この本を一言で言うと
全米1435社の中から選ばれた飛躍企業11社の分析を通じ、「良好(グッド)から偉大(グレート)へ飛躍する普遍的な法則」を解き明かした経営学の金字塔。
この本の概要
本書は2001年の刊行以来、日本でも経営者の必読書として読み継がれているジム・コリンズの代表作である。「どうすれば平凡な会社が世界有数の超優良企業に飛躍できるのか」という問いに対し、7年にわたる厳密なデータ分析と比較研究によって答えを導き出した。
研究の結論として6つの飛躍の法則が提示される。①第五水準のリーダーシップ(謙虚で野心的、しかし強靭な意志を持つリーダー)、②最初に人を選ぶ(目標より先に優秀な人材をバスに乗せる)、③残酷な現実と向き合う(厳しい現実を直視しながら希望を失わない「ストックデールの逆説」)、④ハリネズミの概念(世界一になれる・情熱を持てる・経済的原動力となる三つの輪の交点)、⑤規律の文化(規律ある人材が規律ある行動をとる文化)、⑥促進剤としての技術(技術はあくまで加速装置)。
さらに重要なのが「弾み車の効果」—偉大な企業は一気に飛躍するのではなく、重い弾み車を少しずつ回し続け、あるとき一気に回転が加速するという概念だ。この「地道な積み重ね」こそが持続的成長の本質であるという主張は、現代のスタートアップ文化の「急成長志向」に対する根本的な問いかけでもある。
20年前に出た本が、今の経営課題に直接刺さる
この本を初めて読んだのは30代の頃で、当時は「面白い研究だな」くらいの印象だった。50歳になって再読したら、全然違う読み方になった。
「第五水準のリーダーシップ」の章が特に重くなった。派手でカリスマ的なリーダーほど飛躍を遂げた企業を率いていなかった、という研究結果。謙虚だが成功への強い意志を持つリーダーが偉大な企業を作る、という話。自分はどちらだろうか、と正直に問い直した。
「最初に人を選ぶ」の話は、採用の失敗が続いた時期に読んで痛かった。戦略に合った人材を採るのではなく、どんな状況でも価値を発揮できる人材を先に集める。うちは逆をやってきた。事業計画ありき、それに合う人を採る、という順番で。
「ハリネズミの概念」は毎年の経営計画策定前に読み返す。自社が世界一になれること・情熱を持てること・経済的原動力になることの三つが重なる領域はどこか。この問いに正直に答えられている経営者は少ないと思う。
「良好は偉大の敵である」という冒頭の一文。そこそこうまくいっているからこそ、大きく変われない。この緊張感を持ち続けるために、時々読み返す本。
— 中堅メーカーの代表取締役・田口(50歳)
この本で学べること
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本の目次
- 1第1章 良好は偉大の敵
- 2第2章 第五水準のリーダーシップ
- 3第3章 最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
- 4第4章 厳しい現実を直視する
- 5第5章 ハリネズミの概念
- 6第6章 規律の文化
- 7第7章 促進剤としての技術
- 8第8章 弾み車と悪循環
- 9第9章 始まりの終わり
良い点・気になる点
良い点
- ○7年間のデータ分析に基づく科学的なアプローチで信頼性が高い
- ○「飛躍企業」と「比較企業」の対比が明確で、何をすべきか・すべきでないかが具体的
- ○経営全般(人材・リーダーシップ・戦略・組織文化)を一冊で体系的に学べる
気になる点
- △360ページと分量があり、全体を通読するには時間が必要
- △米国企業の研究であり、日本的経営文化との文脈差がある
みんなの評判・口コミ
★★★★★5.0
不朽の名著。20年ぶりに読んだが「ハリネズミの法則」の重要性を改めて確認した。良好は偉大の敵という一言が、現状維持への警戒を呼び起こす。経営者として常に手元に置いておきたい。
★★★★★5.0
データ分析に基づく飛躍企業と比較企業の対比が明快。「何をすべきか」ではなく「何をすべきでないか」の議論が特に有益。クライアントへの提言の根拠として頻繁に使う。
★★★★★4.5
弾み車の概念が刺さった。偉大な会社は一朝一夕ではなく、規律を持って地道な積み重ねの末に飛躍する。組織をマネジメントする立場で読むと、毎日の仕事の意味が変わって見える。
★★★★★4.0
経営者の視点で組織を考えることができた。第五水準のリーダーシップの概念は、カリスマ型より誠実で強靭な意志を持つタイプが偉大な組織を作るという発見が新鮮だった。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. ビジョナリー・カンパニーの他の巻と読む順番は?▼
A. 本書(2巻)は独立して読めますが、1巻(時代を超える生存の原則)と合わせて読むとより深く理解できます。ZEROはシリーズの原点として全体の体系を把握するのに最適です。
Q. スタートアップにも適用できますか?▼
A. 本書の研究対象は成熟した大企業ですが、人材優先・ハリネズミの概念・弾み車の考え方はスタートアップにも有効です。ただしZERO(本シリーズの原点)の方がスタートアップ向けの内容が多いです。
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