この本を一言で言うと
稲盛和夫が「盛和塾」の経営者塾生からの具体的な質問に答えるQ&A形式で、高収益企業をつくるための実践経営哲学を解説した書。
この本の概要
稲盛和夫が主宰した「盛和塾」は、世界14カ国に塾生を持つ経営者育成塾だった。本書はその中で交わされたQ&Aを収録したもの。塾生経営者たちが実際の経営の現場で直面した問題を稲盛氏に問い、稲盛氏がその場で答える——そのリアルなやり取りが本書の最大の価値だ。
扱われるテーマは幅広い。「なぜ日本企業の収益率は低いのか」「生産性を10倍にする方法はあるか」「M&Aを成功させるには何が必要か」「成果主義はなぜ失敗するのか」——いずれも経営者が日常的に直面するリアルな問いだ。
稲盛氏の回答の特徴は、方法論より先に「なぜそれをするのか」という動機と哲学から語ること。高収益を目指すのは自分の欲のためでなく、社員・取引先・社会に貢献するためだという軸が一貫している。
Q&A形式のため読みたいテーマから読み始められるアクセスの良さも特徴。稲盛哲学の入門書としても、具体的な経営課題の参照書としても使える一冊。
「なぜうちは利益率が低いのか」への答えが、予想外の方向から来た
製造業をやっていると、どうしても利益率が低くなりがちだ。薄利多売が当たり前の業界で、「高収益企業をつくる」なんて夢物語に思えてた。
Q&A形式なので、自分の疑問に近い質問を探しながら読んだ。「なぜ日本企業の収益率は低いのか」という問いへの答えが予想外だった。設備や技術の問題じゃなく、「経営者の意識の問題」だと断言するんだ。
稲盛さんの主張は単純明快。「値決めが正しくない」「高く売る勇気がない」「採算を本気で追っていない」。これは痛かった。うちも安く受けすぎていた自覚があった。
M&Aについての章も参考になった。「買収する前に、相手の経営者の人格を見ろ」というのは、財務デューデリより先に人を見ろという話で、当たり前のようで実践できていないことだった。
成果主義の批判が一番刺さった。数字で評価する仕組みが、逆に数字しか追わない社員を生むというのは、うちでも起きていたことだった。
読みやすいし、具体的だし、稲盛入門書として最適だと思う。
— 機械部品製造の2代目社長・橋本(46歳、愛知)
この本で学べること
✓
✓
✓
✓
✓
本の目次
- 1第1章: 高収益企業をつくるための基本思想
- 2第2章: 採算と値決めの実践
- 3第3章: 生産性向上の具体策
- 4第4章: 人材育成と組織管理
- 5第5章: M&Aと経営者の資質
- 6第6章: 成果主義の問題と代替案
- 7第7章: 経営目的と社会的責任
良い点・気になる点
良い点
- ○Q&A形式で読みたいテーマからすぐ読み始められる
- ○実際の経営者の質問がベースで、現場感のある具体的な内容
- ○稲盛哲学の要点が凝縮されており入門書として有用
気になる点
- △稲盛哲学の枠内での回答のため、異なる経営観の読者には合わない場合もある
- △盛和塾の場での発言を収録しているため、文脈が追いにくい部分がある
みんなの評判・口コミ
★★★★★4.5
「値決めを甘くするから利益が出ない」という指摘は耳が痛かった。読んだ翌月から見積もりの基準を変えた。すぐに利益率が改善したわけではないが、姿勢が変わった。
★★★★★4.0
M&Aのデューデリを担当することが多いが、「財務より人格を見ろ」という指摘は実は財務の専門家にとっても重要な視点。統合後のPMIを考えると、人格・哲学の一致が全てだと今は思う。
★★★★★4.0
成果主義批判の章が特に秀逸。数字で評価することの限界と弊害を、稲盛氏の実体験に基づいて語っている。成果主義を導入しようとしている企業のHR担当に読んでほしい。
★★★★★3.5
Q&A形式なので通読より参照書として使いやすい。自分が直面している課題に近い質問を探して読むスタイルが向いている。内容は実践的で、稲盛哲学の入門として適切。
著者について
こんな人におすすめ
✓
✓
✓
よくある質問
Q. 他の稲盛本と比べて何が違いますか?▼
A. Q&A形式という点が最大の特徴で、「具体的な経営課題への処方箋」として機能します。哲学書としての『京セラフィロソフィ』や入門書としての『心を高める』とは異なり、経営の現場問題に即した実践書です。
Q. 製造業以外の業種でも参考になりますか?▼
A. はい。値決め・採算・人材育成・M&Aなどのテーマは業種を問わず適用できます。塾生の業種も多様で、サービス業・小売業・建設業など様々な業種の質問が収録されています。
経営フレームワーク集
実践で使える経営フレームワーク20選を無料でダウンロード
※ 登録いただいたメールアドレスは資料送付にのみ使用します