古民家のインテリアが学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】

監修

佐藤メバル

佐藤メバル

@shelfy_mebaru

編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ

橘ナナミ

@medias_nanami

編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。

最終更新: 2026年10月

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、今日のお題は「古民家インテリアの本」ですよね。でも調べていたら、写真集みたいな本もあればDIYの手順書もあって……正直、どこから手をつけていいのか分からなくなりました。

佐藤メバル

佐藤メバル

いいところに気づいたね。古民家の本は大きく「眺める本」と「使う本」に分かれる。たとえば『ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし』は、米軍ハウスや町家、築135年の古民家に暮らす人たちの部屋を眺めて味わう本。反対に『空き家改修の教科書』は、空き家の見極め方から屋根工事、土壁、配管、電気工事まで手順を追う実用書なんだ。まず自分がどちらを求めているかを決めると、候補が一気に絞れるよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……!じゃあ同じ「古民家の本」でも、読む時期によって選ぶべき本が変わるってことですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。書店員だったころ、古民家コーナーは「買う前」「直している最中」「住みはじめてから」で全然売れ方が違った。眺めて憧れる本だけ読んで物件を決めてしまい、いざ工事が始まってから技術書を慌てて探す人も多かった。順番を先に知っておくだけで、遠回りがぐっと減るんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

その順番、ぜひ詳しく教えてください!

古民家のインテリアが学べる本の選び方

目的別——眺めたい・学びたい・真似したい・直したい

橘ナナミ

橘ナナミ

まず「目的」で分けると、どうなるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

四つに整理できるよ。眺めたいなら『古民家は語る』のように写真と間取り図で滋賀の民家をたどる本、学びたいなら『生きつづける民家』のように古材がリサイクルされながら100年以上もつ仕組みを解く本、真似したいなら『リノベーションからはじまる』の土間や縁側の実例、直したいなら『空き家改修の教科書』や『初めての人にもできる!古民家再生絵本』が軸になる。この四つのどれかが決まれば、あとは迷わない。

本の性格——写真中心か、文章中心か

橘ナナミ

橘ナナミ

写真が多い本と、文章がっつりの本、どっちを選べばいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

「見て終わりか、手を動かすか」で選ぶといい。『ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし』や『ときを感じる お宿図鑑』は、スケッチと写真で空間を味わうタイプ。逆に『古民家への道』は民家の仕組みや耐震、温熱の考え方を本文で説く。写真中心の本で雰囲気をつかんでから、文章中心の本で理由を知ると、頭に入りやすいよ。

読者のフェーズ——購入前→改修中→入居後

橘ナナミ

橘ナナミ

さっき言っていた「順番」はここですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。購入前は『古家リノベーション』のQ&Aで「リノベーションできる建物、できない建物」を見極める。改修中は『DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ』で水回りや断熱・気密の要点を拾う。入居後は『別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』のように、暮らしそのものを味わう本へ移る。フェーズを飛ばすと、読む時期と内容がずれてしまうんだ。

テイスト別——古民家・町家・ヴィンテージ・和モダン

橘ナナミ

橘ナナミ

自分の好きな雰囲気から選ぶのもありですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

もちろん。町家なら『京都の町家を再生する』が町内会や祭りまで含めて暮らしを描く。ヴィンテージなら『ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし』、和モダンの引き出しを増やすなら『インテリアの解剖図鑑』の「古民家風は自然素材を多用する」の項が参考になる。テイストを決めてから素材の本へ進むと、選書がぶれないよ。

予算帯と形式——単行本・ムック・大型資料本・電子書籍

橘ナナミ

橘ナナミ

価格や判型でも選び方が変わりそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。手に取りやすい単行本やムックは、まず一冊試すのに向いている。大型の写真資料本は『古民家・文化財建造物再生デザイン』のように事例を一覧できる代わりに、価格も重さも覚悟がいる。ムックは実践、大型本は資料と役割で分けて考えると失敗しにくい。電子書籍に対応しているかは、購入前に各ストアで必ず確認してほしい。

古民家のインテリアが学べる本をひと目で比較

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず

#画像名称おすすめ対象価格一言
1
空き家改修の教科書 古民家×DIYで自分らしい暮らしを実現!
空き家改修の教科書 古民家×DIYで自分らしい暮らしを実現!空き家を買って自分で直したい人、地方移住を具体的に考え始めた人、まず何から手を付けるか分からない初心者。現地に持っていけるチェックリストがあるので、内見の前後にも効く一冊。¥2,200DIY改修の決定版入門書
2
DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ
DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ空き家を資産に変えたい人、民泊やカフェ開業を視野に入れる人、まず全国の成功例を眺めてイメージを固めたい人。雑誌的な読みやすさで事例を横断できる。¥2,200負動産を富動産に変える
3
Renovation Design Vol.2 住宅・古民家・店舗・施設などのリノベーションデザイン
Renovation Design Vol.2 住宅・古民家・店舗・施設などのリノベーションデザイン設計や施工の仕事で事例を探す人、リノベのデザインを図面レベルで見たい人、店舗や施設の企画を練る人。眺めて終わりでなく、手元に置いて参照できる。¥13,200デザイン事例の大型資料集
4
古民家・文化財建造物再生デザイン
古民家・文化財建造物再生デザイン文化財級の建物を活かしたい人、宿や店舗への転用を検討するオーナー、自治体や地域づくり関係者。現地に行く前に全国の事例を一望したいときに。¥15,40057事例の再生記録
5
古家リノベーション
古家リノベーション中古住宅の購入を検討している人、耐震や断熱まで含めて考えたい人、集合住宅のリノベも視野に入れる人。Q&Aは検討初期の疑問整理に効く。¥2,750性能から考える古家再生

古民家のインテリアが学べる本のおすすめ人気ランキング

橘ナナミ

橘ナナミ

一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!

佐藤メバル

佐藤メバル

よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

空き家改修の教科書 古民家×DIYで自分らしい暮らしを実現!
1

空き家改修の教科書 古民家×DIYで自分らしい暮らしを実現!

フクイアサト 著|学芸出版社

¥2,200(税込)

4.8

空き家を自分で直して住みたい人のためのセルフリノベーション入門書。第1章で空き家の見極め方、費用の比較、地方移住のステップ、見学時のチェックリストを押さえ、第2章からは墨付けや刻み、屋根、土壁、床、配管、電気と現場の工程を順に図解していく。順番を教えてくれる教材性が、実例写真を並べたDIY本との決定的な違いだ。

こんな人におすすめ

空き家を買って自分で直したい人、地方移住を具体的に考え始めた人、まず何から手を付けるか分からない初心者。現地に持っていけるチェックリストがあるので、内見の前後にも効く一冊。

良い点

  • 施工プロセス順に図解
  • 費用や法規の基礎も網羅
  • 改修事例と座談会を収録

気になる点

  • 初心者には情報量が多い
  • 専門工事の代行は対象外
  • 意匠やデザインの話は少なめ

出版社

学芸出版社

発売日

2023年04月10日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「古民家×DIY」で調べると、いきなり道具の話が出てきて、私みたいな初心者は置いていかれる気がするんです。最初に読むなら何がいいですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。最初に挙げたいのは『空き家改修の教科書』。第1章で空き家の見極め方、費用の比較、地方移住のステップ、見学時のチェックリストを押さえ、第2章から墨付けや刻み、屋根、土壁、配管、電気と現場の工程を追って図解していく。順番を教えてくれる本なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、技術の前に「物件をどう選ぶか」から始まるんですね。チェックリストは現地に持っていけそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが実用的でね。著者のフクイアサトさんは自ら改修した経験があり、NPO法人結びめの知見も重なっている。

