セールスフォース営業本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマ「セールスフォース 営業 本」なんですけど、調べてみたら出てくる本がバラバラで……Salesforceの操作本と営業論とCRMの本が混ざっていて、どれから読めばいいのか分からなくなりました。
佐藤メバル
そこがこのテーマでいちばん難しいところだね。求められているものが3つに分かれている。Salesforceというツールの理解、Salesforceが広めた営業プロセスの理解、そして会社そのものの物語だ。
橘ナナミ
会社の物語……『クラウド誕生 セールスフォース・ドットコム物語』や『クラウドの象徴 セールスフォース』のことですか?
佐藤メバル
そう。前者はベニオフ氏自身が、賃貸マンションの1室から始まった会社の歩みと、自ら編み出した経営管理ツールV2MOMを語った本。後者は西田宗千佳さんが同社の実像を外から追いかけた一冊だ。ただ、これは“営業のやり方”を学ぶ本ではない。目的をはき違えると「思ってたのと違う」になりやすい。
橘ナナミ
じゃあ営業を学びたい人は、どこから入ればいいんですか?
佐藤メバル
軸は『THE MODEL』と『訪問しない時代の営業力強化の教科書』。ここから枝分かれしていく。順番の話はこのあとたっぷりやろう。
セールスフォース営業本の選び方
目的別 ― スキルか、組織設計か、システム実装か
橘ナナミ
目的別って言われても、まだふわっとしてるんですけど……。
佐藤メバル
3つに割り切ると選びやすい。自分の商談力を上げたいなら『BCG流 戦略営業』や『最強の営業戦略』。組織を変えたいなら『セールスフォース式 売れる組織に変える9の方法 SALES MACHINE』や『営業は仕組みで9割決まる』。Salesforceを触る・作る立場なら『図解入門 よくわかる 最新 Salesforceの導入と運用』や『Salesforce運用保守ガイド』だ。
レベル別 ― 未経験・1年目・マネージャー・管理者
橘ナナミ
未経験でも読める本はありますか? 私、Salesforceを触ったことがなくて。
佐藤メバル
『図解入門 よくわかる 最新 Salesforceの導入と運用』がいい。CRM・SFA・MAの違いから、製品構成、オブジェクト、レポートとダッシュボード、プロセスの自動化まで、実際の画面とともに追える超入門書だ。1年目で数字を作る段階なら『THE MODEL』、マネージャーなら『セールス・イネーブルメント』、管理担当なら『Salesforce運用保守ガイド』だね。
形式別 ― 翻訳書と国内実践書をペアにする
橘ナナミ
翻訳書と国内の実践書、どちらを選べばいいんでしょう。
佐藤メバル
片方だけだと偏るから、2冊1セットで考える。たとえば『カスタマーサクセス』でサブスクリプション時代の原則を掴んでから、『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』で自社の組織に落とす。原典で考え方を、国内実践書で手順を取るイメージだね。
鮮度別 ― 画面の本は今の環境と照らす
橘ナナミ
古い本は避けたほうがいいんですか?
佐藤メバル
一律には言えないよ。思想や原理を扱う本は古びにくい。逆に画面や機能を扱う本は、今の自分の環境と照らしてから選ぶ。『Salesforce運用保守ガイド』のように、ワークフロールールとプロセスビルダーの廃止といった世代の変化に触れている本は、鮮度を見る目印になる。
役割別 ― IS/SDR・FS・営業企画・管理者
橘ナナミ
インサイドセールスとフィールドセールスでも違いますか?
佐藤メバル
違うね。インサイドセールスなら『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』。立ち上げからKPI、チームマネジメントまで、セールスフォースとビズリーチで部隊を作った経験に基づいている。営業企画なら『SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力』や『実践・営業デジタルシフト』で、施策とシステムを結ぶ視点を持つといい。
橘ナナミ
Salesforceの管理者なのに、営業の本を読む意味ってあるんですか?
佐藤メバル
あるよ、むしろ近い。『CRMの基本』や『CRM完全講義』で顧客をどう捉えるかを知らないと、項目の設計がただの作業になってしまう。『訪問しない時代の営業力強化の教科書』はセールスフォース・ドットコム自身の本で、SFAやMAが現場でどう使われる前提なのかが分かる。
フェーズ別 ― 立ち上げ期・拡大期・定着期
橘ナナミ
導入したばかりの会社と、もう回っている会社でも違いますよね。
佐藤メバル
立ち上げ期は『売れる組織に変える! BtoB営業の仕組み化戦略』で役割と流れを決める。拡大期は『セールス・イネーブルメント』で育成の仕組みを整える。定着期は『Salesforce運用保守ガイド』や『SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力』で、使われ続ける状態を守る。フェーズを間違えると、いい本でも刺さらないんだ。
セールスフォース営業本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
セールスフォース営業本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

セールスフォース式 売れる組織に変える9の方法 SALES MACHINE
アーロン・ロス 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
創業期のセールスフォースで、数年で売上1億ドルをもたらした手法を著者自身が分解した一冊。鍵はコールドコール2.0と呼ばれる型で、9%という高い反応率と数百万ドルを生むアウトバウンドのプロセスを、掛け算ではなく手順として示す。当てずっぽうの売り込みやお願い営業を排し、見込み客の開拓から成約までを再現可能にする。トップが繰り返す8つの致命的な間違い、従業員をミニCEOにする育成論まで含み、営業組織論と実行手順を一冊でつなぐ構成は類書と一線を画す。
こんな人におすすめ
SaaSやBtoBで、勘と根性の営業から抜け出したい営業責任者。インサイドセールス立ち上げ前で、接触の反応率に悩む担当者。部門をまたいで営業プロセスを設計したい経営層にも向く。
良い点
- 創業期の実体験ベースで具体的
- 手順として再現できる構成
- 育成と組織論までカバー
気になる点
- 邦題から中身が伝わりにくい
- コールドコール前提の章が長い
- 日本の商習慣との差は自分で調整
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
セールスフォースの中の人が書いた営業の本なんですね。ツールの解説かと思ったら違うんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。これはツールの解説書じゃなくて、創業期のセールスフォースで実際に売上を伸ばした人が、営業の手順そのものを書いた本なんだ。
著者のアーロン・ロスは、数年で売上1億ドルを生んだ仕組みを分解していて、柱になるのが「コールドコール2.0」という型。
高い反応率を出す進め方や、トップが繰り返す8つの間違いまで、現場の言葉で書かれている。
橘ナナミ
「お願い営業」じゃダメってよく聞きますけど……じゃあ代わりに何をするんですか?
佐藤メバル
見込み客を選び、接触の順番を決め、反応を数字で見て直す。要するに当てずっぽうをやめて、合理的なセールスの仕組みに置き換えることなんだ。
書店員時代、気合の営業が強い棚ほど、担当者が辞めた瞬間に数字が落ちるのを見てきた。この本は「誰がやっても回る形」にするところまで書いてある。
第7章の組織論と、従業員をミニCEOにする話はマネージャーにこそ読んでほしい。

