書影
この本を一言で言うと
戦略の世界的権威ルメルトが「良い戦略の構造(診断・基本方針・行動)」を定義し、世の中の「戦略もどき」を鋭く解体する、戦略論の決定版。
この本の概要
UCLA教授でThinkers50受賞の戦略論の世界的権威、リチャード・P・ルメルトによる戦略論の傑作。本書の核心は「良い戦略には診断・基本方針・行動の3要素からなるカーネルがある」という主張。多くの経営者が「目標の設定」を戦略と取り違えているという批判から始まり、豊富な歴史的事例(トラファルガーの海戦、インテルの方針転換等)と企業事例を交えて、良い戦略の構造を徹底的に解説する。「悪い戦略」の特徴——パワーワードの羅列、目標と戦略の混同、相反する要求の力ずくの統合——も具体的に解説。W・チャン・キム(ブルー・オーシャン著者)、ゲイリー・ハメル(コア・コンピタンス著者)の両氏も推薦する戦略書の必読書。
社内の「戦略発表会」が急に馬鹿らしく見えてきた
毎年4月に全社の戦略発表会がある。事業部長たちが「顧客中心主義で高品質を追求し、グローバル展開を加速する」みたいなことを言う。拍手が起きる。そして翌月には誰も覚えていない。
この本を読んで、その発表会の何が問題かがやっとわかった。著者が言う「悪い戦略の特徴」にそのまま当てはまっていた。パワーワードで飾られた目標の羅列。何を選択して何を捨てるかが書かれていない。難局から目を背けている。
「戦略のカーネル(核)」という概念が特に使えた。診断(何が問題か)→基本方針(どう取り組むか)→行動(具体的に何をするか)という3要素。これを見るだけで、「戦略っぽい何か」と「本物の戦略」の区別がつくようになった。
翻訳の質も高い。専門用語も平易な日本語で読みやすい。ルメルトの直球な批判の言葉が経営企画人間には痛いが、それが気持ちいい本でもある。
— 大企業の経営企画部長・加藤(47歳)
この本で学べること
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本の目次
- 1第1部: 良い戦略と悪い戦略
- 2第2部: 良い戦略の強みの源泉(テコ入れ効果・有利なポジション・一貫した行動)
- 3第3部: 戦略のダイナミクス(変化の波・エントロピー・慣性)
良い点・気になる点
良い点
- ○「戦略」の定義を明確化し、よくある誤解(目標≠戦略)を論理的に解体
- ○豊富な歴史・企業事例が理論を生き生きと示してくれる
- ○読後、自社・自組織の「戦略」を見直さずにはいられない強い問いかけ
気になる点
- △410ページで量は多め——繰り返しの記述もあり、やや冗長に感じる部分がある
- △良い戦略の「作り方」よりも「見分け方」に焦点が当たっており、実践手順は少ない
みんなの評判・口コミ
★★★★★5.0
社内の戦略発表が「悪い戦略の見本」だと気づいてしまった。良い戦略の3要素(診断・基本方針・行動)を基準に見ると、ほとんどの「戦略」が目標の羅列に過ぎないとわかる。
★★★★★4.5
「何をしないかを決めることが戦略」という言葉が刺さった。機能追加の優先順位をつける際の判断基準が変わった。エンジニアにも読んでほしい戦略論。
★★★★★4.0
クライアントに「これが悪い戦略です」と指摘するための語彙が増えた。ルメルトの批判は直球すぎて使えない場面もあるが、本質の理解という点では必読書。
★★★★★4.0
ポーターやアンゾフと合わせて読むと戦略論の立体感が出る。ルメルトの「戦略のカーネル」は面接でも使える概念だった。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. ポーターの戦略論との違いは何ですか?▼
A. ポーターが「どのポジションを取るか(産業構造分析)」を中心とするのに対し、ルメルトは「良い戦略の内部構造(カーネル)」に焦点を当てます。補完関係にある書籍として両方読む価値があります。
Q. 「悪い戦略」を批判する本ですか?▼
A. 批判だけでなく、良い戦略を作るための考え方も丁寧に解説しています。批判を通じて本質を浮かび上がらせる構成で、読後は「良い戦略とは何か」が明確になります。
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