リクルートの営業ノウハウが学べる本のおすすめ人気ランキング12選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日は「リクルート 営業 本」で調べている読者のための記事ですよね。書店のビジネス書コーナーに行ったら、リクルート出身者の本がずらっと並んでいて、正直どれから読めばいいのか分からなくなりました。
佐藤メバル
それ、いいところに気づいたね。リクルートの営業本は数が多いけれど、全部が同じことを言っているわけじゃない。大きく分けると、自分の数字を上げるための「個人スキル」の本、チームや営業所を強くする「組織」の本、そして心構えやキャリアの本がある。まず自分がどの層にいるかを決めないと、棚の前で固まってしまうよ。
橘ナナミ
なるほど。佐藤さんは書店員時代、そういう棚も作ったんですよね。
佐藤メバル
作った作った。リクルート関連の本を一列に並べた棚ね。おもしろいことに、手に取られる本ははっきり分かれたんだ。新人や若手はタイトルに「後輩」「新人」と入っている本を選ぶ。逆に営業所長やリーダーは、マネジメント色の強い本を名指しで買っていく。つまり同じ「リクルートの営業本」でも、読む人によって正解が変わる。これがこのジャンルの最初の前提だよ。
橘ナナミ
それ気になります! じゃあ今日は、その「誰が読むか」を軸に選び方を教えてください。
リクルートの営業ノウハウが学べる本の選び方
目的別:新規開拓と商談か、チームづくりか
佐藤メバル
まず目的から。自分で新規を開拓して商談を取る段階なら、西良旺子さんの『リクルート伝説の営業が初めて教える 必ず買う「3%のお客様」の見つけ方』が分かりやすい。お客様の97%はそもそも買う気がない、という前提から始めて、必ず買う3%にどう出会うかに絞っている。場面別のセールストークにも触れているから、アプローチの組み立てを丸ごと見直したい人に向く。
橘ナナミ
逆に、チームで数字を作る立場なら?
佐藤メバル
営業所長やリーダーなら寺岡晟さんの『リクルートの「強い営業」の生みの親が教える 最強の営業部隊のつくり方』。100社以上の営業部隊の業績に関わってきた人の本で、1章を1日として7日間の市場セミナー形式で読める。会議のたびに「うちの所はなぜ伸びないのか」と悩む人には、読みながら自部署を点検できる形が助けになるはずだよ。
レベル別:新人・中堅・リーダー・マネージャー
橘ナナミ
私はまだ営業職ではないんですけど、もし新人だったら何から読めばいいですか。
佐藤メバル
新人なら的場正人さんの『リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること』だね。「お客様にがむしゃらにぶつかる」「売れ続ける営業計画を立てる」「仮説をみがく」といった6つの習慣を、成長の順番どおりに並べている。20年以上の現場経験から拾い上げたケースが中心だから、落ち込んだ日に開いても刺さりやすい。
橘ナナミ
中堅は?
佐藤メバル
中堅は大塚寿さんの『リクルート流 「最強の営業力」のすべて』。MBAのメソッドを使って、リクルート流の仕事の進め方を7つのスキルと62の技術・要素に整理している。チャートやワークシート、管理帳票の例も入っているから、「なんとなくできている」状態から一歩抜けたい人が、自分の営業を棚卸しするのに向いている。マネジメントにも深く触れているので、リーダーになった直後でも使えるよ。
得たいもの別:マインド・理論・トーク術
橘ナナミ
同じ営業本でも、心構えを読みたい人と、技術を読みたい人がいますよね。
佐藤メバル
そこは分けたほうがいい。マインドを求めるなら江草三四朗さんの『トップ営業マンとして大切なことはみんなリクルートで教わった』。凄腕でもスーパーマンでもない自分が20代の大半を過ごした経験から、基本から小技、荒業、決め技までを書いている。等身大の語り口だから、トップ営業の武勇伝には疲れてしまうという人ほど読みやすい。
橘ナナミ
理論をきっちり学ぶなら?