図解入門 よくわかる 最新 Salesforceの導入と運用 (How-nual Visual Guide Book)
長谷川慎 著|秀和システム
¥2,420(税込)
CRM・SFA・MAとして世界15万社以上が導入するSalesforceについて、基礎知識から製品構成、オブジェクト、画面構成、レポートとダッシュボード、標準オブジェクトの登録、カスタムオブジェクト、プロセスの自動化、AppExchange、認定資格までを実際の画面とともに解説する超入門書。用語の意味から始めて設定画面で確認する順番なので、独学でも迷いにくい。導入前に何ができるかを知りたい人と、管理者を目指す人の両方に効く。物語や経営論ではなく、手を動かす前提の教科書である点が他書と異なる。
こんな人におすすめ
Salesforceをこれから学ぶ初学者、導入を検討する担当者、画面操作から理解したい独学者、認定資格の学習を始めたい人に向く。
良い点
- 画面つきで操作が頭に入る
- 用語から設定まで一冊で網羅
- 目次が学習順に並んでいる
気になる点
- 読み物としての面白みは薄い
- 仕様変更で古くなる部分がある
- 実務の設計判断は別途必要
出版社
秀和システム
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
そもそもSalesforceって、名前は聞くけど何ができるんですか?
佐藤メバル
そこから知りたい人にちょうどいい一冊だよ。CRM、SFA、MAという三つの役割を、実際の画面と一緒に説明してくれる。
用語の定義から始めて、オブジェクトの設定やレポート作成まで順に進む構成だから、読み終わる頃には何ができて何ができないかを自分で判断できるようになる。
橘ナナミ
プログラミングの知識がなくても大丈夫ですか?
佐藤メバル
大丈夫。この本はコードを書く話ではなく、標準オブジェクトに取引先や取引先責任者を登録するところから始まる。
レポート、ダッシュボード、承認プロセス、プロセスビルダーと、管理画面の操作が中心だ。巻末には学習用コンテンツと用語集もついている。
第15章では認定資格やコンサルティングパートナーにも触れているから、転職や社内異動を考えている人にもいいね。

第3巻: 顧客関係管理 (CRM) - Salesforce Sales Cloud & Service Cloud 大企業向けITソリューション百科事典 (大企業のためのIT戦略 PLAYBOOK 大企業向けITソリューション百科事典)
大垣伸悟 著|GiGAthlete出版
Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud、Salesforce Platformまでを視野に、自動車メーカー、製薬会社、建設会社などでの導入支援やアジャイル開発の事例を交えて解説する実践ガイド。ツールの機能説明より、どう適用して業務を変えたかに紙幅を割いている点が特徴で、チェックリストやテンプレートを付録に収める。AI、IoT、ブロックチェーンなど統合される技術と、デジタルトランスフォーメーションの中での位置づけまで踏み込むため、導入後の運用設計を任された人の地図になる。
こんな人におすすめ
大規模組織でSalesforce導入を検討する経営者やITマネージャー、導入プロジェクトのコンサルタントやエンジニア、全社展開の設計を任された担当者。
良い点
- 業界別の導入事例が具体的
- チェックリスト等の付録が実務的
- 最新技術との統合まで言及
気になる点
- 初心者には前提知識が要る
- 価格やページ数が明示されない
- 小規模組織には大げさな部分も
出版社
GiGAthlete出版
発売日
2024年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
Salesforceの本って、入門書と実務書でだいぶ違うんですね。これはどっちですか?
佐藤メバル
実務寄りだね。Sales CloudとService Cloudを軸に、Marketing CloudやSalesforce Platformまで視野に入れて、導入して業務をどう変えるかを書いている。
著者は自動車メーカー、製薬会社、建設会社などで導入支援やアジャイル開発を手がけてきた人で、その現場の話が具体的なんだ。
橘ナナミ
アジャイル開発って、Salesforceの導入とどう関係するんですか?
佐藤メバル
導入は一回やって終わりじゃないからね。要件を固めて一括で作るより、小さく出して現場の反応を見ながら直すほうが合う。
だからこの本は進め方のステップとベストプラクティス、そしてチェックリストやテンプレートを付録に置いている。
AIやIoTと統合した先の話まで入っているのは、数年後を見据えたい人向けだよ。

セールスフォース・ドットコムの挑戦 世界は顧客が変える
日経ビジョナリー経営研究所 著|日経BP
¥1,137(税込)
年に一度の大規模イベント「ドリームフォース」のルポから、CEOの口癖が「顧客」と「信頼」であること、ソニーやホンダのような二人三脚の姿勢、顧客をキーワードにしたM&Aまでを描く。後半は損害保険ジャパン、サトーホールディングス、鶴巻温泉元湯陣屋の経営者らの挑戦記を通じ、買い手が強い「顧客の時代」に日本企業がどう応えるかを問う。ツール解説ではなく、経営の視点で読む一冊だ。
こんな人におすすめ
顧客起点の経営改革を考えたい経営層、自社のCRMの目的を言葉にしたい担当者、日本企業の変革事例を知りたい読者。
良い点
- ドリームフォースの臨場感がある
- 日本企業の事例が身近
- 顧客志向を経営論として整理
気になる点
- 操作や設定の話は皆無
- 刊行からの時間経過は意識したい
- 事例の詳細はやや簡潔
出版社
日経BP
発売日
2016年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、Salesforceの会社の本ですよね? なんだか経営の本みたいに見えます。
佐藤メバル
まさに経営の本なんだ。年一回の巨大イベント「ドリームフォース」のルポから始まって、創業時から顧客志向を掲げ続ける姿勢、ソニーやホンダのような二人三脚の関係、顧客というキーワードでのM&Aまでを追う。
買い手が強い「顧客の時代」が来たという視点で、日本企業がどう応えるかを考えさせる。
橘ナナミ
日本企業の話も出てくるんですか?
佐藤メバル
出てくるよ。損害保険ジャパンの西澤さん、サトーホールディングスの松山さん、鶴巻温泉元湯陣屋の宮﨑さんといった経営者たちが、お客様の変化にどう対応したかを語っている。
CRMを入れる前に、うちは誰のために変わるのかを言葉にしたい人に読んでほしいな。

クラウド誕生 セールスフォース・ドットコム物語―
マーク・ベニオフ 著|ダイヤモンド社
¥6,741(税込)
賃貸マンションの一室から始まったセールスフォースが、10年足らずで世界でもっとも成長の速いソフトウェア企業になるまでの物語を、会長兼CEOのマーク・ベニオフ自身が明かす。2001年のITバブル崩壊をどう乗り切ったか、業務用ソフトをサービスとしてインターネット越しに提供するという発想をどう発明したかが軸。経営管理ツールV2MOMや、従業員を奮い立たせ顧客を伝道者にする戦略まで語られ、起業家の指南書として読める。ツール入門書とは役割が違う。
こんな人におすすめ
起業家や経営者、組織の理念と優先順位を言語化したいリーダー、クラウドの成り立ちとクラウド革命のリーダーが生まれた過程を知りたい人。
良い点
- 創業者本人の一次証言
- V2MOMなど独自の経営手法
- バブル崩壊期の意思決定が学べる
気になる点
- 読み応え重視で分量が多い
- 技術の現在地は別途補いたい
- 自賛的なトーンが含まれる
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2010年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
けっこう高い本ですね……それだけの価値があるんですか?
佐藤メバル
厚みと中身で選ぶ本だね。これは創業者のマーク・ベニオフ本人が、賃貸マンションの一室から始めて、10年足らずで世界でもっとも成長の速いソフトウェア企業になるまでの話を書いている。
2001年のITバブル崩壊をどう乗り切ったかが生々しくて、そこが読みどころなんだ。
橘ナナミ
会社の話だけじゃなくて、経営のノウハウも入っているんですか?
佐藤メバル
入っているよ。自分で編み出した経営管理ツールV2MOMは、理念や優先順位を五つの問いで揃える仕組みとして知られている。
従業員を奮い立たせ、顧客を伝道者にし、パートナー企業のエコシステムを活用する戦略も書かれている。ただ本人の物語だから自賛的な匂いはある。
そこを差し引いても、起業や組織づくりを考える人には効く一冊だよ。

