この本を一言で言うと
バリューチェーンの概念を確立し「競争優位をいかに創造・持続させるか」を徹底解明した、ポーターの前著『競争の戦略』の実践的発展版。
この本の概要
マイケル・E・ポーターが1985年に発表した『競争の戦略』の続編・実践版(邦訳)。前著が「業界構造の分析(5フォース)」に焦点を当てたのに対し、本書は「企業が高業績を持続させるための内部活動の管理」に焦点を移す。最大の貢献はバリューチェーン(価値連鎖)の概念化——購買物流・製造・出荷物流・マーケティング・サービスの主活動と、調達・技術開発・HRM・全般管理の支援活動に企業活動を分解し、どこで価値が生み出されどこでコストが発生するかを分析するフレームワーク。コスト優位と差別化優位の2つの競争優位の源泉を企業内部から解明し、持続的な高業績の仕組みを体系化した経営戦略論の不変のバイブル。659ページの大著。
バリューチェーンを「使いこなす」ために読む本
バリューチェーンという言葉は日常的に使っていた。でも「なぜこの9つの活動なのか」「それぞれの活動がコストや差別化にどう影響するのか」という問いに答えられるかというと、自信がなかった。
読もうと思ったきっかけは、コンサルへの発注書で「バリューチェーン分析をお願いします」と書いたとき、相手から「どの粒度で分析しますか?」と聞かれて答えられなかったこと。恥ずかしかった。
本書を読んで、バリューチェーンが「整理のツール」ではなく「競争優位の源泉を探すための分析枠組み」だとわかった。どの活動でコスト優位を持つか、どの活動で差別化するかを特定し、それを持続させる仕組みを設計することが目的。活動間の「つながり(リンケージ)」を管理することが持続的競争優位の鍵、という話も目から鱗だった。
659ページで翻訳が硬く、読むのに根気がいる。でも重要な章(第2・3章)だけでも読む価値は十分ある。
— 製造業の経営企画担当・山口(39歳)
この本で学べること
✓
✓
✓
✓
✓
本の目次
- 1第1章: 競争優位
- 2第2章: バリューチェーンと競争優位
- 3第3章: コスト優位
- 4第4章: 差別化
- 5第5章: 技術と競争優位
- 6第6章〜: セグメンテーション・代替・攻撃・防衛戦略
良い点・気になる点
良い点
- ○バリューチェーンの概念を原典で学べる——表面的な理解から本質的な活用へ
- ○コスト優位・差別化の両方の源泉を体系的に解明した包括性
- ○持続的競争優位という概念の理論的基盤——今も色褪せない普遍性
気になる点
- △659ページと非常に分厚く、読了に相当な時間と覚悟が必要
- △翻訳の品質が一部硬く、スラスラ読みにくい——英語版または辞書的使用が現実的
みんなの評判・口コミ
★★★★★4.5
バリューチェーンの「各活動とリンケージ」の章を読んで、コスト削減の優先順位の考え方が変わった。どの活動が競争優位の源泉かを特定してから手をつける意味が理解できた。
★★★★★4.0
競争の戦略と合わせて読むことで体系が完成する。前著が「外部分析(5フォース)」なら本書は「内部分析(バリューチェーン)」で、補完関係にある。
★★★★★4.5
「なぜバリューチェーンのこの9つか」「リンケージの最適化が差別化の源泉になる理由」が初めて論理的に理解できた。表面的な知識から本質的な理解への転換点になった本。
★★★★★3.5
動的市場環境や知識経済への対応では後発の理論(RBV・動的ケイパビリティ)が必要だが、活動ベースの競争分析という枠組みは今も有効。批判も含めて必読書。
著者について
こんな人におすすめ
✓
✓
✓
よくある質問
Q. 『競争の戦略』と本書はどちらを先に読むべきですか?▼
A. 『競争の戦略』を先に読むことをお勧めします。前著で「どこで戦うか(業界・ポジション)」を理解してから、本書で「どう勝つか(バリューチェーン・競争優位)」を学ぶと体系的に理解できます。
Q. デジタル・サービス業でもバリューチェーン分析は使えますか?▼
A. 製造業を念頭に置いた枠組みですが、サービス業・デジタル業に応用することは可能です。活動の定義は業界に合わせて調整する必要があります。
経営フレームワーク集
実践で使える経営フレームワーク20選を無料でダウンロード
※ 登録いただいたメールアドレスは資料送付にのみ使用します