不動産営業マン向けの本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「不動産営業マンの本」ですよね。でも、営業って経験の世界じゃないですか? 本を読んで売れるようになるんでしょうか。
佐藤メバル
いい質問だね。この業界の本は「読めば売れる魔法」じゃない。先輩に聞く前に、自分の言葉にしておくための道具なんだ。新人が現場でつまずくのは、たいてい「何を確認すればいいか分からない」状態だからだよ。
橘ナナミ
あ、それ分かります。私も研究で先行研究を読まずに手を動かして、後から全部やり直したことがあります。
佐藤メバル
同じだね。たとえば『不動産売買 新人のための100チェックリスト』は、問い合わせから物件案内、商談、契約、引き渡し、アフターフォローまでの確認項目を10章に分けて整理している。読む本と、現場で引く本は分けて考えたほうがいい。
橘ナナミ
なるほど。でも書店には「新人向け」「賃貸」「マンション」とありすぎて、自分に必要な一冊が分からなくなります。
佐藤メバル
だから今日は、選び方の軸から整理しよう。
不動産営業マン向けの本の選び方
目的別——知識か、営業スキルか、マインドか、資格か
橘ナナミ
最初に分けるべき軸は何ですか。
佐藤メバル
「今、自分にどこが穴が空いているか」を決めることだね。知識か、営業の技術か、心の持ちようか、資格か。業務の流れが曖昧なら『新人不動産営業が最初に読む本 5訂版』。媒介業務を時系列で説明し、報酬規定の改定や重要事項説明書面、個人情報保護の実務まで反映した版だ。知識はあるのに数字が出ないなら『不動産営業マン売上げアップの処方せん』のような営業心理の本。心が折れているときは『不動産営業マン元気マニュアル』のように、スランプからの脱出法を主題にした本のほうが刺さるよ。
レベル別——入社1年目・中堅3年目・管理職
橘ナナミ
年次でも選び方は変わりますか。
佐藤メバル
変わる。1年目の優先は業務の流れと用語。『不動産営業の教科書』は売買仲介の業務に沿って章立てし、契約締結フェーズまで一本で追える。『不動産売買営業1年目の教科書』は商談の流れや顧客フォローの「型」に寄っている。2〜3年目は自分の勝ちパターンを作る段階で、『マンション営業の極意』は個人の営業力だけでなくチームの総合営業力まで扱っているのが特徴だ。管理職なら『中小の不動産会社のための最強営業マン育成ガイドブック』のように、人を育てる技術を主題にした本に移る。
業種別——賃貸仲介・売買仲介・マンション・ハウスメーカー
橘ナナミ
賃貸と売買って、同じ「不動産営業」でも別物ですよね。
佐藤メバル
全く違う。賃貸客付けなら『不動産賃貸客付け営業マニュアル』が、土地勘、顧客属性の見極め、管理会社や大家さんの目線、物件案内の効率まで「15の仕事術」として整理している。『不動産営業マニュアル 賃貸編〔改訂版〕』は集客・追客・接客から申込・審査・契約締結までマニュアル形式だ。ハウスメーカーなら『ハウスメーカー営業初心者でも年間9棟を達成した営業術』、マンション販売なら『マンション営業の極意』。営業の姿勢そのものを問いたいなら『日本一住宅を売っている営業マンの営業の手帳』で、著者は実働27年9カ月で累計販売棟数1000棟を達成したと記されている。
形式別——実用書・物語・マンガ・電子・音声
橘ナナミ
移動が多い職場だと、読む時間の確保が大変そうですね。
佐藤メバル
だから形式も選書の一部だよ。『農業大卒の僕が29歳で年間170戸のマンションを売って日本一の営業マンになった秘密の方法』や『不動産営業は、終わってから始まる』は、ノウハウより物語として入る。後者は51歳で会社を離れた著者が、売上より信頼を選び直す過程を綴った記録だ。マンガや図解なら『女性が活きる不動産営業入門』のように、実務事例をマンガで扱う本もある。チェックリスト系は検索できる電子、物語系は音声、図表が多い本は紙か画面が向いている。
鮮度別——法改正に対応した最新版か、今も効く古典か
橘ナナミ
古い本は避けたほうがいいんでしょうか。
佐藤メバル
主題で分けよう。法令や実務手順に関わる本は、必ず最新版を選ぶ。『新人不動産営業が最初に読む本』は5訂版で、既存住宅売買瑕疵保険や建物状況調査、省エネ性能表示制度まで反映している。逆に人間関係や心の持ちようなら、版が古くても効く。テクニックは条件が合わなければ使えないが、心のノウハウは普遍的——それが『日本一住宅を売っている営業マンの営業の手帳』の主張だよ。
コスト別——価格と読了時間で投資対効果を見る
橘ナナミ
値段もピンキリですよね。
佐藤メバル
「安いから買う」ではなく「何時間で何が手に入るか」で見る。『不動産営業が面白いほどうまくいく本』は顧客の性格を9タイプに分類する診断を営業ツールとして使う本で、手に取りやすい価格帯にある。『中澤明子の不動産営業の玉手箱』のような厚みのある実務書は、腰を据えて一周する前提で買う。『ナンバー1の営業術(上巻)』のように10分で読める範囲に区切ったシリーズは、移動の隙間で回すのに向いている。読了時間から逆算して、月に何冊と決めるほうが現実的だ。
橘ナナミ
「どの本が優れているか」より「今どの穴を埋めるか」なんですね。
佐藤メバル
そう。いい質問だったよ。
不動産営業マン向けの本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
不動産営業マン向けの本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

不動産営業の教科書
井口忠ニ 著|Independently published
¥2,200(税込)
不動産営業の入り口で『何から学べばいいのか』が見えなくなる人は多い。本書は売買仲介の業務を軸に、基礎知識から売り仲介・買い仲介、クロージング、契約締結までを章立てで体系化した一冊。著者自身が新人時代に苦労し、試行錯誤の末に月10件の成約に至った経験をもとに、1年目や営業未経験者、基礎を学び直したい人に向けて要点を整理している。ソーシャルスタイル理論のコラムやタスク管理術も挟み込まれ、売買仲介を制すれば他の業務でも成果を出せると説く。
こんな人におすすめ
不動産営業に配属されたばかりの1年目、異業種から転じたばかりで営業自体が初めての人、研修が薄い職場で独学の手がかりを探している人。基礎を一度やり直したい中堅や、成約につながらず行き詰まっている経験者にも。通勤前の30分で1章ずつ読み進める使い方が向く。
良い点
- 売買仲介の流れを章立てで体系的に把握できる
- 著者の成約経験に基づく実践的な内容
- 読者限定の相談・交流会の案内つき
気になる点
- 賃貸や管理など他業務は範囲外
- 154ページで網羅性は絞られている
- 自主出版のため書店では見つけにくい
出版社
Independently published
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、これから不動産営業の本を並べるんですよね。1冊目からどれを選べばいいのか、正直わからなくなってきました。
佐藤メバル
そうだね、まずは全体の地図が要る。この本は売買仲介を軸に、基礎知識、売り仲介、買い仲介、クロージング、契約締結という流れを章で追える。
著者自身が新人時代に苦労して、試行錯誤の末に月10件の成約まで行った経験が下敷きになっているんだ。
橘ナナミ
月10件って、すごい数字ですよね。その人が『まずはこれ』と書いているなら、順番に読むだけで安心できそうです。
佐藤メバル
うん、売買仲介を制すれば他の業務でも成果を出せる、というのがこの本の立場なんだ。途中にソーシャルスタイル理論やタスク管理のコラムも入っていて、知識と段取りの両方を渡してくれる。
読者向けに相談や交流会の案内が付いているのも、独学になりがちな人には助けになるね。