建築確認申請が必要なケースまで書いてあるのは心強いよ。最後の事例集では土間リビングの家やワークスペース兼用の古民家も見られる。

DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ
2

DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ

ドゥーパ!編集部 著|株式会社ワン・パブリッシング

¥2,200(税込)

4.7

ドゥーパ!編集部が本誌の好評企画を一冊に凝縮した実践ムック。全国を取材してきた編集部が、選りすぐりのDIY再生事例を紹介する。住まいへの再生だけでなく、民泊やカフェ開業といった多彩な活用例まで見せるのが特徴。物件の探し方、修繕の基本、水回り攻略、断熱・気密の要点も丁寧に解説。「負動産」から「富動産」へという視点が、工程を追う教科書タイプとの違いだ。

こんな人におすすめ

空き家を資産に変えたい人、民泊やカフェ開業を視野に入れる人、まず全国の成功例を眺めてイメージを固めたい人。雑誌的な読みやすさで事例を横断できる。

良い点

  • 全国のDIY再生事例が豊富
  • 開業など活用例まで網羅
  • 水回り・断熱の要点付き

気になる点

  • 細かい施工図は少なめ
  • 価格帯の説明は簡略
  • 地域による差は薄い

出版社

株式会社ワン・パブリッシング

発売日

2026年04月21日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

最近「負動産」って言葉を見て、ちょっと怖くなったんです。空き家を活かした例をまとめて見られる本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

それなら『DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ』がいい。ドゥーパ!編集部が本誌の好評企画を一冊に凝縮していて、全国で取材したDIY再生の事例が並ぶ。

住まいとしての再生だけでなく、民泊やカフェ開業といった活用例まで紹介しているのがこの本の独自性だね。

橘ナナミ

橘ナナミ

開業まで含むんですね。水回りや断熱の話も気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこも押さえている。物件の探し方、修繕の基本、水回り攻略、断熱・気密の要点まで解説していて、雑誌らしく読みやすい。

工程を順に教える教科書タイプとは違い、成功例を横断して眺める本だと思えばいいよ。

Renovation Design Vol.2 住宅・古民家・店舗・施設などのリノベーションデザイン
3

Renovation Design Vol.2 住宅・古民家・店舗・施設などのリノベーションデザイン

アルファ企画 著|アルファ企画

¥13,200(税込)

4.6

商業施設・店舗から古民家・戸建・各種施設まで、リノベーションデザインのビフォーアフターを収めた大判の事例集。旧施設の写真と新しい写真、改善点、フロア面積、平面図、設計・施工会社名といったデータが並ぶ。設計の実務資料として使えるのが強みで、ページ数の多い写真資料としての性格が濃い。住まいの実例エッセイとは目的がはっきり違う一冊。

こんな人におすすめ

設計や施工の仕事で事例を探す人、リノベのデザインを図面レベルで見たい人、店舗や施設の企画を練る人。眺めて終わりでなく、手元に置いて参照できる。

良い点

  • 平面図やデータまで掲載
  • 店舗・施設の事例が充実
  • ビフォーアフターの比較が明快

気になる点

  • 価格が高め
  • 文章の解説は少ない
  • 住まい中心の人には過剰

出版社

アルファ企画

発売日

2023年08月01日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

リノベの写真集って、きれいなだけで終わっちゃうことも多い気がするんです。図面まで見られるものってありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

それなら『Renovation Design Vol.2』。商業施設や店舗から、古民家・戸建・各種施設まで、ビフォーアフターを大判のページで収めている。

旧施設の写真と新しい写真、改善点、フロア面積、平面図、設計・施工会社名まで並ぶから、資料として使えるのが強みだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

平面図があると、暮らしの想像がぐっと具体的になりますね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだね。ビフォーアフターの関連書が少ないという声に応えた第2弾で、新築至上主義への問題提起も序に置かれている。

ただ価格は高めで、読み物というより実務の資料。設計の仕事をしている人や、店舗を考えている人向けだと思う。

古民家・文化財建造物再生デザイン
4

古民家・文化財建造物再生デザイン

アルファ企画

¥15,400(税込)

4.4

24都府県57事例の古民家・文化財建造物の再生を収めた事例集。武家屋敷の複合施設化、蔵を現代風の居酒屋にした例、酒造母屋のリノベ、金澤町家の改修まで、用途転換の幅が広い。保存性を重視した資料で、施設名や設計・施工費、客席数、集客方法、広告予算まで記録する点が他にない。写真集としても眺められる。

こんな人におすすめ

文化財級の建物を活かしたい人、宿や店舗への転用を検討するオーナー、自治体や地域づくり関係者。現地に行く前に全国の事例を一望したいときに。

良い点

  • 全国57事例を収録
  • 用途転換の例が多彩
  • 施設データが詳細

気になる点

  • 価格が非常に高い
  • 読み物性は低め
  • 掲載事例は古めの時期

出版社

アルファ企画

発売日

2018年10月11日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

文化財級の建物を活かした例って、どこかでまとめて見られませんか? 旅先で古い蔵や町家が残っていると気になってしまうんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい目を持っているね。『古民家・文化財建造物再生デザイン』は、24都府県57事例の再生を収めた事例集。

武家屋敷の複合施設化、蔵を現代風の居酒屋にした例、酒造母屋のリノベ、金澤町家の改修など、用途の転換の幅が広い。

橘ナナミ

橘ナナミ

57事例はすごい数ですね。データも載っているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

載っている。施設名や所在地、設計・施工費、客席数、集客方法、広告予算まで記録していて、資料性・閲覧性・保存性に優れた作りだよ。

現地に行く前に全国を一望できる。価格はかなり高いから、図書館で確かめてから手元に置くかを決めるのもいい。

古家リノベーション
5

古家リノベーション

平山友子 著|春陽堂書店

¥2,750(税込)

4.3

著者の平山友子さんが、都市部とその周辺のリノベ成功例を5章で紹介する。茅葺き古民家、路地裏の長屋、昭和の家、団地などの集合住宅、借家のセルフリノベまで幅広く、最後に法律・構造・防火・耐久性・費用・メンテナンスをQ&Aで整理。「直す=性能を上げる」という視点を最初に置くのが、雰囲気重視の事例集との違いだ。

こんな人におすすめ

中古住宅の購入を検討している人、耐震や断熱まで含めて考えたい人、集合住宅のリノベも視野に入れる人。Q&Aは検討初期の疑問整理に効く。

良い点

  • 実例とQ&Aの二本立て
  • 性能面の解説が手厚い
  • 集合住宅の例も収録

気になる点

  • 図面は多くない
  • 地方の古民家は対象薄め
  • 専門用語も出てくる

出版社

春陽堂書店

発売日

2022年11月14日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

中古の家って、見た目を直す話ばかりで、耐震や断熱のことは後回しにされがちな気がするんです。そこを最初に教えてくれる本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『古家リノベーション』がそれだね。著者の平山友子さんは、リノベを「傷んだ箇所を直すだけではなく、住み手の望む暮らしに合わせて既存の住宅を生まれ変わらせる技術」と最初に置いている。