佐藤メバル
体系で学ぶなら中尾隆一郎さんの『リクルートが教える営業マン進化術』。営業を極めることがビジネスマンとしての進化につながる、という視点で書かれた一冊で、営業を続ける意味そのものを考えたいときに効く。逆に明日の商談で使える言葉が欲しいなら、渡瀬謙さんの『元リクルートNo.1の 日本で一番“効率”のよい営業法』。新規営業から商談、アフターフォローまでの場面ごとに、体験を交えて書かれている。
形式と入手性:紙・電子・文庫
橘ナナミ
手に入りやすさも気になります。古い本だと見つからないこともありますよね。
佐藤メバル
そう。まず版元のサイトで新刊として出ているかを確認して、無ければ電子、図書館、中古の順で探すといい。高城幸司さんの『リクルートのトップ営業マン日記』のように、文庫なら通勤かばんに入れて持ち歩けるサイズの本もある。中古しか見つからない本は価格が上がっていることがあるから、急がずに図書館の取り寄せを先に試すのが現実的だよ。
橘ナナミ
電子だと検索ができるのも助かりますね。
佐藤メバル
そう、読み返す前提の本は電子が強い。逆に、付箋を貼りながら何度も開くワークシート系は紙が向く。この使い分けは覚えておくといい。
読了時間別:短時間の入門か、じっくり体系書か
橘ナナミ
読む時間にも差がありますか。
佐藤メバル
あるよ。短時間で全体像をつかみたいなら、1章1日で読み進められる構成の本や、文庫サイズの本が向く。じっくり体系を組み立てたいなら、7つのスキルに分けた理論書や、100社以上の実績を踏まえた部隊づくりの本を選ぶ。分厚さより、いま自分がどの問いに答えを出したいかで選ぶのが、失敗しないコツだよ。
リクルートの営業ノウハウが学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、12冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
リクルートの営業ノウハウが学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること ―一人前の営業になる6つの習慣
的場正人 著|日本経済新聞出版
¥2,000(税込)
「お客様の役に立っている実感がない」「頑張っているのに結果がついてこない」——そんな若手営業の壁に、リクルートのトップ営業だった著者が「6つの習慣」で答える一冊です。がむしゃらにぶつかって学ぶ、成長につながるものの見方に変える、売れ続ける計画を立てる、わくわくするたくらみでPDCAを回す、心をつかむコミュニケーション、お客様視点の仮説をみがく。並べると分かるのは、どれも派手なテクニックではなく日々の積み方だということ。著者は営業担当・マネジャー・コンサルタントとして20年以上結果を残してきた人で、ケースは現場から拾い上げたリアルなものばかり。習慣の順番に意味がある構成が、体系を重んじる他のリクルート本との違いです。
こんな人におすすめ
営業1〜3年目の若手、初めて営業職に配属された新社会人、結果が出ずに自信をなくしかけている人、数字は出ても手応えが薄い中堅、後輩を伸ばしたいマネジャー。通読したら6つの習慣を書き出し、今週やる一つを選んでみる使い方が向きます。
良い点
- 6つの習慣という明快な切り口
- 20年以上の経験に基づく現場のケース
- 若手の壁の乗り越え方に焦点
気になる点
- 高度な営業戦略の話は少なめ
- 実践には自分なりの置き換えが必要
- 理論体系より習慣の解説が中心
出版社
日本経済新聞出版
発売日
2015年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
リクルートの営業本って、根性論か精神論のイメージがあったんです。でもこれは「6つの習慣」って区切っていて、ちょっと違いますよね?
佐藤メバル
そこがこの本の誠実さだと思う。がむしゃらにぶつかって学ぶ、ものの見方を変える、売れ続ける計画を立てる、たくらみを持ってPDCAを回す、心をつかむコミュニケーション、仮説をみがく。
順番に意味があって、いきなり技術から入らない。著者は営業担当・マネジャー・コンサルタントとして20年以上結果を残してきた人で、ケースは現場から拾ったものばかりなんだ。
橘ナナミ
習慣って聞くと当たり前に聞こえるのに、実際はできていないから悩むわけで。どの習慣から読めばいいんでしょう?
佐藤メバル
順番どおりでいい。まず第1の習慣で実際にお客様にぶつかり、そこから見方や計画の立て方を整えていく。座学より体験が先に来る構成なんだ。
だから読み終えたら、自分の今週の行動を一つだけ選んで書き出すといい。20年分の試行錯誤を短くできるのが、この本のいちばんの価値だよ。

リクルート流 「最強の営業力」のすべて
大塚寿 著|PHP研究所
リクルート出身のMBAホルダーが、10年間の企業研修の実績を踏まえ、営業力を7つのスキルと62の技術・要素に分類した一冊。チャートを多用し、実際のワークシートや管理帳票まで例証します。営業マン向けの本は精神論や自慢話に終始しがちで違和感が残る——その違和感に正面から応えたのが本書です。MBAのメソッドで仕事の進め方を論理化・体系化し、営業を軸に据えながらマネジメントにも深く言及。読み物としての面白さより、実務で引ける辞書として使える点が、体験談中心のリクルート本との違いです。
こんな人におすすめ
営業を感覚や根性ではなく手順として身につけたい中堅、部下に教える型を持ちたいマネジャー、研修を設計する担当者。ワークシートと管理帳票を手元に置き、商談の前後に該当項目だけ開く。読み通すより辞書的に使うのが合います。
良い点
- 7スキル62要素に分解され迷いにくい
- チャートと帳票で実務に直結
- マネジメントまで射程に入る
気になる点
- 読み物としての面白さは薄い
- 情報量が多く通読は重い
- 実践には自分での取捨選択が要る
出版社
PHP研究所
発売日
2003年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
62の技術ってすごい数ですね。網羅的すぎて、逆にどこから手をつければいいのか分からなくなりそうなんですが。
佐藤メバル
だから辞書として使うのがいい。商談の前なら該当するスキルだけ開いて、付属のワークシートに沿って準備する。
著者はリクルート出身のMBAホルダーで、10年間の企業研修の実績を踏まえて分類しているから、項目が現場の順番で並んでいるんだ。
精神論や自慢話に流れがちだという違和感に、論理と体系で応えた本だね。
橘ナナミ
なるほど。でも、MBAのメソッドって小難しくないですか? 文系の私でも読みこなせるんでしょうか。
佐藤メバル
チャートでの表現を多用しているから、図を追えば流れはつかめるよ。実際のワークシートや管理帳票も例証されているので、抽象論で終わらない。
営業を軸に据えつつマネジメントにも深く触れているから、プレイヤーからリーダーになった人にも効く。読み物としての面白さは薄いけれど、実務で開く回数は一番多くなるタイプの本だ。

元リクルートNo.1の 日本で一番“効率”のよい営業法 (大和出版)
渡瀬謙 著|PHP研究所
半年間売上ゼロの「ダメ営業」だった著者が、いきなり全国トップになった方法を明かす一冊。鍵は努力の量ではなく“効率”、つまり努力の向き先を変えることにあると説きます。新規営業から商談、アフターフォローまで、シーンごとに自分の体験を交えながら具体的に解説する構成。根性で押し切る話ではなく、無駄な動きを削る視点が中心なので、がむしゃらさが空回りしている人ほど刺さります。売上ゼロの時期を知る人の言葉だから、明日の行動に落としやすいのが強みです。
こんな人におすすめ
人一倍動いているのに数字が伸びない営業、新規開拓で空振りが続く人、商談やアフターフォローの型を持ちたい若手、努力の方向を一度疑ってみたい中堅。シーン別に読めるので、翌日の訪問前に該当章だけ開く使い方も合います。
良い点
- 売上ゼロから全国トップの実体験が軸
- 新規からフォローまでシーン別に具体
- 努力の方向を疑う視点が得られる
気になる点
- 著者個人の体験談寄りの構成
- 環境が違うと再現に工夫が要る
- 体系的な理論書ではない
出版社
PHP研究所
発売日
2013年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「効率のよい営業法」って聞くと、手を抜く話に思えてしまうんですけど、そういうことではないんですよね?