クラウドの象徴 セールスフォース
西田宗千佳 著|インプレス
¥1,760(税込)
オバマ大統領の政権移行チームが採用し、米国ではスターバックスやデル、NASA、国務省、財務省、国防総省、米軍まで幅広く使われ、日本でも自治体の定額給付金システムやエコポイントで採用された——その広がりを、ジャーナリストの視点で追う。創業者による内側の物語ではなく、外から見た企業の実像である点が類書との違い。社会貢献を企業目標に掲げる姿勢にも触れ、巻末には無料トライアルを試すための手順も付く。
こんな人におすすめ
同社の実像を外から確かめたい人、公共分野でのクラウド活用に関心のある読者、導入前に採用事例を広く知りたい担当者。
良い点
- 行政や公共の採用事例が豊富
- ジャーナリスト視点で客観的
- 巻末のトライアル手順が実用的
気になる点
- 刊行後の広がりは反映されない
- 設定の詳細は学べない
- 物語性は創業者本に劣る
出版社
インプレス
発売日
2009年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきのベニオフさんの本と、これは何が違うんですか?
佐藤メバル
視点の位置が違うんだ。ベニオフ本は創業者が内側から語る物語。こちらは西田宗千佳さんというジャーナリストが外から同社を追った取材記なんだね。
オバマ大統領の政権移行チームが採用したという話や、NASA、国務省、国防総省、米軍での利用、日本だと自治体の定額給付金やエコポイントの事例が並ぶ。
橘ナナミ
公共の仕事で使われるのって、珍しい気がします。
佐藤メバル
そこが当時は画期的だったんだ。不況を追い風に伸びる理由を、社会貢献を企業目標に掲げる姿勢も含めて書いている。
巻末には無料トライアルを体験するための手順もついているから、読んで終わりじゃなくて触って確かめられる。
導入を検討している担当者が、社内説明の材料にするのにも向いているよ。

Salesforce運用保守ガイド
長谷川慎 著|秀和システム新社
¥3,300(税込)
組織の設定、ユーザとプロファイル、権限セット、共有設定、商談やケースの設定、Chatter、データローダ、レポート、フロービルダー、AppExchange、ApexとVisualforceまで、運用保守に必要な機能設定とメンテナンス方法を認定コンサルタントが解説する。日々の管理業務の手順書として使える構成で、全体像も学べるため認定アドミニストレーターの参考書にもなる。ワークフロールールとプロセスビルダーの廃止といった更新点に触れているのが実務的だ。
こんな人におすすめ
社内でSalesforceのシステム管理を任された担当者、認定アドミニストレーターを目指す学習者、運用フェーズに入った導入企業の管理者。
良い点
- 管理業務の手順が網羅的
- 廃止機能など更新情報に触れる
- 資格の登竜門対策にもなる
気になる点
- 入門書ではないので前提が要る
- 画面の変化で誤差が出うる
- 経営視点の話は少ない
出版社
秀和システム新社
発売日
2023年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
導入したあとに困る、っていう話をよく聞きます。そういう本なんですか?
佐藤メバル
まさにそこを埋める本だね。Salesforceは入れて終わりじゃなくて、組織の設定、ユーザや権限、共有設定、商談やケース、データの取り込み、レポートと、守るべき範囲が広い。
この本は日々の管理業務を手順として並べているから、担当になった人が辞令一枚で放り込まれても、まずここを開けばいい。
橘ナナミ
資格の勉強にも使えるって本当ですか?
佐藤メバル
使えるよ。全体像を学べる構成になっていて、認定アドミニストレーター、いわゆる管理者資格の参考書としても薦められている。
ワークフロールールとプロセスビルダーの廃止のように、昔の本だと古くなる話も拾っているのがありがたい。
ただし入門書ではないから、まず全体像をつかんでから、この本で管理の実務に入る順番がいいね。

SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力
早川圭一 著|クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
¥1,958(税込)
「導入したのに活用できない」「営業が使ってくれない」という悩みから始まり、100社あれば100通りの成功法があるという前提で、情報を武器化している企業の7つの共通点を整理する。戦略を現場に周知し、共有し、行動に移し、モニタリングし、改善を回すという一連の流れを示し、組織パワーが変革の邪魔をする現場の現実にも触れる。導入の成否を助走・離陸・上昇・安定の段階で捉える、ツール選定前の一冊。
こんな人におすすめ
SFAやCRMが定着せず悩むマネージャー、ツール選定の判断基準を持ちたい担当者、営業改革の旗を振る経営層。
良い点
- 定着しない原因を正面から扱う
- 7つの共通点で整理されている
- 導入前の準備に強い
気になる点
- 設定の具体手順は扱わない
- どちらかと言えば管理職向け
- 事例の詳細は限られる
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日
2021年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
SFAって入れれば便利になるんじゃないんですか? 使われないって話、不思議です。
佐藤メバル
そこがこの本の出発点なんだ。SFAやCRMは入れるか入れないかを考えるものじゃなくて、何のために営業とマーケティングの現場がどう動くべきかを先に決めるものだ、という立場で書かれている。
情報を武器化している企業の共通点が7つに整理されていて、周知、共有、行動、モニタリング、指標、数値、改善という順で並ぶ。
橘ナナミ
うちの会社、ツールを選ぶ話ばかりしている気がします……。
佐藤メバル
順番が逆なんだね。100社あれば100通りの成功法があるから、性格の違う会社に同じやり方を押しても決まらない。
この本は助走、離陸、上昇、安定という段階で導入の成否を捉えている。ツールを選ぶ前に、自社は何をすべきかを言葉にしたい人に向いているよ。

CRMの基本 (この1冊ですべてわかる)
坂本雅志 著|日本実業出版社
¥2,100(税込)
ポイントカードや会員プログラムだけでなく、Amazonのレコメンド、Googleの行動ターゲティング広告、携帯電話会社の割引施策までをCRMとして捉え、顧客との長期的で良好な関係を築く戦略としての基本を解説する。顧客識別のプロセス、デシル分析やRFM分析といった顧客分析の手法、優良顧客への差別化対応、データの収集・管理・活用までを、ビッグデータやO2O、ソーシャルメディアの変化も踏まえて整理した網羅性の高い入門書だ。
こんな人におすすめ
CRMという言葉を体系的に押さえたい初学者、経営者やコールセンター担当者、顧客分析の手法名から学びたい人。
良い点
- 基本から最新動向まで一冊
- 分析手法の名前と用途が学べる
- 有名企業の実例が身近
気になる点
- 実装の手順までは踏み込まない
- ツール固有の話は少ない
- 事例の深掘りは控えめ
出版社
日本実業出版社
発売日
2014年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
CRMって、会員カードを作る施策のことだと思っていました。
佐藤メバル
それは一部だね。この本は、Amazonのレコメンド機能も、Googleの行動ターゲティング広告も、携帯電話会社の割引施策もCRMとして並べていく。
企業と顧客の長期的な関係を築く戦略という捉え方で、その範囲の広さを見せてくれるんだ。
橘ナナミ
デシル分析とかRFM分析とか、聞いたことはあるんですけど……。
佐藤メバル
この本はそこを丁寧に扱うよ。デシル分析は顧客を購買額の順に並べて上位がどれだけ売上を作っているかを見る、RFM分析は最終購買日・頻度・金額で分ける。
そうした顧客識別と分析の手法、優良顧客への差別化対応、データの収集と活用まで基本から説明している。ICTの革新でCRMの環境が激変したという現在地も押さえられる。

