この本を一言で言うと
売上を「良い」「悪い」に峻別し、継続顧客からの利益最大化を実現するマーケティング実践書。
この本の概要
P&G出身の西口一希氏が35年の経験と430社超の経営相談をもとに体系化した「顧客起点マーケティング」の集大成。売上を「継続的に利益に貢献する良い売上」と「一過性で利益に結びつかない悪い売上」に峻別し、「良い売上」の最大化こそがマーケティングの根幹と説く。ID-POS分析・5segs・9segsなどのフレームワークで顧客の購買動態を可視化し、LTV視点でビジネスを再設計する方法を解説。BtoB向け章はジャパン・クラウド・コンサルティング代表の福田康隆氏が監修し、一休.comとの特別対談も収録。2025年10月刊行の最新著作。
「売上が伸びているのに利益が出ない」の答えがここにあった
「売上が伸びているのに利益が出ない」——この矛盾、うちの会社でもずっと続いていた。毎月の数字を見ながら「なんか違う」とは思ってたけど、具体的に何がおかしいのか言語化できなかった。この本を読んでようやくその「何か」に名前がついた。それが「悪い売上」だ。
西口さんの本は以前に『実践 顧客起点マーケティング』を読んでいたけど、本書はそれをさらに一歩踏み込んで「売上の質」という切り口から整理し直している。一番刺さったのは、初回購入だけの顧客からの売上は広告費・初期対応コストを考えると赤字に近く、継続顧客からの売上こそが実際の利益を生み出す構造になっているという話。これは理屈では分かっていたけど、本書では「利益性へのダブルインパクト」という概念で定量的に可視化してくれているので、実際に自分の事業に当てはめて考えやすかった。
「ミルフィーユの崩壊」という概念も面白かった。新商品を次々と出すことで既存商品の販売リソースが分散し、ブランド全体の収益性が崩れていくという現象のことで、これうちのことだ、って思った人は多いんじゃないかと思う。
特に実務的に使えると感じたのが5segs(5セグメント分析)と9segs。顧客をロイヤル・一般・離反・認知未購買・未認知の5段階に分類して、それぞれどう動かすかを考えるフレームワークで、施策の優先度決定に使いやすそう。ID-POS分析は購買データの整備が前提だが、サブスクやECの購買データがある事業なら応用は十分可能だと思う。
2025年10月刊行と最新なので、AI時代のマーケティングへの言及もある。352ページで2,640円は他のマーケ本と比べるとやや高めだが、経営層と共有する価値は十分ある。増収減益に悩む事業責任者に特に読んでほしい。
— 37歳 EC事業の事業部長 / 売上は順調なのに利益が出ない状況の打開策を探していた
この本で学べること
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良い点・気になる点
良い点
- ○売上ではなく利益ベースで顧客の価値を再評価する視点が実務経営に直結しており、経営会議での共通言語を作れる
- ○5segs・9segsなど実際の現場で使えるフレームワークが充実しており、施策立案の判断基準として機能する
- ○BtoB章の監修・一休.comとの対談など多様なビジネス文脈への適用を示す内容が含まれている
気になる点
- △ID-POS分析など一部のフレームワークは購買データの整備が前提となり、データ基盤のない中小企業には導入ハードルが高い
- △2025年10月刊行で口コミ・レビューがまだ少なく、実践的な有効性の検証事例が少ない段階
みんなの評判・口コミ
★★★★★4.0
「売上には種類がある」という視点が目から鱗だった。安売りキャンペーンで短期売上を追いかけることの危険性が具体的に示されていて、自分の仕事の見直しにつながった。少し難しいが読んで正解。
★★★★★5.0
5segsと9segsは早速自社のデータで試した。どの顧客層に注力すべきかが数字で見えるようになって、施策の優先度を変えた。利益ベースで売上を見直すことの重要性を改めて実感した良書。
★★★★★5.0
経営会議で「この売上は良いのか悪いのか」という議論ができるようになった。ID-POS分析の章は自社EC運用に直接使えるフレームワークで、チーム全体で読む価値がある。確実に2,640円以上の価値がある。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. 著者の『実践 顧客起点マーケティング』と内容はどう違いますか?▼
A. 実践 顧客起点マーケティングがN1分析・WHO×WHATの考え方を中心に解説しているのに対し、本書は「売上の質」と「利益性」という切り口で顧客LTVと継続購買を掘り下げています。両書は補完的で、顧客起点マーケティングを先に読んでから本書で利益設計を学ぶ順序が最も効果的です。
Q. BtoB企業にも適用できますか?▼
A. 第6章がBtoB専用章として設けられており、ジャパン・クラウド・コンサルティング代表の福田康隆氏が監修しています。BtoBの文脈でも「良い売上・悪い売上」の概念を体系的に適用する方法が解説されており、SaaS・IT・コンサルなどのBtoB事業にも実用的です。
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