この本を一言で言うと
残業・ノルマ・期限なし、頑張ることさえ禁止しながら10期連続最高益を達成したワークマンが、4000億円の空白市場を切り拓いた「しない経営」×「エクセル経営」の全貌を初公開。
この本の概要
本書は、作業服専門店から「ワークマンプラス」でアウトドア・一般ファッション市場に進出し、店舗数でユニクロを超えた急成長を遂げたワークマンの戦略を、専務取締役・土屋哲雄が自ら解説した経営書である。著者は東京大学経済学部卒・三井物産出身のビジネスパーソンが60歳近くでワークマンに入社し、組織変革を成し遂げたという異色の経歴を持つ。
本書の骨格は「しない経営」×「エクセル経営」という二つのコンセプトにある。「しない経営」とは、残業しない・ノルマを課さない・期限を設けない・社内行事しない・接客しない・競争しない・値引きしないという、多くの企業が慣例的に行っていることを意識的にやめること。これにより社員のストレスを取り除き、内発的な動機で仕事する環境をつくった。
一方「エクセル経営」は、高度なITシステムではなくExcelを活用したデータ分析で組織変革を推進した手法。社員全員がデータを使って考える習慣をつくることで、「ワークマンプラス」という4000億円の空白市場発見につながった。孫正義氏も驚いたという「高機能・低価格」ポジショニングの発見プロセスが詳述されている。入山章栄教授との「両利きの経営」対談も収録。
「頑張らない」ことが最強の戦略だと気づいた
正直、タイトルを見て「うちには関係ない」と思っていた。作業服屋の話でしょ、と。
でも店舗数でユニクロを超えた、という事実が気になって読み始めた。気づいたら付箋だらけになっていた。
一番驚いたのは「頑張ることを禁止している」という箇所だ。「頑張ってできても意味がない。誰でもできる仕組みにしないと30年・40年続く経営はできない」と土屋さんは言う。これはまったく逆の発想だった。うちの会社は「頑張れ」で動かしてきた組織だから。
「しない経営」で印象的だったのは、社員に「嫌なことをやめさせた」結果、逆に生産性が上がったという話。ノルマのプレッシャーがない方が、社員が自分の頭で考えるようになるという。確かに、うちのチームで仕事が一番できるのはプレッシャーをかけていないメンバーだったりする。
「エクセル経営」の話も実用的だった。高いITツールではなく、全社員がエクセルでデータを見る習慣をつけること。「ツールは使えるではなく使い方が大事」という言葉が残った。
競合との競争をしないで空白市場を取りにいくという戦略は、ポジショニングの教科書より具体的でわかりやすかった。入山教授との対談も補足として良かった。
— 中堅小売チェーンの経営企画部長・吉田(46歳)
この本で学べること
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本の目次
- 1はじめに 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密
- 2第1章 「しない会社」にやってきたジャングル・ファイター
- 3第2章 ワークマン式「第2のブルーオーシャン市場」のつくり方
- 4第3章 「しない経営」が最強の理由
- 5第4章 データ活用ゼロの会社が「エクセル経営」で急成長した秘密
- 6第5章 なぜ「エクセル経営」で社員がぐんぐん成長するのか
- 7第6章 興味こそがやりきる経営のエンジンである
- 8第7章 「両利きの経営」はどうすれば実現できるのか(対談)
良い点・気になる点
良い点
- ○日本企業の実例として具体的で再現性のある事例が豊富
- ○「しない経営」×「エクセル経営」の二軸が明快でわかりやすい
- ○働き方改革と経営成果を両立できることを実証した説得力
気になる点
- △ワークマン特有の業態・フランチャイズ構造への依存が大きく、他業種への適用には解釈が必要
- △エクセル経営の具体的手法は別書(「ワークマン式エクセル」)を参照することになる
みんなの評判・口コミ
★★★★★5.0
下手なケーススタディより断然面白かった。著者の論旨が明晰で、ワークマン特有の話と一般化できる話をきちんと切り分けているのが読みやすい。しない経営のコンセプトは自社に取り入れた。
★★★★★4.5
制約になっていることを認知してやめることがしない経営の本質だという指摘が刺さった。社内で慣例的に続けていることの中に、実はコストだけ生む施策が多いと気づかせてくれた。
★★★★★5.0
がんばることが美徳とされすぎている職場で働いてきた自分に刺さった。内発的な興味で仕事をする環境をつくるという発想が新鮮。介護の現場でも応用できる考え方だと感じた。
★★★★★4.0
市場の選定とポジショニングの妙が詳しく書かれている点が参考になった。空白市場の発見プロセスはマーケティングの実務で使える考え方。ただし自社への応用には業態の違いを考慮する必要がある。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. 製造業・IT・サービス業など小売以外の業種でも参考になりますか?▼
A. 「しない経営」の本質(社員のストレスを取り除き内発的動機を引き出す)と「エクセル経営」(全社員がデータで考える)は業種を問わず適用できます。ただしワークマン特有のビジネスモデル部分は業種に合わせた解釈が必要です。
Q. エクセルを使いこなせない人でも読んで意味がありますか?▼
A. エクセルの技術的な説明は本書にはありません。本書で語られるのは「全社員がデータを使って考える文化をどう作るか」という組織論です。エクセルスキルとは無関係に参考になる内容が多いです。
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