佐藤メバル
そこは誤解されやすいところだね。著者には半年間売上ゼロだった時期がある。そこから全国トップになった鍵は、努力の量を増やすことではなく、向き先を変えることだったと書いている。
新規営業、商談、アフターフォローと、シーンごとに体験を交えて解説しているから、自分がどこで空回りしていたのかが具体的に見えてくるんだ。
橘ナナミ
体験談ベースなんですね。それだと、私みたいに別の業界にいる人でも使えるんでしょうか。
佐藤メバル
読み替えは要るけれど、売上ゼロの時期を知っている人の言葉だから、つまずきのリアルさは他の本より強い。
順番に読んで、自分の商談に置き換えながらメモするといい。理論として網羅したいなら体系化された本のほうが向くけれど、明日の訪問を変えたいならこの一冊が速いよ。

リクルート伝説の営業が初めて教える 必ず買う「3%のお客様」の見つけ方
西良旺子 著|日本実業出版社
¥1,448(税込)
「お客様の97%は、そもそも買う気がない」という前提から始まる一冊。だから全員に売り込むのではなく、必ず買う3%を見つけて、そこに営業をかける。著者はHot Pepperの営業で全国No.1を何度も獲得し、受注件数でも全国1位を続けた、リクルートで伝説として語り継がれる営業マンです。自分がどのタイプの営業かを知ることから、見つけ方、徹底の仕方、確実に買ってもらうポイント、場面別のセールストークまで段階を追う。3%に絞る発想の転換が、ムダな訪問に疲れた人に効きます。デビュー作で、元上司の寄稿も収録。
こんな人におすすめ
新規開拓で空振りが続く人、訪問件数は多いのに成約に結びつかない営業、自分の営業タイプを見直したい中堅、絞り込む勇気がほしいリーダー。場面別のセールストークを商談前の確認に使うのも向いています。
良い点
- 97%と3%という基準が明快
- 全国No.1の実績に裏づけられた具体策
- トーク例まで踏み込んでいる
気になる点
- 絞り込む前提なので網羅性は低い
- 対象外の顧客を切る判断が必要
- デビュー作ゆえ記述はシンプル
出版社
日本実業出版社
発売日
2018年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
97%は買う気がない、って言い切られると怖いくらいです。それって、ほとんどの営業は無駄ってことになるんですか?
