この本を一言で言うと
優れた戦略とは静止画ではなく動画——競争優位の本質を「ストーリーの一貫性」として捉えた、楠木建による競争戦略論の決定版。
この本の概要
一橋大学ビジネススクール教授・楠木建が、競争戦略の本質を「ストーリー」という概念で解き明かした30万部超のロングセラー。従来の戦略論がフレームワークや施策の選択を重視するのに対し、楠木は「優れた戦略とは打ち手のつながりが一貫した物語である」と主張する。個々の施策ではなく、その施策間の因果関係の連鎖——いわばストーリーの論理構造——こそが競争優位の源泉だとする。マブチモーター、スターバックス、アスクル、ブックオフなど多数の企業事例を用いて、「クリティカル・コア(一見非合理に見えるが全体として合理)」という概念を丁寧に展開。語り口調の読みやすい文体で544ページを読ませる。
フレームワークへの「モヤモヤ」の正体がやっとわかった
コンサルに戦略策定を依頼するたびに、何か違和感があった。SWOT分析して、3C整理して、差別化ポイントを抽出して——そのプロセスは正しそうなのに、出てきた「戦略」に乗り気になれない。なんでだろうとずっと思っていた。
この本を読んで、やっと言語化できた。フレームワークは施策を「並べる」道具でしかなく、施策間の「つながり」——つまりなぜその施策の組み合わせが競争優位になるかのロジック——を生み出すのは人間の思考でしかない、ということ。
クリティカル・コアの概念が特に刺さった。「一見非合理に見える施策が、全体のストーリーの中で合理になる」という話。スターバックスが居心地のいい空間を提供するのに高い家賃を払うのは、回転率を下げる非合理な選択に見える。でもそれが「第三の場所」というストーリーの核心だ、と。
分厚くて繰り返しも多いが、それだけ著者が「伝えたい」という密度がある。読んでいる間中、自社のビジネスに置き換えて考え続けていた。
— ECサービスの事業責任者・村上(41歳)
この本で学べること
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本の目次
- 1第1章: 戦略の基本——競争優位と持続性
- 2第2章: ストーリーとしての戦略——動的な論理
- 3第3章: クリティカル・コア——非合理の合理
- 4第4章: 優れた戦略の条件——一貫性と独自性
- 5第5章: 戦略をつくる——思考の実践
良い点・気になる点
良い点
- ○戦略論の本質を「ストーリー」という斬新な切り口で再定義した独創性
- ○豊富な企業事例が理論を具体的に理解させてくれる
- ○読後に「自分の会社のストーリー」を考えずにいられない強い問いかけ
気になる点
- △544ページで繰り返しが多く、冗長に感じる読者もいる
- △ストーリーの「設計方法」については抽象的で、実践への手順は示されにくい
みんなの評判・口コミ
★★★★★5.0
事業計画を作るたびに「施策の羅列」になっていた理由がわかった。施策ではなくストーリーを描くという発想の転換が、事業企画の質を根本的に変えてくれた。
★★★★★4.0
クライアントへの提案で「なぜこの組み合わせなのか」の説明が変わった。フレームワーク適用の限界を直視させてくれた意味で、コンサルタントとして読む価値がある。
★★★★★4.5
MBA的な分析と楠木のストーリー論は補完関係にある。分析で施策を洗い出し、ストーリーで一貫性を確認するという使い方が自分の中でできてきた。
★★★★★3.5
理論的には納得感が高いが、具体的にストーリーをどう設計するかの手順が欲しかった。読後の問いかけは強烈だが、答えは自分で考えるしかない本。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. フレームワークを全否定している本ですか?▼
A. 否定ではなく「正しい位置づけ」をしています。フレームワークは思考の整理ツールとして有効だが、それだけでは戦略にならないという主張です。フレームワークの使い方が変わります。
Q. 大企業の事例が多いですが中小企業にも参考になりますか?▼
A. はい。著者の主張する「ストーリーとしての一貫性」は企業規模に関係しません。むしろ経営資源が限られる中小企業こそ、打ち手の一貫性が重要だという観点で読めます。
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