明できない。
それを分解して共有できる形にすれば、他の人も再現できるようになる。
橘ナナミ
なるほど。でも実際にやるとなると、自分の商談を全部記録するのは大変そうです。
佐藤メバル
いきなり全部やる必要はないよ。成約した商談を1件選んで、どの質問で相手が反応したかを書き出すだけでいい。
営業組織が精神論で弱っていく理由を、この本ははっきり指摘している。属人化に心当たりのある人ほど刺さるはずだ。

営業の「聴く技術」: SPIN「4つの質問」「3つの説明」
ケンブリッジ・リサーチ研究所 著|株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
¥1,980(税込)
SPINを「聴く」という角度から整理した一冊です。キャッチフレーズは「聞く・聴く・質く」——質問を通じてお客様の経営課題を明らかにしながら、相手自身もその質問のなかで自らのニーズを顕在化させ、確信していく。その場を何度も作り出せることがSPINの醍醐味だと説きます。ラッカムの原典が理論と実例を体系的に示すのに対し、こちらはソリューション提案の流れのなかで質問をどう位置づけるかに焦点。208ページと短く、実践の確認に向きます。
こんな人におすすめ
SPINの名前は知っているが現場で使いこなせていない人。提案の場で質問が続かないと悩む人。ヒアリング研修の副読本を探すマネジャー。原典の前後に読んで、聴き方を確認したい場面に向きます。
良い点
- 208ページで短く要点が濃い
- 聴く技術に絞った視点
- ソリューション提案と接続できる
気になる点
- 原典の代わりにはならない
- 事例の量は多くない
- 前提となるSPIN理解が必要
出版社
株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「聞く・聴く・質く」って、同じ読みでも漢字が違うのが面白いですね。どう使い分けるんでしょう?
佐藤メバル
聞くは情報を集めること、聴くは相手の言葉を深く受け取ること、質くは核心を突く質問をぶつけること。質問で相手自身に気づかせるのがSPINの骨格で、この本はその聴き方に焦点を当てている。
208ページと短いから、全体像をつかむのにも使いやすいよ。
橘ナナミ
前に紹介していたSPINの原典とは、どう違うんでしょうか。
佐藤メバル
原典は35000件の調査から理論を組み立てた本。こちらはソリューション提案の流れのなかに質問をどう置くかに絞っている。
原典で骨格をつかんだ人が、現場での使い方を確認するのに向いているね。

決定版 営業心理術大全
菊原智明 著|明日香出版社
¥1,980(税込)
ダメ営業から一転、4年連続でトヨタホームのトップ営業に輝いた著者による心理術の大全です。全73項目を1項目4ページの読み切りで構成し、心理術がひと目で分かるイラスト付き。アプローチやトーク、クロージングといった実践テクニックに加え、部下に効く心理術まで扱っているのが特徴です。実践した人からは契約数の増加といった喜びの声が寄せられているといい、読んですぐ試せる具体性があります。周りと差をつけたい理論派に向く一冊です。
こんな人におすすめ
理屈から納得したいタイプの営業。トークの引き出しを増やしたい中堅。部下の動かし方に悩むマネジャー。1項目ずつ試して、お客様や部下の反応を見たい場面に向きます。
良い点
- 73項目の読み切りで使いやすい
- イラストで心理術がつかめる
- 部下対応まで範囲が広い
気になる点
- 心理術の濫用は逆効果
- 基礎が未熟だと空回り
- 328ページで持ち歩きは重い
出版社
明日香出版社
発売日
2022年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
心理術って、ちょっと相手を操作する感じがして後ろめたさがあるんですが…使っていいんでしょうか。
佐藤メバル
いい質問だね。著者も、相手を操るためではなく、こちらの意図が伝わる形に整えるための技術として紹介している。
たとえば見積書を出す順番ひとつで印象が変わる、という類のもの。受け取り方を設計するだけで、押しつけにはならないよ。
橘ナナミ
なるほど。でも73項目もあると、どれから試せばいいか迷ってしまいそうです。
佐藤メバル
1項目4ページで完結するから、今日の商談で使う場面をひとつ選べばいい。ただし心理術は土台があってこそ効く。
基本が固まっていないうちに小手先だけ真似すると、かえって不信感を招くから、そこは順番を守ってね。

NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則
麻野耕司 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