性能から考えるのがこの本の姿勢なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。事例はどんな家が出てくるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

茅葺き古民家、路地裏の長屋、昭和の家、団地のリノベ、借家のセルフリノベまで幅広い。最後のQ&Aでは、適した古家の選び方、建物の状態の見方、法律、構造、防火、耐久性、費用、メンテナンスまで整理されている。

検討を始めた段階の疑問はかなり拾えると思うよ。

築100年の家を1年かけて理想の空間にしたら生きがいを見つけました。
6

築100年の家を1年かけて理想の空間にしたら生きがいを見つけました。

ほっち 著|KADOKAWA

¥1,650(税込)

4.1

岐阜県の人口2000人の村で28万円の築100年の古民家に出会い、ネットの知識だけで改修していく過程を、美しい写真とともに綴るハートフルエッセイ。著者のほっちさんはDIYの知識も道具もなく、元フリーター。うまくいかない日もそのまま書かれていて、四季や稲作、五右衛門風呂、犬猫との暮らしが重なる。

こんな人におすすめ

田舎での暮らしに憧れる人、完璧な計画より一歩を踏み出したい人、寝る前に気楽に読める本を探している人。移住の判断材料というより、背中を押してくれる読み物。

良い点

  • 写真が美しく読みやすい
  • 失敗も隠さず描く
  • 犬猫との暮らしが愛おしい

気になる点

  • 施工ノウハウは少ない
  • 価格や条件は特殊例
  • 地域差の説明は薄い

出版社

KADOKAWA

発売日

2023年02月01日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

ハウツーじゃなくて、読んでいるだけで田舎の暮らしに浸れる本ってありますか? 寝る前に読みたいんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

それなら『築100年の家を1年かけて理想の空間にしたら生きがいを見つけました。』だね。岐阜県の人口2000人の村で28万円の築100年の古民家に出会い、愛犬と愛猫とともに、ネットの知識だけで改修していく。

うまくいかない日もそのまま書かれているのが心地いいんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

28万円って、思わず二度見しちゃいます。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだろうね。スズメバチやムカデとの戦いもあれば、五右衛門風呂、満点の星空、初めて育てた稲の味もある。

元フリーターのほっちさんが「生きがい」に出会うまでを追う物語で、DIYの実用書というより、エッセイとして読む一冊だよ。

初めての人にもできる!古民家再生絵本
7

初めての人にもできる!古民家再生絵本

ウエルパイン書店

¥4,290(税込)

4.1

古民家の利活用で必ず問題になる「暗い」「寒い」を、耐震改修と温熱向上でどう克服するかに絞った一冊。実測の描き方と採寸、矩計、古家具・古建具の実測、骨組の直し方、断熱性能、土壁のなおし方まで、手法と技術をイラストで公開する。絵で手順を追えるのが、写真中心の事例集との学び方の違いだ。

こんな人におすすめ

古民家の寒さに悩んでいる人、再生を自分で理解してから発注したい人、建築を学び始めた学生。専門用語の壁を絵で越えられる入門書。

良い点

  • イラストで手順が追える
  • 耐震と温熱に特化
  • 実測の方法まで解説

気になる点

  • 体裁は絵本的でも内容は本格
  • 価格は高め
  • 意匠の話は少なめ

出版社

ウエルパイン書店

発売日

2020年10月27日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「古民家再生絵本」というタイトルが気になっているんです。絵本ってことは、子ども向けなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

タイトルは絵本だけれど、内容は本格的だよ。古民家の利活用で必ず問題になる「暗い」「寒い」を、耐震改修と温熱向上でどう克服するかに絞って、手法と技術をイラストで公開している。

絵で手順を追えるから、初めての人でもつかみやすい。

橘ナナミ

橘ナナミ

暗さと寒さって、まさに気になるところでした。実測の話も入っているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

入っている。野帳と採寸、矩計、古家具・古建具の実測、骨組の直し方、断熱性能、土壁のなおし方まで。巻頭には民藝運動の趣旨文を踏まえた言葉も引かれていて、技術書でありながら民家への思いが通底している。

意匠の話は少なめだから、そこは別の本で補うといい。

京都の町家を再生する
8

京都の町家を再生する

齋藤由紀 著|関西学院大学出版会

¥2,420(税込)

3.9

著者の齋藤由紀さんが、京都の町家を実際に手に入れて改修し、暮らした経験を3部構成で書く。町内会の仕組みや地蔵盆、氏子祭といった暮らしの行事、家探し、業者選びの失敗談、ローン特約の顛末、入居後の暗さ・寒さ対策まで。買う前と買った後の両方を書いた、写真集とは情報の種類が違う一冊。

こんな人におすすめ

京都や町家での暮らしを考えている人、中古物件の業者選びで失敗したくない人、自治会や地域との付き合いが気になる人。落ち着いた読み味の研究書に近い。

良い点

  • 失敗談まで正直に書く
  • 町内会など生活情報が濃い
  • 入居後の暮らしも追う

気になる点

  • 京都以外には一般化しにくい
  • 写真は少なめ
  • 学術書の体裁

出版社

関西学院大学出版会

発売日

2015年09月07日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

京都の町家に住むとなると、家そのものより町内会が大変そうで。そういう暮らしの実際が分かる本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『京都の町家を再生する』がまさにそれ。著者の齋藤由紀さんが、実際に町家を手に入れて改修し、暮らした経験を3部構成で書いている。

町内会の仕組み、地蔵盆、氏子祭といった地域の年間行事まで触れているのが珍しいんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

行事の話まで入るんですか。物件探しの苦労も書かれていそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこも正直でね。家探しの初めの一歩、業者選びの大切さ、仮契約までの焦り、ローン特約の顛末、そして入居後の暗さ・寒さ対策。

失敗談を隠さないから、京都以外に住む人にも読みどころがある。写真は多くないけれど、情報の濃さで選ばれる一冊だよ。

別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし
9

別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし

山田奈美 著|扶桑社

¥1,540(税込)

3.9

薬膳・発酵料理家の山田奈美さんが、海にも山にも近い築100年の古民家で営む暮らしを紹介する。春夏秋冬の旬のレシピと手仕事、自家製調味料、市販薬に頼らない自然のお手当て、長年愛用する道具、初めての味噌づくりまで収録。暮らしの知恵が主役の一冊で、改修や物件の話は出てこない。

こんな人におすすめ

発酵食や薬膳に興味がある人、季節の手仕事を暮らしに取り入れたい人、インテリアより生活の中身を読みたい人。写真を見ながら台所に立ちたくなる。

良い点

  • 四季ごとのレシピが充実
  • 道具やお手当ての紹介
  • 写真が穏やかで読みやすい

気になる点

  • 家づくりの情報はない
  • 料理経験がないと難所あり
  • 自給自足は目標の段階

出版社

扶桑社

発売日

2025年03月03日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

家そのものより、古民家での毎日のごはんや手仕事の話を読みたい気分なんです。そういう本ありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』がぴったりだね。薬膳・発酵料理家の山田奈美さんが、海にも山にも近い築100年の古民家で営む暮らしを紹介している。

季節の旬を食べることが軸にあって、春夏秋冬のレシピと手仕事が並ぶんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