新人不動産営業が最初に読む本 5訂版(不動産営業のバイブル!) (今やるべきことがよくわかる!)
本鳥有良 著|住宅新報出版
¥1,760(税込)
新人向けの入門書は数あるが、版を重ねて法改正を反映し続けている点がこの本の強み。低廉な空家等の報酬規定の改定、媒介契約書面や重要事項説明書面、既存住宅売買瑕疵保険、相続時精算課税制度、個人情報保護、建物状況調査、省エネ性能表示制度といった実務に直結するテーマを、売買仲介の流れに沿って時系列で解説する。受付業務とお客様対応、集金計画と住宅ローンの基礎、広告を使った集客まで、この場面でどうする?をすぐ確認できる構成だ。
こんな人におすすめ
これから不動産会社の営業職を目指す人、初めて売買仲介を担当する人、異動で売買に配属された人。法改正のたびに確認したい実務者や、社内研修の教材を探している教育担当にも。新人に何を読ませるか迷っている先輩や、業界用語につまずいている人にも向く。
良い点
- 法改正を反映した最新の実務に対応
- 受付から集客まで時系列で追える
- 社内研修の教材としても使いやすい
気になる点
- 276ページで通読には覚悟がいる
- 賃貸仲介は対象外
- 実務手順が中心で読み物としては淡々としている
出版社
住宅新報出版
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの本は全体の地図でしたけど、法律や制度の話って、独学で追いかけるのは難しそうです。しかも毎年変わりますよね。
佐藤メバル
そこを埋めてくれるのがこの一冊だね。5訂版で、低廉な空家等の報酬規定の改定、媒介契約書面や重要事項説明書面、既存住宅売買瑕疵保険、相続時精算課税制度、個人情報保護、建物状況調査、省エネ性能表示制度まで反映している。
法改正に振り回されないための土台になるよ。
橘ナナミ
省エネ性能表示制度って、聞いたことはあるけど説明はできないです。時系列で業務が並んでいると、覚える順番もわかりやすそうですね。
佐藤メバル
受付業務とお客様対応の基本、集金計画と住宅ローンの基礎、広告を使った集客と、現場の順番どおりに進むのがいいところだね。
困ったときに開けば答えが見つかる形なので、新人の机に置いておく本だよ。

不動産売買営業1年目の教科書: 売れる・稼げる・信頼される営業マンになろう
まどり 著|Independently published
¥1,980(税込)
『売れる営業は、センスではなく型でつくられる』——この一文が本書の立場をよく表している。10年にわたり不動産売買仲介の最前線で契約を重ねてきた現役営業マンが、商談の流れ、信頼を得る接客のコツ、顧客フォローの具体例までを現場の言葉で公開している。成果がすべてと言われる世界で、何をどうすれば売れるのかを誰も教えてくれないというモヤモヤに向けて、経験ゼロから売れる・稼げる・信頼されるまでの地図を引いてくれる。
こんな人におすすめ
売買仲介に配属された1年目、内定者・これから入社する人、OJTで教わる時間が足りない現場の人。後輩指導に悩む2〜3年目の先輩が、教え方の型を借りるのにも向く。商談が初回で終わってしまう人、顧客フォローの手順が曖昧な人にも手が届く。
良い点
- 現役営業マンの現場ノウハウが具体的
- 商談からフォローまで流れで学べる
- 新人教育の教材に使いやすい
気になる点
- 138ページで深掘りは限られる
- 著者個人の経験に寄った内容
- 賃貸・管理業務は扱わない
出版社
Independently published
発売日
2025年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『センスじゃなくて型』って言葉、いいですね。私、営業って才能の世界だと思い込んでいたので、少し安心しました。
佐藤メバル
そこを最初に言い切ってくれる本は少ないんだ。著者は10年、売買仲介の最前線で契約を重ねてきた現役営業マンで、商談の流れ、信頼される接客、顧客フォローの具体例を惜しみなく出している。
経験ゼロから売れるまでの地図を、現場の言葉で引いてくれる一冊だね。
橘ナナミ
商談が初回で終わっちゃう、みたいな悩みも載ってるんでしょうか。新人が最初につまずくところですよね。
佐藤メバル
うん、まさにそのあたりが読みどころ。押し売りではなく、お客様とのやり取りを順番に組み立てていく話だから、自分の商談がどこで止まったかを照らし合わせやすい。
新人教育に使うなら、章ごとに一緒に振り返るのがいいよ。

はじめての不動産媒介営業の基礎知識 (住宅・不動産実務ブック)
不動産適正取引推進機構 著|住宅新報社
日常の仲介営業の現場には、顧客との紛争やトラブルの種が数多く潜んでいる。本書は、それを未然に防ぐ手段を法律的な観点から、約50件の判例を交えて解説する。売り方や話し方ではなく、起きてしまった事例から逆算して基礎を固める作りなので、営業マニュアルを読んでも消えない不安に答えてくれる。初任従業者に必携とされる所以で、成約の喜びより後に残る揉め事を避けたい人に向く一冊だ。
こんな人におすすめ
媒介営業に配属された初任従業者、宅建の勉強を実務につなげたい人。クレーム対応に不安を抱える若手や、説明責任の重さを感じ始めた中堅にも。顧客とのやり取りを記録や書面でどう残すか、迷ったときに立ち返る一冊としても使える。
良い点
- 約50件の判例で具体性が高い
- トラブル予防という切り口が実務的
- 初任者の基礎固めに適した構成
気になる点
- 営業の売り方には触れていない
- 判例中心で読み通すには根気が要る
- タイトルどおり基礎が中心で応用は限られる
出版社
住宅新報社
発売日
2006年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ここまで営業のやり方の本が続いたので、ちょっと違う角度の本が来ましたね。判例って、新人が読んでもわかるものなんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。これは売り方を教える本じゃなくて、揉めごとを先に知る本なんだ。日常の仲介営業には紛争やトラブルの種がいくつも潜んでいて、それを未然に防ぐ手段を、約50件の判例を交えて法律の観点から解説している。
橘ナナミ
なるほど。契約が決まったあとに揉めるより、先に知っておいたほうがいいですもんね。初任者が必携とされる理由もわかります。
佐藤メバル
そう。営業の技術は真似しやすいけれど、説明責任や書面の扱いは経験だけでは埋まらない。新人のうちにこの土台を入れておくと、お客様の前での言葉の選び方が変わってくる。
売る前に守ることを知る、という順番が大事なんだ。

不動産売買 新人のための100チェックリスト: ― 新人営業が押さえたい実務ポイント100 ―
MOエンタープライズ 著
問い合わせから物件案内、商談、契約、引き渡し、アフターフォローまで、日々の仕事で確認したいポイントを100項目に整理した実践型チェックリスト。10章に分かれ、案内前に何を確認する?契約前に準備するものは?といった問いにすぐ答えられる形になっている。営業は知識より、事前準備や先輩・上司との連携といった細かな積み重ねがものを言うという視点で作られ、迷ったときに見返す手引きとして使う本だ。
こんな人におすすめ
不動産営業を始めたばかりで何を確認すべきかわからない新人、案件を複数抱えて抜け漏れが怖い人。朝のルーティンに組み込んで、その日の予定をチェックする使い方や、先輩が後輩と一緒に確認する場面にも。引き渡しまでの段取りを可視化したい人にも向く。
良い点
- 100項目で抜け漏れを防げる
- 問い合わせから引き渡しまで網羅
- チェックリスト形式で使いやすい
気になる点
- 読み物としての深みは少ない
- 実践の前提となる知識は別途必要
- 営業トークの技術は扱わない
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
チェックリストって、地味ですけど助かりますよね。私も研究で手順をよく飛ばして、先生に怒られるタイプなので。
佐藤メバル
その地味さが現場では効くんだ。問い合わせから物件案内、商談、契約、引き渡し、アフターフォローまで、確認したいポイントが100項目、10章に分けて並んでいる。
抜け漏れが信頼を削る世界だからね。
橘ナナミ
『案内前に何を確認する?』って、まさに新人が固まるやつです。読み物というより、辞書みたいに使う感じですか?
佐藤メバル
そう、読んで終わりじゃなくて、迷ったときに開く手引きとして作られている。事前準備や上司との連携といった積み重ねが大事だという前提で組まれているから、朝いちばんに今日の予定を照らし合わせる使い方がいちばん合うよ。