CRM完全講義: 初心者からプロまで学べる顧客管理の教科書
基山徹 著
「顧客リストはあるのに売上につながらない」という現場の症状から始まり、CRMをツール名ではなく顧客を資産として測り育てる経営の技術として定義する。測る、設計する、導入する、回す、直すという五つの技能を軸に、LTVやRFM、NPS、1:5の法則、5:25の法則、グッドマンの法則など会議で引用される数字と法則を約50本収録。実務用語300以上を初出で定義し、全22章に演習を付ける構成は独学の教材として際立つ。
こんな人におすすめ
会社から顧客管理を任された担当者、CRMツールの導入を検討しベンダーと対等に話したい人、勘と気合の限界を感じている営業やマーケティングの担当者。
良い点
- 用語300以上を初出で定義
- 法則と数字が実務で引用できる
- 導入・定着と処方箋の部が独立
気になる点
- 演習をこなすには時間が要る
- 分量が多く通読は重い
- ツール操作の画面解説はない
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
展示会でもらった名刺が引き出しに眠ってる……って、うちの研究室の先輩みたいで笑ってしまいました。
佐藤メバル
そういう現場の景色から始まる本なんだ。CRMをツールの名前じゃなくて、顧客を資産として測り、育てる経営の技術として置き直す。
だから最初に「測る」が来る。LTVやRFM、NPSで顧客を数字で見るところから始めて、設計、導入、運用、そして直すところまで五つの技能として並べている。
橘ナナミ
数字と法則が約50本って、そんなに覚えられるんですか?
佐藤メバル
覚えるためじゃなく、会議で引用するために載っているんだ。1:5の法則、5:25の法則、グッドマンの法則、LTVの計算式——意味と使いどころがついているから、議論の土台にできる。
用語は300以上を初出で定義して、巻末に章対応の用語辞典を置いている。多くの本が避ける「導入と定着」「うまくいかないときの処方箋」に独立した部を割いているのが、この本のいちばん誠実なところだね。

CRM: 顧客はそこにいる (BEST SOLUTION)
村山徹 著|東洋経済新報社
¥2,736(税込)
顧客の選別、顧客ニーズの集約、顧客との関係維持という三つの論点を、ITの活用によって効率よく成果に結びつける戦略的システムとして解説する。誰を顧客にするかを決めるところから始まる構成で、競争優位をどう確定させるかに焦点を当て、実例を交えて説明する。手法の名前を並べる入門書とは違い、経営判断としてのCRMを扱う一冊。理論と事例のバランスを重視する読者に向く。
こんな人におすすめ
顧客の選別基準を経営課題として考えたい企画担当、CRMを戦略として位置づけたい経営層、実例から自社の型を探すマーケティング担当者。
良い点
- 顧客選別から論じる構成
- IT活用と戦略を結びつける
- 実例を交えた説明
気になる点
- 細かい分析手順は限定的
- 刊行からの年数は意識したい
- 操作レベルの話はない
出版社
東洋経済新報社
発売日
1998年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「顧客はそこにいる」ってタイトルが不思議です。いないように見えるってことですか?
佐藤メバル
手元のデータを見ているだけでは見えない、という皮肉も込められているんだと思う。この本は、顧客の選別、つまり誰を顧客にするかを決めることから始める。
そこからニーズの集約、関係の維持へと進み、ITの活用でそれを効率よく成果に結びつけ、競争優位を確定させるという戦略の話になっている。
橘ナナミ
分析手法の本とは、やっぱり違うんですか?
佐藤メバル
違うね。デシル分析やRFMの計算を覚える本ではない。実例を取り入れながら、CRMを戦略的システムとしてどう組み立てるかを説く。
顧客を増やす前に、誰を大事にするかを決めたい——そういう経営判断をしたい人に手に取ってほしい。

すぐわかるCRM: 顧客管理から個客創造へ (図解入門塾)
熊谷直樹 著|かんき出版
顧客の嗜好は陽炎のように一カ所にとどまらない——だからこそ、既存のビジネスプロセスを少し改良する小手先の改革では追いつかない。そう前置きして、「顧客」から「個客」へという捉え方の転換を説く。ロイヤル顧客をどれだけつなぎ止め、増やせるかを軸に、CRMが実現すると何が変わるのか、導入でどんなメリットがあるのかを図解で整理する。全体像を短時間でつかみたい人向けの構成だ。
こんな人におすすめ
CRMを短時間で俯瞰したい初学者、社内勉強会や研修の教材を探している担当者、ロイヤル顧客という考え方を知りたい人。
良い点
- 図解中心で読み進めやすい
- 顧客から個客への視点が明確
- 導入メリットから入れる
気になる点
- 深い実装論は扱わない
- 事例の数は多くない
- 上級者には物足りない場合も
出版社
かんき出版
発売日
2001年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「個客」って、顧客と何が違うんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の軸なんだ。顧客はまとめて扱う相手、個客は一人ひとりとして捉える相手。お客の好みは陽炎のように動くから、一括りの顧客像では追いつかないという問題意識がある。
だから、ロイヤル顧客、つまり儲けさせてくれるお客様をどうつなぎ止めて増やすかという話になる。
橘ナナミ
図解入門塾って、やさしめのシリーズですよね。
佐藤メバル
そう。CRMとは何か、実現すると何が変わるか、導入でどんなメリットがあるかを、図を追いながら短時間でつかめる。
研修の教材に使うにも向いている。ただ、深い実装や分析の計算式は扱わないから、まず全体像、次に専門書という順番で読むのがいいね。

カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
ニック・メータ 著|英治出版
ソフトウェアから音楽、食品、IoTまでサブスクリプションが広がる中で、売るより長く使ってもらうへ発想を変え、データを駆使して顧客を支援する考え方を、カスタマーサクセスの10原則として体系化する。正しい顧客に販売する、何もしなければ離れる、タイムトゥバリューの向上、カスタマーヘルスの管理、トップダウンで全社的に取り組む、といった原則を事例とともに提示。CCOの登場やテクノロジー、未来まで扱う、世界的潮流のバイブル。
こんな人におすすめ
SaaSやサブスク型ビジネスの責任者、解約率に悩むカスタマーサクセス担当、非IT企業で顧客保持に取り組みたい企画担当者。
良い点
- 10原則で整理され実践的
- SaaS以外への応用も扱う
- 組織論と指標の両方を含む
気になる点
- 日本語の事例は多くない
- 前提となる用語がやや多い
- 分量は相応にある
出版社
英治出版
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
カスタマーサクセスって、サポートの格好いい言い方なんでしょうか?
佐藤メバル
いい質問だね。近いようで違うんだ。サポートは問い合わせに応える、いわば受け身の対応。カスタマーサクセスは、データを使って顧客の成功をこちらから支援する能動的な仕事だ。
この本はその哲学と方法論を10の原則としてまとめている。
橘ナナミ
「顧客とベンダーは何もしなければ離れる」っていう原則が、ちょっとドキッとしました。
佐藤メバル
そこは大事なところだね。放っておけば関係は薄れるという前提に立つ。だから正しい顧客に売る、期待は大成功に置く、カスタマーヘルスを絶えず把握する、タイムトゥバリュー——使い始めて価値を実感するまでの時間——を縮める、といった原則が並ぶ。
定期収益型でないビジネスにも触れているから、SaaSじゃない会社でも読み替えがきくよ。