手当ての話も入っているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

入っている。自家製調味料、市販薬に頼らない自然のお手当て、長年愛用している道具、初めての味噌づくりに簡単おやつまで。

改修や物件の話は出てこないから、そこを期待すると外れるけれど、暮らしの中身をじっくり味わいたい人にはたまらない一冊だよ。

ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし
10

ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし

エクスナレッジ

¥1,760(税込)

3.9

建築家、造形作家、陶芸家、イラストレーター、人形作家、デザイナー——古い家と古いものを愛する人たちの暮らしを集めた一冊。米軍ハウス、町家、洋館アパートメント、通り土間のある古民家、築135年の古民家まで住まいの種類が多彩で、住まい手の仕事と趣味が家に表れるのが見どころ。改修手順の本ではない。

こんな人におすすめ

古い家の雰囲気に惹かれる人、インテリアの参考を探す人、作家や作り手の住まいを覗きたい人。暮らしの写真集として長く眺めていられる。

良い点

  • 13軒の住まいを収録
  • 職業も住まいも多彩
  • インテリアの参考になる

気になる点

  • 施工の解説はほぼない
  • 掲載家はやや古め
  • 間取り図は少ない

出版社

エクスナレッジ

発売日

2014年12月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

米軍ハウスとか洋館のアパートメントって、実際に住んでいる人の話を読んでみたいんです。写真集みたいな本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし』がそうだね。建築家、造形作家、陶芸家、イラストレーター、人形作家、デザイナー——古い家と古いものを愛する人たちの暮らしを集めている。

仕事と趣味が家に表れるのが見どころだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

住まいの種類もいろいろなんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。米軍ハウス、町家、洋館アパートメント、和風建築、通り土間のある古民家、ドイツ様式のアパートメント、築135年の古民家まで13軒。

改修の手順を教える本ではないけれど、インテリアの参考や、古い家の雰囲気を長く眺めていたい人に向いている。

リノベーションからはじまる
11

リノベーションからはじまる

リノベエステイト 著|書肆侃侃房

¥1,760(税込)

3.7

リノベエステイトが、8軒の住まいを「リノベの希望的法則」とセットで紹介する。黒板の家、縁側テラスの家、土間の家など、暮らし方から間取りを考える過程が見える。「新築は100人の80点、リノベは1人の100点」という言葉が象徴する通り、家族ごとの正解を描く。中古住宅購入の手順にも触れる。

こんな人におすすめ

中古住宅+リノベで家を持ちたい人、家族構成に合わせた間取りを考えている人、新築か中古かで迷っている人。判断の軸をもらえる一冊。

良い点

  • 8軒の事例が具体的
  • 間取りの考え方を学べる
  • 用語や手順の解説付き

気になる点

  • 発行がやや古い
  • 写真の分量は中程度
  • 古民家専門ではない

出版社

書肆侃侃房

発売日

2010年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「新築は100人の80点、リノベは1人の100点」っていう言葉を目にして、ハッとしたんです。この考え方を掘れる本ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

まさにその言葉が載っているのが『リノベーションからはじまる』。リノベエステイトが8軒の住まいを、それぞれ「リノベの希望的法則」とセットで紹介している。

黒板の家、縁側テラスの家、土間の家など、暮らし方から間取りを考える過程が見えるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

服の趣味とインテリアの趣味の話とか、法則の名前が面白いですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが読みどころ。中古住宅の立地の見つけやすさや価格の話、リノベを始める前の手順にも触れている。

発行はやや古いけれど、新築か中古かで迷っている人の判断軸をつくってくれる一冊だよ。

古民家は語る
12

古民家は語る

吉見靜子 著|新評論

¥2,750(税込)

3.7

著者の吉見靜子さんが、滋賀県に残る伝統的な民家を実測調査し、形式と構造、生活文化を掘り下げる。琵琶湖を挟んで湖北・湖東・湖南・湖西の文化エリアに分かれ、余呉型・湖東型・湖南型など六つの形式が生まれた経緯を、写真と間取り図で説明。住まい手の一生が家で営まれたことが見えてくる。

こんな人におすすめ

民家の成り立ちを知りたい人、地域の古民家を調べている人、日本建築を学ぶ学生や研究者。建築と民俗の両方を視野に入れられる。

良い点

  • 実測に基づく図面が豊富
  • 地域ごとの形式を解説
  • 生活文化まで掘り下げる

気になる点

  • 滋賀県限定の内容
  • 写真はモノクロ中心
  • 読み物としては専門的

出版社

新評論

発売日

2013年11月11日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

滋賀県って、琵琶湖を挟んで文化が分かれると聞いたことがあるんです。民家の形も違うんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

まさにそれを掘った本が『古民家は語る』だね。著者の吉見靜子さんが滋賀県に絞って、実測調査から民家の形式と構造を明らかにしている。

湖北・湖東・湖南・湖西の四つの文化エリアごとに、余呉型、湖東型、湖南型といった特有の民家形式が生まれた経緯を、間取り図とともに説明しているんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

住まい手の一生が家で営まれていた、という話も気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の深いところでね。誕生から生、死までが家の中で営まれ、構造材の部材にまで意味付けが行われてきたことを聞き取りから描いている。

滋賀県限定で写真もモノクロ中心だから、読み物としては専門的。日本建築や民俗を学ぶ人向けの一冊だよ。

古民家への道
13

古民家への道

松井郁夫 著|ウエルパイン書店

¥2,640(税込)

3.7

著者の松井郁夫さんが、伝統構法の仕組みから再生の理念、課題、実践までを一冊にまとめた。貫や足固め、軸組の話、耐震設計の基本、限界耐力設計、温熱改修、そして13の事例を収録。「古民家再生宣言」に込めた問題意識が全編を貫き、壊され続ける現状への問いが強い。日本エコハウス大賞の受賞作品も掲載する。

こんな人におすすめ

伝統構法をきちんと理解したい人、改修方針を自分で立てたい人、建築の実務者や学生。腰を据えて読む技術書として手元に置きたい。

良い点

  • 理念と技術の両方を収録
  • 事例が13件と具体的
  • 耐震と温熱まで踏み込む

気になる点

  • 内容はかなり専門的
  • 写真より図と文章
  • 厚みがあり読み応え重視

出版社

ウエルパイン書店

発売日

2019年10月31日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

伝統構法の耐震性って、本当に大丈夫なのかずっと引っかかっていて。ちゃんと理論から書いた本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『古民家への道』がそれだね。著者の松井郁夫さんが、貫や足固め、軸組といった民家の仕組みから、再生の理念、課題、実践までを一冊にまとめている。

「古民家再生宣言」に込めた問題意識が全編を貫いていて、既存不適格として壊され続ける現状への問いが強い。

橘ナナミ

橘ナナミ

事例も入っているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

13事例が載っている。蔵の美術館、茅をみんなで葺き替えた家、繭小屋の再生、古民家ホテルまで幅広い。耐震改修から温熱改修まで踏み込んで、日本エコハウス大賞のリノベーション部門大賞作品も掲載されている。

腰を据えて読む技術書だと思って開くといい。

都会を離れて古民家暮らしはじめました
14

都会を離れて古民家暮らしはじめました

牛尾篤 著|亜紀書房

¥1,870(税込)

