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【要約・書評】『永守流 経営とお金の原則』の評判・おすすめポイント

永守 重信|||0ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

日本電産を世界No.1モーターメーカーに育てた永守重信が、50年の経営経験から導いた財務・資金繰り・M&Aの原則を自ら語った経営財務の実践書。

この本の概要

本書は、日本電産(現ニデック)の創業者・永守重信が、28歳で3名の従業員とともに起業してから世界規模の企業グループに育てるまでの過程で体得した「お金まわりの戦略」を体系的に語った経営書である。2022年の出版時に伝説の名著として知られた旧版を完全リニューアルした。 永守の財務哲学の核は「売上より利益、利益よりキャッシュ」という優先順位にある。ベンチャー企業が潰れるのは赤字よりも資金ショートであるという認識のもと、創業期から一貫してキャッシュフローを最重視する経営を実践してきた。 全10章にわたって、コスト意識の鍛え方、創業時の資金調達術、銀行との付き合い方(「取引は人なり」)、取引先の見極め方、株式上場のタイミング、M&A戦略、海外展開のリスク管理、そして不況期の乗り越え方まで、経営現場で直面する財務課題のほぼすべてに処方箋が示される。 特にM&Aの章は、100社以上の買収を実行してきた経験から生まれた独自の手法(買収先の業績を必ず短期で改善させる「永守流V字回復」)が詳述されており、日本のM&A実務書の中でも際立った内容となっている。

財務のリアルがここまで書かれた経営書は他にない

VCから調達した後、次の資金調達まで何ヶ月持つかをスプレッドシートで管理し続ける日々。キャッシュが尽きれば終わりという緊張感の中でCFOをやっていると、きれいごとの財務論より「実際のところどうする?」という話が読みたくなる。 この本はその「実際のところ」が書いてある。 銀行との交渉で永守さんが経験した具体的なやり取り、取引先の倒産リスクをどう見極めるか、M&Aでデューデリジェンスをどこまでやるか。教科書には載らないリアルな判断基準が惜しみなく公開されている。 「足元悲観、将来楽観」という永守さんの言葉が刺さった。今の状況を甘く見ずに最悪を想定しながら、それでも未来への投資は止めないという姿勢。ベンチャーのCFOにとって、これはそのまま行動指針になる。 3Qという質的基準(品質・整理整頓・安全)と6Sという行動基準の話も、うちのチームに取り入れた。財務だけでなく組織文化の話も随所に出てくるから、経営者の視野で読める。 強いて言えば、永守さんのスタイルは体育会系で、現代のスタートアップ文化とは少しギャップもある。でも原理原則の部分は今でも十分使えると思う。

ITスタートアップのCFO・宮本(38歳)

この本で学べること

本の目次

  1. 1序章 お金の戦略が必要だ
  2. 2第1章 キャッシュこそ企業価値の源泉
  3. 3第2章 会社を成長へ導く財務戦略
  4. 4第3章 創業時の資金の集め方
  5. 5第4章 金融機関とどう付き合うか
  6. 6第5章 取引先を見極める方法
  7. 7第6章 チャレンジと財務バランス
  8. 8第7章 株式上場と規律
  9. 9第8章 M&Aをどう活用するか
  10. 10第9章 海外展開は飛躍のチャンス
  11. 11第10章 波乱の時代をどう乗り切るか

良い点・気になる点

良い点

  • M&Aや銀行交渉など具体的な財務実務が赤裸々に語られている
  • 100社以上の買収経験に基づく独自の実践知識
  • 創業から上場・グローバル展開まで経営ステージ別に整理されている

気になる点

  • 体育会系の経営スタイルが前提となっており、現代のワークスタイルとは合わない部分も
  • 永守氏個人のカリスマに依存した要素が多く、組織論としての再現性に課題

みんなの評判・口コミ

5.0

財務やM&A戦略のリアルをここまで克明に書いた経営者本は他にない。銀行との交渉で同じような苦労を経験したが、自分だけじゃないとわかってホッとした。基本的な考え方はどの時代も共通。

4.5

クライアントへの財務指導で活用している。売上・利益・キャッシュの優先順位と、銀行との人的関係構築の重要性は、中小企業経営者に繰り返し伝えたいメッセージ。

4.0

原理原則を定義化・明確化し、徹底してやりきる姿勢が全編に貫かれている。気持ちがいいくらい正しいことをズバリ言ってくれる。なかなかここまではできないが、少しでも取り入れようと思った。

4.0

永守さんの経営スタイルは今の時代と合わない部分もある。ただ財務の本質—キャッシュの重要性、コスト意識、M&Aの判断基準—は普遍的。大事なエッセンスを抽出して自社に応用した。

著者について

こんな人におすすめ

よくある質問

Q. 大企業向けの内容ですか?中小企業でも参考になりますか?
A. 本書は日本電産の創業期(従業員3人)から書かれており、ベンチャー・中小企業の経営者にこそ参考になる内容です。創業時の資金調達、銀行交渉、コスト管理など、小さな会社で直面する課題が中心です。
Q. 旧版との違いは何ですか?
A. 2022年版は旧版を完全リニューアルし、M&A、海外展開、デジタル時代の財務戦略など現代の経営課題に対応した内容が大幅に加筆されています。

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