住宅営業の本音がわかる本のおすすめ人気ランキング20選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「住宅営業 本音」……正直、身構えちゃいました。私、家を買う立場になったことがないので、どこから手をつけていいのか分からなくて。
佐藤メバル
いい質問だね。そこがこのテーマの面白いところで、住宅営業の「本音」を扱った本は、読む人の立場によってまったく別の顔を見せるんだ。買う側が読むべき本と、売る側が読む本、そして工務店の経営者が読む本は、同じ棚に並んでいても中身は別物だよ。
橘ナナミ
なるほど! でも書店では全部「住宅営業」の棚にまとめられちゃいますよね。それ、けっこうな罠じゃないですか?
佐藤メバル
まさに罠なんだ。僕が書店員だった頃、その棚を作っていて痛感したよ。たとえば『住宅営業マンぺこぺこ日記』は、ノルマや展示場の飾り付け、値引きの裏側まで書き出した現場の記録で、買う側が読むと「営業マンもこんなに追い詰められているのか」と見え方が変わる。でも営業志望の新人が最初にこれを読むと、業界の厳しさばかりが先に立ってしまう。読み順を間違えると、本の効き目は半分以下になるんだ。
橘ナナミ
薬みたいですね……。じゃあ私みたいに「まだ買う予定はないけど、将来のために業界のからくりを知っておきたい」という読み手は、どう選べばいいんでしょう?
佐藤メバル
まずは「誰が書いたか」を見ることだね。元営業が書いた本は現場の解像度が高い。経営側の人が書いた本は、組織の力学が見えやすい。今日はそこを軸に整理していこう。
住宅営業の本音がわかる本の選び方
読者の立場別に選ぶ: 施主・営業志望・経営者・業界研究
橘ナナミ
立場別というと、具体的にどう分かれるんですか?
佐藤メバル
買う側なら、浅野訓正氏の『住宅営業は家を売るな!』が分かりやすい入口だよ。営業経験30年、プレイヤーとして20年やってきた人が、責任者や経営側の立場から書いている。第三章が「営業される側の心理」になっていて、買う側が知りたいことがそのまま章立てになっているんだ。
橘ナナミ
売る側の人が書いたのに、買う側の心理の章があるんですね。
佐藤メバル
そう。しかも「サイレントクレーム」の話まで踏み込んでいる。営業志望や新人なら、まず『住宅営業は初回面談が9割』や『頼みたくなる住宅営業になれる本』のように、商談の流れと基本が順番に並んでいる本から入るのがいい。経営者や店長職なら、斉藤孝安氏の『住宅営業という修羅場で26年 7000軒売った男が教える勝ち残る営業の36の掟』のように、研修で語られてきた「やってはならないこと」がまとまった本が効く。
著者の属性別に見る: その「本音」は誰の本音か
橘ナナミ
著者の属性って、そんなに結果を左右しますか?
佐藤メバル
左右するよ。森鶴夫氏の『住宅営業バイブル』は業界歴35年の営業の人の「結論」で、現場で売るための手順が濃い。石川智忠氏の『ハウスメーカー営業革命』は元ハウスメーカー営業の立場から、上司が自分の身を守るために部下に不正を強いるような組織への疑問も書いている。同じ「本音」でも、お客様に向けた本音と、組織に向けた本音は別物なんだ。
橘ナナミ
なるほど……。「本音」って一言で言っても、誰に向かって漏らした本音かで意味が変わるんですね。
佐藤メバル
そういうこと。著者がペンネームの本や、立場が明記されていない本は、内容は参考にしつつ「誰の利害を代弁しているか」を一度疑って読む。書評を読むときも同じだよ。
目的別に選ぶ: トーク見抜き/値引き交渉/営業スキル/業界理解
橘ナナミ
「契約を急がせるトークを見抜きたい」なら何を読めばいいですか?
佐藤メバル
それなら『住宅営業マンぺこぺこ日記』だね。〝今月だけの特典〟というキャンペーンの正体、値引きの裏側、囲い込みによるスーパー短期間クロージングまで、営業側の手順として書かれている。自分が受けているトークがどの型にあたるのか照合できる。
橘ナナミ
予算や見積もりのほうは?
佐藤メバル
浄法寺亘氏の『頼みたくなる住宅営業になれる本』がいい。なぜ予算オーバーになるのか、総費用の把握、見積もり説明のどこまでが含まれているか、が章になっている。値引き交渉の技術そのものは『住宅営業 急所 プロテクニック』や『住宅営業の必勝テクニック』のような本で「相手が何を考えているか」を知るために読む。使うためではなく、見抜くために読むんだ。
出版年と制度の鮮度で選ぶ
橘ナナミ
古い本は避けたほうがいいんでしょうか?
佐藤メバル
使い分けだね。『住宅営業の教科書』は、1970年代から80年代は売り手市場で説得して契約をいただく時代だったと振り返り、そこから買い手市場に変わった流れを書いている。時代の変化を学ぶ厚みは今でも生きている。ただし金利環境や法改正、補助金の話は必ず古くなるから、制度に関わる部分は最新情報で上書きして読むこと。人の心理や接客の基本は年を取らない。
形式で選ぶ: 単行本・マンガ・電子・要約
橘ナナミ
忙しい人むけには?
佐藤メバル
全体像をつかむなら『マンガでわかる住宅営業の基本』、まず流れだけなら要約サービスや電子書籍。『不動産営業マン元気マニュアル』のように4コマ漫画つきの本もある。ただ、本音は行間に出るから要約では削られやすい。要約で当たりをつけて、刺さった一冊だけ原書に戻るのが現実的だよ。
住宅営業の本音がわかる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、20冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
住宅営業の本音がわかる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

住宅営業バイブル―1ヵ月に2棟売る! 業界歴35年のすべてを集大成した「売れる手法」
森鶴夫 著|現代書林
¥2,796(税込)
業界歴35年、知る人ぞ知る住宅営業の“神様”とされる森鶴夫さんが、その結論を一冊に凝縮した実践書です。住宅営業マン必読と謳われるとおり、売れない人がどこでつまずくのかという視点から営業の極意がまとめられています。「1カ月2棟も夢ではない」という言葉も、根性論ではなく手順の話として読めるのが特徴。同じ著者の『住宅営業・KKS改革で2倍売れる』と並べると、考え方と運用の両輪がつかめます。189ページという手頃な厚さも、現場で反復しやすい利点です。
こんな人におすすめ
住宅営業を始めて数年、伸び悩んで手順を見直したい人。数字を追われる立場で、なぜ売れないのかの答えを先輩ではなく本から得たい場面に。同じ著者の別著と併読して、考え方の軸を作りたい人にも向きます。
良い点
- 業界35年の結論が一冊に収まる
- 189ページで読み返しやすい
- 同著者の続編と併読できる
気になる点
- 業界経験者向けで入門には不向き
- 価格は2796円で気軽ではない
- 文体は熱量が高めで好みが分かれる
出版社
現代書林
発売日
2007年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
住宅営業の本っていっぱいありますけど、『バイブル』って名乗る一冊から見ていくんですか? ちょっと気になります!
佐藤メバル
そう、ここが起点になる。著者は業界歴35年で、知る人ぞ知る“住宅営業の神様”と呼ばれる人だ。この本はその結論を189ページにまとめたもので、営業の極意が凝縮されている。まず全体の地図を持つにはいい一冊だよ。
橘ナナミ
1カ月に2棟って、聞くだけで肩に力が入ります……。でも同じ著者さんの本が、この後もう一冊出てくるんですよね?
佐藤メバル
よく気づいたね。『住宅営業・KKS改革で2倍売れる』も同じ森鶴夫さんの著書だ。考え方の軸と、現場での運用。
続けて読むと輪郭がはっきりするから、並べて手に取ってみるといい。書店員時代、こういう二冊組の並べ方をよく考えていたのを思い出すよ。