3.7

著者の牛尾篤さんが、住み慣れた東京を離れて山口へ移り、古民家を自宅兼焼き菓子屋として改築・起業した経験を綴る。移住を決めるまでに考えたこと、起業、二号店の立ち上げ、岡本太郎現代芸術賞への挑戦まで。地域に「根ざす」ための心構えと注意点が具体的で、エッセイと実用情報の中間にある。

こんな人におすすめ

地方移住と起業を同時に考えている人、セカンドライフを模索する人、キャリアチェンジを機に住まいを変えたい人。判断の順序を学べる。

良い点

  • 移住から開業まで追える
  • 注意点が具体的
  • 山口の暮らしが伝わる

気になる点

  • ハウツー本ではない
  • 改修の技術面は薄い
  • 事例は著者一人

出版社

亜紀書房

発売日

2024年04月15日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

移住して何か始めるって、理想ばかり語られがちじゃないですか。お金の現実とか、順番の話をしてくれる本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『都会を離れて古民家暮らしはじめました』がいいね。著者の牛尾篤さんが、東京を離れて山口へ移り、古民家を自宅兼焼き菓子屋として改築・起業した道のりを書いている。

移住を決めるまでに考えたこと、起業、二号店、岡本太郎現代芸術賞への挑戦まで、順番が具体的なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

セカンドライフを考えている人にもよさそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこを意識して書かれている。ダブルワークやスモールビジネス、地域に「根ざす」ために心がけることまで触れていて、注意点も率直だよ。

改修の技術面は薄いから、そこは別の本で補うとして、判断の手順を学ぶ本としてすすめたい。

わたしと古民家と毎日
15

わたしと古民家と毎日

衿乃光希 著|アルファポリス

¥814(税込)

3.7

過労で味覚を失った社会人二年目の鈴原依織が、乗り過ごした先の長閑な田舎の駅で『古民家ベーカリー&カフェ とまり木』に出会い、スタッフ募集の貼り紙を見て転職を決めるまでを描く。古民家は物語の舞台であり、癒やしと成長の物語として進む。暮らしのノウハウは含まれない。

こんな人におすすめ

疲れたときに物語で癒されたい人、ベーカリーやカフェのある暮らしに憧れる人、通勤中に読める短めの本を探す人。実用書の合間の息抜きに向く。

良い点

  • 読みやすく短時間で読める
  • 古民家カフェの空気感
  • 癒やしと成長の物語

気になる点

  • 実用情報は皆無
  • 物件や改修の話は出ない
  • 好みが分かれる題材

出版社

アルファポリス

発売日

2026年04月15日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

実用書ばかり読んでいると疲れてしまって。古民家が出てくる小説ってありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

それなら『わたしと古民家と毎日』だね。過労で味覚を失った社会人二年目の鈴原依織が、会社の最寄り駅を乗り過ごし、たどり着いた田舎町で『古民家ベーカリー&カフェ とまり木』に出会う。

パンの香りに導かれて転職を決めるまでを描く、癒やしと成長の物語だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

味覚を失うところから始まるんですね。読後感は重くないですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

重くないよ。古民家は物語の舞台として描かれ、周囲の人に支えられて穏やかな毎日が始まる。暮らしのノウハウは一切ないから、それを求めるなら別の本。

通勤や寝る前の短い時間に読める、実用書の合間の息抜きに向いている一冊だよ。

ももと天空 ほのぼの古民家暮らし
16

ももと天空 ほのぼの古民家暮らし

ももと天空 著|産業編集センター

¥1,650(税込)

3.5

昭和の風情を残す鹿児島の古民家で暮らす、柴犬のもも、黒猫の天、キジトラ猫の空。その日常を切り取った初めてのフォトブックで、SNSでは見られない未公開写真も収録する。コマ割り劇場や新聞形式のページなど、眺め方のバリエーションがあるのが楽しい。古民家の背景まで含めて写真集の密度が高い。

こんな人におすすめ

犬猫の写真で癒されたい人、古民家の暮らしを気軽に眺めたい人、贈り物を探している人。ページを開くだけで場の空気が伝わる。

良い点

  • 未公開写真を収録
  • コマ割り劇場など変化
  • 古民家の風情が背景に

気になる点

  • 暮らしのノウハウはない
  • 文章は短め
  • 動物が苦手な人には不向き

出版社

産業編集センター

発売日

2022年12月14日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

犬と猫と古民家、全部そろっている本ってありますか? 見ているだけで疲れが取れるようなやつがいいんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

『ももと天空 ほのぼの古民家暮らし』がぴったりだね。昭和の風情を残す鹿児島の古民家で暮らす、柴犬のもも、黒猫の天、キジトラ猫の空。

3匹の日常を切り取った初めてのフォトブックで、SNSでは見られない未公開写真も収録されているんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

コマ割り劇場って、どんなページなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

3匹のやり取りをコマ割りで見せる章や、新聞形式の「もも天新聞」、気分で選ぶ動画レシピまで、眺め方にバリエーションがあるんだよ。

暮らしのノウハウは載っていないけれど、ページを開くだけで古民家の空気が伝わる。贈り物にも選ばれる一冊だよ。

ふたりぼっちで食卓を囲む 海の見える古民家暮らし
17

ふたりぼっちで食卓を囲む 海の見える古民家暮らし

石田空 著|宝島社

¥799(税込)

3.5

第12回ネット小説大賞受賞作。都会の人間関係に嫌気がさした会社員の美奈穂が古民家を買って海沿いの田舎街へ移り、フードコーディネーターの春陽とシェアハウスを始めるまでを描く。人目を気にしない食事と酒の時間が丁寧に積まれ、再生の実務ではなく関係性の変化が読みどころだ。

こんな人におすすめ

静かな暮らしの物語を読みたい人、シェアハウスや共同生活に関心がある人、受賞作から小説を開拓したい人。寝る前の一冊に向いている。

良い点

  • 受賞作で安心して読める
  • 食事の描写が魅力的
  • 短く読み切れる

気になる点

  • ノウハウは含まれない
  • 展開は穏やか
  • 物件の細部は物語優先

出版社

宝島社

発売日

2025年10月03日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

誰かと一緒に住む話って、今の自分に刺さるかもしれない。小説でシェアハウスを描いたものはありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『ふたりぼっちで食卓を囲む 海の見える古民家暮らし』を挙げたいね。第12回ネット小説大賞受賞作で、都会の喧騒や人間関係に嫌気がさした会社員の美奈穂が古民家を買って海沿いの田舎街に引っ越し、フードコーディネーターの春陽とシェアハウスを始める。

人目を気にしない食事と酒の時間が丁寧に描かれる。

橘ナナミ

橘ナナミ

シスターフッドストーリー、という言い方も気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが読ませどころ。物件や再生の実務は出てこなくて、関係性が変わっていく過程が主役なんだ。展開は穏やかだから、刺激より静けさを求める夜に向いている。

受賞作から小説を開拓したい人にも入りやすいと思うよ。

ポーランドからやってきた マダム猫の古民家暮らし
18

ポーランドからやってきた マダム猫の古民家暮らし

かんさび 著|KADOKAWA

¥1,595(税込)