不動産営業は「全身採寸」からはじまる: 「あなたから買いたい」と言われる、先を照らす技術
ハナタツ 著
もっと喋りが上手ければ売れるのに——そう思っている人に、この本は逆を突きつける。口の上手さはむしろ不信感になり、お客様が求めているのは流暢なセールストークではなく、人生を預けられる圧倒的な安心感だという。強引な営業に疑問を感じ、失敗を繰り返してきた営業マンが辿り着いた全身採寸という独自の哲学を、7〜8件で決断に導く物差し、120点の物件がなぜ人を不幸にするのか、夫婦の意見の矛盾を溶かす問いなどとともに明かす。
こんな人におすすめ
トークに自信がなくて営業に向いていないと感じている人、強引な売り方に違和感がある人。夫婦や家族の意思決定に関わる住宅・マンション営業、買主側に立って提案する立場の人にも。数字より関係性を重ねたい中堅・ベテランが、立ち位置を問い直すのにも向く。
良い点
- トーク偏重の営業観を組み替えてくれる
- 夫婦・家族の意思決定の扱いが具体的
- 独自の哲学が物語として読める
気になる点
- 手順や制度の解説はない
- 実践には相当な覚悟が要る
- 再現性は読み手の解釈に委ねられる
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『口の上手さはむしろ不信感になる』……これ、けっこう衝撃です。営業なのに、喋らなくていいんですか?
佐藤メバル
喋る代わりに、聴いて測るという発想なんだ。お客様の人生をミリ単位で把握する、これが全身採寸。7〜8件のやり取りで決断に導く物差しや、120点の物件がなぜ人を不幸にするのか、物件を見ずに申し込みが入るほどの信頼をどう築くかまで踏み込んでいる。
橘ナナミ
物件を見ずに申し込みって……。そこまで信頼されるって、もう営業というより、人生の相談相手ですよね。
佐藤メバル
そう、説得ではなく、まだ気づいていない本当の望みを採寸して、暗い足元を懐中電灯で照らす仕事だと定義している。
夫婦の意見が食い違ったときに使う問いも載っていて、家族相手の商談が多い人ほど刺さるはずだよ。

日本一住宅を売っている営業マンの営業の手帳(あさ出版電子書籍)
田中敏則 著|あさ出版
発売時までに売った住宅は1217棟。通常の住宅販売営業マンなら250年かかる数字を、特別なカリスマでも流行のツールでもなく、普通のセールスマンとして積み上げてきた人の手帳がこの本だ。条件が合わなければ使えないテクニックではなく、形を変えられる心のノウハウを、今日からできる小さなコツ113として並べる。ご紹介営業を王道と位置づけ、現場第一主義、逆境の乗り越え方、信頼される習慣、人間力までを段階的に語る。
こんな人におすすめ
紹介や口コミを増やしたい営業マン、テクニックを増やしても空回りしている人。心の持ち方から変えたい中堅や、後輩に何を伝えるか考えているリーダーにも。住宅販売以外の商材を扱う人でも、商売の芯として読める一冊だ。
良い点
- 113項目で今日から試せる
- ご紹介営業の考え方が芯になる
- 心構えと実践のバランスが良い
気になる点
- 住宅販売が前提の項目が多い
- 即効性のある型は少なめ
- 突き詰めると精神論に寄る
出版社
あさ出版
発売日
2011年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1217棟って……数字が大きすぎて、もはや実感がないです。普通の営業マンなら250年かかるって書いてある。
佐藤メバル
そこが面白いところでね、本人は特別なカリスマでも流行のツールでもなく、普通のセールスマンだと言っている。
だから学ぶ価値がある。条件が合わなければ使えないテクニックではなく、形を変えられる心のノウハウを113のコツとして並べているんだ。
橘ナナミ
心のノウハウ、ですか。私、どちらかというとテクニック集のほうが手っ取り早い気がしてしまうんですけど……。
佐藤メバル
その気持ちもわかる。でもこの本は、営業の王道は飛び込みでも来店でも広告でもなくご紹介営業だと置いて、成約率が高いから余裕が生まれ、安心感を与えるという良い循環を説く。
実績では信頼は獲られない、心の交流だと。読み終えると営業の構えそのものが変わるよ。

マンション営業の極意
岡崎健治 著|フォレスト出版
¥1,650(税込)
マンション営業14年で培ったノウハウを、効率と効果の両面から整理したテクニック本。著者は、これからのマンション営業には個々の営業力とチームの総合営業力の両方が必要だとし、個人営業が染みついた現場ではチームをまとめる手法が不慣れになりがちだと指摘する。自分の営業力を上げる使い方と、部下を指導する材料としての使い方、チームビルディングの参考例としての使い方の三通りが想定されているのが特徴だ。
こんな人におすすめ
マンション営業に携わる担当者、チームの数字に責任を持つリーダーや店長。個人成績は悪くないのに組織として伸びないと感じている管理職が指導の材料を探す場面にも。営業手法を見直して効率を上げたい人、後輩の育成に悩む先輩にも向く。
良い点
- 個人とチーム両面の手法を扱う
- マンション営業に特化した内容
- 指導・育成の材料としても使える
気になる点
- 賃貸や売買仲介は範囲外
- 既存手法の整理という性格
- 間取りや価格の知識は扱わない
出版社
フォレスト出版
発売日
2015年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マンション営業って、戸建てや賃貸と何が違うんでしょう? 同じ不動産でも、ぜんぜん別物ですか?
佐藤メバル
客層も意思決定の仕方も違うからね。この本は、14年マンション営業をやってきた著者が、効率と効果を上げるための手法を整理したもの。
個人の営業力とチームの総合営業力、この二つがこれからは必要だと書いている。
橘ナナミ
チームの営業力、って聞き慣れない言葉です。営業って個人戦だと思っていたので、個人が頑張るだけではだめなのか気になります。
佐藤メバル
大半の現場は個人営業が染みついているから、チームをまとめて総合力を最大化させる手法は、リーダーも不慣れなんだという指摘が鋭いんだ。
自分の営業力を上げる使い方、部下を指導する材料にする使い方、チームビルディングの参考にする使い方の三通りを想定している。

住宅営業という修羅場で26年 7000軒売った男が教える勝ち残る営業の36の掟
斉藤孝安 著|サンクチュアリ出版
東京・城東地区で7000軒以上の住宅を売ってきた著者が、自らの経験をもとに営業としてやってはならないことを36の掟としてまとめた一冊。もとは同社の月例研修で語られてきた内容で、契約できないのはなぜか、なぜお客様にもう一度会えないのか、という問いに向き合う形で構成されている。成功法則の裏側にある失敗の型を示す作りなので、うまくいかない原因を探している人ほど読み応えがある。
こんな人におすすめ
契約が続かず自分を責めている営業マン、商談が一度きりで終わる人。何度も会ってもらえない理由を考え続けている中堅や、若手に失敗の型を伝えたい研修担当にも。数字が止まったときに読み返す一冊としても向く。
良い点
- 禁止事項ベースで行動を正しやすい
- 7000軒の現場経験が背景にある
- 研修で培われた内容で実践的
気になる点
- 成功事例集ではない点は好みが分かれる
- 住宅営業に特化した内容
- タイトルの強さに気圧される読者も
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2012年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『修羅場で26年』……タイトルが強いですね。7000軒って、もう想像がつかない数字です。この本は成功法じゃなくて、失敗の話なんですか?
佐藤メバル
そう、やってはならないことを36の掟として並べている。もとは社内の月例研修で語られてきた内容なんだ。
なぜ契約できないのか、なぜお客様にもう一度会えないのか、という問いから入る。成功談を真似するより、失敗の型を消すほうが早いこともあるよね。
橘ナナミ
失敗の型を消す、か。たしかに、うまくいった話を聞くより、自分のどこがまずいのかを知りたい気持ちのほうが強いです。
佐藤メバル
研修で何度も語られてきた言葉だから、説教くささではなく現場の重みがある。契約が止まっている人、商談が初回で切れてしまう人が原因を探すために読むと景色が変わるはずだよ。
読み終えたあと、自分の商談メモを見返したくなる。