古い営業メソッドから脱却しよう、という号令から始まる一冊です。著者が示す「7つのS」を実践すれば、営業担当者個人だけでなく、チーム、そして組織全体の成果が変わると説きます。個人の頑張りを足し合わせる発想ではなく、営業の仕組みそのものを更新する方向へ読者を導くのが特徴。216ページとコンパクトにまとまっていて、営業という仕事の概念を組み替えたいときに手に取りやすい。現場の生産性や効率性を上げたい管理職向けの色合いが濃い本です。
こんな人におすすめ
個人の努力量を増やすだけでは限界を感じている営業チームのリーダー。営業組織の改革を任された管理職。採用や育成の前提から見直したい経営層。チーム単位で読む場面に向きます。
良い点
- 216ページで全体像をつかめる
- 個人より組織に効く視点
- 既存メソッドを疑うきっかけになる
気になる点
- 現場の具体テクは少なめ
- 改革には社内合意が必要
- 新人には抽象的かも
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2022年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「古くさい営業メソッドから脱却しよう」って、けっこう強い言い方ですよね。何が古いとされているんでしょう。
佐藤メバル
根性や訪問件数で押す発想だね。この本は営業の仕組みを更新する方向に重心を置いていて、7つのSという原則で組まれている。
個人技の話ではなく、チームや組織の話なんだ。
橘ナナミ
ということは、新人が読むより、マネジャー向けの本ですか?
佐藤メバル
現場のテクニック集を期待すると物足りないよ。ただ、自分がこれからどんな営業を覚えるのか、その前提を知る意味では新人にも悪くない。
読むなら、上司と一緒に自チームに置き換えながら読むのが一番効果的だ。

法人営業 勝ちパターン大全 顧客の意思決定プロセスを完全解明して「再現性」を築く
高橋浩一 著|翔泳社
¥2,420(税込)
2万4000人への調査から、失注の裏側で実際に起きていたことを掘り起こした一冊です。キーパーソンに会えない、連絡がつながらない、検討が進まない、予算が増えない——この4つの迷路に対し、前半の守りの戦略では5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえて出口を探し、後半の攻めの戦略ではターゲティングやエキスパート戦略といった勝ちパターンを示します。「決裁者を押さえればOK」「訪問回数で関係構築できる」といった常識が覆るのが読みどころ。320ページの実践的な地図です。
こんな人におすすめ
大型の法人商談が止まりがちな営業。連絡が途絶えた案件の打ち手に困っている人。営業組織の勝ち筋を標準化したいマネジャー。AI時代に自分の役割を考えたい人にも向きます。
良い点
- 2万4000人調査に基づく分析
- 守りと攻めの両面を扱う
- 関係者の整理が実務的
気になる点
- 320ページで読み応えがある
- 法人以外には過剰な内容も
- 自社の商流に合わせた調整が必要
出版社
翔泳社
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
連絡が途絶えたときの選択肢が「催促する」か「待つ」だけじゃない、って一文に救われました。実際、どうするんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の核心だね。まず5段階の購買プロセスと6種類の関係者を押さえて、どこで止まっているのかを見極める。
闇雲に動くのではなく、止まっている理由に応じた打ち手を選ぶ。著者は4万人以上の営業支援をしてきた人で、コンペ8年間無敗の経験も背景にある。
橘ナナミ
「決裁者を押さえればOK」が覆る、というのも意外でした。
佐藤メバル
決裁者だけでなく、実務を動かす人や影響を与える人がいるからね。前著の『営業の科学』が個人の商談の急所なら、こちらは法人の迷路を抜ける地図。案件が動かなくなったときに開く本だよ。

ゼロから始める!法人営業: ずっと勝ち続ける新規開拓営業の新常識
藤原智浩 著|産業能率大学出版部
¥1,650(税込)
著者自身が、努力しているのに成果が一切出ない時期を過ごしたと明かす一冊です。セミナーにも出て本も読んだ、それでも売れない——その原因は努力不足ではなく、抑えるべきポイントが抑えられていないことだと断言します。目指すのは、こちらから追いかける営業から反響営業へ切り替えること。法人の新規開拓に絞り、ゼロから始める人が確実に結果を出せる手順を示しています。非常識に思える内容だと著者自身が書いている点も、既成概念を疑うきっかけになります。
こんな人におすすめ