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
福田康隆 著|翔泳社
¥1,980(税込)
「営業が顧客に初めて接触するとき、すでに商談プロセスの半分以上は終わっている」という事実から始まり、マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの4部門の分業から共業へという新しいレベニューモデルを示す。日米のオラクルとセールスフォース・ドットコムでSaaSの急成長に立ち会い、マルケト日本法人代表を務めた著者が、移行判定基準やフォーキャストの精度、組織のパワーの引き出し方まで理論と実践の両輪で解説する。
こんな人におすすめ
BtoBの営業プロセスを再設計したいマネージャー、インサイドセールスやカスタマーサクセスを新設する企業、SFAやMAの運用を立て直したい担当者。
良い点
- 4部門の役割分担が明確
- 商談ステージの判定基準が具体的
- 著者の現場経験に基づく
気になる点
- 組織が小さいと一部過剰
- 前提知識がある程度必要
- ツール設定の解説は薄い
出版社
翔泳社
発売日
2019年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「商談が始まる前に半分以上終わっている」って、怖い話ですね。じゃあ営業は何をするんですか?
佐藤メバル
まさにそこが出発点なんだ。顧客は自分で調べて比較してから接触してくる。だからこの本は、マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスの4つを、分業ではなく共業としてつなぐモデルを提案する。
著者は日米のオラクルとセールスフォース・ドットコムでSaaSの急成長に立ち会い、マルケトの日本法人代表を務めた人だ。
橘ナナミ
「移行判定基準」って、聞き慣れない言葉です。
佐藤メバル
商談のステージを次に進めていいかどうかの線引きのことだね。曖昧なまま進めると、フォーキャストが崩れる。
この本はそこを具体的に示す。SFAやMAの使い方が変わる、というのはそういうこと。理論の本でありながら、そのまま使えるプレイブックになっている。

SaaS営業のすべて売らずに導く時代の営業戦略
テックセールス・ナレッジラボ 著
モノを「売る」時代から顧客の「成功を共に創る」時代へという転換を軸に、リード獲得からカスタマーサクセスまでのプロセスを分解し、再現性のある営業スキルとデータ活用、チーム設計を実践的に解説する。Salesforce、freee、アンドパッドなど国内外のSaaS企業の事例を交え、AI時代に「人」が果たすべき価値とは何かを問う構成。個別のテクニック集ではなく、SaaS営業という仕事の地図を描く一冊で、これから携わる人の入口になる。
こんな人におすすめ
SaaS企業の営業に新しく入る人、営業チームを設計するリーダー、AI時代の営業の役割を考えたい営業パーソン。
良い点
- プロセス全体を俯瞰できる
- 国内外のSaaS事例が豊富
- チーム設計まで踏み込む
気になる点
- ラボ名義で著者の顔が見えにくい
- 個別の商談術は薄め
- 実務家には物足りない場合も
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「売らずに導く」って、営業なのに売らないんですか?
佐藤メバル
押し込むのではなく、顧客が自分で選び取るように導く、という意味だね。SaaSは一度売って終わりじゃなく、使い続けてもらってこそ価値が出る。
だからこの本は、リード獲得からカスタマーサクセスまでを分解して、再現性のあるやり方として並べていく。
橘ナナミ
Salesforce以外の事例も載っているんですか?
佐藤メバル
載っているよ。freeeやアンドパッドなど、国内のSaaS企業の事例も交えている。同じSaaSでも商材によって売り方が違うことが見えるのがいい。
AI時代に人が担う価値は何か、という問いも立てている。これからSaaSの営業に入る人の地図としても、チームを設計するリーダーの材料としても使えるね。

セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方
山下貴宏 著|かんき出版
「なぜ営業能力の差は縮まらないのか」「OJTだけでは成果にバラつきが出る」「どうしてもエースに頼ってしまう」——そんな悩みに対して、成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組みとしてセールス・イネーブルメントを提示する。育成のPDCAを回し、学ぶ文化を醸成し、投資対効果を検証する。構築手順と企業規模別の進め方を示し、Sansan、NTTコミュニケーションズ、セールスフォース・ドットコムの事例も紹介する。
こんな人におすすめ
営業育成を現場任せから変えたいマネージャー、人事やマーケティングと連携したい営業企画、エース依存を脱したい経営層。
良い点
- 育成の仕組み構築手順が具体的
- 規模別の進め方を提示
- 国内企業の事例を収録
気になる点
- 即効性のある技の話ではない
- 推進役の権限が前提になる
- 定着まで時間がかかる
出版社
かんき出版
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業って、結局は才能とか経験なのかなと思っていました。仕組みで変えられるものですか?
佐藤メバル
そこに挑むのがセールス・イネーブルメントだね。成果を出す営業社員を出し続ける育成の仕組みを作る、という考え方なんだ。
この本はなぜ能力差が縮まらないのか、なぜエースに頼ってしまうのか、という問いから始めて、OJTだけに頼らないやり方を示す。
橘ナナミ
研修をやっても効果が測れない、というのもよく聞きます。
佐藤メバル
そう、そこも扱っている。育成のPDCAを回して、投資対効果を検証できるようにする。ラーニングカルチャー、つまり学ぶ文化を社内に醸成するところまで含めるのがポイントだね。
構築手順だけでなく、企業規模別の進め方と、SansanやNTTコミュニケーションズ、セールスフォース・ドットコムの事例も載っている。

実践・営業デジタルシフト (日本経済新聞出版)
水嶋玲以仁 著|日経BP
対面が主流だった営業にリモートが広がり、MAやSFAを入れるだけでは済まない——営業プロセス全体を見直す必要があるという問題意識から、手順とつまずきのポイントを解説する。システム投資の前に検討すべき点を網羅し、予算の立て方から変えられるのが特徴。NECの各社のベンチマークになった挑戦、商材が多角化する時代のソフトバンクの営業戦略、コロナ禍以前からデジタル基盤を築いていたJTBの三つのケーススタディを詳説する。
こんな人におすすめ
営業DXの進め方を設計したい企画担当、現場の抵抗を想定して手順を知りたいマネージャー、システム投資の稟議を準備する管理職。
良い点
- ケーススタディが詳細
- 予算の考え方から入れる
- つまずきポイントに言及
気になる点
- 業種によっては前提が異なる
- ツール操作の解説はない
- 変革期ゆえ事例が更新される
出版社
日経BP
発売日
2021年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
デジタルシフトって、SFAやMAを入れることだと思っていました。
佐藤メバル
そこが落とし穴なんだ。この本は、ツール導入の話ではなく、営業プロセス全体を見直す話として書かれている。
だから現場の抵抗が強いことも前提にしていて、進め方とつまずきのポイントの両方を扱う。
橘ナナミ
NEC、ソフトバンク、JTBの事例が載っているんですね。
佐藤メバル
そう。NECは各社のベンチマークになったチャレンジとして、ソフトバンクは商材が多角化する時代の営業戦略として、JTBはコロナ禍以前に始まっていたデジタル基盤の構築として紹介される。
三つを並べると、変革の入口が会社ごとに違うことが見えてくる。システム投資の前に何を決めるべきか、予算の立て方から見直したい人にいいね。

