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【要約・書評】『幼女戦記』の評判・おすすめポイント

カルロ・ゼン|KADOKAWA/エンターブレイン|2013-10-30|448ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

現代日本のエリートサラリーマンが、魔法と航空戦が支配する20世紀欧州風の異世界に幼女として転生し、帝国軍の天才魔導士として戦場を駆け抜ける異色の戦記ファンタジー。

この本の概要

社会的効率を信奉する現代日本のエリートサラリーマンが、信仰心を試す「存在X」と名乗る謎の存在により、架空の20世紀欧州風世界に幼女・ターニャ・デグレチャフとして転生させられる。齢一桁で帝国士官学校を次席卒業した天才児として認知されながら、その内面には中年男性の合理的思考と冷徹な功利主義が潜む。航空魔導師として前線に立つターニャは、「銀翼突撃章」を授与される程のウルトラエースとして名を馳せるが、彼女が求めるのは安全な後方勤務のみ。第一次・第二次大戦をモデルにした精緻な軍事描写と、主人公の奇妙な二面性が独自の緊張感を生む本格戦記ライトノベル。

「幼女が戦場で哲学する」という意味わからない設定がなぜか正しい

タイトルだけ見てずっとスルーしてたんだけど、友人に「これは普通の転生ラノベじゃない」と押しつけられて渋々読んだら、最初の50ページで完全に降参した。 幼女の外見で航空魔導師をやりながら、内側ではずっと「いかに後方に下がるか」「いかに上層部に良く見せるか」を計算し続けてるターニャの思考が、妙にサラリーマン的でリアルだった。上司の顔色を読みながら優秀さをアピールして、最終的に気づいたら前線に叩き込まれてる、っていうのは笑えない笑い話だ。 戦術・外交描写が想定外に本格的で、両大戦を混合した世界設定の作り込みが半端ない。魔法が存在するのに軍事ドクトリンや補給線の話がガチで出てくる。神(存在X)との対立という哲学的テーマもずっと通底していて、ただの娯楽小説じゃない重みがある。文章が硬いのは確かだが、それが逆に世界観のリアリティを高めている。続刊がすでに積んである。

37歳・製造業勤務・歴史小説と戦略ゲーム好き

この本で学べること

本の目次

  1. 1プロローグ Deus lo vult
  2. 2第一話 転生
  3. 3第二話 幼年期
  4. 4第三話 士官候補生
  5. 5第四話 赴任
  6. 6第五話 ライン戦線
  7. 7エピローグ

良い点・気になる点

良い点

  • 軍事・政治・外交の描写が徹底しており、硬派なリアリティがある
  • 主人公の一人称視点が独特で、どこまでも合理的に考え続ける姿が面白い
  • アニメ化で有名になった作品の原点として、より深い世界観を楽しめる

気になる点

  • 文体が硬く、軍事用語や戦術描写が多いため読み慣れていないと序盤がきつい
  • 転生・ファンタジー要素よりも戦争描写の割合が大きく、軽い読み物を期待すると合わないことがある

みんなの評判・口コミ

5.0

WW1とWW2を混合した世界設定の精密さに驚いた。ターニャの戦術思考と帝国の政治描写が本格的で、ラノベとは思えない密度。幼女が合理主義で戦場を分析する設定のシュールさも癖になる。神の存在をめぐる哲学的なやり取りも面白い。

4.0

アニメが好きで原作に手を出したら、情報量の多さにびっくりした。文章は確かに硬いけど、ターニャの頭の中の独り言が読めるのは原作ならでは。戦場シーンの緊迫感はアニメより鮮明に伝わってくる気がする。

4.5

転生モノでここまで骨太な作品は珍しい。存在Xとターニャの対立が宗教哲学の議論みたいで面白い。軍事描写は細かすぎてついていけない部分もあるけど、それでも読ませる筆力がある。シリーズ通して読みたくなった。

3.5

サラリーマンが転生して合理的に戦争を生き抜こうとする、という設定が独特。ターニャの思考が功利主義的すぎて読んでいて少し怖い。戦記部分は硬派すぎて好みが分かれそうだが、主人公の内面描写は光るものがある。

著者について

こんな人におすすめ

よくある質問

Q. 軍事の知識がなくても読めますか?
A. 軍事・戦術用語は多く登場しますが、文脈から推測できる部分も多いです。歴史や戦略への興味があれば楽しめます。
Q. アニメとの違いは何ですか?
A. 原作は一人称視点でターニャの内面描写が非常に詳細です。アニメ未登場の政治・外交描写も豊富で、世界観の深みが違います。
Q. 全何巻ですか?
A. 本編は12巻で完結しており、外伝や漫画版も複数刊行されています。