住宅営業の教科書
加藤正彦 著|建築技術
1970〜80年代の住宅営業は、売り手市場でお客様を説得して契約をいただく仕事でした。それが今や完全な買い手市場。本書はその変化を正面から認めたうえで、納得と満足を軸にした折衝の作法を体系的に整理しています。ベーシック、チャレンジ、アクション、コミュニケーション、モチベーション、チェック、ディライトという区分けで、第一印象の力から現場見学会の成功法、OBのお客様との付き合い方、ディズニーから学ぶ接遇まで、日々の行動レベルに落とし込まれているのが読みどころです。
こんな人におすすめ
工務店やハウスメーカーで、新人から数年目の社員を育てる立場の人。朝礼や研修の題材を探している場面や、展示場・現場見学会の運営を見直したいときに。70万戸時代を見据えて会社の営業姿勢を組み替えたい経営者にも。
良い点
- 時代の変化を前提にした構成
- 項目が細かく研修に使いやすい
- OB客や見学会まで網羅
気になる点
- 項目数が多く通読は重い
- 会話形式ではない実務書
- 事例の物語性は控えめ
出版社
建築技術
発売日
2013年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『教科書』という書名が、もう学校みたいで身構えちゃいます。これって、新人が最初に読む一冊なんですか? それとも上の人向け?
佐藤メバル
どちらかというと、教える側と、伸び悩んでいる中堅に向いている。この本の出発点は「昔は売り手市場だった」という告白なんだ。
お客様を説得して契約をいただく時代から、納得と満足を積む時代へ。その変化を認めるところから始めているのが誠実で、研修のテキストにも向く。
橘ナナミ
なるほど。目次に『ディズニーから学ぶ』ってあって、そこだけ妙に気になりました。住宅とディズニーって、結びつきます?
佐藤メバル
そこも面白いところだね。接遇やおもてなし、展示場で女性社員が担う力、家族の笑顔を作る——そういうサービス業としての住宅営業の側面を、ディズニーの視点から言語化している。
数字の技術だけでなく、体験の質を整える発想がもらえるよ。

住宅営業は家を売るな!
浅野訓正 著|玄武書房
¥1,210(税込)
営業経験30年、うち住宅営業のプレイヤーとして20年、そして責任者や取締役として新人研修も担当してきた著者が、『営業職』の素晴らしさを正面から伝える一冊です。高額で人生を左右する家は、慎重になるのが当然。だからやっきになって家を売ろうとしても決まらない。まず自分の人柄を伝えることから始めよう、というのが通底するメッセージです。第一印象、警戒心の外し方、ぶつ切り営業をしない喋り方、笑顔の法則など、接客の心得が具体的に並びます。146ページと短く、読み返しやすいのも魅力です。
こんな人におすすめ
住宅営業についたばかりで、ノルマの重さに気持ちが折れかけている人。売り込むのがつらいと感じている場面や、人柄で選ばれる営業に舵を切りたいときに。新人研修の副読本を探している責任者にも。
良い点
- 146ページで一気に読める
- プレイヤー20年の視点がある
- 失敗談まで収録されている
気になる点
- 具体的な商談手順は少なめ
- 精神論に寄る章もある
- 著者の体験談が中心の構成
出版社
玄武書房
発売日
2022年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『家を売るな』って、タイトルが逆説的すぎません? 住宅営業なのに売らないって、どういうことだろう。すごく気になります。
佐藤メバル
いい質問だね。著者は住宅営業のプレイヤーを20年やり、その後は取締役として新人研修も見てきた人だ。そこで行き着いたのが、家ではなく自分の人柄を伝えるという結論なんだよね。
高額な買い物だからお客様は慎重になる。だから売り込むほど決まらない、という順番の話なんだ。
橘ナナミ
そっか……。営業の本って「こう話せ」みたいな技術の話が多いイメージでしたけど、これは心の持ちようの本なんですね。
佐藤メバル
近いけれど、もう少し実務的だよ。第一印象の作り方、警戒心を外す努力、ぶつ切り営業をしない喋り方、再来場させる接客。
抽象と具体のバランスが取れている。しかも146ページだから、新人さんが最初に読むにはちょうどいい重さだと思う。

住宅営業は初回面談が9割 アンケート契約率50%以上を達成! クロージングのための初回面談マニュアル
櫻沢昌仁 著|セルバ出版
書名がそのまま主張です。住宅営業は初回面談が9割——クロージングのための初回面談マニュアルとして、アンケート契約率50%以上を達成したという著者の手法がまとめられています。207ページ。後の商談で挽回するのではなく、最初の一回で何を確認し、何を残すかに焦点を絞っているのが、他の営業本との違いです。商談が初回で終わってしまう、二回目につながらない、と感じている人にとっては、原因の置き場所がはっきり見えてくる構成になっています。
こんな人におすすめ
初回の商談は取れるのに、その後のアポイントにつながらず悩んでいる営業パーソン。一回目の面談の設計をゼロから見直したい場面や、クロージングを前提にヒアリングを組み立てたいときに。
良い点
- 初回面談にテーマを絞った構成
- 達成した契約率を明示している
- 二回目が続かない人に効く
気になる点
- 初回以外の商談は薄め
- 価格は確定情報になし
- 著者独自の手法に寄った内容
出版社
セルバ出版
発売日
2016年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『初回面談が9割』って、ずいぶん思い切ったタイトルですね。9割って言い切っちゃうの、勇気いります。でも気になります!
佐藤メバル
この著者は、アンケートでの契約率50%以上を達成したと副題に掲げている。つまり初回面談の設計次第で結果が変わる、という実感から来た言葉なんだと思う。
後の商談で挽回する発想を捨てる——それがこの本の立ち位置だね。
橘ナナミ
挽回しないんですか……。じゃあ、初回の面談で何を話すかで、ぜんぶが決まってくる感じですね。そこが知りたいです。
佐藤メバル
そう。この本はクロージングのための初回面談マニュアルとして書かれているから、初回で何を確認し、何を残して帰ってもらうかに紙幅を割いている。
契約率の数字を掲げているぶん、再現したい手順として読めるのが強みだよ。

