この本を一言で言うと
兵器として育てられた巨大な蛇・闘蛇の世界で母を失った少女エリンが、自らの力と意志で運命を切り開いていく傑作成長ファンタジー。
この本の概要
リョザ神王国。闘蛇村で暮らす少女エリンは、王国の矛盾を一身に背負う凶暴な生き物・闘蛇を飼育する母ソヨンと幸せに暮らしていた。しかし、担当する闘蛇を死なせた罪に問われた母は処刑され、エリンは孤独な逃亡者となる。母が使った禁じられた指笛で九死に一生を得たエリンは、蜂飼いのジョウンに救われ、やがて獣ノ医術師を目指す道を歩み始める。著者独自の生態学・生物学的な視点で描かれる「獣」たちの生態と、エリンが力で押さえ込むのではなく信頼によって獣と向き合う姿が大きな魅力。全4巻シリーズの第1巻で、NHKでアニメ化もされた人気作。
獣医師として読んで、エリンの「力で押さえ込まない」姿勢に鳥肌が立った
ファンタジーの動物描写ってだいたい都合よすぎるんですよね、正直なところ。でもこの本はちがった。闘蛇の行動原理、群れのヒエラルキー、環境への反応——架空の生き物なのに「ちゃんと動物として考えてある」感がすごくて。これ上橋さん、絶対動物好きだなと思いながら読んでた。
エリンが力や道具で闘蛇を制御しようとするんじゃなくて、信頼関係を築こうとするというのが、仕事としてすごく共感できた。怖い動物も、信頼を得れば変わる。それは日々の診療で感じていることで。
母親が序盤に亡くなるのはかなりしんどい展開で、エリンのつらさを読んでいて苦しくなった。でもそこから這い上がっていく姿が、読んでいて本当に応援したくなる。仕事帰りに読み始めて気づいたら朝2時になってた。
— 26歳・動物病院の獣医師
この本で学べること
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本の目次
- 1第一章 闘蛇村
- 2第二章 エリンの母ソヨン
- 3第三章 禁じられた指笛
- 4第四章 大罪
- 5第五章 逃亡
- 6第六章 蜂飼いのジョウン
- 7第七章 新しい生活
- 8第八章 獣ノ医術師への道
- 9終章 旅立ち
良い点・気になる点
良い点
- ○母の喪失から始まる少女の成長が丁寧に描かれ、感情移入しやすい
- ○生物学・生態学的な設定のリアリティが世界観への没入感を高める
- ○NHKアニメと合わせて楽しめ、ビジュアルで世界観を掴んでから原作に入ることもできる
気になる点
- △第1巻は世界観と登場人物の紹介が中心で、スケールの大きな展開は2巻以降になる
- △闘蛇の設定や王国の政治構造の説明が多く、序盤は少し情報過多に感じることがある
みんなの評判・口コミ
★★★★★5.0
守り人シリーズも大好きだけど、こちらの方がより「生き物と人間」の関係に焦点が当たっていて好み。エリンが闘蛇に向き合う姿がとても丁寧に描かれていて、力じゃなくて信頼で動物と向き合うというメッセージが伝わってきた。続きが読みたくて一気に全巻買った。
★★★★★5.0
アニメから入って原作を読んだ。エリンが大好きで、つらいことがあっても前に進もうとするところが尊敬できる。お母さんが死ぬところは泣いた。動物の生態の描写がリアルで、架空の生き物なのに本当にいそうな気がした。
★★★★★4.0
架空の生き物の生態をこれだけ論理的に設計している作品は珍しい。動物行動学的な観点で読んでも破綻がなく、よく考えられている。ファンタジーとして楽しみながら、動物と人間の関係性という普遍的なテーマも考えさせてくれる。
★★★★★3.5
友達に勧められて読んだ。最初は設定が多くて少し難しかったけど、エリンの視点で読んでいくと自然と世界に入れた。母親との別れのシーンは予想外につらくて、しばらく続きが読めなかった。面白かったのは確かだけど、続きを読むかはまだ考え中。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. 守り人シリーズと同じ世界観ですか?▼
A. 獣の奏者は守り人シリーズとは独立した世界観の作品です。どちらから読んでも楽しめます。ただし同じ著者の作品なので、世界観の緻密さや文化人類学的な設定の丁寧さは共通しています。
Q. 全巻読む必要がありますか?▼
A. 全4巻のシリーズです。第1巻の闘蛇編は序章的な位置づけで、物語の大きな展開は2巻以降になります。第1巻で世界観とエリンのキャラクターに惹かれたら、ぜひ全巻読むことをおすすめします。
Q. NHKアニメとの違いはありますか?▼
A. NHKのアニメは原作に比較的忠実ですが、一部設定やキャラクターの描写が異なります。アニメは全26話で第1〜2巻相当の内容を中心に描いています。原作の方が世界観の細部や心理描写が豊かです。