佐藤メバル
無駄というより、相手を間違えると空振りになるよ、という話だね。著者はHot Pepperの営業で全国No.1を何度も取り、受注件数でも全国1位を続けた人だから説得力がある。
まず自分がどのタイプの営業かを知るところから始めて、3%の見つけ方、確実に買ってもらうポイント、場面別のトークへと順に進む構成なんだ。
橘ナナミ
3%に絞るって、なかなか勇気がいりますね。絞ったぶん、断られたときのダメージも大きくなりそうで……。
佐藤メバル
そこは逆で、絞るからこそ一人にかける手間を増やせる。この本の売りは、見つけ方だけでなく「失わない」ための実践トークまで書いていることだよ。
元上司の平尾さんの寄稿も入っていて、当時どう活躍していたかが外から見えるのも面白い。デビュー作なので、理論より実践の密度で読ませる一冊だね。

リクルートが教える営業マン進化術: 営業を極めればビジネスマンとして進化できる
中尾隆一郎 著|ぜんにちパブリッシング
副題は「営業を極めればビジネスマンとして進化できる」。この一言が、この本の立ち位置をはっきり示しています。売り方のテクニックを足すのではなく、営業という仕事そのものを突き詰めた先に、ビジネスマンとしての成長があるという見方です。営業の先にあるものを描く点で、数字の作り方に特化した実務書とも、部隊を扱うマネジメント論とも軸が違います。ページ数もあるので、じっくり腰を据えて読むタイプの一冊。商談の型を覚えた次の段階にいる人が、自分のキャリアを重ねながら読むと長く効きます。
こんな人におすすめ
営業の型は一通り覚えた中堅、この先のキャリアを考え始めた人、営業経験を別の職種に活かしたい人、後輩の成長を長い目で見たいマネジャー。腰を据えて通読し、自分の仕事観を書き留めながら読むのが合います。
良い点
- 営業の先のキャリアまで視野に入る
- 副題どおりの一貫した視点
- ページ数があり読み応えがある
気になる点
- 明日使えるノウハウ本ではない
- 具体的な事例の量は多くない
- 営業を始めたばかりの人には早い
出版社
ぜんにちパブリッシング
発売日
2003年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「営業を極めればビジネスマンとして進化できる」って副題が気になります。営業の本なのに、営業の外の話なんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の狙いだと思う。売り方を覚える、数字を上げる、で終わらせず、営業という仕事を突き詰めた先に何が残るのかを書いている。
テクニックを足すタイプの本とは軸が違うから、商談の型は一通り身につけた人が次に開くと、いちばん刺さるんじゃないかな。
橘ナナミ
じゃあ、営業を始めたばかりの新人が読むには、まだ早い感じですか? 最初の一冊にするには重いでしょうか。
佐藤メバル
早いというより、実践の材料にはなりにくい。具体的な手順を期待すると肩透かしかもしれない。でも、自分の仕事をどう捉えるかという土台は、早い段階で触れておいて損はないよ。
ページ数もあるから、一日一章ずつ、自分の経験と重ねながら読むのが向いている。急いで結論を取る本じゃないんだ。

トップ営業マンとして大切なことはみんなリクルートで教わった: 凄腕でもスーパーマンでもないボクの等身大感動営業術
江草三四朗 著|こう書房
¥2,302(税込)
著者が20代の大半を過ごしたリクルートで学んだ営業の心構えとノウハウを、基本から小技、荒業、決め技まで惜しみなく並べた一冊。タイトルどおり「凄腕でもスーパーマンでもない」等身大のスタイルで語るから、天才の成功談を読むより距離が近い。小技や荒業まで載っている点が実践的で、きれいごとでは済まない現場の手触りが残っています。新入社員から研修担当、就職活動中の学生まで対象に想定されているのも特徴。223ページと手頃な厚さで、通読もしやすい。
こんな人におすすめ
営業に配属されたばかりの新人、基本から小技まで一冊で押さえたい若手、後輩に読ませたい上司や研修担当、就職活動中に営業の実際を知りたい学生。223ページの分量なので、通読して付箋を貼る使い方が向きます。
良い点
- 基本から小技・荒業まで幅がある
- 等身大の語りで親しみやすい
- 新人が読む前提で書かれている
気になる点
- 体系立った理論書ではない
- 内容の粒度にばらつきがある
- 古い商習慣に感じる部分もある
出版社
こう書房
発売日
2006年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「等身大」って言葉がいいですね。スーパーマンじゃない人が書いているなら、私でも参考にできそうです。
佐藤メバル
そこがこの本の持ち味だね。著者は20代の大半をリクルートで過ごし、そこで学んだ心構えやノウハウを基本から小技、荒業、決め技まで出している。
きれいごとに寄せず、現場の手触りが残っているのがいいところ。営業職の方だけでなく、新人の部下を持つ上司や人事、就職活動中の学生まで想定されているのも分かりやすい。
橘ナナミ
荒業まで載っているんですね。逆に、きれいな理論を期待して読むと物足りなく感じることもありますか?
佐藤メバル
そうかもしれないね。粒度にも少しばらつきがあるから、体系で学びたい人には向かない。ただ、223ページと手頃だから、まず一冊通して付箋を貼り、自分の現場で試せそうなものを拾う読み方が合っている。
スーパーマンではない誰かが等身大で頑張っている話は、若手の背中を押してくれるよ。

リクルートの「強い営業」の生みの親が教える 最強の営業部隊のつくり方
寺岡晟 著|ソシム
「リクルートの強い営業」の基礎をつくったと言われ、100社以上の営業部隊の業績を一変させてきた著者のノウハウをまとめた一冊。最大の特徴は構成で、1章を1日として7日間の市場セミナー形式になっています。分厚い理論書を構えるより、一週間ぶんの日程に区切って進められるのがありがたい。対象は、これから営業所長になった人、所長を目指す人、成績が思うように上がらない所長。部隊のつくり方に焦点があるので、個人の売り方の本とは役割がはっきり違います。現場の所長が読む実務書として貴重な一冊です。
こんな人におすすめ
営業所長になったばかりの人、所長を目指すリーダー、チームの数字が伸びずに悩む管理者、営業組織を立て直したい経営者。7日間の日程をそのまま自分の予定に埋めて、施策を実行しながら読むのが合います。
良い点
- 1章1日の形式で進めやすい
- 100社以上の現場で検証されている
- 個人技でなく部隊づくりに特化
気になる点
- プレイヤー個人向けではない
- 所長経験がないと実感しにくい
- 分厚い体系書ではない
出版社
ソシム
発売日
2015年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「7日間の市場セミナー形式」って、どういう読み方なんですか? 1日で1章ずつ読んでいくイメージでしょうか。
佐藤メバル
そう、1章を1日として進める構成なんだ。対象は営業所長になる人や目指す人、数字が上がらない所長で、個人の売り方ではなく部隊のつくり方を扱う。
著者はリクルートの強い営業の基礎をつくったと言われる人で、100社以上の営業部隊の業績を変えてきた。
だから理屈より、現場でどう立て直すかが中心になっているよ。
橘ナナミ
プレイヤーとして数字を上げるのが得意な人が、所長になったタイミングで読む感じですか?