住宅営業という修羅場で26年 7000軒売った男が教える勝ち残る営業の36の掟
斉藤孝安 著|サンクチュアリ出版
東京・城東地区で株式会社ハウスプラザを率い、7000軒以上の住宅を売ってきた“城東の虎”こと斉藤孝安さんの一冊です。特徴は、成功事例の自慢ではなく、月例研修で語られてきた「営業としてやってはならないこと」を36の掟としてまとめている点。なぜ契約できないのか、なぜお客様にもう一度会えないのか——その問いから逆算して、やってはいけない行動を積み上げていく構成が、他の営業本と一線を画します。224ページ、サンクチュアリ出版。
こんな人におすすめ
営業の「やること」は覚えたのに、契約に届かない人。自分の癖や口癖を見直したい場面や、失注の理由を客観的に知りたいときに。チームの研修で共通言語を作りたいリーダーにも。
良い点
- 禁止事項から入る珍しい構成
- 26年7000軒の現場の言葉
- 研修で使われた36の掟
気になる点
- 成功談の華やかさはない
- 価格は確定情報になし
- 語り口はかなりストイック
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2012年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『修羅場で26年』って、もうその一言で疲れがにじんでいます……。7000軒売った人って、いったい何を書いてるんでしょう?
佐藤メバル
この本が面白いのは、売り方ではなく「やってはならないこと」から書かれている点なんだ。著者は東京・城東地区でハウスプラザを率いてきた人で、月例研修で語ってきた内容を36の掟にまとめている。
契約できない理由を先に潰していく発想だね。
橘ナナミ
禁止事項から入るんですか。成功例を真似するより、まず失敗を避ける。順番としてはそっちが先ですよね。
佐藤メバル
そうそう。しかも「なぜお客様にもう一度会えないのか」という問いが軸にあるから、読みながら自分の商談を思い出して、ちょっと痛い気持ちになる。
そこが値打ちで、研修の共通言語にもなりやすい一冊だよ。

住宅営業マンぺこぺこ日記――「今月2件5000万! 」死にもの狂いでノルマこなします
屋敷康蔵 著|フォレスト出版
¥1,340(税込)
新人教育や営業ノウハウではなく、住宅営業マンの日常そのものを某月某日形式で綴った記録です。朝礼で「今月の目標は2件の5000万」と発表させられ、それがいつのまにかノルマにすり替わっていく。キャンペーンの“今月だけの特典”の正体、囲い込みによる短期間クロージング、値引きの裏側、銀行審査、クレーマー対応まで、業界の内側が容赦なく並びます。「本書に書かれていることは、すべて嘘偽りのない、働く中高年のリアルな姿である」と明言されているのが肝です。
こんな人におすすめ
住宅営業への転職や入社を考えていて、現場の実態を先に知りたい人。すでに働いていて「これ、自分のことだ」と思っている人が、笑いながら深呼吸したい場面にも。業界研究の材料がほしい就活生にも。
良い点
- 日記形式で読み進めやすい
- 208ページに濃い現場描写
- ブラックな内情も隠さない
気になる点
- ノウハウ本ではない
- 読み手を選ぶ暗さがある
- 解決策は提示されない
出版社
フォレスト出版
発売日
2022年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『ぺこぺこ日記』って、もう文体からして疲れていますよね。でも「同僚が次々辞めていく仕事」っていう売り文句が、妙に刺さります。
佐藤メバル
これは営業のハウツーではなくて、記録なんだ。某月某日、某月某日、と日記の形で現場が並んでいく。会議で「今月の目標は2件の5000万」と宣言させられ、それがいつのまにかノルマにすり替わる——その過程が淡々と書かれている。読み物として強いよ。
橘ナナミ
ノルマにすり替わる……。うちの研究室でも「目標」って言葉が、そうなっていくことあります。他人事じゃないです。
佐藤メバル
でしょ。しかも「本書に書かれていることは、すべて嘘偽りのない、働く中高年のリアルな姿」と著者が明言している。
特典の正体、値引きの裏側、銀行審査の話まで出てくる。ノウハウを求める人には不向きだけど、業界を知るには一番正直な一冊だと思う。

住宅営業 急所 プロテクニックー知恵と工夫集
森雅樹 著|㈱日本教育研究センター
¥1,851(税込)
副題に「知恵と工夫集」とあるとおり、住宅営業の急所を突くプロ向けの技術を集めた一冊です。233ページ、1851円。同じ著者の森雅樹さんはリフォーム営業の本も書いていて、新築の提案営業と改修の提案営業、両方の現場感覚を持つ人だということがうかがえます。入門書のように一から手順を並べるのではなく、経験者が自分の引き出しを確認し、足りないところを補う使い方を想定したつくり。手元に置いて折々に開くタイプの実務書です。
こんな人におすすめ
住宅営業を数年やってきて、自分の型を点検したい中堅どころ。商談が単調になってきたと感じる場面や、同僚と差をつけたいときに。リフォーム提案にも視野を広げたい人が、手元に置いて折々に開くのにも向きます。
良い点
- 経験者が前提の実践的内容
- 233ページで引き出しを確認
- 同著者のリフォーム本と併読可
気になる点
- 初心者にはやや背伸びする
- 価格は1851円
- 文体は硬めの実務書
出版社
㈱日本教育研究センター
発売日
2011年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『急所』に『プロテクニック』って、書名からして玄人向けの空気があります。新人が手を出しても大丈夫なんですか?
佐藤メバル
正直、最初の一冊というよりは、数年やってからの一冊だね。副題に「知恵と工夫集」とあるとおり、経験者が自分の引き出しを点検するための本なんだ。
同じ著者がリフォーム営業の本も書いているから、新築と改修の両方を見ている人だというのも分かって面白いよ。
橘ナナミ
へえ、同じ著者さんなんだ。じゃあ新築だけじゃなくて、リフォームの話も見えてくるんですね。それって意外と貴重かも。
佐藤メバル
そう。住宅営業といっても、新築の提案と改修の提案では急所が変わる。この本は233ページで、その両方を扱う著者ならではの勘どころが詰まっている。
目次を追うだけでも、自分の商談のどこが薄いか見えてくると思うよ。