2030年の営業 営業の知×AIで生き残る (日本経済新聞出版)
水嶋玲以仁 著|日経BP
バブル世代の大量退職、属人的なノウハウ、若手に不人気な職種、AIでの代替検討——そうした危機感を出発点に、営業での学びを組織の記憶として蓄積し、経営の中核に置くにはどうするかを解く。環境変化の認識から、ぶれない理想、ユニークな強みの宣言、制度と構造の変化、そして人がやるべき仕事で次の価値を生む、という5ステップを示し、三井住友カード、ソフトバンク、NECの事例を交える。
こんな人におすすめ
営業組織の将来に危機感を持つ経営層、AI活用と人の役割を整理したい営業企画、属人化したノウハウを資産にしたいマネージャー。
良い点
- 未来から逆算する構成
- 5ステップで行動に落とせる
- 生成AI活用の事例を含む
気になる点
- 足元の商談術は扱わない
- 組織規模が大きい前提の記述も
- 将来予測ゆえ揺らぎうる
出版社
日経BP
発売日
2025年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
2030年って、まだ先のように思えますけど、そんなにすぐ変わるものですか?
佐藤メバル
この本が言いたいのは、変化はもう始まっているということなんだ。バブル世代の大量退職でノウハウを持つ人が抜け、若手には不人気で、AIで代替しようという検討も進む。
危機感を持つところから始めようというのが第一ステップだね。
橘ナナミ
じゃあAIに営業が置き換わる、という話なんですか?
佐藤メバル
逆だよ。AIをフル活用しながら、人にしかできない価値は何かを問う。学びを組織の記憶として蓄積し、経営の中核に置く。
5つのステップは、環境変化の認識、ぶれない理想、強みの宣言、制度と構造の変化、そして人がやるべき仕事で次の価値を生む、という流れだ。
三井住友カードが売り方をデータで磨いた話、ソフトバンクの営業×生成AI、NECのAI活用など、具体例も豊富だよ。

訪問しない時代の営業力強化の教科書 営業×マーケティング統合戦略
株式会社セールスフォース・ドットコム 著|翔泳社
¥1,720(税込)
展示会や集合セミナーでの商談創出が難しくなり、マーケティングがリードを出すだけでは営業成果に貢献できない——そんな変化を受けて、営業とマーケティングを統合して見直すための知識とノウハウを、200点の図解でまとめる。The Modelの考え方をSalesforceの視点で解説し、営業戦略からSFA、MA、インサイドセールス、カスタマーサクセスまでを一冊で見渡せる。分断された部門の橋をかけたい人に向く。
こんな人におすすめ
営業とマーケティングの連携に悩む企業の担当者、SFAやMAが使いこなせていない組織、リード獲得から失注までを一望したいマネージャー。
良い点
- 200点の図解で理解しやすい
- 分断された部門をつなぐ視点
- 課題別のチェックが充実
気になる点
- 自社製品の解説が基調
- 抽象度が高めの章もある
- 実装の細部は別途必要
出版社
翔泳社
発売日
2021年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
200点の図解って、けっこうすごい量ですね。どんな人が読む本なんですか?
佐藤メバル
営業とマーケティングが噛み合っていない、と感じている人だね。展示会やセミナーで集めるのが難しくなって、マーケティングがリードを渡すだけでは成果につながらなくなった。
そこで二つを統合して見直すための知識を、図で一気に眺められるようにしている。
橘ナナミ
課題の一覧みたいなものも載っているんですか?
佐藤メバル
載っているよ。SFAやMAが使いこなせていない、質の高いリードが来ない、営業に渡したのに失注する、営業がバラバラで統制できない、そもそもどこから手を付けるかわからない——そういう症状から、自分の会社の場所を探せる。
The ModelをSalesforceの視点で解説しているので、考え方と道具立てを同時に押さえられるのが強みだね。

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
茂野明彦 著|翔泳社
¥1,731(税込)
セールスフォースとビズリーチのインサイドセールス部門を成長させた著者が、立ち上げから運用までのメソッドを具体的な行動レベルで示す。テレアポとの違いや種類と役割といった基礎から、採用、成約率を高めるKPI、オンライン商談のテクニック、チームマネジメントの鉄則、他部門との連携、そして未来まで。自社に合う部隊を作るために、運用企業へのインタビューも収録する。在宅でも成果を出せる職種としての性格も説く。
こんな人におすすめ
インサイドセールスを立ち上げたい経営者、チームリーダーやメンバー、非対面で成約させる方法と正しい指標を知りたい人、転職を考えている人。
良い点
- 立ち上げ手順が行動レベル
- KPIの考え方が具体的
- 運用企業の声も収録
気になる点
- 商材や業種で最適解が変わる
- 組織規模の前提がある
- 営業全般の入門ではない
出版社
翔泳社
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
インサイドセールスとテレアポって、何が違うんでしょう? 電話するのは同じですよね。
佐藤メバル
そこはこの本が最初に整理するところだね。テレアポは断られないための電話、インサイドセールスは見込み客を選び、次の商談につなぐ役割として設計された仕事。
目的も指標も違うんだ。著者はセールスフォースとビズリーチで、いちから部隊を作り上げてきた人だ。
橘ナナミ
立ち上げるとき、どこから手を付ければいいんですか?
佐藤メバル
採用、KPI、商談テクニック、マネジメント、他部門との連携という順に章が並んでいるから、そのまま順番に追える。
消費の変化、サブスクリプションモデルの台頭、働き方改革で、外勤営業とテレアポだけでは届かない部分が増えた。
在宅でも成果を出せる職種だと位置づけているのも、これからの時代らしいところだね。

インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる
水嶋玲以仁 著|ダイヤモンド社
¥1,080(税込)
世界有数の外資系企業で20年間活躍した著者が、訪問不要で商談数が倍になり、定時に帰れるという究極の営業術を理論から実践までまとめる。アジャイルを機能させる5つの鍵や少人数のPOD、協創と自律性を重んじる組織風土、1on1で自走する人材を育てる方法、KPIマネジメントの落とし穴、BANTの聞き出し方まで扱う。セールスフォース、マルケト、ユーザベース、ベルフェイス、HDEの事例も収録する。
こんな人におすすめ
インサイドセールスの組織づくりを任されたリーダー、アジャイルな営業チームを試したいマネージャー、働き方を見直しながら数字を出したい担当者。
良い点
- 組織論と実務のバランスが良い
- 少数精鋭のPODという設計が具体
- 先進企業の事例が豊富
気になる点
- 外資系・SaaS寄りの前提
- アジャイルの用語に慣れが要る
- 伝統的な組織には調整必要
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2018年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
PODって何ですか? なんだかかわいい名前ですけど。
佐藤メバル
少人数のチームのことだね。この本は、インサイドセールスにアジャイルの考え方を持ち込んで、小さなチームで素早く回す。
PDCAを速く回し、時代と顧客の変化に柔軟に対応するというのが主張の核なんだ。
橘ナナミ
定時に帰れる、というのも気になります。本当ですか?
佐藤メバル
訪問がなくなる分、移動と待ち時間が消えるから、商談数は増やせる。ただ、この本が本当に力を入れているのは組織のほうだよ。
肩書でなく実力を見るフェアネス、オープンコミュニケーション、1on1で自走できる人材を育てる。KPIマネジメントの落とし穴や、BANTの上手な聞き出し方も具体的に書かれている。
導入を働き方改革として捉えているのが面白いところだね。

営業は仕組みで9割決まる-「仕組み」で常勝営業チームをつくる方法
中野三四郎 著|クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
成績のバラつき、気合と根性の営業術ばかりで統一された型がない、という悩みに応え、属人的な「勘」「根性」「経験」からデータをもとにした科学的な営業へ移す方法を示す。営業ルールを定め、活動を定義し、レクチャーし、共有し、原則どおり進め、結果を分析し、ルールを都度修正していく。8割ルールという考え方も紹介しながら、どんな人でも成果が出る仕組みの作り方を説く、リーダーと経営者のための一冊。
こんな人におすすめ
営業チームの成績を底上げしたいマネージャー、人数が増えて統制が効かなくなった組織の経営者、営業の型づくりを任された企画担当者。
良い点
- 仕組み化の手順が明快
- ルールの運用まで踏み込む
- リーダー視点で書かれている
気になる点
- 個人の商談術は扱わない
- 事例より原則が中心
- 定着には継続が必要
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日
2021年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
営業は仕組みで9割、って言い切るの、けっこう思い切りがいいですね。
佐藤メバル
でも書店員の感覚でもわかるんだ。売れる人と売れない人の差を個人の資質で説明してしまうと、その人が辞めた瞬間に終わる。
この本は勘と根性と経験から、データをもとにした科学的な営業へ移すことを勧める。営業ルールを定める、活動を定義する、教える、共有する、原則どおり進める、結果を分析する、ルールを直す、という順番だ。
橘ナナミ
「8割ルール」というのも気になります。
佐藤メバル
統制と現場の裁量のバランスをどう取るか、という話だね。人数が増えると、何もしなければ差が開く。だからルールは都度修正していく前提で作る。
交渉術の本ではなく、チームの型を作る本だと思って読むといいよ。