佐藤メバル
まさにそこなんだ。自分が売れても、部隊は売れてくれない。その差で最初につまずく人が多い。7日ぶんの日程を自分の1週間の予定に埋めて読むと、読み終わるころには施策の順番が見えてくる。
すでに所長を長くやっている人が、基本に戻るためにも使える本だよ。

リクルートの営業コンサルが教える 自分で動く若手営業の育てかた (日本経済新聞出版)
的場正人 著|日経BP
「いまどきの若者とうまくコミュニケーションがとれない」「ちゃんと教えているのに反応が薄い」「自分の数字で手一杯で育成に時間が割けない」——そんなマネジャーの悩みに答える一冊。特徴は、まず今の若手の考え方や行動パターンを文化の違いとして説明するところから始まる点です。育成担当ごとにばらついていたノウハウをパターンとして抽出し、誰でも使える形に落とし込む。トップ営業マン出身者ほど陥りがちなワナや、育成を丸投げされたときの対処まで書かれ、個人任せにせず組織でPDCAを回す視点が通っています。
こんな人におすすめ
若手を預かった営業マネジャー、育成担当を任された中堅、新人教育を属人化させたくない組織の責任者、後輩指導に悩むプレイヤー。丸投げされた場面の対処から読み始めると、翌日から使えます。
良い点
- 若手理解から始まる構成が親切
- 育成ノウハウをパターン化
- マネジャーの実務場面が豊富
気になる点
- プレイヤー向けの内容ではない
- 組織の前提が合わないと使いにくい
- 網羅より要点を絞った構成
出版社
日経BP
発売日
2018年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、マネジャー向けですよね。私にはまだ関係ないかなと思ったんですけど、「自分で動く」ってところが気になります。
佐藤メバル
そこが読ませどころだね。今の若手の考え方や行動を、まず文化の違いとして説明してくれる。そのうえで、育成担当ごとにバラバラだったノウハウをパターンとして抽出し、誰でもできる形に落としているから、指導に自信がない人でも入りやすい。
知識をパターン化することにかけては日本企業でもトップクラスのリクルートの手法を具体的に紹介しているのも大きいよ。
橘ナナミ
パターン化って、具体的にはどんな場面の話が出てくるんですか? 想像がつかなくて。
佐藤メバル
たとえば、一流の営業マンだった人ほど陥りがちなワナや、「○○くんの育成担当なのでよろしく」と丸投げされたときの対処など、場面がはっきりしている。
担当者個人任せにせず、組織全体で共有してPDCAを回すところまで広げているのが、他の育成本との違いだね。
若手側から読むと、上司が何を見ているのかも分かるよ。
![500社で実証済み 「売れ!」といわずに30日で「売れる営業チーム」をつくる法 リクルート5年連続[全国No.1]マネジャーが明かす驚異の実践メソッド (大和出版)](https://img.shelf-y.com/items/16014.jpg)
500社で実証済み 「売れ!」といわずに30日で「売れる営業チーム」をつくる法 リクルート5年連続[全国No.1]マネジャーが明かす驚異の実践メソッド (大和出版)
庄司充 著|PHP研究所
センスのいい営業がいない、いい人が来てくれない、教育の仕方が分からない、新人が育たない——そんな営業リーダーと経営者の悩みに応える一冊。準備期間わずか30日で、営業初心者を率いて結果を出し続けた著者が、リクルートが積み上げてきたものを体系的にまとめています。「売れ!」と言わずにというタイトルどおり、根性を煽るのではなく、売れる状態を仕組みでつくる発想が軸。門外不出と言われた内容を明かしたと謳うだけあり、実証を前提にチームの立て直し手順へ踏み込みます。
こんな人におすすめ
営業チームの数字にばらつきがあるリーダー、新規開拓の経験者がいない組織の責任者、教育の仕組みを持ちたい経営者、営業マネジャーになったばかりの人。30日の立て直し手順を自チームに当てはめて読むのが合います。
良い点
- チームづくりに特化した実践メソッド
- 30日という時間の目安が明確
- 多数の現場での実証を前提にしている
気になる点
- 個人の営業力の話は少ない
- 前提となる組織規模を選ぶ
- 根性論を求める人には不向き
出版社
PHP研究所
発売日
2010年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「売れ!」と言わずに、ってタイトルが面白いです。怒鳴ったり煽ったりしないでも、営業チームって育つものなんですか?