3.5

ポーランドから日本へやってきた猫、マダム・リリーの古民家暮らしを描く。畳や障子に興味津々、コタツでうっとり、時には木登りとワイルドな一面も。気品と躍動のギャップが魅力で、描き下ろし48ページにはポーランド時代や渡航のエピソードも収録。全ページフルカラーで実写写真もたっぷり。

こんな人におすすめ

猫の本を集めている人、海外から来た動物の視点が気になる人、フルカラーの写真集を贈りたい人。異文化と古民家が一度に楽しめる。

良い点

  • 全ページフルカラー
  • 描き下ろし48ページ
  • 実写写真も収録

気になる点

  • 実用情報はない
  • 猫好き向けに特化
  • SNS情報と重なる部分も

出版社

KADOKAWA

発売日

2026年06月18日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

猫の本で、しかも古民家っていう組み合わせ、何かありますか? 写真集だと嬉しいんですけど。

佐藤メバル

佐藤メバル

『ポーランドからやってきた マダム猫の古民家暮らし』が面白いよ。ポーランドから日本へ来た猫、マダム・リリーが、畳や障子に興味津々で、コタツにうっとり、時には木登りまでする。

気品と躍動のギャップが魅力なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

海外から来た猫の目線で日本の古民家を見るの、新鮮ですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだね。描き下ろしが48ページあって、ポーランド時代の暮らしや日本への渡航のエピソードも収録されている。

全ページフルカラーで実写のマダムの写真もたっぷり。飼い主の崇拝ぶりも含めて、猫好きの棚に並べたくなる一冊だよ。

豆田きなこの古民家ぐらし
19

豆田きなこの古民家ぐらし

ミラ 著|アルファポリス

¥814(税込)

3.5

25歳の豆田きなこが暮らすのは、長野県安曇野の古民家シェアハウス「あずみの」。ある和尚さんとのご縁がないと入れない紹介制の住まいで、「好きなもので、心をいっぱいにしなさい」という宿題をきっかけに、一癖ある住人たちの好きなところを集めていく。小さな好きが空っぽの心を満たす再生の物語だ。

こんな人におすすめ

人間関係に疲れている人、シェアハウスや共同生活の物語が好きな人、短い小説で気分を変えたい人。豆をめぐる描写も心地よい。

良い点

  • 短く読みやすい
  • 安曇野の空気が伝わる
  • 前向きな読後感

気になる点

  • 実用情報はなし
  • 設定はフィクション
  • 派手な展開はない

出版社

アルファポリス

発売日

2026年11月13日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

心が空っぽになったとき用の小説ってありますか? 派手じゃなくていいんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

『豆田きなこの古民家ぐらし』を読んでみて。25歳の豆田きなこが暮らすのは長野県安曇野の古民家シェアハウス「あずみの」で、ある和尚さんとのご縁がないと入れない紹介制の住まいなんだ。

「好きなもので、心をいっぱいにしなさい」という宿題が出るところから始まる。

橘ナナミ

橘ナナミ

豆好きの主人公が、住人たちの好きなところを集めていくんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。一癖ある住人たちの「好きなところ」を集めるうちに、空っぽの心が満たされていく。短くて読みやすく、実用情報は一切ないけれど、安曇野の空気と前向きな読後感が残る。

寝る前に少しずつ読み進めるのに向いているよ。

生きつづける民家(548)
20

生きつづける民家(548)

中村琢巳 著|吉川弘文館

¥1,980(税込)

3.5

著者の中村琢巳さんが、農家や町家がなぜ100年以上受け継がれてきたのかを、メンテナンスと古材のリサイクルから解き明かす。繰り返された普請、災害と古材リサイクル、備林や囲木、職人衆の出入り、相互扶助の農家普請、茶人が田舎家を再生した近代の価値発見まで。建物ではなく仕組みを書いた本だ。

こんな人におすすめ

民家の歴史や保存に関心がある人、古材の活用を考えている人、文化財や町並み保存に関わる人。時間をかけて読みたい研究書。

良い点

  • 保存の仕組みを解説
  • 古材循環の実態が詳しい
  • 近世から近代まで追う

気になる点

  • 専門書で読み応え重視
  • 図版は多くない
  • DIYの情報はない

出版社

吉川弘文館

発売日

2022年04月20日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

家って、なぜ100年ももつんだろうと素朴に思うんです。構造の話ではなく、続いてきた理由を知りたいです。

佐藤メバル

佐藤メバル

いいところに目をつけたね。『生きつづける民家』は、中村琢巳さんがメンテナンスと古材のリサイクルからその答えを探る。

繰り返された普請、災害と古材リサイクル、売り立てられた古家、備林や囲木、職人衆の出入り、相互扶助の農家普請まで。

建物ではなく仕組みを書いた本なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

「備林」って初めて聞きました。森を備えておくということですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、建築用材の規制と「備林」の話、材木蔵や木小屋の「囲木」、植物性材料の確保まで具体的に書かれている。

さらに茶人が田舎家を再生した近代の価値発見、文化財としての保存まで視野に入る。改修マニュアルとは視点が根本から違う、時間をかけて読みたい研究書だよ。

古民家再生の組織論
21

古民家再生の組織論

涌田幸宏 著|千倉書房

¥3,850(税込)

3.5

著者の涌田幸宏さんが、古民家再生という実践がなぜ脚光を浴び、正当性を獲得していったのかを、新制度派組織論の視点から分析する。伝統構法と再生の経緯、集合行為、支配的ロジックへの挑戦、意味形成、補完的アクターまでを段階的に整理。社会現象としての古民家再生を扱う学術書だ。

こんな人におすすめ

古民家再生を社会的な動きとして捉えたい人、組織論や制度論を学ぶ学生・研究者、政策や地域づくりを考える人。参照できる枠組みを求める人に。

良い点

  • 理論枠組みが明確
  • 再生の経緯を整理
  • 研究として参照できる

気になる点

  • 価格が高め
  • 実務には直結しにくい
  • 専門用語が多い

出版社

千倉書房

発売日

2025年08月06日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

古民家再生って、いつから流行り始めたんでしょう。ブームの理由を社会の側から考えた本ってありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

あるよ。『古民家再生の組織論』は、涌田幸宏さんが、なぜこの実践が脚光を浴び、正当性を獲得していったのかを新制度派組織論の視点で分析している。

伝統構法と再生の経緯、集合行為、支配的ロジックへの挑戦、意味形成、補完的アクターを段階的に整理しているんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

組織論、というと、私の研究のほうに近いかもしれないです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだろうね。実例写真集とは役割がまったく違って、実務に直結はしにくい。ただ、古民家再生を社会的な動きとして捉えたい人、政策や地域づくりを考える人には、参照できる枠組みを与えてくれる。

価格は高めだから、必要な人に届く一冊だと思う。

町屋・古民家再生の経済学
22

町屋・古民家再生の経済学

山崎茂雄 著|水曜社

¥1,980(税込)

3.5

著者の山崎茂雄さんと野村康則さんが、空き家や古民家を活用資源と捉え、文化観光と結びつけた地域創生を論じる。竹田市、篠山市、呉市、金沢市、川越市、神山町、永平寺と、各地の実験を事例に交流人口をどう増やすかを探る。7軒に1軒が空き家という前提から政策を考える一冊。