売れる組織に変える! BtoB営業の仕組み化戦略
稲葉智宏 著|つた書房
¥1,870(税込)
訪問営業だけでは戦えない時代に、営業をオンライン化して売上を上げ、コストを下げるための手順を段階的に示す。商材の理解、ターゲット顧客の定義、営業プロセスの可視化、社内体制の設計から、組織づくり、Webマーケティング、CRMやMA・SFAの活用、成約率を高める運用までを章立てで追う。既存人材で取り組むことを前提にしている点が特徴で、人材不足の中小企業に向けて書かれている。
こんな人におすすめ
少人数で営業を回す中小企業の経営者、訪問中心から切り替えたい営業責任者、CRMやSFAの導入を小さく試したい担当者。
良い点
- 既存人材での実行を前提にしている
- 準備から運用まで段階的
- 脱エクセルの実務に触れる
気になる点
- 大企業には物足りない部分も
- ツール比較の詳細は限定的
- 事例の分量は多くない
出版社
つた書房
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「中小企業だからこそ成果が出せる」というのは、どういう意味でしょう?
佐藤メバル
大組織だと、決めて動かすまでに時間がかかる。人数が少ないほうが、トップがコミットしてから現場が動くまでが速いんだね。
だからこの本は、いまいる人材でオンライン化に取り組むことを前提に書かれている。
橘ナナミ
準備って、具体的に何をするんですか?
佐藤メバル
自社の商材を理解する、ターゲット顧客を定義する、営業プロセス全体を可視化する、社内体制のイメージを描く——ここから始まる。
そのうえで組織づくり、Webマーケティング、システム活用、成約率を高める運用へ進む。脱エクセルしてCRMへ、見込み客の育成はMA、商談管理はSFAという整理も出てくるよ。順番に積み上げたい人に向いている。

BCG流 戦略営業 (日本経済新聞出版)
杉田浩章 著|日経BP
2016年からBCGの日本代表を務めた著者が、実際のコンサルティング現場で結果を出してきた手法を、ロジカルに、時に泥臭く解説する。特定の企業の成功談ではなく、どの企業にも応用できる「型」として普遍化し、具体的なノウハウとして提示するのが特徴。現場のリスクとともにどう展開するかという視点も含み、経営トップへの説明にも耐える構成になっている。
こんな人におすすめ
営業戦略を経営課題として組み立てたい経営層、コンサルタントや事業企画の担当者、営業の型を論理で説明したいマネージャー。
良い点
- コンサル現場由来の具体性
- 企業を問わない型として提示
- 経営層への説明に耐える
気になる点
- 内容の公表情報が限られる
- 実務の細部は現場で補う必要
- 読み手に前提知識が要る
出版社
日経BP
発売日
2016年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
BCGの日本代表だった方が書いているんですね。コンサル向けの本ですか?
佐藤メバル
コンサルだけのものではないよ。この人が紹介する手法は、実際の現場で磨いて結果を出してきたもので、それをどの企業にも応用できる型として普遍化している。
だから自社の営業戦略を組み立てたい人にも使える。
橘ナナミ
戦略の本って、抽象論で終わることが多い気がするんですけど……。
佐藤メバル
そこを意識しているんだと思う。ロジカルに、時に泥臭く、とあるように、現場のリスクと一緒にどう展開するかまで触れている。
経営トップに説明する場面を想定すると、理屈だけでなく展開の手触りが要るからね。まず全体像をつかんで、自社の言葉に置き換えながら読むのがいい。