佐藤メバル
そこが肝で、気合いではなく仕組みで売れる状態をつくるという発想なんだ。準備期間わずか30日で、営業初心者を率いて結果を出し続けた著者が、リクルートが積み上げてきたものを体系的にまとめている。
センスのいい人がいない、教育の仕方が分からない、そんなリーダーや経営者の悩みに正面から答えているよ。
橘ナナミ
500社で実証済みというのも強いですね。でも、うちみたいな小さなチームでも同じように使えるんでしょうか。
佐藤メバル
規模より、どこから手をつけるかの順番が書かれていることが大事なんだ。いきなり全員を変えようとせず、30日という区切りで一つずつ整えていく。
門外不出と言われた内容を明かしたという触れ込みどおり、手順に踏み込んでいる。ただし個人の営業スキルを磨きたい人向けではないから、そこは目的で選んでほしいね。

リクルート式 燃える営業マンのつくり方
廣末好彦 著|中経出版
1億円のアイデアが続出する教育システム、役員の批判も許される「自由な発言の保証」、心理学を活用したモチベーションアップ法——タイトルどおり、人が燃える仕組みを扱う一冊です。著者はリクルートが成長の全盛を極めた時代に、8年間「人材教育プロデューサー」として参画し、人材育成に貢献した人物。東大で心理学を学んだ江副会長の考え方を軸に、リクルート式人材教育の本質を語ります。営業の技術ではなく、やる気と組織の空気をどう設計するかに重点がある点が、個人の売り方を扱う本との違いです。
こんな人におすすめ
営業組織の士気に悩むマネジャー、研修や人材育成を設計する人事担当、チームの空気づくりを任されたリーダー、教育に心理学の視点を取り入れたい人。教育システムの発想を自組織に置き換えて読むのが合います。
良い点
- モチベーション設計に特化している
- 全盛期の教育の内側が分かる
- 心理学の視点が入っている
気になる点
- 売り方のノウハウは少ない
- 時代背景が古く感じる箇所もある
- 大組織前提の記述がある
出版社
中経出版
発売日
2005年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「役員の批判も許される自由な発言の保証」って、営業の本なのに意外です。これは教育の話なんですね。
佐藤メバル
そう、この本は売り方ではなく、人が燃える仕組みを扱っている。1億円のアイデアが続出する教育システム、心理学を活用したモチベーションアップ法など、テーマは組織と人の設計だ。
著者はリクルートが成長の全盛を極めた時代に8年間、人材教育プロデューサーとして参画した人で、内側から見た記録になっているよ。
橘ナナミ
心理学というと、東大で心理学を学んだという江副会長の話も、やはり出てくるんですか?
佐藤メバル
そこが軸になっているね。東大で心理学を学んだ江副会長の考え方を踏まえて、リクルート式人材教育の本質を語っている。
個人の売り方を知りたい人には向かないけれど、士気が上がらない、研修が響かないと悩むマネジャーや人事には設計図として読める。
時代の空気を感じる箇所もあるけど、原理は古びないよ。

リクルート式!今からでも前を行く人をブチ抜く営業になる方法【実践編】
DT 著|Business Expert Consulting
リクルートで1500人の営業ランキングの最下位グループだった著者が、たった6か月で上位5%に入り、それを続けられた秘訣を公開する一冊。特徴は、ノウハウやスキルからではなく思考から入る点です。小手先のテクニックは現場で見抜かれ、信頼を失いかねない——その問題意識が根底にあります。思考編がシリーズの始まりと位置づけられ、この実践編で具体的な中身に入っていく。一般的なビジネス書が想定する読者層とは違う層に向けて書かれているという主張が、立場をはっきりさせています。
こんな人におすすめ
成績が伸びずに焦っている営業、研修や既存の営業本に物足りなさを感じている人、上位層の考え方を知りたい中堅、独立やキャリアアップを視野に入れた人。思考から入る構成なので、通読して自分の前提を疑う使い方が合います。
良い点
- 最下位からの逆転という立場が明確
- 思考から入る構成が特徴的
- 上位層を強く意識した視点
気になる点
- 著者の体験に基づく主張が中心
- 文体の強さが合わない人もいる
- 体系的な理論書ではない
出版社
Business Expert Consulting
発売日
2017年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1500人の最下位から6か月で上位5%って、すごい振れ幅ですね。でも「思考編」ということは、ノウハウはあまり載っていないんですか?
佐藤メバル
順番が逆なんだよ。小手先のスキルやテクニックだけを覚えても、現場では候補先に見抜かれて信頼を失いかねない。
だからまず思考から入る。この実践編は、その思考を土台にして具体的な中身へ進む位置づけで、著者が今も受注率を高い水準で維持しているという実感も重なっている。
橘ナナミ
一般的なビジネス書は役に立たない、という言い方も少し強いですよね。読んでいて身構えてしまいそうです。
佐藤メバル
そこは好みが分かれるところだね。ただ、ある程度の年収層を想定して作られた本では足りない、もっと上を狙うなら前提を変えようという主張が一貫している。
文体の強さが気にならない人には、自分の思い込みを外すきっかけになる。思考から入るぶん、読み切るには少し時間がかかるよ。

リクルートのトップ営業マン日記 (中経の文庫 た 3-1)
高城幸司 著|KADOKAWA(中経出版)
¥399(税込)
タイトルどおり、リクルートのトップ営業マンの日々を日記のかたちで綴る一冊。ノウハウを項目立てて整理した指南書ではなく、日々の記録として現場の空気が残っているところが持ち味です。同じリクルートものでも、仕組みや理論を扱う本とは読み味がはっきり違い、営業の一日がどう過ぎていくのかを追体験できる。文庫で255ページ、手に取りやすい価格なのも嬉しい点です。学習書として構えるより、寝る前に少しずつ読む。そんな読み方が似合う、数字や理論の前の実感を知りたい人向けの一冊です。
こんな人におすすめ
営業の日常を具体的にイメージしたい就活生や新人、体系書の前後に軽く読みたい人、文庫で気軽に持ち歩きたい読者、営業マネジャーとして部下の一日を知りたい人。寝る前の少しずつの読書にも合います。
良い点
- 日記形式で読み進めやすい
- 現場の空気が伝わってくる
- 文庫で持ち歩きやすい
気になる点
- 体系的なノウハウは得にくい
- まとめや結論を求める人には不向き
- 書かれた年代を意識する必要
出版社
KADOKAWA(中経出版)
発売日
2007年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、文庫で手に取りやすい価格なんですね。日記形式ということは、ノウハウを学ぶ本ではないんでしょうか?
