この本を一言で言うと
ポーターが提唱した5フォース分析・3つの基本戦略・競争相手分析を体系化した、40年以上読み継がれる競争戦略論の原典。
この本の概要
ハーバード・ビジネス・スクール教授マイケル・E・ポーターが1980年に発表した競争戦略論の原典(邦訳1982年)。産業の競争強度を決定する「5つの競争要因(新規参入・代替品・売り手・買い手・競争業者)」というフレームワーク、そして企業が取るべき3つの基本戦略(コスト・リーダーシップ、差別化、集中)を体系的に提示。さらに競争相手の行動分析、業界ポジション、競争における移動障壁の概念を網羅。産業が違い国が違っても通用する競争の普遍的原理を示した一冊で、現代の戦略論のほぼすべてはこの本への批判・補完・発展として存在する。500ページの大著だが経営戦略を学ぶ人に避けて通れない一冊。
一読に苦労したが、読んだ後の世界が変わった
学生時代に一度読もうとして挫折した本だ。ポーターの名前は知っているし、5フォースは使っている。でも原書(邦訳)を通読したことはなかった。
転機は40代半ばで事業開発に異動したとき。入門書では物足りなくなり、「一度ちゃんと読もう」と腰を据えた。読み切るのに3ヶ月かかった。辞書を引きながら、わからない概念を書き留めながら。でも読んで良かった。
5フォースを「知っている」と「理解している」の差が初めてわかった。教科書では「5つの力を分析しましょう」で終わるが、原書では「なぜこの5つなのか」「それぞれの力がどう業界の収益性に影響するか」のメカニズムが丁寧に説明されている。
使い方としては、最初から全部読む必要はないと思っている。第1章(5フォース)と第2章(3つの基本戦略)だけで実務での価値は十分。後半は辞書的に調べながら使うといい。
高いし、古いし、厚い。でもこれを読まずに戦略を語るのは、少し恥ずかしい気がする。
— 大手商社の事業開発部長・松本(48歳)
この本で学べること
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本の目次
- 1第1章: 競争の戦略——業界分析と競争要因
- 2第2章: 3つの基本戦略
- 3第3章: 競争相手分析のフレームワーク
- 4第4章: 競争戦略シグナル
- 5第5章: 競争戦略の手順
- 6第6章〜: 各種業界環境での競争戦略(成熟・衰退・グローバル等)
良い点・気になる点
良い点
- ○5フォース・3基本戦略の原典——表面的な理解から本質的な理解へ深められる
- ○業種を問わず適用できる普遍的な競争の原理を提示
- ○40年以上の実績で理論の信頼性と汎用性が証明されている
気になる点
- △500ページの大著で読了に相当の時間と覚悟が必要
- △翻訳が硬く、スラスラとは読みにくい——辞書的な使い方が現実的
みんなの評判・口コミ
★★★★★4.5
5フォースを「使いこなす」ために読んだ。教科書で学んだ5フォースと、原典の5フォースは深さが違う。業界の収益性を決める構造的要因の理解が一段深まった。
★★★★★4.0
読了に時間がかかったが後悔はない。ポジショニングに依拠する姿勢がこの本では最も明快で鋭い。後の著作(競争優位の戦略等)より一点突破の論理が際立っている。
★★★★★4.0
辞書として使っている。全部読む必要はなく、第1・2章だけで実務で使える価値が十分ある。教科書的に知っていた内容の「なぜ」がやっと理解できた。
★★★★★3.5
現代の動的な市場環境への対応はRBVや動的ケイパビリティで補完が必要。ただ競争構造分析の出発点として今も外せない一冊。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. エッセンシャル版と原著(本書)はどちらを読むべきですか?▼
A. まずはエッセンシャル版(約300ページ)で概要を掴み、本書は特定のテーマを深掘りするための参照書として使うのが効率的です。業界分析を本格的に行う場合は本書が必要です。
Q. デジタル時代にも有効な理論ですか?▼
A. 基本的な競争構造の分析枠組みは今も有効ですが、プラットフォームビジネスや破壊的イノベーションへの対応は別の理論(クリステンセン等)を補完的に使う必要があります。
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