新規開拓で数字が止まっている法人営業。努力量は足りているのに成果が出ない人。反響型の営業に切り替えたいチームのリーダー。ゼロから法人営業を任された人にも向きます。
良い点
- 新規開拓に絞った内容
- 成果が出ない原因を構造で説明
- 219ページで読み切りやすい
気になる点
- 既存取引中心の人には過剰
- 手法の実行には時間が要る
- タイトルどおり基礎寄り
出版社
産業能率大学出版部
発売日
2023年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「法人開拓には努力なんて必要ない」って、ずいぶん思い切ったことを言いますね。努力を否定していいんでしょうか。
佐藤メバル
正確には、努力の方向がずれているという指摘だね。著者自身が成果ゼロの時期を経験しているから、説教ではなく整理になっている。
抑えるべきポイントを押さえるほうが先だ、という主張なんだ。
橘ナナミ
反響営業に切り替える、というのがゴールなんですね。追いかける営業から変わる感じですか。
佐藤メバル
そう。こちらから押すのではなく、相手から反応が来る形に持っていく。前の本が大型商談の勝ち筋なら、こちらは新規開拓の入口に強い。
法人営業をゼロから任された人が、最初の地図として読むのに向いているよ。

成果に直結する「仮説提案営業」実践講座
城野えん 著|日本実業出版社
¥1,980(税込)
BtoBの営業とマーケティングで武器になる「仮説立案型の提案営業」を、実践講座としてまとめた一冊です。仮説の立て方に始まり、資料の作り方、商談への落とし込み、オンラインでの進め方まで、図解を多用して順序立てて解説します。事前準備の重要性だけでなく、会議と会議の間の簡単な報告や進捗ミーティングの持ち方にも触れているのが実務的。224ページで、提案の流れを一気に組み立てたい人に向きます。
こんな人におすすめ
提案の中身で差がつかないと悩むBtoB営業。資料の作り方から見直したい人。オンライン商談の進め方を整えたいチーム。顧客の課題から逆算して提案前の準備を型にしたい場面に向きます。
良い点
- 図解が多く流れを追いやすい
- 資料作成と商談を一気通貫
- オンライン商談までカバー
気になる点
- BtoCには馴染みにくい
- 224ページで演習は限られる
- 仮説の質は経験に左右される
出版社
日本実業出版社
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
仮説提案営業、という言葉は聞いたことがあるんですが、仮説って要するに当てずっぽうのことじゃないんですか? そこがずっと引っかかっていました。
佐藤メバル
当てずっぽうではなく、相手の状況から立てた見立てだね。この本は仮説の立て方から資料の作り方、商談への落とし込みまで、図解で順番に教えてくれる。
実践講座というだけあって手順が具体的なんだ。
橘ナナミ
会議と会議の間の報告まで書いてあるんですね。そこは意外でした。
佐藤メバル
そこが実は効くんだよ。提案は一回の商談で決まらないから、間の進捗ミーティングや短い報告が流れを作る。
BtoBの現場に寄り添った構成だね。同じ仮説の本でも、こちらは営業プロセス寄り。次の一手を設計する本だよ。

仮説起点の営業論 セールス・スキルを磨くたった1つの方法
鈴木眞理 著|KADOKAWA
¥2,200(税込)
キーエンスで学び、freeeで磨いた「仮説ドリブン」の営業論です。出発点は課題設定で、情報収集、仮説構築、検証、交渉までを一貫した方法論として解説します。特徴的なのは、仮説は間違えてもいい、完璧でなくていいと明言している点。事実のように言い切ってはいけないという注意も添えられます。仮説のアイデアを生む5つの視点——ゴールから見る、引いて見る、分解して見る、反対から見る、端を見る——は、商談に限らず使える思考の道具です。320ページの決定版。
こんな人におすすめ
提案の切り口が毎回同じになっている中堅。顧客への介在価値を高めたい人。思考法から営業を組み立て直したい人。商談前の仮説設計を習慣にしたい場面に向きます。
良い点
- 仮説構築の思考法が体系化
- 5つの視点が実務で使える
- キーエンスとfreeeの実践が背景
気になる点
- 320ページで読み応えがある
- 思考法中心で即効テクは少ない
- 読む側の前提知識が要る
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「仮説は間違えてもいい」って、意外と優しいことを言うんですね。丁寧に当てにいくべきかと思っていました。
佐藤メバル
そこが肝で、完璧な仮説を待っていると商談の機会を逃す。間違える前提で検証するから、対話のなかで修正できる。
仮説を断定して押しつけない、という注意も書かれている。恐れずに出すほうが、結果的に精度が上がるんだ。