佐藤メバル
そこは期待の仕方を分けたほうがいいね。項目立てて整理した指南書ではなく、トップ営業マンの日々が日記として綴られている。
だから数字の作り方より、営業という一日がどう過ぎていくのか、現場の空気が残っている。体系書を読む前後に挟むと、頭で覚えたことが急に生々しくなるよ。
橘ナナミ
なるほど、小説に近い読み心地かもしれないですね。寝る前に少しずつ読むのもよさそうですし、通勤中でも読めそう。
佐藤メバル
その読み方がいちばん合うと思う。255ページで持ち歩きやすいから、鞄に入れておくのもいい。まとめや結論を求める人には向かないけれど、営業の実感を知りたい人、これから営業に配属される人には効くよ。
手軽だからと軽く見ていると、意外と刺さるんだ。
90日で読む「リクルート営業」読書ロードマップ
佐藤メバル
順番に迷うなら、90日を3つの期間に分けるといい。最初の30日は、的場正人さんの『リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること』か江草三四朗さんの本で、習慣と心構えの土台をつくる。次の中30日で、渡瀬謙さんの営業法や西良旺子さんの『必ず買う「3%のお客様」の見つけ方』に進み、自分のトークとアプローチを型にはめる。
橘ナナミ
最後の30日は組織の話ですか。
佐藤メバル
そう。締めの30日で、大塚寿さんの理論書や寺岡晟さんの部隊づくりの本、庄司充さんの『「売れ!」といわずに30日で「売れる営業チーム」をつくる法』に進む。ここで営業ファネル——開拓、商談、クロージング、継続——に自分の行動を当てはめて、どの工程が弱いかを書き出す。同じ12冊でも、読む順番を変えるだけで学び方が変わるよ。
橘ナナミ
90日で3冊なら、忙しくても続けられそうです。
リクルート式は古いのか——現代のインサイドセールスへの橋渡し
橘ナナミ
ここが気になっていたんですけど、リクルート式の営業って、電話でがむしゃらに架電する時代のものでは? インサイドセールスや分業型の営業が主流の今でも役立つんでしょうか。
佐藤メバル
いい質問だね。役割の分け方が変わっただけで、土台は残っている。たとえば『必ず買う「3%のお客様」の見つけ方』の考え方は、インサイドセールスが対象を絞り込む作業とそのまま重なる。『リクルート流 「最強の営業力」のすべて』のように仕事を分解して技術に落とす姿勢は、営業プロセスを分業する現代の設計と相性がいい。
橘ナナミ
なら、そのまま使えるんですね。
佐藤メバル
いや、そこは慎重に。根性で架電量を増やす前提のノウハウをそのまま持ち込むと、今の顧客には響かない。読みながら「この部分は誰が担う役割か」を置き換えていく作業が必要だよ。昔のやり方を否定するのではなく、担当する工程を入れ替えて読む。これが2020年代の正しい付き合い方だと思う。
誰が書いているか——著者の系譜と、営業以外への広がり
佐藤メバル
このジャンルは著者の系譜を見ると理解が早い。リクルート出身のMBAホルダーとして研修を手がけてきた大塚寿さん、Hot Pepperで全国トップを重ねた西良旺子さん、半年間売上ゼロから全国トップになったと語る渡瀬謙さん、リクルートの「強い営業」の基礎をつくったと言われる寺岡晟さん、5年連続で全国No.1マネジャーだった庄司充さん、人材教育プロデューサーとして8年間関わった廣末好彦さん。現場の個人成績から入る人と、教育・組織の側から入る人に分かれるのがおもしろいところだね。
橘ナナミ
的場正人さんは、個人の習慣の本と、育成の本の両方を書いていますよね。
佐藤メバル
そう。『リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること』で自分の成長を扱い、『自分で動く若手営業の育てかた』で人を育てる側に視点を移している。リクルート式の思考から生まれた廣末好彦さんの『リクルート式 燃える営業マンのつくり方』や、1500人のランキング最下位から上位5%に入った経験を思考から説くDTさんの実践編も、切り口はまったく違う。
橘ナナミ
同じ会社の話でも、入り口がこんなに違うんですね。
佐藤メバル
そう。で、ここが大事なんだけど、これらの本は「個人の成果をどう組織に移すか」というテーマを共通して持っている。だから営業職を離れて事業をつくるときや、人を採用して育てるときにもそのまま効く。就活や転職で企業研究をしたい人が、営業の現場がどう動いているかを知る入口にもなる。営業のためだけの本だと思って敬遠するのは、もったいないよ。
よくある質問
リクルートの営業本は何から読むべき?