農業大卒の僕が29歳で年間170戸のマンションを売って日本一の営業マンになった秘密の方法 (ノンフィクション単行本)
天田浩平 著|KADOKAWA/角川書店
営業の世界は数字がすべて。学生時代にエリートではなかった著者が、入社1、2年目には1戸も売れない月もありながら、試行錯誤の末に29歳で年間170戸のマンション販売を達成するまでの過程を綴った一冊。大逆転のチャンスがあるというメッセージを、成功後の自慢ではなく、売れなかった時期の記述と併せて読めるのが特徴。マンション販売の現場感と、立ち上がるまでの時間の使い方が同時に学べる。
こんな人におすすめ
成果が出ずに焦っている若手営業、異業種や地方から不動産の世界に入った人。数字で評価される環境で自信を失いかけている人や、新人を励ます材料を探している先輩にも。マンション販売に興味がある学生が、仕事のリアルを知る入口として読むのもいい。
良い点
- 売れない時期から書かれている
- マンション販売の現場感が伝わる
- 若手の背中を押す内容
気になる点
- 具体的な手法の解説は少ない
- マンション販売に限定される
- 読み物寄りで実務書ではない
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2015年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1戸も売れない月があった人が、年間170戸……。これ、ノンフィクションですよね。小説みたいな話です。
佐藤メバル
ノンフィクションだよ。学生時代にエリートだったわけではない人が、試行錯誤しながら年間170戸まで行く過程が書かれている。
成功後の話だけでなく、売れなかった時期にもページを割いているから、読みながら自分の今と重ねられるんだ。
橘ナナミ
新人のときに読んだら、かなり救われそうですね。数字が出ないと、自分が向いてないのかなって思いますもん。
佐藤メバル
うん、マンション販売の現場感と、立ち上がるまでの時間の使い方が一緒に学べる。マンション販売に進みたい学生が仕事のリアルを知る入口としてもいいし、後輩を励ます材料を探している先輩にも渡しやすい一冊だよ。

不動産コンサルティング営業の基本
近代セールス社
タイトルどおり、不動産コンサルティング営業の基本を扱う一冊。モノを売る営業から、顧客の状況に合わせて提案する営業へと役割が広がる場面で、まず押さえておきたい前提を222ページにまとめている。金融・営業実務の書籍を多く手がける出版社からの刊行で、数字を追うだけではないコンサルティングの入り口として位置づけられる。売買や賃貸の現場から次の段階へ進みたい人が、用語と枠組みをそろえるために使いたい。
こんな人におすすめ
売買や賃貸の仲介を経験し、提案型の営業に軸足を移したい人。コンサルティングという言葉に惹かれつつ、何を学べばいいかわからない人が、用語と枠組みをそろえる入口として。社内研修で提案営業を扱う担当者が、教材の候補として確認するのにも向く。
良い点
- コンサルティング営業の枠組みを押さえられる
- 222ページで通読しやすい分量
- 金融・営業系出版社の実務書
気になる点
- 基礎が中心で応用事例は限られる
- 仲介の売り方そのものは扱わない
- 実践の前提となる経験が要る
出版社
近代セールス社
発売日
1994年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、内容紹介が載っていない本なんですよね。タイトルと出版社とページ数しかわからない。佐藤さん、こういうのはどう紹介するんですか?
佐藤メバル
無い情報を想像で埋めないのが鉄則だね。わかっているのは、近代セールス社から出ている222ページの『不動産コンサルティング営業の基本』だということ。
タイトルから読み取れる範囲で、何の入口になる本なのかを伝えるのが誠実な紹介だよ。
橘ナナミ
なるほど、盛らないんですね。でも『基本』って書いてあるから、いきなり上級者向けというわけではなさそうです。
佐藤メバル
そう受け取っていいと思う。売買や賃貸の仲介をひと通り経験した人が、提案型に軸足を移すとき、用語と枠組みをそろえる入口になる。
書店やオンラインで中身を確かめてから紹介するのがいちばん誠実だね。

不動産営業マン売上げアップの処方せん: 目からウロコの成功営業心理学 (住宅・不動産実務ブック)
加藤澄子 著|住宅新報出版
副題に『目からウロコの成功営業心理学』とあるように、営業の技術ではなく心理の側面から売上アップを考える一冊。住宅・不動産実務ブックのシリーズとして刊行され、194ページに、現場で起きるつまずきを心の働きから読み解く視点が並ぶ。相手の心理を動かす前に、自分の立て直しも扱う構成で、根性や話術に頼りたくない人に向く。同じシリーズの実務書と並べると、技術と心理の両輪がそろう。
こんな人におすすめ
話術や根性に頼らずに成果を出したい営業マン、スランプで気持ちが折れかけている人。数字が止まった時期に、自分の状態を立て直す読み方をするのに向く。住宅・不動産の実務書を何冊か読んだあと、心理面を補いたい人にも手が届く。
良い点
- 心理面から営業を捉える切り口
- シリーズとして実務書と併読できる
- 194ページで読み切りやすい
気になる点
- 具体的な商談手順は扱わない
- 内容は手に取っての確認が必要
- 効果は読み手の実践次第
出版社
住宅新報出版
発売日
2009年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業の本に心理学、ですか。人の心を操るテクニック、みたいな話だったら、ちょっと苦手だなあと思ってしまうんですけど。
佐藤メバル
そこは受け取り方次第だね。副題は『目からウロコの成功営業心理学』。住宅・不動産実務ブックのシリーズの一冊として、194ページにまとまっている。
相手を動かす前に、自分がどう反応しているかに気づく使い方ができるよ。
橘ナナミ
自分の反応、か。たしかに、断られたあとに落ち込んで次の電話が重くなるの、私もアルバイトで経験があります。
佐藤メバル
そういうときの立て直しにも効く。商談の手順は他の本で補いながら、心理面はここで補う。技術と心理の両輪がそろうと、同じ行動でも手応えが変わってくる。
スランプのときに開く一冊として置いておくといいね。

不動産営業マン元気マニュアル
斉子典夫 著|住宅新報社
¥1,870(税込)
『営業マン・クリニック』というマンツーマン型の個別研修での成果を、余すところなく書籍化した一冊。ケーススタディで営業方法の成功例と失敗例を分析し、スランプに陥っても抜け出す道筋を指南する。もとは2009年発行の『不動産営業マン売上げアップの処方せん』を改題したもので、今回は新たに不況を乗り切るというテーマで内容を増補。楽しい4コマ漫画つきで、重くなりがちな題材を読み進めやすくしている。
こんな人におすすめ
成績が伸びず元気をなくしている営業マン、スランプから抜け出したい中堅。落ち込んだ日に1章だけ開く読み方や、同じ悩みを抱える同僚と話題を共有する使い方にも。個人研修を受けられない環境の人が、その内容に近づく入口としても向く。
良い点
- 個別研修の内容がケースで読める
- 成功例と失敗例を比較できる
- 4コマ漫画で読み進めやすい
気になる点
- 改題版のため既読者には重複する
- 不況対応の増補部分が中心になる
- 実務手順の網羅性は高くない
出版社
住宅新報社
発売日
2011年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
4コマ漫画つき、というのに惹かれました。営業の本って、ちょっと硬いイメージがあったので、助かります。
佐藤メバル
そこは工夫だね。中身は『営業マン・クリニック』というマンツーマン型の個別研修の成果を書籍化したもので、ケーススタディで成功例と失敗例を並べて分析している。
スランプに陥っても抜け出せるようにという視点が一貫しているんだ。
橘ナナミ
個別研修って、ふつうは受けられないですもんね。しかも改題版で、不況を乗り切る話が増えているんですよね。
佐藤メバル
もとは2009年4月に出た『不動産営業マン売上げアップの処方せん』で、今回は不況を乗り切るというテーマで増補されている。
落ち込んだ日に1章だけ開くような読み方でもいいし、同僚と悩みを共有するきっかけにもなるよ。