こんな人におすすめ

地域創生や観光政策に関わる人、空き家活用の事業を構想する人、自治体職員やNPOの担当者。事例の比較から施策のヒントを得られる。

良い点

  • 全国の事例を比較できる
  • 観光と結びつけた視点
  • 政策の論点が整理される

気になる点

  • 個別の改修方法は扱わない
  • やや硬い文章
  • 数値は発行当時のもの

出版社

水曜社

発売日

2016年03月30日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

空き家って、地域によってはもう放置が前提みたいになっている気がして。経済の側から書いた本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『町屋・古民家再生の経済学』だね。著者の山崎茂雄さんと野村康則さんが、空き家や古民家を活用資源と捉え、文化観光と結びつけた地域創生を論じている。

竹田市、篠山市、呉市、金沢市、川越市、神山町、永平寺と各地の実験を比較できるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

観光と結びつけるのがポイントなんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。交流人口が増えれば、人口減少で悩む地方の需要も動く。外国人観光客をどう呼び込むかまで踏み込んでいる。

個別の改修方法は扱っていないし文章はやや硬いけれど、自治体職員やNPOの担当者、事業を構想する人には必読に近いと思うよ。

スミツグイエ 東日本大震災からの古民家復興
23

スミツグイエ 東日本大震災からの古民家復興

君塚健太郎 著|建築資料研究社

¥2,750(税込)

3.5

東日本大震災で全壊判定を受けた宮城県仙台市宮城野区の古民家が、実際にどう再生されたかを追う。設計・構法・技術といった建築的な要素を解説しつつ、被災を機に実家へ戻る決意をした施主の、住まいと暮らしへの価値観の変化や新たな生活への展望をレポートする。一軒の再生が人の決断と重なる。

こんな人におすすめ

被災からの住宅再建を考える人、古民家の構造補強に関心がある人、建築の実務者。記録として長期保存しておきたい一冊。

良い点

  • 実例を細部まで追う
  • 施主の変化も記録
  • 設計と構法の解説付き

気になる点

  • 対象は一軒のみ
  • 内容は専門的
  • 関心がなければ重い

出版社

建築資料研究社

発売日

2023年07月05日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

震災で全壊した古民家を、それでも残した記録ってあるんでしょうか。重いテーマですが気になっています。

佐藤メバル

佐藤メバル

『スミツグイエ』がそれだね。東日本大震災で全壊判定を受けた宮城県仙台市宮城野区の古民家を、実際にどう再生したかを追っている。

設計・構法・技術といった建築的な要素を解説しながら、施主の価値観の変化までレポートする構成なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

家を直すことと、暮らしを見直すことが重なっているんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の核だよ。被災を機に実家へ戻る決意をした施主の、住まいと暮らしへの思い、新しい生活への展望が描かれる。

対象は一軒だけだし内容も専門的だから、広く読む本ではない。ただ、住宅再建を考える人や建築の実務者には記録として残る一冊だと思う。

インテリアの解剖図鑑
24

インテリアの解剖図鑑

エクスナレッジ

¥2,420(税込)

3.5

カフェ風、ホテル風、古民家風、数寄屋風、北欧風、西海岸風、ブルックリン風、昭和レトロ、シャビーシック、ダークアカデミアまで、人気のスタイルを内装材・仕上げ・家具・照明から解説する。古民家風は自然素材を多用すると整理され、和と洋の混ざり方も比較できる。創作の設定資料にも使える。

こんな人におすすめ

部屋づくりの方向性が決まらない人、古民家風と和モダンの違いを知りたい人、小説や漫画の設定を練る人。資料として長く使える。

良い点

  • スタイルを横断して比較
  • 家具や照明まで解説
  • 創作の参考にもなる

気になる点

  • 改修の実務手順はない
  • 図版中心で文章少なめ
  • 価格は中程度

出版社

エクスナレッジ

発売日

2026年04月01日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

古民家風の部屋にしたいんですが、和モダンとの違いがよく分からなくて。整理してくれる本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『インテリアの解剖図鑑』が役に立つよ。カフェ風、ホテル風、西海岸風、北欧風、数寄屋風、ジャパンディ、ブルックリン風、昭和レトロ、シャビーシック、ダークアカデミアまで、スタイル別にポイントと事例を紹介している。

古民家風は自然素材を多用すると位置づけられていて、違いが比べられるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

家具や照明まで載っているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

載っている。内装材や仕上げはもちろん、椅子とテーブル、ソファ、収納、キッチン、観葉植物、ウィンドウトリートメント、照明まで解説されている。

設計の参考にも、新生活や創作の設定資料にも使える。改修の実務手順は入っていないから、そこは別の本で補ってね。

ときを感じる お宿図鑑
25

ときを感じる お宿図鑑

ときやど吉宮晴紀 著|学芸出版社

¥2,200(税込)

3.5

建築を学びながら全国100軒以上の古い宿を描いて巡った著者によるレトロ宿ガイド。東北から九州・沖縄まで35事例を、建物のスケッチと写真で徹底解剖する。泊まれる重要文化財や囲炉裏のある古民家宿、長い歴史を持つリゾートホテルまで幅広く、頁のQRコードから詳細情報も追える。

こんな人におすすめ

古い宿に泊まってみたい人、旅行の行き先を建物で選びたい人、宿の建築や意匠に興味がある人。次にどこへ行くかを迷う時間も楽しめる。

良い点

  • 全国35事例を収録
  • スケッチと写真で解剖
  • QRコードで情報を追える

気になる点

  • 宿泊情報は変わりやすい
  • 改修の話は中心でない
  • 料金の記載は限定的

出版社

学芸出版社

発売日

2024年05月13日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

旅行の行き先を、建物で選べるような本ってありますか? 古い宿に泊まってみたくて。

佐藤メバル

佐藤メバル

『ときを感じる お宿図鑑』がまさにそれ。建築を学びながら全国100軒以上を描いて巡った著者が、東北から九州・沖縄までの35事例を、スケッチと写真で解剖している。

泊まれる重要文化財から囲炉裏のある古民家宿、長い歴史を持つリゾートホテルまで幅広いんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

QRコードから詳細が見られるのは便利ですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、宿の紹介サイトと連携していて、気になった宿をその場で追える。宿の建物用語や変遷、照明、宿泊の作法といったコラムも挟まっていて読み物としても楽しい。

宿泊情報は変わっていくから、料金や空室は必ず自分で確認してから予約してね。

「残す・足す・隠す」——3原則でとらえると本がつながる

橘ナナミ

橘ナナミ

本が多くて、頭の中でごちゃごちゃになってきました……整理の仕方ってありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

古民家のインテリアは、「残す・足す・隠す」の三つに分けるとすっと入る。残すは柱や梁、土間、建具といった古いものを活かすこと。『古民家は語る』や『生きつづける民家』が、なぜ残す価値があるのかを教えてくれる。足すは漆喰、珪藻土、無垢材などで、『空き家改修の教科書』には珪藻土や漆喰を塗る章がある。隠すは断熱や設備で、『初めての人にもできる!古民家再生絵本』は「暗い」「寒い」をどう克服するかに紙幅を割いている。この三つを行き来しながら読むと、一冊ずつが孤立しないんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

「隠す」ってネガティブな響きだけど、暮らしやすさのための大事な工程なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが古民家の難しさであり面白さなんだよ。

和の素材から逆引きする——畳・襖・障子・無垢材・漆喰

橘ナナミ

橘ナナミ

「畳をどうするか」「建具をどうするか」みたいに、素材から本を探せますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

