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【要約・書評】『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』の評判・おすすめポイント

ジム・コリンズ|||0ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

6年間・18社の徹底調査から導き出した「時代を超えて偉大であり続ける企業の原則」を解明した、経営書の不朽の古典。

この本の概要

1994年にジム・コリンズとジェリー・ポラスが発表した本書は、30年以上にわたって世界中の経営者・ビジネスパーソンに読み継がれる経営書の古典だ。全世界で1000万部を超えるベストセラーであり、その洞察は現代にも色褪せない。 本書の核心は「ビジョナリー・カンパニー」という概念だ。著者たちは6年間かけてジョンソン・エンド・ジョンソン、3M、ボーイング、P&Gなど18社の偉大な企業を、同業の比較企業と徹底的に比較調査した。そこから見えてきた発見は既成概念を覆すものだった。偉大な企業を作るのは「カリスマ的なリーダー」でも「優れた理念」でもない。「基本理念と進歩への意欲を両立させ続ける組織そのもの」の構築こそが鍵だった。 「BHAGs(大胆な目標)」「カルトのような文化」「基本理念の保持と進歩の促進」など、本書が提示するコンセプトは今も経営・組織論の基本語彙として広く使われている。コリンズの後続作「GOOD TO GREAT(ビジョナリーカンパニー2)」の前提となる基礎的な一冊でもある。

「なぜうちの会社は50年続いているのか」を考えるきっかけになった

祖父が創業した会社を継いで15年になる。「なぜうちの会社はここまで続いてこられたのか」と聞かれることがある。正直、自分でもちゃんと答えられなかった。 この本に出会ったのは40代の頃だ。最初に読んだときの感想は「これは調査研究の本だ」だった。感動系のビジネス書を期待していたが、実際は6年間の徹底したデータ分析に基づく研究報告で、論拠がしっかりしている。 一番印象に残ったのは「時を告げるのではなく、時計を作れ」というメタファーだ。偉大なビジョナリーカンパニーは、カリスマ的なリーダーが方針を示し続けるのではなく、リーダーがいなくなっても機能し続ける「組織・仕組み・文化」そのものを作る。これが長寿企業の秘密だと。うちがここまで続いてきたのも、創業者が「人を育てる仕組み」を作ったからかもしれないと思えた。 古い本だから一部事例は時代遅れに感じる(当時の偉大な企業が後に問題を抱えたケースもある)。でも「基本理念と進歩の両立」という原則の本質は変わっていない。経営者なら一度は読んでおくべき本だと思う。

中堅製造業・代表取締役・川村(55歳)

この本で学べること

偉大な企業を作るのはカリスマ的リーダーではなく、「時計そのもの(組織・仕組み・文

偉大な企業を作るのはカリスマ的リーダーではなく、「時計そのもの(組織・仕組み・文化)」を作る能力

基本理念(Core Values & Purpose)を明確に保持しながら、進歩

基本理念(Core Values & Purpose)を明確に保持しながら、進歩と変化を促進する「AND(両立)の哲学」が長期繁栄の鍵

BHAGs(Big Hairy Audacious Goals)

大胆で具体的な長期目標が組織のエネルギーを結集させる

「カルトのような文化」

徹底した自社文化の醸成と維持が、模倣困難な組織能力を生む

偉大な企業は常に「大幅な変化」と「基本理念の保持」を同時に行っており、変化の激し

偉大な企業は常に「大幅な変化」と「基本理念の保持」を同時に行っており、変化の激しい環境でも根幹はブレない

本の目次

  1. 1第1章: 最高のベスト企業
  2. 2第2章: 時計を作る
  3. 3第3章: ANDの哲学
  4. 4第4章: 基本理念
  5. 5第5章: BHAGs(大胆な目標)
  6. 6第6章: カルトのような文化
  7. 7第7章: 大量のものを試し、うまくいったものを残す
  8. 8第8章: 生え抜き経営陣
  9. 9第9章: 決して満足しない
  10. 10終章: 永遠のビジョナリー・カンパニーの構築

良い点・気になる点

良い点

  • 6年間の徹底調査に基づく実証的な研究であり、感想・主観に頼らない論拠の確かさ
  • 「BHAGs」「ANDの哲学」など今日の経営・組織論に根付いた基本概念の源泉
  • 30年にわたって読み継がれる普遍性があり、経営書の古典としての地位が確立されている

気になる点

  • 研究対象の一部企業がその後に問題を抱えており、「偉大な企業」の選定基準に後から疑問が呈されるケースがある
  • 米国大企業中心の事例で、日本の中小企業や新興企業への直接適用には読み替えが必要

みんなの評判・口コミ

5.0

企業理念の重要性を主観論ではなく実証的に示してくれた本として、経営判断の基準になっている。「ANDの哲学」は矛盾に見えるトレードオフを乗り越える思考法として今も使っている。

4.5

「時計を作れ」というメタファーが刺さった。カリスマ頼みの組織を作らないようにするには、仕組みと文化の設計が先だと理解できた。創業期に読む価値がある。

4.0

古典として外せない一冊。ただし研究対象企業のその後を知った上で、批判的に読む姿勢も必要。BHAGsやカルト的文化という概念の出典として、知識として押さえておく価値はある。

4.0

経営学の授業で取り上げられた必読書。研究の方法論は丁寧で、「偉大な企業と普通の企業の違い」を体系的に学べる。日本語訳も読みやすく、分量の割にサクサク読める。

著者について

こんな人におすすめ

長期にわたって機能し続ける組織・企業の仕組みを作りたい経営者

長期にわたって機能し続ける組織・企業の仕組みを作りたい経営者

企業理念・ビジョンの重要性を論理的に理解し社内に伝えたい経営

企業理念・ビジョンの重要性を論理的に理解し社内に伝えたい経営幹部

経営学・組織論の古典として知的基盤を固めたいビジネスパーソン

経営学・組織論の古典として知的基盤を固めたいビジネスパーソン

よくある質問

Q. 「ビジョナリーカンパニー2(GOOD TO GREAT)」とどちらを先に読むべきですか?
A. 本書(1作目)を先に読むことをお勧めします。本書が「偉大な企業の特性とは何か」を定義しているのに対し、2作目は「普通の企業が偉大に飛躍するための条件」を探っています。本書の概念を踏まえた上で2作目を読むことで、理解が深まります。
Q. 本書で取り上げられた企業のその後の問題は、理論の否定につながりますか?
A. 著者自身も後の著書で修正を加えており、本書の結論が絶対ではないことは認識する必要があります。ただし「基本理念と進歩の両立」「組織・仕組みの構築」という原則は今も有効です。特定の企業への評価より、経営の原則を学ぶものとして読むのが適切です。

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