不動産営業が面白いほどうまくいく本
木原誠太郎 著|ごま書房新社
¥934(税込)
ディグラム診断でお客様の性格を9つのタイプに分類し、個性に寄り添った営業で成約につなげる方法を教える一冊。お客様に20の質問に答えるだけで、どうアプローチすればよい相手なのかが見える『住まいんど診断』を最強の営業ツールとして使う。人によって効く声かけは違うという当たり前を、診断という形で手順に落としているのが特徴。手頃な価格も含め、最初の一冊として手に取りやすい。
こんな人におすすめ
お客様との距離の取り方に迷う営業マン、同じ話し方で通して反応が割れると感じている人。物件案内の前後に、相手のタイプを見立てて話し方を変える練習をする場面に向く。座学だけでなく、日常の会話に取り入れてみたい人にも。
良い点
- 9タイプ分類で判断の軸ができる
- 20の質問という手順が明確
- 価格が手頃で試しやすい
気になる点
- 診断に頼りすぎると雑になる
- 賃貸・売買の実務手順は扱わない
- タイプ論の好みが分かれる
出版社
ごま書房新社
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
9タイプに分けて、20の質問で見分ける。これ、けっこう実践的じゃないですか? 実際にお客様に聞いてもいいんですかね。
佐藤メバル
そこが工夫でね、『住まいんど診断』という形で20の質問に答えてもらう。相手のタイプに合わせて話し方や進め方を変える、というのをツールにしてしまったわけだ。ディグラム診断で9つに分類する。
橘ナナミ
話し方を変えるって、失礼にならないか心配です。ずっと同じ調子で話すのが誠実なのかと思ってました。
佐藤メバル
誠実さと一律さは別ものだよ。人によって効く声かけは違うんだから、相手に合わせるのは失礼じゃない。価格も手頃だし、まずこの一冊で自分の商談を振り返ってから、実務書に進むという順番でもいい。

4590社の競合がいる横浜地域No1を獲得した不動産営業術: 秘密はたった200部だけ配った不動産セールスレターにありました、、、
真山英二 著
4590社がひしめく横浜エリアで地域ナンバーワンを獲得した著者が、その方法を1冊にまとめた。鍵は、たった200部だけ配った不動産セールスレター。折り込みチラシはテストマーケティングがしやすく、ターゲットを絞るからメッセージが刺さり、レターチラシから来たお客様は成約率が高いという整理で、200分の1の成約率を誇った実例まで踏み込む。大企業には勝てないと感じている中小業者に向けた、足を使わない営業法だ。
こんな人におすすめ
中小の不動産仲介で集客に悩む経営者や営業マン、反響が取れずにチラシを止めかけている人。新しい客を捕まえたい場面で、配る量より中身を設計する考え方を知りたい人に向く。折り込みの効果を測りたい担当者にも手が届く。
良い点
- 地域ナンバーワンを取った実例が軸
- チラシ制作の考え方が具体的
- 中小業者目線で書かれている
気になる点
- Web集客の手法は中心でない
- エリア特性に依存する部分がある
- 対人営業の技術は扱わない
出版社
詳細情報なし
発売日
2019年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
200部だけ配ったチラシで地域ナンバーワン……。ふつうは配る量が多いほど強いんじゃないんですか?
佐藤メバル
そこを逆に考えたのがこの本だね。4590社が競合する横浜で、ターゲットを絞るからメッセージが刺さる、レターチラシから来たお客様は成約率が高い、そして200分の1の成約率を誇ったレターの実例まで書いている。配る量より設計なんだ。
橘ナナミ
ターゲットを絞る、か。私の研究でも、誰にでも届くアンケートは結局誰にも届かない、って習いました。
佐藤メバル
同じことだね。折り込みチラシはテストマーケティングがしやすいのも強みで、書くうえで最も大切なポイントも押さえられている。
逆に、足で稼ぐ飛び込みに限界を感じている人ほど読む価値がある。インターネットで大企業に勝てないと諦めていた人にも効くよ。

中小の不動産会社のための最強営業マン育成ガイドブック
小林英治 著|アート印刷株式会社
¥1,572(税込)
不動産営業24年目の春に自宅の4畳一間で開業し、広告宣伝費もないなか電話帳への物上げ電話から始めた著者が、試行錯誤の末にたどり着いた9パターンの顧客属性シートを公開する一冊。売主・貸主・仲介業者へ仕掛けるタイプ別物上げ、買主や休眠客の掘り起こし、士業・金融機関・一般法人との協業創出という令和版源泉営業を体系化。業界未経験者でも年収1000万円超という声が寄せられたとされる。
こんな人におすすめ
反響営業だけでは不安な営業マン、中小の不動産会社を率いる社長、これから開業する人。電話帳や住宅地図といった手元の道具から始めたい場面に向く。未経験から入った人をどう育てるか悩む管理職にも。
良い点
- 9パターンの顧客属性シートが軸
- 反響に頼らない源泉営業を扱う
- 開業直後の実体験が背景にある
気になる点
- 電話営業が苦手な人には負荷が高い
- 95ページで駆け足の印象
- 実践には地道な継続が要る
出版社
アート印刷株式会社
発売日
2024年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
4畳一間で開業して、パソコンと固定電話と電話帳だけ。そこから年収1000万円超の人が出たって、すごい話ですね。
佐藤メバル
その出発点が面白いんだ。広告宣伝費がないから、源泉営業にすべてをかけた。そこで確かめ続けたのが9パターンの顧客属性シートで、属性別に仕掛ける令和版源泉営業として、物上げ、掘り起こし、協業創出の三方向に整理されている。
橘ナナミ
9パターンに分けると、声のかけ方も変わるんですか? 電話帳に電話するのって、けっこう心が折れそうで……。
佐藤メバル
だから型が要るんだね。手元にある電話帳や住宅地図、メールやDMさえ使えれば実践できるのが強みで、反響依存から抜け出したい営業マンや、社長が社員を育てる材料としても使える。
地道さが前提だけれど、その分だけ再現しやすいよ。

中澤明子の不動産営業の玉手箱: お客様に選ばれるために (不動産実務シリーズ 3)
中澤明子 著|にじゅういち出版
¥2,294(税込)
副題に『お客様に選ばれるために』と掲げられた一冊。住宅・不動産の実務書を手がけるにじゅういち出版から、218ページで刊行されている。物件を売り込む前に、まず自分が選ばれる存在になっているか——タイトルからは、そんな問いが読み取れる。指名や紹介で仕事が来る状態を目指す人が、日々の振る舞いを点検するために手元に置く一冊として紹介したい。
こんな人におすすめ
お客様から選ばれる営業になりたい人、紹介やリピートを増やしたい中堅。自分の振る舞いを見直す時間を取りたい人や、女性の営業として長く続けるヒントを探している人にも。実務書を何冊か読んだあとに立ち位置を整えるために読むのでもいい。
良い点
- 選ばれるという視点が軸になる
- 218ページでまとまった分量
- 実務シリーズとして刊行されている
気になる点
- 具体的な手順は手に取っての確認が必要
- 売り方の技術書ではない
- 事例の有無は書店で確かめたい
出版社
にじゅういち出版
発売日
2005年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これも内容紹介が少ない本ですね。『玉手箱』ってタイトルだけだと、どんな中身なのか想像がふくらみます。
佐藤メバル
タイトルと副題が示すのは『お客様に選ばれるために』ということ。にじゅういち出版から出ている実務書で218ページだから、売り込む前の自分を見直す一冊として紹介するのが誠実だと思う。
橘ナナミ
選ばれる、って結局は人柄の話なんでしょうか? それとも、技術でつくれるものでもあるんですか? 私、そこがずっと気になっていて。
佐藤メバル
たぶん両方で、日々の積み重ねのほうが効く。紹介やリピートで仕事が来る状態を目指すなら、自分の振る舞いを定期的に見直す時間が要る。
実務書を何冊か読んだあとに、立ち位置を整えるために開くのがいいね。

女性が活きる不動産営業入門 (図解不動産業)
川本久美惠 著|住宅新報社
不動産業界における女性の活用法を、マンガを用いて実務での具体的な事例とともに解説する一冊。図解不動産業のシリーズとして、213ページにまとまっている。誰がどう働くかという視点から入るのが特徴で、営業の型を覚える前に、現場で自分がどう動くかをイメージしたい人に向く。業界で長く働きたい女性はもちろん、採用や育成に関わる立場の人にも視野を広げてくれる。
こんな人におすすめ
不動産業界で働きたい、働き続けたいと考えている女性、異業種から転職を考える人。採用や育成の担当者が、職場づくりを見直す材料として読むのにも向く。後輩の女性社員に何を渡すか迷っている先輩にも手が届く。
良い点
- マンガで具体的な事例が入る
- 女性の働き方に焦点を当てている
- 図解シリーズで読み進めやすい
気になる点
- 営業の技術論は中心でない
- 業界の慣習に触れる部分がある
- 213ページで事例数は限られる
出版社
住宅新報社
発売日
2008年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、私にはすごく気になるテーマです。不動産って、まだ男性の現場という印象があって。マンガで読めるのもいいですね。
佐藤メバル
そうだね、事例が絵で入ると、自分がその場に立っている感覚で読める。不動産業界で女性がどう活きるかを、実務の具体的な場面に落として解説している本なんだ。
採用や育成の立場から読んでも発見があるよ。
橘ナナミ
採用する側が読んでも、ですか。たしかに、女性が辞めていく理由を現場の側が知らないままでは、何も変わりませんよね。
佐藤メバル
まさにそこ。営業の型を覚える前に、自分がどう動くかをイメージしたい人にもいいし、後輩に何を渡すか迷っている先輩が、職場づくりを見直す材料にするのもいい。
図解シリーズなので、通読の負担も軽いよ。