最強の営業戦略
栗谷仁 著|東洋経済新報社
¥2,640(税込)
営業力強化、マーケティング戦略、事業戦略、グループ経営改革、組織変革、コスト削減、業務改革、サプライチェーン改革まで、A.T.カーニーでの幾多のプロジェクトで有効と実証された内容をもとに、営業戦略をものの見方・考え方の枠組みとして体系的に提示する。経営トップやコーポレート責任者から関連部門までを読者に想定し、現実のリスクとともにどう展開するかの実践的なヒントや、ワンポイント・アドバイスも充実させている。
こんな人におすすめ
営業戦略をフレームワークで整理したい経営トップ、コーポレート部門や事業企画の責任者、プロジェクトで営業改革に関わるメンバー。
良い点
- 実証済みの内容を体系的に提示
- フレームワーク中心で整理しやすい
- ワンポイント・アドバイスが実用的
気になる点
- 抽象度が高く読み手を選ぶ
- 個別の商談術は扱わない
- 前提となる経営知識が要る
出版社
東洋経済新報社
発売日
2009年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フレームワークって、聞くとちょっと身構えてしまいます。営業の本なのに。
佐藤メバル
わかるよ。でも営業戦略は、勘で決めると説明できないんだ。この本は、A.T.カーニーの数々のプロジェクトで有効だと実証された内容を、ものの見方・考え方の枠組みとして体系的に並べている。
営業力強化だけでなく、事業戦略や組織変革、業務改革まで視野に入っている。
橘ナナミ
誰が読む想定なんですか?
佐藤メバル
経営トップやコーポレートの責任者から、プロジェクトの関連部門まで、と広い。だから実際のリスクとどう向き合いながら展開するか、というヒントやワンポイント・アドバイスが添えられている。
商談の話ではなく、会社として営業をどう設計するかの本だと思って読むといいね。
THE MODELとSalesforce用語をつなぐ ― 読む順番とロードマップ
橘ナナミ
佐藤さん、THE MODELを読んでみたんですけど、リードとか商談ステージとか、Salesforceの画面の用語と頭の中でつながらなくて。挫折しかけてます。
佐藤メバル
いい質問だね。それ、すごくよくある詰まり方だよ。まず『THE MODEL』で「マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセス」という4つの役割と、分業から共業へという流れを掴む。次に『図解入門 よくわかる 最新 Salesforceの導入と運用』で、その役割がどの標準オブジェクトに対応するのかを見る。リードは見込み客、取引先は会社、取引先責任者は担当者、商談は案件。ここを往復すると用語が体に入る。
橘ナナミ
順番を逆にすると、どうなるんですか?
佐藤メバル
ツールの本から入ると「なぜこの項目が必要なのか」が分からないまま覚えることになる。逆に『THE MODEL』だけだと、頭の中の絵は描けても、どこに何を入力するかが決まらない。両方を行き来するのが最短だ。『THE MODEL』は商談ステージの移行判定基準やSFA・MAの運用の基本まで踏み込んでいるから、読了後に自社のステージ定義を書き出してみるといい。
読んでも成果が出ない失敗パターンと、読書のROI
橘ナナミ
本を読んだのに成果が出ない、という人もいそうです。
佐藤メバル
典型的な失敗が3つある。ひとつはツールの本を読んで満足し、自社のプロセスを決めないパターン。ふたつめは名著を読んで概念だけ語り、SFAにひとつも反映しないパターン。みっつめは、フェーズを無視して拡大期の本を立ち上げ期に持ち込むパターンだ。読書は入力で、成果は設計と運用から出る。
橘ナナミ
費用対効果は、どう考えればいいんでしょう。
佐藤メバル
手に取りやすいのは千円台から二千円台の本が多い。この範囲で、自社の商談ステージの定義や移行判定基準が一段でも整理できたら、十分に元が取れる。『クラウド誕生 セールスフォース・ドットコム物語』のような大判の翻訳書は価格帯が上がるから、会社の思想や経営の話をじっくり読みたいときの1冊と考えるといい。冊数を増やすより、役割に必要な数冊を決めて、SFAに落とすところまでを1セットにするほうが効くよ。
橘ナナミ
営業職でない人は、何を読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
管理担当なら『Salesforce運用保守ガイド』を軸に、『CRMの基本』で顧客の見方を補う。営業企画なら『SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力』で、戦略・方針の周知から実行プロセスのモニタリング、改善まで7つの共通点を押さえる。人事や育成の立場なら『セールス・イネーブルメント』で、育成のPDCAと投資対効果の測り方を知っておくと、他部門と話が合う。
鮮度の見極めと、原著・国内実践書の使い分け
橘ナナミ
出版年が古い本は、やっぱり避けるべきですか?
佐藤メバル
扱っている対象で分ける。原理や思想を扱う本は時間に強い。『クラウド誕生』も『セールスフォース・ドットコムの挑戦 世界は顧客が変える』も、顧客志向や経営の話だから今読んでも学びがある。逆に機能や画面を扱う本は、自分の環境と照らして判断する。世代の変化に触れているかどうかが、鮮度を見る目印になる。
橘ナナミ
原著と国内実践書は、どう使い分けるんですか?
佐藤メバル
原著は「なぜその順番なのか」を教えてくれる。国内実践書は「自社でどう進めるか」を教えてくれる。『CRM完全講義』のように、理解→計測→設計→導入→運用→処方箋という順番で、うまくいかないときの処方箋まで用意している本は、実装の段で何度も開くことになる。原著1冊と実践書1冊を並べて読むのが、いちばん失敗が少ないよ。
よくある質問
Salesforce担当になったら最初に読むべき本は?
橘ナナミ
Salesforce担当になったら最初に読むべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
『図解入門 よくわかる 最新 Salesforceの導入と運用』から始めるのがおすすめです。CRM・SFA・MAの違いから製品構成、オブジェクト、レポートとダッシュボード、プロセスの自動化まで、実際の画面とともに追えます。管理担当として長く関わるなら、次の1冊に『Salesforce運用保守ガイド』を置くと、組織・ユーザ・権限・データ管理までつながります。
THE MODELは難しくて挫折しました。先に読むべき本は?
橘ナナミ
THE MODELは難しくて挫折しました。先に読むべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
先に『訪問しない時代の営業力強化の教科書 営業×マーケティング統合戦略』を挟むと入りやすいです。セールスフォース・ドットコム自身がThe Modelの考え方を、営業戦略からSFA・MA、インサイドセールス、カスタマーサクセスまで図解で整理しています。地図を持ってから『THE MODEL』に戻ると、移行判定基準や共業プロセスの話がすっと入ってきます。順番を変えるだけで読み味が変わります。
インサイドセールスとフィールドセールスでおすすめ本は違う?
橘ナナミ
インサイドセールスとフィールドセールスでおすすめ本は違うについて教えてください。
佐藤メバル
違います。インサイドセールスなら『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』が立ち上げ、採用、KPI、テクニック、チームマネジメント、他部門連携まで扱います。組織づくりに寄った『インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる』も合わせてどうぞ。フィールド側は『BCG流 戦略営業』や『最強の営業戦略』で、顧客の意思決定と戦略の型を押さえるのが向いています。
営業未経験でも読める入門書はある?
橘ナナミ
営業未経験でも読める入門書はあるについて教えてください。
佐藤メバル
あります。顧客管理の考え方から入るなら『CRMの基本』や『すぐわかるCRM 顧客管理から個客創造へ』が読みやすいです。営業プロセス側から入るなら『売れる組織に変える! BtoB営業の仕組み化戦略』が、オンライン化の準備、組織づくり、システム活用、成約率を高める運用という順番で章が並んでいるので、未経験でも現在地を追いやすくなっています。
翻訳書と国内の実践書はどちらを選ぶべき?
橘ナナミ
翻訳書と国内の実践書はどちらを選ぶべきについて教えてください。
佐藤メバル
どちらか一方ではなく、ペアで選ぶのがおすすめです。翻訳書で考え方、国内実践書で進め方を取ります。たとえば『カスタマーサクセス』と『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』、『THE MODEL』と『インサイドセールス 究極の営業術』。原典から実践への順で読むと、手順のひとつひとつに意味が見えてきます。
出版年が古い名著は今でも役に立つ?
橘ナナミ
出版年が古い名著は今でも役に立つについて教えてください。
佐藤メバル
扱っている対象で判断してください。顧客志向や経営の思想を語る『クラウド誕生 セールスフォース・ドットコム物語』や『セールスフォース・ドットコムの挑戦 世界は顧客が変える』は、時間が経っても色あせにくい本です。一方、機能や画面を扱う本は、ワークフロールールやプロセスビルダーの廃止のような世代の変化に触れているかどうかを確かめてから選ぶと失敗が減ります。
営業マネージャー・組織づくり向けのおすすめは?
橘ナナミ
営業マネージャー・組織づくり向けのおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
3冊で役割分担すると考えやすいです。『セールスフォース式 売れる組織に変える9の方法 SALES MACHINE』は、合理的なセールスの仕組みで組織をセールスマシンに変える視点。『営業は仕組みで9割決まる』は、営業ルールの定義と分析、修正の進め方。『セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方』は、育成の仕組みと投資対効果の検証。設計、運用、育成の順に揃います。
読んだ内容をSalesforceの運用にどう活かす?
橘ナナミ
読んだ内容をSalesforceの運用にどう活かすについて教えてください。
佐藤メバル
読了後にやることは3つです。商談ステージと移行判定基準を書き出す、リード・取引先・取引先責任者・商談のどの項目に何を入れるか決める、レポートとダッシュボードで見る指標をひとつ決める。『SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力』が挙げる7つの共通点は、そのまま運用のチェックリストになります。読む→落とすまでを1セットにしてください。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、最初に思っていたよりずっと“読む順番”が大事なんだなって思いました。
佐藤メバル
そう。同じ冊数でも、置き場所が決まれば、ただの一覧ではなくなる。役割とフェーズで、必要な数冊は驚くほど絞られるよ。
橘ナナミ
私だったら、まず『図解入門 よくわかる 最新 Salesforceの導入と運用』で画面に慣れてから、『THE MODEL』で役割の全体像を掴む順番から始めてみます。挫折しかけてたので……。
佐藤メバル
それがいい。焦って分厚い本から入る必要はない。書店員だったころ、売れ筋を片っ端から読んで結局何も残らなかった、なんて失敗もしたからね。1冊を、自分の仕事のどこに落とすかを決めて読むほうが強い。
橘ナナミ
えっ、佐藤さんでもそんなことあるんですね。ちょっと安心しました。
佐藤メバル
あるよ。本は、読んだだけではまだ「リード」なんだ。自社のプロセスやSFAの項目に落として、はじめて商談に進む。せっかく読んだ1冊を、パイプラインの外で眠らせないようにしよう。