できるよ。建具や古家具なら『初めての人にもできる!古民家再生絵本』に「古家具古建具の実測」や「建具を直す」の項目がある。土壁や漆喰は同じ本の「土壁のなおしかた」や、『空き家改修の教科書』の内壁づくりの章が実践的だ。古材の循環という思想から入りたければ『古民家への道』の「古材の循環」がいい。畳そのものを扱う本は多くないから、和室の印象づくりは『インテリアの解剖図鑑』の様式解説で補うとバランスが取れる。

橘ナナミ

橘ナナミ

素材から入ると、リフォームの見積もりを見るときも理解が早そうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

まさにそう。業者さんとの会話が変わるよ。

絶版・高額な資料本、そして開業という選択肢

橘ナナミ

橘ナナミ

古い本や高い資料本は、どうやって手に入れればいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

まず図書館を当たってほしい。『古民家・文化財建造物再生デザイン』のような事例集は、地域の図書館や大学図書館に置かれていることがある。手元に置きたいなら、復刊や電子版の有無を版元の情報で確認する。中古で探すときは状態の記載をよく読むこと。絶版本は「読めればいい」なら借りる、「何度も開く」なら持つと割り切ると、判断がぶれないよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

開業を考えている人には、どのあたりが役立ちますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

古民家をカフェや宿にするなら、『町屋・古民家再生の経済学』で空き家を資源として捉える視点、『DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ』で民泊やカフェ開業を含む活用例、『ときを感じる お宿図鑑』で宿の見せ方の実例を押さえるといい。『古民家再生の組織論』は、なぜ再生が社会的に注目されるようになったかを制度の側から分析していて、事業の言葉を選ぶときの助けになる。『スミツグイエ 東日本大震災からの古民家復興』は、地震と津波で全壊判定を受けた古民家の再生過程を追い、施主の価値観の変化まで書いた記録だ。数字や事例だけでなく、続けていく覚悟の部分まで学べるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

デザインの話だと思っていたら、地域や経済の話までつながっているんですね……!

よくある質問

古民家インテリアの本はどこから選べばいい?

橘ナナミ

橘ナナミ

古民家インテリアの本はどこから選べばいいについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

まず「眺めたいのか、手を動かしたいのか」で分けましょう。眺めるなら写真集や実例集、動かすならDIYガイドから入ると迷いません。『ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし』のような実例集で雰囲気をつかみ、必要になったら『空き家改修の教科書』のような実用書へ進む順番がおすすめです。

古民家リノベーションの本と、ヴィンテージインテリア本の違いは?

橘ナナミ

橘ナナミ

古民家リノベーションの本と、ヴィンテージインテリア本の違いはについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

扱っている範囲が違います。『古家リノベーション』や『古民家への道』は、建物の状態の見方、法律、構造、耐震や温熱といった建て物側の話が中心。一方『ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし』は、古い家と古いものを愛する人たちの暮らしと空間の見せ方を味わう本です。直すなら前者、暮らし方を想像するなら後者と考えると選びやすいです。

写真が多くて見やすい古民家の本はどれ?

橘ナナミ

橘ナナミ

写真が多くて見やすい古民家の本はどれについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『ビンテージハウスで楽しむスタイルのある暮らし』は米軍ハウスや町家、洋館アパートメントなどの実例を写真で追えます。『古民家・文化財建造物再生デザイン』はビフォーアフターの写真とデータが一覧でき、『ときを感じる お宿図鑑』は建物のスケッチと写真で宿の見どころを解剖しています。写真中心か文章中心かは、立ち読みで数ページめくると見極められます。

DIY初心者におすすめの古民家改修本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

DIY初心者におすすめの古民家改修本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『空き家改修の教科書』は空き家の見極め方から解体、土壁、床、配管、電気工事まで施工プロセス順に図解しています。『DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ』は実例と水回り・断熱の要点をまとめたムック、『初めての人にもできる!古民家再生絵本』はイラストで手順を追う構成。まずは一冊を手元に置き、現場で開く前提で選ぶのが現実的です。

絶版・高額な古民家の資料本はどう入手する?

橘ナナミ

橘ナナミ

絶版・高額な古民家の資料本はどう入手するについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

最初に図書館を当たりましょう。地域の図書館や大学図書館に事例集が置かれていることがあります。手元に置きたい場合は、復刊や電子版の有無を版元の情報で確認し、中古で探すときは状態の記載をよく読むこと。読めればいいなら借りる、何度も開くなら持つ、と割り切ると判断がぶれません。

Kindleなど電子書籍で読める古民家インテリア本はある?

橘ナナミ

橘ナナミ

Kindleなど電子書籍で読める古民家インテリア本はあるについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

配信状況は本ごとに変わります。大型の写真資料本や古い刊行の本は電子化されていないことも多いため、購入前に各ストアで対応状況を確認してください。電子で読めない本は図書館や中古、紙で手元に置くという選択になります。写真の色味を重視するなら紙も有力です。

古民家カフェや宿の開業に役立つ本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

古民家カフェや宿の開業に役立つ本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『町屋・古民家再生の経済学』は空き家や古民家を地域資源として捉え、各地の事例から文化観光を考えます。『DIYで楽しむ!空き家再生&古民家リノベ』は民泊やカフェ開業を含む活用例を紹介。宿の見せ方を学ぶなら『ときを感じる お宿図鑑』、再生の思想と技術なら『古民家への道』が参考になります。

和室・畳・建具のインテリアを学べる本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

和室・畳・建具のインテリアを学べる本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『初めての人にもできる!古民家再生絵本』には古家具・古建具の実測や建具の補修、土壁の直し方が収められています。『インテリアの解剖図鑑』は「古民家風は自然素材を多用する」など様式別に内装・家具・照明を解説。畳そのものを主題にした本は少ないため、和室の印象づくりは様式解説で補うとよいでしょう。

まとめ

橘ナナミ

橘ナナミ

今日のお話を聞いて、古民家の本って「家の本」というより「暮らしの設計図の本」なんだなと思いました。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。しかも、その設計図は一枚じゃ足りない。眺める本で憧れを育て、実例集で想像を膨らませ、実用書で手を動かし、思想の本でなぜそうするのかを確かめる。何冊かを行き来して、はじめて輪郭が見えてくるものなんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

私、まだ古民家に住んだこともないし改装したこともないので、正直「当事者じゃないのに」と思っていたんです。でも、写真集から入るだけでもいいんですよね?

佐藤メバル

佐藤メバル

もちろん。書店員時代、まず写真集を一冊買って、ページを開くたびに「ここに座ったら気持ちいいだろうな」と想像していた常連さんがいた。数年後、その人が本当に古い家を買って、今度は技術書を抱えて戻ってきたときは嬉しかったな。

橘ナナミ

橘ナナミ

いい話……!じゃあ私も、まず一冊、眺める本から始めてみます。

佐藤メバル

佐藤メバル

それがいい。古民家のインテリア本は、設計図というより「灯りをともす順番」を教えてくれる。土間の灯りをいつ点けるか、座敷の灯りをいつ足すか——本ごとに役割が違うから、焦らず一枚ずつ点けていけばいい。急がなくても、古い家はちゃんと待っていてくれるよ。

関連記事

Editorial Team

編集に関わる専門家