住宅営業の必勝テクニック
佐藤時夫 著|日本コンサルタントグループ
¥1,540(税込)
書名どおり、住宅営業で勝つための技術をまとめた一冊です。263ページ、1540円。住宅営業の本は、著者の体験談から入るもの、接客の心構えから入るもの、そして技法を体系的に並べるものに分かれますが、これは題が示すとおり三つ目のタイプ。手順として確認できるのが持ち味で、個人が読み物として楽しむより、現場で参照する前提のつくりです。発行元が日本コンサルタントグループという点も含めて、実務テキストとしての性格が強い一冊です。
こんな人におすすめ
手順や型を一覧できる本をデスクに置きたい人。商談の進め方を自己流から整えたい場面や、後輩に渡す一冊を探している先輩にも。263ページぶんの網羅感を求める人に向きます。
良い点
- 263ページの網羅感がある
- 1540円と手頃な価格
- 技法の整理に重心を置く
気になる点
- 体験談や物語性は少なめ
- 価格は1540円
- 初心者には分量が重い
出版社
日本コンサルタントグループ
発売日
2005年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これも『必勝テクニック』。ずばりなタイトルですね。263ページって、けっこうな厚さです。腰を据えて読む感じですか?
佐藤メバル
そう、どちらかというと辞書や手引きに近い使い方かな。住宅営業の本は、体験談から入るもの、心構えから入るもの、技法を並べるものに分かれるんだけど、これは三つ目。
必要なところを開く前提のつくりなんだ。
橘ナナミ
じゃあ、通読するより手元に置くタイプの本なんですね。新人と中堅、どちらに向いていますか? 厚さのぶん、長く使えそう。
佐藤メバル
長く使えるのが利点だね。手順を確認したい場面で開けば、新人にも中堅にも効く。ただ、読み物としての面白さを期待すると物足りないかもしれない。
価格は1540円だから、まとまった一冊を腰を据えて使いたい人向けだと思う。

頼みたくなる住宅営業になれる本
浄法寺亘 著|オモイカネブックス
「プロの世界では新人がベテランに勝つのは難しい。しかし住宅という商品は、知識・技術・経験と同じくらい『人間性』が影響する」——この前提から始まる一冊です。共感の三原則、関心事の掴み方、家づくりの流れ、予算オーバーを防ぐ総費用の考え方、見学会での案内の仕方、プランと見積もりの説明順まで、新人が詰まりやすい順番で並んでいます。話しことばで書かれているので、工務店の社長が跡取りに渡すのにも向く実用書です。
こんな人におすすめ
入社して間もない営業マンで、ベテランと同じ土俵で戦う方法を知りたい人。見学会の案内やプラン説明の順番で迷っている場面や、社員に営業の基本を確認させたい工務店の経営者にも。
良い点
- 話しことばで読みやすい
- 予算オーバー対策が具体的
- 見学会の案内手順を収録
気になる点
- 基本重視で応用は少なめ
- 価格やページ数は確定情報になし
- 語り口はやさしいが地味
出版社
オモイカネブックス
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『頼みたくなる』って、いい言葉ですね。住宅って安い買い物じゃないからこそ「この人に頼みたい」と思えるかどうかが大きそうです。
佐藤メバル
まさにそこが出発点の本だね。著者は「住宅という商品は知識や経験と同じくらい人間性が影響する」と言っている。
だから新人にも勝ち目がある。共感の三原則とか、お客様の関心事の掴み方とか、基本から順番に並んでいるよ。
橘ナナミ
新人にも勝ち目がある、って言い切ってもらえると救われますね。見学会の案内のしかたまで載ってるんですか? そこが実は一番不安なんです。
佐藤メバル
載っているよ。着席してもらうには、アポイントにつなげるには、というところから、建築時期の聞き方、否定的な意見を言われたときの受け方まで。
しかも話しことばで書かれているから、工務店の社長さんが跡取りに渡して読ませる、なんて使い方もできる。

住宅営業・KKS改革で2倍売れる (KOU BUSINESS)
森鶴夫 著|こう書房
『住宅営業バイブル』と同じ森鶴夫さんによる一冊です。261ページ。タイトルの「KKS」は本書で示される著者独自のキーワードで、それを軸に「2倍売れる」状態をつくる、というのが書名の約束です。前者が業界35年の結論を凝縮した集大成だとすれば、こちらは改革という言葉が入っているぶん、数字を変える仕組みに踏み込んだ一冊。同じ著者の二冊を並べると、個人の技術と仕組みの改革、両方の層が見えてきます。
こんな人におすすめ
個人の頑張りだけでは伸びなくなったと感じている中堅やリーダー層。チームや店舗の営業の仕組みを組み替えたい場面や、同じ著者の『住宅営業バイブル』を読んで次を求めた人に。
良い点
- 同著者の別著と併読できる
- 261ページの読み応えがある
- 改革という視点を持ち込む
気になる点
- 価格は確定情報になし
- KKSの意味は読んで確かめる必要
- 入門より中堅以上向け
出版社
こう書房
発売日
1996年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ森鶴夫さんの本がもう一冊あるんですね。でも「KKS改革」って、正直この時点では何のことだか分かりません。
佐藤メバル
それでいいんだよ。KKSは本書で示される著者独自のキーワードで、それを軸に「2倍売れる」状態をつくる、というのが書名の約束。
仕組みを変えるという視点が入っているのが、バイブルとの違いだね。
橘ナナミ
個人の技術の話と、仕組みの話。同じ著者でも、読む人が変わってきそうですね。佐藤さんなら、どちらを先に勧めますか?
佐藤メバル
まず前の一冊で考え方の軸を作って、そのうえでこちらを開くのが順番としては自然かな。個人の頑張りだけでは伸びなくなった、と感じている中堅やリーダーにこそ刺さる内容だと思う。
261ページあるから、腰を据えてどうぞ。

住宅営業「攻め」のセールスマナーブック
三島俊介 著|ニューハウス出版
マナーというと守りの印象がありますが、この本は「攻め」のマナーブック。133ページとコンパクトで、ニューハウス出版から出ています。同じ著者の三島俊介さんには『マンガでわかる住宅営業の基本』もあり、そちらが読み物としての入口だとすれば、こちらは立ち居振る舞いを武器に変えるための一冊という位置づけです。身だしなみや言葉づかいを、採点されるものではなく、信頼を獲りにいく道具として捉え直したい人に向いています。
こんな人におすすめ
入社して間もなく、振る舞いで信頼を勝ち取りたい人。先輩の真似だけでなく、自分の立ち居振る舞いを自分で設計したい場面や、短時間で要点を押さえたいときに。133ページなので移動中にも読めます。
良い点
- 133ページで短時間に読める
- 同著者のマンガ版と併用可
- 攻めという視点が新鮮
気になる点
- 価格は確定情報になし
- 網羅性より要点重視
- 分量が少なく物足りない人も
出版社
ニューハウス出版
発売日
2006年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『攻め』のマナーブック、って言葉の組み合わせが不思議です。マナーって、どちらかというと守りじゃないですか?
佐藤メバル
そこをひっくり返すのがこの本の狙いなんだろうね。マナーを「怒られないための作法」ではなく、信頼を獲りにいく道具として使う発想。
133ページと短いから、要点だけを持ち歩く感じで読めるよ。同じ著者にマンガ版もあるから、そちらから入るのも手だね。
橘ナナミ
なるほど、守りじゃなくて攻めの道具。そう考えると、身だしなみの話も急に真剣みが出てきますね。
佐藤メバル
そう。住宅営業は、お客様の人生で一番大きな買い物の相談を受ける仕事だから、印象の設計は軽く見られない。
短い本で立ち居振る舞いを点検する——新人にも、何年目でも効く使い方だと思うよ。