不動産賃貸客付け営業マニュアル: 営業成績を向上させる15の仕事術
青山慶祐 著
賃貸仲介の仕組みから始めて、土地勘を磨く、お客様の属性を見抜いて真の希望条件を引き出す、管理会社や大家の目線で物件を選ぶ、不良物件を事前に排除する、物件情報を整理する、案内は時間と効率が勝負、しゃべるだけが営業ではない——と、15の仕事術を順に並べる。物件を巡りながら気持ちを整理する、自分だけの必勝パターンを持つ、管理会社との関係を強化する、SNSを活用する、諦めない心までを扱い、度重なる加筆改訂を経ている。
こんな人におすすめ
初めて賃貸営業を担当する人、賃貸会社への就職を控えている人、成績が振るわず毎日が苦しい人。内見の段取りに迷う場面や、反響対応のスピードを上げたい場面で開くのに向く。土地勘をつけたい新人にも手が届く。
良い点
- 15の仕事術で順番が明確
- 賃貸客付けに特化している
- 改訂を重ねて内容が更新されている
気になる点
- 売買仲介は対象外
- 管理業務の詳細は扱わない
- 実践には内見量の確保が前提
出版社
詳細情報なし
発売日
2018年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
賃貸の営業って、売買とまた違うんでしょうね。友達が一人暮らしを始めるとき、不動産屋さんにすごく速く動いてもらったのを思い出しました。
佐藤メバル
スピードがものを言う世界だからね。この本は『営業成績が振るわず毎日が苦しい』『初めての賃貸営業で何をすればいいかわからない』という人に向けて、15の仕事術を並べている。
土地勘を磨くところから始まるのが面白いんだ。
橘ナナミ
土地勘! そこから始まるんですか。たしかに、街を知らないと物件の良し悪しもわからないですもんね。しゃべらない営業の話も読みたいです。
佐藤メバル
『しゃべるだけが営業ではない』という項目もあるから、そことセットで読むといい。属性を見抜いて真の希望条件を引き出す、管理会社や大家の目線で物件を選ぶ、不良物件を先に排除する。
お客様がお客様を呼ぶ状態まで持っていくのがゴールだよ。

不動産営業マニュアル 賃貸編〔改訂版〕
有山あかね 著|とりい書房
集客、追客、接客というセクションごとにノウハウを整理し、申込、審査、契約締結といった煩雑な手続きまで実践的に解説する賃貸仲介のマニュアル。成約に向けた反響営業の極意をパターン別に実例で示し、取引の過程で発生する複数のパターンを想定して、困ったときにすぐ使える知識や落とし穴を並べる。社内研修の教科書としても使える構成で、未経験者はもちろん、中堅の意識改革や再教育にも向く。
こんな人におすすめ
賃貸仲介の営業マン・営業ウーマン、未経験から入る人、中堅の意識を入れ直したい社員。社内研修の教材を探している人事担当者が、教える順番を組み立てる材料としても。申込から契約締結までの手順を確かめたい実務者にも向く。
良い点
- 集客・追客・接客で整理されている
- 申込から契約までの手順も追える
- 社内研修の教材に使いやすい
気になる点
- 賃貸仲介に限定される
- ケースは多数派の状況に寄る
- 前提となる法令知識は別途必要
出版社
とりい書房
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
賃貸の本が続きますね。さっきの本とは、どう使い分けるんでしょう? 同じ賃貸でも、15の仕事術とマニュアルって違いますか?
佐藤メバル
いい質問だね。こちらは集客、追客、接客というセクションごとに整理して、申込、審査、契約締結まで手続きの流れで追える。
パターン別の実例で反響営業の極意を示しているから、迷ったときに引く辞書のほうだと思えばいい。
橘ナナミ
この本の著者って、どんな人なんですか? 営業の本は実践者、法律の本は先生、みたいに分かれがちなので、そこが気になって。
佐藤メバル
そこは頼もしいよ。東京都内の売買・賃貸仲介会社を経て、2017年から大手予備校で宅建士講座を担当し、企業研修や大学の学内講座もこなし、2023年には行政書士登録。
マンション管理士や管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士の試験対策の講義にも登壇している。実務と法務の橋渡しができる人なんだ。

あなたが賃貸営業で契約率90%を達成する極秘マニュアル: こっそり教える
佐久川靖行 著|カナリアコミュニケーションズ
¥1,719(税込)
タイトルが掲げるのは、賃貸営業で契約率90%を達成するための方法。副題の『こっそり教える』という言葉どおり、現場で積み上げたやり方を、221ページにまとめて公開する構成になっている。数字の目標がはっきりしているぶん、何をどこまで詰めればいいのかを確認しながら読めるのが特徴だ。反響は来るのに成約で取りこぼしている人、契約率を安定させたい人が、自分の手順を点検するために開く一冊。
こんな人におすすめ
賃貸仲介で成約率が伸びずに悩む営業マン、反響は取れているのに決まらない人。契約率という数字を意識して自分の手順を点検したい場面や、目標から逆算して動きを見直すときに。チームで同じ基準を共有したいリーダーにも向く。
良い点
- 契約率という明確な目標を置く
- 221ページで実践を想定した分量
- 賃貸営業に絞った内容
気になる点
- 具体的な内容は手に取っての確認が必要
- 売買仲介は対象外
- 90%という数字は前提条件に左右される
出版社
カナリアコミュニケーションズ
発売日
2006年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
契約率90%って、思い切った数字ですよね。しかも副題が『こっそり教える』って、ちょっと気になります。
佐藤メバル
そこは正直に言っておくと、内容紹介が乏しい本だから断定はしないほうがいい。わかっているのは、カナリアコミュニケーションズから221ページで出ている賃貸営業の指南書だということ。
数字を目標に置くタイプの本として紹介するのがいいね。
橘ナナミ
なるほど。でも逆に、目標が数字で決まっていると、自分のどこを直せばいいのか探しやすい気がします。
佐藤メバル
そう、そこが利点だね。反響は来るのに決まらない、という人は、契約率という物差しを持ったほうが動きを点検しやすい。
同じ基準をチームで共有したいリーダーの使い方もできる。手に取って中身を確かめてから紹介したい一冊だね。

ナンバー1の営業術(上巻)不動産賃貸仲介業で26歳、年収800万以上を稼いだ方法。ヒアリング編、物件提案編。10分で読めるシリーズ
ノノヤマケンタ 著|まんがびと
23歳のとき、月末になると涙をこらえて1時間歩いて帰っていた——全国500名ほどの営業マンの中で常に最下位。上司からの厳しい詰めもあったという著者が、26歳で年間契約件数ナンバーワンになるまでの営業スタイルを、ヒアリング編と物件提案編で解説する。鍵は最小時間で申し込みにたどり着くこと。応対の無駄を省き、1件でも多くのお客をこなすための手法や話法、準備方法をプロセスごとに紹介する。
こんな人におすすめ
賃貸仲介で件数をこなしたい営業マン、応対が長引いて数を出せない人。短い時間で読みたいときに、通勤や休憩の合間でヒアリングと提案の要点だけ拾う使い方に向く。最下位から這い上がる過程に励まされたい人にも。
良い点
- 10分で読める短い分量
- ヒアリングと提案に絞った内容
- 最下位からの実体験が背景にある
気になる点
- 上巻のみで完結しない
- 賃貸仲介に特化している
- 分量が短く事例は絞られる
出版社
まんがびと
発売日
2015年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最下位だった人が年間ナンバーワン。この物語だけで読みたくなります。しかも10分で読めるシリーズなんですね。
佐藤メバル
そう、そこがいい。最小時間で申し込みにたどり着くというのが、この人がたどり着いた営業スタイル。
応対の無駄をとことん省いて、1件でも多くのお客をこなすための手法や話法、準備の仕方を、プロセスごとに紹介している。
橘ナナミ
応対の無駄を省く、か。私、つい話し込んじゃうタイプなので、耳が痛いです。上巻ということは、続きがあるんですね。
佐藤メバル
ヒアリング編と物件提案編が上巻で、続きがある構成だね。件数をこなしながら質も上げたい人が、通勤や休憩の合間に要点だけ拾うのに向いている。
短いぶん、繰り返し開いて自分の型にしていく読み方が合うよ。