橘ナナミ
5つの視点というのも気になります。分解して見る、端を見る、とか。
佐藤メバル
ゴールから見る、遠くから引いて見る、分解して見る、反対から見る、端を見る。同じ商材でも切り口が変わるんだ。
キーエンスで学びfreeeで磨いた思考法だから、BtoBの現場に即している。提案の切り口が固定している人ほど効くよ。

営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて
冨田和成 著|クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
¥1,600(税込)
野村證券で最年少プライベートバンカーを務めた著者が、リスト選定からアプローチ、戦略的雑談、ニーズ喚起、提案、成約、紹介まで、営業プロセスを仮説と検証のループで捉え直した一冊です。オフィスの外観から売上規模を予測する、テレアポの精度を上げるトークスクリプト、見込み客の発見、商談を決定づけるニーズ喚起の4大要素など、具体策が惜しみなく並びます。300ページ超のボリュームで、ノウハウを自分で蓄積していく方針も示されます。
こんな人におすすめ
BtoBの現場で手数を増やしたい営業。テレアポやリスト作成の精度を上げたい人。営業の全工程を一度整理したい中堅。新人からベテランまで、通読して自分の工程表を作る用途に向きます。
良い点
- 営業プロセスを完全網羅
- 具体策が数多く収録
- 仮説思考の方針まで示す
気になる点
- 304ページで通読は重い
- 金融営業の前提が色濃い
- 特典の活用には環境が要る
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日
2017年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オフィスの外観から売上規模を予測する、って…そんなことまで書いてあるんですか。にわかには信じがたいです。
佐藤メバル
そう、仮説を立てる材料は現場に落ちているという姿勢が全編にある。リスト選定からアプローチ、雑談、ニーズ喚起、成約、紹介まで、工程ごとに具体策が並んでいるんだ。
橘ナナミ
300ページ超えはなかなかの量ですね。どこから読むのがいいんでしょう。
佐藤メバル
まず目次で自分の工程を確認して、弱いところから入るのが現実的だよ。『鬼速PDCA』の著者らしく、回し続ける仕組みの話が土台にある。
金融の現場の話だけど、BtoBなら置き換えられる部分が多いよ。

世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本
和田裕美 著|ダイヤモンド社
¥1,090(税込)
押しの強さや「数打ちゃあたる」というやり方が通用しなくなった時代に、それまでの常識の逆を行ってトップになった著者の本です。バブル崩壊後に営業の世界へ入った自身の経験をもとに、どうやって成果を出したかを軸に、数々の営業指導の実績をケーススタディとして紹介します。伸び悩んでいる人、突然営業に配属された人に勇気とヒントを与えると同時に、部下指導に悩むマネジャーのガイドにもなる。189ページと手頃な一冊です。
こんな人におすすめ
突然営業を任された人。押しの強い売り方に馴染めない人。部下が伸びずに指導法を探しているマネジャー。短時間で読み切って、気持ちを切り替えたい場面に向きます。
良い点
- 189ページで読み切りやすい
- 著者自身の体験が軸になる
- 指導者にも視点をくれる
気になる点
- 体系的な理論書ではない
- 時代背景の記述がやや古い
- 数字やデータは少なめ
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2003年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
世界No.2営業ウーマン、ってあえて1位じゃないところが気になります。2位ならではの話があるんでしょうか。
佐藤メバル
そこは読んでのお楽しみだけど、この本の主張ははっきりしている。押しの強さや数打ちゃあたるはもう通用しない。
常識の逆を行ってトップになった著者の実践が、ケーススタディとして並んでいるんだ。
橘ナナミ
突然営業に配属された人にも、とありますね。そういう知り合いがいるので渡したくなりました。
佐藤メバル
まさにその人に渡したい一冊だね。189ページで価格も手頃だから、まず読んで「自分でもやれそう」と思える。
理論書で固める前に、こういう本で気持ちを切り替えるのも大事なんだよ。
読む順番ロードマップ — 最初の3冊、次の3冊、管理職の3冊
橘ナナミ
ロードマップ、具体的に知りたいです。最初の3冊って何ですか?