ハウスメーカー営業革命 たった一回の土地案内でお客さんの方から「買付を入れたい」と言ってくる方法
石川智忠 著|株式会社K・E Media
「口下手」「消極的」な営業マンでも一発逆転を狙える、土地なし攻略のノウハウを掲げた一冊です。著者は6ヶ月契約0棟のどん底からトップを取り、研修や後進指導にも力を入れてきた人。核心は、無理なクロージングをせず、たった1回の土地案内でお客さんの方から「買付を入れたい」と言わせるという設計にあります。全体像、土地なし客の特徴、信頼獲得、心理誘導、土地の探し方、究極の土地案内、きっかけトークという順番で、心理の組み立て方が語られます。巻末にはトーク事例の確認集も。
こんな人におすすめ
土地から探すお客様を担当し、案内が二回目につながらないと悩む営業パーソン。土地なし客の心理を逆手に取りたい場面や、クロージングが苦手で押し出しに自信がない人にも。
良い点
- 土地なし客に特化した構成
- トーク事例の確認集つき
- 心理の仕掛けを丁寧に解説
気になる点
- 価格やページ数は確定情報になし
- 土地以外の商談は範囲外
- 心理テクニック中心の内容
出版社
株式会社K・E Media
発売日
2015年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『土地なし攻略』って、これも気になります! 家を建てたい人は、土地も一緒に探さないといけないんですよね。
佐藤メバル
そう、そこが住宅営業の大きな分かれ目なんだ。この本は土地を紹介して終わり、ではなく、たった一回の土地案内で「買付を入れたい」と言ってもらうための設計を扱っている。
著者自身が6ヶ月契約0棟の時期を経てトップを取った人だから、言葉に重みがあるよ。
橘ナナミ
6ヶ月ゼロからトップって、そこで諦めなかったのがすごい。無理なクロージングをしない、っていうのも意外でした。
佐藤メバル
そこが肝でね。押し込むのではなく、信頼獲得から心理の流れを組み立てる。きっかけトークから究極の土地案内まで、順番が丁寧に書かれている。
しかも巻末にトーク事例の確認集がついているから、自分の言葉に置き換えて練習しやすい一冊だよ。

ハウスメーカー営業初心者でも年間9棟を達成した営業術: 元ハウスメーカー勤務の不動産業者役員が教えます!
松川ツヨシ 著
元ハウスメーカー勤務で、のちに不動産会社の役員を務めた著者による、初心者向けの営業ノウハウです。契約が取れない、商談が初回で終わる、話すのが苦手——そうした悩みを並べたうえで、年間7〜9棟の契約、新卒3年目で副店長という実績を挙げています。特徴は「10年分の知識・経験を詰めた」と語られる体系的なマニュアル志向。会話のテンプレートに沿って話せる安心感を重んじ、営業のストレスを減らす方向に設計されているのが他書との違いです。
こんな人におすすめ
これから住宅営業に入る未経験者と、入社して間もない新人。商談が初回で途切れている場面や、会話の型を持ってから臨みたい人に。業界のリアルな接客術を知りたい就活中の人にも。
良い点
- 未経験者を明確に想定している
- 会話テンプレートつき
- 業界のリアルも併記される
気になる点
- 価格やページ数は確定情報になし
- 上級者には物足りない
- マニュアル志向が好みを分ける
出版社
詳細情報なし
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『初心者でも年間9棟』って、数字が具体的だと「じゃあ今からでも」って思えてきます。私、研究室で言われたことがあるんです。
営業の本を読んでも行動に移せないのは、型がないからだって。
佐藤メバル
その指摘は鋭いね。この本はまさに型から入ろうという設計で、会話のテンプレートに沿って話せば安心、というところを大事にしている。
10年分の知識と経験を体系的にまとめた、と著者自身が語っているとおりの構成だよ。
橘ナナミ
なるほど。未経験で不安な人に向けて、ストレスを減らす方向に作られているんですね。そこ、けっこう大事な気がします。
佐藤メバル
そう思う。住宅業界は「ブラックだ」と言われることもある業界だから、入る前に手順を知っておくだけで気持ちの持ちようが変わる。
契約が取れない、商談が続かない——そういう段階の人が読む想定で書かれているのが、他の営業本との違いだね。

お客様から愛される!売れる営業マンだけが実践している50の小さな習慣: 月1で家を売る営業マンは商談で何を話しているのか?
住宅営業マスターN 著
「結局、あの人だから売れるんでしょ」と言われて終わるノウハウではなく、まねできる小さな習慣に分解した一冊です。想定読者は3人——ハウスメーカーに入った新人、スランプの中堅、部下を育てるマネージャー。好かれる→アポイントが途切れない→契約が安定する→余裕が生まれる、という良い循環を先に作るという考え方が軸になっています。目次には「はい」「なるほど」といった短い言葉から、見積もりや支払い上限の確認まで、日常の一言レベルの項目が並びます。
こんな人におすすめ
商談はできているのに失注が続いている中堅。会話の細かい言い回しを点検したい場面や、新人に何を教えればいいか整理したいマネージャーにも。ウッドショックや土地の値上がりで先行きが不安な人にも。
良い点
- 50項目で細かく点検できる
- 新人から管理職まで想定
- 具体的な言い回しが豊富
気になる点
- 価格やページ数は確定情報になし
- 体系的でなく断片的
- 著者名がペンネーム調
出版社
詳細情報なし
発売日
2022年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『50の小さな習慣』って、読み切れる気がします。しかも「はい」「なるほど」みたいな一言まで、項目になっているんですね。
佐藤メバル
そう、そこが面白いところでね。大きな戦略の話ではなく、日常の一言を拾い上げている。お客様に好かれる流れを作る——好かれるから次のアポイントが取れて、途切れなくなり、契約が安定する。その順番を先に置いているのが特徴だよ。
橘ナナミ
好かれるのが先で、売り込むのが後。順番が大事なんですね。これって新人にも読めますか? マネージャー向けとも書いてありますけど。
佐藤メバル
3人を想定していると冒頭で明言されている——新人、スランプの中堅、そして育成するマネージャー。だから教える側の教科書としても使えるんだ。
ただ、50項目が並ぶ構成だから、体系立てて一冊で学ぶというより、気になる項目から拾う読み方が向いていると思うよ。