橘ナナミ
リクルートの営業本は何から読むべきについて教えてください。
佐藤メバル
まず自分の立場で決めるのが早道です。新人なら的場正人『リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること』、自分で新規を追う段階なら西良旺子『必ず買う「3%のお客様」の見つけ方』、人を育てる立場なら的場正人『自分で動く若手営業の育てかた』が入り口になります。1冊を読み切ってから次を選ぶと、内容が混ざらず身につきます。
リクルート営業本は古い? 今でも役立つ?
橘ナナミ
リクルート営業本は古い? 今でも役立つについて教えてください。
佐藤メバル
土台は役立ちますが、読み替えは必要です。顧客を絞り込む考え方や、仕事を分解して技術に落とす姿勢は、分業型のインサイドセールスと重なります。一方、架電量を根性で増やす前提の記述は、そのまま持ち込むと今の顧客には響きにくい。自分が担う工程に置き換えて読むのがコツです。
営業初心者・新人におすすめの1冊は?
橘ナナミ
営業初心者・新人におすすめの1冊はについて教えてください。
佐藤メバル
的場正人『リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること』です。6つの習慣が成長の順番で並び、現場から拾ったリアルなケースで構成されているので、落ち込んだ日に開いても方向が戻ります。等身大の語り口が好みなら、江草三四朗『トップ営業マンとして大切なことはみんなリクルートで教わった』も読みやすいです。
絶版になったリクルート営業本はどこで買える?
橘ナナミ
絶版になったリクルート営業本はどこで買えるについて教えてください。
佐藤メバル
まず版元のサイトで新刊の有無を確認し、無ければ図書館の取り寄せ、電子書籍、中古の順で探すとよいです。中古は価格が上がっていることがあるので、急がずに図書館を先に試しましょう。文庫サイズの本は見つかりやすいこともありますが、状態は必ず確認してください。
Kindle Unlimitedやオーディオブックで読める本はある?
橘ナナミ
Kindle Unlimitedやオーディオブックで読める本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
配信状況は時期によって変わるため、断定できません。まず利用中のサービスの検索窓で書名を入れて確認し、無ければ電子書籍の単品購入か紙を選ぶ流れになります。耳で聴きたい人は、音声対応かどうかを版元やストアの商品ページで必ず確認してください。
リクルート出身の著者には誰がいる?
橘ナナミ
リクルート出身の著者には誰がいるについて教えてください。
佐藤メバル
この記事で扱う本の範囲だと、大塚寿さん、渡瀬謙さん、西良旺子さん、寺岡晟さん、庄司充さん、廣末好彦さん、江草三四朗さん、的場正人さん、DTさん、そして『リクルートのトップ営業マン日記』の高城幸司さんが挙げられます。個人成績から入った人と、教育や組織の側から見た人で切り口が分かれます。
営業以外のキャリアや転職にも役立つ?
橘ナナミ
営業以外のキャリアや転職にも役立つについて教えてください。
佐藤メバル
役立ちます。『自分で動く若手営業の育てかた』や『「売れ!」といわずに30日で「売れる営業チーム」をつくる法』は、採用して育てる立場になったときの土台になります。『リクルート流 「最強の営業力」のすべて』のように仕事の進め方を分解した本は職種を問いません。企業研究の入口としても使えます。
何冊くらい読めば営業力は身につく?
橘ナナミ
何冊くらい読めば営業力は身につくについて教えてください。
佐藤メバル
冊数より、読んだあとに行動を1つ変えたかどうかです。1冊読み終えるたびに、営業ファネルのどこを変えるかを1行書く。それを90日続けて3冊、自分の層に合った本を選ぶだけで、独学でも十分に型がつきます。たくさん買って読まないより、1冊を現場で使い切るほうが強いです。
まとめ
橘ナナミ
12冊も並ぶと、読む前からお腹いっぱいな気がしてきました。
佐藤メバル
全部読む必要はないよ。今日話したのは、棚の地図を渡しただけだ。まず自分が「新人なのか、中堅なのか、人を育てる側なのか」を決めて、その層の1冊だけ選ぶ。読み終えたら、営業ファネルのどこが変わったかを1行書く。それだけで次の1冊が決まる。
橘ナナミ
1冊ずつでいいんですね。なんだか安心しました。
佐藤メバル
そう。書店員時代、リクルート本をまとめて買っていく新人を見たけれど、だいたい読まずに本棚の飾りになっていた。あれは品揃えの見せ方も含めて、僕の売り方が下手だったという反省が混ざっているのだけれどね。
橘ナナミ
佐藤さんらしい話です。
佐藤メバル
リクルートの営業本は、いわば先輩のカバンの中身を見せてもらうようなものだ。手帳、名刺入れ、ヨレた資料、お守りのように入っているボロボロのメモ。全部を一度に自分のカバンに入れる必要はない。今日はひとつだけ入れて、明日の商談に持っていく。その繰り返しが、いちばん強い読み方だと思うよ。