ハウスメーカー営業初心者でも年間9棟を達成した営業術: 元ハウスメーカー勤務の不動産業者役員が教えます!
松川ツヨシ 著
契約が取れない、商談が初回のみで継続しない、営業未経験で不安——そんな悩みを抱える人に向けた、ハウスメーカー営業の入門書。契約が取れず自分を責め、精神的にも肉体的にもつらかったという著者が、年間7〜9棟の契約と10棟前後の引き渡しを重ね、新卒3年目で副店長になり、上司と不動産会社を経営するまでに至る過程でまとめたノウハウを収める。会話のテンプレートに沿って話せる安心感が軸だ。
こんな人におすすめ
ハウスメーカーの営業にこれから入る人、営業未経験で不安な人、商談が初回で終わる人。話すのが苦手だと感じている人が、会話の型から入る場面に向く。営業のストレスを減らして続けたい人にも。
良い点
- 会話のテンプレートがある
- 未経験者の不安に寄り添う構成
- 年間契約棟数の実例が背景にある
気になる点
- ハウスメーカー営業に特化している
- 賃貸や仲介の実務は扱わない
- テンプレートの丸暗記では通用しない
出版社
詳細情報なし
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『会話のテンプレートに沿って話せば安心』って書いてある。これ、いいんですかね? 丸暗記みたいで、かえって不自然にならないかな。
佐藤メバル
そこは順番の問題だと思う。営業未経験だと、何を話せばいいかわからないまま沈黙してしまうのがいちばん苦しい。
まず型を持って、それから自分の言葉に崩していく。話すのが苦手な人ほど、この入り口は助けになるよ。
橘ナナミ
たしかに、型がないまま自由に話せと言われるのが、いちばん怖いです。著者の人は、どんな経緯をたどったんですか?
佐藤メバル
契約が取れず自分を責め、精神的にも肉体的にもつらかったと書いている。そこから年間7〜9棟の契約、10棟前後の引き渡し、新卒3年目で副店長、そして上司と不動産会社を経営するまで。
10年分の知識と経験を詰めたと語っているよ。

不動産営業は、終わってから始まる: 会社に疲れた51歳が、売上より信頼を選び直した逆転の記録
余白透 著|余白出版
営業マニュアルではない、と最初に断られる一冊。20年以上、不動産売買の現場で働いてきた著者が、51歳で会社を離れたときに手元に残ったものを見つめる。売上を追い、お客様に尽くし、会社の期待に応え続けることが成功への正しい道だと思っていた——その疲労と『自分は何のために働いてきたのか』という問いから、売上より信頼を選び直すまでの記録。契約の先にある信頼を軸に、50代で仕事を失って見えたものまで率直に綴る。
こんな人におすすめ
数字を追い続けることに疑問を感じている人、会社に疲れた人、年齢を理由にやり直せないと思っている人。引き渡しのあとまでお客様と関わりたいと考えている営業マンにも。仕事と自分の人生の距離を見直したいときに開く一冊だ。
良い点
- 成功法則ではなく記録として読める
- 50代の再出発を率直に綴る
- 契約後の信頼を軸に据えている
気になる点
- 実務ノウハウは得られない
- 読む人を選ぶ内容
- 具体的な手順の解説はない
出版社
余白出版
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業の本なのに、最初から『マニュアルではない』って言い切っている。逆に、ちょっと読みたくなりました。
佐藤メバル
そこがこの本の立ち位置だね。20年以上、売買の現場で働いてきた人が、51歳で会社を離れたときに何が残ったかを見つめる。
売上より信頼を選び直すまでの記録で、契約の先にある関係を軸に据えている。
橘ナナミ
51歳で会社を離れるって、私にはまだ想像もつかないです。でも、『何のために働いてきたのか』は、いまでも時々考えます。
佐藤メバル
その問いを避けずに書いているから、若い人にも届くんだ。数字を追うのが苦しくなった人、仕事はできるのに満たされない人に、静かに効く一冊。
本を閉じたあとに、自分の仕事との距離感を測り直したくなるよ。