佐藤メバル
1冊目は全体像。『この1冊ですべてわかる 営業の基本』か『マンガで学ぶ! 営業の超基本』で、商談の流れを地図として持つ。2冊目は会話の型で『なぜ、「質問」だけで売れるのか?』。売る前に聞く、という順番を体に入れる。3冊目は価値の考え方で『ドリルを売るには穴を売れ』。この3冊は順番を守ると互いに補い合う。
橘ナナミ
じゃあ次の3冊は?
佐藤メバル
4冊目に『営業は台本が9割』で脚本を持つ。5冊目に『営業の科学』で、その脚本がなぜ効くのかを2万人調査のデータに照らして確かめる。6冊目に『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』で、質問を構造として組み立てる。ここまでで「できる」と「なぜできるか」が揃う。
橘ナナミ
管理職の3冊は組織寄りになるんですか?
佐藤メバル
7冊目は『法人営業 勝ちパターン大全』で、5段階の購買プロセスと6種類の関係者という見取り図を持つ。8冊目は『できる営業マンのすごい言語化』で、部下の暗黙知を言葉にする技術を学ぶ。9冊目は『NEW SALES』で、チームと組織の生産性へ視点を移す。個人の成果を、再現できる仕組みに翻訳していく段階だね。
佐藤メバル
相性が悪い例も挙げておこう。『営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと』は、挫折寸前の営業マンが「営業の神様」と出会い、営業・商品・お客様・自分を愛するという4つの哲学を実践していく物語だ。心を立て直したい人にはよく効くけれど、明日の商談のスクリプトが欲しい人が手に取ると空振りする。逆に、数字を積み上げる本を、心が折れている状態で読むと「努力が足りない」と言われたように感じてしまう。順番以前に、今の自分の状態に合うかを先に見てほしい。
橘ナナミ
古典は、古くなった部分をどう見分ければいいんでしょう?
佐藤メバル
20年以上読み継がれてきた本は骨格が普遍で、そこは今も使える。ただ、登場する商談の例は書かれた当時の前提で書かれているから、自分の商材と商談のかたちに置き換えながら読む。一方で、増刷や改訂を重ねている本は新しい版を選ぶ。旧版と新版で内容が違うことがあるから、そこは確認しておきたいところだね。
業界・商材別の選書と、商談シーン別の逆引き
橘ナナミ
不動産や金融保険、IT・SaaS、広告、医療だと、選書はやっぱり変わるんですか?
佐藤メバル
変わる。ただ、業界名で本を探すより、その業界の商談が「何回で決まるか」「誰が決めるか」で選ぶほうが精度が高い。高額で決裁者が複数いる不動産や保険、法人向けのIT・SaaSなら、『仮説起点の営業論』や『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』のように、仮説と検証のループを回す本が効く。1回の商談で決まりやすい個人向けの商材なら、『1日1テーマ読むだけで身につく営業トーク大全100』のように、トークを細かく刻んだ本のほうが使える。
橘ナナミ
商談シーン別だと、どう引けばいいんでしょう?