女性客のハートをつかむ 住宅営業必勝マニュアル
田原祐子 著|実務教育出版
¥2,884(税込)
住宅の購入検討では、女性のお客様の意向が大きく働く場面が少なくありません。この本は、そこに焦点を当てた営業マニュアルです。315ページ、2884円。実務教育出版という、実務書を長く手がけてきた版元からの刊行で、書名のとおり女性客のハートをつかむことを軸に、必勝マニュアルとしてまとめられています。夫婦や家族での商談をどう組み立てるか、誰に何を伝えるかを整理したい人にとって、視点を変えてくれる一冊です。
こんな人におすすめ
夫婦や家族同席の商談が多く、奥様の本音をどう引き出すかに悩む営業パーソン。間取りや設備の説明が一方通行になりがちな場面や、女性のお客様との会話を組み立て直したいときに。
良い点
- 女性客に特化した315ページ
- 家族商談の組み立てに効く
- 実務書の版元から刊行
気になる点
- 価格は2884円と高め
- 男性顧客中心の商談には過剰
- 分量が多く通読に時間がかかる
出版社
実務教育出版
発売日
2003年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『女性客のハートをつかむ』……。私、住宅を買ったことがないので、当事者としては全然わからないんですけど、商談ってご夫婦で来られることが多いんですよね?
佐藤メバル
そう、そこがこの本の出発点だね。住宅の検討では、女性のお客様の意向が大きく働く場面が少なくない。だから誰に何を伝えるかを、家族の並びまで含めて設計しようという一冊なんだ。
315ページと厚いぶん、体系立てて読み込めるよ。
橘ナナミ
315ページですか。けっこうな厚さですね。ということは、それだけ話すことがあるってことなんでしょうか。
佐藤メバル
そう捉えていいと思う。間取りや設備の説明が一方通行になっていないか、奥様の本音をどう引き出すか。商談の組み立て方を視点ごと変えてくれる。
ただ価格は2884円だから、必要な人が腰を据えて読む一冊だね。

マンガでわかる住宅営業の基本
三島俊介 著|ハウジングエージェンシー
住宅営業の基本をマンガで読めるようにした入門書です。136ページと短く、ハウジングエージェンシーから刊行されています。同じ著者の三島俊介さんには『住宅営業「攻め」のセールスマナーブック』があり、まず全体像をやわらかく掴みたいならこちら、振る舞いを詰めたいならあちら、という使い分けができます。文字の実務書に抵抗がある人や、新人にまず流れをイメージさせたい場面で力を発揮する一冊です。
こんな人におすすめ
住宅営業にこれから入る人、あるいは入ったばかりで全体像がまだ見えない人。文字中心の実務書を開く前に、まず流れを掴んでおきたい場面や、新人教育の導入に使いたい先輩にも。
良い点
- 136ページで短時間に読める
- マンガで流れを掴みやすい
- 同著者の実務書と併用できる
気になる点
- 価格は確定情報になし
- 細かい技術までは踏み込まない
- 図版中心で物足りない人も
出版社
ハウジングエージェンシー
発売日
2004年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マンガでわかる、って助かります。実務書って、最初の10ページで心が折れそうになることがあるので。そういう入口、ありがたいです。
佐藤メバル
その入口としてちょうどいいのがこれ。136ページだし、まず流れを掴むのに向いている。同じ著者が振る舞いを詰める実務書も書いているから、こちらで全体を見てから、そちらで細部を固める順番もいいと思うよ。
橘ナナミ
同じ著者さんなんですね。じゃあ、マンガで流れ→実務書で細部、みたいに段階を踏めるんですね。新人さんに渡すのもよさそう。
佐藤メバル
そう、新人研修の導入にも向いている。ただ、細かい技術や数字の話までは踏み込まないから、基本の地図として使って、実践は別の一冊で補うのが現実的だね。
書店員時代、こういう入口の本を真っ先に手に取る新人をたくさん見てきたよ。

新人不動産営業が最初に読む本 3訂版 (より実戦的に! 営業現場ですぐ役立ちます。)
本鳥有良 著|住宅新報出版
¥1,760(税込)
不動産会社の営業職を目指す人、初めて不動産営業として働く人に向けて、売買仲介の基本を時系列で解説した一冊です。受付業務とお客様対応の基本、集金計画と住宅ローンの基礎、広告を使った集客まで、実際の営業現場で行われる業務の順番に沿って話が進みます。「こんなときどうする?」の答えをすぐ確認できる構成で、守るべき法令上のルールにも触れているのが、体験談中心の営業本との大きな違い。255ページ、1760円、3訂版です。
こんな人におすすめ
不動産営業にこれから就く人・就いたばかりの人。売買仲介の業務の流れを時系列で把握したい場面や、入社2〜3年目で基本を立て直したいときに。業界用語につまずいたときの辞書代わりにも。
良い点
- 業務を時系列で追える
- 法令上のルールにも触れる
- 3訂版で内容が更新されている
気になる点
- 価格は1760円
- 売買仲介が中心の内容
- 実践の熱量は控えめ
出版社
住宅新報出版
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、住宅っていうか不動産営業の本ですよね。住宅営業とは違うんですか? 私、そこがまだ区別できてなくて。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。住宅営業には、ハウスメーカーや工務店で新築を提案する営業と、既存の住宅や土地の売買を仲介する営業がある。
この本は後者、しかも新人が最初に読むことを想定した一冊なんだ。
橘ナナミ
なるほど、仲介と新築。同じ「家」でも仕事の中身が違うんですね。時系列で読めるっていうのは、どういう感じなんですか?
佐藤メバル
受付の対応から始まって、集金計画や住宅ローンの基礎、広告での集客まで、実際の現場で行われる順番に沿って進む。
だから明日の業務の流れがそのまま見える。しかも法令上のルールにも触れているから、自己流の営業本とは性格が違うんだよ。