私は不動産エージェント: これからの不動産仲介業会のスタンダート営業職からの不動産エージェントへの道
藤木賀子 著
不動産仲介の仕事は、知識や経験があればできるものではない。『不動産を売るのではなく、まずは自分を買ってもらう』——情報が誰でも手に入る時代だからこそ、顧客は信頼できる自分の代理人を求める。本書は、そんな不動産エージェントという働き方に関心がある人に向けて、営業マンとエージェントの違い、活躍する場所、幸福な働き方、セルフブランディング、クライアントの選び方、コミュニケーション力までを7つのステップで整理する。
こんな人におすすめ
会社の営業方針に疑問を感じている仲介営業、異業種から不動産に転じたい人、将来やってみたいと考えている学生。自分の働き方を選び直したい場面で、最初の一歩を確認するのに向く。独立や副業を視野に入れ始めた人にも。
良い点
- エージェントという働き方を定義
- 7ステップで道筋が追える
- セルフブランディングに触れる
気になる点
- 独立後の実務手順は扱わない
- 既存の仲介会社の制度には触れない
- 入門的な内容で分量は限られる
出版社
詳細情報なし
発売日
2022年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
不動産エージェントって、言葉は聞いたことがありますけど、普通の営業マンと何が違うんでしょう? 代理人って呼ぶんですよね。
佐藤メバル
『不動産を売るのではなく、まずは自分を買ってもらう』——この本はそこから始まる。情報が誰でも手に入る時代だからこそ、顧客は信頼できる自分の代理人を探すという考え方だね。
営業マンとエージェントの違いを最初に整理している。
橘ナナミ
まず自分を買ってもらう、か。それって、営業の技術というより、生き方に近い話に聞こえます。私にできるかな。
佐藤メバル
世界では、不動産を探す前にエージェントを探す習慣がある。日本もそうなる、というのがこの本の見立てだね。
活躍する場所、幸福な働き方、セルフブランディング、クライアントの選び方、コミュニケーション力と、7つのステップで整理されているから、自分の働き方を選び直したい人の最初の一歩になるよ。
年次別・業種別の読書ロードマップ
橘ナナミ
年次ごとに、読む順番を決めてもいいんでしょうか。
佐藤メバル
決めたほうがいい。1年目は「業務の流れ」を一冊で通す。『不動産営業の教科書』や『新人不動産営業が最初に読む本 5訂版』のように時系列で説明する本を軸に、『不動産売買 新人のための100チェックリスト』を手元に置く。2年目は型を磨く段階で、『不動産売買営業1年目の教科書』の商談や顧客フォローの具体例、『不動産営業が面白いほどうまくいく本』の顧客タイプ別アプローチが効く。3年目は再現性を作る時期だから、『不動産営業の教科書』のクロージングやタスク管理、『マンション営業の極意』のチーム営業の視点。管理職は『中小の不動産会社のための最強営業マン育成ガイドブック』のように、育てる技術へ関心を移す。
橘ナナミ
業種別だと、どう分けますか。
佐藤メバル
賃貸客付けは『不動産賃貸客付け営業マニュアル』『不動産営業マニュアル 賃貸編〔改訂版〕』『ナンバー1の営業術(上巻)』。売買仲介は『新人不動産営業が最初に読む本』や『不動産営業の教科書』。マンション販売は『マンション営業の極意』、ハウスメーカーは『ハウスメーカー営業初心者でも年間9棟を達成した営業術』。媒介のトラブル予防なら『はじめての不動産媒介営業の基礎知識』で、紛争やトラブルの芽を法律的な観点から約50件の判例を交えて解説している。用語も顧客心理も違うから、まず自分の現場に近い一冊を選ぼう。
インプットを成果に変えるアウトプット読書術とツール活用
橘ナナミ
読んでも「へぇ」で終わってしまうんです。
佐藤メバル
ノートの作り方を変えよう。僕が書店員だったころにやっていたのは、明日の商談で1回だけ使うと決めて読む方法だ。たとえば『不動産営業は「全身採寸」からはじまる』なら、夫婦の意見の矛盾を溶かす「たった一つの問い」を抜き出して、次の商談で試す。『不動産売買 新人のための100チェックリスト』なら、案内前の確認項目を3つだけ自分の手順に組み込む。全部やろうとすると、何も残らない。
橘ナナミ
電子書籍や音声、要約サービスはどう使い分けますか。
佐藤メバル
検索する前提の本は電子。チェックリストやマニュアルはキーワードで引けるほうが強い。通読して気持ちを作る本は音声で、移動中に流すと自然に反復できる。要約サービスは「読む候補を絞る」用途に割り切って、当たりだと思ったら原本に戻る。要約だけで現場に出ると、条件分岐が抜け落ちるからね。法改正が絡む本は、電子でも最新版かどうかを必ず確認して。
選書リテラシー——著者の実績の見分け方と、読まなくていい本の基準
橘ナナミ
帯に「日本一」と書いてあると、つい手が伸びます。
佐藤メバル
そこで一回止まる。見るのは肩書きより、その人がどの現場に何年いたかだ。『住宅営業という修羅場で26年 7000軒売った男が教える勝ち残る営業の36の掟』は、著者が率いる会社の月例研修で語られてきた内容を「やってはならないこと」としてまとめた本だと明記されている。『4590社の競合がいる横浜地域No1を獲得した不動産営業術』も、著者プロフィールに実務や資格の関わりが具体的に書かれている。逆に、実績の裏づけが本文で一切説明されていない本は、判断材料が足りない。
橘ナナミ
読まなくていい本もあるんですよね。
佐藤メバル
あるよ。一つ、自分の業種と前提が違う本。二つ、法改正前の版のまま実務手順を説く本。三つ、マインドだけを煽って手順がない本。この三つは、今の自分には効かない。あと、いきなり分厚い実務書から入るのも失敗しやすい。読了時間を確保できないまま積むと、罪悪感だけが残るからね。
よくある質問
不動産営業1年目におすすめの本は何ですか?
橘ナナミ
不動産営業1年目におすすめの本は何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず業務の流れを一本で通せる本から始めるのが安全です。『不動産営業の教科書』は売買仲介の業務に沿って章立てされ、契約締結フェーズまで追えます。『新人不動産営業が最初に読む本 5訂版』は媒介業務を時系列で解説し、法改正を反映した版になっています。加えて『不動産売買 新人のための100チェックリスト』を手元に置くと、案内前や契約前の確認項目をその都度引けるので、読む本と引く本を分けるのが現実的です。
営業で忙しい人が読書時間を確保するコツはありますか?
橘ナナミ
営業で忙しい人が読書時間を確保するコツはありますかについて教えてください。
佐藤メバル
移動時間を前提に設計するのが有効です。『ナンバー1の営業術(上巻)』のように10分で読める範囲に区切ったシリーズは、まとまった時間が取れない人に向いています。物語形式やマインド系は音声で流し、チェックリスト系は検索できる電子にする。時間を作るのではなく、既にある移動と待ち時間に形式を合わせるほうが続きます。
賃貸仲介と売買仲介では読むべき本は違いますか?
橘ナナミ
賃貸仲介と売買仲介では読むべき本は違いますかについて教えてください。
佐藤メバル
かなり違います。賃貸客付けなら『不動産賃貸客付け営業マニュアル』が土地勘や属性の見極め、管理会社・大家さんの目線、物件案内の効率まで15の仕事術として整理しています。『不動産営業マニュアル 賃貸編〔改訂版〕』は集客・追客・接客から申込・審査・契約締結までマニュアル形式です。売買仲介は『不動産営業の教科書』のように売り仲介・買い仲介の流れを追う本が中心になります。
宅建の資格本と営業ノウハウ本はどちらを優先すべきですか?
橘ナナミ
宅建の資格本と営業ノウハウ本はどちらを優先すべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
目的が違うので、どちらかを捨てる関係ではありません。資格本は知識と法令の土台を作り、営業ノウハウ本は現場での手順と型を作ります。たとえば『不動産営業マニュアル 賃貸編〔改訂版〕』の著者は、予備校で宅建士講座を担当し、行政書士やマンション管理士などの試験対策の講義にも登壇していると紹介されています。研修の教科書としても使える本を軸に、資格の学習と実務の理解を往復させるのが現実的です。
電子書籍・紙・音声のどれで読むのがおすすめですか?
橘ナナミ
電子書籍・紙・音声のどれで読むのがおすすめですかについて教えてください。
佐藤メバル
本の性質で選ぶのが一番です。チェックリストやマニュアルは、現場でキーワード検索できる電子が強い。通読して気持ちを作る物語やマインドの本は、移動中に耳で流す音声が続きます。一方で図表や診断ツールが多い本は、紙か画面で見たほうが拾いやすい。要約サービスは候補を絞る用途に使い、当たりなら原本に戻る。法改正が絡む本は、どの形式でも最新版かを確認してください。
昔の名著でも今読む価値のある本はありますか?
橘ナナミ
昔の名著でも今読む価値のある本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。基準は主題です。法令や実務手順に関わる本は最新版を選ぶべきですが、人間関係や心の持ちようを扱う本は版が古くても効きます。『日本一住宅を売っている営業マンの営業の手帳』は、テクニックは条件が合わなければ使えないが、心のノウハウは普遍的だと説いています。『住宅営業という修羅場で26年 7000軒売った男が教える勝ち残る営業の36の掟』も、研修で語られてきた内容をまとめた息の長い一冊です。
本を読んでも成果につながらないときはどうすればいいですか?
橘ナナミ
本を読んでも成果につながらないときはどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
読む量ではなく、使う数を絞りましょう。1冊から「明日の商談で1回だけ試す」行動をひとつ決める。たとえば『不動産営業は「全身採寸」からはじまる』なら、夫婦の意見の矛盾を溶かす問いを一つだけ抜き出して実践します。また、自分の業種と前提が違う本、法改正前の版の本、マインドだけで手順がない本は、今の自分には効きにくいので一度手放して構いません。
読んだ内容を現場で使うためのアウトプット方法を教えてください。
橘ナナミ
読んだ内容を現場で使うためのアウトプット方法を教えてください。について教えてください。
佐藤メバル
読書ノートを「行動の形」で書くのがコツです。要点を写すのではなく、案内前の確認項目、商談で使う質問、契約前の準備物のように、現場の工程に紐づけて3つだけ書き出します。『不動産売買 新人のための100チェックリスト』は問い合わせから引き渡し、アフターフォローまで10章で整理されているので、自分の手順表に転記しやすい。読んだ当日か翌日に一度使うと、記憶ではなく手順として残ります。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、本を「読む」より「選ぶ」ほうが難しいんだなと思いました。
佐藤メバル
そう。でも選び方は技術だから、身につくよ。目的、レベル、業種、形式、鮮度、コスト。この六つを自分に問いかけるだけで、候補は一気に絞れる。
橘ナナミ
私だったら、まず何から読めばいいですか。
佐藤メバル
ナナミさんはまだ当事者じゃないから、業務の流れを一本通す本からだね。たとえば『新人不動産営業が最初に読む本 5訂版』。時系列で書かれているから、読む人の一日が想像できる。そこに『不動産営業は「全身採寸」からはじまる』のような哲学の本を重ねると、この仕事の解像度が上がる。
橘ナナミ
ノウハウと哲学、両方いるんですね。
佐藤メバル
うん。手順だけだと想定外の客前で止まるし、哲学だけだと明日の朝に何をすればいいか分からない。両輪だよ。
橘ナナミ
なるほど……物件を探すときに、条件だけでなく「この人は何を大事にしているか」を聞くのと同じですね。
佐藤メバル
いい例えだね。本選びもまた、お客様の「全身採寸」なんだよ。何を求めているかを測ってから一冊を選ぶ。その一冊が、明日の商談で誰かの人生を少し明るくする。