佐藤メバル
初回接触で信頼をつくる場面なら『売れる営業がお客様に会う前にやっていること』、ヒアリングで課題を引き出す場面なら『営業の「聴く技術」』、見込み客の検討が止まる場面なら『法人営業 勝ちパターン大全』の購買プロセスの見取り図、価格で押されそうな場面なら『営業の科学』の「とにかく安くの仮面」を扱う章、「検討します」で止まる場面なら同じく「検討しますの仮面」の章。こういう逆引きができると、1冊を丸ごと読まなくても戦える。
橘ナナミ
なるほど…章単位で使うんですね。
佐藤メバル
そう。索引を引くように本を使うと、積読も自然に減っていくよ。
積読を防ぐ読み方と、周辺領域への橋渡し
橘ナナミ
積読が本当に得意で、買っただけで満足しちゃうんです…。
佐藤メバル
それなら1冊30分の要約から入って、実践の1アクションを決める読み方に切り替えよう。『営業スキル100の法則』なら、今日はアポ取りの1項目だけを、明日の電話で試す。『決定版 営業心理術大全』なら1項目4ページだから1日1項目。読んだ冊数ではなく、試した回数で数えるほうが身につく。読了時間の目安も意識して、200ページ台は通勤2〜3回、400ページを超える本は週末にまとめて、と分けると挫折しにくい。
橘ナナミ
電子書籍や音声、要約サービスでも同じ効果があるんでしょうか?
佐藤メバル
骨格をつかむ段階なら要約でも十分。ただ、台本やスクリプトを覚える段階では、文字で目に入れて口に出して練習したほうが残る。入手性の話をするなら、古典は文庫や電子で揃いやすく、新版が出ている本は新しい版を選ぶ。図書館で試してから手元に置く、会社の研修予算や経費で購入する、といった選択肢も立派な読み方のひとつだよ。
橘ナナミ
営業以外の分野の本が効く、という話も聞きます。
佐藤メバル
行動経済学や交渉学は、相手が「なぜその瞬間に決めたか」を説明する言語をくれる。組織論は、自分一人では動かない案件をどう動かすかという視点を持てる。AIの話も、置き換えを恐れるより、提案の前段をどこまで任せるかという設計の話として読めば営業の本と地続きになる。『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?』も、その外側の視点をくれる一冊だ。モロッコの土産物屋からシリコンバレーのCEOまで、頂点をきわめた人たちが何を譲れないと言っているかを追う構成で、テクニック本に少し疲れたときに読むと、営業という仕事の位置が変わるよ。
よくある質問
営業1年目が最初に読むべき1冊は何ですか?
橘ナナミ
営業1年目が最初に読むべき1冊は何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
まずは商談の流れを地図として持つことを優先したいので、『この1冊ですべてわかる 営業の基本』か『1年めから必ず売れる営業のキホン』、マンガから入るなら『マンガで学ぶ! 営業の超基本』が候補になります。いきなり分厚い専門書から入ると、用語の意味が分からないまま読み進めることになりがちです。最初の一冊は「読了できること」を優先すると、次に読む本へ自然につながります。
営業に向いていないと感じたとき、読むべき本はありますか?
橘ナナミ
営業に向いていないと感じたとき、読むべき本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
数字ではなく気持ちが落ちている状態なら、まず『営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと』のような物語から入るのがおすすめです。挫折寸前の営業マンが「営業の神様」と出会い、営業・商品・お客様・自分を愛するという4つの哲学を実践していく過程を追ううちに、営業という仕事の見え方が変わります。テクニック本は元気なときに読むほうが吸収できます。
話し方や雑談が苦手な人におすすめの営業本は?
橘ナナミ
話し方や雑談が苦手な人におすすめの営業本はについて教えてください。
佐藤メバル
話す前に聞く側へ回る本が向いています。『なぜ、「質問」だけで売れるのか?』は質問型営業の入門で、『営業の「聴く技術」』はSPINの4つの質問と3つの説明に絞って構成されています。また『1日1テーマ読むだけで身につく営業トーク大全100』は、トークを100項目に細かく分けてあるので、苦手な場面だけを拾って練習できます。
古い名著でも今の営業に役立ちますか?改訂版や最新刊とどちらを選ぶべきですか?