不動産営業マン売上げアップの処方せん: 目からウロコの成功営業心理学 (住宅・不動産実務ブック)
加藤澄子 著|住宅新報出版
副題に「目からウロコの成功営業心理学」とあるように、心理学の視点から営業を見直す一冊です。194ページ。住宅・不動産実務ブックのシリーズとして住宅新報出版から出ています。営業の悩みを「処方せん」という形で扱うところが特徴で、スランプの原因を自分の性格や根性に帰さず、心理の仕組みとして捉え直せるのが読みどころ。同じ悩みを抱える人に共通するパターンを知りたいときに、手に取りやすい一冊です。
こんな人におすすめ
数字が伸びない理由を自分の性格のせいだと思っている人。営業の心理に興味がある場面や、部下のつまずきを仕組みとして理解したい管理職にも。営業心理学の入口としても読めます。
良い点
- 心理学の切り口で整理している
- 194ページで読みやすい
- 処方せん形式で実務的
気になる点
- 価格は確定情報になし
- 心理テクニックを好まない人も
- 目次などの詳細は不明
出版社
住宅新報出版
発売日
2009年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『処方せん』って、営業の本でこの言葉は初めて見ました。なんだか、悩みを診てもらうみたいで親しみがあります。
佐藤メバル
その感覚でいいと思う。副題は「目からウロコの成功営業心理学」で、194ページ。営業の悩みを根性論ではなく心理の仕組みとして扱っているのが特徴なんだ。
スランプを自分の性格のせいにしなくて済む、というのは大きいよ。
橘ナナミ
自分の性格のせい……。それ、すごく効きそうな言葉です。私も研究で行き詰まるたびに、自分の才能がないのかなって思うので。
佐藤メバル
その反射は誰にでもあるよね。だから処方せん形式が効く。同じパターンの人が多いと分かると、原因が自分個人ではなく構造のほうに見えてくる。
住宅・不動産実務ブックのシリーズとして出ているから、実務に寄り添う書き方だと思うよ。

不動産営業マン元気マニュアル
斉子典夫 著|住宅新報社
¥1,870(税込)
「営業マン・クリニック」というマンツーマン型の個別研修の成果を、余すところなく書籍化した一冊です。ケーススタディで営業方法の成功例と失敗例を分析し、スランプに陥っても抜け出せる方法を指南しています。212ページ、1870円。もともと別の書名で出た本を改題し、今回新たに「不況を乗り切る」をテーマに内容を増補したものだそうです。楽しい4コマ漫画つきという、実務書にしては珍しいつくりも魅力です。
こんな人におすすめ
成績が落ち込み、スランプから抜け出せずにいる営業パーソン。うまくいっている人の真似が空回りしている場面や、部下の立て直しを考えているマネージャーにも。4コマ漫画で気分を変えたいときにも。
良い点
- 個別研修の成果を書籍化
- 成功例と失敗例の両方を分析
- 4コマ漫画つきで息抜きになる
気になる点
- 価格は1870円
- 改題版のため既読者には重複
- 4コマ漫画の分量は限られる
出版社
住宅新報社
発売日
2011年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『元気マニュアル』って、書名からして励ましてくれそう。しかも4コマ漫画つきって、実務書では珍しくないですか?
佐藤メバル
珍しいよね。これは「営業マン・クリニック」というマンツーマンの個別研修の成果を本にしたもので、ケーススタディで成功例と失敗例の両方を分析している。
スランプからの脱出法を指南する、というのが真ん中の狙いなんだ。
橘ナナミ
マンツーマンの研修って、ちょっと重そう……。でも、成功例だけじゃなく失敗例も見られるのは安心しますね。
佐藤メバル
そこが値打ちだね。うまくいった話だけ読むと自分との差に落ち込むけど、失敗例が並ぶと同じ轍を踏む理由が見えてくる。
もともと別の書名で出た本を、不況を乗り切るというテーマで増補した改題版だそうだから、その分だけ内容も厚くなっているよ。