橘ナナミ
古い名著でも今の営業に役立ちますか?改訂版や最新刊とどちらを選ぶべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
質問で相手の課題を引き出すといった骨格は古びませんが、登場する商談の例は書かれた当時の前提で書かれています。自分の商材と商談のかたちに置き換えて読むのが基本です。同じ本で改訂版や新装版が出ている場合は、内容が異なることがあるため新しい版を選び、オンライン商談やチーム運用の話が必要なら『NEW SALES』のような新しい本を足すと役割が分かれます。
マンガや図解で営業の基本を学べる本はありますか?
橘ナナミ
マンガや図解で営業の基本を学べる本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。『マンガで学ぶ! 営業の超基本』は、ダメチームがプロ集団に育っていく過程を追う構成で、基本の型を物語として頭に入れられます。図解や拾い読みなら『決定版 営業心理術大全』が1項目4ページの73項目で、イラスト付き。まず全体像の地図が欲しい段階では、文字量の多い本より効率がいいことも多いです。
電子書籍・音声・要約サービスでも営業本の学習効果はありますか?
橘ナナミ
電子書籍・音声・要約サービスでも営業本の学習効果はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
骨格をつかむ段階なら要約でも十分に機能します。ただし台本やスクリプトを覚える段階では、文字で目に入れて口に出して練習したほうが定着しやすいです。目的によって媒体を変えるのがポイントで、通勤のインプットは要約と音声、商談前の確認は紙か電子で該当章を開く、という使い分けが現実的です。
マネージャーになったら読むべき組織・マネジメント本は?
橘ナナミ
マネージャーになったら読むべき組織・マネジメント本はについて教えてください。
佐藤メバル
個人の成果をチームで再現する型が必要になるので、『法人営業 勝ちパターン大全』で購買プロセスと関係者の見取り図を持ち、『できる営業マンのすごい言語化』で部下の暗黙知を言葉にする技術を学ぶ流れがおすすめです。さらに『NEW SALES』でチームと組織の生産性へ視点を移すと、自分が売る本から育てる本へ切り替えられます。
営業本は月に何冊、どの順番で読めばよいですか?
橘ナナミ
営業本は月に何冊、どの順番で読めばよいですかについて教えてください。
佐藤メバル
冊数より順番です。まず全体像の一冊、次に会話の型、その次に価値の考え方という順で土台をつくり、そのうえで自分の課題に合う本を足していきます。月に1冊でも、読んだ翌日にひとつ試せば十分。『営業スキル100の法則』のように100項目ある本は1日1項目だけ実践する使い方が向いています。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、営業本って「読む量」の勝負だと思っていたのが、だいぶ変わりました。
佐藤メバル
うん。選ぶ基準は結局「その本が誰の、どんな場面に効くか」なんだ。同じ営業の本でも、数字が伸びない理由を仕組みとして説明してほしい人には『営業の科学』が効くし、押しの強さが通用しなくなった時代に伸び悩んでいる人や、急に営業に配属された人の背中を押すなら『世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本』がある。まず読みやすさから入りたい人には『世界一わかりやすい世界一「売れる」本』のような入口もある。
橘ナナミ
全部読まなくていい、というのがちょっと救いです。
佐藤メバル
読み切ることは目的じゃないからね。大事なのは、読んだ翌日に、いつもの商談で言葉がひとつ変わること。書店員時代、返品された本を山のように見てきたけれど、長く売れ続ける本には共通点があった。それは「今日使える一行」が必ず入っていることだよ。
橘ナナミ
一行…だと、ハードルが下がりますね。
佐藤メバル
そう。営業の本は、道具箱というより「商談の直前に鞄から取り出すお守り」に近い。25冊すべてを持ち歩く必要はないけれど、自分の今の場面に合う一冊を入れておくと、いちばん緊張する商談の五分前、ふたを開けたときの手触りが変わる。まずはその一冊を選ぶところから始めよう。