住宅リフォーム営業成功の決め手: この提案で面白いほどお客が集まる
森雅樹 著|山下出版
¥2,710(税込)
副題に「この提案で面白いほどお客が集まる」とある、リフォーム営業に特化した一冊です。273ページ、2710円。同じ著者・森雅樹さんは『住宅営業 急所 プロテクニック』も書いており、新築の提案営業とリフォームの提案営業を両方の現場から見てきた人だということが伝わってきます。リフォームは新築と違い、暮らしながらの工事や部分的な改修など、提案の前提が細かく違う。その違いを踏まえた提案の組み立てを学びたい人に向きます。
こんな人におすすめ
リフォーム営業を担当していて、提案が通らないと感じている人。新築の営業からリフォームに移った場面や、反響が減ってきたと感じて提案の入口を見直したいときに。リフォーム会社の経営者にも。
良い点
- リフォームに特化した273ページ
- 新築の営業本と併読できる
- 提案の作り方に焦点を当てる
気になる点
- 価格は2710円と高め
- 新築中心の人には範囲外
- 分量が多く通読は大変
出版社
山下出版
発売日
2001年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
リフォーム営業って、新築とはまた別の本なんですね。「住宅営業」ってくくっても、けっこう中身が違うものなんですか?
佐藤メバル
全然違うよ。新築はこれから家を建てる人に提案する仕事だけど、リフォームは今住んでいる家をどう良くするか。
暮らしながらの工事だったり、一部だけ直したり、前提が細かく違う。だから提案の入口も変わる。その違いを踏まえた一冊なんだ。
橘ナナミ
なるほど。しかも同じ著者さんが、新築の『急所』の本も書いてるんですね。両方読んだら、視野が広がりそう。
佐藤メバル
そう、同じ著者だからこそ、新築とリフォームで何が共通で何が違うのかが見えてくる。273ページと厚いぶん、提案の組み立てをじっくり詰められる。
まず自分の担当がどちらかを決めてから読むと、迷わないと思うよ。
「本音本」の信頼度はどこで見分けるか
橘ナナミ
さっきから「誰の利害を代弁しているか」という話が出ますけど、実際どうやって見分けるんですか?
佐藤メバル
三つ見るといい。一つ目は著者略歴に「元メーカー営業」「現役営業」「工務店経営」「研修講師」のどれが書かれているか。二つ目は、自社商品や自社ノウハウの紹介が結論に混ざっていないか。三つ目は、失敗談が書かれているかどうか。浅野訓正氏の『住宅営業は家を売るな!』も斉藤孝安氏の本も、失敗や「やってはならないこと」に紙幅を割いている。成功談だけの本は、本音というより営業資料であることが多い。
橘ナナミ
失敗談があるかどうか、分かりやすい基準ですね。
佐藤メバル
あと、書評を見るときの注意。投稿者が施主なのか営業職なのかで、刺さるポイントは正反対になる。「参考になった」の理由が書かれていないレビューは判断材料として弱い。著者本人の体験が一次情報、他社事例の引用は二次情報だと考えて読むと、信頼度の地図が描けるよ。
資金・家族・契約後まで、本でどこまでカバーできるか
橘ナナミ
住宅ローンや追加費用の話はどの本で補えますか?
佐藤メバル
『住宅営業マンぺこぺこ日記』には無利息融資や銀行審査、返済の話が現場の実感として出てくる。体系立てて押さえるなら『新人不動産営業が最初に読む本 3訂版』で、集金計画と住宅ローンの基礎、法令上のルールまで確認できる。追加費用は、『頼みたくなる住宅営業になれる本』の総予算の組み方と見積もり説明の章が効くよ。
橘ナナミ
家族、とくに奥さんや妻側の意思決定は?
佐藤メバル
田原祐子氏の『女性客のハートをつかむ 住宅営業必勝マニュアル』のように、女性客の心理に焦点を当てた本がある。『住宅営業の教科書』にも「展示場女性社員の力」という項目があって、展示場やモデルハウスでの見え方が商談を左右することがうかがえる。買う側は、自分がどこで揺らされるかを知っておくといい。
橘ナナミ
契約後のことまで書かれている本はありますか?
佐藤メバル
『頼みたくなる住宅営業になれる本』は契約から着工、地鎮祭、上棟式、引き渡しまでを流れで追っている。住んでからの話なら『住宅リフォーム営業成功の決め手』が視野に入る。担当者の変更や退職は本には保証できない領域だから、契約前に「誰が最後まで窓口か」を自分で確認するしかない。そこは本と実務の境界線だね。
読了後にそのまま使える商談チェックリスト
橘ナナミ
読みっぱなしにしないコツはありますか?
佐藤メバル
商談前に次の五点を書き出しておくといい。一、今日の目的は情報収集か比較か。二、見積もりのどこまでが含まれるか。三、追加費用が出る条件。四、契約を急がされているなら、その期限の根拠。五、持ち帰って家族に確認すると決めた線。これをメモにして持っていくだけで、聞き方が変わる。
橘ナナミ
本に書かれた手法を、そのまま商談で使ってもいいんでしょうか?
佐藤メバル
そこは慎重に。心理誘導の型をそのまま相手に当てにいくのは感心しない。使うなら、説明の順番を整える、見積もりの内訳を先に開示する、といった相手が損をしない場面に限る。営業職として長く働きたい人こそ、テクニックより倫理の線を先に引いておくべきだと思うよ。
よくある質問
住宅営業の本音がわかるおすすめ本は?
橘ナナミ
住宅営業の本音がわかるおすすめ本はについて教えてください。
佐藤メバル
買う側なら浅野訓正氏の『住宅営業は家を売るな!』、営業側の手順まで知りたいなら『住宅営業マンぺこぺこ日記』が入口になります。前者は営業経験30年の著者が「営業される側の心理」の章を設けており、後者はキャンペーンの正体や値引きの裏側を現場の記録として書いています。立場に合わせて選ぶのが失敗しないコツです。
ハウスメーカー営業の裏側を学べる本は?
橘ナナミ
ハウスメーカー営業の裏側を学べる本はについて教えてください。
佐藤メバル
石川智忠氏の『ハウスメーカー営業革命』は、元ハウスメーカー営業の立場から、上司が自分の身を守るために部下に不正を強いるような組織のあり方に疑問を呈しています。加えて『住宅営業マンぺこぺこ日記』は、ノルマが目標からすり替わっていく様子や展示場の準備まで書き出しており、組織の内側を具体的に知りたい人に向いています。
住宅営業マンに騙されないための本は?
橘ナナミ
住宅営業マンに騙されないための本はについて教えてください。
佐藤メバル
まず『住宅営業マンぺこぺこ日記』で、囲い込みや短期間クロージング、〝今月だけの特典〟の仕組みを知る。次に『住宅営業は家を売るな!』の「営業される側の心理」で、自分がどこで揺れるかを把握する。この二冊は<b>守りの読書</b>として組み合わせると効果的です。
住宅営業志望におすすめの本は?
橘ナナミ
住宅営業志望におすすめの本はについて教えてください。
佐藤メバル
商談の流れから入るなら『住宅営業は初回面談が9割』や『頼みたくなる住宅営業になれる本』。実践の型を足すなら森鶴夫氏の『住宅営業バイブル』、未経験の不安が強いなら『ハウスメーカー営業初心者でも年間9棟を達成した営業術』が読みやすいでしょう。最後に斉藤孝安氏の『36の掟』で「やってはならないこと」を確認しておくと線引きができます。
元営業が書いた本と中立コンサルの本はどっちが信頼できる?
橘ナナミ
元営業が書いた本と中立コンサルの本はどっちが信頼できるについて教えてください。
佐藤メバル
立場だけで優劣は決められません。元営業の本は現場の解像度が高く、中立の立場の本は構造が見えやすいという違いです。判断材料は著者略歴、自社ノウハウの宣伝が結論に混ざっていないか、そして失敗談が書かれているかどうか。この三点を突き合わせて読むと、本音の質が見えてきます。
古い住宅営業の本でも参考になる?
橘ナナミ
古い住宅営業の本でも参考になるについて教えてください。
佐藤メバル
人の心理や接客の基本は年を取らないので参考になります。たとえば『住宅営業の教科書』は、売り手市場から買い手市場へ変わった流れを冒頭で振り返っており、時代の変化を学ぶ厚みがあります。一方で金利環境や法改正、補助金に関わる記述は必ず古くなるため、制度の部分は最新情報で上書きして読む必要があります。
電子書籍・Audible・要約サービスでおすすめは?
橘ナナミ
電子書籍・Audible・要約サービスでおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
まず要約で全体像をつかみ、刺さった一冊だけ原書に戻るのが現実的です。通勤時間が長いなら音声、図で理解したいなら『マンガでわかる住宅営業の基本』のようなマンガ形式、4コマ漫画つきの『不動産営業マン元気マニュアル』のような読みやすい本もあります。ただし本音は行間に出るため、要約だけで完結させるのは避けたほうが無難です。
住宅営業の本を読む順番は?
橘ナナミ
住宅営業の本を読む順番はについて教えてください。
佐藤メバル
施主なら『住宅営業は家を売るな!』で営業される側の心理をつかみ、『住宅営業マンぺこぺこ日記』で手順を知り、『頼みたくなる住宅営業になれる本』で見積もりと資金の流れを確認する順番がおすすめです。営業職なら基本の流れの本から入り、実践の型を足し、最後に倫理の線を引く本で締める。順番を逆にするとテクニックだけが先に立ってしまいます。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さん、話を聞いていて思ったんですけど、このテーマの本って「家を売る技術」の本であると同時に、「人が決断するときに何に揺れるか」の本でもありますね。
佐藤メバル
そこに気づけたなら今日は収穫だね。住宅は人生で最も高い買い物で、しかも買う人はたいてい一度きり。だから営業の側にも、買う側にも、経験値がたまらない。本はその経験値を肩代わりしてくれる。
橘ナナミ
でも、本を読めば騙されないようになる、というものでもないですよね。
佐藤メバル
そう。本は相手を言い負かす武器にはならない。むしろ、いま自分がどの場面に立っているかを教えてくれる地図だよ。地図があっても、歩くのは自分だ。
橘ナナミ
じゃあ私、まずは買う側の立場の本から読んでみます。将来、自分が玄関の前に立つときのために。
佐藤メバル
いいね。本音の本は、家でいう床下点検口みたいなものだ。普段は閉じていて見えないけれど、蓋を開ければ配管や基礎がどうなっているか分かる。開けたからといって家が強くなるわけじゃない。でも、どこに無理がかかっているかを知っている人は、長く住める家を選べるんだ。
